JP2005259887A - 固体撮像装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細化と白キズ数の低減とが図られた固体撮像装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板に、N型トランジスタ、フォトダイオード、転送ゲート電極、及び検出容量部を形成し、これらの一部分と接触するようにシリサイド形成可能な金属膜を形成し、1回または複数回の熱処理を行って、金属膜と接触した部分にシリサイド層を形成して固体撮像装置を製造する。このとき、熱処理における最高温度TはT2以上T1未満に設定する。但し、T1は、N型領域にシリサイド層を形成する場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせる熱処理時の最低温度、T2は、P型領域にシリサイド層を形成する場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせる熱処理時の最低温度である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体撮像装置の製造方法、特にはMOS型撮像装置の製造方法に関する。
近年、固体撮像装置の一つとして、MOS型撮像装置が目されている。MOS型撮像装置は、CMOS・LSIプロセスによって製造できるため、CCDに比べて、製造コストが低いという利点や、同一チップにLSI回路を組み込むことができるという利点がある。
ここで、図5を用いて従来の固体撮像装置の構成について説明する。図5は、従来の固体撮像装置の一例を示す断面図である。図5に示す固体撮像装置は、MOS型撮像装置である。なお、図5において、BPSG膜及び層間絶縁膜についてはハッチングを省略している。
図5に示すように、MOS型撮像装置は、p型のシリコン基板31上に、フォトダイオード部41と、トランジスタ部42とを設けて構成されている。図5においては図示していないが、フォトダイオード部41は、アレイ状に複数個形成されており、これら複数のフォトダイオード部41によって画素領域が形成されている。また、トランジスタ部42も複数個形成されており、これら複数のトランジスタ部42によって周辺回路が形成されている。
シリコン基板31上には、LOCOS(シリコン局所酸化:local oxidation of silicon)法によって素子分離領域32a〜32cが設けられている。フォトダイオード部41は素子分離領域32aと32bとの間に配置されており、トランジスタ部42は素子分離領域32bと32cとの間に配置されている。なお、同様に図示していないが、素子分離領域32a〜32bの下層にはチャネルストッパ層が形成されている。
フォトダイオード部41は、フォトダイオード33、転送ゲート電極34、検出容量部37、配線35a及び35bを備えている。また、フォトダイオード33は、入射した光に応じて電荷を蓄積する。転送ゲート電極34は、フォトダイオード33に蓄積された電荷を検出容量部37へと転送する。検出容量部37は、転送ゲート電極34から転送された電荷を蓄積するN型の拡散領域(N型領域)である。
また、配線35aは素子分離領域32aの上に形成されており、配線35bは素子分離領域32bの上に形成されている。配線35a及び配線35bは共に、上述の画素領域に形成されたトランジスタ(図示せず)のゲート電極に電気信号を伝達するのに用いられている。
トランジスタ部42は、ゲート電極39と、ソース領域(n+)38及びドレイン領域(n+)40と、pウェル47によって形成されている。トランジスタ部42は、N型MOSトランジスタである(以下「N型トランジスタ」という。)。なお、図5においては、図示していないが、一般に、半導体基板31にはP型MOSトランジスタ(以下「P型トランジスタ」という。)や、基板コンタクトとなるP型領域も形成される。
また、転送ゲート電極34、フォトダイオード33及び検出容量部37によってもN型トランジスタが構成されており、このN型トランジスタは転送トランジスタとして機能する。また。このN型トランジスタにおいては、フォトダイオード33がソース領域として、検出容量部37がドレイン領域として機能している。
また、転送ゲート電極34、ゲート電極39、配線35a及び35の側面には、絶縁膜(図8参照)をエッチバックして保護膜(サイドウォール)46が形成されている。44は、サイドウォール46の形成の際にエッチングしないで残置させた絶縁膜である。
更に、転送ゲート電極34、ゲート電極39、配線35a、配線35b、検出容量部37、ソース領域38及びドレイン領域39の表層部分には、シリサイド層36が形成されている。また、配線35a、配線35b、転送ゲート電極34及びゲート電極39それぞれの下層にはゲート絶縁膜52a〜52dが形成されている。
また、図5に示すように、半導体基板31の上には、フォトダイオード部41やトランジスタ部42等を外気の水分等から保護するために、BPSG膜48が形成されている。BPSG膜48は、ボロン(B)とリン(P)を混入したシリコン酸化膜で形成されており、他の絶縁膜よりも低い温度でリフローによる平坦化を行えるという性質を備えている。
また、BPSG膜48の上には、金属配線49と層間絶縁膜50とが形成されている。更に、層間絶縁膜50の上には、フォトダイオード33以外の領域に光が入射しないようにするため、金属遮光膜51が形成されている。
なお、図5においては図示していないが、BPSG膜48には、配線35a、配線35b、転送ゲート電極34及びゲート電極39と、金属配線49とを電気的に接続するコンタクトが形成されている。コンタクトはBPSG膜48に貫通孔を設け、貫通孔の内部に導電性材料を充填することによって形成されている。また、金属配線49、コンタクト、金属遮光膜51は通常、アルミニウム、チタン、タングステンといった金属材料で形成されている。
このようにして形成された固体撮像装置においては、フォトダイオード部41によって、入射した光が電気信号へと変換され、トランジスタ部42によって電気信号の信号処理が行われる。
次に、図6及び図7を用いて従来の固体撮像装置の製造方法について説明する。図6及び図7は、図5に示す従来の固体撮像装置の製造方法を示す断面図である。図6(a)〜(d)は一連の主な製造工程を示している。また、図7(f)〜(g)は、図6(d)に示す工程後の一連の主な製造工程を示している。なお、図6及び図7において、図5と同一の部分には同一の符号を付している。
先ず、図6(a)に示すように、シリコン基板31に、LOCOS法によって素子分離領域32a〜32cを形成する。このとき、図6においても図示していないが、素子分離領域32a〜32bの下層にはチャネルストッパ層も形成される。
次に、絶縁膜と金属膜とを順に形成し、これらをエッチングすることによって、ゲート絶縁膜52a〜52d、配線35a、配線35b、転送ゲート電極34、及びゲート電極39を形成する。続いて、イオン注入によって、pウェル47、フォトダイオード33、検出容量部37、ソース領域(n+)38及びドレイン領域(n+)40を形成する。この後、活性化アニールが行われる。
なお、図6(a)に示す工程においては、転送ゲート電極34、ゲート電極39、配線35a及び35bの形成材料としては、通常、ポリシリコン(P−Si)や、ポリメタル、アルミニウム等の金属材料が用いられる。
次に、図6(b)に示すように、シリコン基板31上に、サイドウォール46の形成のための絶縁膜(SiO2単層膜)44を成膜する。次いで、サイドウォール46の形成時にフォトダイオード33を保護するため、フォトダイオード33と重なる絶縁膜44上の領域にレジストパターン45を形成する。
次に、図6(c)に示すように、絶縁膜44に対してエッチバックを行ってサイドウォール46を形成する。このとき、レジストパターン45により、フォトダイオード33の上面を覆う絶縁膜44は除去されず、フォトダイオード33は絶縁膜44に被覆されている。次いで、レジストパターン45を除去する。また、図6(c)の例では、エッチングは異方性のドライエッチングによって行われている。
次に、図6(d)に示すように、転送ゲート電極34、ゲート電極39、配線35a、配線35b、検出容量部(電荷蓄積部)37、ソース領域38及びドレイン領域40の表層部分に、シリサイドによってシリサイド層36を形成する。シリサイド層36の形成により、電極及び配線の低抵抗化が図られる。
次に、図7(e)に示すように、フォトダイオード部41及びトランジスタ部42を覆うように、BPSG膜48を形成し、更に、リフロー処理を行ってBPSG膜48を平坦化させる。
次に、図7においても図示していないが、BPSG膜48にコンタクトを形成する。更に、図7(f)に示すように、コンタクトと接続されるように金属配線49を形成する。その後、図7(g)に示すように、金属配線49を被覆する層間絶縁膜50を形成し、更に、金属遮光膜51を形成することにより、図5に示す固体撮像装置が得られる。
ここで、図6(d)に示したシリサイド層の形成処理について図8を用いて説明する(非特許文献1参照)。図8は、従来からのシリサイド層の形成処理の流れを示すフロー図である。
図8に示すように、先ず、基板面(ウエハ面)にシリサイド形成可能な金属膜を形成する(ステップS1)。成膜方法としては、スパッタリング法やCVD法等が挙げられる。なお、シリサイド形成可能な金属膜としてはコバルト(Co)膜やニッケル(Ni)膜が挙げられる。また、シリサイド形成可能な金属膜の上には、この金属膜の酸化を防止するため、窒化チタン(TiN膜)やシリコン酸化膜(SiO2)が成膜される場合もある。
次に、RTP(Rapid thermal processing)、ファーネスアニール、またはレーザーアニールといった熱処理を1回又は複数回行って、転送ゲート電極34、ゲート電極39、配線35a、配線35b、検出容量部(電荷蓄積部)37、ソース領域38及びドレイン領域40と、シリサイド形成可能な金属膜との間でシリサイド化反応を起こさせる(ステップS2)。
例えば、RTPを行う場合であれば、先ず、窒素やアルゴンといった希ガス雰囲気中で、温度を300〜800℃に設定して、1回〜複数回のRTPを行う。これにより、シリサイド層が形成される。具体的には、金属膜としてコバルト膜を用いた場合はコバルトシリサイド(CoSi2)層が形成される。一方、金属膜としてニッケル膜を用いた場合はニッケルシリサイド(NiSi2)層が形成される。
その後、シリサイド化反応が生じなかった金属膜を洗浄によって除去する(ステップS3)。このようなステップS1〜S3の実施により、シリサイド層36(図5及び図7参照)が形成され、電極及び配線の低抵抗化が図られる。
なお、シリサイド形成可能な金属膜としてCo膜を用いてコバルトシリサイド層を形成した場合や、ニッケル膜を用いてニッケルシリサイド層を形成した場合は、シリサイド層36の微細化が可能になる。よって、固体撮像装置の微細化に対応することができる。
「クリティカル・レビュー・イン・ソリッド・ステート・アンド・マテリアル・サイエンス(Critical Reviews in Solid State and Materials Sciences)」、2003年、第28巻(1)、p.1−129
しかしながら、一般的に、シリサイド層36を形成すると、シリサイド層36が形成された部分でのリーク電流が大きくなる。このため、検出容量部37でのリーク電流の増大により、白キズ数が増加する場合がある。
本発明の目的は、上記問題を解決し、微細化と白キズ数の低減とが図られた固体撮像装置の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明における第1の固体撮像装置の製造方法は、(a)半導体基板に、N型トランジスタ、フォトダイオード、転送ゲート電極、及び検出容量部を形成する工程と、(b)前記半導体基板の基板面に、前記転送ゲート電極、前記検出容量部、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける一部分又は全部と接触するように、シリサイド形成可能な金属膜を形成する工程と、(c)1回または複数回の熱処理を行って、前記転送ゲート電極、前記検出容量部、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける前記金属膜と接触した部分に、シリサイド層を形成する工程とを少なくとも有し、前記(c)の工程において、前記熱処理における最高温度Tが、下記式(1)を満たす値に設定されていることを特徴とする。
(数1)
T2≦T<T1・・・・・(1)
但し、T1は、N型領域にシリサイド層を形成する場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせる熱処理時の最低温度であり、T2は、P型領域にシリサイド層を形成する場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせる熱処理時の最低温度である。
上記目的を達成するために本発明における第2の固体撮像装置の製造方法は、(a)半導体基板に、N型トランジスタ、フォトダイオード、転送ゲート電極、及び検出容量部を形成する工程と、(b)前記半導体基板の基板面に、前記転送ゲート電極、前記検出容量部、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける一部分又は全部と接触するように、シリサイド形成可能な金属膜を形成する工程と、(c)1回または複数回の熱処理を行って、前記転送ゲート電極、前記検出容量部、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける前記金属膜と接触した部分に、シリサイド層を形成する工程とを少なくとも有し、前記(b)の工程において、前記金属膜の厚みdが、下記式(2)を満たす値に設定されていることを特徴とする。
(数2)
d2≦d<d1・・・・・(2)
但し、d1は、N型領域にシリサイド層を形成する場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせるシリサイド形成可能な金属膜の最小膜厚であり、d2は、P型領域にシリサイド層を形成する場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせるシリサイド形成可能な金属膜の最小膜厚である。
上記目的を達成するために本発明における第3の固体撮像装置の製造方法は、(a)半導体基板に、N型トランジスタ、フォトダイオード、転送ゲート電極、及び検出容量部を形成する工程と、(b)前記半導体基板の基板面に、前記転送ゲート電極、前記検出容量部、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける一部分又は全部と接触するように、シリサイド形成可能な金属膜を形成する工程と、(c)1回または複数回の熱処理を行って、前記転送ゲート電極、前記検出容量部、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける前記金属膜と接触した部分に、シリサイド層を形成する工程と、(d)前記半導体基板の基板面上にBPSG膜を形成する工程と、(e)前記BPSG膜が形成された前記半導体基板に対してリフロー処理を行う工程とを少なくとも有し、前記(e)の工程において、前記リフロー処理の温度Trが、下記式(3)を満たす値に設定されていることを特徴とする。
(数3)
Tr2≦Tr<Tr1・・・・・(3)
但し、Tr1は、N型領域にシリサイド層を形成した場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせるリフロー処理の最低温度であり、Tr2は、P型領域にシリサイド層を形成した場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせるリフロー処理の最低温度である。
上記目的を達成するために本発明における第4の固体撮像装置の製造方法は、(a)半導体基板に、N型トランジスタ、フォトダイオード、転送ゲート電極、及び検出容量部を形成する工程と、(b)前記フォトダイオード及び前記検出容量部を絶縁膜によって被覆した状態で、前記半導体基板の基板面に、前記転送ゲート電極、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける一部分又は全部と接触するように、シリサイド形成可能な金属膜を形成する工程と、(c)1回または複数回の熱処理を行って、前記転送ゲート電極、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける前記金属膜と接触した部分に、シリサイド層を形成する工程とを少なくとも有することを特徴とする。
以上の特徴により、本発明の固体撮像装置の製造方法によれば、シリサイド層の微細化による固体撮像装置の微細化を図りつつ、シリサイド層のリーク電流の増大による白キズ数の増加を抑制できる。
上記本発明における第1〜第4の固体撮像装置の製造方法においては、前記フォトダイオード、前記転送ゲート電極、及び前記検出容量部によってN型の転送トランジスタが形成されているのが好ましい。また、前記(a)の工程において、前記フォトダイオード及び前記検出容量部が、半導体基板にN型の不純物をイオン注入することによって形成されているのが好ましい。
更に、上記本発明における第1〜第4の固体撮像装置の製造方法においては、前記(a)の工程において、前記半導体基板に、基板コンタクトとなるP型領域が形成され、前記(b)の工程において、前記金属膜が前記P型領域の一部又は全部にも接触するように形成され、前記(c)の工程において、前記金属膜と接触した前記P型領域の一部又は全部にも前記シリサイド層が形成されている態様であっても良い。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における固体撮像装置の製造方法について説明する。
本実施の形態1における固体撮像装置の製造方法においては、転送トランジスタを構成する転送ゲート電極や検出容量部の表層部分、更に周辺回路を構成するトランジスタのゲート電極や拡散領域(ソース・ドレイン領域)の表層部分等に、低抵抗化のため、シリサイド層の形成が行われる。
シリサイド層は、半導体基板の基板面に、トランジスタのゲート電極や拡散領域、転送ゲート電極、検出容量部と接触するように、シリサイド形成可能な金属膜を形成し、一回又は複数回の熱処理を行うことによって形成される(図6、図8参照)。本実施の形態1においては、熱処理はRTP(RTP:Rapid thermal processing)によって行われている。
このとき、温度を出来るだけ高く設定してRTPを実施すると、スパイクを減少でき、リーク電流を低下させることができる。よって、シリサイド層による白キズ数の増加を抑制するためには、RTPの温度を高くすることが有効である。
しかしながら、RTPの温度を一定値以上とすると、シリサイド層に凝集によって電気抵抗の上昇が生じる。また、場合によっては、シリサイド層は断線する。この点について図1を用いて説明する。
図1は、RTPの温度とシリサイド層の抵抗率との関係を示す図である。図1において、横軸はRTPの温度[℃]、縦軸はコバルトシリサイド層の抵抗率[Ω/mm]を示している。また、図1は、N型領域にシリサイド層を形成する場合と、P型領域にシリサイド層を形成する場合との2つの場合を示している。
図1において、T1は、N型領域にシリサイド層を形成する場合に、このシリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせる熱処理(RTP)時の最低温度である。T2は、P型領域にシリサイド層を形成する場合に、このシリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせる熱処理(RTP)時の最低温度である。
図1に示すように、N型領域及びP型領域のどちらの場合でも、RTPの温度が上限(最低温度T1又はT2)を越えない場合は、シリサイド層の抵抗率は略一定値をとる。一方、RTPの温度が上限以上となると、N型領域及びP型領域のどちらの場合でも、シリサイド層の抵抗率は急上昇する。
また、図1に示すように、N型領域とP型領域とでRTPの上限は異なっており、N型領域の最低温度T1はP型領域の最低温度T2に比べて高くなっている。これは、一般的に、P型領域に形成されるシリサイド層は、N型領域に形成されるシリサイド層に比べて、シリサイド粒径が小さいため、熱処理による凝集によって高抵抗化が生じやすいと考えられるからである。
このことから、N型領域にのみシリサイド層を形成する場合は、最終のRTPの設定温度をT2以上T1未満とできる。一方、N型領域とP型領域との両方にシリサイド層を形成する場合は、最終のRTPの設定温度をT2未満とする必要がある。つまり、N型領域にのみシリサイド層を形成する場合は、P型領域にもシリサイド層を形成する場合に比べて、RTPの設定温度を高くでき、リーク電流の低減を図ることができる。
以上の点から、本実施の形態1における固体撮像装置の製造方法では、拡散領域についてはN型領域(フォトダイオードを除く)にのみシリサイド層が形成される。具体的には、転送ゲート電極、検出容量部、N型トランジスタのゲート電極、N型トランジスタの拡散領域(ソース・ドレイン領域)のうち少なくとも一つに、シリサイド層が形成される。また、このときシリサイド層の形成のための熱処理における最高温度TはT2以上T1未満に設定される。
なお、N型トランジスタやN型の転送トランジスタを構成しない配線にもシリサイド層を形成できる。また、半導体基板には、基板コンタクトとなるP型領域が形成される場合があるが、このP型領域にはシリサイド層を形成しても良い。これは、基板コンタクトとなるP型領域は、P型トランジスタに比べ、リーク、凝集が生じても問題とならないためである。
本実施の形態1における固体撮像装置の製造方法は、例えば以下の工程を行うことによって実施できる。先ず、半導体基板に、周辺回路を構成するN型トランジスタと、フォトダイオードと、転送ゲート電極と、検出容量部とを少なくとも形成する。このとき、素子分離領域や各種配線、サイドウォールも形成される。また、フォトダイオード、転送ゲート電極、及び検出容量部は、N型の転送トランジスタを形成している。この転送トランジスタでは、フォトダイオードがソース領域を兼ねており、検出容量部がドレイン領域として機能している。
この工程は、例えば、背景技術において図6(a)〜(c)に示した工程と同様に行われる。但し、本実施の形態1においては、P型トランジスタは形成されていない。
次に、半導体基板の基板面に、シリサイド層の形成を予定した領域、即ち、転送ゲート電極、検出容量部、周辺回路を構成するN型トランジスタのゲート電極及び拡散領域(ソース・ドレイン領域)のうち少なくとも一つの一部分又は全部と接触するようにシリサイド形成可能な金属膜を形成する。この工程は、背景技術において図6(d)及び図8に示した工程に準じて行われる。
なお、本実施の形態1においては、転送ゲート電極、検出容量部、N型トランジスタのゲート電極及び拡散領域(ソース・ドレイン領域)の一部分に接触するように、シリサイド形成可能な金属膜が成膜される。また、金属膜は、N型トランジスタやP型トランジスタを構成していない配線(図5中の配線35a及び35b参照)にも接触するように成膜されている。
本実施の形態1において、シリサイド形成可能な金属膜の例としては、コバルト(Co)膜やニッケル(Ni)膜が挙げられる。成膜方法としては、スパッタリング法やCVD法等が挙げられる。また、シリサイド形成可能な金属膜の上には、この金属膜の酸化を防止するため、窒化チタン(TiN膜)やシリコン酸化膜(SiO2)を成膜することもできる。
次に、1回又は複数回のRTPを行う。これにより、転送ゲート電極、検出容量部、N型トランジスタのゲート電極及び拡散領域におけるシリサイド形成可能な金属膜と接触した部分に、シリサイド層が形成される。本実施の形態1においては、転送ゲート電極、検出容量部、N型トランジスタのゲート電極及び拡散領域(ソース・ドレイン領域)の表層部分にシリサイド層が形成される。
この工程も、背景技術において図6(d)及び図8に示した工程に準じて行われる。但し、本実施の形態1においては、上述したようにRTPの最高温度TはT2以上T1未満に設定される。例えば、金属膜がコバルト膜である場合は、最高温度Tは800℃から900℃、特には800℃に設定する。最高温度Tを800℃に設定した場合は、300℃以上800℃以下の範囲で複数回のRTPが実施される。また、一回のRTPの時間は1秒間〜180秒間に設定される。
次に、上記の熱処理工程によって反応しなかった、シリサイド形成可能な金属膜の除去を行う。次いで、BPSG(Boron-Phosphorus Silicate Glass)膜を成膜し、このBPSG膜を平坦化するためリフロー処理を行う。その後、コンタクト、金属配線、層間絶縁膜、金属遮光膜等を形成することによって、固体撮像装置が完成する。なお、上記の工程は背景技術において図7(e)〜図7(g)に示した工程に準じて行われる。金属配線、コンタクト、金属遮光膜は、アルミニウム、チタン、タングステンといった金属材料で形成されている。
このように、本実施の形態1においては、P型トランジスタの拡散領域にもシリサイド層を形成する場合に比べて、熱処理時の最高温度を高く設定できる。このため、シリサイド層におけるリーク電流の低減を図りつつ、シリサイド層の電気抵抗の上昇を回避できる。また、これにより、特に、検出容量部(図5及び図6参照)でのリーク電流の発生を抑制できるので、得られた固体撮像装置における白キズ数の増加を抑制できる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における固体撮像装置の製造方法について説明する。
本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、転送トランジスタを構成する転送ゲート電極や検出容量部の表層部分、更に周辺回路を構成するトランジスタのゲート電極や拡散領域(ソース・ドレイン領域)の表層部分等に、低抵抗化のため、シリサイド層の形成が行われる。
また、実施の形態1と同様に、シリサイド層は、半導体基板の基板面に、トランジスタのゲート電極や拡散領域、転送ゲート電極、検出容量部と接触するように、シリサイド形成可能な金属膜を形成し、一回又は複数回の熱処理を行うことによって形成される(図6、図8参照)。本実施の形態2においても、熱処理はRTPによって行われている。
このとき、シリサイド形成可能な金属膜の厚みを出来るだけ大きく設定して、RTPを実施すると、形成されるシリサイド層のリーク電流を低下させることができる。よって、シリサイド層による白キズ数の増加を抑制するためには、シリサイド形成可能な金属膜の厚みを出来るだけ大きく設定することが有効である。
しかしながら、シリサイド形成可能な金属膜の膜厚が一定値を越えた状態で、RTPを実施すると、形成されたシリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇が生じる。また、場合によっては、シリサイド層は断線する。この点について図2を用いて説明する。
図2は、シリサイド形成可能な金属膜の膜厚とシリサイド層の抵抗率との関係を示す図である。図2において、横軸はシリサイド形成可能な金属膜の膜厚の膜厚[nm]、縦軸はシリサイド層の抵抗率[Ω/mm]を示している。また、図2は、N型領域にシリサイド層を形成する場合と、P型領域にシリサイド層を形成する場合との2つの場合を示している。
図2において、d1は、N型領域にシリサイド層を形成した場合に、このシリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせるシリサイド形成可能な金属膜の最小膜厚である。d2は、P型領域にシリサイド層を形成した場合に、このシリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせるシリサイド形成可能な金属膜の最小膜厚である。
図2に示すように、N型領域及びP型領域のどちらの場合でも、シリサイド形成可能な金属膜の膜厚が上限(最小膜厚d1又はd2)を越えない場合は、シリサイド層の抵抗率は略一定値をとる。一方、シリサイド形成可能な金属膜の膜厚が上限以上となると、N型領域及びP型領域のどちらの場合でも、シリサイド層の抵抗率は急上昇する。
また、図2に示すように、N型領域とP型領域とでシリサイド形成可能な金属膜の膜厚の上限は異なっており、N型領域の最小膜厚d1はP型領域の最小膜厚d2に比べて大きくなっている。これは、一般的に、P型領域に形成されるシリサイド層は、N型領域に形成されるシリサイド層に比べて、シリサイド粒径が小さいため、金属膜の厚みが小さいと熱処理による凝集が生じやすく、高抵抗化し易いと考えられるからである。
このことから、N型領域にのみシリサイド層を形成する場合は、シリサイド形成可能な金属膜の膜厚をd2以上d1未満とできる。一方、N型領域とP型領域との両方にシリサイド層を形成する場合は、シリサイド形成可能な金属膜の膜厚をd2未満とする必要がある。つまり、N型領域にのみシリサイド層を形成する場合は、P型領域にもシリサイド層を形成する場合に比べて、シリサイド形成可能な金属膜の膜厚を大きくでき、リーク電流の低減を図ることができる。
以上の点から、本実施の形態2における固体撮像装置の製造方法では、拡散領域についてはN型領域(フォトダイオードを除く)にのみシリサイド層が形成される。具体的には、転送ゲート電極、検出容量部、N型トランジスタのゲート電極、N型トランジスタの拡散領域(ソース・ドレイン領域)のうち少なくとも一つに、シリサイド層が形成される。また、このときシリサイド形成可能な金属膜の厚みdはd2以上d1未満に設定される。
なお、N型トランジスタやN型の転送トランジスタを構成しない配線にもシリサイド層を形成できる。また、本実施の形態2においても、半導体基板には、基板コンタクトとなるP型領域が形成される場合があるが、実施の形態1と同様に、このP型領域にはシリサイド層を形成しても良い。
本実施の形態2における固体撮像装置の製造方法は、例えば以下の工程を行うことによって実施できる。先ず、実施の形態1と同様に、半導体基板に、周辺回路を構成するN型トランジスタと、フォトダイオードと、転送ゲート電極と、検出容量部とを少なくとも形成する。このとき、素子分離領域や各種配線、サイドウォールも形成される。なお、本実施の形態2においても、P型トランジスタは形成されていない。
次に、実施の形態1と同様に、転送ゲート電極、検出容量部、周辺回路を構成するN型トランジスタのゲート電極及び拡散領域(ソース・ドレイン領域)のうち少なくとも一つの一部分又は全部と接触するようにシリサイド形成可能な金属膜を形成する。但し、本実施の形態2においては、シリサイド形成可能な金属膜は、厚みdがd2以上d1未満となるように成膜される。
本実施の形態2においても、シリサイド形成可能な金属膜の例としては、コバルト(Co)膜やニッケル(Ni)膜が挙げられる。例えば、金属膜がコバルト膜である場合は、金属膜の厚みdは15nm〜30nm、特には20nm〜30nmに設定される。
次に、1回又は複数回のRTPを行って、シリサイド層を形成する。本実施の形態2においても、転送ゲート電極、検出容量部、N型トランジスタのゲート電極及び拡散領域(ソース・ドレイン領域)の表層部分にシリサイド層が形成される。
その後、実施の形態1と同様に、上記の熱処理工程によって反応しなかった、シリサイド形成可能な金属膜の除去、BPSG(Boron-Phosphorus Silicate Glass)膜の成膜及びリフロー処理、コンタクト、金属配線、層間絶縁膜、及び金属遮光膜等の形成が行われる。
このように、本実施の形態2においては、P型トランジスタの拡散領域にもシリサイド層を形成する場合に比べて、シリサイド形成可能な金属膜の厚みを大きくできる。このため、シリサイド層におけるリーク電流の低減を図りつつ、シリサイド層の電気抵抗の上昇を回避できる。また、これにより、特に、検出容量部(図5及び図6参照)でのリーク電流の発生を抑制できるので、得られた固体撮像装置における白キズ数の増加を抑制できる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3における固体撮像装置の製造方法について説明する。
本実施の形態3における固体撮像装置の製造方法においても、実施の形態1及び2と同様に、転送トランジスタを構成する転送ゲート電極や検出容量部の表層部分、更に周辺回路を構成するトランジスタのゲート電極や拡散領域(ソース・ドレイン領域)の表層部分等に、低抵抗化のため、シリサイド層の形成が行われる。
但し、本実施の形態3においては、実施の形態1及び2と異なり、シリサイド層の形成後に成膜されるBPSG膜のリフロー処理の温度(以下「リフロー温度」という。)を最適化することに特徴がある。
通常、BPSG膜の平坦化の点からはリフロー温度は出来るだけ高く設定することが望まれる。また、リフロー温度を高くすることにより、形成されたシリサイド層のリーク電流を低下させることができる。しかしながら、リフロー温度が高くなり過ぎると、形成されたシリサイド層に凝集によって電気抵抗の上昇が生じる場合がある。また、場合によっては、シリサイド層は断線する。このため、本実施の形態3においては、リフロー温度の最適化を図っている。
ここで、図3を用いて、BPSG膜のリフロー温度がシリサイド層に与える影響について説明する。図3は、BPSG膜のリフロー温度とシリサイド層の抵抗率との関係を示す図である。
図3において、横軸はBPSG膜のリフロー温度[℃]、縦軸はシリサイド層の抵抗率[Ω/mm]を示している。また、図3は、N型領域にシリサイド層を形成した場合と、P型領域にシリサイド層を形成した場合との2つの場合を示している。
図3において、Tr1は、N型領域にシリサイド層を形成した場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせるリフロー処理の最低温度である。Tr2は、P型領域にシリサイド層を形成した場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせるリフロー処理の最低温度である。
図3に示すように、N型領域及びP型領域のどちらの場合でも、リフロー温度が上限(最低温度Tr1又はTr2)を越えない場合は、シリサイド層の抵抗率は略一定値をとる。一方、リフロー温度が上限以上となると、N型領域及びP型領域のどちらの場合でも、シリサイド層の抵抗率は急上昇する。
また、図3に示すように、N型領域とP型領域とでリフロー温度の上限は異なっており、N型領域の最低温度Tr1はP型領域の最低温度Tr2に比べて大きくなっている。これは、一般的に、P型領域に形成されるシリサイド層は、N型領域に形成されるシリサイド層に比べて、シリサイド粒径が小さいため、リフロー処理時の熱によって凝集による高抵抗化が生じやすいためであると考えられる。
このことから、N型領域にのみシリサイド層を形成する場合は、リフロー温度をTr2以上Tr1未満とできる。一方、N型領域とP型領域との両方にシリサイド層を形成する場合は、リフロー温度をTr2未満とする必要がある。つまり、N型領域にのみシリサイド層を形成する場合は、P型領域にもシリサイド層を形成する場合に比べて、リフロー温度を高くでき、BPSG膜の平坦化を促進することができる。
以上の点から、本実施の形態3における固体撮像装置の製造方法では、拡散領域についてはN型領域(フォトダイオードを除く)にのみシリサイド層が形成される。具体的には、転送ゲート電極、検出容量部、N型トランジスタのゲート電極、N型トランジスタの拡散領域(ソース・ドレイン領域)のうち少なくとも一つに、シリサイド層が形成される。また、BPSG膜のリフロー処理においては、リフロー温度はTr2以上Tr1未満に設定される。
なお、N型トランジスタやN型の転送トランジスタを構成しない配線にもシリサイド層を形成できる。また、本実施の形態3においても、半導体基板には、基板コンタクトとなるP型領域が形成される場合があるが、実施の形態1と同様に、このP型領域にはシリサイド層を形成しても良い。
本実施の形態3における固体撮像装置の製造方法は、例えば、以下の工程を行うことによって実施できる。先ず、実施の形態1と同様に、半導体基板に、周辺回路を構成するN型トランジスタと、フォトダイオードと、転送ゲート電極と、検出容量部とを少なくとも形成する。このとき、素子分離領域や各種配線、サイドウォールも形成される。なお、本実施の形態2においても、P型トランジスタは形成されていない。
次に、実施の形態1と同様に、転送ゲート電極、検出容量部、周辺回路を構成するN型トランジスタのゲート電極及び拡散領域(ソース・ドレイン領域)のうち少なくとも一つの一部分又は全部と接触するようにシリサイド形成可能な金属膜を形成する。本実施の形態2においても、シリサイド形成可能な金属膜の例としては、コバルト(Co)膜やニッケル(Ni)膜が挙げられる。
次に、1回又は複数回のRTPを行って、シリサイド層を形成する。本実施の形態2においても、転送ゲート電極、検出容量部、N型トランジスタのゲート電極及び拡散領域(ソース・ドレイン領域)の表層部分にシリサイド層が形成される。
次に、実施の形態1と同様に、上記の熱処理工程によって反応しなかった、シリサイド形成可能な金属膜の除去、BPSG(Boron-Phosphorus Silicate Glass)膜の成膜及びリフロー処理が行われる。但し、本実施の形態3においては、上述したようにリフロー温度はTr2以上Tr1未満に設定される。例えば、金属膜がコバルト膜である場合は、リフロー処理の温度Trは600℃〜800℃、特には700℃〜800℃に設定される。
その後、実施の形態1と同様に、コンタクト、金属配線、層間絶縁膜、及び金属遮光膜等の形成が行われる。
このように、本実施の形態3においては、P型トランジスタの拡散領域にもシリサイド層を形成する場合に比べて、リフロー温度を高く設定できる。このため、BPSG膜の平坦化とシリサイド層におけるリーク電流の低減とを図りつつ、シリサイド層の電気抵抗の上昇を回避できる。また、これにより、特に、検出容量部(図5及び図6参照)でのリーク電流の発生を抑制できるので、得られた固体撮像装置における白キズ数の増加を抑制できる。
(実施の形態4)
次に、本実施の形態4における固体撮像装置の製造方法について説明する。
本実施の形態4における固体撮像装置の製造方法においても、実施の形態1〜3と同様に、半導体基板に、転送トランジスタを構成する転送ゲート電極や検出容量部、更に周辺回路を構成するトランジスタのゲート電極や拡散領域(ソース・ドレイン領域)等が形成される。また、低抵抗化のためのシリサイド層の形成も行われる。
但し、本実施の形態4においては、実施の形態1〜3と異なり、検出容量部にはシリサイド層が形成されず、これによってリーク電流の低減、ひいては白キズ発生の抑制を図っている。
以下、図4を用いて具体的に説明する。図4は、本発明の実施の形態4における固体撮像装置の製造方法を工程ごとに示す断面図であり、図4(a)〜(d)は、一連の主な工程を示している。
先ず、図4(a)に示すように、半導体基板1に、LOCOS法によって素子分離領域2a〜2cを形成する。なお、図4において半導体基板1はシリコン基板であり、素子分離領域2a〜2cの下層には図示していないがチャネルストッパ層が形成されている。
次に、絶縁膜と金属膜とを順に形成し、これらをエッチングすることによって、ゲート絶縁膜18a〜18d、配線5a、配線5b、転送ゲート電極4、及びゲート電極9を形成する。なお、転送ゲート電極4、ゲート電極9、配線5a及び5bは、ポリシリコン(P−Si)によって形成されている。
続いて、イオン注入によって、pウェル17、フォトダイオード3、検出容量部7、ソース領域(n+)8及びドレイン領域(n+)10を形成する。この後、活性化アニールが行われる。
図4(a)に示す工程により、半導体基板1上には、周辺回路を構成するN型トランジスタと、N型の転送トランジスタとが形成される。具体的には、ゲート電極9、ソース領域8、ドレイン領域10、及びpウェル17によって、周辺回路を構成するN型トランジスタが形成される。また、転送ゲート電極4、フォトダイオード3及び検出容量部(電荷蓄積部)7によって、N型の転送トランジスタが構成される。転送トランジスタにおいては、フォトダイオード3がソース領域として、検出容量部7がドレイン領域として機能する。
また、図4(a)に示す工程は、転送ゲート電極4と、検出容量部7を介して隣り合う配線5bとの距離Lが、背景技術において図6に示した例に比べて短くなるように行われている。具体的には、転送ゲート電極4と配線5bとの距離Lは、図4(b)に示す絶縁膜14の厚みt(図4(b)参照)の2倍以下、好ましくは1倍〜1.5倍に設定されている。
次に、図4(b)に示すように、半導体基板1上に、サイドウォール(図4(c)参照)の形成のための絶縁膜(SiO2単層膜)14を成膜する。次いで、サイドウォールの形成時にフォトダイオード3を保護するため、フォトダイオード3と重なる絶縁膜14上の領域にレジストパターン15を形成する。
次に、図4(c)に示すように、絶縁膜14に対してエッチバックを行い、転送ゲート電極4、ゲート電極9、配線5a及び5bそれぞれの側面にサイドウォール16を形成する。このとき、レジストパターン15により、フォトダイオード3の上面を覆う絶縁膜14は除去されず、フォトダイオード3は絶縁膜14に被覆されている。その後、レジストパターン15を除去する。図4(c)の例では、エッチングは異方性のドライエッチングによって行われている。
また、上述したように、転送ゲート電極4と配線5bとの距離Lが、従来よりも短く設定されているため、図4(c)に示すように、エッチバックを行っても、検出容量部7は絶縁膜14によって被覆された状態にある。
次いで、図4(d)に示すように、シリサイド形成可能な金属膜を形成し、熱処理としてRTPを行って、シリサイド層6が形成される。但し、本実施の形態4においては、フォトダイオード3に加え、検出容量部(電荷蓄積部)7も絶縁膜14に被覆された状態にある。よって、転送ゲート電極4、N型トランジスタのゲート電極9、及びN型トランジスタの拡散領域(ソース領域8及びドレイン領域10)、配線5a及び5bの一部分とのみ接触するように、シリサイド形成可能な金属膜が形成されている。
従って、背景技術において図6(d)に示した工程と異なり、図4(d)に示す工程では、検出容量部37の表層部分にシリサイド層6が形成されることはない。その後、図6においては、図示していないが、実施の形態1と同様に、上記の熱処理工程によって反応しなかった、シリサイド形成可能な金属膜の除去、BPSG(Boron-Phosphorus Silicate Glass)膜の成膜及びリフロー処理、コンタクト、金属配線、層間絶縁膜、及び金属遮光膜等の形成が行われる。
このように、本実施の形態4においては、N型トランジスタのゲート電極9及び拡散領域(ソース領域8及びドレイン領域10)、転送ゲート電極4には、シリサイド層6が形成されるが、検出容量部7にはシリサイド層6は形成されない。このため、検出容量部7においてシリサイド層を原因とするリーク電流は発生しないため、この結果、白キズ数の低減を図ることができる。
なお、本実施の形態4におけるシリサイド層6の形成は、実施の形態1〜3と同様に、半導体基板1の基板面にシリサイド形成可能な金属膜(図示せず)を形成し、RTPを行うことによって行われている。また、本実施の形態4においても、シリサイド形成可能な金属膜の例としては、コバルト(Co)膜やニッケル(Ni)膜が挙げられる。更に、本実施の形態4においても、半導体基板1には、基板コンタクトとなるP型領域が形成される場合があるが、実施の形態1と同様に、このP型領域にはシリサイド層を形成しても良い。
本発明の固体撮像装置の製造方法によれば、小型で、白キズ数の増加が抑制された固体撮像装置を提供できる。このため、デジタルカメラ、デジタルカメラ付携帯電話、デジタルビデオカメラ等の小型化及び画質の向上に貢献できる。
RTPの温度とシリサイド層の抵抗率との関係を示す図である。 シリサイド形成可能な金属膜の膜厚とシリサイド層の抵抗率との関係を示す図である。 BPSG膜のリフロー温度とシリサイド層の抵抗率との関係を示す図である。 本発明の実施の形態4における固体撮像装置の製造方法を工程ごとに示す断面図であり、図4(a)〜(d)は、一連の主な工程を示している。 従来の固体撮像装置の一例を示す断面図である。 図5に示す従来の固体撮像装置の製造方法を示す断面図であり、図6(a)〜(d)は一連の主な製造工程を示している。 図5に示す従来の固体撮像装置の製造方法を示す断面図であり、図7(e)〜(g)は、図6(d)に示す工程後の一連の主な製造工程を示している。 従来からのシリサイド層の形成処理の流れを示すフロー図である。
符号の説明
1 半導体基板
2a〜2c 素子分離領域
3 フォトダイオード
4 転送ゲート電極
5a、5b 配線
6 シリサイド層
7 検出容量部(電荷蓄積部)
8 ソース領域
9 ゲート電極
10 ドレイン領域
14 絶縁膜
15 レジストパターン
17 pウェル
18a〜18d ゲート絶縁膜

Claims (7)

  1. (a)半導体基板に、N型トランジスタ、フォトダイオード、転送ゲート電極、及び検出容量部を形成する工程と、
    (b)前記半導体基板の基板面に、前記転送ゲート電極、前記検出容量部、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける一部分又は全部と接触するように、シリサイド形成可能な金属膜を形成する工程と、
    (c)1回または複数回の熱処理を行って、前記転送ゲート電極、前記検出容量部、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける前記金属膜と接触した部分に、シリサイド層を形成する工程とを少なくとも有し、
    前記(c)の工程において、前記熱処理における最高温度Tが、下記式(1)を満たす値に設定されている固体撮像装置の製造方法。
    T2≦T<T1・・・・・(1)
    但し、T1は、N型領域にシリサイド層を形成する場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせる熱処理時の最低温度であり、T2は、P型領域にシリサイド層を形成する場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせる熱処理時の最低温度である。
  2. (a)半導体基板に、N型トランジスタ、フォトダイオード、転送ゲート電極、及び検出容量部を形成する工程と、
    (b)前記半導体基板の基板面に、前記転送ゲート電極、前記検出容量部、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける一部分又は全部と接触するように、シリサイド形成可能な金属膜を形成する工程と、
    (c)1回または複数回の熱処理を行って、前記転送ゲート電極、前記検出容量部、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける前記金属膜と接触した部分に、シリサイド層を形成する工程とを少なくとも有し、
    前記(b)の工程において、前記金属膜の厚みdが、下記式(2)を満たす値に設定されている固体撮像装置の製造方法。
    d2≦d<d1・・・・・(2)
    但し、d1は、N型領域にシリサイド層を形成する場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせるシリサイド形成可能な金属膜の最小膜厚であり、d2は、P型領域にシリサイド層を形成する場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせるシリサイド形成可能な金属膜の最小膜厚である。
  3. (a)半導体基板に、N型トランジスタ、フォトダイオード、転送ゲート電極、及び検出容量部を形成する工程と、
    (b)前記半導体基板の基板面に、前記転送ゲート電極、前記検出容量部、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける一部分又は全部と接触するように、シリサイド形成可能な金属膜を形成する工程と、
    (c)1回または複数回の熱処理を行って、前記転送ゲート電極、前記検出容量部、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける前記金属膜と接触した部分に、シリサイド層を形成する工程と、
    (d)前記半導体基板の基板面上にBPSG膜を形成する工程と、
    (e)前記BPSG膜が形成された前記半導体基板に対してリフロー処理を行う工程とを少なくとも有し、
    前記(e)の工程において、前記リフロー処理の温度Trが、下記式(3)を満たす値に設定されている固体撮像装置の製造方法。
    Tr2≦Tr<Tr1・・・・・(3)
    但し、Tr1は、N型領域にシリサイド層を形成した場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせるリフロー処理の最低温度であり、Tr2は、P型領域にシリサイド層を形成した場合に、シリサイド層に凝集による電気抵抗の上昇を生じさせるリフロー処理の最低温度である。
  4. (a)半導体基板に、N型トランジスタ、フォトダイオード、転送ゲート電極、及び検出容量部を形成する工程と、
    (b)前記フォトダイオード及び前記検出容量部を絶縁膜によって被覆した状態で、前記半導体基板の基板面に、前記転送ゲート電極、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける一部分又は全部と接触するように、シリサイド形成可能な金属膜を形成する工程と、
    (c)1回または複数回の熱処理を行って、前記転送ゲート電極、前記N型トランジスタのゲート電極、及び前記N型トランジスタの拡散領域のうち少なくとも一つにおける前記金属膜と接触した部分に、シリサイド層を形成する工程とを少なくとも有する固体撮像装置の製造方法。
  5. 前記フォトダイオード、前記転送ゲート電極、及び前記検出容量部によってN型の転送トランジスタが形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。
  6. 前記(a)の工程において、前記フォトダイオード及び前記検出容量部が、前記半導体基板にN型の不純物をイオン注入することによって形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。
  7. 前記(a)の工程において、前記半導体基板に、基板コンタクトとなるP型領域が形成され、前記(b)の工程において、前記金属膜が前記P型領域の一部又は全部にも接触するように形成され、前記(c)の工程において、前記金属膜と接触した前記P型領域の一部又は全部にも前記シリサイド層が形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。
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