JP2005260917A - 複合アンテナ - Google Patents

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進 稲継
Kazuhiko Fujikawa
和彦 藤川
Masami Segawa
政美 瀬川
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Abstract

【課題】本発明は複合アンテナに関し、3周波以上に動作周波数が増えても嵩高くなることのない複合アンテナを提供することを目的とする。
【解決手段】導体地板11に素子間距離hを空けて対向すると共に、導体地板11の中央に対称に2つのアンテナ素子13を配置することによって、導体地板11の中央に形成できた空間部に、公知の平面アンテナなどを配置できて、3周波以上に動作周波数が増えても嵩高くなることのない複合アンテナ20を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車載用などの移動体無線装置に用いられる複合アンテナに関するものである。
近年、車載用などの移動体無線装置に用いられるアンテナとしては、線状で一つの動作周波数を有するモノポールアンテナが一般的に用いられてきたが、モノポールアンテナの線路長(アンテナ長)は動作周波数の約1/4波長以上必要であり、移動体に搭載する場合や可搬型の用途には適さないものであった。
さらに、移動体は、自動車電話、GPS、VICS(道路交通情報通信システム)、データ通信などのサービスの多様化が進展し、その用途毎にモノポールアンテナを用いると設置台数が増加するのみならず、車体の外部に取付けるため美観上の問題も指摘されていた。
そのため、これらの用途に対し、複数の動作周波数に対応し、車体の内外部に取付けられる薄型、小型の複合アンテナが提案されている。
このような従来の複合アンテナについて、図6を用いて説明する。
図6は従来の複合アンテナの縦断面図であり、同図において、50は第1のアンテナで、導電板からなる導体地板51と、これよりも小さな導電板からなるアンテナ素子53とが平行に所定素子間距離aだけ空けて配設されている。
そして、アンテナ素子53の中心に給電端子52の一端が給電点52aで電気的に接続されると共に、他端が導体地板51の中心を絶縁状態に貫通されて導体地板51の裏側で信号源S1に接続されている。
また、導体地板51の中心から所定距離bだけ離れてアンテナ素子53と導体地板51とが導電材からなる短絡端子54で電気的に接続されて、第1のアンテナ50は構成されている。
次に、60は平面アンテナであり、上記アンテナ素子53の上面に、平面状で公知のアンテナ素子63が載置され、このアンテナ素子63に給電端子62の一端が給電点62aで電気的に接続されると共に、他端が導体地板51と短絡端子54を互いに絶縁状態に貫通されて、導体地板51の裏側で信号源S2に接続されて、平面アンテナ60は構成されている。
そして、この第1のアンテナ50と平面アンテナ60を一体に形成して複合アンテナ70は構成されている。
以上の構成において、複合アンテナ70は、第1のアンテナ50で動作周波数faと、平面アンテナ60で動作周波数fbとの2周波の送受信動作を行うものであった。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、2が知られている。
特開平8−237025号公報 特開2000−183643号公報
しかしながら上記従来の複合アンテナを3周波以上の動作周波数に対応するには、第1のアンテナ50の上に、この第1のアンテナ50と同様な第2のアンテナを形成し、この第2のアンテナの上面に平面アンテナ60を載置して構成する必要があるため、動作周波数が増す毎に複合アンテナ全体の高さが嵩高くなるという課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、3周波以上に動作周波数が増えても嵩低い薄型、小型の複合アンテナを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、導体地板に所定の素子間距離を空けて対向配置した複数のアンテナ素子を、前記導体地板の中央に対称に配置したものであり、導体地板の中央に空間部を形成できるため、この空間部に公知の平面アンテナなどを配置できて、3周波以上に動作周波数が増えても嵩高くなることのない複合アンテナを得ることができるという作用を有する。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、複数のアンテナ素子を、導体地板の端部に配置したものであり、導体地板を所定の大きさにしつつ所定の指向特性を得ることができるという作用を有する。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、給電端子を、複数の各アンテナ素子の中心から所定距離だけ離して配置したものであり、この複数のアンテナ素子で2周波の動作周波数を得ることができるという作用を有する。
請求項4に記載の発明は、請求項1記載の発明において、アンテナ素子と導体地板とを電気接続する短絡端子を、給電端子に並立して設けたものであり、短絡端子も給電端子と同相に励振され励振が強化されて、更に低背化を図ることができるという作用を有する。
以上のように本発明によれば、3周波以上に動作周波数が増えても薄型、小型の複合アンテナを得ることができるという有利な効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態による複合アンテナの縦断面図、図2は同斜視図であり、同図において、10は両面に銅箔などの良導電体を設けた基板であり、この基板10は、下面に銅箔をエッチングするなどして形成した伝送経路10Aと、上面に一辺Lの所定の長さを有する略正方形の大きさの導体地板11を設けている。
そして、13は導体地板11に所定の素子間距離hを空けて対向配置した2つのアンテナ素子であり、この2つのアンテナ素子13には、それぞれ給電端子12の一端が給電点12aで電気的に接続されると共に、給電端子12の他端が導体地板11を絶縁状態に貫通して、導体地板11の裏側で伝送経路10Aを介して信号源S1に接続されている。
ここで、信号源S1から2つのアンテナ素子13への給電経路は、それぞれの伝送経路10Aを介して、それぞれの給電端子12、給電点12aを経由し、各アンテナ素子13に同相に給電するように形成されている。
また、2つのアンテナ素子13が、導体地板11の中央に対称で、かつ端部に配置されると共に、それぞれを導体地板11に電気接続する短絡端子14を給電端子12に並立して設け、これら短絡端子14と給電端子12を、アンテナ素子13の中心から所定距離aだけ離して配置している。
なお、2つのアンテナ素子13の、導体地板11の中央に対称で、かつ端部に配置される位置とは、好ましくは各アンテナ素子13が導体地板11の外周端部の上方延長線上からはみ出さない範囲であれば良い。
そして、短絡端子14と給電端子12を、アンテナ素子13の中心から所定距離aだけ離して配置することにより、アンテナ素子13は、その一辺L1が動作周波数f1の略1/4波長の長さを有し、他辺L2が動作周波数f2の略1/4波長の長さを有するように形成されている。
したがって、導体地板11の一辺Lは、L≧L1+L2の長さを有して、2つの動作周波数を有する複合アンテナ20が構成されている。
以上の構成において、複合アンテナ20の送信動作は、信号源S1からの高周波信号が給電経路を介して、2つのアンテナ素子13に同相に給電されるため、2つのアンテナ素子13はあたかも1つのアンテナ素子として同時に動作することで、それぞれ一辺L1が動作周波数f1に、L2が動作周波数f2に励振され、これらの動作周波数に基づく電波が空中に放射される。
また、受信の場合は、各アンテナ素子13がL1側は動作周波数f1に、L2側は動作周波数f2に励振されて、これらの周波数の信号が上記給電経路を逆方向で信号源S1に伝送され高周波回路(図示せず)に入力され受信動作が行われる。
なお、2つのアンテナ素子13は、L1とL2を異ならせて2つの動作周波数に対応できるものとして説明したが、L1とL2を同じにして1つの動作周波数に対応することも可能である。
ここで、短絡端子14は、インピーダンス整合を図るものであり、給電端子12との距離bは2つのアンテナ素子13のインピーダンス及び動作周波数に応じて適宜設定される。
次に、複合アンテナ20が放射する電波の放射方向(以後、指向特性と記載する)と、所定の指向特性を得る方法について説明する。
図3は、複合アンテナ20の各部に流れる高周波電流の模式図であり、2つのアンテナ素子13に高周波電流が同相に給電されるため、2つのアンテナ素子13にはb1,b2、導体地板11にはc1,c2、給電端子12と短絡端子14にはd1,d2の高周波電流が、それぞれ同時に流れる。
そして、2つのアンテナ素子13のお互いに同時に流れる高周波電流b1,b2は、大きさは同じで方向が逆であるためお互いに打ち消され、また、導体地板11のお互いに同時に流れる高周波電流c1,c2も、大きさは同じで方向が逆であるためお互いに打ち消される。
この結果、図3に示すX軸方向(水平方向)の高周波電流のベクトル総和はゼロになるため、X軸方向の高周波電流が指向特性に寄与することはなく、同様に、図示しないY軸方向の高周波電流が指向特性に寄与することはない。
ここで、指向特性に寄与するのは、Z軸方向(垂直方向)の給電端子12と短絡端子14に同相に流れる高周波電流d1,d2である。
つまり、複合アンテナ20の指向特性は、Z軸方向の高周波電流による電磁界の発生により、Z軸を中心にしてXY軸方向に電波が放射する特性となる。
更に、図4は、2つのアンテナ素子13の素子間距離、すなわち素子間距離L3を可変したときの複合アンテナ20のX軸方向の励振強度とY軸方向の励振強度との差の関係を求めた図である。
ここで、横軸は、素子間距離L3であり、動作周波数から求められる波長λを基準として示しており、また、縦軸はX軸方向の励振強度とY軸方向の励振強度との差である。
図4の指向特性図から、素子間距離L3を変化させると励振強度差も変化することがわかる。
すなわち、素子間距離L3を0としたときには、X軸方向とY軸方向のそれぞれの方向に等しい励振強度を有する同心円状の指向特性となる。
そして、素子間距離L3を大きくするにつれてX軸方向の励振強度が大きくなるため、励振強度差は増加して、いわゆる楕円形状の指向特性を得ることができる。
この励振強度差は、素子間距離L3が動作周波数f1から求められる波長λの1/2、すなわち0.5λのときに最大値を示し、それ以上では急激に減少し、この励振強度差が最大値を示す素子間距離L3=0.5λのときには、いわゆる楕円形状の指向特性が得られる。
このことは、自動車電話などの固定局と移動体無線装置との間で送受信する際に、電波の送受信方向(放射方向)に指向特性がある場合、無指向性の指向特性を有する従来のモノポールアンテナなどは、車両への取付け位置によっては車両の影響を受け無指向性が確保できない恐れがある。
しかし、本発明の複合アンテナ20では、2つのアンテナ素子13の素子間距離L3を適宜設定し所定の指向特性を得ることができ、したがって、車体の内外部に自由に配置することに対応できる。
上記、複合アンテナ20の一例として2周波(900MHz帯と2000MHz帯)に対応する携帯電話用とした場合の各部寸法は、導体地板11の外形寸法Lが約110mm、導体地板11とアンテナ素子の素子間距離hが約20mm以下である。
また、上記2周波の複合アンテナ20は、900MHz帯と2000MHz帯とも携帯電話用の動作に必要な帯域が確保できることを確認している。
このように本実施の形態によれば、導体地板11に所定の素子間距離hを空けて対向配置した2つのアンテナ素子13を、導体地板11の中央に対称に配置することによって、導体地板11の中央に空間部を形成できるため、この空間部に公知の平面アンテナなどを配置できて、3周波以上に動作周波数が増えても低背化を図ることができる。
また、2つのアンテナ素子13を、導体地板11の端部に配置することによって、導体地板11を所定の大きさにしつつ、送受信電力はそのままにして、所定の方向に送受信できる指向特性を得ることができる。
さらに、給電端子12を、アンテナ素子13の中心から距離aだけ離して配置することで、新たな構成部材を用いることなく、容易に2周波に対応することができる。
また、短絡端子14を、給電端子12に対して並立して設けることで、この短絡端子14も給電端子12と同相に励振されるため、励振がより強化されることで更に低背化を図ることができる。
なお、上記実施の形態では複数のアンテナ素子13は2つとし、導体地板11は4角形状として説明したが、これに限るものではなく、例えば、図5に示すように、3つのアンテナ素子13を円形状の導体地板11の中央に対称に等角度(θ1)に配置してもよく、複数のアンテナ素子13と導体地板11とに流れるお互いの高周波電流のベクトル総和をゼロにできる構成であれば同様の効果を得ることができる。
本発明による複合アンテナは、3周波以上に動作周波数が増えても、かつ所定の指向特性を有し、車載用などの移動体無線装置等に有用である。
本発明の一実施の形態による複合アンテナの縦断面図 同斜視図 同電流模式図 同指向特性図 同実施の他の形態による複合アンテナの平面図 従来の複合アンテナの縦断面図
符号の説明
10 基板
10A 伝送経路
11 導体地板
12 給電端子
13 アンテナ素子
14 短絡端子
20 複合アンテナ

Claims (4)

  1. 所定の大きさの導体地板と、この導体地板に所定の素子間距離を空けて対向配置した複数のアンテナ素子と、この複数のアンテナ素子に同相に伝送経路を介して給電する給電端子からなり、
    前記複数のアンテナ素子を、前記導体地板の中央に対称に配置して構成した複合アンテナ。
  2. 複数のアンテナ素子を、導体地板の端部に配置した請求項1記載の複合アンテナ。
  3. 給電端子を、複数の各アンテナ素子の中心から所定距離だけ離して配置した請求項1記載の複合アンテナ。
  4. アンテナ素子と導体地板とを電気接続する短絡端子を、給電端子に並立して設けた請求項1記載の複合アンテナ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014034490A1 (ja) * 2012-08-27 2016-08-08 日本電業工作株式会社 アンテナ
WO2021039102A1 (ja) * 2019-08-28 2021-03-04 株式会社村田製作所 アンテナ装置、アンテナモジュールおよび通信装置
US12126089B2 (en) 2019-08-28 2024-10-22 Murata Manufacturing Co., Ltd. Antenna device, antenna module, and communication device

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