JP2005258644A - 定電圧電源回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源電圧や負荷の変動があった場合であっても安定した電圧を供給できる定電圧電源回路を提供する。
【解決手段】入力された制御信号および電源電圧に応じた電圧を出力する出力用トランジスタMP1と、出力用トランジスタMP1による出力電圧と参照電圧との差に基づいて制御信号を出力するOTAと、出力用トランジスタMP1とOTAとの間のノードnaと、電源電圧VDDとの間に、直列接続された位相補償用のためのキャパシタCc1および抵抗素子RVとを有し、抵抗素子RVは、当該抵抗素子の抵抗値、トランジスタMP1の伝達コンダクタンスgm、および位相補償用キャパシタCc1のキャパシタンスにより規定される位相特性のゼロ点を消去するように、当該抵抗素子RVの抵抗値が設定されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば、電源電圧や負荷の変動があった場合でも安定した電圧を供給する定電圧電源回路に関する。
近年、例えば携帯型端末装置等の回路の小型化、高性能化により、電源回路にも小型化、高性能化が求められている。例えば、安定した電圧を供給する定電圧電源回路が知られている。
定電圧電源回路、例えば、低ドロップアウトレギュレータ回路は、一般的に出力段にP型MOSFET(Metal oxide semiconductor field effect transistor、単にトランジスタとも言う)が用いられ、電源電圧からわずかにドロップした電圧まで出力できる。
図1は、定電圧電源回路に係る第1具体例を示す回路図である。
定電圧電源回路1gは、例えば図1に示すように、演算増幅回路としてのOTA(Operational trans conductance amp)、出力制御用のP型MOSFET(単にトランジスタとも言う)MP1、分圧回路12、および出力キャパシタ(平滑キャパシタとも言う)Cを有する。
出力制御用トランジスタMP1は、ゲートに入力された制御信号SOTA に応じた出力電圧を供給する。
また、トランジスタMP1は、例えば負荷部LOADの負荷値に応じて伝達コンダクタンスgm1(Gm1)が変化する特性を有する。
また、トランジスタMP1の伝達コンダクタンスgm1は、内部電流に応じて変動する特性を有する。
分圧回路12は、例えば抵抗素子R1,R2を有し,トランジスタMP1の出力電圧を検出する。
OTAの反転入力端子は、参照電圧Vrefが供給される参照電圧端子Trefに接続され、OTAの非反転入力端子は直列接続された抵抗素子R1と抵抗素子R2間のノードn12に接続され、OTAの出力端子はトランジスタMP1のゲートに接続されている。
トランジスタMP1のソースは電源電圧VDDに接続され、ドレインはノードnbおよび直列接続された抵抗素子R1,R2を介して基準電位GNDに接続されている。またトランジスタMP1のドレインは出力端子Toに接続されている。
例えば、不図示の参照電圧生成回路により参照電圧Vrefが生成され参照電圧端子Trefに供給される。
出力端子Toにはレギュレート動作を安定させる出力キャパシタCを介して基準電位GNDが接続され、また出力端子Toは負荷変動する負荷部LOADを介して基準電位GNDが接続されている
出力キャパシタCは、詳細には、容量成分であるキャパシタCload、および抵抗成分である等価直列抵抗ESR1を有し、それらが出力端子Toと基準電位GND間に直列接続されている。
OTAは、詳細には、参照電圧端子Trefの参照電圧Vref、および直列接続された抵抗素子R1,R2間のノードn12の電圧との電圧の差に応じた信号SOTA をトランジスタMP1に出力する。また、OTAは伝達コンダクタンスgmの特性を有する。
例えばOTAは、出力端子Toの出力電圧Voutが、数式(1)に示すような電圧となるように、制御信号SOTA をトランジスタMP1に出力する。
〔数1〕
Vout=Vref×{(R1+R2)/R2} …(1)
上述した定電圧電源回路1gでは、出力段にP型MOSトランジスタMP1を用いているために、電源電圧VDDからわずかにドロップした電圧まで出力することができる。しかし、トラジスタMP1の伝達コンダクタンスgm1が負荷部LOADの負荷に応じて変動するので位相補償が困難である。また、Cloadの値に応じて負荷変動特性が大きく影響を受ける。
また、定電圧電源回路1gでは、OTAおよびトランジスタMP1により実質的に3段アンプ構成となるために、出力電圧Voutが不安定になりやすい。
また、トランジスタ出力段のトランジスタMP1は負荷に応じて伝達コンダクタンスgm1が変動することから位相補償が難しく、事実上3段アンプになるために不安定となりやすい。
ところで、位相補償を行う位相補償回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図2は、定電圧電源回路に係る第2具体例を示す回路図である。
図2に示す定電圧電源回路1hと第1具体例の定電圧電源回路1gとの相違点は、定電圧電源回路1hに位相補償を行っている点である。相違点を中心に説明する。
詳細には、定電圧電源回路1hは、図2に示すように、演算増幅回路としてのOTA、出力制御用のP型MOSFET(単にトランジスタとも言う)MP1、トランジスタMP2〜MP5、トランジスタMN6,MN7、位相補償用キャパシタCc、分圧回路12、および平滑キャパシタCを有する。
上記構成の定電圧電源回路1hは、負荷の値に応じて、出力段のトランジスタMP1の伝達コンダクタンスgm1が変動してもその変動に応じて、位相補償用キャパシタCcに直列に接続したトランジスタMP5の抵抗を変動させており、位相特性(AC特性とも言う)を良好に保つ。
しかし、上述した図2に示した回路構成の定電圧電源回路1hには後述する問題点がある。
図3(A),(B)は、図1,2に示した定電圧電源回路の周波数特性を説明するための図である。図3(A)は利得(ゲイン)の周波数特性を説明するための図、図3(B)は電源電圧変動除去比(PSRR:Power Supply Rejection Ratio)の周波数特性を説明するための図である。図3(A)において縦軸はゲイン、横軸は周波数の対数を示し、図3(B)において縦軸はPSRR、横軸は周波数の対数を示す。
1.図2において出力端子Toの電圧は、基準電位GND側を基準にしており、一方、出力段のトランジスタMP1のゲート電圧自体は電源電圧VDDを基準としている。ところが、位相補償用キャパシタCcは、これらの間に接続されているため、電源電圧VDDが変動した場合には高周波領域においてその変動成分(変動信号)が、出力電圧Voutに影響を与えるため、電源電圧変動除去比(PSRR)が悪化する。また、位相補償用キャパシタはハイパスフィルタの機能を果たす。ここでPSRRは電源電圧VDDの変化によって、出力電圧Voutが増減する割合を示す値である。
詳細には、利得(ゲイン)は図3(A)に示すように、周波数0〜周波数P1では略一定値、本具体例では80デシベル(dB)である。上述した構成の回路では周波数P1において第1の極が存在し、周波数P2において第2の極が存在する。利得は、周波数P1〜P2は略一定の割合で減少し、本具体例では−20デシベル/デカード(dB/Decとも言う)で減少し、周波数fgoaで利得が0dBになる。周波数P2より大きい周波数では利得は、より大きな割合で減少する。
ここでデカードは10倍の周波数幅である。
一方、PSRRは図3(B)に示すように、周波数0〜周波数P1において略一定値、本具体例では−80dBであり、周波数P1〜周波数P2では略一定の割合、本具体例では20dB/Decで増加し、周波数P2においてPSRRは0dBになる。
上述したように、第1の極付近から高周波では、急激にPSRR特性が悪化する。
2.上述した定電圧電源回路1hでは、可変抵抗としてMOSトランジスタMP5を用いているが、そのためにバイアス回路を別途設けている。このバイアス回路は、出力段のトランジスタMP1に流れる電流をモニタしているために余計な電流を消費してしまう。例えば携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯型情報処理装置では、低消費電流化が要求されている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電源電圧や負荷の変動があった場合であっても安定した電圧を供給できる定電圧電源回路を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、低消費電流の定電圧電源回路を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の第1の観点の定電圧電源回路は、入力された制御信号および電源電圧に応じた電圧を出力する出力回路と、前記出力回路による出力電圧と参照電圧との差に基づいて前記制御信号を出力する制御回路と、前記出力回路と前記制御回路との間のノードと、前記電源電圧との間に、直列接続された位相補償用キャパシタおよび抵抗素子とを有し、前記抵抗素子は、当該抵抗素子の抵抗値、前記出力回路の内部電流に応じて変動する伝達コンダクタンス、および位相補償用キャパシタのキャパシタンスにより規定される位相特性のゼロ点を消去するように、当該抵抗素子の抵抗値が設定されている。
本発明の第1の観点の定電圧電源回路では、抵抗素子は、当該抵抗素子の抵抗値、出力回路の内部電流に応じて変動する伝達コンダクタンス、および位相補償用キャパシタのキャパシタンスにより規定される位相特性のゼロ点を消去するように、当該抵抗素子の抵抗値が設定されるのでゼロ点の影響が減少し、出力回路は安定化した電圧を供給する。
さらに、前記目的を達成するために、本発明の第2の観点の定電圧電源回路は、電源電圧と出力端子間に接続され、入力された制御信号および前記電源電圧に応じた電圧を出力する出力制御用トランジスタと、前記出力制御用トランジスタによる出力電圧と参照電圧との差に基づいて前記制御信号を出力する制御回路と、前記出力制御用トランジスタと前記制御回路との間のノードと、前記電源電圧との間に、直列接続された位相補償用キャパシタおよび抵抗素子とを有し、前記抵抗素子は、当該抵抗素子の抵抗値、前記出力制御用トランジスタの内部電流に応じて変動する伝達コンダクタンス、および位相補償用キャパシタのキャパシタンスにより規定される位相特性のゼロ点を消去するように、当該抵抗素子の抵抗値を設定されている。
さらに、前記目的を達成するために、本発明の第3の観点の定電圧電源回路は、電源電圧と出力端子間に接続され、ゲートに入力された制御信号に応じた安定化された出力電圧を供給するP型MOSトランジスタと、出力制御用トランジスタの出力電圧を分圧する分圧回路と、前記分圧回路による出力電圧の分圧と、参照電圧に基づいて前記制御信号を生成する演算増幅回路と、前記出力制御用トランジスタと、前記演算増幅回路との間のノードと、前記電源電圧との間に、直列接続された位相補償用キャパシタおよび抵抗素子とを有し、前記抵抗素子は、当該抵抗素子の抵抗値、負荷に応じて変動する前記P型MOSトランジスタの伝達コンダクタンス、および位相補償用キャパシタのキャパシタンスにより規定される位相特性のゼロ点を消去するように、当該抵抗素子の抵抗値が設定されている。
本発明によれば、電源電圧や負荷の変動があった場合であっても安定した電圧を供給でき、低消費電流の定電圧電源回路を提供することができる。
図4は、本発明の定電圧電源回路の第1実施形態を示す回路図である。
本発明の第1実施形態に係る定電圧電源回路(低ドロップアウトレギュレータ回路とも言う)1は、例えば図4に示すように、演算増幅回路11としてのOTA(Operational trans conductance amp)、出力制御用のP型MOSFET(単にトランジスタとも言う)MP1、分圧回路12、可変抵抗素子RV、位相補償用キャパシタCc1、出力キャパシタ(平滑キャパシタ)Cを有する。
出力制御用トランジスタMP1は本発明に係る出力回路に相当し、演算増幅回路11としてのOTAは本発明に係る制御回路に相当し、可変抵抗素子RVは本発明に係る抵抗素子に相当し、位相補償用キャパシタCc1は本発明に係る位相補償用キャパシタに相当する。
以下、上述した具体例との相違点を中心に説明する。
例えばOTA、トランジスタMP1、分圧回路12、可変抵抗素子RV、および位相補償用キャパシタCc1は、IC化(半導体基板上に集積化)されている。
出力制御用トランジスタMP1は、ゲートに入力された制御信号SOTA に応じた出力電圧を出力端子T0に供給する。
また、トランジスタMP1は、例えば負荷部LOADの負荷に応じて伝達コンダクタンスgm1が変化する特性を有する。
また、トランジスタMP1は、例えば負荷部LOADの負荷の変動に応じた内部電流が流れ、内部電流に応じて伝達コンダクタンスgm1が変化する特性を有する。
分圧回路12は、例えば抵抗素子R1,R2を有し,トランジスタMP1の出力電圧を検出する。
OTAの反転入力端子は参照電圧Vrefが供給される参照電圧端子Trefに接続され、OTAの非反転入力端子は分圧回路12内の直列接続された抵抗素子R1,R2間のノードn12に接続されている。
OTAの出力端はノードnaを介して出力段のトランジスタMP1のゲートに接続されている。
トランジスタMP1のソースは電源電圧VDDに接続され、ドレインはノードnbおよび分圧回路12を介して基準電位GNDに接続されている。また、トランジスタMP1のドレインは出力端子Toに接続されている。
出力端子Toにはレギュレート動作を安定させる出力キャパシタCを介して基準電位GNDが接続され、また出力端子Toは負荷変動する負荷部LOADを介して基準電位GNDが接続されている
出力キャパシタCは、詳細には、容量成分であるキャパシタCload、および抵抗成分である等価直列抵抗ESR1を有し、それらが出力端子Toと基準電位GND間に直列接続されている。この出力端子Toからは、負荷LOADが無負荷から設定された最大電流まで出力することがきる。
OTAは、詳細には、参照電圧端子Trefの参照電圧Vref、および直列接続された抵抗素子R1,R2間のノードn12の電圧との電圧の差に応じた信号SOTA をトランジスタMP1に出力する。また、OTAは伝達コンダクタンスgmの特性を有する。
例えばOTAは、出力端子Toの出力電圧Voutが上述した数式(1)に示すような電圧となるように、制御信号SOTA をトランジスタMP1に出力する。
また、出力制御用トランジスタMP1とOTAとの間のノードnaと、電源電圧VDDとの間に、位相補償用キャパシタCc1および可変抵抗素子RVが直列接続されている。
つまり、位相補償用キャパシタCc1の一端はノードnaに接続されており、他端は可変抵抗素子RVを介して電源電圧VDDに接続されている。
本実施形態に係る定電圧電源回路1は、位相補償用キャパシタCc1および可変抵抗素子RVを、AC特性(位相特性)のゼロ点を消去するように制御する。例えばAC特性(位相特性)のゼロ点は、数式(2)により示される。
〔数2〕
Z=Gm1/α (αは定数) …(2)
数式(2)においてCc1はキャパシタCc1のキャパシタンスを示す。
可変抵抗素子RVの値を1/gm1となるように制御するとゼロ点の影響を消去することができる。数式(2)は可変抵抗素子RVの抵抗値RVを考慮すると、数式(3)により表すことができる。
〔数3〕
Z=1/α{(1/gm1−RV)} (αは定数) …(3)
出力負荷の状態により、例えば負荷LOADの状態により、出力段のトランジスタMP1の伝達コンダクタンスgm1が変動し、AC特性(位相特性)上のゼロ点も変動する。
本実施形態に係る定電圧電源回路1は、負荷LOADの状態をモニタし、詳細には出力段のトランジスタMP1の伝達コンダクタンスgm1をモニタして、位相特性に係るゼロ点を消去するように可変抵抗素子RVの抵抗値を制御する(ゼロ点を消去するように可変抵抗素子RVの抵抗値が設定されている)、つまり可変抵抗素子RVの抵抗値RVが1/gm1となるように制御するので、出力負荷の値が変動した場合であっても、安定したAC特性(位相特性)を実現でき、高品質の電圧を出力することができる。
数式(3)に示すように1/gm1と抵抗値RVとの差を小さくすると、ゼロ点Zは無限遠に移動する。このためゼロ点の影響を少なくすることができる。
また、上述した実施形態の定電圧電源回路1は、ゼロ点を消去するように可変抵抗素子RVの抵抗値を制御したが、位相補償の観点から、ゼロ点を完全に消去することなく、小さな値の所定値となるように制御することが好ましい。こうすることにより位相補償処理を高精度に行うことができ、より高品質の電圧を供給することができる。
また、定電圧電源回路1はゼロ点Zを所定値よりも大きくなるように、具体的にはゼロ点の大きさを、位相特性のゼロ点の影響がなくなる程度に、抵抗値と1/gm1の差を所定値よりも小さくするように制御してもよい。
上述した数式やゼロ点に関しては、例えば下記の文献を参照。
1.Analog Integrated Circuit Design Chapter 5: DAVID A. JOHNS & KEN MARTIN 著 ISBN 0-471-14448-7
2.CMOS Circuit Design, Layout, Simulation Chapter 25 : R.Jacob Baker Harry W.Li David E.Boyce 著 ISBN 0-7803-3416-7
図5(A),(B)は、図4に示した定電圧電源回路のゼロ点がある場合と、ゼロ点を消去した場合の周波数特性を示す図である。図5(A)は利得(ゲイン)の周波数特性を示す図、図5(B)は位相の周波数特性を示す図である。
図5(A),(B)を参照しながら、定電圧電源回路1において、負荷部LOADが高負荷時にAC特性(位相特性)に係るゼロ点が存在する場合LOADHと、負荷部LOADが低負荷時にAC特性(位相特性)に係るゼロ点が存在する場合LOADLと、負荷部LOADが低負荷時にAC特性(位相特性)に係るゼロ点を消去するように制御した場合LOADLnzと、負荷部LOADが高負荷時にAC特性(位相特性)に係るゼロ点を消去するように制御した場合LOADHnzを説明する。
利得は、例えば図5(A)に示すように、周波数0〜周波数P1間で略一定値、本具体例では80dBである。
利得は、周波数P1よりも大きい周波数では、図5(A)に示すように略一定の割合で減少するが、LOADLでは周波数fLOADL1〜fLOADL2ではゼロ点の影響のため略一定値となり、周波数fLOADL2よりも大きい周波数では略一定の割合で減少する。その際、周波数fLOADL0で利得は0dBとなる。
また、LOADHでは、利得は図5(A)に示すように、周波数fLAODH1〜fLOADH2ではゼロ点の影響のため略一定値となり、周波数fLOADH2よりも大きい周波数では略一定の割合で減少する。その際、周波数fLOADH0で利得は0dBとなる。
上述したように一般的な定電圧電源回路の場合には、ゼロ点は数式(2)で示される値で発生し、そのゼロ点の影響のためLOADL時とLOADH時には、ゼロ点付近の利得の周波数特性が悪化する。
一方、本実施形態に係る定電圧電源回路1は、LOADHnzでは、利得は、例えば図5(A)に示すように、周波数0〜周波数P1間で略一定値、本具体例では80dBであり、周波数P1よりも大きい周波数では略一定の割合で減少し、周波数fLOADHnz0で利得が0dBとなり、より高周波ではさらに利得が減少する。
位相は、図5(B)に示すように、周波数0から周波数P1付近までは180°(度)であり、第1の極が存在する周波数P1付近では位相が180°から90°に減少し、周波数fLOADHnz0までは略90°であり、周波数fLOADHnz付近で位相がさらに90°まわりはじめるが、位相余裕は略80°ある。
また、本実施形態に係る定電圧電源回路1は、LOADLnzでは、利得は、例えば図5(A)に示すように、周波数0〜周波数P1間で略一定値、本具体例では80dBであり、周波数P1〜周波数fLOADLnz1間では略一定の割合で減少し、周波数fLOADLnz1よりも大きい周波数では、より大きな割合で利得が減少する。この際、周波数fLOADLnz0で利得が0dBとなる。
位相は、図5(B)に示すように、周波数0から周波数P1付近までは180°(度)であり、第1の極が存在する周波数P1付近では位相が180°から90°に減少し、周波数fLOADLnz0までは略90°であり、周波数fLOADLnz付近で位相がさらに90°まわり始めるが、位相余裕は略45°ある。
上述したように、本実施形態に係る定電圧電源回路1は、AC特性に係るゼロ点を消去するように、可変抵抗素子RVの抵抗値を制御するので、出力負荷が変化した場合であっても、一般的な定電圧電源回路と比べて、安定した電圧を供給することができる。
また、上述した形態に限られるものではなく、例えばキャパシタCc1を負荷の状態に応じてゼロ点を消去するように制御してもよい。
図6は、本発明の定電圧電源回路の第2実施形態に係る回路図である。
本実施形態に係る定電圧電源回路1aと、第1実施形態に係る定電圧電源回路1との相違点は、可変抵抗素子RV2の制御に関する。同一の機能の構成については同一の符号を付して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
第2実施形態に係る定電圧電源回路1aは、例えば図6に示すように、演算増幅回路11としてのOTA、出力制御用のP型MOSFET(単にトランジスタとも言う)MP1、分圧回路12、可変抵抗素子RV、位相補償用キャパシタCc1、出力キャパシタ(平滑キャパシタ)Cを有する。
定電圧電源回路1aの出力段のトランジスタMP1の伝達コンダクタンスgm1は、出力負荷の状態により変動する。もし、可変抵抗素子RV2がない場合には、低負荷時には伝達コンダクタンスgm1は小さくなり、AC特性に係るゼロ点も低域側に近づく。
本実施形態に係る定電圧電源回路1aは、図6に示すように可変抵抗素子RV2の抵抗値を、出力電流に基づいて、AC特性に係るゼロ点を消去するように制御する。
詳細には、定電圧電源回路1aは、可変抵抗素子RV2の抵抗値を、出力段のトランジスタMP1のゲート電圧に基づいて、AC特性に係るゼロ点を消去するように制御する。
具体的には、定電圧電源回路1aは、出力段のトランジスタMP1のゲート電圧が高い場合(出力負荷が小さい場合)には、可変抵抗素子RV2の抵抗値が高くなるように制御する。つまり出力段のトランジスタMP1の伝達コンダクタンスgm1と、可変抵抗素子RV2の抵抗値の逆数1/Rが略同じになるように制御する。
また、定電圧電源回路1aは、出力段のトランジスタMP1のゲート電圧が上述した場合より小さい場合(出力負荷が上述した場合より大きい場合)には、可変抵抗素子RV2の抵抗値が上述した場合よりも低くなるように制御する。つまり出力段のトランジスタMP1の伝達コンダクタンスgm1と1/Rが略同じになるように制御する。
上述したように、本実施形態に係る定電圧電源回路1aは、出力段のトランジスタMP1のゲート電圧に応じて、可変抵抗素子RV2の抵抗値を、AC特性に係るゼロ点を消去するように、つまり出力段のトランジスタMP1の伝達コンダクタンスgm1と1/Rが略同じになるように制御するので、負荷変動があった場合でも、AC特性が良好である。
また、ゲート電圧に応じて可変抵抗素子RV2の抵抗値の制御を行うため、追加の電流を必要とせず、低消費電力を要求される低電源電圧回路に有効である。
図7は、本発明の定電圧電源回路の第3実施形態に係る回路図である。
本実施形態に係る定電圧電源回路1bは、第2実施形態に係る定電圧電源回路1aと比べて、可変抵抗素子RV2の替わりに、P型MOSFETMP12(トランジスタMP12とも言う)を用いている点である。その他の同一の機能の構成については説明を省略し、第2実施形態と第3実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態に係る定電圧電源回路1bは、例えば図7に示すように、演算増幅回路11としてのOTA、出力制御用のP型MOSFET(単にトランジスタとも言う)MP1、P型MOSFET(単にトランジスタとも言う)MP12、分圧回路12、可変抵抗素子RV、位相補償用キャパシタCc1、出力キャパシタ(平滑キャパシタ)Cを有する。

本実施形態に係る定電圧電源回路1bは、位相補償用キャパシタCc1と、可変抵抗として機能するトランジスタMP12が電源電圧VDDと出力段のトランジスタMP1のゲートに接続されている。
詳細には、トランジスタMP12のソースは電源電圧VDDに接続され、ゲートはトランジスタMP1のゲートに接続され、ドレインが位相補償用キャパシタCc1の一端に接続され、位相補償用キャパシタCc1の他端は、ノードnaを介してトランジスタMP1のゲートおよびOTAの出力端に接続されている。
本実施形態に係る定電圧電源回路1bは、出力電流をモニタするのではなく、出力段のトランジスタMP1のゲート電圧をモニタする。
MP12とMP1のゲート電圧が共通なので、可変抵抗に相当するトランジスタMP12の伝達コンダクタンスgm12は、出力段のトランジスタMP1の伝達コンダクタンスgm1と同じように変動する。
伝達コンダクタンスgm1とgm12が同じ値になるように、トランジスタMP12を形成することで、AC特性に係るゼロ点の影響を少なくすることができる。
また、上述した構成要素、具体的にはOTA、トランジスタMP1、トランジスタMP2、分圧回路12、可変抵抗素子RV、および位相補償用キャパシタCc1を、IC化(半導体基板上に集積化)して形成した際に、製造プロセスによるばらつきによるトランジスタの閾値電圧Vthの絶対ばらつきがあった場合であっても、同じPMOSであるためにVthの相対ばらつきを相殺することができ、出力負荷が変動したばあいであっても、高精度に安定した電圧を供給することができる。
図8は、本発明の定電圧電源回路の第4実施形態に係る回路図である。
本実施形態に係る定電圧電源回路1cは、例えば図8に示すように、演算増幅回路11としてのOTA、出力制御用のP型MOSFET(単にトランジスタとも言う)MP1、P型MOSFET(トランジスタ)MP12〜14、N型MOSFET(トランジスタ)MN15、定電流源Ib1、分圧回路12、位相補償用キャパシタCc1、および出力キャパシタ(平滑キャパシタ)Cを有する。
本実施形態に係る定電圧電源回路1cは、第1〜第3実施形態との相違点は、バッファ回路Bufとして動作するソースフォロワ回路(SF回路)MP14および定電流源Ib1と、ミラー補償として回路を形成している点である。同一の機能の構成については、同一の符号を付して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
トランジスタMP1のソースは電源電圧VDDに接続され、ドレインがノードnbおよび分圧回路12を介して基準電位GNDに接続され、ゲートはノードn21に接続されている。
定電流源の入力端は電源電圧VDDに接続され、出力端はノードn21を介してトランジスタMP1のゲート、およびトランジスタMP14のソースに接続されている。
トランジスタMP14のドレインは基準電位GNDに接続され、ゲートはノードnaに接続されている。
トランジスタMP13のソースは、電源電圧VDDに接続され、ドレインはノードnaを介して、トランジスタMN15のドレインに接続され、ゲートはOTAの第1の出力端およびトランジスタMP12のソースに接続されている。
トランジスタMP12のゲートおよびドレイン間には、ノードnaを介して位相補償用キャパシタCc1が接続されている。
トランジスタMN15のソースは基準電位GNDに接続され、ゲートはOTAの第2の出力端に接続されている。
OTAの反転入力端子は、参照電圧Vrefが供給される参照電圧端子Trefに接続され、OTAの非反転入力端子は直列接続された抵抗素子R1と抵抗素子R2間のノードn12に接続されている。
その他の構成は第1〜第3実施形態と略同様であるので説明を省略する。
上述したように、トランジスタMP14で形成されたソースフォロワ回路(SF回路)による電圧のドロップ分を考慮して、可変抵抗として機能するトランジスタMP12のソースが、OTAの第1の出力端に接続され、ゲートはSF回路のトランジスタMP14のゲートに接続されている。
ノードnaのDC電位Vaは、トランジスタMP1のゲート−ソース間電圧Vgs1と、トランジスタMP14のゲート−ソース間電圧Vgs14と、数式(4)に示す関係がある。
〔数4〕
Va=Vgs1+Vgs14 …(4)
一方、可変抵抗として機能するトランジスタMP12のゲート−ソース間電圧Vgs12は、トランジスタMP13のゲート−ソース間電圧Vgs13と、数式(5)に示す関係がある。
〔数5〕
Vgs12=Va−Vgs13 …(5)
トランジスタMP1の伝達コンダクタンスgm1は、定数A、出力段のトランジスタMP1のデバイスパラメータ、詳細にはチャネルの幅W1とチャネルの長さL1と、数式(6)の関係がある。
〔数6〕
gm1=A×(W1/L1)×(Vgs1−Vth) …(6)
トランジスタMP12の伝達コンダクタンスgm12は、定数A、出力段のトランジスタMP1のデバイスパラメータ、詳細にはチャネルの幅W12とチャネルの長さL12と、数式(7)の関係がある。
〔数7〕
gm12=A×(W12/L12)×(Vgs12−Vth) …(7)
本実施形態に係る定電圧電源回路1cは、AC特性に係るゼロ点の影響を少なくするように、例えばgm1=gm12となるように、各パラメータを制御して設定する。
詳細には、定電圧電源回路1cは、数式(4)〜(7)に基づいて、数式(8)が成り立つように各パラメータを制御して設定する。
〔数8〕
(W1/L1)×(Vgs1−Vth)=(W12/L12)×(Vgs1+Vgs12−Vgs13−Vth) …(8)
こうすることにより、定電圧電源回路1cは、出力負荷があった場合でも、AC特性に係るゼロ点の影響が少なくなり、高精度に安定した電圧を供給することができる。
また、本実施形態に係る定電圧電源回路1cは、ミラー補償も行っているために位相補償用キャパシタCc1のキャパシタンスを、第2〜第3実施形態に係る位相補償用キャパシタCc1のキャパシタンスよりも小さくすることができる。
図9は、本発明の定電圧電源回路の第5実施形態に係る回路図である。
本実施形態に係る定電圧電源回路1dは、第4実施形態との大きな相違点としては、演算増幅回路11としてのOTAを具体的な回路により構成した点である。同一の機能の構成については同じ符号を付して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
本実施形態に係る定電圧電源回路1dは、例えば図9に示すように、出力制御用のP型MOSFET(単にトランジスタとも言う)MP12〜MP14,MP31〜MP33、N型MOSFET(トランジスタ)MN34〜MN39、定電流源Ib1、定電流源Ib2、位相補償用キャパシタCc1、分圧回路12、および出力キャパシタ(平滑キャパシタ)Cを有する。
トランジスタMP12は本発明に係る抵抗素子に相当する。
定電圧電源回路1dは、機能的には例えば図9に示すように、差動型増幅回路OP111として、差動対のトランジスタMP31,MP32、および定電流源Ib2を有する。
定電流源Ib2の入力端は電源電圧VDDに接続され、出力端はトランジスタMP31,MP32のソースに接続されている。
トランジスタMP31のゲートは、参照電圧Vrefが供給される参照電圧端子Trefに接続され、ドレインはノードn31に接続されている。
トランジスタMP32のゲートは、分圧回路12内のノードn12に接続され、ドレインはノードn32に接続されている。
この差動型増幅回路OP111は、参照電圧Vrefと分圧回路12内のノードn12の電圧との差に応じた出力を行う。
第1のカレントミラー回路CM1として機能するトランジスタMN34,MN35のゲートは、ノードn31に接続され、トランジスタMN34,MN35のソースは基準電位GNDに接続されている。トランジスタMN35のドレインはノードn31に接続されている。トランジスタMN34のドレインは、トランジスタMN38のソースに接続されている。
第1のカレントミラー回路CM1は、例えば差動型増幅回路OP111のトランジスタMP31のドレインから出力された信号S31を所定の電流倍率で電流増幅してトランジスタMN38のソースに出力する。
第2のカレントミラー回路CM2として機能するトランジスタMN36,MN37のゲートは、ノードn32に接続され、トランジスタMN36,MN37のソースは基準電位GNDに接続されている。トランジスタMN36のドレインはノードn32に接続されている。トランジスタMN37のドレインは、トランジスタMN39のソースに接続されている。
第2のカレントミラー回路CM1は、例えば差動型増幅回路OP111のトランジスタMP32のドレインから出力された信号S32を所定の電流倍率で電流増幅してトランジスタMN39のソースに出力する。
トラジスタMN38,MN39のゲートは、バイアス電圧Bias1が供給される端子TBに接続されている。また、トラジスタMN38のドレインは、ノードn34に接続されている。トラジスタMN39のドレインは、ノードnaと接続されている。
トラジスタMN38と第1のカレントミラー回路CM1とはカスコード接続している。また、トラジスタMN39と第2のカレントミラー回路CM2とはカスコード接続している。
第3のカレントミラー回路CM3として機能するトランジスタMP33,MP13のゲートは、ノードn34に接続されている。
トランジスタMP33,MP13のソースは電源電圧VDDに接続されている。
トランジスタMP13ゲートは、トランジスタMP12のソースに接続され、トランジスタMP12のゲートはノードnaおよびトランジスタMP13のドレインに接続されている。また、トランジスタMP12のゲート−ドレイン間には位相補償用キャパシタCc1が接続されている。
第3のカレントミラー回路CM3は、トランジスタMN38のドレインから入力された信号S38を所定の電流倍率で電流増幅してトランジスタMP13のドレインからノードnaに出力する。
トランジスタMP14のゲートには、ノードnaが接続され、ドレインが基準電位GNDに接続され、ソースがノードn21を介して、定電流源Ib1の出力端およびトランジスタMP1のゲートに接続される。
トランジスタMP1のソースおよび定電流源Ib1は、電源電圧VDDに接続されている。
トランジスタMP1のドレインは、ノードnbおよび分圧回路12を介して基準電位GNDに接続されている。
トランジスタMP1のドレインは、ノードnbおよび端子Toを介して、平滑キャパシタCおよび負荷部LOADに接続されている。
平滑ャパシタCおよび負荷部LOADそれぞれの他端は基準電位GNDに接続されている。
また、本実施形態では基準電位GNDはソース電源電圧VSSに相当する。
上述した構成の定電圧電源回路1dの動作は、第4実施形態に係る定電圧電源回路1cの作用、効果と同じである。
詳細には、本発明に係る可変抵抗として機能するトランジスタMP12は、バッファ回路Bufとして機能するトランジスタMP14による電圧低下分を考慮して、出力段のトランジスタMP1のゲート電圧に基づいて、AC特性に係るゼロ点による影響を少なくするように、伝達コンダクタンスgm12の値を制御する。
図10は、本発明の定電圧電源回路の第6実施形態に係る回路図である。
本実施形態に係る定電圧電源回路1eは、第5実施形態と異なる点は、第1の位相補償用キャパシタCc1と、新たに第2の位相補償用キャパシタCc2を有する点である。
その他の同様な機能を有する構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
第1の位相補償用キャパシタCc1は、上述したようにノードnaとトランジスタMP12のドレイン間に接続されている。
第2の位相補償用キャパシタCc2は、トランジスタMN39のソースとトランジスタMN37のドレイン間のノードncと、ノードnb間に接続されている。
定電圧電源回路1eの通常の帰還ループは、ノードn12から差動型増幅回路OP111に入力され、第1〜第3のカレントミラー回路CM1〜CM3、ノードna、バッファ回路Buf、およびトランジスタMP1により形成される。
また、本実施形態に係る定電圧電源回路1eの高速な帰還ループは、ノードnb、位相補償用キャパシタCc2、ノードnc、トランジスタMN39、ノードna、バッファ回路Buf、およびトランジスタMP1により形成される。
この高速な帰還ループにより、急激な負荷変動が起こった場合であっても最適な位相補償を行い、安定した電圧を供給することができる。また、高速な帰還ループにおいては、トランジスタMN39による増幅作用があり、またトランジスタMN39がゲート接地回路として動作するため負荷変動特性が良好である。
また、第2の位相補償用キャパシタCc2がグランド基準のノードncに接続してミラー位相補償を施し、OTAに極分離を伴う位相補償を行うので、高周波領域においても高性能のPSRR特性を実現することができ、安定した電圧を供給することができる。
図11は、本発明の定電圧電源回路の第7実施形態に係る回路図である。
上述した第1〜第6実施形態に係る定電圧電源回路は、正電源電圧VDDを用いていたが、例えば図11に示すような負電圧電源(−VDD)により動作する回路構成にしてもよい。
例えば本実施形態に係る定電圧電源回路1fは、図11に示すように、演算増幅回路11としてのOTA、出力制御用のN型MOSFET(単にトランジスタとも言う)MN41、分圧回路12、可変抵抗素子RV、位相補償用キャパシタCc1、出力キャパシタ(平滑キャパシタ)Cを有する。
出力制御用トランジスタMN41のソースは、電源電圧(−VDD)に接続し、ドレインがノードnbおよび分圧回路12を介して基準電位GNDに接続され、ゲートがノードnaを介してOTAの出力端に接続されている。
OTAの反転入力端子は、参照電圧Vrefが供給される参照電圧端子Trefに接続し、非反転入力端子は、分圧回路12内の直列接続された抵抗素子R1,R2間のノードn11に接続されている。
また、トランジスタMN41のドレインは、ノードnb、出力端子To、および平滑キャパシタCcを介して基準電位GNDに接続されている。また、トランジスタMN41のドレインは、ノードnb、出力端子To、および負荷部LOADを介して基準電位GNDに接続されている。
また、可変抵抗素子RVと位相補償用キャパシタCc1がトランジスタMN41のゲート−ソース間に、直列に接続されている。
可変抵抗素子RVは、上述したように負荷部LOADの負荷変動に応じて、抵抗値をAC特性に係るゼロ点を消去するように設定される。
具体的には、可変抵抗素子RVは、図11に示すように、トランジスタMN42により構成され、トランジスタMN41のゲート電圧に基づいて、抵抗値をAC特性に係るゼロ点を消去するように設定する。
より具体的には、トランジスタMN42は、図11に示すようにドレインおよびゲートがトランジスタMN41のゲートに接続され、ソースが位相補償用キャパシタCc1の一端に接続され、位相補償用キャパシタCc1の他端がトランジスタMN41のソースおよび電源電圧(−VDD)に接続されている。
以上の構成の動作は、第1〜第6実施形態と同様であるので説明を省略する。
なお、本発明は本実施形態に限られるものではなく、任意好適な改変が可能である。
このように負電源電圧を用いた場合であっても、本発明に係る機能を有する回路を構成することができ、負荷変動があった場合であっても、高品質の電圧を供給することができる。
また、負電圧電源を用いた回路構成は、上述した形態に限られるものではない。例えば第1〜第6実施形態に係る定電圧電源回路を、負電圧電源回路を用いるような回路構成をとることにより、本発明に係る機能を実現することができる。
本発明に係る定電圧電源回路は、負荷変動があった場合であっても、安定化した電圧を供給することができるので、例えば携帯型の通信装置や情報処理装置等に適用できる。
定電圧電源回路に係る第1具体例を示す回路図である。 定電圧電源回路に係る第2具体例を示す回路図である。 (A),(B)は、図1,2に示した定電圧電源回路の周波数特性を説明するための図である。(A)は利得(ゲイン)の周波数特性を説明するための図である。(B)は電源電圧変動除去比(PSRR:Power Supply Rejection Ratio)の周波数特性を説明するための図である。 本発明の定電圧電源回路の第1実施形態を示す回路図である。 (A),(B)は、図4に示した定電圧電源回路のゼロ点がある場合と、ゼロ点を消去した場合の周波数特性を示す図である。(A)は利得(ゲイン)の周波数特性を示す図である。(B)は位相の周波数特性を示す図である。 本発明の定電圧電源回路の第2実施形態に係る回路図である。 本発明の定電圧電源回路の第3実施形態に係る回路図である。 本発明の定電圧電源回路の第4実施形態に係る回路図である。 本発明の定電圧電源回路の第5実施形態に係る回路図である。 本発明の定電圧電源回路の第6実施形態に係る回路図である。 本発明の定電圧電源回路の第7実施形態に係る回路図である。
符号の説明
1…定電圧電源回路(低ドロップアウトレギュレータ回路)、11…演算増幅回路(OTA:Operational trans conductance amp)、12…分圧回路、Cc1,Cc2…位相補償用キャパシタ、C…出力キャパシタ(平滑キャパシタ)、gm,gm1,gm2,gm3,gm12…伝達コンダクタンス(トランスコンダクタンス),RV…可変抵抗、MP1…出力制御用トランジスタ。

Claims (9)

  1. 入力された制御信号および電源電圧に応じた電圧を出力する出力回路と、
    前記出力回路による出力電圧と参照電圧との差に基づいて前記制御信号を出力する制御回路と、
    前記出力回路と前記制御回路との間のノードと、前記電源電圧との間に、直列接続された位相補償用キャパシタおよび抵抗素子とを有し、
    前記抵抗素子は、当該抵抗素子の抵抗値、前記出力回路の内部電流に応じて変動する伝達コンダクタンス、および位相補償用キャパシタのキャパシタンスにより規定される位相特性のゼロ点を消去するように、当該抵抗素子の抵抗値が設定されている
    定電圧電源回路。
  2. 電源電圧と出力端子間に接続され、入力された制御信号および前記電源電圧に応じた電圧を出力する出力制御用トランジスタと、
    前記出力制御用トランジスタによる出力電圧と参照電圧との差に基づいて前記制御信号を出力する制御回路と、
    前記出力制御用トランジスタと前記制御回路との間のノードと、前記電源電圧との間に、直列接続された位相補償用キャパシタおよび抵抗素子とを有し、
    前記抵抗素子は、当該抵抗素子の抵抗値、前記出力制御用トランジスタの内部電流に応じて変動する伝達コンダクタンス、および位相補償用キャパシタのキャパシタンスにより規定される位相特性のゼロ点を消去するように、当該抵抗素子の抵抗値を設定されている
    定電圧電源回路。
  3. 前記抵抗素子は、前記抵抗素子の抵抗値、および前記伝達コンダクタンスの逆数に応じて、前記位相特性のゼロ点を消去するように、当該抵抗素子の抵抗値が設定されている
    請求項1または2に記載の定電圧電源回路。
  4. 前記出力制御用トランジスタは、前記電源電圧と出力端子間にソース−ドレインが接続され、ゲートから入力された制御信号および前記電源電圧に応じた電圧を出力し、
    前記抵抗素子は、前記出力制御用トランジスタのゲート電圧に基づいて、前記当該出力制御用トランジスタの伝達コンダクタンスの逆数と等しくなるように、当該抵抗素子の抵抗値が設定されている
    請求項2に記載の定電圧電源回路。
  5. 前記抵抗素子は、前記電源電圧と前記位相補償用キャパシタとの間に接続され、前記出力制御用トランジスタのゲート電圧に基づいて、前記当該出力制御用トランジスタの伝達コンダクタンスの逆数と等しくなるように、内部抵抗値を設定するトランジスタを含む
    請求項2に記載の定電圧電源回路。
  6. 前記出力制御用トランジスタのゲートと、前記抵抗素子としてのトランジスタのゲートが接続され、
    前記出力制御用トランジスタおよび前記抵抗素子としてのトランジスタの伝達コンダクタンスが等しくなるように、前記抵抗素子としてのトランジスタのデバイスパラメータが設定されている
    請求項5に記載の定電圧電源回路。
  7. 前記制御回路から出力される制御信号をバッファして、前記出力制御用トランジスタのゲートに入力するバッファ回路を有し、
    前記抵抗素子は、前記バッファ回路を介した前記出力制御用トランジスタのゲート電圧に基づいて、前記位相特性のゼロ点を消去するように、当該抵抗素子の抵抗値が設定されている
    請求項2に記載の定電圧電源回路。
  8. 前記出力端子と、前記制御回路内部のグランド基準のノードとの間に接続され、ミラー位相補償を行う第2の位相補償用キャパシタを含む
    請求項2に記載の定電圧電源回路。
  9. 電源電圧と出力端子間に接続され、ゲートに入力された制御信号に応じた安定化された出力電圧を供給するP型MOSトランジスタと、
    出力制御用トランジスタの出力電圧を分圧する分圧回路と、
    前記分圧回路による出力電圧の分圧と、参照電圧に基づいて前記制御信号を生成する演算増幅回路と、
    前記出力制御用トランジスタと、前記演算増幅回路との間のノードと、前記電源電圧との間に、直列接続された位相補償用キャパシタおよび抵抗素子とを有し、
    前記抵抗素子は、当該抵抗素子の抵抗値、負荷に応じて変動する前記P型MOSトランジスタの伝達コンダクタンス、および位相補償用キャパシタのキャパシタンスにより規定される位相特性のゼロ点を消去するように、当該抵抗素子の抵抗値が設定されている
    定電圧電源回路。
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