JP2005257787A - 画像形成装置、およびクリーニング装置 - Google Patents

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聡 重崎
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雅史 池田
Hiroe Okuyama
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Kanji Shintaku
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Abstract

【課題】残留トナーの量に関わらず、長期に渡って精度良くクリーニングを行って良質な画像を形成することができる画像形成装置、およびクリーニング装置を提供することを目的とする。
【解決手段】表面に画像を担持して回転する像担持体と、像担持体の表面を露光して潜像を形成する露光器と、潜像を現像して像担持体の表面にトナー像を形成する現像器と、トナー像を被転写体に転写する転写器とを備えた画像形成装置において、担持体上のトナーを除去するブレードと、担持体からのトナーの除去と、除去したトナーの放出とを行うブラシと、この画像形成装置が形成する画像の密度に従って、ブラシによるトナーの除去および放出を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置と、像担持体上の残留トナーを除去するクリーニング装置に関する。
従来より、帯電させた感光体の表面を露光して潜像を形成し、その潜像を現像してトナー像を形成し、そのトナー像を直接に、あるいは中間転写体などを介在させて、最終的には記録媒体上に転写する画像形成装置が知られている。トナー像が転写された後の感光体の表面には、転写されずに残ってしまったトナーなどといった残留物が付着しており、通常、このような画像形成装置には、次の画像形成プロセスに備えて残留物を除去するためのクリーニング装置が備えられている。このクリーニング装置としては、ファーブラシや磁気ブラシ等を使用するものや、クリーニングブレードを使用するものなどがあるが、構成が簡素で安価なことにより、クリーニングブレードで感光体の表面に付着した残留物を掻き落とすタイプのクリーニング装置が広範に使用されている。
ところで、クリーニングブレードを使用するクリーニング装置は、クリーニングブレードが感光体の表面に押し付けられているため、長い間使用していると、クリーニングブレードのエッジや感光体の表面が磨耗してしまい、クリーニングの性能が劣化してしまう。通常は、トナーにまぶされる外添剤が、感光体とクリーニングブレードとの間の摩擦を低下させる潤滑剤の役割を担っており、クリーニングブレードと感光体の寿命を向上させる役割を担っている。
また、近年では、トナーを生成する方法として、重合法が用いられてきている。重合法で生成されたトナーは、小径な球状を有しており、感光体上に形成されるドットの再現性や転写性を向上させることができ、高画質な画像を形成することができる。一方、重合法で生成されたトナーは、その形状から、クリーニングが困難であるという特徴があり、上述したような、クリーニングブレードや感光体の磨耗が生じると、クリーニング性能の悪化が顕著に表れてしまうという問題がある。
この点に関し、特許文献1には、ブラシとクリーニングブレードとを併用するとともに、ブラシにトナーと逆極性のバイアス電圧を印加することにより、ブラシでのトナー除去率を30%〜70%程度に制御する技術について記載されている。この特許文献1の技術によると、ブラシを使って感光体上の残留トナーを適度に除去することによって、クリーニングブレードでの負荷を軽減させることができるうえ、クリーニングブレードや感光体の磨耗を抑えて、クリーニング性能を向上させることができる。
特開2003−58011号公報
しかし、特許文献1の方法によると、使用されるトナーの量が少ない低密度画像が続いた場合などには、クリーニング装置に供給される残留トナーの量自体が少ないため、クリーニングブレードや感光体の磨耗を抑えることができない。また、多量のトナーが使用される高解像度画像が続いた場合や、トナー像の転写が失敗したときなどには、クリーニング装置に多量の残留トナーが供給されてしまうため、トナー除去率が低く抑えられたブラシをクリーニングブレードと併用しても、残留トナーを十分に除去することができないという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、残留トナーの量に関わらず、長期に渡って精度良くクリーニングを行って良質な画像を形成することができる画像形成装置、およびクリーニング装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は、表面に画像を担持して回転する像担持体と、像担持体の表面を帯電させる帯電器と、帯電後の像担持体表面を露光して潜像を形成する露光器と、潜像をトナーを含んだ現像剤で現像して像担持体の表面にトナー像を形成する現像器と、現像器で形成されたトナー像を被転写体に転写する転写器とを備えた画像形成装置において、
像担持体の回転における転写器の下流側かつ帯電器の上流側で該像担持体の表面に当接する、像担持体上のトナーを除去するブレードと、
像担持体の回転における転写器の下流側かつブレードの上流側で像担持体の表面に接する、像担持体からのトナーの除去と、除去したトナーの像担持体への放出とを行うブラシと、
この画像形成装置が形成する画像の密度に従って、ブラシによるトナーの除去および放出を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
また、上記目的を達成する本発明のクリーニング装置は、表面に画像を担持して回転する像担持体と、像担持体の表面を帯電させる帯電器と、帯電後の像担持体表面を露光して潜像を形成する露光器と、潜像をトナーを含んだ現像剤で現像して像担持体の表面にトナー像を形成する現像器と、現像器で形成されたトナー像を被転写体に転写する転写器とを備えた画像形成装置における、転写後の像担持体上に残存するトナーを除去するクリーニング装置において、
像担持体の表面に当接する、像担持体上のトナーを除去するブレードと、
像担持体の回転におけるブレードの上流側で像担持体の表面に接する、像担持体からのトナーの除去と、除去したトナーの像担持体への放出とを行うブラシと、
この画像形成装置が形成する画像の密度に従って、ブラシによるトナーの除去および放出を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、残留トナーの量に関わらず、長期に渡って精度良くクリーニングを行って良質な画像を形成することができる画像形成装置、およびクリーニング装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態が適用されたプリンタの主要部を示す概略構成図である。
図1に示すように、プリンタ1は、記録媒体200上に画像を形成する画像形成部11と、画像形成部11の各種要素を制御する出力制御部12とを有している。
画像形成部11は、感光体110と、帯電器120と、露光器130と、現像器140と、クリーニング装置150と、除電器160と、転写器170と、定着器180とを備えており、出力制御部12は、制御部101と、帯電電源121と、現像バイアス電源141と、ブラシバイアス電源153と、除電電源161と、転写バイアス電源171とを備えている。感光体110の表面110aは、熱や磨耗に対する強度が高いシロキサン系の樹脂で形成されている。この感光体110は、本発明における像担持体の一例に相当する。また、帯電器120は、本発明における帯電器の一例に相当し、同様に、露光器130は、本発明における露光器の一例に相当し、現像器140は、本発明における現像器の一例に相当し、転写器170は、本発明における転写器の一例に相当する。現像器140の内部には、平均形状指数SF(SF=100×π×ML2/4A ML:トナーの絶対最大長、A:トナーの投影面積)が100〜140であるトナーが格納されている。このトナーは、小径な球形を有しているため、ドットの再現性や転写性に優れており、高画質な画像を形成することができる。
尚、以下では、図1に示す一連の要素を、トナー像を形成して、そのトナー像を記録媒体200上に転写するために稼動するプロセスを画像形成プロセスと称し、画像形成プロセス以外のプロセスを画像非形成プロセスと称する。この画像非形成プロセスには、次の画像が形成されるまでの間のインターイメージや、電源起動直後(セットアップ)、画像形成開始直前(スタートサイクル)、画像形成終了直後(サイクルアウト)、濃度調整用のパッチ生成時などが含まれる。これらの画像非形成プロセスにおいては、特に、転写器170や定着器180などが稼動していない。
このプリンタ1の画像形成プロセスにおける基本動作について説明する。
プリンタ1には、原稿画像を読み取って、原稿画像を表わす画像データを生成するスキャナ(図示しない)が接続されており、スキャナで生成された画像データが制御部101に送られて、一連の画像形成処理が開始される。
まず、画像を形成するための準備処理が行われる。制御部101からの指示により、感光体110が矢印A方向に回転されるとともに、帯電電源121から帯電器120に電圧が印加されて、感光体110の表面110aに所定の電荷が付与される。この例では、帯電器120によって感光体110がマイナスに帯電される。
続いて、制御部101から露光器130に画像データが与えられる。露光器130により、感光体110表面に画像データに相当する露光光が照射されて静電的な潜像(静電潜像)が形成される。
続いて、制御部101から現像バイアス電源141に指示が与えられ、現像バイアス電源141は、現像器140と感光体110との間の現像位置に現像バイアス電圧を印加する。現像器140では、内部に収納された現像剤中のトナーがマイナスに帯電されており、現像バイアス電圧の印加によって、トナーが静電潜像に付着し、感光体110上にトナー像が形成される。
感光体110上に形成されたトナー像は、感光体110の回転に伴って転写器170に移動される。トナー像が転写器170に移動されるタイミングに合わせて、搬送手段(図示しない)によって記録媒体200が転写器170に搬送されるとともに、制御部101の指示で転写バイアス電源171から転写器170に転写バイアス電圧が印加され、記録媒体200上にトナー像が転写される。
トナー像が記録媒体200上に転写されると、制御部101からの指示によって、ブラシバイアス電源153からクリーニング装置150のブラシ151にブラシバイアス電圧が印加され、クリーニング装置を構成するブラシ151とブレード152によって、感光体110に残存する残留トナーが掻き取られて除去される。このクリーニング装置150については後で詳しく説明する。
クリーニングが終了すると、制御部101から除電電源161に指示が与えられ、除電電源161から除電器162に除電電圧が印加される。除電器162は、感光体110上に残存する残電荷を除去する。
また、記録用紙200上に転写されたトナー像は、記録用紙200とともに定着器180に向けて搬送され、定着器180により記録用紙200上に定着される。以上のような一連の処理によって、記録媒体200上に画像が形成される。
ここで、プリンタ1における本発明の一実施形態としての特徴は、図1に示すクリーニング装置150にある。以下では、このクリーニング装置150について説明する。
図2は、図1に示す感光体とクリーニング装置の一部を示す図である。
図2に示すクリーニング装置150は、感光体110に接触し、感光体110上に残存するトナー300を、図1に示すブラシバイアス電源153から印加されるブラシバイアス電圧によって除去/放出するブラシ151と、感光体110の回転方向Aにおけるブラシ151の下流側で感光体110に当接して、ブラシ151で除去されなかったトナー300を掻き取るブレード152とを備えている。ブラシ151は、本発明におけるブラシの一例にあたり、ブレード152は、本発明におけるブレードの一例に相当する。また、図1に示すブラシバイアス電源153と制御部101とを合わせたものは、本発明にいう制御部の一例に相当する。
ここで、潤滑剤の役割を担うトナー300がブレード152に十分に供給されない場合、ブレード152と感光体110との間には大きな摩擦がかかってしまい、ブレードめくれなどが生じてクリーニング性能が劣化してしまう。逆に、ブレード152に供給されるトナー300が多すぎる場合には、ブレード152でトナー300を除去しきれず、クリーニング不良が生じてしまうという問題がある。クリーニング装置150に供給されるトナー300の量は、現像器140で形成されるトナー像の画像密度にほぼ比例するため、図1に示す制御部101は、画像データに基づいてトナー像の画像密度を推測し、推測した画像密度に従って、ブラシバイアス電源153からブラシ151に供給されるブラシバイアス電圧を制御する。
図3は、画像データに基づいて推定されたトナー像の平均画像面積率を示す図であり、図4は、画像データに基づいて画像を形成するときの、感光体とクリーニング装置の一部を示す図である。
通常、図1に示す制御部101に入力される画像データは、原稿画像を構成する微小領域ごとの2値データ(ビットマップデータなど)である。この例では、制御部101は、まず、画像データに基づいて、感光体110の軸方向における微小区間ごとの積算データ値を算出し、その積算データ値に基づいて、感光体110の軸方向における微小区間ごとの平均画像面積率を算出する。この平均画像面積率は、画像密度とほぼ同義であるため、以下では、これらを同じものとして用いる場合がある。
図3に示す上限閾値P_MAXは、平均画像面積率がこの値を超える場合、クリーニング装置150に供給されるトナー300の量が多量になり、ブレード152のみではトナー300を十分に除去することができなくなると予測される値であり、下限閾値P_MINは、平均画像面積率がこの値よりも小さい場合、クリーニング装置150に供給されるトナー300の量が少量であり、ブレード152と感光体110との間の摩擦力が大きくなると予測される値である。
まず、制御部101に高密度画像を表わす高密度画像データが入力される場合について説明する。
図3のパート(A)には、高密度画像データに基づいて推定されたトナー像の平均画像面積率が示されている。高密度画像データにおいては、平均画像面積率が常に下限閾値P_MINを超えているうえ、上限閾値P_MAXを超えている部分が存在し、多量のトナーがクリーニング装置150に供給されると推測される。図1に示す制御部101は、トナー(マイナスに帯電)と逆極性(プラス)のブラシバイアス電圧をブラシバイアス電源153からブラシ151に供給させる。
図4のパート(A)には、高密度画像データに基づいて画像を形成するときの、感光体とクリーニング装置の一部が示されている。感光体110には多量のトナー300が転写されずに残っているが、ブラシ151に印加されたブラシバイアス電圧(プラス)によってトナー300が引き寄せられ、ブラシ151にトナー300が保持される。この結果、ブラシ151に保持されずにブレード152に供給される残トナー301の量が軽減されるため、ブレード152で残トナー301を十分に除去することができる。このように、クリーニング装置150によると、多量のトナーが供給された場合には、それらのトナーがブラシでも除去されるため、精度良くクリーニングを行うことができる。
続いて、制御部101に中密度画像を表わす中密度画像データが入力される場合について説明する。
図3のパート(B)には、中密度画像を表わす中密度画像データに基づいて推定されたトナー像の平均画像面積率が示されている。中密度画像データにおいては、平均画像面積率が、常に、下限閾値P_MINと上限閾値P_MAXとの間にある。この場合、ブラシ151にブラシバイアス電圧を印加しなくても、ブレード152には適度な量の残トナー301が供給されるとともに、ブレード152で十分に精度良くクリーニングを行うことができる。したがって、図1に示す制御部101は、ブラシバイアス電圧を0Vにする(あるいは接地する)。
図4のパート(B)には、中密度画像データに基づいて画像を形成するときの、感光体とクリーニング装置の一部が示されている。感光体110上に残されたトナー300は、一部がブラシ151によって機械的に除去され、残トナー301がブレード152に供給されて、ブレード152で掻き取られることによって、精度良くクリーニングを行うことができる。
続いて、制御部101に低密度画像を表わす低密度画像データが入力される場合について説明する。
図3のパート(C)には、低密度画像を表わす低密度画像データに基づいて推定されたトナー像の平均画像面積率が示されている。低密度画像データにおいては、平均画像面積率が常に上限閾値P_MAXを下回っているうえ、下限閾値P_MINをも下回っている部分が存在し、トナーがクリーニング装置150に十分には供給されないと推測される。図1に示す制御部101は、トナー(マイナスに帯電)と同極性(マイナス)のブラシバイアス電圧をブラシバイアス電源153からブラシ151に印加させる。
図4のパート(C)には、低密度画像データに基づいて画像を形成するときの、感光体とクリーニング装置の一部が示されている。クリーニング装置150には、ほとんどトナー300が供給されないが、ブラシ151に保持されていたトナー302が感光体110に放出される。この結果、ブラシ151から放出されたトナー302がブレード152に供給されるため、ブレード152と感光体110との間の摩擦を軽減することができる。このように、クリーニング装置150によると、低密度画像が連続して形成されるときには、ブラシ151からブレード152に積極的にトナー302が供給され、良好なクリーニング性能を維持することができる。
続いて、制御部101に、低密度な画像部分と高密度な画像部分とが混在した混在画像を表わす混在画像データが入力される場合について説明する。
図3のパート(D)には、混在画像データに基づいて推定されたトナー像の平均画像面積率が示されている。混在画像データにおいては、平均画像面積率が下限閾値P_MINを下回っている部分と、上限閾値P_MAXを超えている部分とが混在しており、クリーニング装置150に供給されるトナーの量にばらつきがあると推測される。
図1に示す制御部101は、まず、トナー(マイナスに帯電)と逆極性(プラス)のブラシバイアス電圧をブラシバイアス電源153からブラシ151に印加させる。このとき、図4のパート(A)に示すように、ブラシ151に印加されたブラシバイアス電圧によってトナー300が引き寄せられ、ブラシ151にトナー300が保持される。このとき、ブレード152に供給される残トナー301の量が軽減され、ブレード152で残トナー301を残さずに除去することができる。
また、図3のパート(D)に示すように、混在画像データにおいては、平均画像面積率が下限閾値P_MINを下回っている部分があり、感光体110上の位置によっては、残トナー301が十分には供給されず、摩擦が大きくなってしまう。図1に示す制御部101は、次の画像が形成されるまでの間(インターイメージ)などに、トナー(マイナスに帯電)と同極性(マイナス)のブラシバイアス電圧を印加させ、ブラシ151から残トナー301を放出させる(図4パート(C)参照)。この結果、ブレード152にトナー302が供給されて、感光体110との摩擦が軽減される。このように、混在画像時には、まず高密度画像における制御を行い、ブラシ151にトナーを保持させてから、低密度画像における制御を行って、ブラシ151にトナーを放出させることにより、効率よくトナー量の制御を行うことができる。
また、制御部101は、トナー像の転写を伴う一連の画像形成プロセスだけでなく、上述したインターイメージや、電源起動直後(セットアップ)、画像形成開始直前(スタートサイクル)、画像形成終了直後(サイクルアウト)、濃度調整用などのパッチ生成時などといった画像非形成プロセスにおいても、ブラシ151におけるトナーの除去/放出を制御する。画像非形成プロセス中は、クリーニング装置150にトナーが供給されない、あるいは、供給されても極少量であるため、画像非形成プロセスにおいては、制御部101はトナー(マイナスに帯電)と同極性(マイナス)のブラシバイアス電圧を印加させ、ブラシ151から残トナー301を放出させる。この結果、ブレード152の磨耗が抑えられ、良好なクリーニングが維持される。
以上のように、クリーニング装置150によると、供給される残留トナーの量に関わらず、長期に渡って精度良くクリーニングを行うことができる。また、このようなクリーニング装置150を適用することによって、プリンタ1では、長期に渡って高画質な画像を形成することができる。
以上で、本実施形態の説明を終了する。
ここで、本発明は、像担持体からのトナーの除去と、除去したトナーの像担持体への放出とを行うブラシと、画像形成装置が形成する画像の密度に従って、ブラシによるトナーの除去および放出を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
本発明によると、使用されるトナー量の少ない低密度画像を形成する際には、像担持体へトナーを放出するようにブラシを制御することによって、ブラシにトナーが確実に供給され、ブラシや像担持体の磨耗を抑えて良好なクリーニング性能を維持することができる。また、多量のトナーが使用される高密度画像を形成する際には、像担持体上のトナーを除去するようにブラシを制御することによって、ブラシとブレードとの両方で確実にトナーを除去することができる。したがって、本発明によると、供給される残留トナーの量に関わらず、長期に渡って精度良くクリーニングを行うことができ、高画質な画像を形成することができる。
また、本発明において、ブラシが、バイアス電圧の印加を受けて、バイアス電圧によってトナーの除去および放出を行うものであり、
制御部が、ブラシに印加されるバイアス電圧を制御するものであることが好適である。
上述したクリーニング装置150(図1および図2参照)は、この好適な形態におけるクリーニング装置の一例に相当している。
従来から、ブラシにバイアス電圧を印加して、ブラシに保持されたトナーを除去することなどが行われている。本発明の好適な形態によると、ブラシに印加するバイアス電圧を制御することによって、ブラシで除去/放出されるトナー量を変更する特別な機構を備えることなく、ブレードに供給されるトナーの量を調整することができる。
また、本発明において、制御部が、画像の密度が所定の密度以上の場合には、ブラシに、トナーを除去するバイアス電圧を印加するとともに、画像の密度が所定の密度よりも少ない場合には、ブラシに、トナーを放出するバイアス電圧を印加するものであることがさらに好ましい。
上述したクリーニング装置150(図1および図2参照)は、このさらに好ましい形態におけるクリーニング装置の一例にも相当している。
ブラシに印加するバイアス電圧の極性を変えるなどして、ブラシで除去/放出されるトナー量を制御することにより、ブレードに供給されるトナーの量を容易に調整することができる。ブラシに印加されるバイアス電圧を制御することによってトナーの除去/放出を行う場合、ブラシバイアス電圧は、像担持体との電位差が200V〜400Vであることが好ましい。例えば、トナー除去時で、像担持体の転写通過後の電位が−100Vの場合には、ブラシの電位は+100V〜+300Vであることが好ましく、トナー放出時で、像担持体の転写通過後の電位が−100Vの場合には、ブラシの電位は−300V〜−500Vであることが好ましい。
また、上記では、ブラシバイアスの印加方法として、直流定電圧を印加する例について説明したが、ブラシバイアスの印加方法は、直流、交流のいずれでもよく、さらに、定電圧、定電流のいずれでもよい。
また、上記では、ブラシに印加するバイアス電圧の極性を変えることによって、ブラシでのトナー除去/放出を制御する例について説明したが、本発明にいう制御部は、例えば、ブラシに付着したトナーを除去するフリッカーバーを備えたクリーニング装置に対して、そのフリッカーバーでのトナー除去量を制御することにより、ブラシで保持されるトナーの量などを機械的に調整するものであってもよい。
また、本発明において、制御部が、トナー像を形成してトナー像を最終的な被転写体に転写するための一連の装置を稼動させる画像形成プロセスを除く画像非形成プロセスにおいては、ブラシに、トナーを放出するバイアス電圧を印加するものであることが好ましい。
画像非形成プロセスにおいては、クリーニング装置にトナーが供給されないため、ブラシに保持されているトナーを感光体に放出して、ブレードに強制的にトナーを供給することが好ましい。この画像非形成プロセス時の処理は、画像非形成プロセス時にトナーバンドを作成する技術よりも、ブレードと感光体の間の摩擦を効率よく抑えることができ、ブレードの磨耗に対して良好な効果が得られる。
また、上記では、高密度画像が続いたときに、ブラシでのトナー除去を行う例について説明したが、ブラシでのトナー除去を行う場合としては、図1の転写器170で転写エラーが生じて、クリーニング装置150に多量のトナーが供給される場合なども考えられる。この場合、画像データからは、多量のトナーが供給されることが予測できないが、従来から広く用いられている用紙ジャムセンサ(用紙通過を検知し、用紙ジャムを検出する)での検出結果に基づいて、制御部がブラシでのトナー除去を制御するものであってもよい。
また、用紙ジャム時などのように、クリーニング装置に多量のトナーが供給される場合には、例えば、ブラシを像担持体の回転方向と逆方向に回転させるなどして、ブラシでの機械的な掻き取り力を向上させてもよい。ただし、この方法は像担持体の磨耗を招くため、正常動作時には実施しないことが好ましく、正常時に行う場合には、ブラシを、像担持体の回転方向と同方向に周速差1.0±0.2の範囲内で回転させることが好ましい。
また、像担持体上に対するトナーの付着力は、静電的付着力(クーロン力)に支配されやすく、温湿度などといった使用条件によって、必要なトナーの潤滑成分量が異なる。このため、画像形成装置に温湿度センサを備え、温湿度センサの検知結果に従って、ブラシでのトナー除去/放出を制御してもよい。
また、画像形成装置を未使用時には、ブラシ内にトナーが保持されていないため、ブレードにトナーを供給することができない。したがって、画像形成装置に像担持体の走行プロセス数を計測する計測器を備え、像担持体が少なくとも1回転するまでの間にトナーバンドを形成してもよい。トナーバンド形成時は、転写を伴わないので画像非形成時にあたり、ブラシはトナーを放出するように制御され、トナーがブレードに確実に供給される。この結果、ブレードめくれなどの不具合を抑えることができる。
また、本発明にいうブレードを構成する材質としては、特にその制限はないが、弾性部材を用いることが好ましい。具体的な弾性部材の例としては、ポリウレタン、シリコーンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム等が挙げられる。これらの中でも、特に、耐摩耗性に優れたポリウレタンを適用することが好適である。
また、本発明にいうブラシは、回転するシャフト外周上に無数の繊維を配したロール状に形成され、像担持体に対してブラシの先端が僅かに食い込む位置に配置されていることが好ましい。ブラシを構成する材質の具体例としては、ナイロン、アクリル、ポリオレフィン、ポリエステル等の樹脂繊維を挙げることができ、導電性粉末やイオン導電剤を配合して導電性を付与したり、繊維一本一本の内部あるいは外部に導電層が形成されたもの等を用いることができる。そのブラシの抵抗値としては、繊維単体で102〜109Ωのものが好ましく、繊維の太さは30d(デニール)以下(特に好ましくは20d以下)であり、繊維の密度は2万本/inch2以上(特に好ましくは3万本/inch2以上)であることが好ましい。また、ブラシに付着したトナーを除去するフリッカーバーが、ブラシに僅かに食い込む位置に配置されていてもよい。
続いて、本発明の実施例について説明する。
まず、本発明の実施例として、図2に示すクリーニング装置150において、形成する画像の画像密度に従ってブラシ151に印加されるブラシバイアス電圧を制御する実施例を挙げる。
次に、上述の実施例に対する比較例として、図2に示すクリーニング装置150において、ブラシバイアス電圧を印加しない比較例、常にマイナスのブラシバイアス電圧を印加する比較例、常にプラスのブラシバイアス電圧を印加する比較例、多量のトナーが供給された場合のみブラシバイアス電圧を印加する比較例の4つの比較例を挙げる。
表1は、前述の実施例および比較例、さらに、それらに対する評価結果を示す表である。
Figure 2005257787
(実施例1)
実施例1は、図2に示すブラシ151に印加されるブラシバイアス電圧を、形成される画像の画像密度(平均画像面積率P)に従って、以下のように制御する。
<低密度画像>
2%≧平均画像面積率P≧0%のとき、ブラシバイアス電圧−400V(トナーと同極性)
<中密度画像>
50%≧平均画像面積率P≧2%のとき、ブラシバイアス電圧0V
<高密度画像>
平均画像面積率P≧50%のとき、ブラシバイアス電圧+400V(トナーと逆極性)
<画像非形成時>
ブラシバイアス電圧−400V(トナーと同極性)
ここでいう画像非形成時とは、上述したインターイメージ、セットアッププロセス、スタートサイクル、サイクルアウトなどを示す。
(比較例1)
実施例1は、図2に示すブラシ151にブラシバイアス電圧を印加せずにクリーニングを行う。
(比較例2)
比較例2は、図2に示すブラシ151に常時−300V(トナーと同極性)のブラシバイアス電圧を印加する。
(比較例3)
比較例3は、図2に示すブラシ151に常時+300V(トナーと逆極性)のブラシバイアス電圧を印加する。
(比較例4)
比較例4は、正常動作時はブラシを接地し(ブラシバイアス電圧0V)、用紙ジャムからの復旧時を想定した、多量のトナーがブレード152に供給される場合のみ、+300V(トナーと逆極性)のブラシバイアス電圧を印加する。
次に、これらの実施例および比較例に対する評価結果について説明する。
(評価結果)
ここでは、図1および図2に示す画像形成装置1として、富士ゼロックスDocu Center Color500を下記のように改造して使用した。
(1)帯電器120を接触帯電ロール(直流電圧を重畳した交流電圧を印加)に改造
(2)ブラシ151にブラシバイアス電圧供給用のブラシバイアス電源153を設けた
(3)画像データを記憶処理する制御部101で、ブラシバイアス電源153から供給されるブラシバイアス電圧の極性とバイアス量を制御
(4)ブラシ151の上部に配置された固形潤滑剤を取り除いた
(5)ブラシ151の外径はそのままで、材質をUU Nylon(東栄産業(株)社製、毛密度120×103本/inch2)に変更
このような画像形成装置1を使って、高温高湿(28℃、85%RH)で15万枚走行後、環境を低温低湿(10℃、15%RH)に切り替えて、15万枚走行した。計30万枚の走行試験を実施した。
詳しい評価項目は、以下の通りである。
1.低密度画像が連続した場合において、走行中のプリント画質の目視評価(官能評価)、およびブレードめくれを確認した。これらの評価項目に従い、以下のように判定する。
○:画像上問題なし
×:画像上問題あり(クリーニング不良)
××:ブレードめくれ発生
2.高密度画像が連続した場合において、走行中のプリント画質の目視評価(官能評価)、およびブレードめくれを確認した。これらの評価項目に従い、以下のように判定する。
○:画像上問題なし
×:画像上問題あり(クリーニング不良)
××:ブレードめくれ発生
3.用紙ジャムからの復帰時を、図1の転写器170における転写バイアスをオフにして、100%ベタ画像を1枚採取して再現する。このとき、ベタ画像の後端部分がブレード152を通過した直後に電源をオフし、感光体110の、ブレード152の下流側の表面をテープ転写して、そのテープを白紙に貼り付けて目視観察により評価する。
○:クリーニング不良未発生
△:クリーニング不良が軽微に発生
×:クリーニング不良が広範囲に発生
表1に示すように、実施例1については、全ての試験において良好な評価結果が得られた。
比較例1においては、図2に示すブラシ151にブラシバイアス電圧を印加されておらず、ブラシ151では、機械的なトナーの除去のみ行われている。したがって、低密度画像が続いた場合には、ブレード152に供給されるトナーが少なすぎて、クリーニング性能が低下してしまい、高密度画像が続いた場合や、用紙ジャム時には、ブレード152に多量のトナーが供給されて、ブレード152ではトナーが除去しきれず、クリーニング不良が生じていると考えられる。
比較例2においては、ブラシ151にトナーと同極性のブラシバイアス電圧が印加されており、常にブラシ151から感光体110にトナーが放出されている。したがって、低密度画像が連続した場合には、ブレード152に適度にトナーが供給されて精度良くクリーニングが行われている。このことにより、低密度画像時には、ブラシ151から感光体110にトナーを供給することが好ましいことが確認された。しかし、比較例2によると、高密度画像が続いた場合や、用紙ジャム時のように、ブレード152に多量のトナーが供給される場合の問題は解決されていない。
比較例3においては、ブラシ151にトナーと逆極性のブラシバイアス電圧が印加されており、常にブラシ151でトナーが回収されている。したがって、高密度画像が続いた場合や、用紙ジャム時のように、ブレード152に多量のトナーが供給される場合には、ブラシでトナーが回収されることによって、ブレード152での負荷が軽減され、精度良くクリーニングが行われている。このことにより、高密度画像時には、ブラシ151で積極的にトナーを回収することが好ましいことが確認された。しかし、比較例3では、低密度画像が続いた場合、元々クリーニング装置150に供給されるトナーの量が少量であるのにもかかわらず、ブラシでトナーを回収してしまっており、ブレード152にトナーが供給されず、ブレードめくりが生じてしまった。
比較例4においては、正常動作時はブラシが接地され、用紙ジャムからの復旧時のみ、トナーと逆極性のブラシバイアス電圧が印加されている。したがって、用紙ジャムからの復旧時には、比較例1よりも若干良好な評価が得られたが、低密度画像時、高密度画像時ともに、良好な評価が得られなかった。このことから、用紙ジャム時のみブラシバイアス電圧を調整する方法では、十分なクリーニング性能が得られないことが確認された。
本発明の一実施形態が適用されたプリンタの主要部を示す概略構成図である。 図1に示す感光体とクリーニング装置の一部を示す図である。 画像データに基づいて推定されたトナー像の平均画像面積率を示す図である。 画像データに基づいて画像を形成するときの、感光体とクリーニング装置の一部を示す図である。
符号の説明
1 プリンタ
11 画像形成部
12 出力制御部
101 制御部
110 感光体
110a 表面層
120 帯電器
121 帯電電源
130 露光器
140 現像器
141 現像バイアス電源
150 クリーニング装置
151 ブラシ
152 ブレード
153 ブラシバイアス電源
160 除電器
161 除電電源
170 転写器
171 転写バイアス電源
180 定着器
200 記録媒体
300 トナー

Claims (5)

  1. 表面に画像を担持して回転する像担持体と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電器と、帯電後の像担持体表面を露光して潜像を形成する露光器と、前記潜像をトナーを含んだ現像剤で現像して前記像担持体の表面にトナー像を形成する現像器と、前記現像器で形成されたトナー像を被転写体に転写する転写器とを備えた画像形成装置において、
    前記像担持体の回転における前記転写器の下流側かつ前記帯電器の上流側で該像担持体の表面に当接する、該像担持体上のトナーを除去するブレードと、
    前記像担持体の回転における前記転写器の下流側かつ前記ブレードの上流側で該像担持体の表面に接する、該像担持体からのトナーの除去と、除去したトナーの該像担持体への放出とを行うブラシと、
    この画像形成装置が形成する画像の密度に従って、前記ブラシによるトナーの除去および放出を制御する制御部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記ブラシが、バイアス電圧の印加を受けて、該バイアス電圧によって前記除去および放出を行うものであり、
    前記制御部が、前記ブラシに印加されるバイアス電圧を制御するものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部が、前記画像の密度が所定の密度以上の場合には、前記ブラシに、前記トナーを除去するバイアス電圧を印加するとともに、該画像の密度が所定の密度よりも少ない場合には、前記ブラシに、前記トナーを放出するバイアス電圧を印加するものであることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部が、前記トナー像を形成して該トナー像を最終的な被転写体に転写するための一連の装置を稼動させる画像形成プロセスを除く画像非形成プロセスにおいては、前記ブラシに、前記トナーを放出するバイアス電圧を印加するものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 表面に画像を担持して回転する像担持体と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電器と、帯電後の像担持体表面を露光して潜像を形成する露光器と、前記潜像をトナーを含んだ現像剤で現像して前記像担持体の表面にトナー像を形成する現像器と、前記現像器で形成されたトナー像を被転写体に転写する転写器とを備えた画像形成装置における、転写後の像担持体上に残存するトナーを除去するクリーニング装置において、
    前記像担持体の表面に当接する、該像担持体上のトナーを除去するブレードと、
    前記像担持体の回転における前記ブレードの上流側で該像担持体の表面に接する、該像担持体からのトナーの除去と、除去したトナーの該像担持体への放出とを行うブラシと、
    この画像形成装置が形成する画像の密度に従って、前記ブラシによるトナーの除去および放出を制御する制御部とを備えたことを特徴とするクリーニング装置。
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