JP2005259737A - 有機半導体デバイス及びその製造方法 - Google Patents

有機半導体デバイス及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005259737A
JP2005259737A JP2004065095A JP2004065095A JP2005259737A JP 2005259737 A JP2005259737 A JP 2005259737A JP 2004065095 A JP2004065095 A JP 2004065095A JP 2004065095 A JP2004065095 A JP 2004065095A JP 2005259737 A JP2005259737 A JP 2005259737A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic semiconductor
electrode
organic
drain electrode
semiconductor element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004065095A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuko Yamagishi
祐子 山岸
Takayuki Tsunoda
隆行 角田
Masahiko Hirai
匡彦 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2004065095A priority Critical patent/JP2005259737A/ja
Publication of JP2005259737A publication Critical patent/JP2005259737A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】 有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタにおいて、且つソース電極及びドレイン電極の材料に導電性ペーストを用いたことを特徴とする有機半導体素子において、デバイス特性の良好な有機半導体素子の提供。
【解決手段】 有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタにおいて、有機薄膜トランジスタが基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極によって構成されており、ソース電極及びドレイン電極に用いる電極材料は樹脂及び導電性粉末を含有する導電性ペーストであることを特徴とし、且つ該電極材料の仕事関数が4eV以上であることを特徴とする有機半導体素子。
【選択図】 なし

Description

本発明は特性の良い有機半導体及びその製造方法に関する。
近年、有機化合物を材料としたデバイスの開発が広く行なわれており、有機発光ダイオード、有機薄膜トランジスタ、有機太陽電池等、実用に向けたデバイスの開発が盛んに行なわれている。中でも、有機薄膜トランジスタは有機半導体膜の形成に高温プロセスを必要としない為、樹脂基板上に素子形成が可能なローコストプロセス技術として注目されている。
しかしながら、有機薄膜トランジスタの特性はまだ必ずしも十分なのもとは言えない。薄膜トランジスタの特性を向上させる手段として、紫外光を照射する方法が公開されている(特許文献1〜3参照)。いずれの技術も無機半導体素子に関するものであり、又、界面の清浄化方法や、半導体材料及びゲート絶縁膜の形成方法であって電極に関する記載はない。
又、電極表面に紫外光を照射する試みが有機発光ダイオードでなされている(特許文献4参照)。しかしながら、該電極は真空蒸着法により形成されており、本発明の特徴であるソース電極及びドレイン電極の形成方法である印刷工程に関する記載はない。
さらに、いずれの発明においてもソース電極及びドレイン電極の材料に用いた導電性ペーストの形状に関する報告はない。
特開2000−58841 特開平8−321624 特開平11−97713 特開2002−151265
本発明の目的は、有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタにおいて、且つソース電極及びドレイン電極の材料に導電性ペーストを用いたことを特徴とする有機半導体素子において、デバイス特性の良好な有機半導体素子を提供することである。
上記目的は、本発明による有機半導体素子を提供することで達成された。即ち、有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタにおいて、有機薄膜トランジスタが基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極によって構成されており、ソース電極及びドレイン電極に用いる電極材料は樹脂及び導電性粉末を含有する導電性ペーストであることを特徴とし、且つ該電極材料の仕事関数が4eV以上であることを特徴とする有機半導体素子により、上記目的を叶えられることを見出した。
良好なデバイス特性を得る為には、電極と有機半導体材料との界面で授受される電荷の注入効率が良いことが好ましい。電荷注入効率とはソース電極から放出された電荷に対して有機半導体材料に注入された電荷の割合、あるいは、有機半導体材料から放出された電荷に対してドレイン電極に注入された電荷の割合のことである。
電荷注入効率を決める要因の一つとしてソース電極及びドレイン電極と有機半導体材料とのエネルギー障壁がある。有機半導体材料とソース電極及びドレイン電極とのエネルギー障壁の差は小さいことが好ましい。特に、P型有機半導体において、有機半導体材料のHOMO準位がソース電極又はドレイン電極の仕事関数より深いことが好ましく、又、N型有機半導体素子において、有機半導体材料のLUMO準位がソース電極又はドレイン電極の仕事関数より浅いことが好ましい。
又、電荷注入効率を向上する方法として、電極の表面積を大きくすることにより電極と有機半導体材料との接触面積の増大が望め、電荷注入量を増大できることが期待される。
本発明において、上述した有機半導体材料とソース電極及びドレイン電極とのエネルギー障壁の差を小さくし、且つ電極と有機半導体材料との接触面積を大きくする方法として、有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の製造方法において、導電性ペーストを用いた印刷工程によってソース電極及びドレイン電極から選ばれる少なくとも一方の電極を形成した後、紫外線照射処理を施す工程を有することを特徴としている。
本発明にかかる有機半導体素子を用いることにより、ローコスト且つ良好なデバイス特性を示す薄膜トランジスタを得ることができる。
以下に好ましい実施の形態を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。まず、本発明にかかる有機薄膜トランジスタの構造例を図1に示す。101は基板、102は導体膜からなるゲート電極、103はゲート絶縁膜、104はソース電極、105はドレイン電極、106は有機半導体膜である。
本発明にかかる有機半導体素子に用いる基板としては、シリコンウエハやガラスなどの無機材料や、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの高分子材料などが挙げられる。本発明にかかる有機半導体素子の基板において特に好ましいものは、基板に要求される項目として、平坦性、強度、耐熱性、熱膨張係数、コストなどの観点からポリイミドが特に好ましい。
本発明にかかる有機半導体素子に用いるゲート電極、ソース電極、ドレイン電極としては、金、銀、白金などの貴金属や銅、アルミニウムなど導電率が高い材料を含む導電性ペーストや導電性ポリマーが挙げられる。
導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリパラフェニレン及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリビニレンスルフィド及びその誘導体、ポリナフタレン及びその誘導体、ポリアントラセン及びその誘導体、ポリピレン及びその誘導体、ポリアズレン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリフラン及びその誘導体、ポリセレノフェン及びその誘導体、ポリテルロフェン及びその誘導体、ポリアセン及びその誘導体などが挙げられる。
前記導電性ペースト材料及び前記導電性ポリマーは、一定条件下に基材に接着するペーストであれば特に限定されないが、溶剤及びバインダー樹脂の少なくとも一方が含有されることが好ましい。
前記導電性ペースト及び前記導電性ポリマーに含有する溶剤としては、導電性ポリマーあるいはバインダー樹脂が溶解する溶剤であれば特に限定はないが、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類、N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、γ−ブチロラクン等のラクトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールフェニルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエチレングリコール類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのジエチレングリコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、琥珀酸ジメチル等のエステル類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、ブチルカルビトール等のカルビトール類等を挙げることができる。又、これらは、1種類単独で又は2種類以上を併用して用いることができる。
前記導電性ペーストに含有するバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂及びエポキシ基含有樹脂等の熱硬化タイプと、アクリル系樹脂、メタアクリル系樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂、ポリエステルなどの焼成タイプが挙げられる。エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ基含有樹脂としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n−プロピル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n−ブチル(メタ)アクリル酸グリシジル、3、4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3、4−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α−エチル−6、7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリレート類、あるいはアリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等のエポキシ基含有ビニル化合物が挙げられる。尚、前記導電性ペーストに含有するバインダー樹脂溶剤は、1種類に限定されるものではなく、2種類以上を適宜に混合して使用しても良い。
本発明にかかる有機半導体素子に用いる電極は印刷技術を用いて形成される為、使用する導電性材料は印刷に適した物性範囲に調合されている。
さらには樹脂基板のガラス転移温度(Tg)よりも低い焼成温度で硬化する低温焼成型のペーストが良い。
上記記載の導電性材料の種類は基材との密着性や選択された印刷方法依存して決定されるが、本発明にかかる有機半導体素子に用いる電極としては、銀を主成分としたポリエステル系ペーストが特に好ましい。
前記導電性ペースト及び導電性ポリマーは上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つペーストとする為、導電性材料としての効果を阻害しない範囲内において必要に応じて、硬化剤、ガラス粉末、カップリング剤、高分子添加剤、反応性希釈剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、無機充填剤、防カビ剤、調湿剤、染料溶解剤、緩衝溶液、キレート剤、難燃化剤等を含有させても良い。尚、これらは、1種類に限定されるものではなく、2種類以上を適宜に混合して使用しても良い。
本発明にかかる有機半導体素子に用いる電極の形成工程としては、導電性材料を用いて印刷により電極領域を形成し、続いてクリーンオーブンで熱処理を行った後、該電極面に紫外線照射処理を施すことにより形成できる。
該電極面を処理する為の紫外線照射用ランプとしては、波長270nm未満の波長を発し、照射強度が5mW/cmのものであればいかなるものでも良い。例えば、高出力低圧水銀ランプ、エキシマUVランプ、エキシマーレーザー、重水素ランプなどが挙げられるが、高出力低圧水銀ランプが好ましい。
上記の方法によって形成されたソース電極及びドレイン電極から選ばれるどちらか一方の電極は表面積の観点から表面粗さは3nm〜10nmの範囲にあり、且つ点粗さは10nm〜30nmであることが好ましい。
該電極の形成に用いることができる印刷技術としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、マイクロコンタクト印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷などの方式が挙げられる。又、近年技術開発が進んでいるソフトリソグラフィ技術やナノプリント技術も用いることも可能である。
本発明にかかる有機半導体素子に用いるゲート絶縁膜としては、SiO、Al、Taなどの無機酸化物やSiなどの窒化物を用いることが出来る。ゲート絶縁膜は、オン抵抗を下げ、ドレイン電流を増大するために、高誘電率材料であることが望ましい。又、ポリビニルフェノール、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンなどの絶縁性有機ポリマーを用いることも可能である。
本発明にかかる有機半導体素子に用いる有機半導体材料としては、低分子系有機半導体化合物と高分子系有機半導体化合物とがある。具体的には、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、チオフェン、フタロシアニン、ポルフィリンなどのπ電子共役結合を含む多共役有機化合物やポリチオフェン、ポリアセン、ポリアセチレン、ポリアニリンなどのπ共役系高分子化合物などが挙げられる。該有機半導体材料とソース電極及び、ドレイン電極の少なくとも一方とのエネルギー障壁の差が、0.1eV〜0.5eVの範囲である有機半導体材料が望ましい。
上記有機半導体材料は、P型有機半導体素子において、有機半導体材料のHOMO準位がソース電極又はドレイン電極の仕事関数より深いことが好ましく、又、N型有機半導体素子において、有機半導体材料のLUMO準位がソース電極又はドレイン電極の仕事関数より浅いことが好ましい。
本発明にかかる有機薄膜トランジスタの動作手順を説明する。ソース電極を接地し、ドレイン電極にドレイン電圧Vddを印加した状態で、ゲート電極に閾値電圧Vthを超える電圧を印加する。この時、ゲート電極からの電界によって有機半導体膜の導電率が変化し、ソース電極とドレイン電極間に電流が流れる。ゲート電圧によってスイッチのようにソース電極とドレイン電極間の電流をオンオフすることが出来る。
本発明にかかる有機薄膜トランジスタは、ローコスト・良特性トランジスタとして優れており、薄型ディスプレイや電子ペーパーの駆動回路、無線認証(RF−ID)のタグ、ICカードなどに適用可能である。
(実施例)
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される物ではない。なお、本実施例では一つのTFTに注目して説明を行うが、同一基板上に複数個を同時形成することもできることは言うまでもない。
<デバイスの作製>
本発明にかかる有機薄膜トランジスタの作製方法を説明する。
基板にはガラスエポキシ、ゲート電極には銅、ゲート絶縁膜にはAl、ソ−ス電極及びドレイン電極には銀ペーストECM−100 AF4810(商品名:太陽インキ製造株式会社製)を用いた。有機半導体には、該有機半導体材料のHOMO準位がソース電極及びドレイン電極の仕事関数より0.3eV高いペンタセンを材料として用いた。該ペンタセンは昇華精製したものを使用した。
図2〜図6は、本発明にかかる有機薄膜トランジスタの作成方法を示す模式図である。
図2において、201は基板、202は導体膜である。201と202は、ガラスエポキシ基板と銅箔の組み合わせで一体となったプリント回路基板、基板厚さ0.2mm、導体膜である銅箔の膜厚35μmのものを使用した。
次に、導体膜に対しウェットエッチングによりパターニングを施し、所望のゲート形状に加工した。図3は配線形状に加工した後の状態を示す。202がゲート電極となる導体膜である。ウェットエッチ後に、この導体膜部分を化学機械研磨CMPで研磨を行い、表面粗さが2nm〜10nmの範囲になるように調整を行った。該表面粗さは走査型プローブ顕微鏡(AFM)SPA−3800(商品名:セイコーインスツルメンツ株式会社製)にて測定した。
図4は、ゲート電極となる導体膜202上にゲート絶縁膜203を形成した状態を示す。ゲート絶縁膜203の形成にはマグネトロンスパッタを用いた。成膜領域はシャドーマスクで規定した。該ゲート絶縁膜の膜厚は250nmである。
図5は、ゲート絶縁膜203上にソース電極204とドレイン電極205を設けた状態を示す。ソース電極204及びドレイン電極205の形成にはスクリーン印刷を用いた。該ソース電極及びドレイン電極の膜厚は4000nmである。ゲート長、ゲート幅はそれぞれ400μm、4mmである。スクリーン印刷後にクリーンオーブンで150℃、1時間の熱処理を行い、銀ペーストを焼成した。これに続き、表面処理装置PL16−110(商品名:セン特殊光源株式会社製)にて20分の光照射処理を行った。紫外線照射後のソース電極204及びドレイン電極205の表面を前述の走査型プローブ顕微鏡(AFM)にて測定した。その結果、表面粗さRaは4.6nm、点粗さRnは17nmであった。紫外線照射後のソース電極204及びドレイン電極205の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)S−4800(商品名:株式会社日立ハイテクノロジー製)にて観察した写真を図7に示す。
図6は、有機半導体膜206を形成した状態を示す。有機半導体膜206の形成には真空蒸着を用いた。成膜領域はシャドーマスクで規定した。ペンタセンの膜厚は150nmである。
以上の工程を行ってトランジスタ素子Aを作製した。
実施例1の有機半導体材料に使用したペンタセンをテトラセンに変更した以外は、実施例1と同様の工程によりトランジスタ素子Bを作製した。テトラセンのHOMO準位はソース電極及びドレイン電極の仕事関数より0.2eV高い。紫外線照射後のソース電極204及びドレイン電極205の表面粗さRaは4.6nm、点粗さRnは17nmであった。
[比較例1]
実施例1で行ったソース電極及びドレイン電極に光照射処理を施さなかった工程以外は、実施例1と同様の工程によりトランジスタ素子Cを作製した。紫外線照射後のソース電極204及びドレイン電極205の表面粗さRaは2.0nm、n点平均粗さRnは4.2nmであった。紫外線照射後のソース電極204及びドレイン電極205の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図8に示す。
[比較例2]
実施例2で行ったソース電極及びドレイン電極に光照射処理を施さなかった工程以外は、実施例2と同様の工程によりトランジスタ素子Dを作製した。紫外線照射後のソース電極204及びドレイン電極205の表面粗さRaは2.0nm、n点平均粗さRnは4.2nmであった。
<電圧−電流特性の測定>
上記で得たトランジスタ素子の電圧−電流特性を半導体パラメータアナライザ、HP4155B(商品名:HP社製)で測定した。
<移動度>
移動度は、下記の式(1)に従って算出した。
Figure 2005259737
ここで、Ciはゲート絶縁膜の1×1cmの静電容量である。W、Lはそれぞれ実施例で示したゲート長及びゲート幅である。得られた結果を表1中に示した。
Figure 2005259737
<仕事関数の測定>
[光照射処理した電極]
ソース電極及びドレイン電極の仕事関数の値を得ることを目的として、実施例1と同様の工程により基板からソース電極及びドレイン電極を形成し、ソース電極及びドレイン電極の仕事関数を光電子分光装置AC−1(商品名:理研計器)にて測定した。続いて、実施例1と同様の工程によりペンタセンを用いた有機半導体膜を形成し、該有機半導体膜の仕事関数を測定した。
又、実施例2と同様の工程により基板からソース電極及びドレイン電極を形成し、ソース電極及びドレイン電極の仕事関数を上述の光電子分光装置にて測定した。続いて、実施例2と同様の工程によりテトラセンを用いた有機半導体膜を形成し、該有機半導体膜の仕事関数を測定した。
[光照射処理を有さない電極]
比較例1と同様の工程により基板からソース電極及びドレイン電極を形成し、ソース電極及びドレイン電極の仕事関数を上述の光電子分光装置にて測定した。続いて、比較例1と同様の工程によりペンタセンを用いた有機半導体膜を形成し、該有機半導体膜の仕事関数を上述の光電子分光装置にて測定した。
比較例2と同様の工程により基板からソース電極及びドレイン電極を形成し、ソース電極及びドレイン電極の仕事関数を上述の光電子分光装置にて測定した。続いて、比較例1と同様の工程によりテトラセンを用いた有機半導体膜を形成し、該有機半導体膜の仕事関数を上述の光電子分光装置にて測定した。
得られた結果と該結果から求めたエネルギー障壁の値を表2中に示した。
Figure 2005259737
表1に示した実験結果より、表2に示したようにエネルギー障壁の値が小さく、又、ソース電極及びドレイン電極の表面粗さ及び、点粗さの少なくともどちらか一方の値から類推される電極−有機半導体界面の接触面積の増大により良好なトランジスタ特性が得られることが分かった。
本発明の有機薄膜トランジスタの構造を示す模式図 本発明の有機薄膜トランジスタを作成するプロセスを示す模式図 本発明の有機薄膜トランジスタを作成するプロセスを示す模式図 本発明の有機薄膜トランジスタを作成するプロセスを示す模式図 本発明の有機薄膜トランジスタを作成するプロセスを示す模式図 本発明の有機薄膜トランジスタを作成するプロセスを示す模式図 実施例1のソース電極及びドレイン電極表面の操作型電子顕微鏡(SEM)写真 比較例1のソース電極及びドレイン電極表面の操作型電子顕微鏡(SEM)写真
符号の説明
101 基板
102 導体膜からなるゲート電極
103 ゲート絶縁膜
104 ソース電極
105 ドレイン電極
106 有機半導体膜
201 基板
202 導体膜からなるゲート電極
203 ゲート絶縁膜
204 ソース電極
205 ドレイン電極
206 有機半導体膜

Claims (7)

  1. 有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタにおいて、有機薄膜トランジスタが基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体膜、ソース電極、ドレイン電極によって構成されており、ソース電極及びドレイン電極に用いる電極材料は樹脂及び導電性物質を含有する導電性ペーストであることを特徴とし、且つ該電極材料の仕事関数が4eV以上であることを特徴とする有機半導体素子。
  2. 有機半導体素子において、有機半導体材料がソース電極及びドレイン電極から選ばれる少なくとも一方の電極とのエネルギー障壁の差が、0.5eV以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体素子。
  3. P型有機半導体素子において、ソース電極又はドレイン電極の仕事関数が有機半導体材料のHOMO準位より深いことを特徴とし、N型有機半導体素子において、ソース電極又はドレイン電極の仕事関数が有機半導体材料のLUMO準位より浅いことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の有機半導体素子。
  4. 前記有機半導体素子は、ゲート電極及び、ソース電極、ドレイン電極の少なくとも一つがスクリーン印刷、オフセット印刷、マイクロコンタクト印刷、インクジェット印刷などの印刷工程で作成されたトランジスタであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機半導体素子。
  5. 有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の製造方法において、請求項1に記載の導電性ペーストを用いて請求項4に記載の印刷工程によってソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方を形成した後、紫外線照射処理を施す工程を有することを特徴とする有機半導体素子の製造方法。
  6. 前記有機半導体素子のソース電極及びドレイン電極から選ばれる少なくとも一方の電極の表面粗さが3nm〜10nmの範囲にあり、且つ点粗さが10nm〜30nmの範囲にある導電性材料であること特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機半導体素子。
  7. 前記ソース電極及び前記ドレイン電極が金及び、銀、白金、銅、アルミニウム、カルシウムで表される金属物質、導電性ポリマーのいずれかひとつを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の有機半導体素子。
JP2004065095A 2004-03-09 2004-03-09 有機半導体デバイス及びその製造方法 Withdrawn JP2005259737A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004065095A JP2005259737A (ja) 2004-03-09 2004-03-09 有機半導体デバイス及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004065095A JP2005259737A (ja) 2004-03-09 2004-03-09 有機半導体デバイス及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005259737A true JP2005259737A (ja) 2005-09-22

Family

ID=35085213

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004065095A Withdrawn JP2005259737A (ja) 2004-03-09 2004-03-09 有機半導体デバイス及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005259737A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007115944A (ja) * 2005-10-21 2007-05-10 Victor Co Of Japan Ltd 有機薄膜トランジスタ
JP2007150031A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Toppan Printing Co Ltd 薄膜トランジスタ及びその製造方法
KR100871113B1 (ko) 2007-04-03 2008-11-28 경희대학교 산학협력단 실리콘 슬러리를 이용한 박막 트랜지스터 및 그 제조방법
US7760038B2 (en) 2005-12-07 2010-07-20 Electronics And Telecommunications Research Institute Voltage controlled oscillator capable of tuning negative resistance
JP2013175760A (ja) * 2006-01-09 2013-09-05 Technion Research And Development Foundation Ltd トランジスタの構造及びその製造方法
WO2016067590A1 (ja) * 2014-10-29 2016-05-06 凸版印刷株式会社 薄膜トランジスタおよびその製造方法
WO2016158862A1 (ja) * 2015-04-01 2016-10-06 東レ株式会社 整流素子、その製造方法および無線通信装置
JP2019054119A (ja) * 2017-09-15 2019-04-04 東洋インキScホールディングス株式会社 有機トランジスタの製造方法および電極形成用導電インキ

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007115944A (ja) * 2005-10-21 2007-05-10 Victor Co Of Japan Ltd 有機薄膜トランジスタ
JP2007150031A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Toppan Printing Co Ltd 薄膜トランジスタ及びその製造方法
US7760038B2 (en) 2005-12-07 2010-07-20 Electronics And Telecommunications Research Institute Voltage controlled oscillator capable of tuning negative resistance
JP2013175760A (ja) * 2006-01-09 2013-09-05 Technion Research And Development Foundation Ltd トランジスタの構造及びその製造方法
KR100871113B1 (ko) 2007-04-03 2008-11-28 경희대학교 산학협력단 실리콘 슬러리를 이용한 박막 트랜지스터 및 그 제조방법
EP3214655A4 (en) * 2014-10-29 2018-07-11 Toppan Printing Co., Ltd. Thin-film transistor and method for producing same
WO2016067590A1 (ja) * 2014-10-29 2016-05-06 凸版印刷株式会社 薄膜トランジスタおよびその製造方法
JPWO2016067590A1 (ja) * 2014-10-29 2017-08-10 凸版印刷株式会社 薄膜トランジスタおよびその製造方法
CN107078164A (zh) * 2014-10-29 2017-08-18 凸版印刷株式会社 薄膜晶体管及其制造方法
TWI712175B (zh) * 2014-10-29 2020-12-01 日商凸版印刷股份有限公司 薄膜電晶體及其製造方法
WO2016158862A1 (ja) * 2015-04-01 2016-10-06 東レ株式会社 整流素子、その製造方法および無線通信装置
US10490748B2 (en) 2015-04-01 2019-11-26 Toray Industries, Inc. Rectifying element, method for producing same, and wireless communication device
TWI692130B (zh) * 2015-04-01 2020-04-21 日商東麗股份有限公司 整流元件、其製造方法、整流電路、商品標籤及無線通信裝置
JPWO2016158862A1 (ja) * 2015-04-01 2018-02-22 東レ株式会社 整流素子、その製造方法および無線通信装置
JP2019054119A (ja) * 2017-09-15 2019-04-04 東洋インキScホールディングス株式会社 有機トランジスタの製造方法および電極形成用導電インキ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106663736B (zh) 可光图案化组合物、经图案化的高介电薄膜电介质及相关装置
US6740900B2 (en) Organic thin-film transistor and manufacturing method for the same
JP5657379B2 (ja) 電子装置の製造方法
CN100407472C (zh) 电子器件
US7582896B2 (en) Integrated circuit comprising an organic semiconductor, and method for the production of an integrated circuit
US20130161602A1 (en) Process for modifying electrodes in an organic electronic device
US7226804B2 (en) Method for forming pattern of organic insulating film
TW201114084A (en) Solution processable passivation layers for organic electronic devices
US7241652B2 (en) Method for fabricating organic thin film transistor
JP4572501B2 (ja) 有機薄膜トランジスタの製造方法
JP2006210920A (ja) 薄膜トランジスタ及びそれを備えた平板表示装置
KR20130112882A (ko) 유기 전자 디바이스의 제조 방법
US11127698B2 (en) Method for producing conductive film, method for producing field effect transistor using same, and method for producing wireless communication device
JP2014013912A (ja) 有機電界効果トランジスタの製造方法
Kang et al. Fully Drawn All‐Organic Flexible Transistors Prepared by Capillary Pen Printing on Flexible Planar and Curvilinear Substrates
JP2005259737A (ja) 有機半導体デバイス及びその製造方法
CN107534086B (zh) Ofet用的可光图案化的栅极电介质
US20040043531A1 (en) Process for forming organic semiconducting layer having molecular alignment
JP2004055649A (ja) 有機薄膜トランジスタ及びその製造方法
KR20210113309A (ko) 제제와 층
JP4652704B2 (ja) 有機半導体素子
KR101720626B1 (ko) 폴리이미드 및 폴리비닐알콜을 포함하는 이중층 유기 절연체 및 이를 이용한 박막 트랜지스터
Park et al. Flexible ambipolar organic field-effect transistors with reverse-offset-printed silver electrodes for a complementary inverter
KR20130067275A (ko) 비-가교 광 또는 열-가교성 중합체 층을 이용하여 금속 층의 레이저 삭마에 의한 캡형 돌기 작용의 감소
US8288761B2 (en) Composition for photosensitive organic dielectric material and application thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070605