JP2005259023A - 車両制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 ABSECUのCPU15において、センサからの検出データに基づく要求トルクが要求トルク算出プログラム112の実行によって算出され、さらにエンジンECUのCPU25においてこの要求トルクからエンジン制御のための制御量が算出されるような車両制御システムにおいて、ABSECUで処理負荷が高くなった場合でも、他のエンジンECUのリソースを利用して、アクチュエータの処理のための情報算出の抜けや遅滞を低減する。
【解決手段】 ABSECUの処理負荷が高く、かつエンジンECUの処理負荷が低いとき、要求トルク算出プログラム112を実行するCPU15に代わって、エンジンECUのCPU25が要求トルク算出プログラム122を実行して要求トルクを簡易算出する。
【選択図】 図2


Description

本発明は、センサからの検出データに基づく情報を複数のECU間で通信し、その通信によって得た情報に基づいて、車両のアクチュエータの制御のための情報を算出する車両制御システムに関する。
従来から、上記のような車両制御システムについての技術が提案されている。以下にその一例を挙げる。
エンジンECUおよびABS(アンチロックブレーキシステム)ECUが車載LANによって接続されているようなシステムにおいて、ABSECUが、車両の操舵量を検出する舵角センサや、前後4車輪の車輪速度を検出する車輪速センサからの検出データを受信する。さらにABSECUは、この受信した検出データから、ブレーキアクチュエータを制御するための油圧等に加え、エンジンに対する目標トルク値を算出し、この目標トルク値を車載LAN等を介してエンジンECUに送信する。そしてエンジンECUは、この目標トルク値に基づいて、イグナイタ、インジェクタ等のエンジンのアクチュエータの制御量を算出する。そしてエンジンECUは、この算出値に基づいて上記アクチュエータを制御する。
上記のような技術においては、アクチュエータの制御量の算出のために必要な情報(上記例においては目標トルク値)を算出するECUにおいて、その算出以外の他の処理によって当該ECUの処理負荷が高くなった場合、要求トルクの算出および送信に支障が生じる場合がある。
例えば上記例においては、車両がスリップを起こしやすい劣悪な路面などで、ABSECUにおけるブレーキアクチュエータの制御頻度が増大した場合には、ブレーキアクチュエータの制御量の算出頻度も増大し、結果としてABSECUの処理負荷が増大する。このような場合、要求トルクの算出、送信の処理ができなくなったり、処理の実行が大きく遅延したりする可能性が高くなる。
一方、あるECUでは処理負荷が高い場合であっても、車内の他のECUでは処理負荷が低い場合があると考えられる。
本発明は上記点に鑑み、センサからの検出データに基づく情報を複数のECU間で通信し、その通信によって得た情報に基づいて、車両のアクチュエータの制御のための情報を算出する車両制御システムにおいて、1つのECUで処理負荷が高くなった場合でも、他のECUのリソースを利用して、アクチュエータの処理のための情報算出の抜けや遅滞を低減することを目的とする。
上記のような目的を達成する本発明の第1の特徴は、第1のECUと、アクチュエータの制御のための後段情報を算出する第2のECUと、を備えた車両制御システムにおいて、第1のECUは、後段情報の算出に必要な、センサからの検出データに基づく前段情報を、第2のECUに送信するために算出する前段情報算出手段と、上記検出データに基づく情報を送信する検出データ送信手段とを有し、更に、車両制御システムは、第1のECUの処理負荷が高いとき、前段情報算出手段に代わって、検出データ送信手段が送信した情報を受信し、この受信した情報に基づいて前段情報を算出する前段情報代替算出手段を備え、この前段情報代替算出手段は、第1のECUと異なるECUが有することである。
このように、第1のECUにおいて検出データに基づく前段情報が前段情報算出手段によって算出され、さらに第2のECUにおいてこの前段情報からアクチュエータ制御のための後段情報が算出されるような車両制御システムにおいて、第1のECUにおいて処理負荷が高いとき、第1のECUと異なるECUの有する前段情報代替算出手段が、前段情報算出手段に代わって前段情報を算出するので、1つのECUで処理負荷が高くなった場合でも、他のECUのリソースを利用して、アクチュエータの処理のための情報算出の抜けや遅滞を低減することができる。
また、前段情報代替算出手段は、第1のECUの処理負荷が高く、かつ前段情報代替算出手段を有するECUの処理負荷が低いときに、前段情報算出手段に代わって前段情報を算出するようになっていてもよい。
また、本発明の第2の特徴は、前段情報算出手段と前段情報代替算出手段の作動を切り替える手段として、第1のECUの処理負荷の情報に基づき、第1のECUの処理負荷が高い場合、前段情報算出手段に代えて前段情報代替算出手段を作動させ、前記第1のECUの処理負荷が高くない場合、前段情報算出手段を作動させる切替制御を行う切替制御手段を備えたことである。
また、この切替制御手段は、第1のECUおよび第2のECUのいずれとも異なるECUが有するようになっていてもよい。このようになっていることで、切替制御手段の作動そのものによる、第1のECUおよび第2のECUの処理負荷への影響が抑えられる。
またこの切替制御手段は、切替制御として、第1のECUに、前段情報算出手段に代えて前段情報代替算出手段を作動させる旨の高負荷情報または前段情報算出手段を作動させる旨の通常情報を送信するようになっており、また第1のECUは、高負荷情報の受信に基づいて、前段情報算出手段を作動させず、検出データ送信手段を作動させ、かつ高負荷情報に基づく情報を前記検出データ送信手段に送信させ、また通常情報の受信に基づいて、前記前段情報算出手段を作動させることを特徴とする第1の切替手段を有し、また前段情報代替算出手段を有するECUは、検出データ送信手段が送信した高負荷情報に基づく情報の受信に基づいて、前段情報代替算出手段を作動させる第2の切替手段を有するよう
になっていてもよい。
また、本発明の第3の特徴は、検出データ送信手段が送信する情報の精度は、前段情報算出手段が前記前段情報を算出するために用いる情報の精度よりも低いことである。なお、精度が低いとは、データの一部が省略されていることをも含む概念である。
また本発明の第4の特徴は、検出データ送信手段は、検出データに基づく情報を、前段情報算出手段が前段情報を送信する頻度より低い頻度で送信することを特徴とすることである。
上記第3および第4の特徴によって、情報の通信路の負荷を低減させることができ、また前段情報代替算出手段の処理負荷を低減させることができる。
また、本発明の第5の特徴は、第2のECUのアクチュエータの制御のための後段情報を算出する機能は、前段情報算出手段が算出して第2のECUが受信した前段情報を所定の手続きにより取得し、また第2のECUは前記前段情報代替算出手段を有し、また前段情報代替算出手段は、算出した前段情報を、後段情報を算出する機能が所定の手続きによって取得できるよう、処理することである。
このようになっているので、設計者は、前段情報算出手段および前段情報代替算出手段のいずれが前段情報を算出するかを意識せずに、第2のECUの後段情報を算出する機能を作成することができる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る車両制御システム100の全体構成を示す。車両制御システム100は、車両内の車載LAN50に接続されたABSECU1、エンジンECU2、統合ECU3、および図示しない車両制御のための他のECUを有している。
本実施形態においては、ABSECU1が車輪速、操舵角等の検出データに基づいて要求トルク値を算出し、この要求トルク値をエンジンECU2に送信する。エンジンECU2は、この要求トルク値等に基づいてエンジンのリアルタイム制御を行う。
ただし、他の処理等によってABSECU1の処理負荷が高く、かつエンジンECU2の処理負荷が高くない場合、ABSECU1は検出データをエンジンECU2に送信し、エンジンECU2はこの検出データに基づいて要求トルク値を算出し、この算出した要求トルク値に基づいてエンジンを制御する。以下、ABSECU1が要求トルクを算出している状態を通常モード、エンジンECU2が要求トルクを算出している状態を高負荷モードと呼ぶ。
また統合ECU3は、車載LAN50を介して各種ECUから車両制御のためのデータを受信し、そのデータにもとづいてブレーキ制御等の車両制御の指令を各種ECUに送信する。また本実施形態の統合ECU3は、ABSECU1およびエンジンECU2から、それらの処理負荷についての情報を受信し、この情報に基づいて通常モードと高負荷モードとを切り替えるための制御を行う。
ABSECU1は、データ送受信部11およびマイコン12を有している。
データ送受信部11は、マイコン12から受けたデータを、所定の送信タイミングで車載LAN50に送出する。またデータ送受信部11は、車載LAN50を流れるABSECU1宛のデータを受信し、受信したデータをマイコン12のRAM17の所定の領域に記憶させる。
マイコン12は、ROM13、フラッシュメモリ14、CPU15、およびRAM17を有している。
CPU15は、ROM13またはフラッシュメモリ14からプログラムを読み出して実行し、そのプログラムに記述された処理内容に基づいて動作し、その動作において、適宜ROM13、フラッシュメモリ14、RAM17から情報を読み出し、またフラッシュメモリ14およびRAM17に情報を書き込む。またCPU15は、その動作中に車載LAN50の他のECUへのデータの送信のため、送信先のECUの識別データと共にこの送信するデータをデータ送受信部11に出力する。
またCPU15は、その動作において、必要に応じて車輪速センサ41、舵角センサ49からそれぞれ4車輪の車輪速、操舵角の信号を受け取り、またブレーキアクチュエータ42に対して制動タイミング、制動量等の制御を行う。
エンジンECU2は、データ送受信部21およびマイコン22を有している。
エンジンECU2内部の構成は、上記したABSECU1の構成の説明において、ABSECU1をエンジンECU2に、データ送受信部11をデータ送受信部21に、マイコン12をマイコン22に、ROM13をROM23に、フラッシュメモリ14をフラッシュメモリ24に、CPU15をCPU25に、RAM17をRAM27に、それぞれ読み替えたものと同等である。
ただし、CPU25は、その動作において、車輪速センサ41、ブレーキアクチュエータ42と信号の直接のやりとりは行わず、必要に応じてクランク角センサ43からエンジンのクランク角信号を受け取り、メインスロットルセンサ44からメインスロットルの開度の信号を受け取り、水温センサ45からエンジン冷却水の水温の信号を受け取り、イグナイタ46に対してエンジン点火のタイミングの制御を行い、インジェクタ47に燃料噴射タイミングの制御を行い、フューエルポンプ48に対して燃料噴射量の制御を行う。
統合ECU3は、データ送受信部31およびマイコン32を有している。
統合ECU3内部の構成は、上記したABSECU1の構成の説明において、ABSECU1を統合ECU3に、データ送受信部11をデータ送受信部31に、マイコン12をマイコン32に、ROM13をROM33に、フラッシュメモリ14をフラッシュメモリ34に、CPU15をCPU35に、RAM17をRAM37に、それぞれ読み替えたものと同等である。
ただし、CPU35は、その動作において、車輪速センサ41、ブレーキアクチュエータ42と信号の直接のやりとりは行わない。
以上のようなハードウェア構成を有する車両制御システム100の作動について以下説明する。
図2に、ABSECU1、エンジンECU2、統合ECU3のそれぞれのCPU15、25、35が実行するプログラムの構成を示す。
各CPU15、25、35が実行するプログラムは、それぞれアプリケーション層(以下AP層と記す)118、128プラットフォーム(以下PF層と記す)層119、129、139に階層分けされる。PF層は、各ECUのハードウェア構成に依存した車両制御のための処理を記述するプログラムが属する階層であり、AP層は、プラットフォーム層に属するプログラムの処理結果を、所定のデータ受け渡し手順を用いることで、各ECUのハードウェア構成に依存しない車両制御のための処理を行うプログラムが属する階層である。
図2に示すように、CPU15はAP層118のプログラムとしてABS制御プログラム111、要求トルク算出プログラム112を実行し、またPF層119のプログラムとして要求トルク算出スタブ113、判定プログラム114、通信プログラム115、負荷状態検出プログラム116を実行する。
また、CPU25は、AP層128のプログラムとしてエンジン制御プログラム121、要求トルク算出プログラム122を実行し、またPF層129のプログラムとして要求トルク受信ハンドラー123、判定プログラム124、通信プログラム125、負荷状態検出プログラム126を実行する。
またCPU35は、PF層139のプログラムとして通信プログラム135、切替判断プログラム136を実行する。
なお、以下では、各CPUがプログラムを実行することによって行う処理を、そのプログラム自体の処理と同一視した説明を行う。
通信プログラム115、125、135はそれぞれ、同じCPUで実行される他のプログラムが車載LAN50を介してデータの送信を行うとき、その送信するデータを当該プログラムから受け取り、同じECU内のデータ送受信部に送信データを出力する。また通信プログラム115、125、135はそれぞれ、同じCPUで実行される他のプログラムが他のECUからの受信データを読み出すとき、同じECU内のデータ送受信部からRAMに記憶された受信データを読み出して、その読み出したデータを当該プログラムに渡す。このような通信プログラム115、125、135を各CPU15、25、35が実行することで、他のプログラムは車載LAN50を介したデータの送受信を行うことができる。
負荷状態検出プログラム116、負荷状態検出プログラム126は、それぞれCPU15、25における処理の負荷を検出する。具体的には、同じCPUで実行される他のプログラムが当該CPUの処理負荷を特定するとき、当該CPUにおいて単位時間内に発生したプログラムの実行失敗、プログラムの実行数等に基づいて当該CPUの使用率を算出し、算出したCPU使用率を当該他のプログラムに渡す。
ABS制御プログラム111は、周期的にその実行が開始され、ブレーキアクチュエータ42、舵角センサ49からの検出データ、および統合ECU3から送信されたブレーキ制御のためのデータ等に基づいて、ブレーキアクチュエータ42の作動を制御する。
要求トルク算出プログラム112は、車輪速センサ41、舵角センサ49からそれぞれ車輪速、操舵角等の検出データを受け、この検出データに基づいてエンジンに対する要求トルク値を算出する。この要求トルク算出プログラム112は、後述するように要求トルク算出スタブ113から呼び出されることでその実行が始まる。
エンジン制御プログラム121は、後述するようにPF層129に属する要求トルク受信ハンドラー123から要求トルク値を渡されて呼び出されることでその実行が始まる。このエンジン制御プログラム121は、渡された要求トルク値、およびクランク角センサ43、メインスロットルセンサ44、水温センサ45からの検出データ等に基づいて、イグナイタ46、インジェクタ47、フューエルポンプポンプ48の制御を行う。
ここで、要求トルク値が渡されるとは、所定の手続きによってエンジン制御プログラム121の処理が要求トルク値を呼び出し元の要求トルク算出スタブ113から取得することをいう。所定の手続きとは、具体的には、PF層129のプログラムとAP層128のプログラムの間でデータの授受を行うときに用いられる所定のデータ受け渡し手順である。この手順としては、例えば要求トルク値を渡すために予めRAM27に割り当てられた所定の領域からデータを読み出すことが考えられる。
この要求トルク算出プログラム122は、後述するように要求トルク受信ハンドラー123から呼び出されることでその実行が始まり、ABSECU1における要求トルク算出プログラム112に代わって要求トルクを簡易的に算出する。この要求トルクの簡易算出は、後述する要求トルク算出スタブ113によってエンジンECU2に送信された各種データに基づいて行う。そして算出した要求トルクを、上述した要求トルク受信ハンドラー123に渡す。
図3に、切替判断プログラム136の処理のフローチャートを示す。このプログラムはCPU35によって周期的に実行される。
まずステップ301で、ABSECU1から新しい負荷情報を受けているか否かを判定する。具体的には、ABSECU1が送信し、データ送受信部31が受信した負荷情報用のデータを通信プログラム135を介してRAM37から読み出し、この読み出したデータが、前回この切替判断プログラム136が実行されたときのデータと同じ時刻に生成されたものであれば新たな負荷情報を受けていないと判定し、同じでなければ新たな負荷情報を受けていると判定する。なお、同じ時刻に生成されたものか否かは、例えば送受信データに送信時刻情報を付加し、その付加された送信時刻情報を確認することで実現できる。
ABSECU1からの新たな負荷情報がないと判定すると、切替判断プログラム136の実行を終了し、新たな負荷情報があると判定すると、続いてステップ302の処理を実行する。
ステップ302では、ABSECU1が高負荷であるか否か、すなわちABSECU1のCPU15の処理負荷が、要求トルク算出プログラム112を実行するのが困難なほど高いか否かを判定する。具体的には、ステップ301で読み出したABSECU1の負荷情報に含まれるCPU15の使用率が所定の値以上であれば、高負荷であると判定する。所定の値とは、この値を超えると、ABS制御プログラム111の実行が困難となり、要求トルク算出プログラム112の実行の大きな遅延、実行失敗が起こりうるような値である。
高負荷である場合の一例としては、車両がスリップを起こしやすい劣悪な路面などで、ABSECU1におけるブレーキアクチュエータの制御頻度が増大した場合が考えられる。この場合には、ブレーキアクチュエータの制御量の算出を行うABS制御プログラム111の実行の頻度が増大し、結果としてCPU15の処理負荷が増大する。
ABSECU1が高負荷であると判定すると、続いてステップ303の処理を実行し、高負荷でないと判定すると、続いてステップ307の処理を実行する。
ステップ303では、エンジンECU2から新しい負荷情報を受けているか否かを判定する。具体的には、エンジンECU2が送信し、データ送受信部31が受信した負荷情報用のデータを通信プログラム135を介してRAM37から読み出し、この読み出したデータが、前回この切替判断プログラム136が実行されたときのデータと同じ時刻に生成されたものであれば新たな負荷情報を受けていないと判定し、同じでなければ新たな負荷情報を受けていると判定する。
エンジンECU2からの新たな負荷情報がないと判定すると、切替判断プログラム136の実行を終了し、新たな負荷情報があると判定すると、続いてステップ304の処理を実行する。
ステップ304では、エンジンECU2が高負荷であるか否か、すなわちエンジンECU2のCPU25の処理負荷が、要求トルク算出プログラム122を実行するのが困難なほど高いか否かを判定する。具体的には、ステップ303で読み出したエンジンECU2の負荷情報に含まれるCPU25の使用率が所定の値以上であれば、高負荷であると判定する。所定の値とは、この値を超えると、要求トルク算出プログラム122の実行が困難となり、要求トルク算出プログラム122の実行の大きな遅延、実行失敗が起こりうるような値である。
エンジンECU2が高負荷であると判定すると、続いてステップ306の処理を実行し、高負荷でないと判定すると、続いてステップ305の処理を実行する。
ステップ305では、現在通常モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM37中に予め確保された切り替えフラグの値が、現在通常モードである旨の値となっているか、あるいは現在高負荷モードである旨の値となっているかを判定する。現在通常モードであれば続いてステップ310の処理を実行し、通常モードでなければ要求トルク算出プログラム112の実行を終了する。
ステップ310では、切り替えフラグを現在高負荷モードである旨の値とし、高負荷モード変更要求(特許請求の範囲の高負荷情報に相当する)を、通信プログラム135、データ送受信部31を介してABSECU1に送信する。高負荷モード変更要求とは、ABSECU1に高負荷モードで作動するように指令するための送信データである。ステップ310の後、切替判断プログラム136の実行は終了する。
ステップ306では、現在高負荷モードであるか否かを判定する。具体的には、切り替えフラグの値が、現在高負荷モードである旨の値となっているか、あるいは現在通常荷モードである旨の値となっているかを判定する。現在高負荷モードであれば続いてステップ311の処理を実行し、高負荷モードでなければ要求トルク算出プログラム112の実行を終了する。
ステップ307では、ステップ305と同様に現在通常モードであるか否かを判定する。現在通常モードである場合、切替判断プログラム136の処理は終了し、通常モードでなければ続いてステップ311の処理を実行する。
ステップ311では、切り替えフラグを現在通常モードである旨の値とし、通常モード変更要求を、通信プログラム135、データ送受信部31を介してABSECU1に送信する。通常モード変更要求(特許請求の範囲の通常情報に相当する)とは、ABSECU1に通常モードで作動するように指令するための送信データである。ステップ311の後、切替判断プログラム136の実行は終了する。
以上のような切替判断プログラム136の処理により、ABSECU1が高負荷であり(ステップ302参照)、かつエンジンECU2が高負荷でない場合(ステップ304参照)、ABSECU1が現在通常モードであればABSECU1を高負荷モードに変更させ(ステップ305からステップ310への分岐に相当する)、ABSECU1が現在高負荷モードであればそのまま高負荷モードを続けさせる(ステップ305のNOの分岐に相当する)。
また、ABSECU1が高負荷であっても(ステップ302参照)、エンジンECU2が高負荷である場合(ステップ304参照)、ABSECU1が現在高負荷モードであればABSECU1を通常モードに変更させ(ステップ306からステップ311への分岐に相当する)、ABSECU1が現在通常モードであればそのまま通常モードを続けさせる(ステップ306のNOの分岐に相当する)。
また、ABSECU1が高負荷でない場合(ステップ302参照)、ABSECU1が現在高負荷モードであればABSECU1を通常モードに変更させ(ステップ307からステップ311への分岐に相当する)、ABSECU1が現在通常モードであればそのまま通常モードを続けさせる(ステップ307のYESの分岐に相当する)。
また、ABSECU1またはエンジンECU2のいずれかからの負荷情報が新しくない場合(ステップ301、303のNOの分岐に相当する)は、そのまま現在のモードを続けさせる。
図4に、判定プログラム114のフローチャートを示す。判定プログラム114はCPU15によって周期的に実行される。
まずステップ402で、統合ECU3から新たな情報があるか否かを判定する。ここでいう統合ECU3からの情報とは、先述した通常モード変更要求と高負荷モード変更要求を示す。具体的には、ステップ402では、データ送受信部11が受信した負荷情報用のデータを通信プログラム135を介してRAM37から読み出し、それが前回この判定プログラム114が実行された時のデータと同じものであれば、統合ECU3から新たな情報がないと判定し、それ以外の場合は統合ECU3から新たな情報があると判定する。
統合ECU3から新たな情報があると判定すると、続いてステップ403の処理を実行し、新たな情報がないと判定すると、続いてステップ406の処理を実行する。
ステップ403では、統合ECU3からの情報が通常モードへの変更要求であるか否かを判定する。
通常モードへの変更要求である場合、続いてステップ404の処理を実行する。また通常モードへの変更要求でない場合、すなわち統合ECU3からの情報が高負荷モードへの変更要求である場合、続いてステップ408の処理を実行する。
ステップ404では、作動を通常モードに変更する。具体的には、RAM17の所定の領域に確保された負荷モードフラグを、通常モードである旨の値に変更する。そしてステップ404の後、判定プログラム114の実行は終了する。
ステップ408では、作動を高負荷モードに変更する。具体的には、負荷モードフラグを、高負荷モードである旨の値に変更する。そしてステップ408の後、判定プログラム114の実行は終了する。
ステップ406では、CPU15の負荷状態を特定する。具体的には、負荷状態検出プログラム116からCPU15の使用率の情報を取得する。
続いてステップ407では、ステップ406で取得した負荷情報、すなわちCPU15の使用率を、通信プログラム115、データ送受信部11を介して統合ECU3に送信する。なお、ここで送信するのは、CPU15の使用率ではなく、CPU15の使用率から判断した、CPU15の処理負荷が、要求トルク算出プログラム112を実行することが困難なほど高いか否かの情報を送信するようになっていてもよい。ステップ407の後、判定プログラム114の実行は終了する。
このような判定プログラム114の処理により、CPU15は、統合ECU3から通常モードへの変更要求を新たに受けた場合、負荷モードフラグを通常モードに変更し(ステップ404参照)、また統合ECU3から高負荷モードへの変更要求を新たに受けた場合、負荷モードフラグを高負荷モードに変更する(ステップ408参照)。また、統合ECU3から新たな情報を受けていない場合、CPU15の負荷状態を特定し(ステップ406)、その特定した負荷情報を統合ECU3に送信する(ステップ407)。なお、この負荷情報は、先述した図3のステップ301における負荷情報に相当する。
図5に、判定プログラム124のフローチャートを示す。この処理は周期的にエンジンECU2のCPU25が実行する。
まずステップ502で、CPU25の負荷状態を特定する。具体的には、負荷状態検出プログラム126からCPU25の使用率の情報を取得する。
続いてステップ503では、ステップ502で取得した負荷情報、すなわちCPU25の使用率を、通信プログラム125、データ送受信部21を介して統合ECU3に送信する。この負荷情報は、先述した図3のステップ303における負荷情報に相当する。なお、ここで送信するのは、CPU25の使用率ではなく、CPU25の使用率から判断した、CPU25の処理負荷が、要求トルク算出プログラム122を実行することが困難なほど高いか否かの情報を送信するようになっていてもよい。
ステップ503の後、判定プログラム124の実行は終了する。
図6に、ABS制御プログラム111のフローチャートを示す。このプログラムは、ブレーキアクチュエータ42を適正に制御するために望ましい周期で実行される。
まずステップ601では、センサ情報を受信する。具体的には、車輪速センサ41、舵角センサ49からの車輪速、操舵角の情報を取得する。
続いてステップ602では、ブレーキアクチュエータ42の制御値(例えば制動タイミング、制動量等)を特定し、その特定した制御値に従ってブレーキアクチュエータ42を制御する。
続いてステップ602では、要求トルク算出スタブ113を呼び出して実行を開始し、その後ABS制御プログラム111の処理を終了する。
図7および図8に、要求トルク算出スタブ113のフローチャートを示す。図7は、要求トルク算出スタブ113の第1のルーチンのフローチャートである。この第1のルーチンが、上記したABS制御プログラム111のステップ602の処理によって実行が開始される部分である。
まずステップ701では、現在ABSECU1が通常モードで作動するようになっているか否かを判定する。これは、図4の判定プログラム114のステップ404、408の処理によって変更される負荷モードフラグの値が、通常モードを示す値となっているか、あるいは高負荷モードを示す値となっているかを判定する。通常モードで作動するようになっていれば、続いてステップ702の処理を実行し、高負荷モードで作動するようになっていれば、続いてステップ705の処理を実行する。
通常モードで作動するようになっている場合のステップ702では、センサ情報送信処理を禁止する。具体的には、予めRAM17に領域が確保された送信可否フラグを、送信禁止の旨の値に設定する。
続いてステップ703では、要求トルク算出プログラム112(図7中では要求トルクAPと記載する)を呼び出して実行する。先述した通り、要求トルク算出プログラム112は、車輪速センサ41、舵角センサ49からの検出データに基づいて要求トルク値を算出して終了する。
要求トルク算出プログラム112が終了すると、続いてステップ704で、通常モードである旨の情報と、要求トルク算出スタブ113が算出した要求トルク値とを併せてエンジンECU2に送信する。ステップ704の後、要求トルク算出スタブ113の第1のルーチンは終了する。
高負荷モードで作動するようになっている場合のステップ705では、必要なセンサ情報を送信処理に設定する。具体的には、車輪速センサ41、舵角センサ49からの検出データ等の、要求トルクを算出するために必要なセンサ値を、センサ情報送信用にRAM17に割り当てられた所定の領域に記憶させる。ただしこの時、記憶させるセンサ値を、要求トルク算出プログラム112において要求トルク算出に用いる場合よりも精度が低いものに変換する。具体的には、要求トルク算出プログラム112において要求トルク算出に用いる場合よりも、センサ値の有効桁数を低くし、あるいはセンサ値の一部(例えば車輪速データ)を省略する。
続いてステップ706で、センサ情報送信処理の許可を行う。具体的には、上記した送信可否フラグを、送信可であることを示す値に設定する。ステップ706の後、要求トルク算出スタブ113の第1のルーチンの実行は終了する。
図8は、要求トルク算出スタブ113の第2のルーチンであり、第1のルーチンにおける 許可に基づいてセンサ情報を送信するためのルーチンである。この第2のルーチンは、周期的に実行される。
まずステップ708では、センサ情報送信処理が許可されているか否かを判定する。具体的には、上記した送信可否フラグが、送信可を示す値となっているか、あるいは送信禁止を示す値となっているかを判定する。センサ情報送信処理が許可されている場合、続いてステップ709の処理を実行し、センサ情報送信処理が許可されていない場合、要求トルク算出スタブ113の第2のルーチンの実行は終了する。
ステップ709では、必要なセンサ情報に高負荷モード情報(特許請求の範囲の請求項7に記載の「高負荷情報に基づく情報」に相当する)を添付してエンジンECU2に送信する。具体的には、図7のステップ705で、センサ情報送信用にRAM17に割り当てられた所定の領域に記憶されたデータを読み出し、これと高負荷モードである旨の情報とを併せてエンジンECU2に送信する。ステップ709の後、要求トルク算出スタブ113の第2のルーチンの実行を終了する。
以上のような要求トルク算出スタブ113を実行することにより、CPU15は、通常モードの場合は、要求トルク算出プログラム112を実行することで自ら要求トルクを算出し(ステップ703参照)、その要求トルクを通常モードである旨のデータと併せてエンジンECU2に送信する(ステップ704)。
また、CPU15は、高負荷モードの場合は、要求トルクを算出するために必要なセンサ情報の精度を落とし(ステップ705参照)、そのセンサ情報を高負荷モードである旨のデータと併せてエンジンECU2に出力する(ステップ709参照)。
図9に、上述した要求トルク受信ハンドラー123のフローチャートを示す。このプログラムは、エンジン制御を適正に行うために望ましい周期でエンジンECU2のCPU25により実行される。
まずステップ801で、ABSECU1から新たに情報を受信したか否かを判定する。ここでいう情報とは、要求トルク算出スタブ113によって図7のステップ704で送信される要求トルクおよび通常モードである旨の情報と、要求トルク算出スタブ113によって図8のステップ709で送信されるセンサ情報および高負荷モードである旨の情報をいう。新たに情報を受信したか否かは、具体的には、データ送受信部21がRAM27に記憶させた受信データを通信プログラム125を介して読み出し、この読み出した値が、前回この要求トルク受信ハンドラー123が実行されたときのステップ801において読み出した値と異なっているかまたは同じであるかに基づいて判定する。
ABSECU1から新たに情報を受信した場合、続いてステップ802の処理を実行し、新たに情報を受信していない場合、続いてステップ804でエンジン制御プログラム121の実行を開始させる。
ステップ802では、新たに受信したデータが通常モードであるかまたは高負荷モードであるかを判定する。これは、ステップ801で読み出したデータに含まれる値が通常モードを示す値であるか、あるいは高負荷モードを示す値であるかで判定する。高負荷モードである場合、続いてステップ806の処理を実行する。
通常モードである場合、続いてステップ804の処理を実行し、ステップ801で読み出したデータに含まれる要求トルクの値をエンジン制御プログラム121に渡し、エンジン制御プログラム121の実行を開始させる。
ここで要求トルクの値をエンジン制御プログラム121に渡すとは、エンジン制御プログラム121が所定の手続きによって当該要求トルク値を受けることができるよう処理することをいい、具体的には、PF層129のプログラムとAP層128のプログラムの間でデータの授受を行うときに用いられる所定のデータ受け渡し手順を用いて要求トルク値を渡すことである。この手順としては、例えば要求トルク値を渡すために予めRAM27に割り当てられた所定の領域に当該要求トルク値を書き込むことが考えられる。
ステップ806では、要求トルク算出プログラム122の実行を開始させる。具体的には、要求トルク算出プログラム122に、ステップ801で受信した、要求トルク算出に必要なセンサ情報を渡して、要求トルクを算出させる。なお、このセンサ情報は、精度が低くなったものであるから、要求トルク算出プログラム122の処理は要求トルク算出プログラム112の処理に比べて精度の低い簡易なものとなる。ただし、簡易であるが故に、処理に必要なCPU時間は、要求トルク算出プログラム112のそれよりも少ない。
このように要求トルク算出プログラム112が実行されることで、要求トルク算出プログラム112から簡易算出された要求トルク値を受け取る。要求トルク算出プログラム112の実行が終了すると、続いてステップ804で、ステップ801で読み出した要求トルク値を渡す場合と同じ手続きで、この簡易算出された要求トルク値をエンジン制御プログラム121に渡し、エンジン制御プログラム121の実行を開始させる。
ステップ804では、実行されたエンジン制御プログラム121、取得した(例えば上記RAM27中の要求トルク用の所定の領域から読み出した)要求トルク値および検出データに基づいて、イグナイタ46に対してエンジン点火のタイミングの制御を行い、インジェクタ47に燃料噴射タイミングの制御を行い、フューエルポンプポンプ48に対して燃料噴射量の制御を行う。
このような要求トルク受信ハンドラー123の実行により、CPU25は、ABSECU1から新たに通常モードである旨の情報および要求トルク値を受信すると、その要求トルク値を元にエンジンを制御する(ステップ801→ステップ802→ステップ804の処理の流れに相当する)。
またCPU25は、ABSECU1から新たに高負荷モードである旨の情報および精度の低いセンサ情報値を受信すると、このセンサ情報を元に要求トルクを簡易算出し、その簡易算出した要求トルクを元にエンジンを制御する(ステップ801→ステップ802→ステップ806→ステップ804の処理の流れに相当する)。
またCPU25は、ABSECU1から新たに情報を受信しない場合、前回の起動時に渡された要求トルク値(例えば前回RAM27の要求トルク用の所定の領域に記憶された要求トルク値)を元にエンジンを制御する(ステップ801→ステップ804の処理の流れに相当する)。
また、要求トルク受信ハンドラー123の処理により、エンジン制御プログラム121は、要求トルク算出プログラム112が算出してエンジンECU2が受信した要求トルク値を所定の手続きにより取得し、また要求トルク算出プログラム122は、簡易算出した要求トルク値を、エンジン制御プログラム121が所定の手続きによって取得できるよう処理する。このようになっているので、設計者は、要求トルク算出プログラム122およびエンジン制御プログラム121のいずれが要求トルク値を算出するかを意識せずに、エンジン制御プログラム121を作成することができる。
なお、上記した切替判断プログラム136、判定プログラム114、判定プログラム124、および要求トルク算出スタブ113の第2のルーチンは、ABS制御プログラム111、要求トルク算出プログラム112、エンジン制御プログラム121、要求トルク算出プログラム122と比較して低い頻度で、かつ高い優先度で実行される。
以上のような、ABSECU1、エンジンECU2、統合ECU3を備え、ABSECU1において、センサからの検出データに基づく要求トルクが要求トルク算出プログラム112の実行によって算出され、さらにエンジンECU2においてこの要求トルクからエンジン制御のための制御量が算出されるような車両制御システム100において、ABSECU1の処理負荷が高く、かつエンジンECU2の処理負荷が低いとき、要求トルク算出プログラム112を実行するCPU15に代わって、CPU25が要求トルク算出プログラム122を実行して要求トルクを簡易算出するので、ABSECU1で処理負荷が高くなった場合でも、エンジンECU2のリソース(すなわちCPUの空き時間)を利用して、エンジンの処理のための情報算出の抜けや遅滞を低減することができる。
また、統合ECU3において、要求トルク算出プログラム112と要求トルク算出プログラム122との実行を切り替える手段として、切替判断プログラム136がCPU35によって実行される。そしてこの切替判断プログラム136の実行により、CPU35は、判定プログラム114および判定プログラム124によって送信されたABSECU1およびエンジンECU2の処理負荷の情報に基づき、ABSECU1の処理負荷が高く、かつエンジンECU2の処理負荷が低い場合にのみ、要求トルク算出プログラム112に代えて要求トルク算出プログラム122を実行させ、ABSECU1の処理負荷が高く、かつエンジンECU2の処理負荷が高い場合、およびABSECU1の処理負荷が低い場合、要求トルク算出プログラム122に代えて要求トルク算出プログラム112を実行させる。
また、この切替判断プログラム136は、ABSECU1およびエンジンECU2のいずれとも異なる統合ECU3のCPU35が実行するようになっているので、切替判断プログラム136の実行そのものによる、ABSECU1およびエンジンECU2の処理負荷への悪影響が抑えられる。
またこの切替判断プログラム136は、具体的な切替制御として、要求トルク算出プログラム112に代えて要求トルク算出プログラム122の実行が行われる旨の高負荷モード変更要求、または要求トルク算出プログラム122に代えて要求トルク算出プログラム112が実行される旨の通常モード変更要求をABSECU1に送信するようになっている。そしてABSECU1の要求トルク算出スタブ113の第1のルーチンは、高負荷モード変更要求の受信に基づいて、要求トルク算出プログラム112を実行させず、要求トルク算出スタブ113の第2のルーチンにセンサ情報および高負荷モード情報を送信させ、また通常モード変更要求の受信に基づいて、要求トルク算出プログラム112を作動させその結果の要求トルクを、通常モード情報と共に送信するようになっている。そしてエンジンECU2の要求トルク受信ハンドラー123は、高負荷モード情報の受信に基づいて、要求トルク算出プログラム122を実行させ、また通常モード情報の受信に基づいて、要求トルク算出プログラム122を実行させないようになっている。
また、ABSECU1からエンジンECU2へ送信されるセンサ情報の精度は、要求トルク算出プログラム112において要求トルク算出のために用いられるセンサからの検出データ精度よりも低くなっているので、通信データ量が減り、車載LAN50の通信負荷を低減させることができ、また要求トルク算出プログラム122の実行による処理負荷を低減させることができる。
なお、上記した実施形態において、ABSECU1は第1のECUに相当し、エンジンECU2は第2のECUに相当する。
また、エンジンECU2のCPU25が実行するエンジン制御プログラム121において算出されるイグナイタ46、インジェクタ47、フューエルポンプポンプ48の制御量が、アクチュエータの制御のための後段情報に相当する。
また、要求トルク値が、後段情報の算出に必要な前段情報に相当する。
また、ABSECU1のCPU15が、要求トルク算出プログラム112を実行することで、前段情報算出手段として機能する。なお、ABSECU1は車輪速センサ41、舵角センサ49から検出値の出力を直接受けるようになっているが、必ずしもこのように直接受ける必要はない。ABSECU1は、車両制御システム100内の他のECUから検出データに基づく情報を受け、この情報に基づいて、要求トルク算出に必要な情報を算出するようになっていてもよい。すなわち、第1のECUは、センサからの検出データに基づく前段情報を算出する前段情報算出手段を有していれば足りる。
また、ABSECU1のCPU15が、要求トルク算出スタブ113の第2のルーチン(図8参照)を実行することで、検出データ送信手段として機能する。なお、上記した実施形態では、ABSECU1のCPU15が実行する要求トルク算出スタブ113の第2のルーチンのステップ709によって、高負荷モードの場合、精度を落としたセンサ情報がエンジンECU2に送信されるようになっているが、必ずしもこのようになっておらずともよく、例えば高負荷の場合、センサ情報の送信頻度を低くしてもよい。これは、例えば要求トルク算出スタブ113の第1のルーチンが要求トルクを送信する頻度より低い頻度となる周期で、要求トルク算出スタブ113の第2のルーチンを実行するようになっていれば実現される。
また、エンジンECU2のCPU25が、要求トルク算出プログラム122を実行することで、前段情報代替算出手段として機能する。なお、上記した実施形態においては、要求トルク算出プログラム122はエンジンECU2のCPU25によって実行されるようになっているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、要求トルク算出プログラム122は統合ECU3のCPU35によって実行され、その結果がエンジンECU2に送信されるようになっていてもよい。すなわち、前段情報代替算出手段は、第1のECU以外のECUが有するようになっていればよい。
また、統合ECU3のCPU35が、切替判断プログラム136を実行することで、切替制御手段として機能する。なお、切替判断プログラム136は、ABSECU1、エンジンECU2とは別の統合ECU3のCPU35によって実行されているが、これはABSECU1のCPU15によって実行されてもよいし、エンジンECU2のCPU25によって実行されてもよい。すなわち、切替制御手段は、車両制御システム内のどのECUにおいて実行されてもよい。
また、上記実施形態においては、ABSECU1が高負荷である場合を、ABSECU1のCPU15の処理負荷が、要求トルク算出プログラム112を実行するのが困難なほど高いことであるとしているが、「高負荷」とは、必ずしもこのような例に限定されるものではない。例えば、CPU15で要求トルク算出プログラム112を算出するのが現時点では困難でないとしても、ある特定の処理が突発的に発生したときに困難になることが予想されるような場合を「高負荷」であるとしてもよい。
また、ABSECU1のCPU15が、要求トルク算出スタブ113の第1のルーチンを実行することで、第1の切替手段として機能する。
また、エンジンECU2のCPU25が、要求トルク受信ハンドラー123を実行することで、第2の切替手段として機能する。
本発明の実施形態に係る車両制御システム100の構成を示す図である。 車両制御システム100のCPU15、25、35が実行するプログラムを示すソフトウェア図である。 切替判断プログラム136のフローチャートである。 判定プログラム114のフローチャートである。 判定プログラム124のフローチャートである。 ABS制御プログラム111のフローチャートである。 要求トルク算出スタブ113の第1のルーチンのフローチャートである。 要求トルク算出スタブ113の第2のルーチンのフローチャートである。 要求トルク受信ハンドラー123のフローチャートである。
符号の説明
1…ABSECU、2…エンジンECU、3…統合ECU、11…データ送受信部、
12…マイコン、13…ROM、14…フラッシュメモリ、15…CPU、
17…RAM、21…データ送受信部、22…マイコン、23…ROM、
24…フラッシュメモリ、25…CPU、27…RAM、31…データ送受信部、
32…マイコン、33…ROM、34…フラッシュメモリ、35…CPU、
37…RAM、41…車輪速センサ、42…ブレーキアクチュエータ、
43…クランク角センサ、44…メインスロットルセンサ、
45…水温センサ、46…イグナイタ、47…インジェクタ、
48…フューエルポンプポンプ、49…舵角センサ、50…車載LAN、
100…車両制御システム、111…ABS制御プログラム、
112…要求トルク算出プログラム、113…要求トルク算出スタブ、
114…判定プログラム、115…通信プログラム、
116…負荷状態検出プログラム、118…AP層、119…PF層、
121…エンジン制御プログラム、122…要求トルク算出プログラム、
123…要求トルク受信ハンドラー、124…判定プログラム、
125…通信プログラム、126…負荷状態検出プログラム、128…AP層、
129…PF層、135…通信プログラム、136…切替判断プログラム、
138…AP層、139…PF層。

Claims (10)

  1. 第1のECUと、アクチュエータの制御のための後段情報を算出する第2のECUと、を備えた車両制御システムであって、
    前記第1のECUは、前記後段情報の算出に必要な、センサからの検出データに基づく前段情報を、前記第2のECUに送信するために算出する前段情報算出手段と、前記検出データに基づく情報を送信する検出データ送信手段とを有し、
    更に、前記第1のECUの処理負荷が高いとき、前記前段情報算出手段に代わって、前記検出データ送信手段が送信した情報を受信し、この受信した情報に基づいて前記前段情報を算出する前段情報代替算出手段を備え、
    前記前段情報代替算出手段は、前記第1のECUと異なるECUが有する車両制御システム。
  2. 前記前段情報代替算出手段は、前記第2のECUが有することを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
  3. 前記前段情報代替算出手段は、前記第1のECUの処理負荷が高く、かつ前記前段情報代替算出手段を有するECUの処理負荷が低いとき、前記前段情報算出手段に代わって前記前段情報を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の車両制御システム。
  4. 前記第1のECUの処理負荷の情報に基づき、前記第1のECUの処理負荷が高い場合、前記前段情報算出手段に代えて前記前段情報代替算出手段を作動させ、前記第1のECUの処理負荷が高くない場合、前記前段情報算出手段を作動させる切替制御を行う切替制御手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両制御システム。
  5. 前記切替制御手段は、前記第1のECUおよび前記第2のECUのいずれとも異なるECUが有することを特徴とする請求項4に記載の車両制御システム。
  6. 前記切替制御手段は、前記第1のECUおよび前記前段情報代替算出手段を有するECUの処理負荷の情報に基づき、前記第1のECUの処理負荷が高く、かつ前記前段情報代替算出手段を有するECUの処理負荷が低い場合、前記前段情報算出手段に代えて前記前段情報代替算出手段を作動させ、前記第1のECUの処理負荷が高く、かつ前記前段情報代替算出手段を有するECUの処理負荷が高い場合、前記前段情報算出手段を作動させる切替制御を行うことを特徴とする請求項4または5に記載の車両制御システム。
  7. 前記切替制御手段は、前記切替制御として、前記第1のECUに、前段情報算出手段に代えて前記前段情報代替算出手段を作動させる旨の高負荷情報または前記前段情報算出手段を作動させる旨の通常情報を送信し、
    前記第1のECUは、前記高負荷情報の受信に基づいて、前記前段情報算出手段を作動させず、前記検出データ送信手段を作動させ、かつ前記高負荷情報に基づく情報を前記検出データ送信手段に送信させ、また前記通常情報の受信に基づいて、前記前段情報算出手段を作動させることを特徴とする第1の切替手段を有し、
    前記前段情報代替算出手段を有するECUは、前記検出データ送信手段が送信した高負荷情報に基づく情報の受信に基づいて、前記前段情報代替算出手段を作動させる第2の切替手段を有することを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1つに記載の車両制御システム。
  8. 前記検出データ送信手段が送信する前記検出データに基づく情報の精度は、前記前段情報算出手段が前記前段情報を算出するために用いる前記検出データに基づく情報の精度よりも低いことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両制御システム。
  9. 前記検出データ送信手段は、前記検出データに基づく情報を、前記前段情報算出手段が前記前段情報を送信する頻度より低い頻度で送信することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の車両制御システム。
  10. 前記第2のECUのアクチュエータの制御のための後段情報を算出する機能は、前記前段情報算出手段が算出し前記第2のECUが受信した前記前段情報を所定の手続きにより取得し、
    前記第2のECUは前記前段情報代替算出手段を有し、
    前記前段情報代替算出手段は、算出した前記前段情報を、前記後段情報を算出する機能が前記所定の手続きによって取得できるよう、処理することを特徴とする請求項1ないし9に記載の車両制御システム。

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