JP2005266155A - 色信号補正装置及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 好適に画像を表示することを目的とする。
【解決手段】 色信号補正装置10は、表示パネルにおける電圧降下分を補正するための電圧降下補正部22と、発光輝度の電流依存性の小さい発光体に対応した色信号を入力して発光特性を補正する第1発光特性補正部20と、発光輝度の電流依存性の大きい発光体に対応した色信号を入力して発光特性を補正する第2発光特性補正部21と、を備え、第1発光特性補正部20を電圧降下補正部22の前段に配置し、第2発光特性補正部21を電圧降下補正部22の後段に配置した。
【選択図】 図2
【解決手段】 色信号補正装置10は、表示パネルにおける電圧降下分を補正するための電圧降下補正部22と、発光輝度の電流依存性の小さい発光体に対応した色信号を入力して発光特性を補正する第1発光特性補正部20と、発光輝度の電流依存性の大きい発光体に対応した色信号を入力して発光特性を補正する第2発光特性補正部21と、を備え、第1発光特性補正部20を電圧降下補正部22の前段に配置し、第2発光特性補正部21を電圧降下補正部22の後段に配置した。
【選択図】 図2
Description
本発明は、マトリクス配線された複数の画像形成素子を備える表示パネルを用いてテレビジョン信号やコンピュータなどの表示信号を受信し画像を表示するテレビジョン受信機やディスプレイ装置等の画像表示装置の色信号補正装置に関するものである。
従来、m本の行配線及びn本の列配線に配線されてマトリクス状に配列されたm×n個の画像形成素子(表示素子)を有し、行配線に対して順次走査を行うと共に、列方向に変調を行うことによって、1行分の素子群を同時に駆動していた。
このように駆動する場合には、行配線において、配線の電気抵抗により発生する電圧降下によって、画像形成素子に印加される電圧の低下による不具合が問題となっている。
そこで、このような画像形成素子への印加電圧のばらつきを補正する目的で、各々の画像形成素子における電圧降下量を計算し、その電圧降下量に相当する電荷量の損失分を駆動パルスのパルス幅を補正することによって補正を行う構成の画像表示装置が特許文献1に開示されている。
特許文献1記載の画像表示装置は、画像データにおける画素ごとの電圧降下量を算出し、その電圧降下量からパルス幅を伸張することによって補正データを算出する。また画像データと補正データを演算した際に、オーバーフローが起きないように、オーバーフロー処理回路を備える。
しかしながら、上述した特許文献1の構成においては、蛍光体の発光(輝度)特性が各色ごとに異なることについては考慮していないため、電圧降下の影響はかなり緩和されるものの、蛍光体の発光特性を考慮した改良が必要であった。
蛍光体の発光特性の補正については、特許文献2に提案されている。特許文献2においては、蛍光体の発光輝度が蛍光体に照射される電子ビームの量に対して、線形に発光せず、飽和傾向があることについて述べられている(以降、蛍光体飽和、その特性を蛍光体飽和特性とよぶ)。さらに、蛍光体飽和特性が、蛍光体の種類や、蛍光体に照射される電子ビームのビーム密度、ビーム照射時間などにより変化することが述べられている。またABL(Auto Brightness Limitter)等により、画像形成素子に印加する電圧を制御した場合には、電子ビームのビーム密度や照射時間が変化することにより、蛍光体の発光特性が変化することについても述べられている。
しかるに特許文献2においても、電圧降下が発生する場合や、それを補正する回路が付加された画像表示装置においては十分に蛍光体飽和特性を補正するには至らず、更なる改良が必要であった。
そこで本発明者らは、このような問題点を解決することを目的として、特許文献3を提案している。特許文献3においては、入力される画像データに対し行配線の抵抗分によって生じる電圧降下量を算出し、該電圧降下量を補正した画像データ(補正画像データ)を算出する補正画像データ算出手段と、補正後の画像データが変調手段の入力範囲をオーバーフローしないようにするオーバーフロー処理回路とを備え、ゲインによりオーバーフローを防止しつつ、ゲインによって階調変換特性を変化させる階調変換手段を電圧降下の影響を補正する構成の前段に構成することによって、蛍光体の飽和特性を打ち消すことで、
高品位な画像を表示することができるものである。また、階調変換手段を、電圧降下量を補正した画像データ(補正画像データ)を算出する補正画像データ算出手段の後段に設けることも提案されている。
特開2003−29689号公報
特開2000−75833号公報
特開2003−241707号公報
高品位な画像を表示することができるものである。また、階調変換手段を、電圧降下量を補正した画像データ(補正画像データ)を算出する補正画像データ算出手段の後段に設けることも提案されている。
しかしながら、さらに本発明者らが鋭意研究を行った結果、電子ビームのビーム密度や照射時間が変化することにより蛍光体の発光特性が変化するが、蛍光体の種類によってその輝度特性が蛍光体に照射される電流に対して依存性の大きい蛍光体と小さい蛍光体が存在することがわかった。そして、この電流依存性による特性の違いがあることから、表示パネルの蛍光体の組み合わせによって、特許文献3のように電圧降下補正部の前段あるいは後段のどちらか一方に階調変換部を設けても、最終的に好適な画像を得られない場合があることがわかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされ、好適に画像を表示することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の色信号補正装置にあっては、表示パネルにおける電圧降下分を補正するための電圧降下補正部と、発光輝度の電流依存性の小さい発光体に対応した色信号を入力して発光特性を補正する第1の発光特性補正部と、発光輝度の電流依存性の大きい発光体に対応した色信号を入力して発光特性を補正する第2の発光特性補正部と、を備え、前記第1の発光特性補正部を前記電圧降下補正部の前段に配置し、前記第2の発光特性補正部を前記電圧降下補正部の後段に配置したことを特徴とする。
本発明の画像表示装置にあっては、上記の色信号補正装置と、表示パネルと、駆動手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明は、発光輝度の電流依存性が小さい蛍光体に対応する色信号を電圧降下補正部の前段で発光特性補正を行い、発光輝度の電流依存性が大きい蛍光体に対応する色信号を電圧降下補正部の後段で発光特性補正を行うことによって、表示パネルの蛍光体に電流密度依存性の異なる蛍光体の組み合わせが存在しても、好適な画像を得ることができる。そして自然画像についても、良好な画像を得ることができる。
以下に図面を参照して、この発明の最良な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明において採用できる表示素子(画像表示装置)としては、冷陰極素子やEL素子によって構成される表示素子などが挙げられる。以下では表示素子として冷陰極素子、特に表面伝導型放出素子を用いた構成を例に挙げて説明する。
複数の冷陰極素子、本実施形態では複数の表面伝導型放出素子を、複数の走査配線と変調配線により、単純マトリクス上の交点に配置した表示装置において、マルチ電子ビームからの電子ビーム照射を受けて発光する蛍光体を有する表示パネルを含むTV信号を表示
する画像表示装置に、特徴部分である色信号補正装置を組み込むことにより、好適な画像表示を行う画像表示装置を構成することができる。
する画像表示装置に、特徴部分である色信号補正装置を組み込むことにより、好適な画像表示を行う画像表示装置を構成することができる。
以下、本発明の特徴部分である色信号補正装置及び色信号補正装置を搭載した画像表示装置のハードウェアの構成について、順に説明を行う。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、色信号補正装置は、赤(R),緑(G),青(B)各色の発光特性を補正するための発光特性補正部と、表示パネルにおける電圧降下分を補正するための電圧降下補正部とを備えている。そして、発光輝度特性が電流依存性の小さい赤(R)の蛍光体に対応した色信号を入力してその発光特性を補正する第1の発光特性補正部を、電圧降下補正部の前段に配置している。また、発光輝度の電流依存性の大きい緑(G)、青(B)の蛍光体に対応した色信号を入力してその発光特性を補正する第2の発光特性補正部を、電圧降下補正部の後段に配置している。
第1の実施形態では、色信号補正装置は、赤(R),緑(G),青(B)各色の発光特性を補正するための発光特性補正部と、表示パネルにおける電圧降下分を補正するための電圧降下補正部とを備えている。そして、発光輝度特性が電流依存性の小さい赤(R)の蛍光体に対応した色信号を入力してその発光特性を補正する第1の発光特性補正部を、電圧降下補正部の前段に配置している。また、発光輝度の電流依存性の大きい緑(G)、青(B)の蛍光体に対応した色信号を入力してその発光特性を補正する第2の発光特性補正部を、電圧降下補正部の後段に配置している。
以下、本発明の特徴である色信号補正装置及び色信号補正装置を搭載した画像表示装置のハードウェアの構成について、順に説明を行う。
(システム全体と各部分の機能説明)
本実施形態に係る画像表示装置の表示パネルの概観、単純マトリクス構造をもつ電気的な接続、表面伝導型放出素子の特性については、特許文献2(特開2000−75833号)に記載されているので、ここでは説明を省略する。尚、本実施形態の画像表示装置においては、表示パネルの行電極に線順次に走査信号を印加し、これと同期して列電極に画像データに対応してパルス幅変調された変調信号を印加することにより、行電極及び列電極に接続された電子放出素子に駆動パルスが印加されることにより画像が表示される。
本実施形態に係る画像表示装置の表示パネルの概観、単純マトリクス構造をもつ電気的な接続、表面伝導型放出素子の特性については、特許文献2(特開2000−75833号)に記載されているので、ここでは説明を省略する。尚、本実施形態の画像表示装置においては、表示パネルの行電極に線順次に走査信号を印加し、これと同期して列電極に画像データに対応してパルス幅変調された変調信号を印加することにより、行電極及び列電極に接続された電子放出素子に駆動パルスが印加されることにより画像が表示される。
次にハードウェアの構成を、図1に示す。図1はハードウェア回路構成の概略を示すブロック図である。
Dx1〜DxM及びDx1’〜DxM’は表示パネル1の走査配線の電圧供給端子、Dy1〜DyNは表示パネル1の変調配線の電圧供給端子、Hvはフェースプレートとリアプレートの間に加速電圧を印加するための高圧供給端子、Vaは高圧電源、1は表示パネル、2及び2’は走査信号を出力する走査回路、3は同期信号分離回路、4はタイミング発生回路、7はYPbPr信号をRGBに変換するためのRGB変換回路、17は逆γ処理部、10は色信号補正装置、5は画像データ1ライン分のシフトレジスタ、6は画像データ1ライン分のラッチ回路、8は表示パネル1の変調配線に変調信号を出力するパルス幅変調手段である。走査回路2,2’及びパルス幅変調手段8により駆動手段が構成される。
また、図1においてR、G、BはRGBパラレルの入力映像データ、Ra,Ga,Baは後述する逆γ変換処理を施したRGBパラレルの映像データ、Rc、Gc、Bcは色信号補正装置10で色度点の変動を抑え、且つ蛍光体の飽和を補正するめに補正されたRGBパラレルの映像データ、Dataはデータ配列変換部によりパラレル・シリアル変換された画像データである。
入力された映像信号は、まず図1に示す同期分離回路3により同期信号Vsync、Hsyncを分離し、タイミング発生回路4に供給する。同期分離された映像信号は、RGB変換回路7に供給される。RGB変換回路7の内部には、YPbPrからRGBへの変換回路の他に、不図示のローパスフィルタやA/D変換器などが設けられており、YPbPrをディジタルRGB信号へと変換し、逆γ処理部17へと供給する。
図1のタイミング発生回路4は、様々な映像フォーマットに対応したタイミング信号を発生し、各部の動作タイミング信号を発生する回路である。タイミング発生回路4が発生するタイミング信号としては、シフトレジスタ5の動作タイミングを制御するTSFT、シフトレジスタ5からラッチ回路6へデータをラッチするための制御信号Dataload、変調手段8のパルス幅変調開始信号Pwmstart,パルス幅変調のためのクロックPwmclk、走査回路2の動作を制御するTscanなどがある。
図1の走査回路2及び2’は、表示パネルを一水平走査期間に1行ずつ順次走査するために、接続端子Dx1〜DxM及びDx1’〜DxM’に対して選択電位Vsまたは非選択電位Vnsを出力する回路である。
走査回路2及び2’はタイミング発生回路4からのタイミング信号Tscanに同期して、一水平期間ごとに選択している走査配線を順次切り替え、走査を行う回路である。尚、Tscanは垂直同期信号及び水平同期信号などから作られるタイミング信号群である。
次に図1に記載の逆γ処理部17について説明を行う。表示パネル1は入力に対しほぼ2.2乗の発光特性(以降逆γ特性とよぶ)を備えている。入力映像信号は表示パネル1のこのような特性が考慮されており、表示パネル1に表示した際にリニアな発光特性となるように一般に0.45乗のγ特性にしたがって変換される。
一方、本実施形態に係る画像表示装置の表示パネル1は駆動電圧の印加時間により変調を施す場合、印加時間に対しほぼリニアな発光特性を有しているため、逆γ処理部17で入力映像信号を逆γ特性にもとづいて変換(以降逆γ変換とよぶ)する必要がある。
(色信号補正装置)
図2は色信号補正装置10のブロック図である。20は第1発光特性補正部、21は第2発光特性補正部である。22は電圧降下補正部、23,24は乗算器、25は逆数器である。
図2は色信号補正装置10のブロック図である。20は第1発光特性補正部、21は第2発光特性補正部である。22は電圧降下補正部、23,24は乗算器、25は逆数器である。
図2の第1発光特性補正部20で、輝度特性の電流依存性の小さい赤(R)の蛍光体の飽和特性を補正し、第2発光特性補正部21で輝度特性の電流依存性の大きい緑(G)、及び青(B)の蛍光体の飽和特性を補正する。
以下、電圧降下補正部22、第1及び第2発光特性補正部20,21の順に、詳細に説明を行う。
(電圧降下補正部)
電圧降下補正部22の説明を、図3を用いて行う。図3において、31は補正データ算出手段、32はゲイン算出手段、33は補正画像データの中から最大値を検出する最大値検出手段、34は画像データに対応した補正データ算出手段31からの補正データが正しく加算されるように遅延を行う遅延回路、35a〜35cは入力画像データRa’,Ga,Baに、補正データ算出手段31からの出力データcRa’,cGa’,cBa’を加算する加算器、36a〜36cは補正データ算出手段31の補正データが加算された画像データに、ゲイン算出手段32から出力されるゲインGdを乗算する乗算器である。
電圧降下補正部22の説明を、図3を用いて行う。図3において、31は補正データ算出手段、32はゲイン算出手段、33は補正画像データの中から最大値を検出する最大値検出手段、34は画像データに対応した補正データ算出手段31からの補正データが正しく加算されるように遅延を行う遅延回路、35a〜35cは入力画像データRa’,Ga,Baに、補正データ算出手段31からの出力データcRa’,cGa’,cBa’を加算する加算器、36a〜36cは補正データ算出手段31の補正データが加算された画像データに、ゲイン算出手段32から出力されるゲインGdを乗算する乗算器である。
補正データ算出手段31での詳細な補正データ算出方法は、特許文献1(特開2003−29689号)に記載されているので省略するが、入力された画像データに対し走査配線の配線抵抗による電圧降下量を計算し、電圧降下の影響による放出電流の減少分を図4
のVf−Ieのグラフから算出し(図5のSTEP1)、そして図5のSTEP2に示すように放出電流の減少分をパルス幅を伸張することによって補っている。図5はそれぞれ縦軸に素子から放出される電流、横軸にパルス幅(時間軸)を示し、その面積は蛍光体に投入される電荷量を示す。したがって、電圧降下補正部22では、電圧降下によって失われる電荷量を、表示パネルに印加される駆動パルスのパルス幅を伸張することによって補っていることになる。
のVf−Ieのグラフから算出し(図5のSTEP1)、そして図5のSTEP2に示すように放出電流の減少分をパルス幅を伸張することによって補っている。図5はそれぞれ縦軸に素子から放出される電流、横軸にパルス幅(時間軸)を示し、その面積は蛍光体に投入される電荷量を示す。したがって、電圧降下補正部22では、電圧降下によって失われる電荷量を、表示パネルに印加される駆動パルスのパルス幅を伸張することによって補っていることになる。
そして伸張分のパルス幅データが、補正データ算出手段31からの出力cRa’、cGa’、cBa’となる。
しかしながら、図5のSTEP2にも示されるように、駆動パルスのパルス幅を伸張することによって、1水平走査期間を超えてしまうオーバーフローのデータが発生する。このため、全ての画像データが1水平期間(1H)内に収まるように、1フレームの補正データ加算後の画像データの最大値を最大値検出手段33で検出して、その画像データの最大値が1水平期間に収まるようなゲインGdをゲイン算出手段32で算出し、ゲインGdを全ての画像データに乗算することによって、画像データのオーバーフローを防いでいる。
そして、電圧降下補正部22で、電圧降下補正後の画像データRc(pRa)、pGa、pBaを出力し、赤の出力データRc(pRa)はそのまま色信号補正装置10の出力画像データとなり、緑及び青の画像データpGa及びpBaはそれぞれ、第2発光特性補正部21に転送される。
(第1発光特性補正部)
第1発光特性補正部20では輝度特性の電流依存性の小さい赤(R)の蛍光体の飽和特性を補正する。
第1発光特性補正部20では輝度特性の電流依存性の小さい赤(R)の蛍光体の飽和特性を補正する。
赤の蛍光体について、本発明者らが鋭意研究を行い、電子ビームの照射時間(=パルス幅)や、瞬間的な電子ビームの照射量(=放出電流量:Ie)をパラメータとしてその発光特性を調べた。それによれば、放出電流量とパルス幅の積として放出電荷量を定義し、放出電荷量に対して発光量をプロットすると、赤の蛍光体の発光特性は、Ieの値を変化させても、1本の曲線上にすべて存在することがわかった。これは蛍光体の材料にもよるが、一般に赤の蛍光体の緩和時間が電子ビームを照射している時間に対し、非常に長いためと思われる。
図6(a)は放出電荷量と輝度の関係を示した図である。図6(a)において横軸は放出電荷量であり、縦軸は蛍光体の発光輝度である。投入される放出電流を変化させても、放出電荷量という変数に対し、赤の蛍光体の発光輝度は1本の曲線上に全て存在することがわかる。
したがって、赤の蛍光体の飽和特性を補正するためには、概略として、図6(a)の特性の逆関数、すなわち、図6(b)を用いて、投入(放出)すべき電荷量を算出すればよい。
さらに電圧降下補正部22に、概念的にはこの電荷量に相当するデータを入力として与えれば、電圧降下補正では、電荷量が入力値と同じになるようにパルス幅を伸張するため、好ましく補正ができる。
しかし、オーバーフロー処理によってゲインGdが乗算されることから、電圧降下のない場合の電荷量のGd倍と同じ放出電荷量になるように駆動パルス幅を伸張される。
このため、入力画像データ(輝度要求値)に対し、蛍光体の発光輝度がリニアになるためには、以下のような手順で補正を行えば好ましい。
入力画像データ(輝度要求値)に対し、蛍光体の発光特性の曲線(正確には逆関数)を参照して、その輝度要求値に対応した輝度を得るために必要な放出電荷量に変換する。この際に電圧降下補正後のゲインによって、実際に投入できる電荷量は制限される。したがって、ゲインの値に応じて投入できる電荷量を考慮して、蛍光体飽和を補正する。
ゲインGdが0.25である場合には、放出できる電荷量は、図7(a)のGd=0.25と記された点線の領域内に制限される。
ゲインGdが0.5である場合には、放出できる電荷量は図7(a)のGd=0.5と記された点線の領域内に制限される。
ゲインGdが1.0である場合には、放出できる電荷量は制限されず、図7(a)のGd=1.0と記された点線の領域内の範囲をとる。
上記のことを考慮して、これらを補正する特性としては、
ゲインGd=1の場合は、図8(a)の特性、
ゲインGd=0.5の場合は、図8(b)の特性、
ゲインGd=0.25の場合は、図8(c)の特性
を用いて輝度要求値である入力画像データを電荷量に変換すればよい。
ゲインGd=1の場合は、図8(a)の特性、
ゲインGd=0.5の場合は、図8(b)の特性、
ゲインGd=0.25の場合は、図8(c)の特性
を用いて輝度要求値である入力画像データを電荷量に変換すればよい。
この際に入力画像データの取り得る最大の値を1として、図8(a)〜(c)の曲線にしたがって電荷量データに変換すればよい。実際には、ゲインの値は上記の3つ以外の値をとりえることは言うまでもないが、その場合はゲインに応じてそのエリアを可変させて飽和特性を補正すればよい。
尚、上記の変換を行うのに先立って、ゲインGdの値が必要となるが、厳密には蛍光体飽和補正及び電圧降下補正を施した後でなければ、その値はわからない。この現実的な解決策はフレーム間の画像データの相関を利用し1フレーム前のゲインGdを用いれば好適である。
したがって、第1発光特性補正部20では、図6(b)に示されるような飽和補正テーブルが挿入されており、ゲインGdが乗算された赤の画像データRaに対し、発光特性の補正データであるRa’を出力する。
そして、第1発光特性補正部20から出力された補正画像データRa’は、電圧降下補正部22により赤の蛍光体の放出電荷量データに相当する電荷量が放出されるようにさらに補正され、画像データRcとなる。その後、画像データRcに基づいて、駆動パルスのパルス幅を変調する。
(第2発光特性補正部)
第2発光特性補正部21では、輝度特性の電流依存性の大きい緑(G)及び青(B)の蛍光体の発光特性を補正する。
第2発光特性補正部21では、輝度特性の電流依存性の大きい緑(G)及び青(B)の蛍光体の発光特性を補正する。
緑及び青の蛍光体について、赤の蛍光体同様、本発明者らが鋭意研究を行い、電子ビームの照射時間(=パルス幅)や、瞬間的な電子ビームの照射量(=放出電流量:Ie)をパラメータとしてその発光特性を調べた。それによればパルス幅に対して規格化した発光
量をプロットすると、緑及び青の蛍光体の発光特性は、Ieの値を変化させても、1本の曲線で近似できることがわかった。これは蛍光体の材料にもよるが、緑及び青の蛍光体の緩和時間が電子ビームを照射している時間に対し、非常に短いためと思われる。
量をプロットすると、緑及び青の蛍光体の発光特性は、Ieの値を変化させても、1本の曲線で近似できることがわかった。これは蛍光体の材料にもよるが、緑及び青の蛍光体の緩和時間が電子ビームを照射している時間に対し、非常に短いためと思われる。
図9(a)及び(b)は、緑と青のそれぞれのパルス幅と規格化輝度の関係を示した図である。図9(a)及び(b)において横軸はパルス幅であり、縦軸は蛍光体の規格化した発光輝度である。放出電流の値(Ie)を変化させても、パルス幅という変数に対し、緑及び青の蛍光体の規格化した発光輝度は1本の曲線上に全て存在することがわかる。
したがって、緑及び青の蛍光体の飽和特性を補正するためには、概略として、図9(a)及び(b)の特性の逆関数、すなわち、図10(a)及び(b)を用いて、変調時のパルス幅を算出すればよい。
電圧降下補正部22後の出力データは、概念的には補正されたパルス幅に相当するデータが出力されてくるので、蛍光体の飽和補正がされていない、緑及び青の画像データは、電圧降下補正後のパルス幅のデータに対して補正を行うことにより、良好な飽和補正を行うことができる。
したがって、第2発光特性補正部21では、図10(a)及び(b)に示されるような飽和補正テーブルが挿入されており、電圧降下補正後のパルス幅データpGa及びpBaに対し、発光特性の補正データであるGc及びBcを出力する。
このように、色信号補正装置10は、第1発光特性補正部20で赤の蛍光体飽和補正を行い、そして、電圧降下補正部22で電圧降下の影響に対する補正を行い、また、電圧降下補正後に第2発光特性補正部21で緑及び青の蛍光体飽和補正を行うことによって、各蛍光体の良好な発光特性、及び動画像表示を行った場合に好ましい表示を得ることができる色信号を生成することができる。
そして、図1の記載の色信号補正装置10で補正された色信号Rc,Gc,Bcはデータ配列変換部9へ転送される。
尚、蛍光体の発光特性は、蛍光体の種類、電子ビームの密度、電子ビームの照射時間、フェースプレートとリアプレートの加速電圧などによって変化するので、本実施形態の色信号補正装置10の第1及び第2発光特性補正部20,21で用いられた各種補正テーブルに記載の内容はこれらに限定するものではない。
図1に記載のデータ配列変換部9は、RGBパラレルな映像信号であるRc,Gc,Bcを表示パネル1の画素配列にあわせて並べかえをする機能を有し、RGBのパラレルな映像信号は、RGBのシリアル画像データSDataとしてシフトレジスタ5へ出力される。詳細については記載しないが、タイミング発生回路4からのタイミング制御信号に基づいて動作する。
図1のデータ配列変換部9からの出力である画像データDataは、シフトレジスタ5により、シリアルなデータフォーマットから、各変調配線毎のパラレルな画像データID1〜IDNへとシリアル/パラレル変換されラッチ回路6へ出力される。ラッチ回路6では1水平期間が開始される直前にタイミング信号Dataloadにより、シフトレジスタ5からのデータをラッチする。ラッチ回路6の出力は、パラレルな画像データD1〜DNとして変調手段8へと供給される。
変調手段8は、図11(a)に示したように、PWMカウンタと、各変調配線のコンパ
レータとスイッチ(同図ではFET)とを備えたパルス幅変調回路(PWM回路)である。
レータとスイッチ(同図ではFET)とを備えたパルス幅変調回路(PWM回路)である。
画像データD1〜DNと変調手段8の出力パルス幅の関係は、図11(b)のようなリニアな関係にある。
図11(c)に変調手段の出力波形の例を3つ示す。図11(c)において上側の波形は変調手段8への入力データが0の時の波形であり、中央の波形は変調手段8への入力データが128の時の波形であり、下側の波形は変調手段8への入力データが255の時の波形である。
尚、本実施形態では変調手段8への入力データD1〜DNのビット数は8ビットとした。
このような構成で、色信号補正装置10を搭載して、画像の表示を行ったところ、従来からの課題であった蛍光体の飽和や、電圧降下の影響を補正し、好適に画像を表示することができた。さらに、動画表示時においても、好適に画像が表示できた。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、図2の色信号補正装置10において、第1発光特性補正部20では、電圧降下補正部22で算出された1フレーム前のゲインGdを乗算器23で入力画像データRaに乗算し、第1発光特性補正部20で蛍光体飽和補正後に乗算器24で1/Gdを乗算して、電圧降下補正部22に入力していた。そして図3に示す電圧降下補正部22で次のフレームのゲインGdが算出され、乗算器36aで再度ゲインGdを乗算していた。
第1の実施形態では、図2の色信号補正装置10において、第1発光特性補正部20では、電圧降下補正部22で算出された1フレーム前のゲインGdを乗算器23で入力画像データRaに乗算し、第1発光特性補正部20で蛍光体飽和補正後に乗算器24で1/Gdを乗算して、電圧降下補正部22に入力していた。そして図3に示す電圧降下補正部22で次のフレームのゲインGdが算出され、乗算器36aで再度ゲインGdを乗算していた。
しかし、一般的なビデオ信号では、前後のフレーム間で相関関係があるので、前後のフレーム間でゲインGdの値は、ほとんど変化しない。このため、第2の実施形態では、第1発光特性補正部220の前で1フレーム前のゲイン値を色信号に乗算するだけとした。
第2の実施形態の色信号補正装置210及び電圧降下補正部222を図12及び図13に示す。色信号補正装置210を除くシステムの各部は第1の実施形態と同様に構成されるので、ここでは説明を省略する。
色信号補正装置210において、発光輝度の電流依存性の小さい赤(R)の蛍光体に対応した色信号を入力して、その発光特性を補正する第1発光特性補正部220を、電圧降下補正部222の前段に配置し、発光輝度の電流依存性の大きい緑(G)、青(B)の蛍光体に対応した色信号を入力して、その発光特性を補正する第2発光特性補正部221を、電圧降下補正部222の後段に配置する。
そして、発光輝度の電流依存性の小さい蛍光体に対応した色信号は、電圧降下補正部222から出力される1フレーム前のゲイン値を色信号に乗算し、前記乗算された色信号に対して、第1発光特性補正部220で蛍光体の飽和を補正する。飽和補正された色信号に対して、電圧降下の影響を補正する補正データを算出して前記色信号に加算する。前記加算された色信号を、発光輝度の電流依存性の小さい蛍光体に対応した色信号の補正データとして出力する。
また、発光輝度の電流依存性の大きい蛍光体に対応した色信号に関しては、第1の実施形態と同様に補正を行い、色信号の補正データとして出力することで色信号補正装置210を構成している。
このように色信号補正装置210を搭載して、画像の表示を行ったところ、従来からの課題であった蛍光体の飽和や、電圧降下の影響を補正し、好適に画像を表示することができた。さらに、動画表示時においても、好適に画像が表示できた。
1 表示パネル
2,2’ 走査回路
3 同期分離回路
4 タイミング発生回路
5 シフトレジスタ
6 ラッチ回路
7 変換回路
8 パルス幅変調手段
9 データ配列変換部
10 色信号補正装置
17 逆γ処理部
20 第1発光特性補正部
21 第2発光特性補正部
22 電圧降下補正部
31 補正データ算出手段
32 ゲイン算出手段
33 最大値検出手段
2,2’ 走査回路
3 同期分離回路
4 タイミング発生回路
5 シフトレジスタ
6 ラッチ回路
7 変換回路
8 パルス幅変調手段
9 データ配列変換部
10 色信号補正装置
17 逆γ処理部
20 第1発光特性補正部
21 第2発光特性補正部
22 電圧降下補正部
31 補正データ算出手段
32 ゲイン算出手段
33 最大値検出手段
Claims (3)
- 表示パネルにおける電圧降下分を補正するための電圧降下補正部と、
発光輝度の電流依存性の小さい発光体に対応した色信号を入力して発光特性を補正する第1の発光特性補正部と、
発光輝度の電流依存性の大きい発光体に対応した色信号を入力して発光特性を補正する第2の発光特性補正部と、
を備え、
前記第1の発光特性補正部を前記電圧降下補正部の前段に配置し、
前記第2の発光特性補正部を前記電圧降下補正部の後段に配置したことを特徴とする色信号補正装置。 - 前記電圧降下補正部は、前記表示パネルに印加される駆動パルスのパルス幅を伸ばすことによって、前記電圧降下分の補正を行うように画像データを補正することを特徴とする請求項1に記載の色信号補正装置。
- 請求項1又は2に記載の色信号補正装置と、表示パネルと、駆動手段と、を備えたことを特徴とする画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004076988A JP2005266155A (ja) | 2004-03-17 | 2004-03-17 | 色信号補正装置及び画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004076988A JP2005266155A (ja) | 2004-03-17 | 2004-03-17 | 色信号補正装置及び画像表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005266155A true JP2005266155A (ja) | 2005-09-29 |
Family
ID=35090790
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004076988A Withdrawn JP2005266155A (ja) | 2004-03-17 | 2004-03-17 | 色信号補正装置及び画像表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005266155A (ja) |
-
2004
- 2004-03-17 JP JP2004076988A patent/JP2005266155A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070605 |