JP2005262868A - 液体吐出検査装置、液体吐出検査方法、液体吐出装置、インクジェットプリンタ、プログラム、および液体吐出システム - Google Patents

液体吐出検査装置、液体吐出検査方法、液体吐出装置、インクジェットプリンタ、プログラム、および液体吐出システム Download PDF

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Abstract

【課題】 液体吐出部の液体の吐出方向が正常か否かを検査する。
【解決手段】 液体吐出部における液体の吐出検査を行う液体吐出検査装置において、前記液体吐出部と非接触状態にて設けられた感知部を備え、前記液体吐出部から吐出された、帯電した前記液体によって、前記感知部に発生した誘導電流の大きさを検出して、検出した前記誘導電流の大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定することを特徴とする液体吐出検査装置である。
【選択図】 図9

Description

本発明は、液体吐出部の吐出検査を実行する液体吐出検査装置、液体吐出検査方法、液体吐出装置、インクジェットプリンタ、プログラム、および液体吐出システムに関する。
液体吐出装置として、紙や布、フィルムなどの各種媒体に対してインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタは、シアン(C)やマゼンダ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)といった各色のインクを吐出して媒体上にドットを形成してカラー印刷を行う。インクの吐出は、ノズルにより行われている。
しかしながら、このようなインクジェットプリンタにあっては、インクの固着などによりノズルに目詰まりが発生して、インクが正常に吐出されないことがある。このようにノズルから正常にインクが吐出されなくなった場合、媒体上にきちんとドットを形成することができず、このため、画像がきれいに印刷されないといった問題が発生した。このようなことから、定期的にノズルの吐出検査を行って、インクが正常に吐出されているか検査することが必要となる。
そこで、従来より、ノズルからインクが正常に吐出されているか否かを検査する方法が種々提案されている。具体的には、例えば、ノズルから吐出されたインクが、レーザー光線を遮るか否かを検知してインクの吐出の有無を調べたり、また、インクがレーザー光線を遮る時間を計測してインクの尾曲がりなどを検査する方法(特許文献1参照)が提案されている。
特開2002−361863号公報
しかしながら、このような方法にあっては、レーザー光線を照射するために大掛かりな装置が必要となり、このような装置を設置するためにプリンタ内部に大きなスペースが必要になるとともに、装置のために大幅なコストアップを招くという問題が発生していた。このようなことから、あまり大きな設置スペースを必要としないように、小型でかつコンパクトであるとともに、大幅なコストアップを招かずに済むような吐出検査装置が切望されていた。
本発明は、このような事情に鑑みたものであって、その目的は、インク等の液体の吐出部において吐出検査を簡単な構成で実行し得るようにすることにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、
液体吐出部における液体の吐出検査を行う液体吐出検査装置において、
前記液体吐出部と非接触状態にて設けられた感知部を備え、
前記液体吐出部から吐出された、帯電した前記液体によって、前記感知部に発生した誘導電流の大きさを検出して、検出した前記誘導電流の大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定することを特徴とする液体吐出検査装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、液体の吐出方向が正常か否か簡単に検査することができる。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
液体吐出部における液体の吐出検査を行う液体吐出検査装置において、
前記液体吐出部と非接触状態にて設けられた感知部を備え、
前記液体吐出部から吐出された、帯電した前記液体によって、前記感知部に発生した誘導電流の大きさを検出して、検出した前記誘導電流の大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定することを特徴とする液体吐出検査装置。
このような液体吐出検査装置にあっては、液体吐出部から吐出された、帯電した液体によって、感知部に発生した誘導電流の大きさを検出するから、液体の吐出方向が正常か否かを簡単に検査することができる。
かかる液体吐出検査装置にあっては、前記吐出検査を行うときに、前記液体吐出部から前記液体として液体滴を吐出しても良い。このように液体滴を吐出すれば、検査に使用する液体の量を可及的に削減することができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記液体吐出部から吐出される前記液体を帯電させるために、前記感知部に電圧が印加されても良い。このように感知部に電圧が印加されれば、液体吐出部から吐出される液体を簡単に帯電させることができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記液体吐出部から吐出される前記液体が、摩擦帯電により帯電しても良い。このように摩擦帯電により帯電すれば、液体を簡単に帯電させることができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記液体吐出部から吐出される前記液体を帯電させるために電圧が印加される電極部を備えても良い。このような電極部を備えることで、液体吐出部から吐出される液体を簡単に帯電させることができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、検出した前記誘導電流の大きさと、所定のしきい値とを比較して、前記液体の吐出方向が正常か否かを判定しても良い。このように誘導電流の大きさと、所定のしきい値と比較すれば、液体の吐出方向が正常か否かを簡単に判定することができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記感知部は、線材により形成されていても良い。このように感知部が線材により形成されれば、液体吐出部から吐出された液体を簡単に感知することができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記液体吐出部が前記感知部に対して相対的に移動可能に設けられ、前記線材が、前記液体吐出部の移動方向に対して斜めに配置されていれば、前記液体吐出部の移動方向と直交する方向に、前記液体の吐出方向のズレが発生していた場合に、このズレを検知することができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記線材が、相互に非平行状態にて少なくとも2本配置されていても良い。このように線材が相互に非平行状態にて少なくとも2本配置されていれば、液体の吐出方向が正常か否かをより確実に判別することができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記線材に各々発生した前記誘導電流の大きさを個別に検出して、検出した前記誘導電流の各大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定しても良い。このように各線材にそれぞれ発生した誘導電流の大きさに基づき判定を行えば、液体の吐出方向が正常か否かをより確実に判別することができる。
また、かかる液体吐出検査装置にあっては、前記液体吐出部から吐出される前記液体がインクであっても良い。このようなインクを吐出する液体吐出部においてインクの吐出方向が正常か否かを簡単に検査することができる。
液体吐出部における液体の吐出検査を行う液体吐出検査装置において、
前記液体吐出部と非接触状態にて設けられた感知部を備え、
前記液体吐出部から吐出された、帯電した前記液体によって、前記感知部に発生した誘導電流の大きさを検出して、検出した前記誘導電流の大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定し、
前記吐出検査を行うときに、前記液体吐出部から前記液体として液体滴を吐出し、
前記液体吐出部から吐出される前記液体を帯電させるために、前記感知部に電圧が印加され、
検出した前記誘導電流の大きさと、所定のしきい値とを比較して、前記液体の吐出方向が正常か否かを判定し、
前記感知部は、線材により形成され、
前記線材が、相互に非平行状態にて少なくとも2本配置され、
前記線材に各々発生した誘導電流の大きさを個別に検出して、検出した前記誘導電流の各大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定し、
前記液体吐出部から吐出される前記液体がインクであることを特徴とする液体吐出検査装置。
液体吐出部における液体の吐出検査を行う方法であって、
前記液体吐出部から前記液体を吐出し、
前記液体吐出部から吐出された前記液体によって、前記液体吐出部と非接触状態にて設けられた感知部に発生した誘導電流の大きさを検出して、検出した前記誘導電流の大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定することを特徴とする液体吐出検査方法。
媒体に対して液体を吐出する液体吐出部を備えた液体吐出装置において、
前記液体吐出部と非接触状態にて設けられた感知部と、
前記液体吐出部から吐出された、帯電した前記液体により、前記感知部に発生した誘導電流の大きさを検出して、検出した前記誘導電流の大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定する判定部とを備えたことを特徴とする液体吐出装置。
媒体に対してインクを吐出するインク吐出部を備えたインクジェットプリンタにおいて、
前記インク吐出部と非接触状態にて設けられた感知部と、
前記インク吐出部から吐出された、帯電した前記インクにより、前記感知部に発生した誘導電流の大きさを検出して、検出した前記誘導電流の大きさに基づき前記インクの吐出方向が正常か否かを判定する判定部とを備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
液体吐出部における液体の吐出検査を行う液体吐出検査装置において実行されるプログラムであって、
前記液体吐出部から前記液体を吐出するステップと、
前記液体吐出部から吐出された前記液体によって、前記液体吐出部と非接触状態にて設けられた感知部に発生した誘導電流の大きさを検出するステップと、
検出された前記誘導電流の大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定するステップとを実行することを特徴とするプログラム。
コンピュータ本体と、このコンピュータ本体に接続可能な液体吐出装置とを具備した液体吐出システムにおいて、
前記液体吐出装置は、媒体に対して液体を吐出する液体吐出部を備えた液体吐出装置であって、
前記液体吐出部と非接触状態にて設けられた感知部と、
前記液体吐出部から吐出された、帯電した前記液体により、前記感知部に発生した誘導電流の大きさを検出して、検出した前記誘導電流の大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定する判定部とを備えていることを特徴とする液体吐出システム。
===液体吐出装置の概要===
本発明に係る液体吐出装置の実施形態について説明する。ここでは、本発明に係る液体吐出装置として、インクジェットプリンタを例にとり説明する。
<液体吐出装置>
図1〜図4は、そのインクジェットプリンタ1を示したものである。図1は、そのインクジェットプリンタ1の外観を示す。図2は、そのインクジェットプリンタ1の内部構成を示す。図3は、そのインクジェットプリンタ1の搬送部を示す。図4は、そのインクジェットプリンタ1のシステム構成を示すブロック構成図である。
このインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、背面から供給された印刷用紙等の媒体を前面から排出する構造を備えており、その前面部には操作パネル2および排紙部3が設けられ、その背面部には給紙部4が設けられている。操作パネル2には、各種操作ボタン5および表示ランプ6が設けられている。また、排紙部3には、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレー7が設けられている。給紙部4には、カット紙(図示しない)を保持する給紙トレー8が設けられている。なお、インクジェットプリンタ1は、カット紙など単票状の印刷紙のみならず、ロール紙などの連続した媒体にも印刷できるような給紙構造を備えていても良い。
このインクジェットプリンタ1の内部には、図2に示すように、キャリッジ41が設けられている。このキャリッジ41は、所定の方向(本実施形態では図中左右方向)に沿って相対的に移動可能に設けられたものである。キャリッジ41の周辺には、キャリッジモータ(以下、CRモータともいう)42と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイドレール46と、が設けられている。キャリッジモータ42は、DCモータなどにより構成され、キャリッジ41を前記所定の方向に沿って相対的に移動させるための駆動源として機能する。また、タイミングベルト45は、プーリ44を介してキャリッジモータ42に接続されるとともに、その一部がキャリッジ41に接続され、キャリッジモータ42の回転駆動によってキャリッジ41を前記所定の方向に沿って相対的に移動させる。ガイドレール46は、キャリッジ41を前記所定の方向に沿って案内する。この他に、キャリッジ41の周辺には、キャリッジ41の位置を検出するリニア式エンコーダ51と、媒体Sをキャリッジ41の移動方向と交差する方向に沿って搬送するための搬送ローラ17Aと、この搬送ローラ17Aを回転駆動させる紙搬送モータ15とが設けられている。
一方、キャリッジ41には、各種インクを収容したインクカートリッジ48と、媒体Sに対して印刷を行うヘッド21とが設けられている。インクカートリッジ48は、例えば、イエロ(Y)やマゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)などの各色のインクを収容しており、キャリッジ41に設けられたカートリッジ装着部に着脱可能に装着されている。一方、ヘッド21は、本実施形態では、媒体Sに対してインクを吐出して印刷を施すようになっている。このためにヘッド21には、インクを吐出するための多数のノズルが設けられている。このヘッド21のインクの吐出機構については、後で詳しく説明する。
この他に、このインクジェットプリンタ1の内部には、ヘッド21のノズルの目詰まりを解消するためのクリーニングユニット30が設けられている。クリーニングユニット30は、ポンプ装置31と、キャッピング装置35とを有する。ポンプ装置31は、ヘッド21のノズルの目詰まりを解消するために、ノズルからインクを吸い出す装置であり、ポンプモータ(図示外)により作動する。一方、キャッピング装置35は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するため、印刷を行わないとき(待機時など)に、ヘッド21のノズルを封止する。
次にこのインクジェットプリンタ1の搬送部の構成について説明する。この搬送部は、図3に示すように、紙挿入口11A及びロール紙挿入口11Bと、給紙モータ(不図示)と、給紙ローラ13と、プラテン14と、紙搬送モータ(以下、PFモータともいう)15と、搬送ローラ17Aと排紙ローラ17Bと、フリーローラ18Aとフリーローラ18Bとを有する。
紙挿入口11Aは、媒体である用紙Sを挿入するところである。給紙モータ(図示外)は、紙挿入口11Aに挿入された紙Sをプリンタ1内に搬送するモータであり、パルスモータ等で構成される。給紙ローラ13は、紙挿入口11Aに挿入された媒体Sを図中矢印A方向(ロール紙の場合は矢印B方向)にプリンタ1の内部に自動的に搬送するローラであり、給紙モータによって駆動される。給紙ローラ13は、略D形の横断面形状を有している。給紙ローラ13の円周部分の周囲長さは、PFモータ15までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて媒体SをPFモータ15まで搬送できる。なお、給紙ローラ13の回転駆動力と分離パッド(図示外)の摩擦抵抗とによって、複数の媒体Sが一度に給紙されることを防いでいる。
プラテン14は、印刷中の用紙Sを支持する支持手段である。PFモータ15は、媒体Sである例えば紙を紙搬送方向に送り出すモータであり、DCモータで構成される。搬送ローラ17Aは、給紙ローラ13によってプリンタ1内に搬送された紙Sを印刷可能な領域まで送り出すローラであり、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18Aは、搬送ローラ17Aと対向する位置に設けられ、紙Sを搬送ローラ17Aとの間に挟むことによって用紙Sを搬送ローラ17Aに向かって押さえる。
排紙ローラ17Bは、印刷が終了した紙Sをプリンタ1の外部に排出するローラである。排紙ローラ17Bは、不図示の歯車により、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18Bは、排紙ローラ17Bと対向する位置に設けられ、紙Sを排紙ローラ17Bとの間に挟むことによって用紙Sを排紙ローラ17Bに向かって押さえる。
<システム構成>
次にこのインクジェットプリンタ1のシステム構成について説明する。このインクジェットプリンタ1は、図4に示すように、バッファメモリ122と、イメージバッファ124と、システムコントローラ126と、メインメモリ127と、EEPROM129とを備えている。バッファメモリ122は、ホストコンピュータ140から送信された印刷データ等の各種データを受信して一時的に記憶する。また、イメージバッファ124は、受信した印刷データをバッファメモリ122より取得して格納する。また、メインメモリ127は、ROMやRAMなどにより構成される。
一方、システムコントローラ126は、メインメモリ127から制御用プログラムを読み出して、当該制御用プログラムに従ってプリンタ1全体の制御を行う。本実施形態のシステムコントローラ126は、キャリッジモータ制御部128と、搬送制御部130と、ヘッド駆動部132と、ロータリ式エンコーダ134と、リニア式エンコーダ51とを備えている。キャリッジモータ制御部128は、キャリッジモータ42の回転方向や回転数、トルクなどを駆動制御する。また、ヘッド駆動部132は、ヘッド21の駆動制御を行う。搬送制御部130は、搬送ローラ17Aを回転駆動する紙搬送モータ15など、搬送系に配置された各種駆動モータを制御する。
ホストコンピュータ140から送られてきた印刷データは、一旦、バッファメモリ122に蓄えられる。ここで蓄えられた印刷データは、その中から必要な情報がシステムコントローラ126により読み出される。システムコントローラ126は、その読み出した情報に基づき、リニア式エンコーダ51やロータリ式エンコーダ134からの出力を参照しながら、制御用プログラムに従って、キャリッジモータ制御部128や搬送制御部130、ヘッド駆動部132を各々制御する。
イメージバッファ124には、バッファメモリ122に受信された複数の色成分の印刷データが格納される。ヘッド駆動部132は、システムコントローラ126からの制御信号に従って、イメージバッファ124から各色成分の印刷データを取得し、この印刷データに基づきヘッド21に設けられた各色のノズルを駆動制御する。
なお、本実施形態にかかるインクジェットプリンタ1にあっては、これらの他に、検出部80と、A/D変換部88とを備えている。これら検出部80およびA/D変換部88については、後で詳しく説明する。
<ヘッド>
図5は、ヘッド21の下面部に設けられたインクのノズルの配列を示した図である。ヘッド21の下面部には、同図に示すように、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色ごとにそれぞれ複数のノズル♯1〜♯180からなるノズル列211が設けられている。なお、これらイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のノズル列211は、本発明の液体吐出部に相当する。
各ノズル列211の各ノズル♯1〜♯180は、用紙Sの搬送方向に沿って直線状に配列されている。各ノズル列211は、ヘッド21の移動方向(走査方向)に沿って相互に間隔をあけて平行に配置されている。各ノズル♯1〜♯180には、インク滴を吐出するための駆動素子としてピエゾ素子(図示外)が設けられている。
ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させる。これによって、インクの流路の体積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴となって各色の各ノズル♯1〜♯180から吐出される。
図6は、各ノズル♯1〜♯180の駆動回路220を示したものである。この駆動回路220は、同図に示すように、原駆動信号発生部221と、複数のマスク回路222とを備えている。原駆動信号発生部221は、各ノズル♯1〜♯180に共通して用いられる原信号ODRVを生成する。この原信号ODRVは、一画素分の主走査期間内(キャリッジ41が一画素の間隔を横切る時間内)において、図中下部に示すように、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号である。原駆動信号発生部221で生成された原信号ODRVは、各マスク回路222に出力される。
マスク回路222は、ヘッド21のノズル♯1〜♯180をそれぞれ駆動する複数のピエゾ素子に対応して設けられている。各マスク回路222には、原信号発生部221から原信号ODRVが入力されるとともに、印刷信号PRT(i)が入力される。この印刷信号PRT(i)は、画素に対応する画素データであり、一画素に対して2ビットの情報を有する2値信号である。その各ビットは、それぞれ第1パルスW1と第2パルスW2とに対応している。マスク回路222は、印刷信号PRT(i)のレベルに応じて、原信号ODRVを遮断したり通過させたりするためのゲートである。すなわち、印刷信号PRT(i)がレベル『0』のときには、原信号ODRVのパルスを遮断する一方、印刷信号PRT(i)がレベル『1』のときには、原信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとして、各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子に向けて出力される。各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子は、マスク回路222からの駆動信号DRVに基づき駆動してインクの吐出を行う。
図7は、原駆動信号発生部221の動作を示す原信号ODRV、印刷信号PRT(i)、駆動信号DRV(i)のタイミングチャートである。同図に示すように、原信号ODRVは、各画素区間T1、T2、T3、T4において、第1パルスW1と第2パルスW2とを順に発生する。なお、画素区間とは、一画素分のキャリッジの移動区間と同じ意味である。
ここで、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『10』に対応しているとき、第1パルスW1のみが一画素区間の前半で出力される。これにより、ノズルから小さいインク滴が吐出され、媒体には小さいドット(小ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『01』に対応しているとき、第2パルスW2のみが一画素区間の後半で出力される。これにより、ノズルから中サイズのインク滴が吐出され、媒体には中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『11』に対応しているとき、第1パルスW1と第2パルスW2とが一画素区間で出力される。これにより、ノズルから大きいサイズのインク滴が吐出され、媒体には大きいサイズのドット(大ドット)が形成される。以上説明したとおり、一画素区間における駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の3つの異なる値に応じて互いに異なる3種類の波形を有するように整形され、これらの信号に基づいてヘッド21は、3種類のサイズのドットを形成し、また画素区間内にて吐出するインク量を調整することが可能である。また、画素区間T4のように、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『00』に対応しているときには、ノズルからインク滴が吐出されず、媒体にはドットが形成されないことになる。
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1では、このようなノズル♯1〜♯180の駆動回路220が、各ノズル列211ごと、即ち、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色ごとに各々個別に設けられ、各ノズル列211の各ノズル♯1〜180ごとに個別にピエゾ素子の駆動が行われるようになっている。
===印刷動作===
次に前述したインクジェットプリンタ1の印刷動作について説明する。ここでは、「双方向印刷」を例にして説明する。図8は、インクジェットプリンタ1の印刷動作の処理手順の一例を示したフローチャートである。以下で説明される各処理は、システムコントローラ126が、メインメモリ127又はEEPROM129に格納されたプログラムを読み出して、当該プログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。
システムコントローラ126は、ホストコンピュータ140から印刷データを受信すると、その印刷データに基づき印刷を実行すべく、まず、給紙処理を行う(S102)。給紙処理は、印刷しようとする媒体、ここでは用紙をプリンタ1内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)まで搬送する処理である。システムコントローラ126は、給紙ローラ13を回転させて、印刷しようとする紙を搬送ローラ17Aまで送る。システムコントローラ126は、搬送ローラ17Aを回転させて、給紙ローラ13から送られてきた紙を印刷開始位置に位置決めする。
次に、システムコントローラ126は、キャリッジ41を媒体に対して相対的に移動させて媒体に対して印刷を施す印刷処理を実行する。ここでは、まず、キャリッジ41をガイドレール46に沿って一の方向に向かって移動させながら、ヘッドからインクを吐出する往路印刷を実行する(S104)。システムコントローラ126は、キャリッジモータ32を駆動してキャリッジ41を移動させるとともに、印刷データに基づきヘッドを駆動してインクを吐出する。ヘッド21から吐出されたインクは、紙に到達してドットとして形成される。
このようにして印刷を行った後、次に、媒体を所定量だけ搬送する搬送処理を実行する(S106)。この搬送処理では、システムコントローラ126は、搬送モータ15を駆動して搬送ローラ17Aを回転させて、紙をヘッド21に対して相対的に搬送方向に所定量だけ搬送する。この搬送処理により、ヘッド21は、先ほどの印刷した領域とは異なる領域に印刷をすることが可能になる。
このようにして搬送処理を行った後、排紙すべきか否か排紙判断を実行する(S108)。ここで、印刷中の紙に印刷すべき他のデータがなければ、排紙処理を実行する(S116)。一方、印刷中の紙に印刷すべき他のデータがあれば、排紙処理は行わずに、復路印刷を実行する(S110)。この復路印刷は、キャリッジ41をガイドレール46に沿って先ほどの往路印刷とは反対の方向に移動させて印刷を行う。ここでも、システムコントローラ126は、キャリッジモータ42を先ほどとは逆に回転駆動させてキャリッジ41を移動させるとともに、印刷データに基づきヘッド21を駆動してインクを吐出し、印刷を施す。
復路印刷を実行した後、搬送処理を実行し(S112)、その後、排紙判断を行う(S114)。ここで、印刷中の紙に印刷すべき他のデータがあれば、排紙処理は行わずに、ステップS104に戻って、再度往路印刷を実行する(S104)。一方、印刷中の紙に印刷すべき他のデータがなければ、排紙処理を実行する(S116)。
排紙処理を行った後、次に、印刷終了か否かを判断する印刷終了判断を実行する(S118)。ここでは、次にホストコンピュータ140から印刷データに基づき、次に印刷すべき紙がないかどうかチェックする。ここで、次に印刷すべき紙がある場合には、ステップS102に戻り、再び給紙処理を実行して、印刷を開始する。一方、次に印刷すべき紙がない場合には、印刷処理を終了する。
===液体吐出検査装置===
本発明に係る液体吐出検査装置の実施形態について説明する。ここでは、本発明に係る液体吐出検査装置が、インクジェットプリンタ(液体吐出装置)に搭載された場合を例にして説明する。
<検査装置の概要>
図9及び図10は、本実施形態のインクジェットプリンタ1に搭載された液体吐出検査装置60とその検査方法を概略的に説明したものである。図9は、液体吐出検査装置60の構成を説明した説明図であり、図10は、液体吐出検査装置60の検査原理を説明するための説明図である。
この液体吐出検査装置60は、図9に示すように、ヘッド21と対向可能な位置に配設された感知部70と、この感知部70に接続された検出部80とを備えている。感知部70は、金属等の導電性を有する線材からなり、緊張状態にて張られた形で、ヘッド21と平行に配置される。そして、キャリッジ41が移動したときに、感知部70は、ヘッド21との間に間隔Dをあけて、ヘッド21と非接触状態にて対向し得るように配設されている。ヘッド21と感知部70との間の間隔Dは、例えば、1mmなどに設定される。
また、感知部70には、保護抵抗R1を介して、電源(図示外)が接続されている。感知部70は、この電源から例えば、+100V(ボルト)などの高い電圧が印加されるようになっている。
一方、検出部80は、感知部70に発生する電流を検出するようになっている。本実施形態では、この検出部80は、コンデンサCと、入力抵抗R2と、帰還抵抗R3と、オペアンプAmpとを備えた検出回路により構成されている。コンデンサCは、感知部70に電流変動が発生したときに、この電流変動を電気信号として入力抵抗R2を介してオペアンプAmpに入力する役割を果たす。また、オペアンプAmpは、コンデンサCを通じて入力された信号を増幅して出力する増幅回路としての役割を果たす。オペアンプAmpからの出力信号は、A/D変換部88によりアナログ信号からデジタル信号へとA/D変換されて、デジタルデータなどとして、適宜な形態でシステムコントローラ126に向けて出力される。
実際に、吐出検査を行う場合には、ヘッド21の各ノズル♯1〜♯180からそれぞれ個別に感知部70又はその近傍に向けてインクを吐出する動作を実行する。図10は、ヘッド21のあるノズルから感知部70の近傍に向けてインクが吐出される様子を説明したものである。ここでは、ヘッド21の各ノズル♯1〜♯180からそれぞれインク滴Ipが、1回分だけ、即ち1滴分だけ吐出される。
このとき、感知部70には、電源からの供給電圧により、例えば100V(ボルト)などの非常に高い電圧が印加されている。これにより、ヘッド21と感知部70との間には、非常に強い電界が形成される。このような状態の中において、ノズル♯1〜♯180からインク滴Ipが吐出されると、その吐出されたインク滴Ipは、帯電される。
ノズル♯1〜♯180から吐出された、帯電したインク滴Ipは、感知部70の近傍を通過する。帯電したインク滴Ipが感知部70の近傍を通過すると、感知部70には、所定の方向に沿って誘導電流が発生する。なお、この誘導電流は、帯電したインク滴Ipの接近に伴い、静電誘導等により発生したものと考えられる。
このとき、感知部70には、当該感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mに応じた大きさの誘導電流が発生する。すなわち、インク滴Ipの飛行経路Fが感知部70に近ければ、感知部70に発生する誘導電流の大きさは大きくなり、またインク滴Ipの飛行経路Fが感知部70から離れると、感知部70に発生する誘導電流の大きさは小さくなる。
このように感知部70に誘導電流が発生した場合には、検出部80に入力される電流に変動が生する。この電流変動は、電気信号として入力抵抗R2を介してオペアンプAmpに入力される。そして、オペアンプAmpに入力された信号は増幅されて、システムコントローラ126に向けて出力される。すなわち、感知部70に誘導電流が発生したときには、これが検出部80により検出されて、システムコントローラ126に伝達されるのである。
なお、ノズル♯1〜♯180からインク滴Ipが正常に吐出されなかった場合には、帯電したインク滴Ipが感知部70の近傍を通過しないことから、感知部70には、誘導電流が発生しない。このため、検出部80からは、検出信号が十分に出力されないから、各ノズル♯1〜♯180ごとに個別にインクが正常に吐出されているか否かについて簡単に調べることができる。
また、吐出検査時にノズル♯1〜♯180から吐出するインク滴Ipのサイズとしては、なるべく大きい方が好ましい。すなわち、本実施形態のインクジェットプリンタ1においては、一番大きいサイズのドット、例えば、媒体に大ドット(「11」)を形成するために吐出されるインク滴Ipとほぼ等しいサイズに設定されるのが好ましい。これは、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipのサイズが大きければ、ノズルから吐出されるインク滴がより帯電し易くなるためであり、感知部70においてより確実に誘導電流を発生させることができ、検出部80により検知し易くすることができるからである。
もちろん、吐出検査時に吐出されるインク滴Ipのサイズは、必ずしも一番大きいサイズのドット(大ドット等)を形成する場合のサイズに設定する必要はなく、吐出検査時だけ特別にサイズの大きいインク滴Ipを吐出するようにしても良く、また、サイズの小さいインク滴Ipを吐出するようにしても良い。
また、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipについては、必ずしも感知部70の近傍に向けて吐出される必要はなく、感知部70と接触するように吐出されても良い。この場合においても、インク滴Ipが感知部70に接近することによって、感知部70に誘導電流が発生するから、インク滴Ipの吐出の有無を調べることができる。
<感知部>
図11A及び図11Bは、本実施形態の感知部70を詳しく示したものである。図11Aは、感知部70を示した平面図であり、図11Bは、感知部70の縦断面図である。
本実施形態の感知部70は、図11Aに示すように、長方形状に成形された基板72上に設けられている。この基板72は、プリント配線基板である。感知部70は、この基板72の先端部(下端部)に形成された開口部74に、基板72の長さ方向、即ちここでは縦方向に沿って掛け渡されて設置されている。感知部70の両端部は、それぞれ開口部74の内縁部に固定部材76により固定されている。感知部70は、基板72の開口部74上を縦方向に張られた状態で取り付けられている。ヘッド21のノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipは、感知部70の側方(ここでは、感知部70の左側)を通過して、基板72の開口部74を通って、下方に落下するようになっている。
本実施形態では、基板72には、検出部80を構成する保護抵抗R1やコンデンサC、入力抵抗R2、帰還抵抗R3、オペアンプAmpなどを構成する回路素子82、83、84が一体的に実装されている。これによって、これら感知部70や回路素子82、83、84を有する基板72は、ヘッド21のノズル列211の各ノズル♯1〜♯180の吐出検査を行うための吐出検査ユニットとなっている。
<感知部の設置位置>
図12は、本実施形態の感知部70の設置位置を詳しく説明したものである。本実施形態の感知部70は、同図に示すように、ノズル♯1〜♯180からインクが吐出されて印刷が行われる印刷エリアApから外れたエリアAn(以下、非印刷エリアという)に設置される。この非印刷エリアAnには、ノズル♯1〜♯180のクリーニング装置として、ノズルの目詰まりを解消するために、ノズル♯1〜♯180からインクを吸い出すポンプ装置31が設けられている。また、この非印刷エリアAnには、印刷が行われないときにヘッド21のノズル♯1〜♯180を覆ってキャップするキャッピング装置35が設けられている。これらポンプ装置31とキャッピング装置35とにより、クリーニングユニット30が構成されている。この他に、クリーニングユニット30には、ノズル♯1〜♯180の開口部から余計に付着したインクを拭き取るワイピング装置など、各種装置が設けられることもある。
本実施形態では、感知部70は、非印刷エリアAnの中でも印刷エリアApに近い位置、即ち、同図に示すように、印刷エリアApと、クリーニングユニット30との間に設けられる。これによって、キャリッジ41が印刷エリアApから非印刷エリアAnへと移動してくる際には、必ず感知部70の上方を通過するようになっている。このことから、キャリッジ41が非印刷エリアAnに移動する非印刷時に、いつでもインクの吐出検査が行えるようにすることができる。
<感知部とノズル列との位置関係>
図13は、吐出検査が行われるときの感知部70とノズル列211との位置関係を説明したものである。感知部70は、同図に示すように、ノズル列211に沿ってこれと平行に設置されていて、その長さLはノズル列211の長さよりも長く設定されている。これにより、感知部70は、1列分のノズル列211に対応するように形成されている。
吐出検査を行う場合には、同図に示すように、ヘッド21に設けられた複数のノズル列211のうちの1列のノズル列(ここでは、ノズル列211(M))が、感知部70の側方の真上(ここでは、図中左横の真上)に位置するように、位置合わせが行われる。その位置合わせが終了した後、そのノズル列211(ここでは、ノズル列211(M))の各ノズル♯1〜♯180からそれぞれ感知部の側方に向けて個別にインクが吐出されて吐出検査が行われる。
1つのノズル列211(ここでは、ノズル列211(M))について吐出検査が終了した後、未だ吐出検査が行われていない次のノズル列211について吐出検査を行うべく、キャリッジ41が移動する。そして、再度、感知部70と、次に吐出検査を行うノズル列211(ここでは、例えば、ノズル列211(Y)など)との位置合わせが行われて、そのノズル列211について吐出検査が実行される。このようにして、ヘッド21に設けられた複数のノズル列211に対して1列ずつ順次吐出検査を行ってゆく。
<インク回収部>
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1にあっては、吐出検査に使用されたインクを回収するためのインク回収部90を備えている。図14は、このインク回収部90を説明したものである。インク回収部90は、同図に示すように、例えば、感知部70が設けられた基板72の下方に設置され、ヘッド21の各ノズル♯1〜♯180から吐出されて感知部70の側方を通過して基板72の開口部74を通じて落下してきたインク滴Ipを収容して回収する。このように吐出検査に使用されたインクをインク回収部90により回収することによって、プリンタ1内部が、インクによって汚損されるのを防止することができる。
なお、本実施形態では、インク回収部90が同図に示すように凹形の収容部として形成されていたが、吐出検査に使用されたインクを回収するのであれば、例えば、プラテン14等に断面凹形等に形成された溝部などとして設けられていても良い。
<実際の検出波形>
図15は、吐出検査時にインクを吐出するためにノズルに対して出力される駆動信号と、検出部80からの出力信号との波形をそれぞれ示したものである。同図中の上の波形は駆動信号の波形を示したものであり、同図中の下の波形は、検出部80の出力信号の波形を示したものである。あるノズルについて吐出検査を行うときに、検査対象となるノズルに設けられたピエゾ素子には、同図に示すように、インク滴を1回、即ち1滴吐出するための駆動パルスWaが駆動信号として出力される。
一方、このような駆動信号により、検査対象となるノズルからインクが正常に吐出された場合には、検査対象となるノズルから吐出されたインク滴Ipによって、感知部70に誘導電流が発生し、この誘導電流が検出部80により検出されて、検出信号として、検出部80から、同図に示すような上下に振れた波形のパルスWbが出力される。検査対象となるノズルからインク滴Ipが吐出されてから、誘導電流が発生するまでに相応の時間がかかるとともに、発生した誘導電流が検出部80により検出されて出力されるまでに若干の時間差があることから、検出部80から出力される検出信号のパルスは、駆動信号の駆動パルスに比べて立上りが遅れることになる。
他方、ノズル♯1〜♯180からインクが正常に吐出されなかった場合には、感知部70に誘導電流が発生しないことから、検出部80の出力信号の波形には、同図に示すような波形のパルスWbははっきりと現れない。
なお、吐出検査は、複数のノズル、例えば、1列分のノズル列211、即ちノズル♯1〜♯180の180個のノズルについてまとめて行われる。このため、駆動信号は、同図に示すように、検査対象となるインク滴Ipを1回分(1滴分)吐出するための駆動パルスを所定の周期Tで繰り返し出力する形となる。また、検出部80の出力信号は、この駆動信号に対応して、各ノズル♯1〜♯180から正常にインクが吐出されれば、同図に示すように、所定の周期TでパルスWbが形成される形となる。ここで、所定の周期Tは、検査対象となるノズル♯1〜♯180に対して駆動パルスWaを出力してから、検出部80の検出信号にパルスWbが現れるまでの時間を基準にして適宜に設定すると良い。検出部80からの検出信号を各周期Tごとに個別にチェックすることによって、各ノズル♯1〜♯180について個別に検査を実施する。
<吐出方向の判定>
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1にあっては、各ノズル列211の各ノズル♯1〜♯180から吐出されるインクの吐出方向が正常か否かを検査することができる。ここで、各ノズル列211の各ノズル♯1〜♯180から吐出されたインクの方向が正常か否かの判定は、システムコントローラ126により行う。システムコントローラ126は、検出部80から出力された出力信号をデジタルデータとして取得し、このデジタルデータに基づきその出力信号の波形を解析して判定を行う。
図16は、本実施形態におけるインクの吐出方向が正常か否かの判定方法の一例を説明したものである。この判定では、検出部80から得られた出力信号の波形Wbからピーク値Vmaxを取得する。そして、取得したピーク値Vmaxが所定の許容範囲内にあるかどうかチェックする。つまり、取得したピーク値Vmaxは、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mに応じて増減するから、ピーク値Vmaxを取得すれば、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mを知ることができ、これにより、ノズルから吐出されたインク滴Ipの吐出方向に異常がないかチェックをすることができる。
ここで、所定の許容範囲は、値V1と、値V2との間に設定されている。値V1は、ピーク値Vmaxの下限値であり、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mの上限を規定するものである。また、値V2は、ピーク値Vmaxの上限値であり、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mの下限を規定するものである。これら値V1および値V2は、インク滴Ipが本来に飛行すべき標準経路と感知部70との間の基準距離に対して所定の許容幅を持たせて設定される。これにより、インク滴Ipの飛行経路Fが標準経路から大きく外れて、感知部70に近すぎる場合には、検出部80からの出力信号のピーク値Vmaxが値V2を上回るから、インク滴Ipの吐出方向が正常ではないと判定することができる。また、インク滴Ipの飛行経路Fが感知部70から離れ過ぎている場合には、検出部80からの出力信号のピーク値Vmaxが、値V1を下回るから、インク滴Ipの吐出方向が正常ではないと判定することができる。
図17は、感知部70とインク滴Ipの飛行経路Fとの間の距離Mと、検出部80からの検出信号の波形との関係を示したものである。図17Aは、インク滴Ipの飛行経路Fが感知部70に非常に近い場合を示しており、図17Bは、インク滴Ipの飛行経路Fが許容範囲内にある場合を示しており、図17Cは、インク滴Ipの飛行経路Fが感知部70から離れすぎている場合を示している。
インク滴Ipの飛行経路Fが感知部70に非常に近い場合には、図17Aに示すように、検出部80からの検出信号の信号波形のピーク値Vmaxは、所定の許容範囲の上限値V2を上回り、そのノズルについてインク滴Ipの吐出方向が正常ではないと判定される。
また、インク滴Ipの飛行経路Fが許容範囲内にあるときには、図17Bに示すように、検出部80からの検出信号の信号波形のピーク値Vmaxは、所定の許容範囲内、即ち下限値V1と上限値V2との間にあり、そのノズルについてインク滴Ipの吐出方向が正常であると判定される。
一方、インク滴Ipの飛行経路Fが感知部70から離れすぎている場合には、図17Cに示すように、検出部80からの検出信号の信号波形のピーク値Vmaxは、所定の許容範囲の下限値V1を下回り、そのノズルについてインク滴Ipの吐出方向が正常ではないと判定される。
なお、所定の許容範囲を規定するための下限値V1および上限値V2に関する情報については、メインメモリ127やEEPROM129等のメモリをはじめとする適宜な記憶部にデータとして記憶されている。システムコントローラ126は、ピーク値Vmaxと、下限値V1または上限値V2とを比較するにあたって、メインメモリ127やEEPROM129等の適宜な記憶部から、下限値V1および上限値V2に関する情報を取得する。
また、ここでは、検出部80からの出力信号のピーク値Vmaxに基づき、インク滴Ipの吐出方向が正常か否かを判定していたが、本発明にあっては、このような場合に限らず、検出部80からの出力信号の最小値等、誘導電流の大きさを基準に判定を行うのであれば、検出部80からの出力信号のうちのどの部分を基準に判定しても構わない。
<検査手順>
次に検査手順について説明する。図18Aは、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1における検査手順の一例を説明したフローチャートである。本実施形態では、感知部70のサイズが、1列分のノズル列211にしか対応していないことから、各ノズル列211(K)、211(C)、211(M)、211(Y)についてそれぞれキャリッジ41(ヘッド21)を移動させて、各ノズル列211(K)、211(C)、211(M)、211(Y)ごとに個別に吐出検査を行う。ここでは、ブラック(K)のノズル列211(K)→シアン(C)のノズル列211(C)→マゼンダ(M)のノズル列211(M)→イエロ(Y)のノズル列211(Y)の順に吐出検査を実施する。
まず、クリーニング回数の初期化を行う(S200)。これは、1回の吐出検査中に何回クリーニング処理を実施したか、すなわち何回吐出方向が正常ではないノズルがあったかをカウントするカウンタに「0」をセットするものである。続いて、ブラック(K)のノズル列211(K)について吐出検査を行う(S202)。ここで行われるノズル列211(K)、211(C)、211(M)、211(Y)別の吐出検査については、後で詳しく説明する。その吐出検査が終了した後、ブラック(K)のノズル列211(K)のノズル♯1〜♯180にインクの吐出方向が正常ではないノズルがあるか否かをチェックする(S204)。ここで、ブラック(K)のノズル列211(K)のノズル♯1〜♯180に1つでも吐出方向が正常ではないノズルがあった場合には、クリーニング回数が規定数に達したかどうかのチェックを行う(S220)。ここで、規定数とはこれ以上クリーニング処理を繰り返しても吐出が回復しないと考えられる数である。例えばこの回数を3回とすると、クリーニング回数が3回未満の場合には、ノズル列211(K)のクリーニング処理を行う(S222)。ここで、クリーニング処理は、ポンプ装置31等により実施するものであり、ブラック(K)のノズル列211(K)のみに実施しても良いし、他のノズル列と同時に実施しても良い。クリーニング処理終了後、クリーニング回数を1回分増やし(S224)、再びノズル列211(K)の吐出検査を行う。
ステップS220で、クリーニング回数が規定数に達していた場合には、エラー処理を行い(S226)、終了する。ここで、エラー処理とは、例えばユーザーに吐出方向が正常ではないノズルが存在することを通知して、より効果的な吐出の回復手段を取るように促しても良い。また、吐出方向が正常ではないノズルを含むヘッド21の交換を促しても良い。さらに、吐出方向が正常ではないノズルを記憶し、そのノズルを使わずに別のノズルで補完して印刷を続行しても良い。
一方、ブラック(K)のノズル列211(K)のノズル♯1〜♯180の吐出方向が全て正常の場合には、次にステップS206へと進み、シアン(C)のノズル列211(C)について吐出検査を実行する(S206)。吐出検査終了後、シアン(C)のノズル列211(C)のノズル♯1〜♯180に吐出方向が正常ではないノズルがあるかどうかをチェックする(S208)。ここで、シアン(C)のノズル列211(C)のノズル♯1〜♯180に1つでも吐出方向が正常ではないノズルがあった場合には、ステップS220のクリーニング回数のチェックに進む。
他方、シアン(C)のノズル列211(C)のノズル♯1〜♯180の吐出方向が全て正常の場合には、次にステップS210へと進み、マゼンダ(M)のノズル列211(M)について吐出検査を実行する(S210)。吐出検査終了後、マゼンダ(M)のノズル列211(M)のノズル♯1〜♯180に吐出方向が正常ではないノズルがあるかどうかをチェックする(S212)。ここで、マゼンダ(M)のノズル列211(M)のノズル♯1〜♯180に1つでも吐出方向が正常ではないノズルがあった場合には、ステップS220のクリーニング回数のチェックに進む。
また、マゼンダ(M)のノズル列211(M)の吐出方向が全て正常である場合には、次にステップS214へと進み、イエロ(Y)のノズル列211(Y)について吐出検査を実行する(S214)。吐出検査終了後、イエロ(Y)のノズル列211(Y)のノズル♯1〜♯180に吐出方向が正常ではないノズルがあるかどうかをチェックする(S216)。ここで、イエロ(Y)のノズル列211(Y)のノズル♯1〜♯180に1つでも吐出方向が正常ではないノズルがあった場合には、ステップS220のクリーニング回数のチェックに進む。
一方、イエロ(Y)のノズル列211(Y)のノズル♯1〜♯180の吐出方向が全て正常である場合には、全ての色のノズル列211(K)、211(C)、211(M)、211(Y)の各ノズル♯1〜♯180について吐出方向が正常ではないノズルがないことから、『吐出方向が全て正常』と判定して(S218)、処理を終了する。
図18Bは、ノズル列ごとにクリーニング処理を行う場合のフローチャートである。まず、クリーニング回数の初期化を行う(S240)。これは、1回の吐出検査中に何回クリーニング処理を実施したか、すなわち何回吐出方向が正常ではないノズルがあったかをノズル列ごとにカウントするカウンタに、全て「0」をセットするものである。続いて、ブラック(K)のノズル列211(K)について吐出検査を行う(S242)。その吐出検査が終了した後、ブラック(K)のノズル列211(K)のノズル♯1〜♯180にインクの吐出方向が正常ではないノズルがあるか否かをチェックする(S244)。ここで、ブラック(K)のノズル列211(K)のノズル♯1〜♯180に1つでも吐出方向が正常ではないノズルがあった場合には、ブラック(K)のノズル列211(K)のクリーニング回数が規定数に達したかどうかのチェックを行う(S246)。クリーニング回数が規定数未満の場合には、ブラック(K)のノズル列211(K)のクリーニング処理を行う(S248)。クリーニング処理終了後、ブラック(K)のノズル列211(K)のクリーニング回数を1回分増やし(S250)、再びブラック(K)のノズル列211(K)の吐出検査を行う。
ステップS246で、クリーニング回数が規定数に達していた場合には、エラー処理を行い(S282)、終了する。
一方、ブラック(K)のノズル列211(K)のノズル♯1〜♯180の吐出方向が全て正常の場合には、次にステップS252へと進み、シアン(C)のノズル列211(C)について吐出検査を実行する(S252)。吐出検査終了後、シアン(C)のノズル列211(C)のノズル♯1〜♯180にインクの吐出方向が正常ではないノズルがあるかどうかをチェックする(S254)。ここで、シアン(C)のノズル列211(C)のノズル♯1〜♯180に1つでも吐出方向が正常ではないノズルがあった場合には、シアン(C)のノズル列211(C)のクリーニング回数が規定数に達したかどうかのチェックを行う(S256)。クリーニング回数が規定数未満の場合には、シアン(C)のノズル列211(C)のクリーニング処理を行う(S258)。クリーニング処理終了後、シアン(C)のノズル列211(C)のクリーニング回数を1回分増やし(S260)、再びシアン(C)のノズル列211(C)の吐出検査を行う。
ステップS256で、クリーニング回数が規定数に達していた場合には、エラー処理を行い(S282)、終了する。
以下、マゼンダ(M)、イエロ(Y)についても、同様に吐出検査を実施し、ノズル#1〜#180に1つでも吐出方向が正常ではないノズルがあった場合には、そのノズル列のクリーニング回数が規定数に達したかどうかのチェックを行い、クリーニング回数が規定数未満の場合には、クリーニング処理を行い、そのノズル列のクリーニング回数を1回分増やして、再び吐出検査を行う。また、クリーニング回数が規定数に達していた場合には、エラー処理を行い(S282)、終了する。
ステップS274で、イエロ(Y)のノズル列211(Y)のノズル♯1〜♯180の吐出方向が全て正常の場合には、全ての色のノズル列211(K)、211(C)、211(M)、211(Y)の各ノズル♯1〜♯180について吐出方向が正常ではないノズルがないことから、『吐出方向が全て正常』と判定して(S284)、処理を終了する。
図19は、各ノズル列211(K)、211(C)、211(M)、211(Y)の吐出検査の手順を説明したフローチャートである。まず、ヘッド21を感知部70に向かって移動させる(S302)。そして、検査対象となるノズル列211と感知部70との位置合わせを行う(S304)。次に、変数「N」に初期値「1」をセットして(S306)、「N」番目のノズル(ノズル♯N)から感知部70に向けてインク滴Ipを1回分(1滴分)吐出する動作を実行して、吐出検査を行う(S308)。吐出終了後、変数「N」に「N+1」の値をセットし(S310)、変数「N」がノズルの個数である「180」を超えていないかどうかチェックする(S312)。ここで、変数「N」が「180」を超えている場合には、全てのノズルについて吐出検査が終了したとして、処理を終了する。
一方、変数「N」が「180」を超えていない場合には、全てのノズル♯1〜♯180の検査が終了していないとして、ステップS308に戻って、次に「N+1」番目のノズル(ノズル♯N+1)についてインクの吐出動作を実行して、吐出検査を行う(S308)。その後、再度、変数「N」に「N+1」の値をセットして(S310)、変数「N」がノズルの個数である「180」を超えるまで、各ノズル♯1〜♯180について順次個別に吐出検査が実行される。
なお、これらの一連の検査処理は、本実施形態では、メインメモリ127やEEPROM129から読み出されたプログラムに基づきシステムコントローラ126により実行されたり、あるいは、ホストコンピュータ140からの命令により実行されたりする。
一方、システムコントローラ126は、各ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipにより感知部70に発生した誘導電流を、検出部80からの出力信号に基づき逐次解析する。そして、システムコントローラ126は、各ノズル♯1〜♯180に対してそれぞれ個別にインク滴の吐出方向が正常であるかどうか逐次判定する。
図20は、システムコントローラ126による判定手順の一例を説明したフローチャートである。システムコントローラ126は、変数「N」に対して初期値「1」をセットする(S402)。次に、システムコントローラ126は、「N」番目のノズル(ノズル♯N)に対応する、検知部からの出力信号から波形Wbのピーク値Vmaxを取得する(S404)。次に、システムコントローラ126は、取得したピーク値Vmaxが、所定の許容範囲の下限値V1以上か否かをチェックする(S406)。ここで、ピーク値Vmaxが下限値V1を下回る場合、即ち、ピーク値Vmaxが所定の許容範囲から外れる場合には、インクの吐出方向に異常があると判定して(S416)、処理を直ちに終了する。
一方、ピーク値Vmaxが下限値V1以上である場合には、システムコントローラ126は、次にピーク値Vmaxが、所定の許容範囲の上限値V2以下か否かをチェックする(S408)。ここで、ピーク値Vmaxが上限値V2を上回る場合、即ち、ピーク値Vmaxが所定の許容範囲から外れる場合には、インクの吐出方向に異常があると判定して(S416)、処理を直ちに終了する。
一方、ピーク値Vmaxが上限値V2以下である場合には、システムコントローラ126は、「N」番目のノズル(ノズル♯N)については、インクの吐出方向に異常がない、即ちインクの吐出方向が正常であると判定して、次のノズルの判定を行うべく、変数「N」に値「N+1」をセットする(S410)。そして、システムコントローラ126は、セット後の変数「N」が、ノズルの個数である「180」を超えていないかどうかチェックする(S412)。ここで、変数「N」が「180」を超えていた場合には、システムコントローラ126は、あるノズル列について全てのノズルの検査が終了したとして、ステップS414へと進み、そのノズル列には、インクの吐出方向に異常があるノズルはないと判定し(S414)、直ちに処理を終了する。
<検査タイミング>
吐出検査が行われるタイミングとしては、次のようなものがある。
(1)印刷処理中
印刷処理中に適当なタイミングで吐出検査を実行する。例えば、「双方向印刷」の場合には、移動方向が変更される際に、キャリッジ41が待機位置へと移動してノズル♯1〜♯180の吐出検査を実行する。これにより、印刷処理中に途中でノズルの目詰まり等が発生して、印刷画像に不具合が生じるのを回避することができる。
(2)電源投入時
電源投入時に吐出検査を実行する。これは、これから印刷を行うために、プリンタ(印刷装置)の電源投入時に、吐出検査を実行するものであり、プリンタ1のイニシャライズ処理時に処理の1つとしてノズル♯1〜♯180の吐出検査を実行する。このようなタイミングで吐出検査を実行することで、ノズル♯1〜♯180の目詰まり等なく印刷処理をスムーズに実行することができる。
(3)給紙時
媒体Sを印刷すべく所定の位置に送り込む動作時、即ち給紙時に吐出検査を実行する。これは、これから1つの媒体Sに印刷処理を施そうとするときに、インクが正常に吐出されるかどうかをチェックするもので、媒体Sを給紙する都度、吐出検査を実行しても良く、また、適宜な間隔で所定の数ごとに吐出検査を実行しても良い。
(4)印刷データの取得時
プリンタ1が、パーソナルコンピュータなどのホストコンピュータ140から印刷データを受け取ったときに、吐出検査を実行する。すなわち、ホストコンピュータ140から印刷データを受け取り、これから印刷を実行しようとするときに、インクが正常に吐出されるか否かをチェックするものである。このようなタイミングで吐出検査を実行することで、ノズル♯1〜♯180の目詰まり等なく、印刷処理をスムーズに実行することができる。
なお、本発明における吐出検査が実行されるのは、必ずしも前述した(1)〜(4)のタイミングである必要はなく、これら(1)〜(4)以外のタイミングで吐出検査が実行されても良い。
<まとめ>
以上、このような装置によれば、各ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipによって誘導電流が発生する感知部70を備え、この感知部70に発生する誘導電流の大きさを検出することによって、インク滴Ipの飛行経路と感知部70との間の距離を調べることができ、各ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipの吐出方向が正常か否かを簡単に判定することができる。
このことから、従来のようにレーザー光線により吐出検査を行う場合に比べて、装置の小型化を図ることができ、このため、設置スペースもあまり必要とせず、コンパクトに配置することができる。また、非常に簡単な構成であることから、大幅なコストアップを招くことなく実施することができる。
また、インクを必ずしも感知部70に接触させる必要がないことから、吐出検査によるインクの飛び散りや跳ね返りを防止することができ、これによって、装置の内部がインクにより汚損されるのを回避することができる。
また、本実施形態のように感知部70が線材により形成されれば、ノズル♯1〜♯180から吐出されたインクが感知部70に付着しても簡単に除去することができる。これにより、特に感知部70からインクを除去するようなクリーニング機構等は必要としない。
===検査装置の他の実施形態<その1>===
図21及び図22は、本発明に係る液体吐出検査装置の他の実施形態を説明したものである。図21Aは、他の実施形態の感知部の外観を示した平面図であり、図21Bは、その縦断面図である。図22は、この液体吐出検査装置により吐出検査を行う場合の方法を説明するための図である。
この液体吐出検査装置100は、図21に示すように、長方形状に成形された基板102上に配置された感知部104を備えている。この感知部104は、金属等の導体により形成された線材により形成されたもので、基板102の先端部(下端部)に形成された開口部106上に、キャリッジ41の移動方向に対して斜めに掛け渡されて設置されている。感知部104の両端部は、それぞれ開口部106の内縁部に固定部材108により固定され、感知部104は、開口部106上に張られた状態で配置されている。
このような検査装置100を利用して各ノズル列211の各ノズル♯1〜♯180について検査を行う場合には、図22に示すように、キャリッジ41を液体吐出検査装置100の上方に沿って所定の速度でゆっくりと移動させながら、各ノズル♯1〜♯180から感知部104またはその近傍に向けて順次インク滴Ipを吐出する。
各ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipは、感知部104の側方を通過して、基板102の開口部106を通って下方へと落下して、インク回収部90(図14参照)等に回収される。
このように液体吐出検査装置100の感知部104をキャリッジ41の移動方向に対して斜めに配置すれば、キャリッジ41の移動方向と交差する方向、例えば、媒体Sの搬送方向などへのインク滴Ipの吐出方向のズレを検出することができる。つまり、前述した実施の形態では、感知部70がキャリッジ41の移動方向に対して直交する方向に沿って配置されていたため、ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipの吐出方向が感知部の配置方向、即ち媒体Sの搬送方向に沿ってズレていた場合に、このズレを検出することはできない。しかしながら、ここで説明するように、感知部104がキャリッジ41の移動方向に対して斜めに設置されていることで、インクの吐出方向が媒体Sの搬送方向へとズレていた場合でも、これを検出することができる。
このように媒体Sの搬送方向へのインク滴Ipの吐出方向のズレを検出することができれば、印刷画像の画質低下の大きな要因となる、キャリッジ41の移動方向に沿って発生する「白スジ」の発生を防止することができる。
なお、キャリッジ41を移動させながら、各ノズル♯1〜♯180から順次インク滴Ipを吐出する場合、必ずしもキャリッジ41を所定の速度、即ち定速で移動させる必要はなく、各ノズル♯1〜♯180から検査のためにインク滴Ipを吐出する都度、移動と停止を繰り返しても良い。
===検査装置の他の実施形態<その2>===
図23は、本発明に係る液体吐出検査装置の他の実施形態を説明したものである。この液体吐出検査装置110は、同図に示すように、基板112上に配置された2つの感知部114、116を備えている。これらの感知部114、116は、金属等の導体により形成された線材によりそれぞれ形成されていて、基板112の先端部(下端部)に形成された開口部118上に掛け渡されて、緊張状態にて設置されている。一方の感知部114は、キャリッジ41の移動方向に対して直交する方向に沿って配置されており、また、もう一方の感知部116は、キャリッジ41の移動方向に対して斜めに配置されている。これらの感知部114、116は、その両端部がそれぞれ開口部118の内縁部に固定部材119により固定されている。
このように相互に非平行状態にて設置された2つの感知部114、116、即ち、キャリッジ41の移動方向に対して直交する方向に配置された感知部114と、キャリッジ41の移動方向に対して斜めに配置された感知部116との2種類の感知部114、116を備えることによって、各感知部114、116が検知することができない方向へのインク滴Ipの吐出方向のズレについても、相互に補わせて検知することができる。これによって、ノズル♯1〜♯180におけるインクの吐出方向のズレを確実にチェックすることができる。
この場合、あるノズル列211の各ノズル♯1〜♯180について検査する場合に、2つの感知部114、116のうち、どちらの感知部114、116を先に利用して検査を実施しても良い。
===検査装置の他の実施形態<その3>===
図24は、本発明に係る液体吐出検査装置の他の構成例を説明したものである。この検査装置150は、同図に示すように、先に説明した液体吐出検査装置(図9〜図10参照)のように、誘導電流が発生する感知部70に高電圧を印加することによって、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipを帯電させるのではなく、各ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipが、各ノズル♯1〜♯180から離れる際に、自然に帯電する、いわゆる摩擦帯電現象を利用して、インク滴Ipを帯電させるようになっている。このため、インク滴Ipを帯電させるために感知部70に高電圧を印加する構成が省かれている。
このように摩擦帯電を利用して、各ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipを帯電させることによって、液体吐出検査装置150の構成をより簡略化することができる。
なお、この液体吐出検査装置においては、感知部70に高電圧が印加されないため、先に説明した液体吐出検査装置60(図9〜図10参照)の検出部80に設けられたコンデンサCは、構成から省かれている。
===検査装置の他の構成例<その3>===
図25は、本発明に係る液体吐出検査装置の他の構成例を説明したものである。この検査装置160は、同図に示すように、感知部70とは別に電極部162を備え、この電極部162によって、ノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipを帯電させるようになっている。この電極部162は、同図に示すように、感知部70と同様に、金属等の導電性を有する線材からなり、緊張状態にて張られた形で、ヘッド21と平行に配置されている。電極部162には、保護抵抗R1を介して電源(図示外)が接続されていて、この電源から例えば100V(ボルト)などの高い電圧が印加されるようになっている。
このような電極部162が設けられていることによって、ヘッド21と電極部162との間には電界が形成されることから、インク滴Ipがノズル♯1〜♯180から離れる際に帯電させることができる。
次に電極部162の設置位置について説明する。図26A及び図26Bは、電極部162の設置位置をそれぞれ示したものである。図26Aは、電極部162を感知部70の側方に配置したときの一例を説明したものであり、図26Bは、電極部162を感知部70の上方に配置したときの一例を示したものである。
電極部162が感知部70の側方に配置される場合には、図26Aに示すように、電極部162は、感知部70との間に間隔をあけて感知部70と平行に配置される。ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipは、電極部162と感知部70との間を通じて下方に落下する。このように電極部162を配置すれば、電極部162を感知部70と同様に基板72上に取り付けることができる。
他方、電極部112が感知部70の上方に配置される場合においても同様に、図20Bに示すように、電極部112は、感知部70との間に間隔をあけて感知部70と平行に配置される。ただし、この場合、インク滴Ipは、電極部112および感知部70の側方を通過するようになっている。このように電極部112が感知部70よりも上方に設置されることによって、電極部112をヘッドにより近づけることができ、これによって、ヘッド21と電極部112との間に形成される電界の大きさを大きくして、ヘッド21のノズル♯1〜♯180から吐出されるインク滴Ipを帯電し易くすることができる。つまり、インク滴Ipが感知部70によって、より感知し易くすることができる。
なお、電極部112の設置位置にあっては、なるべくヘッド21に近い方が好ましい。電極部112がヘッド21に近ければ近いほど、電極部112とヘッド21との間の電界をより強くすることができ、これによってより一層、感知部70により感知し易くすることができる。
===感知部の他の構成例===
図27Aおよび図27Bは、本発明の感知部の他の構成例を説明する説明図である。図27Aは、感知部170が取り付けられた基板172の平面図であり、図27Bは、感知部170が取り付けられた基板172の縦断面図である。この感知部170は、基板172上に板状に薄層として形成されたもので、例えば、基板172に直接金属板を貼り付けるなどして形成したり、また蒸着等の成膜技術などによって形成される。感知部170の近傍には、ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipが通過するためのスリット状の開口部174が設けられている。
なお、本発明の電極部162についても、感知部170と同様に、基板172上に直接金属板を貼り付けるなどして形成したり、また蒸着等の成膜技術などによって板状に薄層として設けるようにしても良い。
<撥水処理>
本発明の感知部70、104、114、116、170については、その表面に撥水処理が施されていても良い。このように感知部70、104、114、116、170の表面に撥水処理が施されていれば、ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipが、感知部70、104、114、116、170に接触した場合でも、感知部70、104、114、116、170の表面からインクを簡単に除去することができる。
また、本発明の電極部162についても同様に、その表面に撥水処理が施されていても良い。このように電極部162の表面についても撥水処理が施されていれば、ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipが、電極部162に付着した場合でも、電極部162の表面からインクを除去し易くすることができる。
撥水処理を施す方法としては、感知部70、104、114、116、170または電極部162の表面に撥水処理層などをコーティング等により設ける方法をはじめ、その他、周知の方法を含む。
===液体吐出システム等の構成===
次に、本発明に係る液体吐出システムの一例として、液体吐出装置としてインクジェットプリンタを備えた液体吐出システムを例にして説明する。
図28は、液体吐出システムの外観構成を示した説明図である。液体吐出システム1000は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104と、プリンタ1106と、入力装置1108と、読取装置1110とを備えている。コンピュータ本体1102は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置1104は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ1106は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置1108は、本実施形態ではキーボード1108Aとマウス1108Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置1110は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置1110AとCD−ROMドライブ装置1110Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
図29は、図28に示した液体吐出システムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ1202と、ハードディスクドライブユニット1204等の外部メモリがさらに設けられている。
上述したプリンタ1の動作を制御するコンピュータプログラムは、例えばインターネット等の通信回線を経由して、プリンタ1106に接続されたコンピュータ1000等にダウンロードさせることができるほか、コンピュータによる読み取り可能な記録媒体に記録して配布等することもできる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスクFD、CD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスクMO、ハードディスク、メモリ等の各種記録媒体を用いることができる。なお、このような記憶媒体に記憶された情報は、各種の読取装置1110によって、読み取り可能である。
なお、以上の説明においては、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続されて液体吐出システムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、液体吐出システムが、コンピュータ本体1102とプリンタ1106から構成されても良く、液体吐出システムが表示装置1104、入力装置1108及び読取装置1110のいずれかを備えていなくても良い。また、例えば、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ1106が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
このようにして実現された印刷システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき、印刷装置について説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に係る液体吐出検査装置や液体吐出装置、液体吐出システムに含まれるものである。
また、本実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部又は全部をソフトウェアによって置き換えてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアによって置き換えてもよい。
また、液体吐出装置(インクジェットプリンタ1)側にて行っていた処理の一部をホストコンピュータ140側にて行ってよく、また液体吐出装置(インクジェットプリンタ1)とホストコンピュータ140の間に専用の処理装置を介設して、この処理装置にて処理の一部を行わせるようにしてもよい。
<液体について>
前述した実施の形態では、液体としてインクが使用された場合を例にして説明したが、本発明に係る液体吐出装置にあっては、インクに限らず、その他の液体、例えば、金属材料、有機材料(例えば高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、各種加工液、遺伝子溶液といった各種液体がインクの代わりに用いられても良い。
<液体吐出部について>
前述した実施の形態では、本発明の液体吐出部として、インクジェットプリンタ1のヘッド21のノズル列211が説明されていたが、本発明の液体吐出部にあっては、このようなノズル列211に限らず、液体を吐出するのではあれば、どのような形態の吐出部であっても構わない。
<感知部について>
前述した実施の形態では、本発明の感知部として、線材等からなる感知部70、104,114、116、170が開示されていたが、本発明の感知部にあっては、このような感知部70、104,114、116、170に限らず、他の形状や他のタイプの感知部が用いられても良い。
また、前述した実施の形態では、本発明の感知部として、基板72上に設けられた感知部70、104,114、116、170が説明されていたが、本発明の感知部にあっては、必ずしもこのような基板72上に設けられる必要はなく、他の形態で設置されても良い。
<検出部について>
前述した実施の形態では、本発明の検出部として、感知部70の電流変動を検出する検出部80が説明されていたが、本発明の検出部にあっては、このような検出部80に限らず、液体吐出部(ヘッド21のノズル列211)から吐出された、帯電した液体(インク)によって、感知部70、104,114、116、170に誘導電流が発生したか否かを検出することが可能であれば、どのようなタイプの検出部であっても構わない。
<電極部について>
前述した実施の形態では、本発明の電極部として、線材により形成された電極部が説明されていたが、本発明の電極部にあっては、このような電極部に限らず、液体吐出部(ヘッド21)との間に電界を形成するのであれば、どのような形態の電極部であっても構わない。
<液体吐出検査装置について>
前述した実施の形態では、液体吐出検査装置として、インクジェットプリンタ1を例にした液体吐出装置に搭載された液体吐出検査装置について説明したが、本発明に係る液体吐出検査装置にあっては、このような装置に限らず、液体吐出装置からは分離して、液体の吐出検査のみを独立して実行可能な装置であっても良く、また、前述した液体吐出装置以外の他の装置に搭載される液体吐出検査装置であっても良い。
<液体吐出装置について>
前述した実施の形態では、液体吐出検査装置として、インクジェットプリンタ1を例にして説明したが、本発明に係る液体吐出装置にあっては、このようなインクジェットプリンタ1に限らず、液体を吐出する装置であれば、どのような装置であっても構わない。
<媒体について>
媒体については、前述した用紙として、普通紙やマット紙、カット紙、光沢紙、ロール紙、用紙、写真用紙、ロールタイプ写真用紙等をはじめ、これらの他に、OHPフィルムや光沢フィルム等のフィルム材や布材、金属板材などであっても構わない。すなわち、インクの吐出対象となり得るものであれば、どのような媒体であっても構わない。
インクジェットプリンタの斜視図。 インクジェットプリンタの内部構成図。 インクジェットプリンタの搬送部を示す断面図。 インクジェットプリンタのシステム構成を示すブロック構成図。 ヘッドのノズルを示す平面図。 ノズル駆動回路の一実施形態を示す回路図。 駆動信号発生部の動作を示す原信号ODRV、印刷信号PRT(i)、駆動信号DRV(i)のタイミングチャート。 印刷処理の処理フローの一例を説明するフローチャート。 本実施形態の液体吐出検査装置を説明する説明図。 本実施形態の液体吐出検査装置の検査原理を説明する説明図。 図11Aは、本実施形態の感知部を示した平面図であり、図11Bは、その感知部の縦断面図である。 本実施形態の感知部の設置位置を説明する説明図。 本実施形態の感知部とノズル列との位置関係を説明する説明図。 本実施形態のインク回収部を説明する ノズルの駆動信号と、検出部の出力信号の波形を示した説明図。 インクの吐出方向が正常か否かの判定方法の一例を説明する説明図。 図17Aはインク滴の飛行経路Fが感知部70に非常に近い場合を示し、図17Bはインク滴の飛行経路が許容範囲内にある場合を示し、図17Cはインク滴の飛行経路が感知部から離れすぎている場合を示す。 検査手順の一実施形態を説明するフローチャート。 検査手順の一実施形態を説明するフローチャート。 各ノズル列別の吐出検査手順を説明するフローチャート。 判定手順の一例を説明したフローチャート。 図21Aは、本発明の液体吐出検査装置の他の実施形態を説明するための平面図であり、図21Bは、その縦断面図である。 図21で説明した液体吐出検査装置により吐出検査を行う場合の一実施形態を説明する説明図。 本発明の液体吐出検査装置の他の実施形態を説明する説明図。 本発明の液体吐出検査装置の他の実施形態を説明する説明図。 本発明の液体吐出検査装置の他の実施形態を説明する説明図。 図26Aは、本発明の電極部を感知部の側方に配置したときの一例を説明した説明図であり、図26Bは、本発明の電極部を感知部の上方に配置したときの一例を示した説明図である。 図27Aは、感知部の他の構成例を示す平面図であり、図27Bは、その感知部を示す縦断面図である。 本発明に係る液体吐出システムの一実施形態を説明する斜視図。 図28の液体吐出システムの構成を示すブロック構成図。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、 2 操作パネル、 3 排紙部、 4 給紙部、
5 操作ボタン、 6 表示ランプ、 7 排紙トレー、 8 給紙トレー、
11A 紙挿入口、 11B ロール紙挿入口、
13 給紙ローラ、 14 プラテン、 15 紙搬送モータ(PFモータ)、
17A 搬送ローラ、 17B 排紙ローラ、 18A・18B フリーローラ、
21 ヘッド、 211 ノズル列、 22 ヘッドドライバ、
30 クリーニングユニット、 31 ポンプ装置、 35 キャッピング装置、
41 キャリッジ、 42 キャリッジモータ(CRモータ)、 44 プーリ、
45 タイミングベルト、 46 ガイドレール、
48 インクカートリッジ、 51 リニア式エンコーダ、
60 液体吐出検査装置、 70 感知部、 72 基板、 74 開口部、
76 固定部材、
80 検出部、 82 回路素子、 83 回路素子 、84 回路素子、
88 A/D変換部、 90 インク回収部、
100 液体吐出検査装置、 102 基板、 104 感知部、 106 開口部、
108 固定部材、
110 液体吐出検査装置、 112 基板、 114 感知部、 116 感知部、
118 開口部、 119 固定部材、
122 バッファメモリ、 124 イメージバッファ、
126 システムコントローラ、 127 メインメモリ、
128 キャリッジモータ制御部、 129 EEPROM、
130 搬送制御部、 132 ヘッド駆動部、
134 ロータリ式エンコーダ、 136 リニア式エンコーダ、
140 ホストコンピュータ、
150 液体吐出検査装置、
160 液体吐出検査装置、 162 電極部、 114 固定部材、
170 感知部、 172 基板、 174 開口部、
211 ノズル列、
220 駆動回路、 221 原駆動信号発生部、 222 マスク回路、
223 駆動信号補正回路、
1200 表示装置、 1201 ディスプレイ、
1300 入力装置、 1300A キーボード、 1300B マウス、
1400 記録再生装置、 1400A フレキシブルディスクドライブ装置、
1400B CD−ROMドライブ装置、
1000 液体吐出システム、
Ap 印刷エリア、 An 非印刷エリア、
S 媒体、 Ip インク滴、
R1 保護抵抗、 R2 入力抵抗、 R3 帰還抵抗、
C コンデンサ、 Amp オペアンプ、

Claims (17)

  1. 液体吐出部における液体の吐出検査を行う液体吐出検査装置において、
    前記液体吐出部と非接触状態にて設けられた感知部を備え、
    前記液体吐出部から吐出された、帯電した前記液体によって、前記感知部に発生した誘導電流の大きさを検出して、検出した前記誘導電流の大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定することを特徴とする液体吐出検査装置。
  2. 前記吐出検査を行うときに、前記液体吐出部から前記液体として液体滴を吐出することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出検査装置。
  3. 前記液体吐出部から吐出される前記液体を帯電させるために、前記感知部に電圧が印加されることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出検査装置。
  4. 前記液体吐出部から吐出される前記液体が、摩擦帯電により帯電することを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出検査装置。
  5. 前記液体吐出部から吐出される前記液体を帯電させるために電圧が印加される電極部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出検査装置。
  6. 検出した前記誘導電流の大きさと、所定のしきい値とを比較して、前記液体の吐出方向が正常か否かを判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出検査装置。
  7. 前記感知部は、線材により形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体吐出検査装置。
  8. 前記液体吐出部が前記感知部に対して相対的に移動可能に設けられ、
    前記線材が、前記液体吐出部の移動方向に対して斜めに配置されていることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出検査装置。
  9. 前記線材が、相互に非平行状態にて少なくとも2本配置されていることを特徴とする請求項7または8に記載の液体吐出検査装置。
  10. 前記線材に各々発生した前記誘導電流の大きさを個別に検出して、検出した前記誘導電流の各大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定することを特徴とする請求項9に記載の液体吐出検査装置。
  11. 前記液体吐出部から吐出される前記液体がインクであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の液体吐出検査装置。
  12. 液体吐出部における液体の吐出検査を行う液体吐出検査装置において、
    前記液体吐出部と非接触状態にて設けられた感知部を備え、
    前記液体吐出部から吐出された、帯電した前記液体によって、前記感知部に発生した誘導電流の大きさを検出して、検出した前記誘導電流の大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定し、
    前記吐出検査を行うときに、前記液体吐出部から前記液体として液体滴を吐出し、
    前記液体吐出部から吐出される前記液体を帯電させるために、前記感知部に電圧が印加され、
    検出した前記誘導電流の大きさと、所定のしきい値とを比較して、前記液体の吐出方向が正常か否かを判定し、
    前記感知部は、線材により形成され、
    前記液体吐出部が前記感知部に対して相対的に移動可能に設けられ、
    前記線材が、前記液体吐出部の移動方向に対して斜めに配置され、
    前記線材が、相互に非平行状態にて少なくとも2本配置され、
    前記線材に各々発生した誘導電流の大きさを個別に検出して、検出した前記誘導電流の各大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定し、
    前記液体吐出部から吐出される前記液体がインクであることを特徴とする液体吐出検査装置。
  13. 液体吐出部における液体の吐出検査を行う方法であって、
    前記液体吐出部から前記液体を吐出し、
    前記液体吐出部から吐出された前記液体によって、前記液体吐出部と非接触状態にて設けられた感知部に発生した誘導電流の大きさを検出して、検出した前記誘導電流の大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定することを特徴とする液体吐出検査方法。
  14. 媒体に対して液体を吐出する液体吐出部を備えた液体吐出装置において、
    前記液体吐出部と非接触状態にて設けられた感知部と、
    前記液体吐出部から吐出された、帯電した前記液体により、前記感知部に発生した誘導電流の大きさを検出して、検出した前記誘導電流の大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定する判定部とを備えたことを特徴とする液体吐出装置。
  15. 媒体に対してインクを吐出するインク吐出部を備えたインクジェットプリンタにおいて、
    前記インク吐出部と非接触状態にて設けられた感知部と、
    前記インク吐出部から吐出された、帯電した前記インクにより、前記感知部に発生した誘導電流の大きさを検出して、検出した前記誘導電流の大きさに基づき前記インクの吐出方向が正常か否かを判定する判定部とを備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  16. 液体吐出部における液体の吐出検査を行う液体吐出検査装置において実行されるプログラムであって、
    前記液体吐出部から前記液体を吐出するステップと、
    前記液体吐出部から吐出された前記液体によって、前記液体吐出部と非接触状態にて設けられた感知部に発生した誘導電流の大きさを検出するステップと、
    検出された前記誘導電流の大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定するステップとを実行することを特徴とするプログラム。
  17. コンピュータ本体と、このコンピュータ本体に接続可能な液体吐出装置とを具備した液体吐出システムにおいて、
    前記液体吐出装置は、媒体に対して液体を吐出する液体吐出部を備えた液体吐出装置であって、
    前記液体吐出部と非接触状態にて設けられた感知部と、
    前記液体吐出部から吐出された、帯電した前記液体により、前記感知部に発生した誘導電流の大きさを検出して、検出した前記誘導電流の大きさに基づき前記液体の吐出方向が正常か否かを判定する判定部とを備えていることを特徴とする液体吐出システム。
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