JP2005259811A - 永久磁石 - Google Patents

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Abstract

【課題】 永久磁石において、磁石特性の低下を防止し、渦電流損失の発生を充分に抑制しうる手段を提供する。
【解決手段】 永久磁石素片と、前記永久磁石素片の、前記永久磁石素片に印加される磁場に平行な面に配置されてなる、前記永久磁石素片の10〜10倍の比透磁率および10〜1015倍の体積抵抗率を有する高透磁率層とを備える、永久磁石である。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転機器、電子部品、電子機器、モーター等に使用される永久磁石に関する。
永久磁石式回転機器には、電気抵抗値が高いフェライト永久磁石が主に使用されてきたが、近年の回転機の高性能化に伴い、より高性能な希土類永久磁石の使用頻度が増加している。
しかし、希土類永久磁石は金属磁石であるために電気抵抗が低い。このため、回転機器等に組み込んだ場合、渦電流損失が増大し、モーター効率が低下する問題が生じる。また、温度上昇により磁石性能が低下するという問題がある。
以上の点を鑑み、従来、希土類永久磁石の比電気抵抗を増大させ、渦電流損失を低減させようとする試みがなされている。
例えば、互いに絶縁された永久磁石の薄板を積層することにより形成される界磁用永久磁石が開示されている(特許文献1を参照)。また、絶縁材料により磁界と平行に分断された複数の永久磁石素片からなる永久磁石が開示されている(特許文献2および3を参照)。
一方、永久磁石粉末に絶縁性の材料を混合し、焼結することにより、永久磁石の比電気抵抗を増大させる試みもなされている(特許文献4および5を参照)。
ここで、前記特許文献1〜3に記載の永久磁石は、外部磁界の変動方向と磁石の磁化方向とが常に平行である場合には渦電流損失を有効に低減させうる。しかしながら、例えばモーター等のように、外部磁場の変動方向と磁石の磁化方向とが常に変動する場合には、必ずしも充分に渦電流損失を低減できない場合があった。
また、前記特許文献4および5に記載の永久磁石においては、絶縁性の材料を混合することで、希土類磁石粉末の含有量が相対的に低下し、磁石特性が低下するという問題があった。
特開平4−79741号公報 特開平6−70520号公報 特開2001−25189号公報 特開2000−82610号公報 特開2002−64010号公報
そこで、本発明の目的は、永久磁石において、磁石特性の低下を防止し、渦電流損失の発生を充分に抑制しうる手段を提供することである。
本発明は、永久磁石素片と、前記永久磁石素片の、前記永久磁石素片に印加される磁場に平行な面に配置されてなる、前記永久磁石素片の10〜10倍の比透磁率および10〜1015倍の体積抵抗率を有する高透磁率層とを備える、永久磁石である。
本発明の永久磁石によれば、磁石特性の低下が防止されて高い磁石特性が維持され、かつ、渦電流損失も充分に抑制されうる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明は、永久磁石素片と、前記永久磁石素片の、前記永久磁石素片に印加される磁場に平行な面に配置されてなる、前記永久磁石素片の10〜10倍の比透磁率および10〜1015倍の体積抵抗率を有する高透磁率層と、を備える、永久磁石である。
磁石に誘起される渦電流の大きさは、一般に、単位時間内に前記磁石を通過する磁束の変化量により定まる。従来は、複数の永久磁石素片を絶縁性の材料により分割したり、永久磁石粉末に絶縁性の材料を混合させたりして、永久磁石の比電気抵抗を増大させることにより、渦電流の発生の低減を図っていた。このため、渦電流の発生を充分に抑制し得ない場合や、磁石特性が低下する場合が生じていた。
これに対し、本発明者らは、永久磁石素片を通過する磁束密度そのものを低下させることにより、磁石特性を低下させることなく、渦電流の発生を効果的に防止しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的には、永久磁石素片よりも高い比透磁率を有する高透磁率層を、前記永久磁石素片の、磁場に平行な面に配置する。一般に、磁束密度Bは磁場Hに比例し、比例定数をμとして、B=μHなる関係が成立する。この比例定数μは「透磁率」と称され、磁束の通りやすさを示す。また、「比透磁率」とは、真空における透磁率μに対する、ある物質の透磁率μの比(μ/μ)をいう。本発明によれば、高透磁率層を、永久磁石素片の、前記永久磁石素片に印加される磁場に平行な面に配置することにより、印加される磁場における磁束は、前記永久磁石素片よりも前記高透磁率層を優先的に透過する。このため、永久磁石素片を透過する磁束量が相対的に低下し、永久磁石素片を通過する磁束の変化量も低下する。その結果、発生する渦電流の大きさが低下しうる。
高透磁率層は、永久磁石素片の10〜10倍の比透磁率を有する。好ましくは、10〜10倍の比透磁率を有する。高透磁率層における比透磁率が永久磁石素片の比透磁率の10倍未満であると、永久磁石素片を透過する磁束量が十分に低下しない虞がある。一方、高透磁率層における比透磁率が永久磁石素片の比透磁率の10倍を超えると、高透磁率層およびこれを備える永久磁石の製造コストが上昇する虞がある。なお、比透磁率の値は、例えば、B−Hトレーサーを用いることにより、測定されうる。
ここで、例えばNiメッキのような金属メッキにより高透磁率層を形成すると、比透磁率が高いにもかかわらず、発生する渦電流の大きさは逆に増大する場合がある。これは、Niメッキのような金属メッキは、永久磁石素片と同程度か、またはそれより大きい電気伝導率を有しているためであると考えられる。
したがって、本発明の永久磁石において、高透磁率層は、高い比透磁率に加えて、高い体積抵抗率をも有する。具体的には、高透磁率層は、永久磁石素片の10〜1015倍の体積抵抗率を有する。高透磁率層における体積抵抗率が永久磁石素片の体積抵抗率の10倍未満であると、誘起される渦電流の大きさが十分に低下しない虞がある。一方、高透磁率層における体積抵抗率が永久磁石素片の体積抵抗率の1015倍を超えると、体積抵抗率の測定が困難な場合があり、また、高透磁率層およびこれを備える永久磁石の製造コストが上昇する虞がある。なお、体積抵抗率の値は、例えば、4端子法を用いて比電気抵抗を測定することによって、測定されうる。
高透磁率層の好ましい厚さは、用いられる永久磁石素片の比透磁率および体積抵抗率や、永久磁石素片のサイズに応じて変動しうるため、一概には決定できないが、高透磁率層の厚さは、好ましくは、5μm以上であり、より好ましくは、10μm以上である。高透磁率層の厚さが5μm未満であると、高透磁率層を設けたことによるメリットが充分に得られず、発生する渦電流が効果的に抑制されない虞がある。
また、高透磁率層の厚さが厚すぎると、永久磁石素片の磁極から発した磁力が、高透磁率層の内部に閉じ込められ、本来の磁石としての役割が果たされなくなる虞がある。したがって、永久磁石素片の高透磁率層の厚さ方向の長さ(X)に対する、前記高透磁率層の厚さ(dX)の比(dX/X)は、0.3以下であることが好ましい。かような形態を図1を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の永久磁石の好ましい一形態を示す図である。図1に示す形態において、永久磁石1は、直方体の形状を有する永久磁石素片10と、前記永久磁石素片の全表面に配置された、高透磁率層20と、を備える。前記高透磁率層20は、上記で説明した比透磁率および体積抵抗率を有する。図1(a)は、本発明の永久磁石1の平面投影図であり、図1(b)は、図1(a)に示すA−A線に沿った断面図である。図1において、L、W、およびtは、それぞれ永久磁石素片10の長さ、幅および厚さを示し、dL、dW、およびdtは、それぞれ前記長さ方向、前記幅方向および前記厚さ方向の前記高透磁率層20の厚さを示す。図1に示す永久磁石1において、上記で説明した比(dX/X)とは、永久磁石素片10の長さ(L)に対する高透磁率層20の厚さ(dL)の比(dL/L)、永久磁石素片10の幅(W)に対する高透磁率層20の厚さ(dW)の比(dW/W)、および永久磁石素片10の厚さ(t)に対する高透磁率層20の厚さ(dt)の比(dt/t)をいう。なお、高透磁率層20のそれぞれの方向における厚さ(dL、dWおよびdt)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
永久磁石素片を透過する磁束量の変化により誘起される渦電流は、透過する磁束の方向、すなわち、永久磁石素片に印加される磁場の方向に垂直な平面において環状に発生する。したがって、高透磁率層は、前記永久磁石素片の、少なくとも永久磁石素片に印加される磁場に平行な面に配置される。これにより、印加される磁場における磁束を、永久磁石素片よりも高透磁率層を優先的に透過させることが可能となる。場合によっては、永久磁石素片の全表面に、高透磁率層を配置してもよい。かような形態によれば、永久磁石の耐食性や製造時の作業性が向上しうる。
高透磁率層を構成する材料は、本発明の要件を満足するものであればよく、特に制限されない。高透磁率層を構成する材料としては、例えば、絶縁性の材料で被覆されてなる軟磁性金属粉末(以下、「絶縁被覆金属粉末」とも称する)や、ソフトフェライトが挙げられる。これらは、優れた比透磁率を有するため、本発明において高透磁率層を構成する材料として好ましく用いられうる。これら以外の材料が用いられても、勿論よい。
本発明において、「軟磁性金属粉末」とは、比透磁率が15以上の金属粉末をいう。軟磁性金属粉末は、金属単体の粉末であってもよく、合金の粉末であってもよい。軟磁性金属粉末としては、例えば、圧粉磁心用の鉄粉や、Fe−Si合金、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、パーマロイ、およびセンダスト等の合金の粉末が挙げられる。
また、絶縁被覆金属粉末を調製するために用いられる絶縁性の材料は、特に制限されず、圧粉鉄心の作製に通常用いられている材料が同様に用いられうる。具体的には、セラミックス、エポキシ樹脂やビニル樹脂などの高分子樹脂、無機化合物などが用いられうる。ただし、これらに限定されず、軟磁性金属粉末間を絶縁可能な材料であれば、他の材料が用いられてもよい。
一方、ソフトフェライトには多くの種類が存在するが、体積抵抗率および飽和磁化が大きいという観点から、MnZnフェライト、NiZnフェライト、CuZnフェライト、六方晶型フェライト、またはMnMgフェライト等が好ましく用いられうる。
本発明の高透磁率層は、これらの材料によって構成されることで、耐食性が向上しうる。このため、本発明によれば、耐食性を向上させる目的で通常採用される、Niメッキ等の金属メッキが不要となるという利点がある。
本発明において、永久磁石素片の表面に高透磁率層を配置する方法は、特に制限されない。例えば、永久磁石粉末を仮成形して一次圧粉体(永久磁石素片)とし、その周囲に高透磁率層を構成する材料を配置してさらに圧粉成形し、二次圧粉体として、本発明の永久磁石を得てもよい。また、永久磁石素片の表面に、エポキシ樹脂等の接着剤を用いて高透磁率層の薄板を貼付することによって、本発明の永久磁石を得てもよい。これらの形態のみには制限されず、その他の方法が用いられてもよい。
以下、本発明の永久磁石について詳細に説明する。
本発明の永久磁石は、永久磁石素片を備える。永久磁石素片とは、永久磁石を構成する磁石の素片であり、本発明においては、この永久磁石素片の、前記永久磁石素片に印加される磁場に平行な面に、高透磁率層が配置される。
永久磁石および永久磁石素片の形状については、特に限定されない。永久磁石が適用される部位に応じて、永久磁石の形状は決定されればよい。例えば、自動車のモーターに適用される場合には、モーターの大きさや形状に合わせて、永久磁石の大きさや形状が決定されればよい。
永久磁石の種類については、特に限定されず、各種金属磁石に適用可能であるが、好ましくは、本発明の永久磁石素片は希土類磁石である。高透磁率層を設けることによって、多少は磁石の磁力が低下してしまうので、希土類磁石のような磁力が強靭な磁石を用いることで、磁石特性の低下を最小限に抑制することが可能である。ただし、磁力がそれほど求められない用途に用いる場合など、特別の理由が存在するのであれば、希土類磁石以外の磁石を用いてもよく、このような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれうる。
希土類磁石としては、Nd−Fe−B系磁石、Sm−Co系磁石が挙げられる。希土類磁石を構成する主要元素は、必要に応じて、他の元素によって置換されてもよい。例えば、Ndの一部は、Pr、Dy、Tbなどによって置換されてもよいし、Feの一部はCoによって置換されてもよい。
永久磁石素片の比透磁率は、上記で高透磁率層の比透磁率について説明したのと同様に、永久磁石素片における磁束の通りやすさを示す指標である。特に制限されないが、永久磁石素片の比透磁率は、通常、0.1〜10程度であり、Nd−Fe−B系磁石の比透磁率は、通常、1.05〜1.1程度である。
永久磁石素片の体積抵抗率(Ωm)は、永久磁石素片における電流の流れにくさを示す指標であり、単位断面積を持つ材料の電気抵抗値として定義される。体積抵抗率が高いほど絶縁性が高い。特に限定されないが、永久磁石素片の体積抵抗率は、通常は、0.5×10−4〜2.5×10−4μΩm程度である。
本発明の永久磁石の用途は、特に限定されないが、モーターに適用されうる。本発明の永久磁石は、渦電流の発生が抑制され、その上、高い磁石性能を有する。このため、本発明の永久磁石を用いて製造されたモーターを利用すれば、モーターの連続出力を高めることが容易に可能であり、中から大出力のモーターとして好適といえる。また、本発明の永久磁石を用いたモーターは、磁石特性が優れるため、製品の小型軽量化が図れる。例えば、自動車用部品に適用した場合には、車体の軽量化に伴う燃費の向上が可能である。さらに、特に電気自動車やハイブリッド電気自動車の駆動用モーターとしても有効である。これまではスペースの確保が困難であった場所にも駆動用モーターを搭載することが可能となり、電気自動車やハイブリッド自動車の汎用化に寄与すると考えられる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、以下に記載する形態のみには制限されない。
<実験例1>
Nd−Fe−B系焼結磁石粉末(比透磁率:1.05、体積抵抗率:2×10−6Ωm)を、磁場配向させながら仮成形し、直方体の形状を有する一次圧粉体(永久磁石素片)を作製した。
一方、軟磁性金属粉末であるFe−Co合金粉末(パーメンジュール)を、絶縁性の材料である無機ガラスを用いて被覆し、高透磁率層を構成する材料として用いられる絶縁被覆鉄粉末(バルク成形後、比透磁率:7000、体積抵抗率:3×10−4Ωm)を調製した。
次いで、上記で作製した一次圧粉体の全ての面に、上記で調製した絶縁被覆鉄粉末を配置し、圧粉成形することによって、二次圧粉体を作製した。
さらに、前記二次圧粉体を、550℃の温度で10分間加熱することによって緻密化させ、図1に示す形状を有する永久磁石を完成させた。
ここで、一次圧粉体の作製に用いる焼結磁石粉末の質量、および二次圧粉体の作製に用いる絶縁被覆鉄粉末の質量を調節することによって、永久磁石素片および高透磁率層のサイズを制御した。完成した永久磁石における永久磁石素片の長さ(L)、幅(W)および厚さ(t)の値、並びに、前記長さ方向(dL)、前記幅方向(dW)および前記厚さ方向(dt)の高透磁率層の厚さの値を、表1に示す。なお、高透磁率層のサイズは、長さ(dL)、幅(dW)および厚さ(dt)のそれぞれについて、電子顕微鏡を用いて10点ずつ測定し、その平均値として測定された。
作製した永久磁石を、磁場強度0.1T、周波数1000Hzの周期的磁場中で10分間放置し、その際の温度変化および発熱量を観察した。発熱量は、被覆層が設けられていない、同様の永久磁石における発熱量を1とし、この発熱量に対する相対発熱量として評価した。なお、磁場は、永久磁石素片の長さ(L)×幅(W)の面に垂直な方向に印加した。この評価結果を表1に示す。また、表1には、高透磁率層の比透磁率(μ)の、永久磁石素片の比透磁率(μ)に対する比の値(μ/μ)、および、高透磁率層の体積抵抗率(ρ)の、永久磁石素片の体積抵抗率(ρ)に対する比の値(ρ/ρ)も併せて示す。
<実験例2〜15>
永久磁石素片および高透磁率層のサイズ、高透磁率層を構成する材料の種類(絶縁被覆鉄粉末、ソフトフェライト(MnZnフェライトもしくはNiZnフェライト)、または金属Ni)、永久磁石素片表面への高透磁率層の形成方法(圧粉成形、接着剤(エポキシ樹脂)による貼付、またはメッキ)を、表1に示すように変化させて、実験例1と同様の手順により種々の永久磁石を作製した。
なお、絶縁被覆鉄粉末以外の絶縁性の材料の比透磁率および体積抵抗率の値は、以下の通りである。
MnZnフェライト(比透磁率:5000、体積抵抗率:0.2Ωm)、NiZnフェライト(比透磁率:70、体積抵抗率:500Ωm)、金属Ni(比透磁率180:、体積抵抗率:7×10−8Ωm)。
また、接着剤による貼付およびメッキにより高透磁率層を形成する際には、永久磁石素片として、市販のNd−Fe−B系焼結永久磁石素片を用いた。この永久磁石素片の比透磁率および体積抵抗率は、実験例1で作製した永久磁石素片と等しかった。
さらに、接着剤による貼付により高透磁率層を形成する際には、絶縁被覆鉄粉末からなる圧粉鉄心、またはソフトフェライトを所望のサイズにスライスして薄板とし、この薄板をエポキシ樹脂を用いて永久磁石素片の表面に接着させることにより、高透磁率層を形成させた。
これらの永久磁石についても、実験例1と同様の手順により、磁場中での温度変化および発熱量を観察した。発熱量は、実験例1で基準として用いたのと同一の永久磁石における発熱量を1として、この発熱量に対する相対発熱量として評価した。この評価結果を表1に示す。
Figure 2005259811
表1からわかるように、実験例1〜14の永久磁石においては、所定の値の比透磁率および体積低効率を有する高透磁率層を備えることにより、高透磁率層を備えない永久磁石と比較して、相対発熱量が同等かまたは減少していた。これにより、高透磁率層を備えることで、渦電流の発生が抑制されうることが示される。
特に、実験例1〜10の結果と実験例11〜14の結果との比較により、高透磁率層の厚さが5μm以上であると、相対発熱量が20〜50%低減され、渦電流の発生が効果的に抑制されていることがわかる。
一方、メッキ法を用いて金属Niを永久磁石素片の表面に被覆した実験例15においては、相対発熱量が1.2と、被覆しない場合と比較して20%増加していた。これは、金属Niが高い電気伝導率を有しており、発生した渦電流が流れやすいためであると考えられる。
本発明の永久磁石の好ましい一形態を示す図である。図1(a)は、本発明の永久磁石の平面投影図であり、図1(b)は、図1(a)に示すA−A線に沿った断面図である。
符号の説明
1 永久磁石、
10 永久磁石素片、
20 高透磁率層、
L 永久磁石素片の長さ、
W 永久磁石素片の幅、
t 永久磁石素片の厚さ、
dL 永久磁石素片の長さ方向の高透磁率層の厚さ、
dW 永久磁石素片の幅方向の高透磁率層の厚さ、
dt 永久磁石素片の厚さ方向の高透磁率層の厚さ。

Claims (6)

  1. 永久磁石素片と、
    前記永久磁石素片の、前記永久磁石素片に印加される磁場に平行な面に配置されてなる、前記永久磁石素片の10〜10倍の比透磁率および10〜1015倍の体積抵抗率を有する高透磁率層と、
    を備える、永久磁石。
  2. 前記高透磁率層の厚さが5μm以上であり、
    前記永久磁石素片の前記高透磁率層の厚さ方向の幅に対する、前記高透磁率層の厚さの比が0.3以下である、請求項1に記載の永久磁石。
  3. 前記高透磁率層は、前記永久磁石素片の全表面に配置される、請求項1または2に記載の永久磁石。
  4. 前記高透磁率層を構成する材料は、ソフトフェライト、または絶縁性の材料で被覆されてなる軟磁性金属粉末である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の永久磁石。
  5. 前記永久磁石素片は、希土類磁石である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の永久磁石。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の永久磁石を用いてなるモーター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20130082545A1 (en) * 2010-06-08 2013-04-04 Kengo Goto Linear Motor

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