JP2005255484A - 燐肥料製造装置及び同方法 - Google Patents

燐肥料製造装置及び同方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005255484A
JP2005255484A JP2004071073A JP2004071073A JP2005255484A JP 2005255484 A JP2005255484 A JP 2005255484A JP 2004071073 A JP2004071073 A JP 2004071073A JP 2004071073 A JP2004071073 A JP 2004071073A JP 2005255484 A JP2005255484 A JP 2005255484A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
degrees celsius
temperature
fertilizer
phosphorus fertilizer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004071073A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Iwai
良博 岩井
Tetsuharu Sadatsuka
徹治 定塚
Takashi Komatsu
貴司 小松
Sadafumi Takagi
禎史 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanki Engineering Co Ltd
Original Assignee
Sanki Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanki Engineering Co Ltd filed Critical Sanki Engineering Co Ltd
Priority to JP2004071073A priority Critical patent/JP2005255484A/ja
Publication of JP2005255484A publication Critical patent/JP2005255484A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 最適な水温で水砕処理をすることにより、より有効なリン肥料を製造する方法等を提供することを課題としている。
【構成】
下水汚泥焼却灰に添加物を添加し、溶融炉内で加熱し、ガラス化した溶融スラグを水砕処理して燐肥料を製造する製造装置において、前記水砕処理に用いる水の温度を摂氏40度〜摂氏80度の範囲の適当な温度を維持しながら溶融スラグを粒状化したことを特徴とする。
【選択図】
図1

Description

この発明は、燐肥料製造方法に関するものである。更に、具体的には、燐肥料製造における水砕処理の技術に関するものである。
従来は、リン肥料の製造には、リン鉱石が原料として使用されていた。近年資源のリサイクルを図る目的や、リン肥料の製造コストを低減する目的等から汚泥焼却灰を利用する技術が開発されている。汚泥焼却灰を利用するリン肥料の製造方法としては、例えば特許文献1に開示されている方法がある。以下にこの文献に記載されている技術内容を簡単に説明する。
特開2003−112988号公報
図8はこの製造工程を示した図である。図8において、タンク50内の汚水51に鉄系凝集剤等52を添加して汚水中に含まれているリン成分を沈降させて、沈降物53を汚泥54と共に収集し、脱水して汚泥混合物55を得る。この汚泥混合物55を焼却してリン成分の高い汚泥焼却灰56が得られる。この汚泥焼却灰56にコークス57、酸化マグネシウム58、酸化カルシウム59及び酸化カリウム60等の添加物を添加したものを原料投入機61、原料投入口62を介して溶融炉63の内部に投入し、ヒータ64,65によって加熱すると溶融炉63内の底部に溶融金属66とその上側に溶融スラグ67が2液分離した状態で得られる。溶融スラグ67の上側は溶融していない原料56と添加物57〜60を示す。
溶融金属66は排出口68から排出され、自然風等による冷却後、ウエイト等として再利用される。また、溶融スラグ67は排出口69から排出され、水流トラフ70を介して水砕槽71へ出滓させ、水砕槽71内の水72により急冷して水砕処理が行われる。溶融スラグ67は水砕処理されると粒状化し、この粒状化したスラグ73を肥料として、使用する。なお、汚泥焼却灰56中に含まれていた有害金属は溶融されたときに、低沸点のものはガス化して排ガス側に、比較的高沸点で比重の重いものは溶融金属側に鉄分と共に沈降し、スラグから分離される。
以上に述べたように、汚泥焼却灰を利用してリン肥料を製造するには溶融スラグを水砕処理する必要があった。この水砕処理をするための水砕槽については、上記特許文献1の他に以下の特許文献にも開示されている。
特開2001−65827号公報(溶融炉における溶融メタルの水砕方法及びその装置) 特開2003−202109号公報(焼却灰溶融炉及び水砕スラグ生成方法) 特許文献2や特許文献3には水砕槽の構成については開示されているが、水砕槽に使用する「水砕水」或いは「冷却水」については何ら開示されていない。この水砕水としては従来技術では、通常工業用水が使用されていた。一般に使用されている工業用水温度は約摂氏20度〜30度である。
本発明は最適な水温で水砕処理をすることにより、より有効なリン肥料を製造する方法等を提供することを課題としている。
従来から、工業用水は簡便に入手可能な冷却水として水砕用にも利用されてきた。しかし、下水汚泥焼却灰を利用したリン肥料製造において、工業用水をそのまま利用することが有効な肥料を製造する上で最善かどうかは本出願の発明者にとっては疑問であった。これを確かめるために以下の実験を行った。即ち、原料焼却灰の組成成分の異なる2種類のサンプルを作り、これらの2種類のサンプルについて水砕水温度が摂氏20度の場合と摂氏60度の場合についてリン肥料を製造し、製造したリン肥料を使用して作物の生育実験を行った。以下に、この実験結果について説明する。なお、実験に使用した作物は広島菜で、3〜4週間の生育日数で行った。
図2は原料の組成が異なる2個のサンプルに対して水砕温度を変えて製造したリン肥料(製品)の組成を示す。図3は上記リン肥料の肥効成分を示す。即ち、サンプル1、サンプル2は何れも同一組成の原料に対して水砕水温度が摂氏20度の場合と摂氏60度の場合についての製品の組成、肥効成分を示すものである。なお、水砕水は摂氏20度の工業用水を利用し、摂氏60度の水砕水は摂氏60度の水(又は湯)を循環させて行ったデータである。サンプル1、サンプル2はスラグのモル比による組成「(MgO+CaO)/P2O5」が夫々(6.0)、(5.0)の数値となるようにMgO(酸化マグネシウム)とCaO(酸化カルシウム)を添加した。図2から理解できるように、リン肥料の組成は水砕水温度によって明らかな相違や一定の傾向は見られない。また、図3から理解できるように、肥効成分についても水砕水温度による明らかな相違等は見られなかった。
図4、図5は、上記サンプル1、サンプル2を使用して広島菜の栽培を同一条件の下で行った結果を示すグラフである。図4は収穫した広島采の根の部分を除去し、茎と葉の合計重量(即ち、生体重)とP2O5(リン酸)の吸収量を示している。生体重は乾燥していない収穫量を意味している。横軸はモル比「(MgO+CaO)/P2O5」を示し、図4の縦軸は一鉢当りの生体重(グラム「g」)と一鉢当りのリン酸吸収量(ミリグラム「mg」)を示す。丸印は生体重で、また、菱形はリン酸の吸収量を示す。なお、黒く塗りつぶしたもの(黒丸、黒菱形)は工業用水(摂氏20度)で水砕処理を行ったもの、白いもの(白丸、白菱形)は摂氏60度の水を循環させて水砕処理を行った場合を示す。以下のグラフにおいても同様である。
図4において、摂氏20度の水で水砕処理した場合と摂氏60度の水で水砕処理した場合を比較すると、モル比が5(サンプル2)の場合とモル比が6(サンプル1)の場合とでは摂氏60度の水で水砕処理した方が生体重、リン酸吸収量が共に大きいことが分かる。
図5は乾物重とリン酸含有量を示したグラフである。横軸は図4と同様のモル比を示す。左縦軸は一鉢当りの乾物重(g)で、図5中の丸印で示す。右縦軸は乾物重1グラム当りのリン酸含有量(mg)で、図5中の菱形で示す。なお、図中で白丸中に黒点を有するものは白丸と黒丸が一致したことを示す。なお、乾物重は固形分の重量、即ち、「 収穫量x(100−含水率)/100 」で表される。図5において、摂氏60度の場合(白丸、白菱形)と摂氏20度の場合(黒丸、黒菱形)との大小関係は図4の場合と同じ傾向を示している。大小の差分の大きさは著しく小さくなっている。例えば、乾物重では、目盛りが10倍に拡大されているにも拘らず、グラフの大きさを比較しても小さくなっている。
図6、図7は同じリン肥料を使用して別の場所における別の実験者による肥効試験の結果を示すグラフである。なお、1鉢の大きさは図4(及び図5)の場合と異なる。従って、数値自体は図4の場合と比較しても意義がない。図6は標準量の肥料を使用した標準区における試験結果で、図7は倍量の肥料を使用した倍量区における試験結果を示す。なお、図6、図7のグラフにおける記号及び、縦軸の意味は図4、図5の場合と同様である。但し縦軸の目盛りの大きさは異なっている。
図6、図7から判るように、モル比が5、6のケースについては水砕水温度を摂氏60度とした方が摂氏20度とした場合に比べて、生体の収穫量、リン酸の吸収量ともに優れている。なお、倍量区で肥効結果の差が小さくなっているのは倍量区では効果が飽和状態に近づいていることが原因と考えられる。又、乾物重では前述した大小関係が維持されている。
以上の試験結果から、モル比が5〜6のときは、水砕水温度を摂氏60度とした方が摂氏20度とした場合に比べて、生体及び乾物の収穫量、リン酸の吸収量が大きくなっており、水砕水温度を摂氏60度にして処理を行ったリン肥料が優れていると結論することができるものと思われる。なお、この理由については検討中である。水砕水の温度を高くしたことにより溶融スラグ中の結晶化が進んだためと考えられる。また、肥料中から溶け出したリンが同時に溶け出したアルミニウムとの結合に原因があるものとも思われる。なお、この効果は摂氏40度〜摂氏80度においても有するものと思われる。
本発明は上記の課題を解決するための手段として上記実験結果に基づき以下の構成を採用している。即ち、
請求項1記載の発明は、下水汚泥焼却灰に添加物を添加し、溶融炉内で加熱し、ガラス化した溶融スラグを水砕処理して燐肥料を製造する製造装置において、前記水砕処理に用いる水の温度を摂氏40度〜摂氏80度内の所定温度にしたことを特徴としている。
また、請求項2は請求項1の方法の発明であり、下水汚泥焼却灰に添加物を添加して、溶融炉内で加熱して、ガラス化した溶融スラグを水砕処理して燐肥料を製造する製造方法において、前記水砕処理に用いる水の温度を摂氏40度〜摂氏80度内の所定温度にしたことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2において、前記所定温度を摂氏50度〜摂氏70度内の温度としたことを特徴としている。
本発明によれば収穫量を多くすることができるという効果が得られる。

以下本発明の実施形態を図1に基づいて説明する。図1において水砕槽71には水砕水72が張られている。溶融スラグ67が排出口69から水流トラフ70を経て水砕槽71の水砕水72に投入される。溶融スラグは高温であるために水砕水は常に温度が上昇する傾向にある。水砕水温度を摂氏40〜80度の範囲内の所定温度、例えば摂氏60度近辺の温度に維持するためには、例えば水道管31から低温の工業用水を注入する必要がある。一方、工業用水を注入するだけでは水砕槽71の水が溢れるために、ポンプ12により出口管11から水砕水72が取水され、その一部は排出管15から放出され、残りは循環パイプ13を通って水砕槽71に戻される。なお、循環パイプ13の途中には必要に応じてゴミ取り用のフィルタ16や、図示されているように、冷却用熱交換器を設けてもよい。
水砕水72の温度は温度計17によって測定され、温度測定データはコントローラ20に入力される。また、水砕槽71の液面レベルは水位計18によって測定される。水位計測データもコントローラ20に入力される。コントローラ20は水砕水72の温度が所定の温度で、しかも水位レベルが所定の値になるように制御弁21及び22を制御する。なお、これらの制御方式は従来技術を使用してもよい。以上の様に本実施形態では、溶融スラグを摂氏略60度の高温の水砕水で冷却しているために、収穫量が増大するリン酸肥料を製造することができる。
以上本発明の実施形態を図面に基づいて詳述してきたが、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではなく、実質的に同一技術と見られる改良や変更があっても本発明の技術的範囲に属する。例えば、所定温度は一定温度である必要はなく、時間的に変動してもよい。また、収穫量が増大する理由が水砕時における結晶の緩やかな成長等の理由によるものであれば、摂氏40度〜摂氏80度の範囲においても(常温の工業用水を利用する場合に比べて)収穫量の増大が期待できる。
本発明を実施した実施形態の概略構成を示す。 摂氏20と摂氏60によるリン肥料の組成を示す。 図2のリン肥料の肥効成分を示す。 図2の肥料を使用して栽培した生体重とリン酸の吸収量を示す。 同肥料による乾物重とリン酸含有量を示す。 別の肥効試験結果(標準区における生体重とリン酸吸収量)を示す。 別の肥効試験結果(倍量区における生体重とリン酸吸収量)を示す。 従来の焼却灰によるリン肥料製造方法を示す。
符号の説明
12 循環ポンプ
17 温度計
18 水位計
20 コントローラ
21、22 制御弁
71 水砕槽
72 水砕水
73 粒状スラグ

Claims (3)

  1. 下水汚泥焼却灰に添加物を添加し、溶融炉内で加熱し、ガラス化した溶融スラグを水砕処理して燐肥料を製造する製造装置において、前記水砕処理に用いる水の温度を摂氏40度〜摂氏80度内の所定温度にしたことを特徴とする燐肥料製造装置。
  2. 下水汚泥焼却灰に添加物を添加して、溶融炉内で加熱して、ガラス化した溶融スラグを水砕処理して燐肥料を製造する製造方法において、前記水砕処理に用いる水の温度を摂氏40度〜摂氏80度内の所定温度にしたことを特徴とする燐肥料製造方法。
  3. 前記所定温度の範囲を摂氏50度〜70度の範囲としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燐肥料製造装置又は方法。
JP2004071073A 2004-03-12 2004-03-12 燐肥料製造装置及び同方法 Pending JP2005255484A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004071073A JP2005255484A (ja) 2004-03-12 2004-03-12 燐肥料製造装置及び同方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004071073A JP2005255484A (ja) 2004-03-12 2004-03-12 燐肥料製造装置及び同方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005255484A true JP2005255484A (ja) 2005-09-22

Family

ID=35081580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004071073A Pending JP2005255484A (ja) 2004-03-12 2004-03-12 燐肥料製造装置及び同方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005255484A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014114190A (ja) * 2012-12-11 2014-06-26 Taiheiyo Cement Corp りん酸肥料及びその製造方法
GB2514940B (en) * 2012-01-19 2018-03-14 Power Minerals Ltd Process for the treatment of ash, treated ash thus obtained and uses of treated ash

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2514940B (en) * 2012-01-19 2018-03-14 Power Minerals Ltd Process for the treatment of ash, treated ash thus obtained and uses of treated ash
JP2014114190A (ja) * 2012-12-11 2014-06-26 Taiheiyo Cement Corp りん酸肥料及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101074457B (zh) 一种垃圾焚烧飞灰重金属的熔融分离处理方法
JP5711348B1 (ja) 下水汚泥の焼却処理方法、下水処理方法、及び下水処理設備
CN101654274B (zh) 一种氯化钡生产工艺
Arnout et al. Modelling thermal phosphorus recovery from sewage sludge ash
CN105886888A (zh) 一种等温淬火铸造列车配件的方法
CN101293653A (zh) 一种提纯硅废料制备高纯硅的方法
JP6003911B2 (ja) リン酸質肥料原料、リン酸質肥料およびその製造方法
JP2005255484A (ja) 燐肥料製造装置及び同方法
CN102782163A (zh) 铸铁熔液中的杂质除去方法及铸铁原料
JP2006001819A (ja) 焼却灰を利用した燐肥料製造方法及び同製造装置
CN105246862A (zh) 从残留材料制备富营养型生物炭
JP5984572B2 (ja) りん酸肥料及びその製造方法
CN109694136B (zh) 一种阻垢管及其生产工艺
CN105197897B (zh) 一种富含CaSO4物料的高温熔融盐处理方法
CN1335894A (zh) 铝的分离提纯方法及设备
CN203529941U (zh) 一种加热提纯装置
CN107128928B (zh) 利用电子束熔炼炉提纯多晶硅的方法
JP2005255485A (ja) 珪酸リン肥料製造方法及び同装置
JP5800388B2 (ja) りん酸肥料の製造システムおよび製造方法
CN106431023B (zh) 一种富硼渣的低成本活化工艺方法
JP5988684B2 (ja) りん酸肥料の製造方法
CN106187594A (zh) 一种基于园林改碱的脱硫石膏及其制备方法
JP4959604B2 (ja) スラリーの製造方法、スラリーの製造システム
CN206736332U (zh) 一种镁冶炼分段式结晶装置
JP2010202491A (ja) 鶏糞燃焼灰精製物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090915

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100202