JP2005265118A - 回転油圧機器のシール装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定かつ十分なリーク油量が得られるシールリング14を使用した回転油圧機器のシール装置を提供する。
【解決手段】軸部材11と、この軸部材11の外周に相対回転可能に設けられたハウジング12とを有し、上記軸部材11の外周に環状のシーリング溝13を形成し、このシーリング溝13にシールリング14を装着し、シールリング14の背圧側の軸部材11とハウジング12との間に、オイルシール15を設けた回転油圧機器のシール装置において、上記シールリング14の外径面に、作動油のリーク溝21を形成し、このリーク溝21からオイルシール15に十分かつ安定したオイルが供給されるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】軸部材11と、この軸部材11の外周に相対回転可能に設けられたハウジング12とを有し、上記軸部材11の外周に環状のシーリング溝13を形成し、このシーリング溝13にシールリング14を装着し、シールリング14の背圧側の軸部材11とハウジング12との間に、オイルシール15を設けた回転油圧機器のシール装置において、上記シールリング14の外径面に、作動油のリーク溝21を形成し、このリーク溝21からオイルシール15に十分かつ安定したオイルが供給されるようにした。
【選択図】図1
Description
この発明は、自動車のトランスファに好適に使用することができる、回転油圧機器のシール装置に関する。
回転油圧機器の回転部には、作動油の油圧を確保するために、図7に示すように、軸部材1と、この軸部材1の外周に相対回転可能に設けられたハウジング2との間にシール装置が設けられている。
このシール装置は、軸部材1の外周に環状のシーリング溝3を形成し、このシーリング溝3にシールリング4を装着し、シーリング溝3に供給される作動油の油圧を、シールリング4の一方の側面と内径面に作用させて、シールリング4の他方の側面と外径面を、シーリング溝3の側面とハウジング2の内周面とに圧接させて作動油の油圧を確保し、シールリング4の背圧側の軸部材1とハウジング2との間に、オイルシール5を設けた構造になっている。なお、図7において、符号6は、油路を示している。
このシール装置は、軸部材1の外周に環状のシーリング溝3を形成し、このシーリング溝3にシールリング4を装着し、シーリング溝3に供給される作動油の油圧を、シールリング4の一方の側面と内径面に作用させて、シールリング4の他方の側面と外径面を、シーリング溝3の側面とハウジング2の内周面とに圧接させて作動油の油圧を確保し、シールリング4の背圧側の軸部材1とハウジング2との間に、オイルシール5を設けた構造になっている。なお、図7において、符号6は、油路を示している。
従来、自動車のトランスファには、この種のシールリング4として、図6(a)や図6(b)に示す形状の合口部4aを有する金属製や樹脂製のものが使用されている。
ところが、このようなシールリング4を自動車のトランスファに使用した場合、次のような問題がある。
1)リングの熱膨張により、円周方向のすきま変化があり、作動油のリークのバラツキが多い。
2)軸部材1とハウジング2のすきまの大小で、作動油のリークのバラツキが多い。
3)チャンファーの大小により、作動油のリークのバラツキが多い。
4)オイルシール5へのオイルリーク量を確保するためには、軸部材1の軸径を小さくする必要がある。
5)金属製リングは機械加工のため、コストが高い。
一方、自動変速機に使用されるシールリング4として、特許文献1に記載されたものがある。
ところが、このようなシールリング4を自動車のトランスファに使用した場合、次のような問題がある。
1)リングの熱膨張により、円周方向のすきま変化があり、作動油のリークのバラツキが多い。
2)軸部材1とハウジング2のすきまの大小で、作動油のリークのバラツキが多い。
3)チャンファーの大小により、作動油のリークのバラツキが多い。
4)オイルシール5へのオイルリーク量を確保するためには、軸部材1の軸径を小さくする必要がある。
5)金属製リングは機械加工のため、コストが高い。
一方、自動変速機に使用されるシールリング4として、特許文献1に記載されたものがある。
この自動変速機用のシールリング4は、射出成形法により形成されたポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製で、図6(c)に示すように、合口部4aにクランク状溝4bを形成し、このクランク状溝4bから油をリークさせて、油に含まれる異物によるシーリング溝3のシール側面の摩耗を回避する機能を有している。
しかしながら、上記クランク状溝4bは、溝容積が小さく、安定かつ十分なリーク油量が得られないため、上記自動変速機用のシールリング4を、自動車のトランスファ用のシールリングとして使用することができない。
しかしながら、上記クランク状溝4bは、溝容積が小さく、安定かつ十分なリーク油量が得られないため、上記自動変速機用のシールリング4を、自動車のトランスファ用のシールリングとして使用することができない。
そこで、この発明は、自動車のトランスファに好適に使用することができる回転油圧機器のシール装置、特に、安定かつ十分なリーク油量が得られるシールリングを使用した回転油圧機器のシール装置を提供しようとするものである。
この発明は、上記課題を解決するために、軸部材と、この軸部材の外周に相対回転可能に設けられたハウジングとを有し、上記軸部材の外周に環状のシーリング溝を形成し、このシーリング溝にシールリングを装着し、シーリング溝に供給される作動油の油圧を、シールリングの一方の側面と内径面に作用させて、シールリングの他方の側面と外径面を、シーリング溝の側面とハウジング内周面とに圧接させて作動油の油圧を確保し、シールリングの背圧側の軸部材とハウジングとの間に、オイルシールを設けた回転油圧機器のシール装置において、上記シールリングの外径面に、作動油のリーク溝を形成した構成を採用したのである。
上記のように、作動油のリーク溝をシールリングの外径面に形成することにより、要求されるリーク量を、簡単かつ精度良く設定することができる。
上記のように、作動油のリーク溝をシールリングの外径面に形成することにより、要求されるリーク量を、簡単かつ精度良く設定することができる。
上記リーク溝の外径側の角部には、面取りを設けることが好ましく、特にR面とすることが好ましい。面取りにより、シールリングと摺接するハウジングとの間の潤滑状態を良好に保つことができ、耐摩耗性が向上する。面取りを行わない場合には、エッジ当りとなる可能性があるため、ハウジングを傷付けるおそれが生じる。
この発明において使用するシールリングを形成する材料としては、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)が好ましい。特に、PEEKに各種添加剤を配合したPEEK組成物が望ましく、弾性率を高くするため、炭素繊維を配合したPEEK組成物が望ましい。
この発明において使用するシールリングは、簡単かつ精度良く、要求されるリーク量を得ることができるので、自動車のトランスファのシールリングとして好適に使用することができる。
以上のように、この発明のシール装置は、オイルシールに適正なオイル量を供給することができるので、オイルシールの焼き付き、摩耗等の問題がないので、自動車のトランスファに好適に使用することができる。
以下、この発明の実施の形態を説明する。
この発明のシール装置は、図1に示すように、軸部材11の外周に環状のシーリング溝13を形成し、このシーリング溝13にシールリング14を装着し、シーリング溝13に供給される作動油の油圧を、シールリング14の一方の側面と内径面に作用させて、シールリング14の他方の側面と外径面を、シーリング溝13の側面とハウジング12の内周面とに圧接させて作動油の油圧を確保し、シールリング14の背圧側の軸部材11とハウジング12との間に、ゴム製のオイルシール15を設けた構造になっている。なお、図1において、符号16は、油路を示している。
この発明のシール装置は、図1に示すように、軸部材11の外周に環状のシーリング溝13を形成し、このシーリング溝13にシールリング14を装着し、シーリング溝13に供給される作動油の油圧を、シールリング14の一方の側面と内径面に作用させて、シールリング14の他方の側面と外径面を、シーリング溝13の側面とハウジング12の内周面とに圧接させて作動油の油圧を確保し、シールリング14の背圧側の軸部材11とハウジング12との間に、ゴム製のオイルシール15を設けた構造になっている。なお、図1において、符号16は、油路を示している。
上記シールリング14は、図2(a)及び図3(a)に示すように、円周方向の一箇所に合口部17を有する射出成形された矩形断面の合成樹脂からなり、上記合口部17が、内径面側に形成された突合せ面18a、18bと、外径面側に形成された、突合せ面18a、18bから突出するリップ19a、19bと、他方の合口部17のリップ19a、19bが嵌るポケット20a、20bとからなる。
上記シールリング14の外径面には、合口部17から90°離れた対向位置の2箇所に、リーク溝21が軸心と平行に形成されている。このリーク溝21の外径側の角部には、図2(b)に示すように、面取り21aが設けられている。
上記シールリング14の内径面の角部には、段差部22が設けられている。この段差部22により、成形時の型離れが容易になり、また、使用時において、オイル不純物や摩耗粉が堆積し難くなり、摺動面にオイル不純物や摩耗粉が侵入することを防止することができる。
上記リーク溝21の大きさは、適正油圧を確保し、ゴム製のオイルシール15にオイルを適正に供給できるリーク量になるように設定されている。適正なオイルリーク量は、400〜700ml/min(0.2MPa、120℃)で、好ましくは400〜600ml/min(0.2MPa、120℃)である。このオイルリーク量を得るためには、上記リーク溝21の断面積を0.7mm2〜1.1mm2にする必要がある。
次に、外径φ45mm×内径φ41.6mm×幅1.9mmのシールリングを用い、図5に示すオイルリーク試験を行った。
オイルリーク試験は、オイルリーク試験機のS45C製の軸31のリング溝32a、32bに、シールリング33を装着し、軸31を回転させた際、リング溝32a、32bの側面と、S45C製のシリンダー34の内面とが摺接するようにした。そして、シリンダー34の上方の油圧発生装置(図示省略)から油の供給管35を介して油を圧送し、油圧計36より、油圧を測定した。シリンダー34の下方には、漏れた油を排出する排出管37を設け、油漏れ量をメスシリンダ38で測定し、熱電対39により、油温を測定した。
試験条件としては、ギヤオイル(75W−90)を使用し、油圧を0.2MPa、軸回転数5000rpm、油温120℃で運転した。
試験には、実施例1、比較例1〜3の4種類のシールリング33を3個ずつ使用した。合口形状及び材質は表1の通りである。なお、材質のPEEKは、全てNTN精密樹脂製の商品名ベアリーPK5301である。また、実施例1、比較例2、3のシールリングは、射出成形品である
オイルリーク試験は、オイルリーク試験機のS45C製の軸31のリング溝32a、32bに、シールリング33を装着し、軸31を回転させた際、リング溝32a、32bの側面と、S45C製のシリンダー34の内面とが摺接するようにした。そして、シリンダー34の上方の油圧発生装置(図示省略)から油の供給管35を介して油を圧送し、油圧計36より、油圧を測定した。シリンダー34の下方には、漏れた油を排出する排出管37を設け、油漏れ量をメスシリンダ38で測定し、熱電対39により、油温を測定した。
試験条件としては、ギヤオイル(75W−90)を使用し、油圧を0.2MPa、軸回転数5000rpm、油温120℃で運転した。
試験には、実施例1、比較例1〜3の4種類のシールリング33を3個ずつ使用した。合口形状及び材質は表1の通りである。なお、材質のPEEKは、全てNTN精密樹脂製の商品名ベアリーPK5301である。また、実施例1、比較例2、3のシールリングは、射出成形品である
試験結果は、図4に示すとおりであり、この発明のシールリング(実施例1)は、オイルリーク量が400〜600ml/minの最適範囲内にあり、ばらつきも小さかった。
従来品の比較例1は、オイルリーク量が適正範囲内にあるもののバラツキが大きかった。
従来品の比較例1は、オイルリーク量が適正範囲内にあるもののバラツキが大きかった。
11 軸部材
12 ハウジング
13 シーリング溝
14 シールリング
15 オイルシール
16 油路
21 リーク溝
12 ハウジング
13 シーリング溝
14 シールリング
15 オイルシール
16 油路
21 リーク溝
Claims (5)
- 軸部材と、この軸部材の外周に相対回転可能に設けられたハウジングとを有し、上記軸部材の外周に環状のシーリング溝を形成し、このシーリング溝にシールリングを装着し、シーリング溝に供給される作動油の油圧を、シールリングの一方の側面と内径面に作用させて、シールリングの他方の側面と外径面を、シーリング溝の側面とハウジング内周面とに圧接させて作動油の油圧を確保し、シールリングの背圧側の軸部材とハウジングとの間に、オイルシールを設けた回転油圧機器のシール装置において、上記シールリングの外径面に、作動油のリーク溝を形成したことを特徴とする回転油圧機器のシール装置。
- 上記リーク溝の、外径側の角部に面取りを設けた請求項1記載の回転油圧機器のシール装置。
- 上記シールリングが円周方向の一箇所に合口部を有する射出成形された矩形断面の合成樹脂からなり、上記合口部が、内径面側に形成された突合せ面と、外径面側に形成された、突合せ面から突出するリップと、他方の合口部のリップが嵌るポケットとからなる請求項1又は2記載の回転油圧機器のシール装置。
- 上記合成樹脂が、ポリエーテルエーテルケトン樹脂である請求項3記載の回転油圧機器のシール装置。
- 上記回転油圧機器が、自動車のトランスファである請求項1〜4のいずれかに記載の回転油圧機器のシール装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004080964A JP2005265118A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 回転油圧機器のシール装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105889516A (zh) * | 2015-01-22 | 2016-08-24 | 贵州航空发动机研究所 | 一种液压作动筒的密封装置 |
CN110425284A (zh) * | 2019-09-04 | 2019-11-08 | 三一重型装备有限公司 | 一种密封件 |
-
2004
- 2004-03-19 JP JP2004080964A patent/JP2005265118A/ja not_active Withdrawn
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CN110425284B (zh) * | 2019-09-04 | 2024-05-28 | 三一重型装备有限公司 | 一种密封件 |
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