JP2005264951A - 加速ポンプジェット - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来、双胴型1ステージキャブレターはレース目的で製作されたため、高出力を最優先し低中速のドライバビリティは蔑ろにしていた。しかし、昨今では一般車両に装着され一般道、サーキットに広く用いられる傾向にあり、低中速のレスポンス、ドライバビリティの向上が望まれるようになった。上記課題には補助燃料である加速ポンプ系統が大きくかかわっており、その吐出口であるポンプジェットの吐出孔が単孔大口径のため空気と燃料のミクスチャが悪く、適量を吐出しても息つき(加速不良)やレスポンス悪化を招いてしまっていた。そこで、燃料とミクスチャが良く気化効率が高い小径複数で多方向に吐出する吐出孔を備えた加速ポンプジェットを提供する。
【解決手段】 従来の加速ポンプジェットを取り出し、適量吐出口面積で構成され、かつ、多方向に吐出する複数吐出孔を備えたポンプジェットと交換する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、走行車両に装着される双胴型1ステージ式キャブレターないし単胴型フラットスライドバルブ式キャブレターに用いられる加速ポンプジェットに関するものである。ここで、双胴型1ステージ式キャブレターとは、独立した2つの吸気口を備え、かつ、その1つの吸気口に連通された中空部内が1室(ステージ)で構成されているものをいう。また、単胴型フラットスライドバルブ式キャブレターとは、1つのキャブレターに対して吸気口は1つであり、平坦なスロットルバルブがアクセルと連動して上下に作動する機構を有するキャブレターを意味する。
従来、双胴型1ステージ式キャブレターをはじめとするスポーツ車に装着されるキャブレター(以下、スポーツ系キャブレターという)では、色々な仕様のエンジンに対応するために、エンジン仕様に応じて加速ポンプジェットを交換し、加速ポンプジェットからの補助燃料の吐出量を調節していた。具体的には、エンジンが要求する補助燃料の吐出量を加速ポンプジェットに形成された単孔の開孔面積の大小によって実現していた。
特開2000−199468号公報 実願昭50−103701号 実願平4−90141号 木村隆一、キャブレータの構造と調整、新版第3刷、株式会社山海堂、昭和53年3月31日、第136〜137頁
しかしながら、単孔の開孔面積の大小によって補助燃料の吐出量の増減を行っても、どうしても踏み込んだ直後(コンマ何秒)の所に若干の息つき感が生じてしまい、レスポンスの悪さを消し去ることはできなかった。従来の加速ポンプジェット付き双胴型1ステージ式キャブレターを装着した車両におけるエンジン出力特性を図12にグラフとして示す。図12は、一定速度かつエンジン回転数が2000rpmの状態で走行する車両において、アクセルを多量に踏み込み、急激にエンジン回転数を上げたときの出力特性を示している。このグラフにおいて、X軸はアクセルを多量に踏み込んだ後の経過時間を秒単位で示し、Y軸はエンジン出力値をキロワット単位で示している。このグラフに示すように、従来の加速ポンプジェット付き双胴型1ステージ式キャブレターを装着した車両においては、アクセルを多量に踏み込んだ直後においてエンジン出力値が低下してしまっており、エンジンの回転数を急激に上昇させようにも回転数に見合う出力を即座に確保することはできなかった。
スポーツ系キャブレターでは、1気筒に対して1個ずつのポンプジェットが配備されており、エンジン急開時における十分なパワーを確保するために、アクセルを踏み込むたびにポンプジェットからスロットルバルブに直接当たるほどの燃料が吐出される。このため、エンジン全開状態に至るまでの急加速段階において、空気と燃料との混合状態が一瞬不十分となり、車両の息つき感やレスポンスの悪さが生じていた。このような現象は、特に、インテークマニホールドが短くインテークのポートが広い4バルブエンジンを搭載した車両に顕著に現れた。
他方、昨今において、スポーツ系キャブレターは、サーキットコースを走行するレース用車両のみならず、一般公道を走行する通常車両にも広く用いられる傾向にある。従って、エンジンが全開状態となりにくい市街地走行時においても、スポーツ系キャブレターの加速性能を向上してスムーズな走りを実現する必要性があった。
本発明は、以上のようなスポーツ系キャブレターの課題を解決するためになされたものであり、加速ポンプジェットからの補助燃料の吐出態様を変更することにより、ドライバビリティやアクセルレスポンス、エンジン出力の向上を図ることを目的として、以下の構成を採った。
課題を解決するための手段およびその作用・効果
本発明の第一の加速ポンプジェットは、
走行車両に装着される双胴型1ステージ式キャブレターに用いられる加速ポンプジェットであって、
加速力を増強するための補助燃料を吐出する補助燃料吐出孔を複数形成したことを要旨とする。
本発明の第一の加速ポンプジェットによれば、複数の補助燃料吐出孔から補助燃料を吐出する。このため、補助燃料はより細分化された状態で吐出される。従って、補助燃料の気化効率が高まり、より燃焼しやすい混合ガスを生成することが可能となる。この結果、燃焼効率が向上して走行車両のエンジン出力が瞬時に高まり、加速力を増強することができる。
補助燃料吐出孔の位置や補助燃料吐出孔からの補助燃料の吐出方向を、燃料の気化効率が高まる所定の位置や方向とすることにより、ドライバビリティやアクセルレスポンス、エンジン出力の向上を図ることも可能である。
例えば、複数の補助燃料吐出孔を、スロットルバルブの近傍の位置であって、各補助燃料吐出孔から吐出された燃料がアクセル開度の大小に拘らず直接にインテークポートまで届く位置に形成することも好適である。こうすれば、補助燃料は、スロットルバルブの開口部を通過し、直接インテークポートに到達する。従って、補助燃料を極めて速やかに燃焼室に供給することができる。
また、複数の補助燃料吐出孔を、各補助燃料吐出孔から吐出される燃料がお互いに交わらない態様で形成することも望ましい。こうすれば、複数孔から吐出された燃料は、吐出後に交わることなく広範囲に拡散する。従って、より一層空気との混合効率を向上することができる。
本発明の第ニの加速ポンプジェットは、
エンジンが搭載された二輪車に装着される単胴型フラットスライドバルブ式キャブレターに用いられる加速ポンプジェットであって、
加速力を増強するための補助燃料を吐出する補助燃料吐出孔を複数形成したことを要旨とする。
本発明の第ニの加速ポンプジェットによれば、二輪車に装着される単胴型フラットスライドバルブ式キャブレターにおいて、複数の補助燃料吐出孔から補助燃料を吐出する。このため、補助燃料はより細分化された状態で吐出される。従って、燃料の気化効率が高まり、より燃焼しやすい混合ガスを生成することが可能となる。このような燃焼効率の向上により、エンジンが搭載された二輪車のエンジン出力が高まり、加速力を増強することができる。
以下、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の第一実施例である加速ポンプジェット50を備えた双胴型1ステージ式キャブレター10の斜視形状を示す説明図であり、図2は、双胴型1ステージ式キャブレター10を図1に示す2−2線に沿って切断したときの概略断面を示す説明図である。図3は、双胴型1ステージ式キャブレター10がエンジンに装着された状態における縦断面構成を示す説明図であり、図4は、図3における加速ポンプジェット50周辺の様子を拡大して示す説明図である。
双胴型1ステージ式キャブレター10(以下、キャブレター10と略す)は、エンジンを動力源として利用する走行車両に装着されるものであり、通常ではエンジンの2気筒に対して一つづつ装着される。
図1および図3に示すように、キャブレター10は、略円筒形状に形成された二つの胴部11A,11Bを備える。各胴部11A,11Bの内部には吸気通路および燃料通路として機能する中空部12が形成されている。キャブレター10が車両に装着された状態において、中空部12の一端12aはこの一端12aに装着されたエアファンネル18を介して大気開放状態とされる。これによりエアファンネル18および一端12aは吸気口13として機能する。一方、中空部12の他端12bには、アクセルが踏み込まれることによって開閉するスロットルバルブ20が装着されている(図3を参照)。
このスロットルバルブ20は、アクセル開度がゼロの場合には図3に実線で示したようにほぼ閉じた状態となり、これにより中空部12の他端12bはスロットルバルブ20によって塞がれる。一方、スロットルバルブ20は、アクセル開度が大きくなるほど大きく開く。例えば、スロットルバルブ20は、アクセル開度が中程度の場合には閉じた状態から角θ1(約30°)だけ回転し、アクセル開度が最大の場合には閉じた状態から角θ2(約70°)回転する(図4を参照)。
図3に示すように、中空部12の他端12bには、インテークマニホールド25が接続されている。このインテークマニホールド25は、図3に示すように、その内部に吸気通路および燃料通路として機能する中空部26を備える。この中空部26の一端26aに、前述したキャブレター10の中空部12の他端12bが接続されている。一方、中空部26の他端26bは、図3に示すように、燃焼室40と連通された中空部であるインテークポート30の入口部30aに接続されている。これにより、キャブレター10の中空部12は、インテークマニホールド25の中空部26、インテークポート30を通じて燃焼室40とつながっている。
インテークマニホールド25は、キャブレター10とは別体として、走行車両のインテークポート30の入口部30aに応じた形状に形成されており、キャブレター10とインテークポート30とをスムーズに連結するという役割を果たす。勿論、インテークマニホールド25をキャブレター10やインテークポート30と一体として形成することとしても差し支えない。
続いて、燃料の吐出系統について説明する。本実施例のキャブレター10は、メイン系統、スロー系統、加速系統という三つの燃料吐出系統を備える。メイン系統は、車両が中速から高速を運行するために必要な燃料を、スロットルバルブ20が開いた状態において、インテークマニホールド25およびインテークポート30を通じて燃焼室40に供給する役割を果たす。図4に示すように、メイン系統は、燃焼室40に供給される燃料を空気と混合した状態で吐出する孔として第一吐出孔14を備えている。
スロー系統は、車両がアイドリングから低中速運行するために必要な燃料を、スロットルバルブ20が開いた状態において、インテークマニホールド25およびインテークポート30を通じて燃焼室40に供給する役割を果たす。図4に示すように、スロー系統は、燃焼室40に供給される燃料を空気と混合した状態で吐出する孔として第ニ吐出孔16を備えている。
加速系統は、車両の加速によってエンジン回転数が急激に上昇した際に回転数に見合ったエンジン出力を確保するために必要な燃料を、第一吐出孔14や第ニ吐出孔16からの燃料とは別に、補助燃料として、開いた状態のスロットルバルブ20からインテークマニホールド25およびインテークポート30を通じて燃焼室40に供給する役割を果たす。図3および図4に示すように、加速系統は、補助燃料をスロットルバルブ20方向に吐出するためのノズルである加速ポンプジェット50を備える。加速ポンプジェット50はスロットルバルブ20の近傍の位置(本実施例では、スロットルバルブ20から約12ミリメートル離れた位置)に配置されている。
キャブレター10において、加速ポンプジェット50からの補助燃料の吐出は、CPU等のコンピュータシステムによる電子制御ではなく、機械構造的に制御されている。即ち、急激にアクセル開度が大きくなると、アクセルと連動するアーム(図示せず)の単位時間当たりの移動量が多くなる。こうしたアームの急激な移動によって加速系統に大きな圧力が付与される。この圧力により加速ポンプジェット50からの補助燃料が吐出されるのである。
加速ポンプジェット50に形成された補助燃料吐出孔の形態を図5を参照しつつ説明する。図5は、双胴型1ステージ式キャブレター10に装着された加速ポンプジェット50の斜視形状を示す説明図であり、図6は、図5における補助燃料吐出孔50a,50b,50c周辺を拡大して示す説明図である。図7は、加速ポンプジェット50を図5に示す7−7線に沿って切断したときの断面形状を示す説明図である。
図5および図6に示すように、加速ポンプジェット50には、三個の補助燃料吐出孔50a,50b,50cが形成されている。三個の各補助燃料吐出孔50a,50b,50cは、直径約0.24ミリメートルで形成されており、三個の補助燃料吐出孔50a,50b,50cの断面積の総和は約0.136ミリ平方メートルという値となる。この値は、従来の双胴型1ステージ式キャブレターに装着されていた加速ポンプジェットの単孔(換言すれば、一個の補助燃料吐出孔)の断面積とほぼ同じ値である。
図7に示すように、補助燃料吐出孔50a,50b,50cは、各補助燃料吐出孔50a,50b,50cから吐出された補助燃料がスロットルバルブ20やインテークマニホールド25,インテークポート30に向かう途中で互いに交わらないように、所定の角度をもって形成されている。本実施例では、図7に示すように、補助燃料吐出孔50bの燃料噴出方向を表わす線分C−Cに対して、X方向に約10°だけずらした向きに補助燃料吐出孔50aを形成し、−X方向に約10°だけずらした向きに補助燃料吐出孔50cを形成している。
以上のように構成されたキャブレター10において、加速ポンプジェット50から補助燃料が吐出されたときの様子を図8に示す。この図8は、インテークポート30にインテークマニホールド25を介して接続された状態のキャブレター10を、図3に示す8−8線に沿って切断して上方から見たときの断面形状を示している。図8に点線で示すように、スロットルバルブ20が開いた状態において、補助燃料は三個の補助燃料吐出孔50a,50b,50cから細分化されて吐出される。従って、補助燃料の気化効率が高まり、より燃焼しやすい混合ガスを生成することが可能となる。この結果、燃焼効率が向上して走行車両のエンジン出力が瞬時に高まり、加速力を増強することができる。
また、図8に示すように、各補助燃料吐出孔50a,50b,50cから吐出された補助燃料は、アクセル開度の大小に拘らず、スロットルバルブ20の開口部を通過して、直接にインテークポート30の入口部30aまで到達する。従って、補助燃料を極めて速やかに燃焼室40に供給することが可能となり、ドライバビリティやアクセルレスポンス、エンジン出力の著しい向上を図ることができる。
更に、図8に示すように、各補助燃料吐出孔50a,50b,50cから吐出された補助燃料は、スロットルバルブ20やインテークマニホールド25に向かう途中で互いに交わることなく、広範囲に拡散する。従って、より一層空気との混合効率を向上することができる。
本実施例のキャブレター10を装着した車両におけるエンジン出力特性を図9にグラフとして示す。図9(A)のグラフでは、一定速度かつエンジン回転数が2000rpmの状態で走行中に、アクセルを多量に踏み込み、急激にエンジン回転数を上げたときの出力特性を表しており、本実施例のキャブレター10を装着した車両における出力特性を実線で示すとともに、従来の加速ポンプジェット付き双胴型1ステージ式キャブレターを装着した車両における出力特性を二点鎖線で示している。このグラフにおいて、X軸はアクセルを多量に踏み込んだ後の経過時間を秒単位で示し、Y軸はエンジン出力値をキロワット単位で示している。このグラフから、本実施例のキャブレター10を装着した車両では、エンジンの回転数を急激に上昇させた場合であってもエンジン出力値は低下せず、回転数に見合う出力を即座に確保することができることがわかる。
また、図9(B)は、一定速度かつエンジン回転数が2000rpmの状態で走行する車両において、アクセルを多量に踏み込んだ後におけるエンジン回転数と出力特性との関係を示すグラフであり、本実施例のキャブレター10を装着した車両の場合を実線で示すとともに、従来の加速ポンプジェット付き双胴型1ステージ式キャブレターを装着した車両の場合を二点鎖線で示している。このグラフにおいて、X軸はエンジン回転数を1000rpm単位で示し、Y軸はエンジン出力値をキロワット単位で示している。このグラフから、本実施例のキャブレター10を装着した車両では、アクセルの急激な踏み込みに伴って加速ポンプジェットから補助燃料が細分化されて吐出されるので、アクセルを踏み込んだ直後においても燃焼効率は下がらず、回転数が即座に上昇する。従って、アクセルの踏み込み後の補助燃料を用いた走行中において、エンジンの高い出力を確保することができる。例えば、図9(B)に示すように、本実施例のキャブレター10を装着した車両では、エンジン回転数が4000rpmの場合に値y1のエンジン出力を確保することが可能となり、同じ回転数で値y1よりも小さい値y2のエンジン出力しか確保できない従来の車両と顕著に相違する。
このように、加速ポンプジェットの補助燃料吐出孔を小径の複数孔としたことにより、補助燃料(例えば、ガソリン)と空気のミクスチャが飛躍的に良くなり、本来必要としている絶対量を吐出しても息つき(加速不良)やもたつきを発生させずスムーズに加速できる。又、その間のレスポンス、トルク感も格段に向上する。特に、アクセルON/OFFが多い一般市街地、ワインディングロード、クローズドサーキットでは常に加速ポンプが作動しているのでその効果は絶大である。それに引き換え大掛かりな加工や改造を一切必要とせず、現在使用しているスポーツ系キャブレターの加速ポンプジェットと交換するだけで誰にでも解決できるという手軽さも良い点である。さらには、補助燃料の吐出量に関しても補助燃料吐出孔の数や位置等を調節することによって細かな設定が可能であり、最適吐出量の選定、トルク重視かレスポンス重視かといったエンジンフィーリングの味付けも支障のない範囲で行うことができる。補足として、走行時ではないがコールドスタート(エンジン冷えている時の始動)の始動性も向上する。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は、こうした実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる態様で実施可能である。
例えば、上記実施例では、各補助燃料吐出孔50a,50b,50cを直線上に形成した(図5を参照)が、各補助燃料吐出孔50a,50b,50cを非直線上に形成しても差し支えない。この場合には、非直線上の両端に位置する補助燃料吐出孔50a,50cの間に位置する補助燃料吐出孔50bを、スロットルバルブ20の開口中心に向かう方向(以下、開孔中心方向という)に形成するとともに、補助燃料吐出孔50a,50cを開孔中心方向から中空部12の内周壁方向に所定の角度だけずらした向きに形成すればよい。こうすれば、各補助燃料吐出孔50a,50b,50cから吐出された補助燃料がインテークポート30に到達する途中で互いに交わることを有効に防止することができる。
また、上記実施例では、各補助燃料吐出孔50a,50b,50cを、補助燃料吐出孔50bの燃料噴出方向を表わす線分C−Cに対して、X方向に約10°だけずらした向きに補助燃料吐出孔50aを形成し、−X方向に約10°だけずらした向きに補助燃料吐出孔50cを形成した(図7を参照)が、この角度は、各補助燃料吐出孔50a,50b,50cからスロットルバルブ20までの距離や、各補助燃料吐出孔50a,50b,50cからインテークマニホールド25ないしインテークポート30の入口部30aまでの距離、スロットルバルブ20,インテークマニホールド25若しくはインテークポート30の形状等に応じて、種々の角度に変更することができる。従来の双胴型1ステージ式キャブレターに装着した場合には、15°〜30°の角度の範囲で非常に良好な結果が得られた。
更に、上記実施例では、補助燃料吐出孔の数を三個としたが、補助燃料吐出孔の数を二個以上の任意の数に変更しても差し支えない。孔数を二〜六個の範囲でテストした結果、二個の場合には従来品を上回る良好な結果が得られ、3個以上とした場合には二個の場合を上回る良好な結果が得られた。
上記実施例では、三個の補助燃料吐出孔50a,50b,50cの断面積の総和を約0.136ミリ平方メートルという値としたが、この値は要求されるエンジン出力値に応じて変更することが可能である。従来の双胴型1ステージ式キャブレターに三個の補助燃料吐出孔を有する加速ポンプジェットを装着した場合には、補助燃料吐出孔が0.22〜0.30ミリメートルの範囲で非常に良好な結果が得られた。
また、上記実施例では、加速ポンプジェット50をスロットルバルブ20から約12ミリメートル離れた位置に配置したが、これ以外の位置に加速ポンプジェット50を設けても差し支えない。この場合、補助燃料吐出孔から吐出される燃料が直接にインテークポート30の入口部30aに届く位置に加速ポンプジェット50を設けることがより好適である。
なお、上記実施例において、スロットルバルブ20の開口部は略円形の断面形状に形成されており、この略円形断面の直径方向にはスロットルバルブ20の回転中心となる回転軸が装着されている。スロットルバルブ20は、この回転軸を中心としてアクセル開度に応じた量だけ回転する。例えば、アクセルが全開の場合には、スロットルバルブ20は最大の回転量である角θ2(約70°)回転するため、中空部12の他端12b付近には、回転したスロットルバルブ20と中空部12の内周壁との間に、中空部12の他端12bにおける断面積とほぼ同面積の大きな空間が形成される。従って、各補助燃料吐出孔50a,50b,50cから吐出された補助燃料は、開いた状態のスロットルバルブ20に当たることなく、インテークマニホールド25の中空部26に到達する。一方、アクセル開度が小さい場合には、スロットルバルブ20の回転量が小さいため、中空部12の他端12b付近では、回転したスロットルバルブ20と中空部12の内周壁との間に僅かな隙間しか形成されないことになる。このようなケースに対処し、各補助燃料吐出孔50a,50b,50cを、中空部12の内周壁から離間した位置であって、中空部12の内周壁近傍の位置に設けることも好適である。こうすれば、回転したスロットルバルブ20と中空部12の内周壁との間に僅かな隙間しか形成されない場合であっても、各補助燃料吐出孔50a,50b,50cから吐出された補助燃料を、スロットルバルブ20に当たることなくインテークマニホールド25の中空部26に到達させることができる。
また、補助燃料吐出孔50a,50b,50cの中空部12内における位置については適宜変更することができる。従来の双胴型1ステージ式キャブレターにおいて、補助燃料吐出孔の位置を約6ミリメートル上方の位置に変更した上で多孔化し、複数の孔50g,50h,50iを設けた例を図10に示した。また、加速ポンプジェットの補助燃料吐出孔がインナーベンチュリーに設けられるタイプの双胴型1ステージ式キャブレターである場合には、図11に示すように補助燃料吐出孔を複数の孔50m,50n,50p,50qとすることができる。
また、上記加速ポンプジェット50は、キャブレター10に交換可能に装着されている。従って、従来の双胴型1ステージ式キャブレターにおいて、加速ポンプジェットを上記実施例の加速ポンプジェット50に交換すれば、上記実施例と同等の効果を得ることができる。
なお、上記実施例では、各補助燃料吐出孔50a,50b,50cから吐出された補助燃料が直接にインテークポート30の入口部30aにまで到達する場合を例として説明したが、各補助燃料吐出孔50a,50b,50cから吐出された補助燃料が、直接にインテークポート30の入口部30aに到達せず、インテークマニホールド25の中空部26の内壁に当たってからインテークポート30の入口部30aに到達する構成としてもよい。このような構成とした場合であっても、ドライバビリティやアクセルレスポンス,エンジン出力が従来よりも向上することが、テスト走行により確認されている。
また、上記実施例の加速ポンプジェット50を、エンジンが搭載された二輪車に装着される単胴型フラットスライドバルブ式キャブレターに適用することも可能である。
本発明の第一実施例である加速ポンプジェット50を備えた双胴型1ステージ式キャブレター10の斜視形状を示す説明図である。 双胴型1ステージ式キャブレター10を図1に示す2−2線に沿って切断したときの概略断面を示す説明図である。 双胴型1ステージ式キャブレター10がエンジンに装着された状態における縦断面構成を示す説明図である。 図3における加速ポンプジェット50周辺の様子を拡大して示す説明図である。 双胴型1ステージ式キャブレター10に装着された加速ポンプジェット50の斜視形状を示す説明図である。 図5における補助燃料吐出孔50a,50b,50c周辺を拡大して示す説明図である。 加速ポンプジェット50を図5に示す7−7線に沿って切断したときの断面形状を示す説明図である。 キャブレター10において加速ポンプジェット50から補助燃料が吐出されたときの様子を示す説明図である。 本実施例のキャブレター10を装着した車両におけるエンジン出力特性を示すグラフである。 従来の双胴型1ステージ式キャブレターにおいて、補助燃料吐出孔の位置を変更した上で多孔化した例を示す説明図である。 加速ポンプジェットの補助燃料吐出孔がインナーベンチュリーに設けられるタイプの双胴型1ステージ式キャブレターにおいて、補助燃料吐出孔を複数孔化した例を示す説明図である。 従来の加速ポンプジェット付き双胴型1ステージ式キャブレターを装着した車両におけるエンジン出力特性を示すグラフである。
符号の説明
10…双胴型1ステージ式キャブレター
11A,11B…胴部
12…中空部
12a…一端
12b…他端
13…吸気口
14…第一吐出孔
16…第ニ吐出孔
18…エアファンネル
20…スロットルバルブ
25…インテークマニホールド
26…中空部
26a…一端
26b…他端
30…インテークポート
30a…入口部
40…燃焼室
50…加速ポンプジェット
50a,50b,50c…補助燃料吐出孔
50g,50h,50i…補助燃料吐出孔
50m,50n,50q…補助燃料吐出孔

Claims (4)

  1. 走行車両に装着される双胴型1ステージ式キャブレターに用いられる加速ポンプジェットであって、
    加速力を増強するための補助燃料を吐出する補助燃料吐出孔を複数形成したことを特徴とする
    加速ポンプジェット。
  2. 請求項1に記載の加速ポンプジェットであって、
    前記複数の補助燃料吐出孔が、
    スロットルバルブの近傍の位置であって、
    各補助燃料吐出孔から吐出された燃料がアクセル開度の大小に拘らず直接インテークポートまで届く位置に形成された
    加速ポンプジェット。
  3. 前記複数の補助燃料吐出孔を、各補助燃料吐出孔から吐出される燃料がお互いに交わらない態様で形成した請求項1または2に記載の加速ポンプジェット。
  4. エンジンが搭載された二輪車に装着される単胴型フラットスライドバルブ式キャブレターに用いられる加速ポンプジェットであって、
    加速力を増強するための補助燃料を吐出する補助燃料吐出孔を複数形成したことを特徴とする
    加速ポンプジェット。
JP2005135524A 2005-05-09 2005-05-09 加速ポンプジェット Pending JP2005264951A (ja)

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