JP2005255058A - 船舶の自動着桟係船装置および自動着桟係船方法 - Google Patents

船舶の自動着桟係船装置および自動着桟係船方法 Download PDF

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耕輔 村上
Shuhei Suga
秀平 菅
Ikuo Nomura
郁夫 野村
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Abstract

【課題】着桟から係船までの操船を自動化でき、かつ迅速に行える船舶の自動着桟係船装置および方法を提供する。
【解決手段】 船体の両舷方向のいずれにも横推力を出力できる船首側サイドスラスタ1および船尾側ポッド推進装置2と、係船索Rの巻取り機能と自力繰出し機能が可能な船首側係船機10Fおよび船尾側係船機10Rと、岸壁Wまでの距離を計測する距離計27と、距離計27で検知した船舶Sから岸壁Wまでの距離に基づき、船首側サイドスラスタ1と船尾側ポッド推進装置2の推進方向と推力を制御し、かつ船首側係船機10Fと船尾側係船機10Rの係船索Rの巻取り動作と繰出し動作を制御するコントローラ20とを備えている。船舶の着桟係船操作を、着桟モード・係船モードの順で行い、着桟モードは船首側サイドスラスタ1と船尾側ポッド推進装置2で横移動させ、係船モードは船首側係船機10Fと船尾側係船機10Rで係船索Rを引っ張ることにより岸壁に係止させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、船舶の自動着桟係船装置および自動着桟係船方法に関する。船舶が港内に停泊するときは、航海モードから港内モード・着桟モード・係船モードの順で移動してきて、係留モードで船を停止させ、この間に荷役を行う。荷役が終わると係留モードから係船モード・離桟モード・港内モードの順で港外へ出て航海モードで航海する。これらの繰返しモードの内、着桟モードから係船モードでの操船・姿勢制御を行う技術が本発明に係る自動着桟係船装置および自動着桟係船方法である。
船舶の入港時には、前もって人員を受け持ち部署に就かせ、港内モードから着桟モード・係船モード・係留モードまでの各フェーズ毎で、乗組員の五感をもって船首・船尾両係船機や揚錨機、舵、主機関を制御・操作している(非特許文献1)。
すなわち、船内では、各フェーズに必要な設備を船長の指示の下、分散配員された乗組員が臨戦体制で操作している。このことは、船を操船するフェーズで一番マンパワーを必要とするところの省力・省人化がされていないことを意味している。
一方、係船操作を自動化した技術が提案されている(従来例1)。
この従来例1は、船位検出手段からの信号に基づき係船索調整方向の演算を行う中央制御盤を用いて、係船機の制御の全自動化をはかるようにした係船装置である。
すなわち、係船索の張力計からの信号に基づき係船機のウインチ駆動装置を制御するファジイ制御系をそれぞれ備えた船首部係船機制御盤および船尾部係船機制御盤を備えるとともに、船位検出手段からの信号に基づき係船索の巻き込み、繰出しおよび中立保持のいずれかを選択して指令する中央制御盤を備え、同制御盤からの指令信号と上記ファジイ制御系からの制御信号とに基づき、上記ウインチの駆動装置にウインチドラム回転指令を送る総合制御系を有するものである(特許文献1)。
最新運用読本 118〜119頁 板谷毅・藤井春三共著 成山堂書店 平成13年9月28日六訂版発行 特開平7−228486号公報
ところが、前記従来例1では、係船機における係船索の繰出しは、ウインチを繰出し状態にするか、または中立位置、すなわち自由回転状態にするかのいずれかであるが、いずれの制御中も係船索に作用する張力によって受動的に引出されるものである。したがって、受動的に張力を受けたとき、係船索が切れないように、ファジィ制御などの高度な制御を行っているのである。
ともかく、この従来例1では、船体を数m以内で横移動させる係船操作はある程度自動化ができるが、船体を数10mにわたる長い距離を横移動させ着桟を自動化できるものではない。無理に着桟に適用しようとすれば、長い距離を横移動させている間に、潮流や風向きによって制御能力を超える張力が、何度も作用することから途中で係船索が切れるなどの障害が生ずる。
また、係船索の巻取り制御だけで、数10mも着桟移動させるには、時間がかかりすぎて、非能率である。
本発明は上記事情に鑑み、着桟から係船までの操船を自動化でき、かつ迅速に行える船舶の自動着桟係船装置および自動着桟係船方法を提供することを目的とする。
第1発明の船舶の自動着桟係船装置は、船体の両舷方向のいずれにも横推力を出力できる船首側横推力機関および船尾側横推力機関と、係船索の巻取り機能と自力繰出し機能が可能な船首側係船機および船尾側係船機と、岸壁までの距離を計測する距離計と、前記距離計で検知した船体から岸壁までの距離に基づき、前記船首側横推力機関と前記船尾側横推力機関の推進方向と推力を制御し、かつ前記船首側係船機と前記船尾側係船機の係船索の巻取り動作と繰出し動作を制御するコントローラとを備えていることを特徴とする。
第2発明の船舶の自動着桟係船装置は、船舶の着桟係船操作を、岸壁から所定距離離れた着桟開始位置から着桟モードで行い、ついで係船開始位置から船体を岸壁に係止させるまでを係船モードの順で行い、前記着桟モードは、船舶の船首側横推力機関と船尾側横推力機関を用い、船舶を横方向に移動させて岸壁に近づけ、前記係船モードは、船首側係船機と船尾側係船機を用い、岸壁との間に張り渡した係船索を引っ張ることにより船舶を横方向に移動させて岸壁に係止させることを特徴とする。
第3発明の船舶の自動着桟係船装置は、第2発明において、前記着桟モードにおいて、船舶のヘッディング変位ズレを船首側横推力と船尾側横推力を使って岸壁に対する並行度を保持するヘッディング補正制御を行うことを特徴とする。
第4発明の船舶の自動着桟係船装置は、第2発明において、船首側係船機による係船索の巻取り繰出し制御と、船尾側係船機による係船索の巻取り繰出し制御を組合せることにより、ヘッディング変位ズレを補正するヘッディング補正制御を行うことを特徴とする。
第1発明によれば、船舶が港内モードで航行中に岸壁から一定距離の着桟開始位置まで近づくと、着桟モードに移行する。着桟モードでは、船の前後推力機関を停止して、船首側および船尾側の横推力機関を起動して、船体と岸壁に向けて横進させ岸壁に近づける。岸壁との距離が係船操作に適する係船開始位置まで縮まると係船モードに移り、横推力機関を停止して、船首側および船尾側の係船機により、岸壁との間に張り渡した係船索を巻取り繰出し制御を行うと、船体を岸壁に係止させることができる。これらの横推力機関による横進と係船機による横進を、岸壁までの距離を距離計から入力してコントローラが自動制御して行うので、人力作業を要しない自動化が達成され、省力省人化が行える。また、着桟作業の当初は横推力機関を使って船体を岸壁に近づけるので、全て係船索を用いる場合に比べ、迅速に着桟動作が行える。さらに、係船モード中に係船機は自力繰出し機能によって係船索を能動的に繰出すことができるので、係船索を岸壁との間に張り渡す作業においても省力化でき、かつ過大な張力がかかることを未然に防止できるので、係船索が切れる等の事故が生じない。
第2発明によれば、当初は着桟モードで横推力機関により船体を岸壁に向け横進させるが、横推力による横進は係船索による横進より速度が速いので、着桟動作が迅速に行える。そして、係船モードは係船機により係船索を引張ることにより船体を岸壁に近づけるので、正確な制御が可能であり、岸壁との衝突のような事故を避け安全に作業ができ、係船終了後はそのまま保留モードに移動できるので、人的作業を極力不要にして省力化省人化が達成できる。
第3発明によれば、着桟モード中に船体にヘッディング変位が生じると、横進に利用している横推力機関を使ってヘッディング変位を補正するので、補正が容易かつ迅速に行え、かつ横進中に行えるので、横進動作が遅れることもない。また、岸壁との並行度が保持されているので、つぎの着桟モードが直ちに移行できるので、迅速な着桟が可能となる。
第4発明によれば、係船モード中に船体にヘッディング変位が生じると、係船機による係船索の巻取り繰出しを行うことによりヘッディング補正するので、係船作業と同時に補正が行え、船体を岸壁に平行に保持できるので、係船作業を安全かつ確実に行える。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態である自動着桟係船装置のブロック図である。図2は本発明における自動着桟係船装置を構成する係船機の配置側と係船索を示す平面図である。図3は(A)図は、本発明で用いる係船機の構成と自力繰出し動作の説明図、(B)図は、同係船機の巻取り動作の説明図である。
まず、図1に基づき自動着桟係船装置の構成を説明する。
Sは船舶である。この船舶Sの推進力には、通常の前後推進機関の他に横推力機関を備えることが必須となる。通常の前後推進機関には、例えば公知のポッド推進装置が用いられる。
本発明における横推力機関には、種々のものが特に制限なく用いられる。例えば、船首側横推力機関は、サイドスラスタ1が好適である。サイドスラスタ1は、1基または複数基装備される。
船尾側部横推力機関は、ポッド推進装置2を用い、これを旋回することにより横推力を得る構成が好適である。なお、ポッド推進装置2は2基(二重反転ポッド推進も含む)またはそれ以上を装備する。また、ベックツイーン舵(2枚舵)の転舵角制御から横推進力を得る機構も、本発明にいう横推力機関として適用できる。
なお、船舶Sには、緩やかな変針を可能とする補助操舵装置(図示省略)を付加しておくと、保針性が良くなるので好ましい。この補助操舵装置は、横推力利用時の船尾推力抑制にも用いることができ、着桟時の横姿勢制御にも用いることができる。
図1および図2に示すように、本発明が適用される船舶Sの船首側甲板4には船首側係船機10Fが設置され、船尾側甲板5には、船尾側係船機10Rが設置される。船首側係船機1OFは、船首ライン用、ブレストライン用、スプリングライン用の5基であり、船尾側係船機10Rは、船尾ライン用、ブレストライン用、スプリングライン用の5基であり、接岸時には、左右両舷いずれか片舷側の3基ずつ用いられる。なお、図2中の係船索Rは、R1が船首ライン、R2がブレストライン、R3が船尾ライン、R4がブレストライン、R5が船首スプリングライン、R6が船尾スプリングラインである。
前記係船機10F,10Rは、係船索Rの巻取り機能のほか、自力繰出し機能が可能なものであることが特徴であり、例えば、つぎのように構成されている。
すなわち、係船機10(船首側係船機10Fと船尾側係船機10Rを含めていうときは、符号10を用いる)は、巻取り機構と自力繰出し機構が共にフレームに搭載され、ユニット化されたものである。
前記巻取り機構は、巻取ドラム11とその駆動源である電動モータ12とクラッチ13と減速機14とから構成されている。電動モータ12とクラッチ13は、公知の遠隔操作手段である係船機制御ユニット10Uによって遠隔制御可能となっている。
係船に使う係船索Rは、前記巻取ドラム11に巻き付けられて、端末を固定されているので、電動モータ12で巻取ドラム11を正逆回転させると、係船索Rを巻取ったり、巻戻したりすることができる。
上記の巻取ドラム11の前面には、シフト軸15が設けられている。このシフト軸15と前記巻取ドラム11との間は、チェーン伝達機構が連結され、巻取ドラム11が回転するとシフト軸15も回転するようになっている。
16はガイドユニットで、上部に3本のガイドローラ17を立設しており。3本のガイドローラ17のうち2本のガイドローラ17は、係船索Rを左右から挟み付け、かつ若干の角度で曲げて通している。そして、残る1本のガイドローラ17は係船索Rの傾斜した部分に当接させているが、それは係船索Rの反発力を受けて、係船索Rに作用している張力を検出する係船索張力計29に連結されている。なお、このガイドユニット16が巻取ドラム11の前面で往復運動を繰返すと、巻取ドラム11上で係船索Rが乱巻きされるのを防止することができる。
前記自力繰出し機構は、一対のローラ18,18と、このローラ18を回転させる電動モータおよび減速機を備えている。このローラ18,18の対は係船索Rを両側から挟めるように配置されており、挟んだ状態で回転させると、係船索Rを強制的に繰り出すことができる。そして、前記ローラ18,18を駆動する電動モータは、前記係船機制御ユニット10Uによって遠隔制御可能となっており、係船索Rの自力繰出しを船橋等の離れた場所からコントロールすることができる。
なお、前記ローラ18,18の前方にはユニバーサルチョック19が設けられており、このユニバーサルチョック19があることによって、係船索Rの左右上下への振れを規制して、係船策Rを円滑に取出すことができるようになっている。
図3において、(A)図は自力繰出し操作を示し、(B)図は巻取り操作を示している。(A)図に示す自力繰出し操作は、クラッチ13を切断して巻取ドラム11と電動モータ12および減速機14との間の連結を断ち、巻取ドラム11を空転可能な状態としておき、繰出し機構のローラ18,18を回転させることにより行う。こうすると、係船索Rは高速で自力繰出しが行われる。あるいは、クラッチ13を接続しておいて、電動モータ12で巻取ドラム11を巻戻し方向に回転させ、巻戻し速度を一対のローラ18,18の繰出し速度と同期させておいてもよい。この場合も、係船索Rを高速で繰出すことができる。
(B)図に示す巻取り操作は、繰出し機構のローラ18,18を開いておき、クラッチ13を入れて電動モータ12および減速機14と巻取ドラム11を連結し、巻取り方向に回転させることにより行う。そうすると、係船索Rを巻取ドラム11上に巻き取ることができる。
コントローラ20は、自動着桟係船装置の全機能を制御する制御装置であり、コンピュータ等を用いて構成されている。このコントローラ20には、通常の船舶と同様に、レーダ、オートパイロット用ジャイロ21、船速計22、各種航海計器23、電子海図24の他、風向風速計25、船位計測器26、岸壁間距離計27、係船機まわりの監視用カメラ28、係船索張力計29等が接続されている。このため、本船の位置、針路、ヘッディング角、船速、真風向風速/相対風向風速および本船と接岸壁までの距離が、前記各検出器から得られ、また演算により求めることができる。
本船の位置および状態監視および岸壁から本船までの距離は、レーダの最小探知距離からの情報および電子海図からの情報から認識できる。
前記岸壁間距離計27は、光電式や赤外線式の公知の距離計を用いればよい。計測能力は、5m毎の距離変化を検知できることが必須であり、なお1m未満の距離計測が可能なものも、最低1個は必要である。岸壁距離が25m〜20mになれば、前記距離計27からの信号を利用し、可視可聴の信号を船橋/船首および船尾に出力し、船長または航海士の目視判断を支援する可視可聴監視支援装置(図示せず)を働かせ、安全に接岸させるようにする。可視可聴監視支援装置としては、赤外線ビーム射光センサを数個取付け、段階的(例:5m/3m/2m/1m)にパターン内の検出信号を出力するもの等が用いられる。
前記コントローラ20は、後述する着桟モードの間、船首尾両側の横推力機関の左右両舷方向の切り換え推力の増減を制御する。また、後述する係船モードの間、船首ライン、ブレストライン、スプリングライン用の船首側係船機3基と船尾ライン、ブレストライン、スプリングライン用船尾側係船機3基を係船機制御ユニット10Uを介して各係船索R1〜R6の巻取りと自力繰出しを行わせ、張力制御および係船索長制御を実行する。
つぎに、図4および図5に基づき、本発明の着桟係船方法を説明する。
図4は本発明の着桟係船方法の説明図である。図5は本発明の着桟係船制御のフローチャートである。図6は着桟モードと係船モードにおけるヘッディング変位補正方法の説明図である。
図4において、点線で示す船舶Sの移動軌跡は、港内モードを示している。以下、図5を併せ参照しながら説明すると、港内モード(100)は、ポッド推進装置2等の前後進推進機関を用い、岸壁Wから所定距離、例えば30m離れた位置まで移動してくる。そして、この着桟開始位置において、岸壁に平行になるように停船する。この後、着桟モード(200)と係船モード(300)と係留モード(400)が、その順で実行される。
(1)着桟モード(200)
着桟開始位置に至る以前から着桟に必要な本船位置、状態および環境情報は各種検出器21〜27からコントローラ20に入力されている。そこで、着桟開始位置において、現状の各検出値を用いて、本船の水線下抵抗および水線上抵抗(船首部および船尾部)を演算させ、本船の横船速約2ノットを得るよう船舶Sの船首側サイドスラスタ1と船尾側推進装置2の横推力を制御する。
横推力の概算計算式は、2ノット推力=船首・船尾平行移動推進力−(本船の水線下抵抗および水線上抵抗(船首部および船尾部))で求められる。岸壁接岸までの船舶Sの船側速度を、約0.17m/secに設定すると、約30mの位置から接岸させるまでの時間は、約3分程度を要することになる。
(横推力)
着桟モードにおける横推力は下記の条件にて計算できる。まず、船舶を横移動させるには、つぎの4種の抵抗が生じる。
(a)風圧抵抗
=KVn(kg)
:風圧係数(横方向:0.0735 縦方向:0.0429)
:喫水線上風方向の投影面積(m
:相対風速(m/sec)
(b)潮流抵抗
=0.1212A{(V+V)2+0.330(V+V)}(kg)
:浸水面積(m
:潮流速度(m/sec)
:船の移動速度(m/sec)
(c)形状抵抗
=73.2A(V+V(kg)
:喫水線下船体側面投影面積(m
(d)推進器抵抗
=26.4D(V+V)(kg)
D:推進器の直径(m)
そして、船舶Sを横移動させるには、前記4種の抵抗の緩和以上の横推力を出せばよい。横推力は、船首側横推力機関と船尾側横推力機関との合計で決まるが、この推力は下記のとおりである。
i:船首部推力(P
は、サイドスラスタ2基分の推力(PST)の合算とする。
1基分推力は、0〜定格推力PSTまで可変とする。
ii:船尾推力(P
ポッド推力とする。
=(2×PST)+(RaA−RaF)
RaA:船尾風力抵抗
RaF:船首風力抵抗
よって、横推力の合計は、下記式のとおりとなる。
iii:横推力(P
=(P+P)−(Ra+Rw+Rv+Rp)
≦0.17m/sec の推力
(ヘッディング変位補正)
着桟モードの間では、船舶Sのヘッディング方位を岸壁Wと並行に維持しながら上記横推力により岸壁に近づける。船舶Sにヘッディング変位が生じた場合は、補正するため下記の推力制御を行う。
図6の(A)図に示すように、船首が岸壁から離れる方向にヘッディング変位が発生したら、船首推力Pを一定にし、船尾推力PをPα分増加させ、船尾と船首が岸壁と並行(初期ヘッディング方位)となるようP推力の制御を行う。
これにより、初期ヘッディング方位に到達したならば、再び船尾推力P=船首推力Pとなるように推進力を制御し、船体と岸壁との並行度を保持する。
船尾側が岸壁から離れる方向に変位した場合は、前記と反対方向に推力制御すればよい。ヘッディング補正が終了すると、船首・船尾推力を制御し、初期ヘッディング方位を維持させ、Lm=0mとなるようにPおよびPの推力を制御する。
このようにして、船体が岸壁まで、約1mの距離(この位置を係船開始位置という)まで移動する。この場合、横進に利用している横推力機関を使ってヘッディング変位を補正するので、補正が容易かつ迅速に行え、かつ横進中に行えるので、横進動作が遅れることもない。また、岸壁との並行度が保持されているので、つぎの着桟モードが直ちに移行できるので、迅速な着桟が可能となる。
(係船準備)
着桟モードにおける途中からは、すなわち、本船と岸壁との距離がLm(数メートル)になれば、係船索を繰出すフラッグ信号を操船場所から発信し、船首側係船機10Fおよび船尾側係船機10Rから係船索が繰出され、岸壁ピットに係船索R1〜R6が人力により掛けられる。この時、繰出される係船索本数は下記のとおりである。
船首部:バウラインR1×1本、ブレストラインR2×1本、スプリングラインR5×1本
船尾部:スターンラインR4×1本、ブレストラインR3×1本、スプリングラインR6×1本
係船開始位置より少し遠い前記距離Lmからは、可視可聴監視支援装置の検出信号により段階的に表示灯色および監視レベル音を変えるなどして、本船と岸壁との差を聴覚をもって、係船準備作業状況が掌握できるようにするのが好ましい。
(2)係船モード(300)
船舶Sが係船開始位置、すなわち、岸壁との距離が約1mになれば、船首部のスラスタ1の横推進力がゼロ、ポッド推進装置2の推進力がゼロになるように制御する。推進力がゼロとなった後は、惰力推進力と合わせて、船首側係船機10Fおよび船尾側係船機10Rの張力制御により接岸させ、係船作業を行う。
図2に示すように、係船機10F,10Rにより、船首・船尾に出された計4本の係船索R1〜R6を自動繰出したり巻取ったりして、その張力制御および係船索長制御を用い、接岸位置が維持できるように各係船機10F,10Rの張力・係船索長のバランスをとる。この場合、係船機10F,10Rは係船索Rの自力繰出し機能を有しているので、係船索Rを岸壁Wとの間に張り渡す作業において、人力作業を大幅に省略できる。また、係船索張力計29で検出された張力に基づき、能動的に係船索を繰出すことにより、係船索Rの破断等を防止することができる。
(ヘッディング補正)
係船モード中に、船舶Sのヘッディング変位があった場合は、船首側・船尾側係船機10F,10Rによって係船索R1〜R6のうちの一部あるいは全部の巻取りあるいは自力繰出し制御によってヘッディング補正を行う。
ヘッディング変位補正に必要な船首部および船尾部張力は下記のように設定するのが好ましい。
係船機張力:Pα
船首部張力:MFT≦Pα/2
船尾部張力:MAT≦Pα/2
この場合、船首側と船尾側とが均等な張力であるため、船体が前後にズレないという利点がある。
また、係船モード中に、係船索Rの張力制御によって、ヘッディング補正するので、係船作業と同時に補正を行って、船体を岸壁Wに平行に保持できるので、係船作業が安全かつ確実に行える。
(3)係留モード(400)
接岸終了後は、船舶Sの定点を維持するため、前記係船機10F,10Rによって、定点位置から船首方向±2m以内、船尾方向±2m以内となるよう張力制御を行う。また、本船の喫水変化に対しても定点位置を基準に上下の係船索長の制御を行う。この間に、荷役作業を行えばよい。
本発明の一実施形態である自動着桟係船装置のブロック図である。 (A)図は、本発明で用いる係船機の構造と自力繰出し動作の説明図、(B)図は、同係船機の巻取り動作の説明図である。 本発明における自動着桟係船装置を構成する係船機の配置側と係船索を示す平面図である。 本発明の着桟係船方法の説明図である。 本発明の着桟係船制御のフローチャートである。 着桟モードと係船モードにおけるヘッディング変位補正方法の説明図である。
符号の説明
1 サイドスラスタ
2 ポッド推進装置
10F,10R 係船機
20 コントローラ

Claims (4)

  1. 船体の両舷方向のいずれにも横推力を出力できる船首側横推力機関および船尾側横推力機関と、
    係船索の巻取り機能と自力繰出し機能が可能な船首側係船機および船尾側係船機と、
    岸壁までの距離を計測する距離計と、
    前記距離計で検知した船体から岸壁までの距離に基づき、前記船首側横推力機関と前記船尾側横推力機関の推進方向と推力を制御し、かつ前記船首側係船機と前記船尾側係船機の係船索の巻取り動作と繰出し動作を制御するコントローラとを備えている
    ことを特徴とする船舶の自動着桟係船装置。
  2. 船舶の着桟係船操作を、岸壁から所定距離離れた着桟開始位置から着桟モードで行い、ついで係船開始位置から船体を岸壁に係止させるまでを係船モードの順で行い、
    前記着桟モードは、船舶の船首側横推力機関と船尾側横推力機関を用い、船舶を横方向に移動させて岸壁に近づけ、
    前記係船モードは、船首側係船機と船尾側係船機を用い、岸壁との間に張り渡した係船索を引張ることにより船舶を横方向に移動させて岸壁に係止させる
    ことを特徴とする船舶の自動着桟係船方法。
  3. 前記着桟モードにおいて、船舶のヘッディング変位ズレを船首側横推力と船尾側横推力を使って岸壁に対する並行度を保持するヘッディング補正制御を行う
    ことを特徴とする請求項2記載の船舶の自動着桟係船方法。
  4. 前記係船モードにおいて、船首側係船機による係船索の巻取り繰出し制御と、船尾側係船機による係船索の巻取り繰出し制御を組合せることにより、ヘッディング変位ズレを補正するヘッディング補正制御を行う
    ことを特徴とする請求項2記載の船舶の自動着桟係船方法。
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