JP2005254786A - 成形金型用洗浄剤と洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スチレン系樹脂の成形金型に付着した付着物の除去能力に優れた成形金型用洗浄剤とその洗浄方法の提供。
【解決手段】 含浸プール11にpHが1〜5のスケール洗浄剤を入れ、スチレン系樹脂の成形金型を入れて放置することで、成形金型に付着している付着物を除去した後、成型金型を含浸プールから取り出して水洗する。続いて、別の含浸プール11にスチレン溶解剤と、スチレン非溶解剤とからなるスチレン系樹脂洗浄剤を入れ、含浸プール11の内部にスチレン系樹脂の成形金型を入れて放置することで、成形金型に付着している付着物が成型金型から剥離して洗浄剤中に沈降する。その後、含浸プール11から成形金型を取り出して、成形金型を水洗することで、成型金型に付着した付着物を除去する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、スチレン系樹脂の成形金型を洗浄する洗浄剤とその洗浄方法についてのものである。
従来はスチレン系樹脂の成形金型の洗浄方法として、金型に付着した付着物をヘラなどで物理的に掻き取る方法がある。、リモネンはリモネンにセスキテルペンを含有させた混合物とからなる除去用薬剤を金型に付着しているポリスチレン滓に適用して膨潤させ、高圧水で取り除く方法がある(特許文献1)。他、スチレン系樹脂の成形金型の洗浄方法ではないが、発泡ポリスチレンを溶解する方法として、発泡ポリスチレン収縮剤を密閉空間内で発泡ポリスチレンに噴霧するして収縮させる方法(特許文献2)がある。さらに、発泡スチロールの溶解剤に不溶化剤を添加してなる発泡スチロールの減容剤に発泡スチロールを接触させる方法(特許文献3)がある。
特開2003−170436号公報(第2ページ) 特開平5−263065号公報(第2−5ページ) WO01/004192号再公表特許(第2−4ページ)
しかし、ヘラで物理的に掻き取る方法では、成形金型が損傷して成型品の品質を低下させる。金型に付着しているポリスチレン滓に除去用薬剤を適用して膨潤させる方法では、除去用薬剤をポリスチレン滓に噴霧しただけでは膨潤が悪くなる。除去用薬剤に成形金型を浸漬させると、除去用薬剤中にポリスチレンが溶解し成形金型に再付着し、少しずつ除去用薬剤の粘度が上昇して使えなくなる。発泡ポリスチレンを溶解する方法を成形金型の洗浄方法として転用したときは、発泡ポリスチレン収縮剤を密閉空間内で発泡ポリスチレンに噴霧して収縮させるので、付着物と収縮剤との接触時間が短く、溶解力があまり良くない。発泡スチロールの溶解剤に不溶化剤を添加してなる発泡スチロールの減容剤に発泡スチロールを接触させる方法を転用したときは、形成された餅状物が減容剤の液面又は液中に浮遊してしまい、成形金型に餅状物が再付着してしまう。これらの方法は、ポリスチレンや発泡ポリスチレンだけを溶解するものなので、スチレン系樹脂の成形金型に付着した付着物の全てを除去できない。
請求項1の発明は、含浸プールに洗浄剤を入れて、含浸プールの内部にスチレン系樹脂の成形金型を入れて放置することで、成形金型に付着している付着物を取り除く成形金型用のスチレン系樹脂洗浄剤において、スチレン系樹脂洗浄剤と、スチレン非溶解剤からなり、付着物が成型金型から剥離して洗浄剤中に沈降する。
請求項2の発明は、含浸プールに洗浄剤が入れられ、含浸プールの内部に水蒸気を使って成形するスチレン系樹脂の成形金型を入れて放置することで、成形金型に付着している付着物を取り除く成形金型用のスケール洗浄剤において、成型金型を入れるときにpHが1−5である。
請求項3の発明は、請求項1のスチレン系樹脂洗浄剤による洗浄と、請求項2に記載のスケール洗浄剤による洗浄を行う。
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2の成形金型用洗浄剤が入れられた含浸プールの内部に成形金型を入れて放置した後、含浸プールから成形金型を取り出して、成形金型を水洗する。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項2の成形金型用洗浄剤が入れられた含浸プールの内部に成形金型を入れて放置した後、含浸プールから成形金型を取り出して、成形金型を水洗する。
請求項1の発明は、付着物の成形金型への再付着を防止できる。
請求項2の発明は、付着物中のスケールの除去能力に優れている。
請求項3の発明は、付着物の除去能力に優れている。
請求項4の発明は、成形金型から剥離せずに残留している付着物を除去できる。
発明を実施するのでの最良の形態
スチレン系樹脂とは、ポリスチレン、ABS、アクリル・スチレンなどスチレン骨格を持つ樹脂のことである。これらをブタンなどにより発泡させた発泡ポリスチレン(EPS)のような発泡体がある。図2(a)、(b)のように、EPSの成形金型は雄金型1を挿入できる雌金型2からなる。図2(a)のように、雄金型1は600mm×600mm×30mmのアルミ板で、380mm×380mmの穴があいている。この穴には、380mm×380mm×80mmのアルミ製凸部5がボルトで固定されて、全面に30mm間隔で直径10mmの蒸気穴6があいている。図3(a)のように、蒸気穴6は1mm間隔でスリット7が取り付けてある。図4のように、スリット部8と蒸気穴6は、密着して固定してある。図2(b)のように、雌金型2は、1000mm×1000mm×30mmのアルミ板3bで、400mm×400mmの穴があいている。穴には、400mm×400mm×100mmのアルミ製凹部9がボルトで固定していて、全面に30mm間隔で直径10mmの蒸気穴6があいている。図3(a)のように、蒸気穴6は、幅1mmのスリット7が付けてある。図4のように、スリット部8と蒸気穴6は、密着して固定してある。スリット部8は雌金型2に雄金型1を重ねたとき、図2(a)、(b)の雌金型2の内側17と雄金型1の外側18側にあり、雌金型2の内側17と雄金型1の外側18はフッ素コーティングしてある。成形金型はステンレス、鉄、銅、マグネシウムでも良い。熱伝導性に優れ、腐食しにくいアルミニウムを使うと良い。成形金型、雄金型1と雌金型2の大きさ、形状は任意。蒸気穴6の直径、配置、数は任意。スリット部8のスリット7の位置とスリット7の幅は任意。図3(b)のような円形のスリット7をあけても良く、スリット部8を使用せず成形金型をドリルで穴をあけても良い。フッ素コーティングはスケールやポリスチレンの付着防止用で、グリースを使っても良い。EPSは次のように成形される。まず、雌金型2に雄金型1を差し込んで雄金型1と雌金型2の間に発泡ポリスチレンビーズを入れる。次に蒸気穴6から水蒸気を噴出させ、発泡ポリスチレンビーズの表面を溶融させて雄金型1と雌金型2をピストンで加圧する。2−60秒ほど状態を保った後、金型の外側に冷却水を30−120秒間接触して冷却し、雄金型1と雌金型2とを分離してEPS成形体ができる。発泡ポリスチレンビーズとは、ポリスチレンビーズを窒素、アルゴン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどによって発泡させた直径1−10mmの球体である。このような成形を数百回繰り返すとEPSの成形金型に付着物が付着する。付着物は蒸気穴6周辺部に特に多く付着している。付着物はポリスチレンとスケールの複合体である。スケールとは水に含まれるカルシウム、マグネシウム、シリカ、鉄などの無機物が水の揮発によって取り残され成形金型に残留し付着したものである。これらは主に冷却水に由来する。従って、ポリスチレンとスーケルのどちらか一方だけを除去しても付着物は残存したままである。EPSの成形金型の洗浄剤はポリスチレンを取り除くスチレン系樹脂洗浄剤とスケールを取り除くスケール洗浄剤がある。スチレン系樹脂洗浄剤はスチレン溶解剤とスチレン非溶解剤からなり、成形金型に付着した付着物中のポリスチレンをモチ状に軟化して剥離させ、付着物を洗浄剤中に溶解させることなく沈降させる。スチレン溶解剤とスチレン非溶解剤とは相溶性があると良い。放置しておくだけで、スチレン溶解剤とスチレン非溶解剤を付着物に均一に接触させられる。相溶性がないときは撹拌してスチレン溶解剤とスチレン非溶解剤を常に混合させておくと良い。付着物を沈降させることで洗浄剤にはポリスチレンが溶解しないので、繰り返し使用しても洗浄剤は変化がなく半永久的に使用できる。洗浄剤の液面又は液中に付着物が浮遊していないので付着物の再付着を防止できる。スチレン溶解剤とはスチレン系樹脂を溶解する性質を持つ物質のことで、トルエン、キシレンなどの芳香族、酢酸エチル、酢酸イソアミル、酪酸エチルなどのエステル、リモネン、ピネンなどのテルペンがある。芳香族かテルペンを使うとポリスチレンのモチ化性が良い。天然物質なのでテルペンを使うとさらに良い。スチレンの構造に最も近いので付着物中のポリスチレンのモチ化性に優れ付着物の剥離性に効果がある、リモネンを使うのが最も良い。スチレン非溶解剤とは、スチレン系樹脂を溶解させる性質を持たない物質のことで、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、シクロパラフィン、イソブテン、ノルマルブテン、ポリブテンなどがある。無臭で引火点が40℃以上であるので、取り扱い上の制限が少ないパラフィンかブテンを使うのが良い。スチレン溶解剤のポリスチレンのモチ化性を低下させないので、パラフィンを使うとさらに良い。成形金型に付着した付着物を沈降させる能力に効果があるので、イソパラフィンを使うのが最も良い。イソパラフィンの分子量は20−300なので流動性が良く、スチレン溶解剤と混合が簡単になる。分子量が20未満だと引火点が40℃未満となり、夏場の高温期に取り扱いの制限がある。分子量が300超だと、常温での流動性がなくなるのでスチレン溶解剤との混合が難しい。スチレン溶解剤とスチレン非溶解剤の混合割合は、スチレン溶解剤100gに対してスチレン非溶解剤が3−50gで、成形金型に付着した付着物を沈降させる能力がある。スチレン非溶解剤が3g未満だと成形金型に付着した付着物を沈降させることができず、洗浄剤中に溶解して成形金型を含浸プールから取り出すときに溶解した付着物が再付着する。50g超だとスチレン系樹脂の除去能力が悪くなる。スケール洗浄剤は酸を水で希釈したものである。例、塩酸0.001モル+酢酸0.0027モル+乳酸0.0006モル+水1リットル。塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、クロム酸、フッ化水素酸、臭化水素酸などの無機酸、カルボン酸、フェノールなどの有機酸のうち、成形金型に対する腐食性が小さくかつスケールの除去能力に効果があるので、カルボン酸を使うと良い。カルボン酸は分子中にCOOH基がある酸で、シュウ酸、クエン酸、ケトグルタル酸、マレイン酸、酒石酸、ピルビン酸、リンゴ酸、マロン酸、アコニチン酸、こはく酸、乳酸、蟻酸、酢酸、酪酸、アジピン酸、ピロ、グルタミン酸、プロピオン酸、フミン酸、フマル酸、バレリン酸、イソクエン酸、安息香酸、カルバミン酸、オキサミド酸、アントラニル酸、ピルビン酸、グリオキシル酸、グルタル酸、オレイン酸、ステアリン酸、テレフタル酸である。カルボン酸分子中、COOH基の炭素を除いた残りの炭素数が2−20のとき成形金型に対する腐食性がより小さくなる。炭素数が2未満だと成形金型の腐食性が強く、20超だと粘度が高すぎて取り扱いが難しい。このようなカルボン酸はコハク酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、ナフトエ酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、フロ酸、プロピオン酸、プロピオル酸、酪酸、イソ酪酸、メタクリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、ケイ皮酸、乳酸、グリセリン酸、酒石酸、クエン酸、ピルビン酸、アセト酢酸、ベンジル酸、アントラニル酸、エチレンジアミン四酢酸、過酢酸、過安息香酸、アラニン、セリン、フェニルアラニンがある。スケール洗浄剤のpHが1−5のとき付着物中のスケール除去能力に効果があり、スケール洗浄剤中に成形金型を48時間浸漬したときの成形金型の重量減少率が0.5%以下になるので使用上の問題がない。重量減少率が0.5%超だと成形金型が溶けてしまうので、EPSの寸法を規定範囲内に保つのが難しい。スケール洗浄剤のpHが1未満だと、成形金型に対する腐食性が大きいので使えない。pHが5超だと、スケールの除去能力が悪くなる。酸を水で希釈する割合を調整することでpHを1−5にできる。スケール洗浄剤はpH1未満の酸水溶液にし、使うときに水で希釈してpHを1−5に調整しても良い。輸送時に洗浄剤の容器を小さくできる。スケール洗浄剤に界面活性剤、防腐剤を添加しても良い。図1のように、EPSの成形金型用洗浄剤10を入れる含浸プール11はステンレス製の1300mm×1300mm×1000mmで、底12は傾斜している。含浸プール11の底12には50mm×50mmのストッパー13がクロスして取り付けられていて、両端は含浸プール11の壁面と溶接してある。壁面の下にはドレン14が取り付けてあり、洗浄剤を抜き取り用の栓15が取り付けてある。含浸プール11の底12には脚16が取り付けらている。ストッパー13は含浸プール11に入れられた成形金型を含浸プール11の底12に沈降している付着物に接触させないようにするために取り付けられていて、付着物の成形金型への再付着を防止できる。ストッパー13はクロスせず、含浸プール11に入れる成形金型が含浸プール11の底12に接触しないようにするれば良い。図6(a)のように含浸プール11の内側から出っ張らせても良いし、図6(b)のように含浸プール11の底12から出張らせても良い。ストッパー13の材質、大きさは任意。鉄、アルミニウム、ステンレス、プラスチックでも良いが、酸とスチレン溶解剤による腐食が少ないのでステンレスを使うのが良い。含浸プール11の底12の傾斜は含浸プール11に入れる洗浄剤と含浸プール11の底12に沈降する成型金型の付着物の排出を簡単にする。傾斜角度は5−45°で、含浸プール11に入れる洗浄剤と含浸プール11の底12に沈降する成型金型の付着物との排出が簡単である。傾斜角度が5°未満だと成型金型の付着物の排出が難しく、45°超だと含浸プールが大きくなりすぎて洗浄剤の使用量が増える。含浸プール11の大きさ、形状はEPSの成形金型を入れられれば良い。材質は、鉄、アルミニウム、ステンレス、プラスチックを使用できるが、酸やスチレン溶解剤による腐食が少ないのでステンレスを使うのが良い。含浸プール11には内部に入れる洗浄剤の揮発を防ぐために蓋をすると良い。洗浄剤の揮発を防ぎ、雨、埃の混入を防ぐ。含浸プール11の内側には入れられた洗浄剤の容量を示すのでの目盛りを取り付けると良い。一見して洗浄剤の容量を判断できる。EPSの成形金型の洗浄は、図5のように、含浸プール11にスチレン系樹脂洗浄剤を入れ、続いて雌金型2に雄金型1を重ねた状態で入れる。複数の金型を同時に入れられるので効率的である。成形金型の入れ方は雄金型1と雌金型2とを別々に入れても良い。雌金型2に雄金型1を重ねた状態で成形金型を含浸プール11に入れるときは、図5のように、雄金型1を上にして(雌金型2の凹部9側、雄金型1の凸部5側を下にして)入れると良い。一方の金型の付着物が金型から離れて沈降していく過程で、もう一方の金型に付着することを防ぐ。雄金型1を上にして入れるときは、雄金型1から離れた付着物が雌金型2に再付着することがある。その後1−48時間放置すると、成形金型に付着した付着物中のポリスチレンは軟化しモチ状となって含浸プール11の底12に沈降する。スチレン系樹脂洗浄剤又はスケール洗浄剤を入れた含浸プール11に成形金型を入れて放置するときには、バブリング、撹拌、振動させると良い。より短時間で付着物を除去できる。沈降した付着物は重力によって底12の最下部に集まり、含浸プール11に設けられた栓15を開くと簡単に取り出せる。付着物の取り出しに伴う洗浄液の減少を最小限にできる。次に含浸プール11から成形金型を取り出し水洗する。成形金型から剥離せずに残留している付着物を除去できる。水洗の水圧は0.1−20MPaで、成形金型に残留している付着物をはじき飛ばす。水圧が0.1MPa未満だと水圧が低すぎて残留している付着物を弾き飛ばすことができず、20MPa超だと水圧が強すぎて成形金型の表面にコーティングしてある付着防止剤がはがれる。水洗が終了した後、別の含浸プール11にスケール洗浄剤を入れ、続いて成形金型を入れる。入れ方はスチレン系樹脂洗浄剤中に入れたときと同様。1−48時間放置することで、成形金型に付着したスケールが洗浄剤中に溶解する。放置時間が1時間未満だと付着物があまり除去されない。48時間超だと成形金型を腐食することがある。このように繰り返し使用していると、スケール洗浄剤のpHは少しずつ上昇しやがて範囲を超える。この後は洗浄剤に中和剤を混ぜて中和した後に廃棄し全量を入れ替える。付着物の除去能力の低下を防ぐ。中和剤はアルカリ性を使用できる。水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムの金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの弱酸強塩基の塩、アンモニア水が良い。中和剤による中和後に、硫酸アルミニウム、ミョウバン、ポリ塩化アルミニウム、アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、アルギン酸ナトリウム、塩化鉄、燐酸アンモニウムを混ぜても良い。中和によって生成した塩が凝集して沈降するので、凝集物と水とを簡単に分離できる。特にポリ塩化アルミニウムを使うと、低温時での凝集沈降性に効果がある。凝集剤と同時に粉末活性炭やベントナイトを混ぜると良い。これらは凝集の核として働くので沈降速度があがる。凝集物は底12に集まり、栓15を開くことで簡単に取り出せる。次に、含浸プール11から成形金型を取り出し水洗する。水洗方法はスチレン系樹脂洗浄剤中から取りだしたときと同様。このようにスチレン系樹脂洗浄剤による洗浄とスケール洗浄剤による洗浄を行うと付着物の除去能力に効果がある。付着物中のスチレン系樹脂が50%以上だと、成形金型はスチレン系樹脂洗浄剤が入れられている含浸プール11に入れた後、スケール洗浄剤が入れられている含浸プール11に入れると良い。付着物の組成中、スケールが50%以上のときは、成形金型は、スケール洗浄剤を入れた含浸プール11に入れた後、スチレン系樹脂洗浄剤を入れた含浸プール11に入れると良い。この順序で入れるとさらに効果がある。付着物がスチレン系樹脂かスケールのどちらか一方しか付いていないときは、スチレン系樹脂洗浄剤かスケール洗浄剤のどちらか一方だけを使えば良い。
まず、EPS成形後の成形金型から、100mm×100mmで、それぞれの蒸気穴6が同数に切断した。同様にABS成形後の成形金型も切断した。これらの試験体を洗浄剤が入った含浸プール11に入れて4時間放置してから試験体を取りだして付着物の除去状態を観察した。その後1MPaの水圧で水洗し、もう一度付着物の除去状態を観察した。このときの付着物はポリスチレンが38.3%、シリカスケールが27.0%、鉄スケールが1.1%、カルシウムスケールが22.4%、マグネシウムスケールが10.9%、銅スケールが0.3%。(実施例1)リモネン100g、インパラフィン20gからなる洗浄剤で洗浄した。その結果EPSとABSの成形金型の付着物は80%が除去され洗浄剤中に沈降していた。水洗後はほとんどが除去された。(実施例2)リモネン100g、イソプロピルアルコール7gからなる洗浄剤で洗浄した。その結果、EPSとABSの成形金型の付着物は80%が除去され洗浄剤中に沈降していた。水洗後はほとんどが除去された。(実施例3)キシレン100g、イソブテン45gからなる洗浄剤で洗浄した。その結果EPSとABSの成形金型の付着物は80%が除去され洗浄剤中に沈降していた。水洗後はほとんどが除去された。(実施例4)リモネンのみからなる洗浄剤で洗浄した。その結果、EPSとABSの成形金型の付着物は約半分が除去されて成形金型全体に薄膜となって付着していた。水洗後も約半分が付着したまま残っていた。(実施例5)リモネン100g、アンブロサン1gからなる洗浄剤で洗浄した。その結果、EPSとABSの成形金型の付着物は約半分が除去されて、成形金型全体に薄膜となって付着していた。水洗後も約半分が付着したまま残っていた。(実施例6)リモネン100g、ベンジルアルコール10gからなる洗浄剤で洗浄した。その結果、EPSとABSの成形金型の付着物は一旦除去されたものの、ほとんどが再付着するか洗浄剤中に浮遊していた。水洗後は約半分が付着したまま残っていた。(実施例7)リモネン100g、エタノール3gからなる洗浄剤で洗浄した。その結果EPSとABSの成形金型の付着物は約半分が除去されていて成形金型全体に薄膜となって付着していた。水洗後も約半分が付着したまま残っていた。(実施例8)キシレンのみからなる洗浄剤で洗浄した。その結果、EPSとABSの成形金型の付着物は約半分が除去されていて成形金型全体に薄膜となって付着していた。水洗後も約半分が付着したまま残っていた。(実施例9)水1リットルにクエン酸0.01モルからなる洗浄剤で洗浄した。このときのスケール洗浄剤のpHは2。その結果EPSとABSの成形金型の付着物は80%程度が除去され水洗後はほとんどが除去された。試験前後の試験体の重量変化は0.0017%。(実施例10)水1リットルに安息香酸0.0001モルからなる洗浄剤で洗浄した。このときのスケール洗浄剤のpHは4。その結果、EPSとABSの成形金型の付着物は80%程度が除去され水洗後はほとんどが除去された。試験前後の試験体の重量変化は0.0011%。(実施例11)水1リットルに塩酸0.001モルからなる洗浄剤で洗浄した。このときのスケール洗浄剤のpHは3。その結果、EPSとABSの成形金型の付着物は80%程度が除去され、水洗後はほとんどが除去された。試験前後の試験体の重量変化は0.1043%。(実施例12)水1リットルに硫酸0.2モルからなる洗浄剤で洗浄した。このときのスケール洗浄剤のpHは0.7。その結果、EPSとABSの成形金型の付着物はほとんどが除去され水洗後は完全に除去された。試験前後の試験体の重量変化は0.5576%。(実施例13)水1リットルに酢酸0.000001モルからなる洗浄剤で洗浄した。このときのスケール洗浄剤のpHは6。その結果、EPSとABSの成形金型の付着物は約半分が除去され水洗後は80%程度が除去された。試験前後の試験体の重量変化は0.0006%。(実施例14)実施例1の洗浄性試験が終了した後、実施例4のスケール洗浄剤によって洗浄性試験を行った。その結果、EPSとABSの成形金型の付着物はほとんどが除去され水洗後は完全に除去された。(実施例15)実施例4の洗浄性試験が終了した後、実施例2のスチレン系樹脂洗浄剤によって洗浄性試験を行った。その結果、EPSとABSの成形金型の付着物はほとんどが除去され水洗後は完全に除去された。
実施形態の含浸プールの断面図。 (a)、(b)は雄金型と雌金型の状態の断面図。 (a)、(b)はスリット部の平面図。 蒸気穴のスリット部の断面図。 含浸プールに成形金型を入れた状態の断面図。 (a)、(b)は新タイプの含浸プールの断面図。
符号の説明
1雄金型、2雌金型、10成形金型用洗浄剤、11含浸プール。

Claims (4)

  1. 含浸プールに洗浄剤を入れ、その含浸プールの内部にスチレン系樹脂の成形金型を入れて放置することにより、成形金型に付着している付着物を除去する成形金型用のスチレン系樹脂洗浄剤において、そのスチレン系樹脂洗浄剤がスチレン溶解剤と、スチレン非溶解剤とからなり、付着物が成型金型から剥離して洗浄剤中に沈降することを特徴とする成形金型用のスチレン系樹脂洗浄剤。
  2. 含浸プールに洗浄剤を入れ、その含浸プールの内部に水蒸気を用いて成形するスチレン系樹脂の成形金型を入れて放置することで、成形金型に付着している付着物を除去する成形金型用のスケール洗浄剤において、成型金型を入れるときにそのpHが1〜5であることを特徴とする成形金型用のスケール洗浄剤。
  3. 請求項1に記載のスチレン系樹脂洗浄剤による洗浄と、請求項2に記載のスケール洗浄剤による洗浄を行うことを特徴とする成形金型の洗浄方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の成形金型用洗浄剤が収容された含浸プールの内部に成形金型を入れて放置した後、含浸プールから成形金型を取り出して、その成形金型を水洗することを特徴とする成形金型の洗浄方法。
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