JP2005257677A - プローブユニット及びプローブユニットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 プローブユニット1は、基板10と、先端部が基板10から突出して基板10上に形成されている複数のリード12からなるリード群18と、基板10から突出して基板10上に形成された保護パターン14とを備える。リード12の先端部は検体の一つの電極に接触する。保護パターン14は、リード12の保護のために形成されるものである。プローブユニット1は、保護パターン14を除去してから導通検査に使用してもよい。リード群18及び保護パターン14は薄膜からなり、同一材料の薄膜からなってもよいし、そうでなくともよい。
【選択図】 図1
Description
特許文献1に記載されたプローブユニットでは、薄膜からなるプローブが基板から突出しているため、検体の電極に大きな力を加えずにプローブユニットをオーバードライブさせ、複数のプローブと複数の電極とを確実に同時接触させることができる。しかし、基板から突出したプローブは、薄膜からなるため強度が低い。そのため、製造工程、組み立て工程、導通検査を実施する時などに外力が加わると、薄膜からなるプローブは容易に破損するという問題がある。具体的には例えば、プローブが形成された基板をダイシング工程で切断するときにカッターから高速で飛散する水滴の衝突や、乾燥工程のエアブローによる風圧によってプローブが破損し、歩留まりが低くなる。
特許文献4に記載されたプローブユニットでは、検体と導通させるリード群の配列方向両側にリードと同一構成の隆起を形成している。リードと同一構成の隆起をリード群の配列方向両側に形成することにより、検体に対するプローブユニットの傾きを補正することができる。しかし、リードと同一構成の隆起は、リードと同じ速さで摩耗するため、リードの摩耗を防止することができず、ひいては、検体に対するプローブユニットの傾きを補正することができなくなる。
第二の発明は、検体に対する傾きを自ら補正する機能が長期にわたって持続するプローブユニットを提供することを目的とする。
保護部がリードの先端部より長く基板から突出しているため、リードの先端部に少なくともリード側方から外力が加わることを確実に防止できる。また水流などの流体による圧力がリードの先端部に加わることを抑制することができる。
リードと保護部とをめっきにより同一工程で形成すれば、プローブユニットの製造工程を簡素化することができる。ところがリードを形成するの第一の薄膜のパターンと保護部を形成する第二の薄膜のパターンとの分布密度に偏りがあると、リードと保護部との膜厚のばらつきが大きくなったり、複数のリード間の膜厚のばらつきが大きくなる。すると、導通検査の際に検体の電極とリードとの接触圧にばらつきが生ずる。第一の発明に係るプローブユニットでは保護部に間隙が形成されている。したがって、リードを形成するの第一の薄膜のパターンと保護部を形成する第二の薄膜のパターンとの分布密度が均一になるように間隙を形成すれば、リードと保護部との膜厚のばらつき及びリード間の膜厚のばらつきを抑制することができる。つまり、第一の発明に係るプローブユニットはリードと保護部とを同一のめっき工程で形成する簡素な製造工程で製造可能であり、その製造工程で製造されたプローブユニットを用いた導通検査では、検体の電極にリードを確実に接触させることができる。また、保護部の基板上に形成されている部分に間隙を形成すれば、剥離剤により基板から保護部を引き剥がして保護部を除去する場合、保護部の外縁だけでなく間隙からも剥離が進行するため、基板から保護部を除去するための処理時間を短縮することができる。
(6)さらに第一の発明に係るプローブユニットでは、前記保護部は、前記リードの先端部を囲む形状である。保護部でリードの先端部を囲むことにより、基板から突出しているリードの先端部に外力が加わることを、より確実に防止できる。
(8)さらに第一の発明に係るプローブユニットでは、前記第二の薄膜は、前記第一の薄膜と同一材料で同一膜厚に形成されている。第二の薄膜を、第一の薄膜と同一材料で同一膜厚にすることにより、第二の薄膜を第一の薄膜と同時に形成することができ、ひいては、製造工程を簡素化することができる。
リードの先端部側の基板上の角部に隆起を形成することにより、検体に対する傾きをプローブユニット自らが補正することができるようになる。また、隆起と検体との接触面をリードと検体との接触面より広くすることにより、摩耗によって隆起の膜厚の縮小が進行する速度を、リードの膜厚の縮小が進行する速度に比べて遅くすることができる。したがって、検体に対する傾きを自ら補正する機能を長期にわたって持続させることができる。ところが、隆起が形成されていても導通検査の際にプローブユニットがリードの配列方向に撓んでいると、リードが検体に対して傾いた状態で接触するおそれがある。この状態で検体にプローブユニットをさらに近接(オーバードライブ)させると、リードは検体に対して正対するまで検体上を摺動して摩耗する。第二の発明に係るプローブユニットの基板は、結合材と強化材とからなる複合材、有機物層と無機物層とを含む複合材、或いは無機材であるため、有機材で形成されたフィルムなどと比較して剛性が高く撓みにくい。したがって、第二の発明に係るプローブユニットでは、リードの摩耗を防止することができる。
以下、第一の発明の実施例をプローブユニットの構成、使用方法及び製造方法の順に説明する。各実施例において同一の符号が付された構成要素は、その符号が付された他の実施例の構成要素と対応する。
<プローブユニットの構成>
(第一実施例)
図1は、第一の発明によるプローブユニットの第一実施例を示す平面図である。
図1に示すように、この第一実施例によるプローブユニット1は、基板10と、先端部が基板10から突出して基板10上に形成されている複数のリード12からなるリード群18と、基板10から突出して基板10上に形成された保護パターン14とを備える。以降では、リード12の基板10から突出する部分をリード12の突出部といい、保護パターン14の基板10から突出する部分を保護パターン14の突出部という。リード12は、プローブユニット1が検体の導通検査に用いられる際、先端部が検体の一つの電極に接触する。保護パターン14は、検体の電極と接触せず、リード12の保護のために形成されるものであり、各リード12の先端部を三方から取り囲むように形成されている。尚、本実施例のプローブユニット1は保護パターン14を備えているが、保護パターン14を除去してから導通検査に使用してもよい。またリード群18及び保護パターン14は薄膜からなり、同一材料の薄膜からなってもよいし、そうでなくともよい。
図2は、第一の発明によるプローブユニットの第二実施例を示す平面図であり、(A)は保護パターンの除去前の状態を示す図であり、(B)は保護パターンの除去後の状態を示す図である。
この第二実施例では、図2(A)に示すようにリード12の基板10から突出している先端部の両側にそれぞれ保護パターン14が形成されている。各保護パターン14は、基板10からの突出長さがリード12の突出した先端部よりも長くなるように基板10から突出して基板10上に形成されている。そのため、リード12が先端部の短手方向の外力により破損することを防止することができる。
図4は、第一の発明によるプローブユニットの第三実施例を示す平面図である。図5(A)は、比較例としてのプローブユニットに異物が接触した状態を示す平面図であり、図5(B)は第三実施例によるプローブユニットに異物が接触した状態を示す平面図である。
図4に示すように、第三実施例によるプローブユニット1は、基板10と、基板10から突出して基板10上に形成された複数のリード12からなるリード群18と、リード群18の配列方向両側にそれぞれ形成された保護パターン14とを備える。
一方図5(A)に示すように、比較例としてのプローブユニット8は、基板80と、基板80から突出して基板80上に形成された複数のリード82からなるリード群88とを備え、第三実施例によるプローブユニット1から保護パターン14を取り除いた構成となっている。プローブユニット8の先端部の側方から異物91が当たった場合、プローブユニット8には保護パターン14がないので、異物91がリード群88の一側のリード82の先端部に当たってしまう。その結果、異物91が当たったリード82の近傍の複数のリード82は異物91より力を受けて折れ曲がり、あるいはその力が過大であれば切断され、破損してしまう。
尚、間隙としての貫通孔15は、リード群18の分布密度と保護パターン14の分布密度が均一になるように形成されていればよく、第二実施例で説明したように間隙は切り欠きでもよいし、貫通孔15の形状は矩形に限定されるものでもない。
図7は、第一の発明によるプローブユニットの第四実施例を示す平面図である。
この第四実施例では、図7に示すようにリード群18の先端部近傍を三方から取り囲むように保護パターン14が形成されている。リード群18の先端部近傍のリード12の配列方向両側だけでなく三方から取り囲むように保護パターン14を形成することにより、リード群18をより確実に保護することができる。もちろんこの保護パターン14も後で除去することができる。
保護パターンをプローブユニットの製造過程で形成することにより、プローブユニットの歩留まりは大幅に改善した。具体的には保護パターンを形成しない場合の歩留まり60%であったのに対し、保護パターンを形成した場合の歩留まりは80%に向上した。特に、カッターから飛散する水滴の衝突によってプローブが破損し易いダイシング工程における歩留まりは、20%向上した。
図8は、プローブユニット1の使用方法を示す断面図である。図9は、プローブユニット1の使用方法を示す平面図であり、(A)は保護パターンが除去されたプローブユニット1の使用方法を示す図であり、(B)は保護パターンを備えるプローブユニット1の使用方法を示す図である。
プローブユニット1を検体40の導通検査に使用する場合、図8に示すように、リード12が検体40の電極42に対して傾斜するように基板10をプローブベース50に貼り付けることにより、プローブユニット1をプローブベース50に固定して、プローブヘッド3を構成する。リード12はフレキシブルプリント基板4に接続される。プローブヘッド3は昇降機能を有する導通検査装置本体(図示せず)に設けられる。導通検査装置は、プローブユニット1のリード12を検体40の電極42に対応するようにプローブヘッド3を検体40に対して降下させ、フレキシブルプリント基板4を介して検査信号をプローブヘッド3に入力して検体40の導通検査を行う。
(第一実施例)
図11から図13は、第一の発明によるプローブユニットの製造方法の第一実施例を示す断面図であり、図4のa−a線に対応する断面図である。図14は、保護パターンの配置例を示す平面図である。
はじめに図11(A)に示すように、基板10の表面に機械加工などにより凹部60を形成する。基板10には例えばガラスセラミック、石英、ジルコニアなどからなる基板を用いる。
次に図11(C)に示すように、第一めっき下地層62上にCuなどの金属をめっき成長させ、犠牲膜64を形成する。このとき犠牲膜64は、凹部60内を埋めるように形成される。
次に図12(A)に示すように、リード12及び保護パターン14の下地となる第二めっき下地層66を研磨面68上に形成する。
次に図13(A)に示すように、第二めっき下地層66のうち金属膜74で被覆されていない部分を除去する。第二めっき下地層66の除去には、イオンミリング等を用いる。
図15は、第一実施例によるプローブユニットの製造方法の変形例を示す断面図である。
図26から図28は、第一の発明によるプローブユニットの製造方法の第二実施例を示す断面図である。
はじめに図26(A)に示すように、金属、セラミック、ガラス等からなる支持板61の表面上に、めっき又はスパッタにより犠牲膜63を形成する。犠牲膜63は例えばCuの単層、又はCr及びCuの複層にする。支持板61が非導電性である場合、Cu、又はCr及びCuの下地膜を予めスパッタによって形成してからめっきを行い、厚さ1μm以上5μm以下の犠牲膜63を形成する。尚、スパッタによって形成された下地膜のみを犠牲膜63として用いてもよい。その場合、犠牲膜63の厚さは0.1μm以上0.2μm以下にする。
以下、第二の発明の実施例をプローブユニットの構成、使用方法及び製造方法の順に説明する。各実施例において同一の符号が付された構成要素は、その符号が付された他の実施例の構成要素と対応する。
<プローブユニットの構成>
(第一実施例)
図16は、第二の発明によるプローブユニットの第一実施例を示す図である。図17から図20は、比較例としてのプローブユニットを示す図である。図19は図18に点線で示す領域200の拡大図である。
図16(A)に示すように、本実施例によるプローブユニット2は、基板10と、基板10上に形成されている複数のリード12からなるリード群18と、リード群18の先端部側の基板10上の角部に形成された保護パターン14とを備える。リード群18及び保護パターン14はそれぞれ薄膜からなり、ともに基板10から突出していない。また保護パターン14の線幅は、リード12の線幅よりも大きい。基板10は、導通検査の際に自重などで撓まないように、剛性の高い材料で形成されている。剛性の高い材料とは、結合材としてのエポキシと強化材としてのガラス繊維からなるガラスエポキシ等の複合材、樹脂などの有機物層と金属などの無機物層とを含む複合材、或いはガラスセラミック、石英、ジルコニア等の無機材である。
しかしながら、本実施例によるプローブユニット2の基板10は、上述のように剛性の高い材料で形成されている。そのためプローブユニット2のリード12は、比較例としてのプローブユニット209のリード292のように摩耗することはない。
図21は、第二の発明によるプローブユニットの第二実施例を示す図である。
図21に示すように、本実施例によるプローブユニット2の保護パターン14は、基板10のリード群18の配列方向の一端10a(または他端10b)から離間して配置されている。基板10の一端10a(または他端10b)から保護パターン14までの距離(以降、保護パターン14の離間距離という。)D1は、基板10の検体40に対する傾きの許容範囲に応じて設計すればよい。
図22は、第二の発明によるプローブユニットの使用方法の一実施例を示す正面図である。
本実施例では、図22(A)、(B)に示すように、プローブユニット2は平行出し機能を有するプローブベース50に取り付けられ、プローブヘッド3を構成する。プローブベース50は、ベース本体52と、プローブユニット2の基板10が貼付けられる支持部材54と、ベース本体52と支持部材54との間に配置されて支持部材54をベース本体52に対して下方に付勢する複数の弾性体56と、ベース本体52を貫通して支持部材54に固定され、ベース本体52の貫通孔53に往復移動可能に係止されるガイドピン58とを備える。プローブヘッド3は昇降機能を有する導通検査装置本体(図示せず)に取り付けられる。その昇降機能によって、プローブユニット2のリード群18が検体40の電極に対応するようにプローブヘッド3を検体40に対して降下させ、リード群18を電極に接触させて導通試験を行う。
図23及び図24は、第二の発明によるプローブユニットの製造方法の一実施例を示す断面図であり、図16(A)のa−a線に対応する断面図である。
はじめに図23(A)に示すように、ガラスセラミック、石英、ジルコニアなどからなる基板10の表面に、リード12及び保護パターン14の下地となるめっき下地層66を形成する。
次に図23(C)に示すように、開口部70から露出するめっき下地層66の表面上にNi合金などをめっきすることにより、リード12又は保護パターン14となる金属膜74をめっき下地層66の表面上に形成する。この結果、開口部70内で互いに同じ膜厚のリード12と保護パターン14とが同一の材料で形成されることとなる。
次に図24(A)に示すように、めっき下地層66のうち金属膜74で被覆されていない部分を除去する。めっき下地層66の除去には、イオンミリング等を用いる。
図25は第二の発明によるプローブユニットの製造方法の変形例を示す断面図である。
変形例では、図23(A)から図24(A)までの工程を行って、基板10上にめっき下地層66及び金属膜74からなるリード群18と保護パターン14とを形成した後、図25(A)に示すように、基板10をリード群18及び保護パターン14が形成されていない裏面から研磨し、薄く加工する。
次に図24(B)に示すように、基板10を必要な大きさに切断する。尚、基板10を必要な大きさに切断してから、薄く加工してもよい。
Claims (12)
- 基板と、
検体の電極に接触する先端部が前記基板から突出しているリードを形成している第一の薄膜とを備え、
前記リードの先端部の近傍で前記基板から突出する保護部を第二の薄膜で前記基板上に形成する工程を経て製造されることを特徴とするプローブユニット。 - 前記保護部は、前記リードの先端部より長く前記基板から突出していることを特徴とする請求項1に記載のプローブユニット。
- 前記保護部には、間隙が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプローブユニット。
- 前記保護部を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプローブユニット。
- 前記保護部が除去されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプローブユニット。
- 前記保護部は、前記リードの先端部を囲む形状であることを特徴とする請求項4に記載のプローブユニット。
- 複数の前記リードで構成されるリード群を備え、
前記保護部は、前記リード群の前記リードの配列方向両側に形成されることを特徴とする請求項4に記載のプローブユニット。 - 前記第二の薄膜は、前記第一の薄膜と同一材料で同一膜厚に形成されていることを特徴とする請求項4、6又は7に記載のプローブユニット。
- 検体の電極に接触する先端部が基板から突出するリードを第一の薄膜で前記基板上に形成する工程と、
前記リードの先端部の近傍で前記基板から突出する保護部を第二の薄膜で前記基板上に形成する工程と、
を含むことを特徴とするプローブユニットの製造方法。 - 前記保護部と前記リードは、前記基板上に同時に形成されることを特徴とする請求項9に記載のプローブユニットの製造方法。
- 結合材と強化材とからなる複合材、有機物層と無機物層とを含む複合材、或いは無機材からなる基板と、
先端部が検体の電極に接触するリードを形成している第一の薄膜と、
前記リードの先端部側の前記基板上の角部に、前記リードの前記検体との接触面より広い前記検体との接触面を有する隆起を形成している第二の薄膜と、
を備えることを特徴とするプローブユニット。 - 前記第二の薄膜は、前記第一の薄膜と同一材料で同一膜厚に形成されていることを特徴とする請求項11に記載のプローブユニット。
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