JP2005253467A - ネオスポラのタンパク質mag1をコードするポリヌクレオチド分子 - Google Patents

ネオスポラのタンパク質mag1をコードするポリヌクレオチド分子 Download PDF

Info

Publication number
JP2005253467A
JP2005253467A JP2005109203A JP2005109203A JP2005253467A JP 2005253467 A JP2005253467 A JP 2005253467A JP 2005109203 A JP2005109203 A JP 2005109203A JP 2005109203 A JP2005109203 A JP 2005109203A JP 2005253467 A JP2005253467 A JP 2005253467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleotide sequence
polynucleotide molecule
protein
neospora
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005109203A
Other languages
English (en)
Inventor
David A Brake
アラン ブレイク デビッド
Rebecca Anne Madura
アン マドゥラ レベッカ
Becky Ann Durtschi
アン ダーツキー ベッキー
Balakrishnan Rajendra Krishnan
ラジェンドラ クリッシュナン バラクリッシュナン
Susan Christine Yoder
クリスティン ヨーダー スーザン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pfizer Products Inc
Original Assignee
Pfizer Products Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pfizer Products Inc filed Critical Pfizer Products Inc
Publication of JP2005253467A publication Critical patent/JP2005253467A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/44Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from protozoa
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P15/00Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives
    • A61P15/06Antiabortive agents; Labour repressants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P33/00Antiparasitic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P33/00Antiparasitic agents
    • A61P33/02Antiprotozoals, e.g. for leishmaniasis, trichomoniasis, toxoplasmosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies

Abstract

【課題】 哺乳類における流産、新生児死、先天性感染及び脳炎性疾病の主要原因であるネオスポラに対するワクチンの生成及び診断試薬の開発に関する。
【解決手段】 ネオスポラからのMAG1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を用いてのワクチンの生成及び診断試薬の製造に関する。
【選択図】 なし

Description

1.発明の分野
本発明は、動物健康の分野に関し、そして疾病のためのワクチン組成物及び診断に向けられうる。より具体的には、本発明は、ネオスポラ(Neospora)からのGRA1,GRA2,SAG1,MIC1及びMAG1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子に関し、ここで前記ポリヌクレオチド分子及びタンパク質は、ネオスポロシス(neosporosis)に対するワクチンの生成において、及び診断試薬として有用である。
2.発明の背景
ネオスポラは、哺乳類における流産、新生児死、先天性感染及び脳炎性疾患の主要原因として認識されて来た動物の病原性原虫寄生体である。Dubey and Lindsay, 1996, Vet. Parasitol. 67 : 1-59 ; Dubey and Lindsay, 1993, Parasitology Today, 9 : 452-458 。ネオスポラ・カニナムは、犬に感染し、そして先天的に子犬に感染し、しばしば麻痺を導びく。N.カニナムのタキゾイト(tachyzoite)が自然において感染された子犬から単離されている(Lindsay and Dubey, 1989, J. Parasitol. 75 : 163-165)。ネオスポラは、乳牛及び肉牛における流産の主要因子である。ネオスポラ−関連疾病、すなわちネオスポロシスの症例がまた、ヤギ、羊及び馬においても報告されている。
N.カニナムは、表面上は病原体、すなわちトキソプラズマゴンジ(Toxoplasma gondii)に類似するが、N.カニナム及びT.ゴンジは、抗原的に及び超構造的にお互い区別されて来た(Dubey and Lindsay, 1993 、上記)。さらに、流産したウシ胎児の脳から単離され、そしてインビトロで連続して培養されたネオスポラ−株原虫寄生体は、T.ゴンジ及びハモンジア ハモンジ(Hammondia hammondi)の両者と抗原的に及び超構造的に異なることが示され、そしてN.カニナムに最とも類似した(Conradなど., 1993, Parasitology 106 : 239-249)。さらに、核の小さなサブユニットであるリボソームRNA遺伝子の分析は、畜牛及び犬から単離されたネオスポラ株間にヌクレオチドの差異が存在しないことを示したが、しかし、ネオスポラとT.ゴンジとの間に一定の差異を示した(Marsh など., 1995, J. Parasitol. 81 : 530-535)。
ウシ流産及び先天性疾患におけるネオスポラのウシ単離物の病因役割が確かめられている(Barrなど., 1994, J. Vet. Diag. Invest. 6 : 207-215)。中枢系ネオスポロシスのゲッ歯動物モデルが、N.カニナムにより感染された近交系BALB/cマウスを用いて、開発されている(Lindsay など., 1995, J. Parasitol. 81 : 313-315)。さらに、妊娠した遠縁系及び近交系マウスにおけるN.カニナムの経胎盤伝達を研究するためのモデルが、Coleなど., 1995, J. Parasitol. 81 : 730-732 、及びLongなど., 1996, J. Parasitol. 82 : 608-611 により記載されている。天然において獲得されたネオスポラ−誘発性畜牛流産に密接に類似する実験用N.カニナム・ピグミーヤギモデルが示されている。Lindsay など., 1995, Am. J. Vet. Res. 56 : 1176-1180。天然において獲得されたネオスポラ−誘発性畜牛流産に密接に類似する実験用N.カニナム羊モデルもまた示されている(Buxtonなど., 1997, J. Comp. Path. 117 : 1-16)。
T.ゴンジにおいて、抗原の排出−分泌グループを含んで成る電子密集粒状物がタキゾイトの細胞質に存在する。それらは抗原は、GRAタンパク質として示されている。T.ゴンジのGRA1タンパク質は、約22〜27KDa の範囲の分子量を有することが報告されており、そしてT.ゴンジのGRA2タンパク質は約28KDa の範囲の分子量を有することが報告されている(Sam-Yellowe, 1996, Parasitol. Today 12 : 308-315)。類似する電子密集粒状物がN.カニナム タキゾイドの細胞質に存在する(Bjerkas など., 1994, Clin. Diag. Lab. Immunol. 1 : 214-221 ; Hemphill など., 1998, Inti. J. Parasitol. 28 : 429-438 )。
T.ゴンジ細胞はまた、SAGとして示されて来た主要表面抗原群を含んで成ることも示されている。T.ゴンジのSAG1タンパク質は、約30KDa の分子量を有することが報告されている(Kasperなど., 1983, J. Immunol. 130 : 2407-2412)。T.ゴンジSAG1タンパク質に対して向けられたモノクローナル抗体は、組織培養条件下でウシ腎臓細胞を侵入するT.ゴンジ タキゾイドの能力を阻止した(Grimwood and Smith, 1996, Intl. J. Parasitol. 26 : 169-173)。
T.ゴンジSAG1は侵入過程において役割を演じるように思えるので、SAG1はビルレンス表現型を支持するために必要であることが仮定される(Windeck and Gross, 1996, Parasitol. Res. 82 : 715-719)。T.ゴンジSAG1タンパク質により免疫化され、そして次に、T.ゴンジにより挑戦されたマウスが対照マウスよりもそれらの脳においてトキソプラズマノウ胞形成を減じた観察がこの仮定と一致する(Debardなど., 1996, Infect. Immun., 64 : 2158-2166)。T.ゴンジSAG1は、Hemphillなど., 1997, Parasitol. 115 : 371-380 に記載されるNC−p36として示される、N.カニナムにおける類似する分子に機能的に関係している。
短系(microneme)は、T.ゴンジ及びネオスポラの両者のタキゾイトの先端に位置する細胞内オルガネラであり、そして侵入の間、宿主細胞認識、及び宿主細胞表面への結合において役割を演じることができる(Formaux など., 1996, Curr. Top. Microbiol. Immunol. 219 : 55-58)。少なくとも4種の異なった短系−関連(MIC)タンパク質がT.ゴンジにおいて同定されている。T.ゴンジのMIC1タンパク質は約60KDa であり、宿主細胞の表面に結合し、そしてヒト肝細胞に結合するプラスモジウム ファルシパラム(Plasmodium falciparum)からのトロンボスポンジン関連付着タンパク質(TRAP)に対して部分的に相同であることが報告されている。
Robsonなど., 1995, ENBO J. 14 : 3883-3894 。
タキゾイトからブラディゾイトへの寄生体の転換は、T.ゴンジの慢性感染及び存続のために決定的である。MAG1として示される、免疫優性ブラディゾイト−特異的65KD抗原を発現する遺伝子が、T.ゴンジにおいて同定されている。Parmley など., 1994, Mol. Biochem. Parasitol. 66 : 283-296。MAG1はブラディゾイトノウ胞において特異的に発現されるが、しかしタキゾイト段階においては発現されないことが報告されている。発現のこの特異性は、寄生体の生活環のタキゾイト段階とブラディゾイト段階との間での転換におけるMAG1の包含を示すことができる。Bohne など., 1996, Curr. Topics Microbiol. Immunol. 219 : 81-91 。
T.ゴンジGRA1,GRA2,SAG1,MIC1及びMAG1タンパク質のタンパク質相同体のネオスポラにおける同定、及び前記ネオスポラタンパク質をコードするポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列の同定は、ネオスポロシスに対するワクチン及び診断試薬の開発を促進するよう作用するであろう。
3.発明の要約
本発明はN.カニナムからのGRA1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、GRA1タンパク質は配列番号2のアミノ酸配列を有する。さらなる好ましい態様においては、本発明の単離されたGRA1−コードポリヌクレオチド分子は、配列番号1の約nt205〜約nt777のヌクレオチド配列、配列番号3の約nt605〜約nt1304において示される、GRA1遺伝子の読み取り枠(ORF)のヌクレオチド配列、及びプラスミドpRC77(ATCC 209685)のGRA1をコードするORFのヌクレオチド配列から成る群から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。非制限態様においては、本発明の単離されたGRA1−コードポリヌクレオチド分子は、配列番号1及び配列番号3のヌクレオチド配列から成る群から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。
本発明はさらに、本発明のGRA1−コードポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本発明はさらに、N.カニナムのGRA1タンパク質に対して相同であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本発明はさらに、前述のGRA1関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的部分であるヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子を提供する。
本発明はN.カニナムからのGRA2タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、GRA2タンパク質は配列番号5のアミノ酸配列を有する。さらなる好ましい態様においては、本発明の単離されたGRA2をコードするポリヌクレオチド分子は、配列番号4の約nt25〜約nt660であるORFのヌクレオチド配列、及びプラスミドpRC5(ATCC 209686)のGRA2をコードするORFのヌクレオチド配列から成る群から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。
非制限態様においては、本発明の単離されたGRA2をコードするポリヌクレオチド分子は、配列番号4から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。本発明はさらに、本発明のGRA2−コードポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本発明はさらに、N.カニナムのGRA2タンパク質に対して相同であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本発明はさらに、前述のGRA2関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的部分であるヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子を提供する。
本発明はN.カニナムからのSAG1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、SAG1タンパク質は配列番号7のアミノ酸配列を有する。さらなる好ましい態様においては、本発明の単離されたSAG1をコードするポリヌクレオチド分子は、配列番号6の約nt130〜約nt1089であるORFのヌクレオチド配列、及びプラスミドpRC102(ATCC 209687)のSAG1をコードするORFのヌクレオチド配列から成る群から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。
非制限態様においては、本発明の単離されたSAG1をコードするポリヌクレオチド分子は、配列番号6のヌクレオチド配列を含んで成る。本発明はさらに、本発明のSAG1をコードするポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本発明はさらに、N.カニナムのSAG1タンパク質に対して相同であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本発明はさらに、前述のSAG1関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的部分であるヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子を提供する。
本発明はN.カニナムからのMIC1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、MIC1タンパク質は配列番号9のアミノ酸配列を有する。さらなる好ましい態様においては、本発明の単離されたMIC1−コードポリヌクレオチド分子は、配列番号8の約nt138〜約nt1520のORFのヌクレオチド配列、配列番号10として表わされる、MIC1遺伝子のORFのヌクレオチド配列、及びプラスミドpRC340(ATCC 209688)のMIC1をコードするORFのヌクレオチド配列から成る群から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。
非制限態様においては、本発明の単離されたMIC1−コードポリヌクレオチド分子は、配列番号8及び配列番号10のヌクレオチド配列から成る群から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。本発明はさらに、本発明のMIC1をコードするポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本発明はさらに、N.カニナムのMIC1タンパク質に対して相同であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本発明はさらに、前述のMIC1関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的部分であるヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子を提供する。
本発明はさらに、N.カニナムからのMAG1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。前記MAG1タンパク質は配列番号13に示される推定上のアミノ酸配列を有する。好ましい態様においては、本発明の単離されたMAG1をコードするポリヌクレオチド分子は、配列番号11の約nt1305〜約nt2786で表わされるヌクレオチド配列、それから調製されるcDNA分子、たとえば配列番号12の約nt122〜約nt1381のORFを有するcDNA分子、及びプラスミドbd304(ATCC 203413)に存在するMAG1をコードするORFのヌクレオチド配列から成る群から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。本発明はさらに、配列番号11に存在するいづれかのORFのヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子を提供する。
非制限態様においては、本発明の単離されたMAG1−コードポリヌクレオチド分子は、配列番号11及び12から成る群から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。本発明はさらに、本発明のMAG1をコードするポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本発明はさらに、N.カニナムのMAG1タンパク質に対して相同であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本発明はさらに、前述のMAG1−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的部分であるヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子を提供する。
本発明はさらに、配列番号11の約nt127〜約nt703に示され、及びその相補的配列を含む、N.カニナムGRA1及びMAG1遺伝子のプロモーターのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を提供する。
本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチド分子のいづれかに対してハイブリダイズし、又は本発明のポリヌクレオチド分子のいづれかの相補体であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子に対してハイブリダイズするオリゴヌクレオチド分子を提供する。
本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチド分子のいづれかをクローニングし、そして発現するための組成物及び方法を提供し、そして組換えクローニングベクター、組換え発現ベクター、前記ベクターのいづれかを含んで成る形質転換された宿主細胞、及びそれらに由来する新規株又は細胞系も包含する。より具体的には、本発明は、N.カニナムのGRA1,GRA2,SAG1,MIC1又はMAG1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子を含んで成る組換えベクターを提供する。特に非制限態様においては、本発明は、GRA1をコードするプラスミドpRC77(ATCC 209685);GRA2をコードするプラスミドpRC5(ATCC 209686);SAG1をコードするプラスミドpRC102(ATCC 209687);MIC1をコードするプラスミドpRC340(ATCC 209688);及びMAG1遺伝子配列及びMAG1/GRA1二方向プロモーター領域を含んで成るプラスミドbd304(ATCC 203413)を提供する。
本発明はさらに、GRA1,GRA2,SAG1,MIC1及びMAG1タンパク質から成る群から選択された、実質的に精製されたか又は単離されたN.カニナムポリペプチドを提供する。好ましい態様においては、前記N.カニナムGRA1タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。もう1つの好ましい態様においては、N.カニナムGRA2タンパク質は配列番号5のアミノ酸配列を有する。もう1つの好ましい態様においては、N.カニナムSAG1タンパク質は配列番号7のアミノ酸配列を有する。もう1つの好ましい態様においては、N.カニナムMIC1タンパク質は、配列番号9のアミノ酸配列を有する。さらにもう1つの好ましい態様においては、N.カニナムMAG1タンパク質は配列番号13のアミノ酸配列を有する。
本発明はさらに、前述のN.カニナムタンパク質のいづれかに対して相同である実質的に精製され又は単離されたポリペプチドを提供する。本発明はさらに、当業界において知られているようなキャリヤー又は融合パートナーに融合される前述のポリペプチドのいづれかを含んで成る融合タンパク質であるポリペプチドを提供する。本発明はさらに、前述のポリペプチドのいづれかの実質的な部分から成るポリペプチドを提供する。本発明のポリペプチドは、ネオスポロシスに対して哺乳類を保護するためのワクチン組成物において及び診断試薬として有用である。
本発明はさらに、前述のポリペプチドのいづれかをコードし、1又は複数の調節要素に作用可能に関連して存在するヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を含んで成る組換え発現ベクターにより形質転換された宿主細胞を、前記ポリペプチドの発現の助けとなる条件下で培養し、そして前記細胞培養物から発現されたポリペプチドを回収することを含んで成る、前述のポリペプチドのいづれかを調製するための方法を提供する。
本発明はさらに、N.カニナムGRA1,GRA2,SAG1,MIC1又はMAG1タンパク質に対して特異的に向けられた抗体を提供する。
本発明はさらに、修飾されたネオスポラ細胞を生成するために、ネオスポラGRA1,GRA2,SAG1,MIC1又はMAG1遺伝子の突然変異誘発に使用するための遺伝子構造体を提供する。そのような修飾されたネオスポラ細胞は、ネオスポロシスに対して哺乳類を保護するためのワクチン組成物において有用である。好ましい非制限態様においては、本発明の遺伝子構造体は、N.カニナムからのGRA1,GRA2,SAG1,MIC1又はMAG1をコードするヌクレオチド配列又はその実質的な部分と同じであるが、しかし、さらに、1又は複数の突然変異誘発、すなわち遺伝子を突然変異するように作用することができる1又は複数のヌクレオチド欠失、挿入及び/又は置換を含んで成るヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を含んで成る。
ネオスポラの細胞が形質転換されると、遺伝子構造体のポリヌクレオチド分子は、特定のネオスポラ遺伝子に、たとえば相同組換えにより特異的に標的化され、そして前記遺伝子又はその一部を欠失し、又は置換し、又は前記遺伝子中に挿入する。この組換え現象の結果として、ネオスポラ遺伝子が突然変異誘発される。得られる突然変異誘発された遺伝子は、それが部分的に欠損性の又は完全に欠損性のタンパク質をコードし、又はタンパク質をコードするのに失敗するよう、好ましくは部分的に又は完全に無能化される。本発明はさらに、1又は複数の前記遺伝子突然変異により修飾されたネオスポラ細胞、及び本発明の遺伝子構造体を用いて、修飾されたネオスポラ細胞を調製するための方法を提供する。
本発明はさらに、免疫学的に有効な量の本発明のポリペプチド、免疫学的に有効な量の本発明のポリヌクレオチド分子、又は免疫学的に有効な本発明の修飾されたネオスポラ細胞;及び獣医学的に許容できるキャリヤーを含んで成る、ネオスポロシスに対するワクチンを提供する。好ましい態様においては、本発明のワクチンは、GRA1- ,GRA2- ,SAG1- ,MIC1- 又はMAG1- 表現型、又は前記表現型の組合せを発現するN.カニナムの修飾された生存細胞を含んで成る。非制限態様においては、前記ワクチンは、ネオスポロシス、及び任意には、哺乳類を苦しめ得る1又は複数の他の疾病又は病理学的状態に対して哺乳類を保護するための組合せワクチンであり、ここで前記ワクチンは、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド分子又は修飾されたネオスポラ細胞を含んで成る免疫学的に有効な量の第1成分;第1成分とは異なっており、そして哺乳類を苦しめることができる疾病又は病理学的状態に対する保護応答を誘発することができ、又はその誘発に寄与することができる免疫学的に有効な量の第2成分;及び獣医学的に許容できるキャリヤーを含んで成る。
本発明はさらに、免疫学的に有効な量の本発明のN.カニナムポリペプチド、免疫学的に有効な量の本発明のポリヌクレオチド分子、又は免疫学的に有効な量の本発明の修飾されたネオスポラ細胞と、獣医学的に許容できるキャリヤーとを、哺乳類への投与のために適切な形で組合すことを含んで成る、ネオスポロシスに対するワクチンを調製するための方法を提供する。
本発明はさらに、免疫学的に有効な量の本発明のワクチンを、哺乳類に投与することを含んで成る、ネオスポロシスに対して哺乳類を予防接腫するための方法を提供する。
本発明はさらに、免疫学的に有効な量の本発明のポリペプチド、免疫学的に有効な量の本発明のポリヌクレオチド分子、又は免疫学的に有効な量の本発明の修飾されたネオスポラ細胞を有する第1容器;及び獣医学的に許容できるキャリヤー又は希釈剤を有する第2容器を含んで成る、ネオスポロシスに対して哺乳類を予防接腫するためのキットを提供する。
4.発明の特定の記載
4.1.ポリヌクレオチド分子
本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、ネオスポラのいづれかの種又は株に由来するが、しかし好ましくは、ネオスポラの病原種、たとえばN.カニナムからであるヌクレオチド配列を有することができる。本発明のポリヌクレオチド分子が単離され又は誘導され得るN.カニナムの株の非制限例は、12301 Parktawn Dive, Rockville, MD20852, USAに位置するAmerican Type Calture Collection(ATCC)から受託番号CRL−12231として宿主MARC−145モンキー腎細胞から入手できるNC−1株である。NC−1株はまた、引用により本明細書に組込まれる Dubeyなど., 1988, J. Am. Vet. Med. Assoc. 193 : 1259-63にも記載される。他方では、本発明の実施への使用のためのネオスポラの病原体株又は種は、上記出版物に記載されるような標準の単離技法を用いて、感染された動物の器官、組織又は体液から単離され得る。
本明細書において使用される場合、用語“ポリヌクレオチド分子”、“ポリヌクレオチド配列”、“コード配列”、“読み取り枠”、及び同様のものは、一本鎖又は二本鎖のいづれかであり得、そして1又は複数の原核配列、cDNA配列、エキソン及びイントロンを包含するゲノムDNA配列、及び化学的に合成されたDNA及びRNA配列、並びにセンス及び対応するアンチセンス鎖の両者を包含するDNA及びRNA分子の両者を言及することを意味する。用語“ORF”とは、本明細書において使用される場合、特定のネオスポラタンパク質、すなわちいづれの介在終結コドンも有さないGRA1,GRA2,SAG1,MIC1又はMAG1をコードするために必要とれさる最小ヌクレオチド配列を意味する。
本明細書に開示されるポリヌクレオチド分子及びオリゴヌクレオチド分子の生成及び操作は、当業者に知られており、そして中でも次の文献に記載される組換え技法に従って実施され得る:Maniatisなど., 1989, Molecular Cloning : A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY ; Ausubel など., 1989, Current Protocols in Molecular Biology, Greene Pnblishing Associates & Wiley Interscience, NY ; Sambrook など., 1989, Molecular Cloning : A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY ; Innisなど. (eds), 1995, PCR Strategies, Academic Press, Inc., San Diego;及びErlich (ed), 1992, PCR Technology, Oxford University Press, New York (すべては引用により本明細書に組込まれる)。
4.1.1.GRA1−関連ポリヌクレオチド分子
配列番号1及び3に示されるヌクレオチド配列及びその実質的な部分に関する表示は、特にことわらない限り、プラスミドpRC77(ATCC 209685)に存在するような、それぞれ、対応するヌクレオチド配列及びその実質的な部分をまた言及することを意味する。さらに、配列番号2に示されるアミノ酸配列及びその実質的な部分及びペプチドフラグメントに関する表示は、特にことわらない限り、プラスミドpRC77(ATCC 209685)に存在するその対応するGRA1−コードヌクレオチド配列によりコードされる、それぞれその対応するアミノ酸配列及びその実質的な部分及びペプチドフラグメントを言及することを意味する。
本発明は、N.カニナムからのGRA1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、GRA1タンパク質は配列番号2のアミノ酸配列を有する。さらに好ましい態様においては、本発明の単離されたGRA1−コードポリペプチド分子は、配列番号1の約nt205〜約nt777のヌクレオチド配列、配列番号3の約nt605〜約nt1304に示される、GRA1遺伝子の読み取り枠(ORF)のヌクレオチド配列、及びプラスミドpRC77(ATCC 209685)のGRA1をコードするORFのヌクレオチド配列から成る群から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。
非制限態様においては、本発明の単離されたGRA1−コードポリヌクレオチド分子は、配列番号1及び配列番号3のヌクレオチド配列から成る群から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。配列番号3に示されるGRA1遺伝子は、nt856〜nt982の介在イントロンと共に、nt605〜nt855及びnt983〜nt1304のORFを含んで成る。さらに、推定上のプロモーターモチーフは、T.ゴンジGRA遺伝子に見出される開始部位に類似する、anKNA開始部位の5’側150bp内に同定されている(下記セクション5.3を参照のこと)。
本発明はさらに、本発明のGRA1−コードポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。用語“相同”とは、GRA1−関連ポリヌクレオチド分子を言及するために使用される場合、(a)本発明の前述のGRA1−コードポリヌクレオチド分子のタンパク質と同じタンパク質をコードするが、しかし遺伝子コードの縮重によりヌクレオチド配列に対する1又は複数のサイレント変化を包含するか、又は(b)中程度の緊縮条件下で、すなわち0.5MのNaHPO4 ,7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、1mMのEDTA(65℃)におけるフィルター結合DNAへのハイブリダイゼーション及び42℃で0.2×SSC/0.1% SDSでの洗浄(Ausubel など., (eds.), 1989, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. I, Green Publishing Associates, Inc., 及びJohn Wiley & Sons, Inc., New York, p. 2, 10.3 を参照のこと)の条件下で、N.カニナムGRA1タンパク質のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子の相補体にハイブリダイズするヌクレオチド配列を有し、且つ本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。
好ましい態様において、相同ポリヌクレオチド分子は、高い緊縮条件下、すなわち65℃で0.5MのNaHPO4 ,7%のSDS、1mMのEDTAにおけるフィルター結合DNAへのハイブリダイゼーション及び68℃で0.1×SSC/0.1% SDSにおける洗浄(Ausubel など., 1989 、前記)の条件下で、N.カニナムGRA1タンパク質のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子の相補体に対してハイブリダイズし、そして本発明の実施において有用である。より好ましい態様においては、相同ポリヌクレオチド分子は、配列番号1の約nt205〜約nt777であるORF、及び配列番号3の約nt605〜約nt1304に示され、そして本発明の実施において有用である、GRA1遺伝子のORFから成る群から選択されたヌクレオチド配列から成るヌクレオチド分子の相補体に対して高い緊縮条件下でハイブリダイズする。
本明細書において使用される場合、ポリヌクレオチド分子は、本発明の実施において有用であり、ここで前記ポリヌクレオチド分子は、標準の技法を用いてネオスポラ−特異的ポリヌクレオチド分子を増幅するために、又はネオスポラに感染された動物からの体流又は組織サンプルにおけるネオスポラ−特異的ポリヌクレオチドの存在を検出するための診断試薬として使用され得る。
本発明のGRA1をコードするポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を有する本発明のポリヌクレオチド分子は、T.ゴンジGRAタンパク質をコードするT.ゴンジの生来のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子を含まず、そしてそのようなT.ゴンジポリヌクレオチド分子に対して、約90%よりも高くない、及び好ましくは約80%よりも高くない配列同一性を有し、ここで前記配列同一性は、BLASTNアルゴリズム(Gen Bank, National Center for Biotechnology Information )の使用により決定される。
本発明はさらに、N.カニナムGRA1タンパク質に対して相同であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。N.カニナムGRA1タンパク質に対して相同であるポリペプチドに関して本明細書において言及するために使用される場合、用語“相同”とは、N.カニナムGRA1タンパク質のアミノ酸配列を有するが、しかし1又は複数のアミノ酸残基が異なったアミノ酸残基により保存的に置換されているポリペプチドを意味し、この場合、その得られるポリペプチドは本発明の実施において有用である。保存性アミノ酸置換は、当業界において良く知られている。そのような置換を製造するための規則は、中でも、Dayhof, M. D., 1978, Nat. Biomed. Res. Found., Washington, D. C., Vol. 5, Sup. 3 により記載される規則を包含する。より特定には、保存性アミノ酸置換は、側鎖の酸性度、極性度又は崇高性に関連するアミノ酸のファミリー内で一般的に生じる置換である。
一般的にコードされるアミノ酸は一般的に次の4つのグループに分けられる:(1)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基性=リシン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性=アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;及び(4)荷電されていない極性=グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン。フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンはまた、芳香族アミノ酸としてうまく分類される。いづれか特定基内の、たとえばロイシンのイソロイシンもしくはバリンによる、又はアスパラギン酸のグルタミン酸による、又はトレオニンのセリンによる、又はいづれか他のアミノ酸残基の構造的に関連するアミノ酸残基、たとえば側鎖の類似する酸性度、極性度、崇高性を有すか又はそのいくつかの組合せにおける類似性を有するアミノ酸残基による1又は複数の置換は一般的に、ポリペプチドの機能又は免疫原性に対して取るに足らない効果を有するであろう。
本明細書において使用される場合、ネオスポラにより現在感染されているか又は感染されたことがある動物からの血液又は血清サンプルにおけるネオスポラ−特異的抗体の存在を検出するための診断試薬として使用され得るポリペプチドは、“本発明の実施において有用”である。
本発明はさらに、本発明の前述のネオスポラGRA1−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分から成るポリヌクレオチド分子を提供する。本明細書において使用される場合、GRA1−関連ポリヌクレオチド分子の“実質的な部分”とは、GRA1−関連ポリヌクレオチド分子の完全なヌクレオチド配列以下から成るが、しかしGRA1−関連ポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列の少なくとも約5%、及びより好ましくは少なくとも約10%を含んで成り、そしてその有用性がポリヌクレオチド分子について上記のように定義される場合、本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。
前述のGRA1−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかのヌクレオチド配列の他に、本発明のポリヌクレオチド分子はさらに、N.カニナムにおいてもとの場所にGRA1遺伝子又はORFを本来、端に有し、そして配列番号1の約nt1〜約nt204及び約nt778〜約nt1265に示され、又は配列番号3の約nt1〜約nt604及び約nt1305〜約nt1774に示されるヌクレオチド配列、あるいはその実質的な部分を含むそれらのヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を含んで成り、又は他方では、それらから成ることができる。
4.1.2.GRA2−関連ポリヌクレオチド分子
配列番号4に示されるヌクレオチド配列及びその実質的な部分に関する下記表示は、特にことわらない限り、プラスミドpRC5(ATCC 209686)に存在するような、それぞれ、その対応するヌクレオチド配列及びその実質的な部分をまた言及することを意味する。さらに、配列番号5に示されるアミノ酸配列及びその実質的な部分及びペプチドフラグメントに関する表示は、特にことわらない限り、プラスミドpRC5(ATCC 209686)に存在するその対応するGRA2−コードヌクレオチド配列によりコードされる、それぞれその対応するアミノ酸配列及びその実質的な部分及びペプチドフラグメントを意味することを意味する。
本発明は、N.カニナムからのGRA2タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、GRA2タンパク質は配列番号5のアミノ酸配列を有する。さらに好ましい態様においては、本発明の単離されたGRA2−コードポリペプチド分子は、配列番号4の約nt25〜約nt660であるORFのヌクレオチド配列、及びプラスミドpRC5(ATCC 209686)のGRA2をコードするORFのヌクレオチド配列から成る群から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。非制限態様においては、本発明の単離されたGRA2をコードするポリヌクレオチド分子は、配列番号4のヌクレオチド配列を含んで成る。
本発明はさらに、本発明のGRA2をコードするポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。用語“相同”とは、GRA2−関連ポリヌクレオチド分子を言及するために使用される場合、(a)本発明の前述のGRA2をコードするポリヌクレオチド分子のタンパク質と同じタンパク質をコードするが、しかし遺伝子コードの縮重によりヌクレオチド配列に対する1又は複数のサイレント変化を包含するか、又は(b)適度な緊縮条件下、すなわち0.5MのNaHPO4 ,7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、1mMのEDTA(65℃)におけるフィルター結合DNAへのハイブリダイゼーション及び42℃で0.2×SSC/0.1% SDSでの洗浄(Ausbelなど., 1989 、前記)の条件下で、N.カニナムGRA2タンパク質のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子の相補体にハイブリダイズするヌクレオチド配列を有し、そして本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。
好ましい態様において、相同ポリヌクレオチド分子は、高い緊縮条件下、すなわち65℃で0.5MのNaHPO4 ,7%のSDS,1mMのEDTAにおけるフィルター結合DNAへのハイブリダイゼーション及び68℃で0.1×SSC/0.1% SDSにおける洗浄(Ausbelなど., 1989 、前記)の条件下で、N.カニナムGRA1タンパク質のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子の相補体に対してハイブリダイズし、そして有用性がポリヌクレオチド分子について上記で定義されたように、本発明の実施において有用である。より好ましい態様においては、相同ポリヌクレオチド分子は、配列番号4のORFの約nt25〜約nt660であるヌクレオチド配列から成り、そして本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子の相補体に対して高い緊縮条件下でハイブリダイズする。
本発明のGRA2−コードポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を有する本発明のポリヌクレオチド分子は、T.ゴンジGRAタンパク質をコードするT.ゴンジの生来のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子を含まず、そしてさらにそのようなT.ゴンジポリヌクレオチド分子に対して、約90%よりも高くない、及び好ましくは約80%よりも高くない配列同一性を有し、ここで前記配列同一性は、BLASTNアルゴリズム(Gen Bank, National Center for Biotechnology Information )の使用により決定される。
本発明はさらに、N.カニナムGRA2タンパク質に対して相同であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。N.カニナムGRA2タンパク質に対して相同であるポリペプチドに関して本明細書において言及するために使用される場合、用語“相同”とは、N.カニナムGRA2タンパク質のアミノ酸配列を有するが、しかし1又は複数のアミノ酸残基が異なったアミノ酸残基により保存的に置換されているポリペプチドを意味し、この場合、その得られるポリペプチドは本発明の実施において有用である。
本発明はさらに、本発明の前述のネオスポラGRA2−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分から成るポリヌクレオチド分子を提供する。本明細書において使用される場合、GRA2−関連ポリヌクレオチド分子の“実質的な部分”とは、GRA2−関連ポリヌクレオチド分子の完全なヌクレオチド配列以下から成るが、しかしGRA2−関連ポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列の少なくとも約5%、及びより好ましくは少なくとも約10%を含んで成り、そしてその有用性がポリヌクレオチド分子について上記のように定義される場合、本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。
前述のGRA2−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかのヌクレオチド配列の他に、本発明のポリヌクレオチド分子はさらに、N.カニナムにおいて天然にGRA2 ORF又は遺伝子の端に接し、そして配列番号4の約nt1〜約nt24及び約nt661〜約nt1031に示されるヌクレオチド配列、又はその実質的な部分を含むヌクレオチド配列を含んで成り、又は、それから成ることができる。
4.1.3.SAG1−関連ポリヌクレオチド分子
配列番号6に示されるヌクレオチド配列及びその実質的な部分に関する表示は、特にことわらない限り、プラスミドpRC102(ATCC 209687)に存在するような、それぞれ、対応するヌクレオチド配列及びその実質的な部分をまた言及することを意味する。さらに、配列番号7に示されるアミノ酸配列及びその実質的な部分及びペプチドフラグメントに関する表示は、特にことわらない限り、プラスミドpRC102(ATCC 209687)に存在するその対応するSAG1−コードヌクレオチド配列によりコードされる、それぞれその対応するアミノ酸配列及びその実質的な部分及びペプチドフラグメントを言及することを意味する。
本発明は、N.カニナムからのSAG1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、SAG1タンパク質は配列番号7のアミノ酸配列を有する。さらに好ましい態様においては、本発明の単離されたSAG1−コードポリペプチド分子は、配列番号6の約nt130〜約nt1089であるORFのヌクレオチド配列、及びプラスミドpRC102(ATCC 209687)のSAG1をコードするORFのヌクレオチド配列から成る群から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。非制限態様においては、本発明の単離されたSAG1をコードするポリヌクレオチド分子は、配列番号6のヌクレオチド配列を含んで成る。
本発明はさらに、本発明のSAG1−コードポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。用語“相同”とは、SAG1−関連ポリヌクレオチド分子を言及するために使用される場合、(a)本発明の前述のSAG1−コードポリヌクレオチド分子のタンパク質と同じタンパク質をコードするが、遺伝子コードの縮重によりヌクレオチド配列に対する1又は複数のサイレント変化を包含するか、又は(b)中程度の緊縮条件下、すなわち0.5MのNaHPO4 ,7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、1mMのEDTA(65℃)におけるフィルター結合DNAとのハイブリダイゼーション及び42℃で0.2×SSC/0.1% SDSにおける洗浄(Ausubel など., 1989 、前記)の条件下で、N.カニナムSAG1タンパク質のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子の相補体にハイブリダイズするヌクレオチド配列を有し、そしてその有用性がポリヌクレオチド分子について上記で定義されたように、本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。
好ましい態様において、相同ポリヌクレオチド分子は、高い緊縮条件下、すなわち65℃で0.5MのNaHPO4 ,7%のSDS、1mMのEDTAにおけるフィルター結合DNAへのハイブリダイゼーション及び68℃で0.1×SSC/0.1% SDSにおける洗浄(Ausubel など., 1989 、前記)の条件下での、N.カニナムSAG1タンパク質のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子の相補体に対してハイブリダイズし、そして本発明の実施において有用である。より好ましい態様においては、相同ポリヌクレオチド分子は、配列番号6の約nt130〜約nt1089であるORFのヌクレオチド配列から成り、そして本発明の実施において有用であるヌクレオチド分子の補体に対して高い緊縮条件下でハイブリダイズする。
本発明のSAG1−コードポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を有する本発明のポリヌクレオチド分子は、T.ゴンジSAG1タンパク質をコードするT.ゴンジの生来のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子を含まず、そしてそのようなT.ゴンジポリヌクレオチド分子に対して、約90%よりも高くない、及び好ましくは約80%よりも高くない配列同一性を有し、ここで前記配列同一性は、BLASTNアルゴリズム(Gen Bank, NCBI)の使用により決定される。
本発明はさらに、N.カニナムSAG1タンパク質に対して相同であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。N.カニナムSAG1タンパク質に対して相同であるポリペプチドに関して本明細書において言及するために使用される場合、用語“相同”とは、N.カニナムSAG1タンパク質のアミノ酸配列を有するが、しかし1又は複数のアミノ酸残基が異なったアミノ酸残基により保存的に置換されているポリペプチドを意味し、この場合、その得られるポリペプチドは本発明の実施において有用である。
本発明はさらに、本発明の前述のネオスポラSAG1−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分から成るポリヌクレオチド分子を提供する。本明細書において使用される場合、SAG1−関連ポリヌクレオチド分子の“実質的な部分”とは、SAG1−関連ポリヌクレオチド分子の完全なヌクレオチド配列以下から成るが、しかしSAG1−関連ポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列の少なくとも約5%、及びより好ましくは少なくとも約10%を含んで成り、そしてその有用性がポリヌクレオチド分子について上記のように定義される場合、本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。
前述のSAG1−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかのヌクレオチド配列の他に、本発明のポリヌクレオチド分子はさらに、N.カニナムにおいて天然にSAG1遺伝子又はORFの端に接し、そして配列番号6の約nt1〜約nt129及び約nt1090〜約nt1263に示されるフランキングヌクレオチド配列、又はその実質的な部分を含むヌクレオチド配列を含んで成り、又は、それらから成ることができる。
4.1.4.MIC1−関連ポリヌクレオチド分子
配列番号8及び10に示されるヌクレオチド配列及びその実質的な部分に関する表示は、特にことわらない限り、プラスミドpRC340(ATCC 209688)に存在するような、それぞれ、対応するヌクレオチド配列及びその実質的な部分をまた言及することを意味する。さらに、配列番号9に示されるアミノ酸配列及びその実質的な部分及びペプチドフラグメントに関する表示は、特にことわらない限り、プラスミドpRC340(ATCC 209688)に存在するその対応するMIC1−コードヌクレオチド配列によりコードされる、それぞれその対応するアミノ酸配列及びその実質的な部分及びペプチドフラグメントを言及することを意味する。
本発明は、N.カニナムからのMIC1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、MIC1タンパク質は配列番号9のアミノ酸配列を有する。さらに好ましい態様においては、本発明の単離されたMIC1−コードポリペプチド分子は、配列番号8の約nt138〜約nt1520であるORFのヌクレオチド配列、配列番号10として示される、MIC1遺伝子のORFのヌクレオチド配列、及びプラスミドpRC340(ATCC 209688)のMIC1をコードするORFのヌクレオチド配列から成る群から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。非制限態様においては、本発明の単離されたMIC1−コードポリヌクレオチド分子は、配列番号8及び配列番号10のヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。
本発明はさらに、本発明のMIC1−コードポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。用語“相同”とは、MIC1−関連ポリヌクレオチド分子を言及するために使用される場合、(a)本発明の前述のMIC1−コードポリヌクレオチド分子のタンパク質と同じタンパク質をコードするが、しかし遺伝子コードの縮重によりヌクレオチド配列に対する1又は複数のサイレント変化を包含するか、又は(b)適度な緊縮条件下、すなわち0.5MのNaHPO4 ,7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、1mMのEDTA(65℃)におけるフィルター結合DNAへのハイブリダイゼーション及び42℃で0.2×SSC/0.1% SDSにおける洗浄(Ausubel など., 1989 、前記)の条件下で、N.カニナムMIC1タンパク質のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子の相補体にハイブリダイズするヌクレオチド配列を有しそして有用性がポリヌクレオチド分子について上記で定義されたように、本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。
好ましい態様において、相同ポリヌクレオチド分子は、高い緊縮条件下、すなわち65℃で0.5MのNaHPO4 ,7%のSDS,1mMのEDTAにおけるフィルター結合DNAへのハイブリダイゼーション及び68℃で0.1×SSC/0.1% SDSにおける洗浄(Ausubel など., 1989 、前記)の条件下で、N.カニナムMIC1タンパク質のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子の相補体に対してハイブリダイズし、そして本発明の実施において有用である。より好ましい態様においては、相同ポリヌクレオチド分子は、配列番号8の約nt138〜約nt1520のORF、及び配列番号10に示され、MIC1遺伝子のORFから成る群から選択されたヌクレオチド配列から成るヌクレオチド分子の相補体に対して高い緊縮条件下でハイブリダイズし、そして本発明の実施において有用であるものである。
本発明のMIC1−コードポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を有する本発明のポリヌクレオチド分子は、T.ゴンジMIC1タンパク質をコードするT.ゴンジの生来のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子を含まず、そしてそのようなT.ゴンジポリヌクレオチド分子に対して、約90%よりも高くない、及び好ましくは約80%よりも高くない配列同一性を有し、ここで前記配列同一性は、BLASTNアルゴリズム(Gen Bank, NCBI)の使用により決定される。
本発明はさらに、N.カニナムMIC1タンパク質に対して相同であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。N.カニナムMIC1タンパク質に対して相同であるポリペプチドに関して本明細書において言及するために使用される場合、用語“相同”とは、N.カニナムMIC1タンパク質のアミノ酸配列を有するが、しかし1又は複数のアミノ酸残基が異なったアミノ酸残基により保存的に置換されているポリペプチドを意味し、この場合、その得られるポリペプチドは、有用性がポリペプチドについて前記で定義されるように、本発明の実施において有用である。
本発明はさらに、本発明の前述のネオスポラMIC1−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分から成るポリヌクレオチド分子を提供する。本明細書において使用される場合、MIC1−関連ポリヌクレオチド分子の“実質的な部分”とは、MIC1−関連ポリヌクレオチド分子の完全なヌクレオチド配列以下から成るが、しかしMIC1−関連ポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列の少なくとも約5%、及びより好ましくは少なくとも約10%を含んで成り、そしてその有用性がポリヌクレオチド分子について上記のように定義される場合、本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。
前述のMIC1−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかのヌクレオチド配列の他に、本発明のポリヌクレオチド分子はさらに、N.カニナムにおいて天然にMIC1 ORF又は遺伝子の端に接し、そして配列番号8の約nt1〜約nt137及び約nt1521〜約nt2069に示されるヌクレオチド配列、又はその実質的な部分を含むそれらのヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を含んで成り、又は、それらから成ることができる。
4.1.5.MAG1−関連ポリヌクレオチド分子
配列番号11に示されるヌクレオチド配列及びその実質的な部分に関する表示は、特にことわらない限り、プラスミドbd304(ATCC 203413)に存在するような、それぞれ、対応するヌクレオチド配列及びその実質的な部分をまた言及することを意味する。さらに、配列番号13に示されるアミノ酸配列及びその実質的な部分及びペプチドフラグメントに関する表示は、特にことわらない限り、プラスミドbd304(ATCC 203413)に存在するその対応するMAG1−コードヌクレオチド配列によりコードされる、それぞれその対応するアミノ酸配列及びその実質的な部分及びペプチドフラグメントを言及することを意味する。
本発明は、N.カニナムからのMAG1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、MAG1タンパク質は配列番号13のアミノ酸配列を有する。さらに好ましい態様においては、本発明の単離されたMAG1をコードするポリペプチド分子は、配列番号11の約nt1305〜約nt2786に示されるヌクレオチド配列、それから調製されるcDNA分子、たとえば配列番号12の約nt122〜約nt1381のORFを有するcDNA分子、及び本発明のプラスミドbd304(ATCC 203413)のMAG1をコードするORFのヌクレオチド配列から成る群から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。本発明はさらに、配列番号11に存在するいづれかのORFのヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子を提供する。非制限態様においては、本発明の単離されたMAG1−コードポリヌクレオチド分子は、配列番号11のヌクレオチド配列及び推定上のエキソン/イントロン境界に基づいてそれから推定されるcDNAから成る群から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。
本発明はさらに、本発明のMAG1−コードポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。用語“相同”とは、MAG1−関連ポリヌクレオチド分子を言及するために使用される場合、(a)本発明の前述のMAG1−コードポリヌクレオチド分子のタンパク質と同じタンパク質をコードするが、しかし遺伝子コードの縮重によりヌクレオチド配列に対する1又は複数のサイレント変化を包含するか、又は(b)適度な緊縮条件下、すなわち0.5MのNaHPO4 ,7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、1mMのEDTA(65℃)におけるフィルター結合DNAへのハイブリダイゼーション及び42℃で0.2×SSC/0.1% SDSにおける洗浄(Ausubel など., 1989 、前記)の条件下で、N.カニナムMAG1タンパク質のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子の相補体にハイブリダイズするヌクレオチド配列を有しそして本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。
好ましい態様において、相同ポリヌクレオチド分子は、高い緊縮条件下、すなわち65℃で0.5MのNaHPO4 ,7%のSDS,1mMのEDTAにおけるフィルター結合DNAへのハイブリダイゼーション及び68℃で0.1×SSC/0.1% SDSにおける洗浄(Ausubel など., 1989 、前記)の条件下で、N.カニナムMAG1タンパク質のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子の相補体に対してハイブリダイズしそして本発明の実施において有用である。より好ましい態様においては、相同ポリヌクレオチド分子は、配列番号11の約nt1305〜約nt2786に示される、MAG1遺伝子のORFのヌクレオチド配列、及び推定上のエキソン/イントロン境界に基づいてそれらから調製されるcDNA分子、たとえば配列番号12の約nt122〜約nt1381のORFを有するcDNA分子から成る群から選択されたヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子の補体に対して高い緊縮条件下でハイブリダイズする。
本発明のMAG1−コードポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を有する本発明のポリヌクレオチド分子は、T.ゴンジMAG1タンパク質をコードするT.ゴンジの生来のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子を含まず、そしてそのようなT.ゴンジポリヌクレオチド分子に対して、約90%よりも高くない、及び好ましくは約80%よりも高くない配列同一性を有し、ここで前記配列同一性は、BLASTNアルゴリズム(Gen Bank, NCBI)の使用により決定される。
本発明はさらに、N.カニナムMAG1タンパク質に対して相同であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。N.カニナムMAG1タンパク質に対して相同であるポリペプチドに関して本明細書において言及するために使用される場合、用語“相同”とは、N.カニナムMAG1タンパク質のアミノ酸配列を有するが、しかし1又は複数のアミノ酸残基が異なったアミノ酸残基により保存的に置換されているポリペプチドを意味し、この場合、その得られるポリペプチドは、有用性がポリペプチドについて上記で定義されるように、本発明の実施において有用である。
本発明はさらに、本発明の前述のネオスポラMAG1−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分から成るポリヌクレオチド分子を提供する。本明細書において使用される場合、MAG1−関連ポリヌクレオチド分子の“実質的な部分”とは、MAG1−関連ポリヌクレオチド分子の完全なヌクレオチド配列以下から成るが、しかしMAG1−関連ポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列の少なくとも約5%、及びより好ましくは少なくとも約10%を含んで成り、そしてその有用性がポリヌクレオチド分子について上記のように定義される場合、本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。たとえば、配列番号11のポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、約nt704〜約nt820の推定上のエキソン、又は約nt1301〜約nt1399の推定上のエキソン2、又は約nt1510〜約nt1808の推定上のエキソン3、又は約nt1921〜約nt3297の推定上のエキソン4を含むことができる。
前述のMAG1−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかのヌクレオチド配列の他に、本発明のポリヌクレオチド分子はさらに、N.カニナムにおいて天然にMAG1遺伝子又はORFの端に接し、そして配列番号11の約nt1〜約nt1304及び約nt2787〜約nt4242に示されるヌクレオチド配列、又は推定上のエキソン/イントロン境界に基づいてそれらから調製されるcDNA分子のORFを有し、そして配列番号12の約nt1〜約nt121及び約nt1382〜約nt1892のORFを有するcDNA分子のORFのフランキング配列、その実質的な部分を含むヌクレオチド配列を含んで成り、又は、それらから成ることができる。
4.2.Gra1/Mag1プロモーター領域
本発明はさらに、N.カニナムGRA1及びMAG1遺伝子プロモーターのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を提供する。本明細書に開示される実験作業の実施の間、本明細書に開示されるN.カニナムGRA1及びMAG1遺伝子は約577ntの長さの介在ヌクレオチド配列と共に頭対頭(head-to-head)の配向で天然において現場配列されることが決定された。配列番号11のnt127〜nt703に示されるこの介在ヌクレオチド配列は、N.カニナムGRA1及びMAG1遺伝子の両者のプロモーターを含んで成る推定上の二方向性プロモーター領域を表わす。
本発明のGRA1/MAG1二方向性プロモーター領域は、N.カニナムの宿主細胞において、又はネオスポラのいづれか他の種又はアピコムプレキサ(Apicomplexa)の他のメンバーの宿主細胞において、又はいづれか他の適切な宿主細胞において、GRA1又はMAG1遺伝子のいづれか、又は両遺伝子、又は1又は複数の他の遺伝子又はコード配列の組換え発現を制御することを包含する種々の目的のために有用である。そのような他の遺伝子又はコード配列は、組換え宿主細胞に対して生来のものであり、又は異種のものであり得る。
プロモーター配列は、当業界において知られているような標準の組換え技法を用いて特定の遺伝子又はコード配列に融合され得、その結果、前記プロモーター配列は、“作用可能な関連”として下記に定義されるように、それらとの作用可能な関連状態で存在する。プロモーターを用いることによって、組換え発現システムが構成され、そしてネオスポラ、又はアピコムプレキサの他のメンバーのGRA1及びMAG1遺伝子の発現を和らげることができる化合物及び転写因子についてスクリーンするために使用され得る。さらに、そのような構造体は、ネオスポラ、又はアピコムプレキサの他のメンバーにおいて異種ポリペプチドを発現するために使用され得る。
4.3.オリゴヌクレオチド分子
本発明はさらに、本発明の前述のポリヌクレオチド分子のいづれか1つに対してハイブリダイズし、又は本発明の前述のポリヌクレオチド分子のいづれか1つの補体であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子に対してハイブリダイズするオリゴヌクレオチド分子を提供する。そのようなオリゴヌクレオチド分子は好ましくは、少なくとも約10個の長さのヌクレオチド、及びより好ましくは約15〜約30個の長さのヌクレオチドであり、そして高い緊縮条件、すなわち約14塩基のオリゴに関して約37℃で、約17塩基のオリゴに関して約48℃で、約20塩基のオリゴに関して約55℃で、及び約23塩基のオリゴに関して約60℃で、6×SSC/0.5%ピロリン酸ナトリウムでの洗浄条件下で、1又は複数の前述のポリヌクレオチド分子に対してハイブリダイズする。
本発明のより長いオリゴヌクレオチド分子のための他のハイブリダイゼーション条件は、標準の技法を用いて当業者により決定され得る。好ましい態様においては、本発明のオリゴヌクレオチド分子は、本発明の前述のポリヌクレオチド分子の少なくとも1つの部分に対して相補的である。
本発明の実施において有用なオリゴヌクレオチド分子の特定の非制限態様は、配列番号14〜26及び28〜34から成る群から選択されたオリゴヌクレオチド分子及びその補体を包含する。
本発明のオリゴヌクレオチド分子は、種々の目的のために、たとえば分別疾病診断への使用のためのネオスポラ特異的ポリヌクレオチド分子の増幅におけるプライマーとして、又は遺伝子調節において有用なアンチセンス分子としてコードし又は作用するために有用である。診断に関しては、適切に企画されたプライマーは、動物組織又は体液、たとえば脳組織、肺組織、胎盤組織、脳脊髄液、粘膜、尿、羊水、等のサンプルにおけるネオスポラ特異的ポリヌクレオチド分子の存在を検出するために使用され得る。
特定の増幅生成物の生成は、ネオスポラ感染の診断を支持することができ、ここで増幅された生成物の欠乏が感染の欠乏を示すことができる。増幅、たとえばポリメラーゼ鎖反応(PCR)を実施するための方法は、中でもInnis など. (eds), 1995 、前記;及びErlich (ed), 1992 、前記に記載されている。当業界において知られている他の増幅技法、たとえばリガーゼ鎖反応が、他方では使用され得る。本明細書に開示されるポリヌクレオチド分子の配列は、ネオスポラの他の種又は株、又はアピコムプレキサの他のメンバーからの相同遺伝子の単離への使用のためのプライマーを企画するために使用され得る。
4.4.組換え発現系
4.4.1.クローニング及び発現ベクター
本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチド分子のいづれかをクローニングし、そして発現するための組成物、たとえばクローニングベクター、発現ベクター、前記ベクターのいづれかを含んで成る形質転換された宿主細胞、及びそれらに由来する新規株又は細胞系を提供する。好ましい態様においては、本発明は、N.カニナムのGRA1,GRA2,SAG1,MIC1又はMAG1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子を含んで成る組換えベクターを提供する。
特定の非制限態様においては、本発明は、N.カニナムGRA1タンパク質をコードするプラスミドpRC77(ATCC 209685);N.カニナムGRA2タンパク質をコードするプラスミドpRC5(ATCC 209686);N.カニナムSAG1タンパク質をコードするプラスミドpRC102(ATCC 209687);N.カニナムMIC1タンパク質をコードするプラスミドpRC340(ATCC 209688);及びN.カニナムMAG1タンパク質をコードし、そしてまた、上記二方向性プロモーター領域を含んで成るプラスミドbd304(ATCC 203413)を提供する。
本発明の組換えベクター、特に発現ベクターは、好ましくは、本発明のポリヌクレオチド分子のためのコード配列がポリペプチドを生成するために前記コード配列の転写及び翻訳のために必要な1又は複数の調節要素と作用可能に関連して存在するよう構成される。本明細書において使用される場合、用語“調節要素”とは、ポリヌクレオチドコード配列の発現を誘導し、そして/又は調節するよう作用する、誘発性及び非誘発性プロモーター、エンハンサー、オペレーター及び当業界において知られている他の要素をコードするヌクレオチド配列を包含するが、但しそれらだけには限定されない。また、本明細書において使用される場合、コード配列は、1又は複数の調節要素と“作用可能に関連”して存在し、ここで前記調節要素は、コード配列の転写又はそのmRNAの翻訳、又は両者を効果的に調節し、そして可能にする。
適切な調節要素と作用可能に関連して特定のコード配列を含む組換えベクターを構成するための方法は、当業界において良く知られており、そしてそれらは本発明を実施するために使用され得る。それらの方法は、インビトロ組換え技法、合成技法及びインビボ遺伝子組換えを包含する。たとえば、Maniatisなど., 1989 、前記;Ansubel など., 1989 、前記;Sambrookなど., 1989 、前記;Innis など., 1995 、前記;及びErlich, 1992、前記における組換え技法を参照のこと。
本発明のGRA1,GRA2,SAG1,MIC1及びMAG1コード配列を発現するために使用され得る種々の発現ベクター、たとえば特定のコード配列を含む、組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA、及びコスミドDNA発現ベクターは、当業界において知られている。本発明のポリヌクレオチド分子を含むように構築され得る典型的な原核発現ベクタープラスミドは、中でも、pUC8,pUC9,pBR322及びpBR329(Biorad Laboratories, Richmond, CA )、pPL及びpKK223(Pharmacia, Piscataway, NJ )、pQE50(Qiagen, Chatsworth, CA)、及びpGEM−T EASY(Promega, Madison, WI)を包含する。本発明のポリヌクレオチド分子を含むよう構築され得る典型的な真核発現ベクターは、中でも、エクダイソン−誘発性哺乳類発現システム(Invitrogen, Carlsbad, CA)、サイトメガロウィルスプロモーターエンハンサー基礎のシステム(Promega, Madison, WI ; Stratagene, La Jolla, CA ; Invitrogen)、及びバキュロウィルス基礎の発現系(Promega)を包含する。
それらの及び他のベクターの調節要素は、それらの強度及び特異性において異なることができる。使用される宿主/ベクター系に依存して、多くの適切な転写及び翻訳要素のいづれかが使用され得る。たとえば、哺乳類細胞系においてクローニングする場合、哺乳類細胞のゲノムから単離されるプロモーター、たとえばマウスメタロチオネインプロモーター、又はそれらの細胞において増殖するウィルスから単離されるプロモーター、たとえばワクシニアウィルスの7.5Kプロモーター又はMoloneyネズミ肉腫ウィルスの長い末端反復体が使用され得る。組換えDNA又は合成技法により得られるプロモーターはまた、挿入された配列の転写を提供するために使用され得る。さらに、一定のプロモーターからの発現は、特定のインジューサー、たとえばメタロチオネインプロモーターのための亜鉛及びカドニウムイオンの存在下で高められ得る。
転写調節領域又はプロモーターの非制限的例は、細菌に関して、β−galプロモーター、T7プロモーター、TACプロモーター、λ左及び右プロモーター、trp及びlacプロモーター、trp−lac融合プロモーター、等;酵母に関しては、解糖酵素プロモーター、たとえばADH−I及び−IIプロモーター、GPKプロモーター、PGIプロモーター、TRPプロモーター、等;及び哺乳類細胞に関しては、SV40初期及び後期プロモーター、アデノウィルス主要後期プロモーター、を包含する。本発明はさらに、ネオスポラ、又はアピコムプラキサの他のメンバーにおいて本発明のコード配列のいづれかを発現するために使用され得る、N.カニナムのGRA1及びMAG1遺伝子の両者のプロモーターのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を提供する。
特定の開始シグナルが、挿入されたコード配列の十分な翻訳のために必要とされる。それらのシグナルは典型的には、ATG開始コドン及び隣接する配列を包含する。それ自体の開始コドン及び隣接する配列を包含する本発明のポリヌクレオチド分子が適切な発現ベクター中に挿入される場合、追加の翻訳制御シグナルは必要とされない。しかしながら、コード配列の一部のみが挿入される場合、ATG開始コドンを包含する外因性翻訳制御シグナルが必要とされる。それらの外因性翻訳制御シグナル及び開始コドンは、種々の源、天然及び合成源から得られる。さらに、開始コドンは、完全な挿入体のイン−フレーム翻訳を確保するためにコード領域と読み取り枠を整合して存在すべきである。
本発明のタンパク質又はポリペプチドを含んで成る融合タンパク質を発現するであろう発現ベクターもまた構成され得る。そのような融合タンパク質は、たとえばネオスポラタンパク質に対する抗血清を高めるために、ネオスポラタンパク質の生化学性質を研究するために、異なった免疫学的又は官能的性質を示すネオスポラタンパク質を構築するために、又は同定又は精製を助けるために、又は組換え的に発現されたネオスポラタンパク質の安定性を改良するために使用され得る。可能な融合タンパク質発現ベクターは、β−ガラクトシダーゼ、及びtrpE融合体、マルトース−結合タンパク質融合体、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ融合体及びポリヒスチジン融合体(キャリヤー領域)をコードする配列を組込むベクターを包含するが、但しそれらだけには限定されない。それらの及び他の融合タンパク質をコードする発現ベクターを構成するために使用され得る方法は、当業界において良く知られている。
融合タンパク質は、発現されたタンパク質の精製を助けるために有用である。非制限態様においては、GRA1−マルトース−結合融合タンパク質はアミロース樹脂を用いて精製され得;GRA1−グルタチオン−S−トランスフェラーゼ融合タンパク質はグルタチオン−アミロースビーズを用いて精製され得;そしてGRA1−ポリヒスチジン融合タンパク質は二価のニッケル樹脂を用いて精製され得る。他方では、キャリヤータンパク質又はペプチドに対する抗体が、融合タンパク質の親和性クロマトグラフィー精製のために使用され得る。
たとえば、モノクローナル抗体の標的エピトープをコードするヌクレオチドコードが、調節要素と作用可能に関連して発現ベクター中に構築され、そして発現されるエピトープが本発明のネオスポラタンパク質に融合されるよう位置決定され得る。非制限態様においては、親水性マーカーペプチドである、FLAGTMエピトープ標識(International Biotechnologies Inc.)をコードするヌクレオチド配列が、GRA1タンパク質のアミノ又はカルボキシル末端に対応する点で発現ベクター中に、標準技法により挿入され得る。次に、発現されたGRA1タンパク質−FLAGTMエピトープ融合生成物が、市販の抗−FLAGTM抗体を用いて検出され、そして親和性−精製され得る。
発現ベクターはまた、特定のプロテアーゼ切断部位をコードするポリリンカー配列を含むよう構築され得、その結果、発現されたネオスポラタンパク質が特定のプロテアーゼによる処理によりキャリヤー領域又は融合パートナーから開放され得る。たとえば、融合タンパク質は、中でも、トロンビン又は第Xa因子切断部位をコードするヌクレオチド配列を含むことができる。
ネオスポラコード配列の上流にあり、そしてその配列と読み取り枠を整合して存在するシグナル配列は、発現されたタンパク質の取得及び分泌を方向づけるために、既知の方法により発現ベクター中に構築され得る。シグナル配列の非制限的例は、中でも、α−因子、免疫グロブリン、外層膜タンパク質、ペニシリナーゼ、及びT−細胞受容体からの配列を包含する。
本発明の組換えベクターにより形質転換され又はトランスフェクトされた宿主細胞の選択を助けるためには、ベクターは、レポーター遺伝子生成物又は他の選択マーカーのためのコード配列をさらに含むよう構築され得る。そのようなコード配列は好ましくは、上記のように、調節要素と作用可能に関連して存在する。本発明の実施において有用であるレポーター遺伝子は、当業界において良く知られており、そして中でも、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、グリーン螢光タンパク質、ホタルルシフェラーゼ、及びヒト成長ホルモンをコードする遺伝子を包含する。選択マーカーをコードするヌクレオチド配列は、当業界において良く知られており、そして抗体又は抗−代謝物に対する耐性を付与する遺伝子生成物をコードし、又は栄養要求必要条件を提供する配列を包含する。そのような配列の例は、中でも、チミジンキナーゼ活性、又はメトトレキセート、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール、ゼオシン、ピリメタミン、アミノグリコシド又はヒグロマイシンに対する耐性をコードする配列を包含する。
4.4.2.宿主細胞の形質転換
本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチド分子又は組換えベクターを含んで成る形質転換された宿主細胞、及びそれに由来する細胞系を提供する。本発明の実施において有用な宿主細胞は、真核又は原核細胞であり得る。そのような形質転換された宿主細胞は、組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA又はコスミドDNAベクターにより形質転換された微生物、たとえば細菌、又は組換えベクターにより形質転換された酵母、又は組換えウィルスベクター、たとえばバキュロウィルスにより感染された動物細胞、たとえば昆虫細胞、又は組換えウィルスベクター、たとえばアデノウィルス又はワクシニアウィルスにより感染された哺乳類細胞を包含するが、但し、それらだけには限定されない。
たとえば、E.コリの株、たとえばATCC, Rockville, MD, USA(受託番号31343)、又はStratagene(La Jolla, CA)から入手できるDH5α株が使用され得る。真核宿主細胞は酵母細胞を包含するが、但しマウス、ハムスター、牛、サル又はヒト細胞系からの哺乳類細胞もまた、効果的に使用され得る。本発明の組換えタンパク質を発現するために使用され得る真核宿主細胞の例は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(たとえばATCC受託番号CCL−61),NIH Swissマウス胚細胞NIH/3T3(たとえばATCC受託番号CRL−1658)及びMadin−Darbyウシ腎臓(MDBK)細胞(ATCC受託番号CCL−22)を包含する。
本発明の組換えベクターは好ましくは、実質的に均質な細胞培養物の1又は複数の宿主細胞を形質転換し、又はトランスフェクトする。ベクターは、既知の技法、たとえばプロトプラスト形質転換、リン酸カルシウム沈殿、塩化カルシウム処理、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、組換えされたウィルスとの接触によるトランスフェクション、リポソーム−仲介トランスフェクション、DEAE−デキストラントランスフェクション、トランスダクション、接合、又はマイクロプロジェクティル衝撃に従って、宿主細胞中に導入される。形質転換体の選択は、標準の方法により、たとえば組換え発現ベクターに関連する選択マーカー、たとえば抗生物質耐性を発現する細胞を選択することによって実施され得る。
発現ベクターが宿主細胞中に導入されると、宿主細胞ゲノムへの又はエピソーム的に、本発明のポリヌクレオチド分子の組込み及び維持が、標準の技法、たとえばサザンハイブリダイゼーション分析、制限酵素分析、PCR分析、たとえば逆転写酵素PCR(rt−PCR)により、又は予測されるタンパク質生成物を検出するための免疫学的アッセイにより確かめられ得る。本発明のポリヌクレオチド分子を含み、そして/又は発現する宿主細胞は、当業界において良く知られている次の少なくとも4種の一般的アプローチのいづれかにより同定され得る:(i)DNA−DNA,DNA−RNA、又はRNA−アンチセンスRNAハイブリダイゼーション;(ii)“マーカー”遺伝子機能の存在の検出;(iii )宿主細胞における特定のmRNA転写体の発現により測定されるような転写のレベルの評価;又は(iv)たとえば当業界において知られているようなイムノアッセイによる成熟ポリペプチド生成物の存在の検出。
4.4.3.組換えポリペプチドの発現及び精製
本発明のポリヌクレオチド分子が適切な宿主細胞中に安定して導入されると、形質転換された宿主細胞がクローン的に増殖され、そして得られる細胞がコードされたポリペプチドの最大の生成の助けとなる条件下で増殖される。そのような条件は典型的には、高い密度に形質転換された細胞を増殖することを包含する。発現ベクターが誘発性プロモーターを含む場合、適切な誘発条件、たとえば温度シフト、栄養物の消耗、必要のないインジューサー(たとえば炭水化物の類似体、たとえばイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG))の添加、過剰の代謝副生成物の蓄積又は同様のことが、発現を誘発するために必要とされる場合に使用される。
ポリペプチドが宿主細胞の内部に保持される場合、細胞は収穫され、そして溶解され、そして生成物が、タンパク質分解を最少にするために当業界において知られている抽出条件下で、たとえば4℃で、又はプロテアーゼインヒビターの存在下で、又は両者下で前記溶解物から実質的に精製され、又は単離される。ポリペプチドが宿主細胞から分泌される場合、消耗される栄養培地が単純に集められ、そしてポリペプチドがそれから実質的に精製され又は単離される。
ポリペプチドは、必要な場合、次の方法のいづれか1又は複数の方法(但し、それらだけには限定されない)を包含する標準の方法を用いて、細胞溶解物又は培養培地から実質的に精製され又は単離される:硫酸アンモニウム沈殿、サイズ分別、イオン交換クロマトグラフィー、HPLC、密度遠心分離、及びアフィニティークロマトグラフィー。ポリペプチドが生物学的活性を欠いている場合、それは、たとえばサイズ、又はポリペプチド−特異的抗体との反応性に基づいて、又は融合標識の存在下で検出され得る。本発明の実施に使用するためには、ポリペプチドは、培養流体中に分泌される場合、又は細胞溶解物に存在する場合、精製されていない状態で存在することができるが、しかし好ましくは、それらから実質的に精製され又は単離される。本明細書において使用される場合、ポリペプチドは、ポリペプチドが特定の調製物において少なくとも約20重量%のタンパク質を構成するよう“実質的に精製される”。また、本明細書において使用される場合、ポリペプチドは、特定の調製物において少なくとも約80重量%のタンパク質を構成するよう“単離される”。
従って、本発明は、本発明のポリヌクレオチドによりコードされる実質的に精製され又は単離されたポリペプチドを提供する。非制限態様においては、前記ポリペプチドは、GRA1,GRA2,SAG1,MIC1及びMAG1タンパク質から成る群から選択されたN.カニナムタンパク質である。好ましい態様においては、N.カニナムGRA1タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。もう1つの好ましい態様においては、N.カニナムGRA2タンパク質は、配列番号5のアミノ酸配列を有する。もう1つの好ましい態様においては、N.カニナムSAG1タンパク質は、配列番号7のアミノ酸配列を有する。もう1つの好ましい態様においては、N.カニナムMIC1タンパク質は配列番号9のアミノ酸配列を有する。もう1つの好ましい態様においては、N.カニナムMAG1タンパク質は配列番号13のアミノ酸配列を有する。
本発明はさらに、用語“相同”がポリペプチドについて上記に定義される場合、前述のN.カニナムタンパク質のいづれかに対して相同であるポリペプチドを提供する。N.カニナムの前述のGRA1,GRA2,SAG1,MIC1又はMAG1タンパク質のいづれかに対して相同である本発明のポリペプチドは、T.ゴンジGRA,SAG,MIC又はMAGタンパク質の生来のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含まず、そしてさらに、そのようなT.ゴンジポリペプチドに対して、わずか約90%、及び好ましくはわずか約80%のアミノ酸同一性を有し、ここで配列同一性はBLASTPアルゴリズム(Gen Bank, NCBI)の使用により、決定される。
本発明はさらに、本発明の前述のポリペプチドのいづれか1つの実質的な部分から成るポリペプチドを提供する。本明細書に使用される場合、本発明のポリペプチドの“実質的な部分”又は“ペプチドフラグメント”は、その対応する十分な長さのポリペプチドの完全なアミノ酸配列よりも少ない配列から成るが、しかしそのアミノ酸配列の少なくとも約10%より好ましくは、少なくとも約20%を含んで成り、そしてポリペプチドについて上記に定義されるように、本発明の実施において有用であるポリペプチドを意味する。免疫原性であり、すなわちその対応する十分な長さのネオスポラポリペプチドに対して特異的に反応する抗体の生成をもたらす免疫応答を誘発できるペプチドフラグメントが特に好ましい。
本発明はさらに、当業界において知られているようなキャリヤー又は融合パートナーに対して融合される前述のポリペプチドのいづれかを含んで成る融合タンパク質を提供する。
本発明はさらに、特定のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る、1又は複数の調節要素と作用可能に関連して存在するポリヌクレオチド分子を含んで成る組換え発現ベクターにより形質転換された宿主細胞を、前記ポリペプチドの発現の助けとなる条件下で増殖せしめ、そして細胞培養物から発現されたポリペプチドを回収することを含んで成る、前述のポリペプチドのいづれかを調製するための方法を提供する。
4.5.ポリペプチドの使用
十分な純度の本発明のポリペプチドが得られると、それは、標準の方法、たとえばSDS−PAGE、サイズ排除クロマトグラフィー、アミノ酸配列分析、免疫学的活性、生物学的活性、等により特徴づけられ得る。ポリペプチドは、疎水性及び親水性領域を同定するために、親水性分析(たとえば、Hopp and Woods, 1981, Proc. Natl. Acad, Sci. USA 78 : 3824を参照のこと)、又は類似するソフトウェアアルゴリズムを用いて、さらに特徴づけられ得る。構造分析は、特定の二次構造を想定する、ポリペプチドの領域を同定するために実施され得る。
生物物理学的方法、たとえばX−線結晶学(Engstrom, 1974, Biochem. Exp. Biol. 11 : 7-13 )、コンピューターモデリング(Fletterick and Zoller (eds), 1986, Current Communications in Molecular Biology, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY )、及び核磁気共鳴(NMR)が、ポリペプチドと他の推定上の相互作用性タンパク質/受容体/分子との間の相互作用の可能性ある部位をマッピングし、そして研究するために使用され得る。それらの研究から得られる情報は、欠失変異体及びワクチン組成物を企画し、そしてインビボでポリペプチドの生物学的機能を特異的に阻止することができる治療用又は薬理学的化合物を企画し、又は選択するために使用され得る。
本発明のポリペプチドは、種々の目的のために、たとえばネオスポロシスに対して哺乳類を保護するためのワクチン組成物の成分として;又は動物からの血液又は血清サンプルにおけるネオスポラ特異的抗体をスクリーンするために、標準の技法、たとえばELISAアッセイを用いての診断試薬として;又は動物からの細胞、組織又は流体におけるネオスポラ特異的タンパク質をスクリーンするために、標準の技法、たとえばウェスターンブロットアッセイを用いての診断試薬として有用である下記のようなポリクローナル又はモノクローナル抗体を生ぜしめるための抗原として有用である。
4.6.ポリペプチドの類似体及び誘導体
本発明のいづれかのポリペプチドが、その生物学的又は免疫学的特徴を改良し、又は他方では、変更するためにタンパク質レベルで修飾され得る。ポリペプチドの1又は複数の化学的修飾が、次のいづれかを包含する(但し、それらだけには限定されない)既知の技法を用いて、それらから類似体を調製するために実施され得る:たとえばカルバゼート又は三次センターを生成するために、ポリペプチドの1又は複数のL−アミノ酸の対応するD−アミノ酸、アミノ酸類似体又はアミノ酸擬似体による置換;又はトリプシン、キモトリプシン、パパイン又はV8プロテアーゼによる特定の化学的修飾、たとえばタンパク質分解切断、又はNaBH4 又は臭化シアン、又はアセチル化、ホルミル化、酸化又は還元、等による処理。他方では、又はさらに、本発明のポリペプチドは、遺伝子組換え技法により修飾され得る。
本発明のポリペプチドは、1又は複数の化学基、たとえばアセチル基、硫黄架橋基、グリコシル基、脂質及びリン酸塩(但し、それらだけには限定されない)のそれらへの接合により、及び/又は本発明の第2ポリペプチドへの、又は他のタンパク質、たとえば血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン、又は市販の活性化されたBSAへの、又はポリアミノ酸(たとえばポリリシン)への、又は多糖(たとえば、セファロース、アガロース、又は変性された又は変性されていないセルロース)への接合により誘導体化され得る。そのような接合は、好ましくは、ポリペプチドのアミノ酸側鎖での及び/又はN−末端又はC−末端での共有結合による。そのような接合反応を実施するための方法は、タンパク質化学の分野においては良く知られている。
本発明を実施するのに有用な誘導体はまた、水溶性ポリマー、たとえばポリエチレングリコールが本発明のポリペプチド、又はその類似体又は誘導体に接合されている誘導体も包含し、それにより、ポリペプチドの免疫原性を少なくとも一部、保持しながら、追加の所望する性質を提供する。それらの追加の所望する性質は、たとえば高められた水溶液溶解性、高められた貯蔵安定性、高められたタンパク質加水分解耐性、及び高められたインビボ半減期を包含する。本発明のポリペプチドへの接合のために適切な水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコールホモポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマー(ここで、前記ホモポリマー及びコポリマーは置換されておらず、又は一端でアルキル基により置換される)、ポリオキシエチル化されたポリオール、ポリビニルアルコール、多糖、ポリビニルエチルエーテル、及びα,β−ポリ〔2−ヒドロキシエチル〕−DL−アスパルタミドを包含するが、但しそれらだけには限定されない。ポリエチレングリコールが特に好ましい。
ポリペプチドの水溶性ポリマー接合体を製造するための方法は、当業界において知られており、そして中でも、アメリカ特許第3,788,948号;アメリカ特許第3,960,830号;アメリカ特許第4,002,531号;アメリカ特許第4,055,635号;アメリカ特許第4,179,337号;アメリカ特許第4,261,973号;アメリカ特許第4,412,989号;アメリカ特許第4,414,147号;アメリカ特許第4,415,665号;アメリカ特許第4,609,546号;アメリカ特許第4,732,863号;アメリカ特許第4,745,180号;ヨーロッパ特許(EP)第152,847号;EP第98,110号;及び日本特許第5,792,435号に記載されており、ここで前記特許は引用により本明細書中に組込まれる。
4.7.抗体
本発明はさらに、本発明のポリペプチドに対して向けられた、単離された抗体を提供する。好ましい態様においては、抗体は、既知の方法を用いて、N.カニナムからのGRA1,GRA2,SAG1,MIC1又はMAG1タンパク質に対して生ぜしめられ得る。ブタ、牛、馬、ウサギ、ヤギ、羊、又はマウスから選択された種々の宿主動物は、部分的に又は実質的に精製され又は単離されたN.カニナムタンパク質により、又はその相同体、融合タンパク質、実質的な部分、類似体又は誘導体により、上記のようにして免疫化され得る。たとえば下記アジュバントが、抗体生成を高めるために使用され得る。
ポリクローナル抗体は、免疫化された動物の血清から得られ、そして単離され得、そして標準の技法を用いて、抗原に対する特異性について試験され得る。他方では、モノクローナル抗体は、培養物における連続した細胞系による抗体分子の生成を提供するいづれかの技法を用いて調製され、そして単離され得る。それらは、Kohler and Milstein (Nature, 1975, 256 : 495-497)により記載されるハイブリドーマ技法;ヒトB−細胞ハイブリドーマ技法(Kosborなど., 1983, Immunology Today 4 : 72;Coteなど., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80 : 2026-2030);及びEBV−ハイブリドーマ技法(Coleなど., 1985, Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss. Inc., p77-96 )を包含するが、しかしそれらだけには限定されない。他方では、一本鎖抗体の生成について記載される技法(たとえば、アメリカ特許第4,946,778号を参照のこと)は、N.カニナム抗原−特異的一本鎖抗体の生成に適合され得る。前記出版物は引用により本明細書中に組込まれる。
本発明のポリペプチドのための特異的結合部位を含む抗体フラグメントもまた、本発明内に包含され得、そして既知の技法により生成され得る。そのようなフラグメントは、損なわれていない抗体分子のペプシン消化により生成され得るF(ab′)2 、及びF(ab′)2 フラグメントのジスルフィド架橋の還元により生成され得るFabフラグメントを包含するが、しかしそれらだけには限定されない。他方では、Fab発現ライブラリーは、N.カニナムタンパク質に対する所望する特異性を有するFabフラグメントの急速な同定を可能にするために構成され得る(Huseなど., 1989, Science 246 : 1275-1281)。
モノクローナル抗体及び抗体フラグメントの生成及び単離のための技法は、当業界において良く知られており、そして中でも、Harlow and Lane, 1988, Antibodies : A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory、及びJ. W. Goding, 1986, Monoclonal Antibodies : Principles and Practice, Academic Press, London (それらは、引用により本明細書中に組込まれる)にさらに記載されている。
4.8.ネオスポラ遺伝子の標的化された突然変異誘発
本発明のポリヌクレオチド分子の開示に基づいて、遺伝子構造体は、ネオスポラGRA1,GRA2,SAG1,MIC1又はMAG1遺伝子(それらの遺伝子は集合的又は個々には、“ネオスポラ遺伝子”として言及される)の無能化又は他方では、変異誘発への使用のために調製され得る。ネオスポラ遺伝子の個々は、現在知られている遺伝子技法と組合して、又は将来に開発されるべき遺伝子技法と組合して、適切に企画された遺伝子構造体を用いて突然変異誘発され得る。
たとえば、ネオスポラ遺伝子は、(a)ネオスポラ遺伝子のコード配列又は調節配列のすべて又は一部を欠失し;又は(b)異なったヌクレオチド配列によりネオスポラ遺伝子のコード配列又は調節配列のすべて又は一部を置換し;又は(c)ネオスポラ遺伝子のコード配列又は調節配列中に、ネオスポラ又は異種源からのヌクレオチド配列を含むことができる、1又は複数のヌクレオチド、オリゴヌクレオチド分子、又はポリヌクレオチド分子を挿入し;又は(d)(a),(b)及び(c)のいくつかの組合せを実施するよう機能する本発明の遺伝子構造体を用いて突然変異誘発され得る。
ネオスポラ遺伝子が突然変異誘発されているネオスポラ細胞は、遺伝子の突然変異誘発が、遺伝子がそのように突然変異誘発されていないネオスポラの同じ株の細胞に比較して、突然変異誘発された遺伝子を担持するネオスポラ細胞の病原性を減じ、そして無能化された遺伝子を担持するそのようなネオスポラ細胞が、ネオスポロシスに対して哺乳類における保護応答を誘発し、又はその誘発に寄与するために、ワクチン組成物、特に変性された生存ワクチンに使用され得る、本発明の実施において有用である。好ましい態様において、突然変異誘発は、ネオスポラ遺伝子を部分的に又は完全に無能にするよう作用し、又はネオスポラ遺伝子によりコードされるタンパク質を部分的に又は完全に無能にするよう作用する。
この場合、ネオスポラ遺伝子又はタンパク質は、次の場合、部分的に又は完全に無能化されると思われる:タンパク質生成物が製造されない場合(たとえば、遺伝子が欠失される場合)、又はその正常な生物学的機能をもはや実施できないか又はその正常な細胞位置にもはや輸送され得ないタンパク質生成物が製造される場合、又はその正常な生物学的機能を実施するが、しかし有意に低められた割合で実施する生成物が製造される場合、又はそのような突然変異誘発がネオスポラ病原株の細胞の病原性における検出できる低下をもたらす場合、ここでは、遺伝子が、同じ株の細胞ではあるが、遺伝子は突然変異されていない細胞に比較して、突然変異誘発されている。
非制限態様においては、本発明の遺伝子構造体は、野生型遺伝子のコード配列、又はそのプロモーター又は他の調節領域、又はその一部の、異なったヌクレオチド配列、たとえば突然変異誘発されたコード配列又は調節領域、又はその一部による置換により野生型ネオスポラ遺伝子を突然変異誘発するために使用される。そのような遺伝子構造体に使用するための突然変異誘発されたネオスポラ遺伝子配列は、いづれかの種々の既知方法により、たとえばエラープロンPCRの使用により、又はカセット突然変異誘発により生成され得る。たとえば、オリゴヌクレオチド−方向づけされた突然変異誘発は、たとえばその配列内の特定の点でフレーム−シフト又は停止コドンを導入するために、定義された手段により、野生型ネオスポラ遺伝子のコード配列又はプロモーター配列を変更するために使用され得る。
他方では又はさらに、本発明の遺伝子構造体に使用するための突然変異誘発されたヌクレオチド配列は、1又は複数のヌクレオチド、オリゴヌクレオチド分子、又はポリヌクレオチド分子のコード配列又はプロモーター配列中への挿入により、又は1又は複数の異るヌクレオチド、オリゴヌクレオチド分子、又はポリヌクレオチド分子によるコード配列又はプロモーター配列の一部の置換により調製され得る。そのようなオリゴヌクレオチド分子又はポリヌクレオチド分子は、いづれかの天然に存在する源から得られ、又は合成することができる。その挿入された配列は、ネオスポラ遺伝子の読み取り枠を破壊するよう単純に作用し、又はさらに、異種遺伝子生成物、たとえば選択マーカーをコードすることができる。
他方では又はさらに、ランダム突然変異誘発が、本発明の遺伝子構造体への使用のための突然変異誘発されたネオスポラ遺伝子配列を生成するために使用され得る。ランダム突然変異誘発は、いづれかの現在知られているか又は将来において開発されるべき技法により、たとえばネオスポラ遺伝子を担持する細胞を、紫外線又はX−線に、又は化学的突然変異誘発剤、たとえばN−メチル−N′−ニトロソグアニジン、エチルメタンスルホネート、亜硝酸又は窒素マスタードに暴露し、そして次に、特定遺伝子に突然変異を担持する細胞について選択することによって実施され得る。突然変異誘発技法の再考のためには、たとえばAusubel, 1989 前記を参照のこと。
上記で定義されたように、本発明の実施において有用である修飾されたネオスポラ細胞を生成するための突然変異は、ネオスポラ遺伝子のいづれかの場所で、たとえばORFにおいて、又はプロモーター又は他の調節領域において、又は天然において遺伝子又はORFを含むいづれか他の配列において生じ得る。そのようなネオスポラ細胞は、ネオスポラ遺伝子により通常コードされるタンパク質の修飾された形が生成されるか、又はネオスポラ遺伝子により通常コードされるタンパク質が生成されない変異体を包含し、そして又は、条件又は漏出変異体であり得る。
他方では、本発明の遺伝子構造体は、もとの場所に、ネオスポラ遺伝子又はORFを本来、端に有するヌクレオチド配列、たとえば配列番号1,3,4,6,8,10,11及び12に示される配列を含むと共に、遺伝子自体のコード領域からのヌクレオチド配列の一部のみを含むか又はそのヌクレオチド配列を含まない。そのような遺伝子構造体は、たとえば完全なネオスポラ遺伝子又はORFを欠失するために有用である。
好ましい態様においては、本発明の遺伝子構造体は、(a)N.カニナムからのGRA1,GRA2,SAG1,MIC1又はMAG1タンパク質をコードするヌクレオチド配列と同じであるが、しかし1又は複数の無能化突然変異をさらに含んで成るヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子、又は(b)もとの場所に、ネオスポラ遺伝子のORFを本来、端に有するヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を含んで成る、ネオスポラ遺伝子を無能化するために使用され得るポリヌクレオチド分子を含んで成る。ネオスポラ株の細胞が形質転換されると、遺伝子構造体のポリヌクレオチド分子は、相同組換えにより特定のネオスポラ遺伝子に特異的に標的化され、そしてそれにより、前記遺伝子又はその一部を置換し、又は前記遺伝子中に挿入する。この組換え現象の結果として、ネオスポラのその特定株に生得のネオスポラ遺伝子が無能化される。
寄生体原生動物において相同遺伝子置換を実施するための方法は、当業界において知られており、そして中でも、Cruz and Beverley, 1990. Nature 348 : 171-173 ; Cruzなど., 1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 7170-7174 ; Donald and Roos, 1994, Mol. Biochem. Parasitol. 63 : 243-253;及びTitus など., 1995, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92 : 10267-10271(それらのすべては、引用により本明細書中に組込まれる)に記載されている。
相同組換えを通しての標的化された遺伝子突然変異のためには、遺伝子構造体は好ましくは、上記のような突然変異体誘発されたヌクレオチド配列を含んで成る、環状又は直鎖状のいづれかのプラスミドである。非制限態様においては、突然変異誘発された配列中の少なくとも約200個のヌクレオチドが、相同組換えのために、本発明の遺伝子構造体を、特定の標的化されたネオスポラ遺伝子に特異的に方向づけるために使用され、ここでは、より短い長さのヌクレオチドがまた効果的である。さらに、プラスミドは好ましくは、破壊されるべき生来のネオスポラ遺伝子の調節要素配列と作用可能に関連してネオスポラゲノム中に挿入するであろうように構成される、レポーター遺伝子生成物又は他の選択マーカーをコードする追加のヌクレオチド配列を含んで成る。
本発明の実施に使用され得るレポーター遺伝子は、当業界において良く知られており、そして中でも、CAT、緑色螢光タンパク質、及びβ−ガラクトシダーゼをコードする遺伝子を包含する。選択マーカーをコードするヌクレオチド配列はまた、当業界において良く知られており、そして抗生物質又は抗−代謝物に対する耐性を付与する遺伝子生成物をコードするか、又は栄養要求必要条件を提供するヌクレオチド配列を包含する。そのような配列の例は、ピリメタミン耐性、又はネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(アミノグリコシドに対する耐性を付与する)、又はヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(ヒグロマイシンに対する耐性を付与する)をコードするものを包含する。
本発明の遺伝子構造体を創造するために使用され得る方法は、当業界において良く知られており、そして中でも、Maniatisなど., 1989 、前記;Ausubel など., 1989 、前記;Sambrookなど., 1989 前記;Innis など., 1995 、前記;及びErich, 1992 、前記に記載されるように、インビトロ組換え技法、合成技法、及びインビボ遺伝子組換えを包含する。
ネオスポラ細胞は、既知の技法、たとえばエレクトロポレーションに従って、本発明の遺伝子構造体により形質転換され又はトランスフェクトされ得る。形質転換体の選択は、標準の技法を用いて、たとえば遺伝子構造体と関係する選択マーカーを発現する細胞について選択することによって実施され得る。好都合な組換え現象が生じ、そして特定の標的遺伝子が無能にされた形質転換体の選択は、遺伝子分析により、たとえば、特定のタンパク質をコードするmRNA転写体の欠失を検出するためのサザンブロット分析により、又はノザンブロット分析により、又は新規表現型、たとえば減じられた病原性、又はたとえば免疫学的分析により決定される場合、特定のタンパク質を欠失する細胞の出現により、又はそれらのいくつかの組合せにより実施され得る。
本発明に従って修飾され得るネオスポラは好ましくは、タキゾイトであるが、しかし他方では、ブラディゾイト又は接合子ノウでもあり得る。ネオスポラ生活環のある段階での細胞は二倍体であるが、タキゾイトは一倍体である。従って、適切な変異体表現型を発現する修飾されたネオスポラ細胞の生成へのタキゾイトの使用は、タキゾイトが特定のネオスポラ遺伝子を破壊するために一回の好都合な組換え現象のみを必要とするので、好ましい。他方では、ネオスポラの二倍体細胞においては、2種の対立遺伝子が個々の遺伝子のために破壊されるべきである。これは、第1の対立遺伝子及び次に第2の対立遺伝子を、2種の異なった選択マーカーを担持する遺伝子構造体により連続的に、標的化することによって達成され得る。
さらなる非制限態様においては、本発明の遺伝子構造体はさらに、ネオスポラからの、又はその遺伝子又はコード領域が本発明の修飾された生存ネオスポラ細胞による予防接種に基づいて動物における別の及び明確な保護免疫応答を誘発し、又はその誘発に寄与するために有用な抗原をコードする、動物を感染する異なった病原体からの異なった遺伝子又はコード領域を含んで成る。この追加の遺伝子又はコード領域はさらに、修飾された生存ネオスポラ細胞からのコードされた抗原の分泌を導びくシグナル配列を含むよう構築され、それにより、予防接種された動物の免疫系へのその抗原の表示を可能にする。
従って、本発明は、GRA1,GRA2,SAG1,MIC1又はMAG1遺伝子が突然変異誘発されている修飾された生存ネオスポラ細胞を提供する。本発明はさらに、GRA1,GRA2,SAG1,MIC1及びMAG1遺伝子の複数の遺伝子の組合せが突然変異誘発され、そしてその細胞が上記一般的な方法を用いて調製され得る修飾された生存ネオスポラ細胞を提供する。さらに、本発明は、(a)ネオスポラの細胞を本発明の遺伝子構造体により形質転換し;(b)GRA1,GRA2,SAG1,MIC1又はMAG1遺伝子が前記遺伝子構造体により突然変異誘発されている形質転換された細胞を選択し;そして(c)段階(b)の細胞間から、ネオスポロシスに対して哺乳類を保護するためにワクチンに使用され得るそれらの細胞を選択することを含んで成る、修飾された生存ネオスポラ細胞を調製するための方法を提供する。
4.9.ネオスポラ細胞の培養
本発明に使用するためのネオスポラ細胞は、当業界において知られている技法に従って、いづれかの受動宿主細胞系、好ましくは哺乳類細胞系をタキゾイトにより感染することによって、インビトロで培養され、そして維持され得る。ネオスポラのタキゾイトが培養され得る哺乳類細胞系は、たとえばヒト包皮繊維芽細胞(Lindsay など., 1993, Am. J. Vet. Res. 54 : 103-106)、ウシ心肺大動脈内皮細胞(Marsh など., 1995 、前記)、ウシ単球(Lindsay and Dubey, 1989 、前記)、及びサル腎細胞を中でも包含する。たとえば、N.カニナムのタキゾイトは、Hs68ヒト包皮繊維芽細胞(ATCC受託番号CRL−1635)の単層において培養され得(Lindsay など., 1993 、前記);そして本発明に使用するためのN.カニナム株NC−1のタキゾイトにより感染されたMARC145サル腎細胞はATCC(受託番号12231)に寄託されている。ブラディゾイトは、同様に培養され、そして操作され得る。
哺乳類細胞培養物は増殖され得、そしてネオスポラ細胞により感染された細胞培養物は、当業界において知られていないいくつかのタイプの培養培地のいづれかにおいて維持され得る。たとえば、N.カニナムのタキゾイトにより感染されたウシ心肺大動脈内皮細胞の静置単層培養物は、10%(v/v)の熱不活性化されたウシ胎児血清(FBS)又は成熟ウシ血清(ES)、2mMのL−グルタミン、50U/mlのペニシリン及び50μg/mlのストレプトマイシンにより補充されたダルベッコ最少必須培地(DMEM;Gibco Laboratories, N.Y.)において増殖され得る(Conradなど., 1993 、前記)。Hs68ヒト包皮繊維芽細胞の単層は、2%(v/v)のFBS,1.0mMのピルビン酸ナトリウム、1×104 U/mlのペニシリン、1×104 μg/mlのストレプトマイシン、5×10-2mMの2−メルカプトエタノール及び0.3mg/mlのL−グルタミンを含むRPMI1640(維持培地)において維持され得る。ネオスポラにより感染されたHs68ヒト包皮繊維芽細胞の単層培養物は、同一の培地であるが、しかしFBSが10%(v/v)に高められている培地(増殖培地)において維持され得る。
哺乳類細胞のネオスポラ−感染された単層培養物は典型的には、標準の組織培養条件、たとえば37℃及び5%CO2 下で維持される。タキゾイトは典型的には、標準の技法を用いて顕微鏡的に決定され得る、培養物における哺乳類細胞の70〜90%が感染するようになる場合、感染されていない単層培養物に通される。トラキゾイトは、宿主細胞をいづれかの標準技法を用いて溶解し、そしてトラキゾイトを、たとえば濾過又は遠心分離により集めることによって、感染された哺乳類細胞培養物から集められ得る。
本発明の修飾された生存ネオスポラ細胞はまた、上記のように、哺乳類細胞においても培養され得る。
4.10.抗−ネオスポラワクチン
本発明はさらに、免疫学的に有効な量の1又は複数の本発明のタンパク質又はポリペプチド、及び獣医学的に許容できるキャリヤーを含んで成る、ネオスポロシスに対するワクチンを提供する。好ましい態様においては、前記ワクチンは、GRA1,GRA2,SAG1,MIC1及びMAG1から成る群から選択されたN.カニナムタンパク質を含んで成る。
本発明はさらに、免疫学的に有効な量の1又は複数の本発明のポリヌクレオチド分子、及び獣医学的に許容できるキャリヤーを含んで成る、ネオスポロシスに対するワクチンを提供する。好ましい態様においては、前記ワクチンは、GRA1,GRA2,SAG1,MIC1、及びMAG1から成る群から選択されたN.カニナムタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子を含んで成る。
本発明はさらに、免疫学的に有効な量の本発明の修飾されたネオスポラ細胞及び獣医学的に許容できるキャリヤーを含んで成る、ネオスポロシスに対するワクチンを提供する。好ましい態様においては、本発明のワクチンに使用するための修飾されたネオスポラ細胞は、GRA1- ,GRA2- ,SAG1- ,MIC1- 又はMAG1- 表現型を発現するN.カニナムの生存細胞である。他方では、本発明のワクチンは、不活性化されている本発明のそのような修飾されたネオスポラ細胞のいづれかを含むことができる。修飾されたネオスポラ細胞の不活性化は、当業界において知られているいづれかの技法を用いて、たとえば化学処理、たとえば二元エチレンイミン(BEI)又はβ−プロピオラクトンにより、又は凍結−融解又は熱処理により、又は細胞の均質化により、又はそれらのタイプの技法の組合せにより実施され得る。均質化された、その修飾されたネオスポラ細胞から調製されたワクチンは、完全な分別化されていない細胞均質物、又はその免疫学的に有効な副画分のいづれかから成ることができる。
本明細書において使用される場合、用語“免疫学的に有効な量”とは、一回の投与、又は複数回の投与で、哺乳類のメンバーに投与される場合、ネオスポロシスに対する保護応答を誘発することができる、抗原、たとえばタンパク質、ポリペプチド、ポリヌクレオチド分子、又は修飾された細胞のその量を言及する。
句“保護応答を誘発できる”とは、ネオスポロシスに対して予防接種された動物を保護するよう作用する、抗体又は細胞−介在免疫応答のいづれか、又は両者を包含する、予防接種に対する応答において動物にいづれかの免疫に基づく応答の誘発又は増強を包含するよう本明細書において広く使用される。
用語“保護応答”及び“保護する”とは、本明細書において使用される場合、同じ種の予防接種されていない感染された動物に比較して、予防接種された動物において、ネオスポロシスの絶対的保護又はネオスポロシスが引き起こす病原体による感染の絶対的予防のみならず、またそのような病原体による感染の程度又は速度の検出できる低下、又は病原体による感染に起因する疾病の重症度、又はいづれかの徴候又は病状の検出できる低下、たとえば1又は複数の組織に形成される病変の形成の速度又は絶対的数の検出できる低下、又は流産の発生、又は妊娠哺乳類からその胎児、又は哺乳類親からその子孫への感染の伝達の検出できる低下を言及する。
さらに好ましい態様においては、本発明のワクチンは、ネオスポロシス、及び任意には、哺乳類を苦しめる1又は複数の他の疾病又は病理学的状態に対して哺乳類を保護するための組合せワクチンであり、前記組合せワクチンは、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド分子、又は修飾されたネオスポラ細胞を含んで成る、免疫学的に効果的な量の第1成分;第1成分とは異なり、そして哺乳類を苦しめる疾病又は病理学的状態に対する保護応答を誘発でき、又はその誘発に寄与する、免疫学的に有効な量の第2成分;及び獣医学的に許容できるキャリヤーを含んで成る。
前記組合せワクチンの第2成分は、ネオスポロシス、又は当業界において知られているような、哺乳類種のメンバーお苦しめる他の疾病又は病理学的状態のいづれかに対する保護応答を誘発し、又はその誘発に寄与するその能力に基づいて選択される。当業界において現在知られているか、又は将来において決定されるべきか、又は特定の哺乳類種におけるワクチン組成物において有用であるべきいづれかの抗原性成分が、組合せワクチンの第2成分として使用され得る。そのような抗原性成分は、中でも、ウシヘルペスウィルス(感染性ウシ鼻腔気管炎)、ウシRSウィルス、ウシウィルス性下痢ウィルス、パラインフルエンザウィルス型I,II、又はIII 、レプトスピラspp.,カシピルドクターspp.,スタフィロコーカスアウレウス、ストレプトコーカスアガラクチアエ、マイコプラズマspp.,クレブシエラspp.,サルモネラspp.,ロタウィルス、コロナウィルス、狂犬病、パステウレラヘモリチカ、パステウレラムルトシダ、クロストリジアspp.,破傷風トキソイド、E.コリ、クリプトスポリジウムspp.,エイメリアspp.,トリコモナスspp.及び他の真核寄生体から成る群から選択された病原体に対する保護を提供する成分であるが、但しそれらだけには限定されない。
非制限態様においては、本発明の組合せワクチンは、免疫学的に有効な量の本発明のタンパク質又はポリペプチド、免疫学的に効果的な量の本発明のポリヌクレオチド分子、及び免疫学的に効果的な量の本発明の修飾されたネオスポラ細胞から成る群から選択された複数成分の組合せを含んで成る。好ましい態様においては、本発明の組合せワクチンは、N.カニナムGRA1,GRA2,SAG1,MIC1及びMAG1タンパク質、N.カニナムGRA1,GRA2,SAG1,MIC1及びMAG1タンパク質のいづれかをコードするポリヌクレオチド分子、及びGRA1- ,GRA2- ,SAG1- ,MIC1- 又はMAG1- 表現型のいづれかを示す修飾された生存ネオスポラ細胞から成る群から選択された複数成分の組合せを含んで成る。
本発明のワクチンはさらに、たとえば、下記に記載されるようなアジュバント又はサイトキンを包含する1又は複数の追加の免疫調節成分を含んで成る。
本発明はさらに、免疫学的に効果的な量の本発明のN.カニナムタンパク質又はポリペプチド、又はポリヌクレオチド分子、又は修飾されたネオスポラ細胞と獣医学的に許容できるキャリヤーを、哺乳類への投与のために適切な形で組合すことを含んで成る、ネオスポロシスに対するワクチンを調製するための方法を提供する。好ましい態様においては、前記タンパク質はGRA1,GRA2,SAG1,MIC1、及びMAG1から成る群から選択されたN.カニナムタンパク質であり;前記ポリヌクレオチド分子は好ましくは、GRA1,GRA2,SAG1,MIC1及びMAG1から成る群から選択されたN.カニナムタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んで成り;そして前記修飾されたネオスポラ細胞は好ましくは、GRA1- ,GRA2- ,SAG1- ,MIC1- 及びMAG1- から成る群から選択された表現型を示す生存細胞である。
本発明の修飾された生存ネオスポラ細胞を含んで成るワクチンは、培地において自由であるか、又は哺乳類宿主に存在するか、又は両者である前記ネオスポラ細胞を含む培養流体のアリコートを用いて調製され得、そして哺乳類に直接的に又は濃縮された形で投与され得る。他方では、修飾された生存ネオスポラ細胞が、獣医学的に許容できるキャリヤーと共に、当業界において知られており、そして投与の選択された経路に適切であるものから選択された免疫調節剤を伴って又はそれを伴わないで組合され得、好ましくはここで、ワクチン組成物における修飾された生存ネオスポラ細胞の生存性の少なくともいくらかな程度が維持される。本発明のワクチンに使用され得る修飾されたネオスポラ細胞は好ましくは、タキゾイトであるが、しかし他方では、ブラディゾイト又は接合ノウ、又はそれらのいくらかの組合せであり得る。
本発明のワクチン組成物は、獣医学的に許容できるキャリヤー、たとえば標準の緩衝液、安定剤、希釈剤、保存剤及び/又は溶解剤を含むよう、許容される慣習に従って配合され得、そしてまた、特効性を促進するよう配合され得る。希釈剤は、水、塩溶液、デキストロース、エタノール、グリセロール及び同様のものを包含する。等張性のための添加剤は、塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、及びラクトースを包含する。安定剤は、中でもアルブミンを包含する。修飾された生存ワクチンの配合において特に有用である適切な他のワクチン用ビークル及び添加剤は、当業者に知られており、又は明らかである。たとえば、Remington's Pharmaceutical Science, 18th ed., 1990, Mack Publishing (引用により本明細書中に組込まれる)を参照のこと。
本発明のワクチンはさらに、1又は複数の追加の免疫調節成分、たとえば中でもアジュバント又はサイトカインを含むことができる。本発明のワクチンに使用され得るアジュバントの非制限例は、RIBIアジュバントシステム(Ribi Inc., Hamilton, MT )、みょうばん、鉱物ゲル、たとえば水酸化アルミニウムゲル、水中油エマルジョン、油中水エマルジョン、たとえばフロイント完全及び不完全アジュバント、ブロックコポリマー(CyfRx, Atlanta GA )、QS−21(Cambridge Biotech Inc., Cambridge MA)、SAF−M(Chiron, Emeryville CA )、AMPHIGEN(登録商標)アジュバント、サポニン、QuilA又は他のサポニン画分、モノホスホリル脂質A、及びアビジン脂質−アミンアジュバントを包含する。本発明のワクチンに有用な水中油エマルジョンの特定の非制限例は、修飾されたSEAM62及びSEAM1/2配合物を包含する。
修飾されたSEAM62は、5%(v/v)のスクアレン(Sigma)、1%(v/v)のSPAN登録商標85界面活性剤(ICI Surfactants)、0.7%(v/v)のTween80登録商標界面活性剤(ICI Surfactants)、2.5%(v/v)のエタノール、200μg/mlのQuilA,100μg/mlのコレステロール、及び0.5%(v/v)のレシチンを含む水中油エマルジョンである。修飾されたSEAM1/2は、5%(v/v)のスクアレン、1%(v/v)のSPAN85登録商標界面活性剤、0.7%(v/v)のTween−80界面活性剤、2.5%(v/v)のエタノール、100μg/mlのQuilA及び50μg/mlのコレステロールを含んで成る水中油エマルジョンである。ワクチンに含まれ得る他の免疫調節剤は、たとえば1又は複数のインターロイキン、インターフェロン、又は他の既知のサイトカインを包含する。ワクチンが修飾された生存ネオスポラ細胞を含む場合、アジュバントは好ましくは、その修飾された生存ネオスポラ細胞の生存性の少なくともいくらかの程度を維持するその得られるワクチン配合物の能力に基づいて選択される。
ワクチン組成物が修飾された生存ネオスポラ細胞を含む場合、ワクチンは冷却又は凍結して貯蔵され得る。ワクチン組成物が代わりに本発明のタンパク質、ポリペプチド、ポリヌクレオチド分子、又は不活性化された、修飾されたネオスポラ細胞を含む場合、ワクチンは、凍結して貯蔵され得、又は適切な希釈剤を用いて投与の前、再水和化されるよう凍結乾燥された形で貯蔵され得る。
本発明のワクチンは任意には、抗原の持効性のために配合され得る。そのような持効性配合物の例は、生物適合ポリマー、たとえばポリ(乳酸)、ポリ(乳酸−コグリコール酸)、メチルセルロース、ヒアルロン酸、コラーゲン及び同様のものの複合材料を組合して抗原を含む。薬物提供ビークルにおける分解ポリマーの構造、選択及び使用は、いくつかの出版物、たとえばA. Domb など., 1992, Polymers for Advanced Technologies 3 : 279-292 (引用により本明細書に組込まれる)に再考され得る。
医薬製剤におけるポリマーの選択及び使用についての追加の説明は、M. Chasin and R. Langer (eds.), 1990, “Biodegradble Polymer as Drug Delivery Systems ”in Drugs and the Phaemaceutical Science, Vol. 45, M. Dekker, NY (引用により本明細書中に組込まれる)によるテキストに見出され得る。他方では又はさらに、抗原は、投与及び効率を改良するためにマイクロカプセル封入され得る。抗原をマイクロカプセル封入するための方法は、当業界において良く知られており、そしてたとえば、アメリカ特許第3,137,631号;アメリカ特許第3,959,457号;アメリカ特許第4,205,060号;アメリカ特許第4,606,940号;アメリカ特許第4,744,933号;アメリカ特許第5,132,117号;及び国際特許出願WO95/28227(それらは引用により本明細書中に組込まれる)に記載される技法を包含する。
リポソームはまた、抗原の持効性を付与するために使用され得る。リポソーム配合物をいかにして製造し、そして使用するかに関する詳細は、中でも、アメリカ特許第4,016,100号;アメリカ特許第4,452,747号;アメリカ特許第4,921,706号;アメリカ特許第4,927,637号;アメリカ特許第4,944,948号;アメリカ特許第5,008,050号;及びアメリカ特許第5,009,956号(それらすべては引用により本明細書中に組込まれる)に見出され得る。
本発明はさらに、免疫学的に有効な量の本発明のワクチンを哺乳類に投与することを含んで成る、ネオスポロシスに対して哺乳類を予防接種するための方法を提供する。ワクチンは好ましくは、非経口的に、たとえば皮下又は筋肉内注射により投与される。しかしながら、ワクチンは、他方では、復腔内又は静脈内注射により、又は他の経路、たとえば経口、鼻腔内、直腸、膣内、眼内により、又はそれらの経路の組合せにより、及び又は、当業界において知られているような遅延される開放装置により投与され得る。当業者はワクチン投与の最とも最適な経路を決定することができ、そしてまた、投与の選択された経路に従って、ワクチン組成物のための許容できる配合を認識するであろう。
効果的な用量は、従来の手段、すなわち低い用量の抗原から出発して、そして次に効果をモニターしながら、その用量を高くすることによって決定され得る。多くの因子が、動物当たりの最適用量を決定する場合、考慮され得る。それらの中で主要因子は、動物の種、大きさ、年齢及び一般的な状態、動物における他の薬物の存在、動物が予防接種されるネオスポラの特定種又は株のビルレンス、及び同様のものである。実際の用量は好ましくは、他の動物研究からの結果の考慮の後に選択される。
本発明のワクチンにおける本発明のネオスポラタンパク質又はポリペプチドの用量は好ましくは、約10μg〜約10mg、より好ましくは、約50μg〜約1mg、及び最とも好ましくは、約100μg〜約0.5mgの範囲である。本発明のワクチンにおける本発明のネオスポラポリペプチド分子の用量は、約50μg〜約1mgの範囲である。本発明のワクチンにおける本発明の修飾されたネオスポラ細胞の用量は好ましくは、約1×103 〜約1×105 個の細胞/ml、及びより好ましくは約1×105 〜約1×107 個の細胞/mlの範囲である。適切な用量サイズは、約0.5ml〜約10ml、及びより好ましくは、約1ml〜約5mlの範囲である。それらの抗原の用量はまた、本発明の組合せワクチンにも適用できる。組合せワクチン中の第2成分が本発明のネオスポラタンパク質、ポリペプチド、ポリヌクレオチド又は修飾された細胞以外の抗原である場合、その組合せワクチンに使用するための第2成分の用量は、当業界において知られているように、その第2成分のワクチン適用の前に決定され得る。
本発明のワクチンは、ネオスポロシスに対して哺乳類を保護するために有用である。本明細書において使用される場合、用語“哺乳類”とは、本発明のワクチンを用いてネオスポロシスに対して保護され得るいづれかの哺乳類種、たとえば犬、牛、ヤギ、羊及び馬を言及する。本発明のワクチンは、いくつかの要因、たとえば他の動物間でのネオスポロシスの大発生のタイミング、等に依存して、特定動物の生命の間、いづれの時点でも投与され得る。ワクチンは、ネオスポラ関連の先天性疾病又は流産に対して保護するために、交配前ワクチンとして、離乳年齢又はより若い動物に、又は成熟した動物に投与され得る。効果的な保護は、一次予防接種のみを必要とし、又は1又は複数回の追加予防接種がまた必要とされる。適切な免疫保護が達成されたかどうかを決定する1つの方法は、予防接種の後、動物におけるセルコンバージョン及び抗体力価を測定することである。予防接種のタイミング及び追加予防接種(もし存在するなら)の回数が、好ましくは、すべての関連因子(このいくつかは、下記に示される)の分析に基づいて、獣医により決定されるであろう。
本発明はさらに、免疫学的に有効な量の本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド分子、又は修飾されたネオスポラ細胞、又はそれらの組合せを有する容器を含んで成る、ネオスポロシスに対して哺乳類を予防接種するためのキットを提供する。キットは任意には、獣医学的に許容できるキャリヤー又は希釈剤を有する第2容器を含んで成る。好ましい態様において、ポリペプチドは、N.カニナムのGRA1,GRA2,SAG1,MIC1及びMAG1タンパク質から成る群から選択され;ポリヌクレオチド分子は好ましくは、GRA1,GRA2,SAG1,MIC1、及びMAG1から成る群から選択されたN.カニナムタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有し;そして修飾されたネオスポラ細胞は好ましくは、GRA1- ,GRA2- ,SAG1- ,MIC1- 又はMAG1- 表現型を発現する生存細胞である。
次の例は、例示的であって、本発明の範囲を制限するものではない。
5.例:N.カニナムcDNAの単離及び遺伝子配列
5.1.GRA1,GRA2,SAG1、及びMIC1 cDNAを含むλクローンの 同定
N.カニナムタキゾイトのcDNAライブラリーを、Dr. T. Boszler, Washington State University, Pullman, WAから得た。手短には、このライブラリーを、N.カニナムNC−1タキゾイトから精製されたRNAを用いて構成した。cDNAを、cDNA末端へのEcoRI及びXhoIリンカーの付加に続いて、バクテリオファージλZAPExpress(Stratagene, La Jolla, CA) においてクローン化した。ライブラリーは、そのライブラリーのアリコートがE.コリXL−1 Blue MRA(P2 )(Stratagene)と共に混合され、そしてIPTGを含むNZY寒天プレート上にプレートされる場合、白色プラークの形成に基づいて、約99%の組換え体を含むことが推定された。
上記のようにして同定された個々の推定上のλZAPExpressクローンの組換え挿入体DNA配列を、Krishnanなど., 1991, Nucl. Acids. Res. 19 : 6177-6182 ; 及びKrishnanなど., 1993, Meth. Enzym. 218 : 258-279 (引用により本明細書に組込まれる)により実質的に記載されるようにして、PCR分析にゆだねた。従って、十分に分離されたバクテリオファージλプラークを含む寒天のプラグを、殺菌したパスツールピペットを用いて回収し、そして無菌の水100μlに少なくとも1時間、含浸した。
約10μlの拡散されたバクテリオファージλ粒子を用いて、次の成分を含む合計100μlの体積においてPCRを実施した:(1)クローニング部位(すなわち、EcoRI及びXhoI)に隣接する配列に対しての特異性を伴って、λバクテリオファージベクター、すなわちλZAPExpressに対して特異的であり、そして挿入体DNA配列に対して5’→3’方向に配向される、それぞれ100ngのλDASH−T3及びλDASH−T7オリゴヌクレオチドプライマー;(2)200μMのdNTP;(3)PCR緩衝液(Life Technologies, Inc., Gaithersburg, MD);及び(4)1単位のTaq DNAポリメラーゼ緩衝液(Life Technologies, Inc.)。λDASH−T3の配列は、5'-AATTAACCCTCACTAAAGGG (配列番号14)である。
λDASH−T7の配列は、5'-GTAATACGACTCACTATAGGGC (配列番号15)である。熱サイクル条件は次の通りである:94℃,5分、1サイクル;94℃,1分、55℃,1分、72℃,1分、30サイクル;72℃,7分、1サイクル。反応混合物のアリコート(典型的には10μl)を、標準のアガロースゲル電気泳動、臭化エチジウム染色、及びUV対照下での可視化により試験した。PCR混合物を、PCR精製システム(Qiagen)を用いてイオン交換カラムクロマトグラフィーにより精製し、そして螢光ラベリング及びSangerジデオキシ鎖終結DNA配列決定技法を使用し、λDASH−T3及びλDASH−T7プライマーを用いて直接的に配列決定した。配列を、National Center for Biotechnology Information, Bethesda, Maryland, 20894, USA でのDNA配列データーベースへの比較により、他の既知配列に対する相同性について分析した。それぞれT.ゴンジGRA1,GRA2,SAG1及びMIC1遺伝子に対する相同性を有する4種の配列を同定した。
5.2.N.カニナムGRA1,GRA2,SAG1及びMIC1 cDNAのための 完全ORFの同定
それぞれ、T.ゴンジGRA1,GRA2,SAG1及びMIC1遺伝子に対する相同性を有するN.カニナム配列を含むものとして同定された上記バクテリオファージλZAPExpress粒子を、製造業者の説明書(Stratagene)に従って、インビボ切断プロトコールにゆだね、プラスミドpBluescriptにおける挿入体配列を回収した。手短に言及すれば、前記ファージ粒子は、ExAssistヘルパーファージ(Stratagene)により同時感染されたE.コリXL−1 Blue MRFの感染を可能にされた。この処理に続いて、上清液を集め、そしてE.コリXLOLR細胞(Stratagene)と混合するために使用した。
次に、前記細胞上清液のアリコートを、カナマイシン(約50μg/ml)を含む培地上にプレートし、そしてカナマイシン耐性コロニーを、プラスミドプロフィールについて試験した。プラスミドDNAを精製し、そして組換え部分を、Sangerジデオキシ鎖終結DNA配列決定技法を用いて配列決定した。得られたDNA配列を、DNASTAR(DNASTAR, Inc., Madison, WI)により分析し、ORF及び他の特徴を同定した。配列をまた、公開データベースにおけるDNA配列に対する相同性比較について、BLASTアルゴリズム(National Center for Biotechnology Information )を用いて分析した。
完全なN.カニナムGRA1 ORFを含むものとして同定された組換えプラスミドクローンを、pRC77(ATCC 209685)として命名した。pRC77におけるcDNA挿入体配列の合計の長さは、1,265bpであり、そしてnt205〜777(配列番号1)から延長するGRA1 ORFを含んだ。N.カニナムGRA1タンパク質の推定されるアミノ酸配列は、配列番号2として表わされる。N.カニナムGRA1 ORFのヌクレオチド配列は、T.ゴンジGRA1 ORFのヌクレオチド配列に対して約55%の類似性を有する。N.カニナムGRA1タンパク質の推定されるアミノ酸配列は、T.ゴンジGRA1タンパク質の推定されるアミノ酸配列に対して約51%の類似性を有する。
完全なN.カニナムGRA2 ORFを含むものとして同定された組換えプラスミドクローンを、pRC5(ATCC 209686)として命名した。pRC5におけるcDNA挿入体配列の合計の長さは、1.031bpであり、そしてnt25〜660(配列番号4)から延長するGRA2 ORFを含んだ。N.カニナムGRA2タンパク質の推定されるアミノ酸配列は、配列番号5として表わされる。N.カニナムGRA2 ORFのヌクレオチド配列は、T.ゴンジGRA2 ORFのヌクレオチド配列に対して約37%の類似性を有する。N.カニナムGRA2タンパク質の推定されるアミノ酸配列は、T.ゴンジGRA2タンパク質の推定されるアミノ酸配列に対して約26%の類似性を有する。
完全なN.カニナムSAG1 ORFを含むものとして同定された組換えプラスミドクローンを、pRC102(ATCC 209687)として命名した。pRC102におけるcDNA挿入体配列の合計の長さは、1,263bpであり、そしてnt130〜1,089(配列番号6)から延長するSAG1 ORFを含んだ。N.カニナムSAG1タンパク質の推定されるアミノ酸配列は、配列番号7として表わされる。N.カニナムSAG1 ORFのヌクレオチド配列は、T.ゴンジSAG1 ORFのヌクレオチド配列に対して約58%の類似性を有する。N.カニナムSAG1タンパク質の推定されるアミノ酸配列は、T.ゴンジSAG1タンパク質の推定されるアミノ酸配列に対して約49%の類似性を有する。
完全なN.カニナムMIC1 ORFを含むものとして同定された組換えプラスミドクローンを、pRC340(ATCC 209688)として命名した。pRC340におけるcDNA挿入体配列の合計の長さは、2,069bpであり、そしてnt138〜1,520(配列番号8)から延長するMIC1 ORFを含んだ。N.カニナムMIC1タンパク質の推定されるアミノ酸配列は、配列番号9として表わされる。N.カニナムMIC1 ORFのヌクレオチド配列は、T.ゴンジMIC1 ORFのヌクレオチド配列に対して約58%の類似性を有する。N.カニナムMIC1タンパク質の推定されるアミノ酸配列は、T.ゴンジMIC1タンパク質の推定されるアミノ酸配列に対して約47%の類似性を有する。
5.3.GRA1遺伝子配列の同定
N.カニナム株NC−1のゲノムDNAライブラリーを、従来の技法に従って、バクテリオファージλIIベクター(Stratagene)において構成した。pRC77(ATCC 209685)に由来するcDNA配列を次の通りにPCR増幅し、そして得られるPCR増幅されたDNAフラグメントをプローブとして使用し、N.カニナム株NC−1ゲノムDNAライブラリーをスクリーンした。N.カニナムGRA1 cDNAに対して特異的なプライマーbd219及びbd220を用いて、N.カニナムGRA1 cDNA(pRC77)のORFに対応する563bpのフラグメントを増幅した。bd219は5'-GCCGCGACTTCTTTTTCTCT (配列番号16)であり、そしてbd220は、5'-CTCGATCGCCTCCTTTACTG (配列番号17)である。563bpのフラグメントを、SeaPlaque低溶融アガロース(LMA)(FMC Bioproducts )を用いて、電気泳動により精製した。バンドをゲルから切り出し、そして続いて、ランダムプライムラベリング反応に使用し、ネオスポラゲノムライブラリーをスクリーンするための調製においてプローブを生成した。
N.カニナムゲノムライブラリー(λDASH Stratagene #845201)からの2.5×105 pfu を、Hybond N+ナイロン膜(Amersham)上にプラーク−リフトした。二重フィルターを、プローブとして563bpのGRA1 cDNAを用いてスクリーンした。9つの二重pfu を陽性であると評価し、そして続いて1mlのSM緩衝液にコアーした。それらのクローンの4つ(#5〜8)を、二次スクリーニングに向けた。二次スクリーニング上では、500〜1000pfu /クローンを二重フィルター上にプラーク−リフトした。すべての4つのGra1クローンは二次スクリーニング上で陽性であり、そして個々のプラークとして単離した。
Gra1#8として命名されたλクローンをこの方法により同定し、そしてプライマーbd256及びbd254を用いてのPCR増幅のための鋳型として使用した。プライマーbd256は、5'-TGCTAGTACTGGCGAGTGAA (配列番号18)である。プライマーbd254は、5'-CAGGTTTGCCACACATTTTT (配列番号19)である。得られたPCRフラグメントを、pGEM−T EASYベクター(Promega, Madison, WI)中にサブクローン化した。クローン化されたフラグメントを、螢光ラベリング及びSangerジデオキシ鎖終結配列決定技法を用いて配列決定した。配列の分析は、クローン化されたフラグメントがGRA1遺伝子を含むことを示した。
GRA1遺伝子配列(配列番号3)は、nt205〜nt777のpRC77(ATCC 209685)のGRA1 cDNA配列(配列番号1)に対して完全な同一性を共有する、nt605〜nt855及びnt983〜nt1304のORFを含む。しかしながら、GRA1遺伝子配列(配列番号3)は、pRC77のnt1201でグアニンの代わりにチミンが存在する、GRA1遺伝子のnt1728で3′未翻訳領域において単一のヌクレオチド位置でcDNA配列(配列番号1)とは異なる。この差異は、このヌクレオチド不一致がGRA1#8λゲノムクローンからの2種の別のサブクローンにおいて確認されたので、RFLP、又はpRC77における配列決定エラーのためであり得る。GRA1遺伝子配列(配列番号3)はさらに、nt856〜nt982まで延長するイントロンを含んで成る。さらに、3種のプロモーターモチーフが、T.ゴンジGRA遺伝子に見出される部位に類似するmRNA開始部位の150bp 5′側内に同定されている(Mercier など., 1996, Mol. Microbiol. 21 : 421-428 )。
5.4.SAG1遺伝子配列の同定
SAG1遺伝子に対して特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを、pRC102から得られたDNA配列のSAG1 ORFに基づいて合成した。NCSAG1 5′として命名された第1プライマーは、5'-ATGTTTCCTCCTCGGGCAGTG(配列番号20)であり、そしてNCSAG1 3′として命名された第2プライマーは、5'-TCACGCGACGCCAGCCGCTATCG(配列番号21)であった。上記に示されるようなプライマーNCSAG1 5′が追加の3個のヌクレオチド(CCT)を含むように偶然に企画されたことが後で決定され、そしてそれらの3個の追加のヌクレオチドの存在が、実際のSAG1遺伝子配列を決定する場合に考慮された。
PCRを、鋳型としてのN.カニナム株NC−1ゲノムDNAに基づいて、プライマーNCSAG1 5′(配列番号20)及びNCSAG1 3′(配列番号21)を用いて実施した。製造業者の推薦に従って、プラスミドpCR2.1及びpBlunt(Invitrogen, Carisbad, CA)にクローン化される、約1kbの増幅されたフラグメントを得た。ゲノムSAG1 PCRフラグメントを含むことが同定された組換えプラスミドを、螢光ラベリング及びSangerジデオキシ鎖終結配列決定技法、並びに標準の“普通”、“逆”及び次のオリゴヌクレオチド:NCSAG1200:5'-GCCCTGACAATTCGACCGCC (配列番号22);NCSAG1500:5'-CCCACAACATCCAAGTCGTTC(配列番号23);NCSAG1660:5'-GTTTTGCACCATCCTTAGTG (配列番号24)、及びNCSAG1320:5'-GAGAGTTTGCTTTGCACCG(配列番号25)を用いて配列決定した。得られたDNA配列を、DNAStarソフトウェアパッケージを用いてアセンブリーし、そしてpRC102から推定されるSAG1 ORFの配列に対して同一であることを見出した。従って、SAG1遺伝子のゲノム配列は、cDNA配列決定から得られたその配列に対して同一である。
5.5.MIC1遺伝子配列の同定
約2.2kbのDNAフラグメントを、MIC1 cDNAフラグメント(pRC340の配列を参照のこと)の5′及び3′末端に対して特異的なオリゴヌクレオチドを用いてN.カニナムゲノムDNAからPCR増幅した。熱サイクル条件は次の通りであった:94℃,1分、1サイクル;94℃,45秒、54℃,45秒、72℃,2分、29サイクル;72℃,5分、1サイクル。この2.2kbのフラグメントを、pCR2.1及びpZEROBLUNT(Invitrogen, Carisbad, CA)中にクローン化した。組換えプラスミドを標準の制限分析により同定し、そして代表的なクローンを、螢光ラベリング及びSangerジデオキシ鎖終結技法を用いて配列決定した。エキソン及びイントロンの位置を、pRC340からのMIC1 cDNA配列との比較により同定した。
MIC1遺伝子の全体の長さは2278bpであり(配列番号10)、これはnt1〜nt73,nt345〜nt811,nt1187〜nt1265及びnt1515〜nt2278のORF、及び3種の介在イントロンを含んで成る。
5.6.MAG1遺伝子配列の同定
BspDI,EcoRI及びHindIII Vectoretteライブラリー(Genosys)を、製造者のプロトコールに従って、鋳型DNAとしてゲノムクローンGra1#8を用いて調製した。5′GRA1 cDNAに対して特異的なアンチセンスプライマーbd234、及びVectoretteプライマーII(ER−70)を用いて、約2kbのフラグメントを、HindIII Vectoretteライブラリーから、Klentaq(AB Peptide Inc.)及びPFU(Stratagene)ポリメラーゼを用いて増幅した。プライマーbd234は、5'-CCAGCCGAGTTCGTGTTCAGA(配列番号26)であり、そしてプライマーER−70は、CAACGTGGATCCGATTCAAGCTTC(配列番号27)である。生成物を、1% LMAゲル上で移動せしめ、切り出し、そしてpGEM−T EASYベクターとのクローニング反応に直接使用した。
E.コリDH5αの形質転換は、いくつかの白色コロニーを生成した。20の異なった白色クローンからのDNAのNotI制限分析は、20のクローンのうち18のクローンが適切なサイズの挿入体を含んだことを示した。サブクローン2を選択し、ストックとして増殖し、そしてこのプラスミドをbd245と改名した。Vectorette 2kb Gra1プロモーターフラグメントからのPCR生成物を、ネスティドプライマーbd218及びVectorette配列決定プライマーを用いて両端から配列決定した。プライマーbd218の配列は、5'-AAAGCTCTTCGGCAGTTCAA (配列番号28)である。プラスミドbd245の完全な配列は、Sanger螢光ジデオキシ鎖終結配列決定技法を用いて、標準のプライマーウォーキングにより生成した。
プライマーbd252を、クローンGra1#8の一端をマッピングするために、PCRにおいて、鋳型としてプライマーT7の変異体及びGra1#8DNAと組合して使用した。プライマーbd252は、5'-CCGCGCTACCACTTTCCA (配列番号29)である。T7プライマーの変異体は、5'-GTAATACGACTCACTATA (配列番号30)である。約2.5kbのフラグメントを、プライマーbd252及びT7変異体を用いて増幅し、この生成物をpGEM−T EASYベクター中にサブクローン化し、そしてこのプラスミドをbd282と命名した。螢光ラベリング及びSangerジデオキシ鎖終結配列決定技法を用いてのプライマーウォーキングを用いて、プラスミドbd282の完全な配列を完結した。
プラスミドbd245及びbd282からの配列が、WU−BLAST2(Washington University BLAST version 2 )を用いて同定されたMAG1遺伝子をコードする、配列番号11に示される連続配列を生成するために使用された。結果は、この配列がT.ゴンジMAG1遺伝子(受託番号U09029)に対しての相同性を有することを示す。推定上のエキソン/イントロン境界を、イントロンスライス部位コンセンサス配列及びT.ゴンジMAG1配列との整合により同定し、これがnt704〜nt820(エキソン1)、nt1301〜nt1399(エキソン2)、nt1510〜nt1808(エキソン3)及びnt1921〜nt3297(エキソン4)のmRNA転写体及び介在イントロン示唆した。
それらの推定上のエキソン/イントロン境界に基づいて、提案されたcDNA配列は配列番号12として表わされ、そしてそれから推定されるアミノ酸配列は配列番号13として提供される。T.ゴンジとN.カニナムとの間のエキソン及びイントロン境界の比較は、MAG1遺伝子のエキソン1〜3及びイントロン1〜2がそれらの2種の生物間に比較的位置決定して保存されることを示す。イントロン3及びエキソン4スプライス部位は、N.カニナムMAG1に対してユニークである。配列番号11はまた、nt1〜nt126の、GRA1のGRA1遺伝子配列の一部、及びnt127〜nt703の完全な介在性の推定上の二方向性GRA1/MAG1プロモーター領域を含んで成る。
λGra1#8クローンからのDNAをNotIにより消化し、挿入体DNAを開放し、これを続いて、フェノール/クロロホルムにより抽出し、沈殿せしめ、そして水に再懸濁した。この調製からのDNAを、精製されたNotI消化BS KS+ ベクターDNA(Stratagene)に連結し、そしてその後、E.コリDH5α細胞を形質転換した。クローンを、GRA1及びMAG1遺伝子に対して特異的なプライマーを用いて、PCRによりスクリーンし、そしてさらに、約16kbのλGRA1#8 NotI挿入体の存在についてNotI制限消化により確かめた。PCRのために使用されるプライマーは、GRA1プライマー219(配列番号16)及び220(配列番号17)、並びにMAG1プライマー261及び270であった。プライマー261は、5'-CCGCAACGTGCTGTTCCTA(配列番号31)であり;そしてプライマー270は、5'-CATCAGAGAAACTGGAGT (配列番号32)である。λGra1#8からのNotI挿入体に連結されるBSKS+ベクターを含む陽性プラスミドクローンを同定し、そしてbd304(ATCC 203413)と命名した。
5.7.ネオスポラのMAG1及びGRA1プロモーターの同定
5.7.1.T.ゴンジGRA1プロモーター要素に対する背景
T.ゴンジGRA1プロモーターの機能的突然変異分析、及びもう1つの十分に定義されたT.ゴンジプロモーター(SAG1)への配列比較が、配向−独立性態様で基本的なGRA1プロモーター活性を付与するヘプタヌクレオチドモチーフ(TGAGACG )を同定した(Mercier など., 1996, Mol. Micro. 21 : 421-428 )。GRA1プロモーターにおける2つの追加のヘプタヌクレオチドモチーフが、追加の転写活性を付与する。T.ゴンジGRA1プロモーターは、GRA1転写開始部位に対して−129〜−47上流の隣接した領域内に含まれる。T.ゴンジGRA1領域における有意なプロモーター要素は、1つのCAATボックス、前方配向での1つのヘプタヌクレオチドモチーフ、及び逆配向での2つのヘプタヌクレオチドモチーフを含む。3個の追加のヘプタヌクレオチドモチーフは、T.ゴンジGRA1プロモーターの上流(−349〜−204)に同定されるが、しかし−129〜−47のプロモーター要素に有意な上昇を付与しない。
5.7.2.ネオスポラMAG1−GRA1プロモーター要素
N.カニナム株NC−1の完全なMAG1−GRA1領域のゲノム配列分析は、2つの遺伝子が接近した配置で配列されていることを示す。推定上のMAG1/GRA1二方向性プロモーターを含む、MAG1及びGRA1遺伝子(配列番号11、nt127〜nt703)のための推定上の翻訳開始部位間に577bpの領域が存在する。この577bpの領域の配列分析は、T.ゴンジGRA1プロモーターについて記載されるように、3つの逆転されたヘプタヌクレオチドモチーフ(CGTCTCA 又はCGTCTCT )を同定した。2つのCAATボックスは、それらのヘプタヌクレオチドモチーフを端に有し、その1つのCAATボックスはGRA1遺伝子に向かって配向され、そして第2のCAATボックスはMAG1遺伝子に向かって配向される。下記表は、N.カニナムMAG1/GRA1二方向性プロモーター領域に見出されるプロモーター要素を列挙する。
Figure 2005253467
a:ヌクレオチド位置は、GRA1 cDNA(pRC77)の5′端により定義される 推定上の転写開始部位に対して存在する。
* :このCAATボックスは補体鎖から読取られ、そしてMAG1遺伝子(65KDa )に 向かって配向される。
**:Mercier など., 1996 、前記により定義されるような逆方向ヘプタヌクレオチドプロモーターモチーフ。
5.7.3.ネオスポラGRA1プロモーター構造体の構成
2つのヘプタヌクレオチドモチーフ及び2つのCAATボックスを含む577bpの推定上のMAG1/GRA1二方向性プロモーターの機能性を、この定義された配列の下流にLacZレポーター遺伝子を含むプラスミドを構築し、そして次に、このプラスミドをNC−1タキゾイト中にトランスフェクトすることによって試験した。LacZ発現を駆動するT.ゴンジGRA1プロモーターを含み、そしてT.ゴンジSAG1 3′末端を含む、GLSと称するBluescriptプラスミドは、D. David Sibley, Washington University School of Medicine, St. Louis, Mo., USAにより提供された。プラスミドGLSのHindIII /NsiI消化が、T.ゴンジGRA1プロモーターフラグメントを除去し、そして続くLMA精製がプロモーターのないLacZレポーターベクターを生成するために実施された。
プライマーHindIII −bd256(5'-GGCCAAGCTTGCTAGTACTGGCGA ;配列番号33)及びbd260−NsiI(5'-ATCCAATGCATCTTGCTGAATGCCTTAAAAG;配列番号34)を、鋳型としてλクローンgra1#8、及びPFU及びKlentaqポリメラーゼと共に増幅反応に使用し、ネオスポラGRA1遺伝子からの5′未翻訳領域を含む−600bpのプロモーターフラグメントを生成した。そのフラグメントをHindIII /NsiIにより消化し、LMA上で精製し、そして続いて、上記プロモーターのないLacZレポーターベクターとの連結反応に使用し、プラスミドクローンbd266を生成した。プライマーHindIII −bd256及びbd260−NsiIとのPCR反応を、プラスミドクローンbd266により実施し、N.カニナムGRA1プロモーターの挿入を確かめた。
N.カニナムNC−1タキゾイト(1×107 )を、Howeなど., 1997, Methods : A Companion to Methods in Enzymology 13 : 1-11 により記載されるように、細胞混合物緩衝液において、5μg又は50μgの切断されていないbd266又はプラスミドGLSと共に10μF,1.4Vでのエレクトロポレーションすることによりトランスフェクトした。エレクトロポレートされたNC−1細胞を、β−ガラクトシダーゼアッセイのために収穫する前、3日間、T25フラスコにおけるMARC−145サル腎細胞(80%の集密度)の感染を可能にした。3mlの培地を除去し、そしてフラスコから細胞を集めるために残る1mlの培地を用いることによって細胞を収穫した。収穫された細胞を、マイクロ遠心分離機に移し、そして回転せしめた。上清液を捨て、そしてペレット化された細胞を、100μlの溶解緩衝液に再懸濁した(Howeなど., 1997 、上記)。管を、β−ガラクトシダーゼアッセイを実施するまで、−20℃で貯蔵した。
β−ガラクトシダーゼアッセイを実施するために、管を融解し、混合し、50℃で1時間インキュベートし、そして次に、マイクロ遠心分離機により回転せしめた。50μlの上清液がサンプル当たり使用された。β−ガラクトシダーゼアッセイを、Howeなど., 1997 、前記により記載のようにして実施した。標準曲線を、Dr. David Sibleyにより提供されるようにして、プラスミドGLSにより安定してトランスフェクトされたN.カニナム株を用いて調製した。タキゾイトを収穫し、計数し、104 寄生体/mlで溶解緩衝液に再懸濁し、そして続いて、上記のようにして処理した(すなわち、50℃で1時間インキュベートした)。この調製物から12の連続した希釈を、ウェル当たり約20,000〜約10の寄生体の範囲で行ない、そしてβ−ガラクトシダーゼアッセイにおける標準曲線を創造するために使用した。
5.7.4.結果
プラスミドbd266によりトランスフェクトされたN.カニナム株NC−1からの細胞溶解物を含むサンプルは、プラスミドGLSによりトランスフェクトされたN.カニナム株NC−1からの細胞溶解物を含むサンプルと比較して、最高のβ−ガラクトシダーゼ読み取りを付与した。bd266(50μgのプラスミド)に関する標準曲線からの抽出された値を用いれば、β−ガラクトシダーゼ読み取りは、上記プラスミドGLSにより安定して形質転換されたN.カニナム細胞系からの7013個の寄生体に等しかった。それらの実験は、N.カニナムGRA1プロモーターが機能的であり、そしてそのプロモーター要素がプライマーHindIII −bd256及びbd260−NsiIにより定義される約600bpゲノムフラグメント内に存在する最初の証拠を提供する。
6.組換えN.カニナムMIC1タンパク質の発現及び免疫反応性
MIC1 ORFを表わすDNA配列を、PCR−増幅し、そしてクローン化された配列の誘発性高レベル発現を促進する組換えシステムであるpQE50(Qiagen)中にクローン化した。その組換えプラスミドをpQEmic1として命名した。pQEmic1を含む、誘発されていない及び誘発されたE.コリ細胞からの全細胞溶解物を、SDS−PAGE及びクーマシーブルータンパク質染色により試験した。約57KDa の分子量を有するポリペプチドが、pQEmic1を担持する、誘発されたE.コリ細胞においては同定されたが、しかし誘発されていないE.コリ細胞においては誘発されなかった。MIC1(配列番号9)の推定されるアミノ酸配列から推定されるようなMIC1ポリペプチドの分子量は、約49KDa である。
pQEmic1を担持する、誘発された及び誘発されていないE.コリの完全な細胞溶解物をSDS−PAGE上で試験し、そしてタンパク質を標準の方法によりPVF膜(Novex)に移した。次に、膜を、リン酸緩衝溶液(PBS)中、1%ポリビニルアルコール(PVA)を用いてブロックした。これに続いて、膜を、0.05% Tween−20を含むPBS(PBST)により3度すすいだ。次に、膜を、N.カニナムにより天然において感染された家畜牛からのプールされたポリクローナル抗血清を含む溶液(Dr. Jhon Ellis, University of Technology, Sydney, Australia からの贈与物)において、又はT.ゴンジにより実験的に感染されたウサギからのポリクローナル抗血清を含む溶液(Dr. R. A. Cole, National Wildlife Health Center, Madison, WIからの贈与物)において約1時間インキュベートした。
次に、膜を、PBSTにより3度、洗浄し、そして適切な場合、製造業者の推薦に従って1:500に希釈された、ヤギ抗−ウシ又は抗−ウサギIgG/アルカリホスフェート接合体と反応せしめた。膜をPBSTにより再び洗浄し、そして膜をBCIP/NBT試薬(Kirkegaard and Perry Labs )において短時間インキュベートし、続いてdH2 Oによりすすぐことによってバンドを検出した。組換え的に発現されたMIC1タンパク質は、N.カニナム及びT.ゴンジポリクローナル抗血清に対する特異的反応性を有することが見出された。
7.例:ワクチン配合物
ネオスポロシスに対するワクチンを、本発明のN.カニナムタンパク質、たとえばSAG1を、100μg/mlで、等量の修飾されたSEAM62アジュバントと共に組合し、続いて軽く混合することによって配合し、そして一次及び追加予防接種のために4℃で貯蔵した。約2ml(合計100μg)の一次用量を家畜の皮下に投与し、続いて、3週間後、追加接種した。追加接種の2週間後、家畜から採血する。本発明のGRA1,GRA2,MIC1又はMAG1タンパク質を含んで成るワクチンをまた配合し、そしてこの態様で投与した。
生物学的材料の寄託
次の生物学的材料を、1998年3月19日、12301 Parktawn Drive, Rockville, MD. 20852, USA でのAmerican Type Culture Collection (ATCC) に寄託し、そして次の受託番号を割り当てられた:
プラスミド ATCC受託番号
pRC77 209685
pRC5 209686
pRC102 209687
pRC340 209688
次の追加の生物学的材料が、1998年11月9日、10801 University Blud. Manassas, VA, 20110, USA で、ATCCに寄託され、そして次の受託番号が割り当てられた:
プラスミド ATCC受託番号
bd304 203413
上記に引用されるすべての特許、特許出願、及び出版物は、それらの全体を、引用により本明細書中に組込まれる。
本発明は、本発明の個々の観点の単一の例示として意図される、記載される特定の態様により本発明の範囲を限定されない。機能的に同等の組成物及び方法は、本発明の範囲内にある。実際、本明細書に示され、そして記載されるそれらの他に、本発明の種々の修飾は、次の記載から当業者に明らかになるであろう。そのような修飾は、本発明の請求の範囲内にある。

Claims (31)

  1. 配列番号11の約nt1305〜約nt2786のORFのヌクレオチド配列、配列番号12の約nt122〜約nt1381のORFのヌクレオチド配列、及びプラスミドbd304(ATCC 203413)のMAG1をコードするORFのヌクレオチド配列から成る群から選択された、ネオスポラMAG1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子。
  2. 配列番号11又は配列番号12のヌクレオチド配列を含んで成る請求項1記載の単離されたポリヌクレオチド分子。
  3. 請求項1記載のポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子。
  4. 配列番号13のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドに対して相同であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子。
  5. 請求項1,3又は4記載のポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列の実質的な部分であるヌクレオチド配列から成る単離されたポリヌクレオチド分子。
  6. 配列番号11の約nt1〜約nt1304、配列番号11の約nt2787〜約nt4242、配列番号12の約nt1〜約nt121、及び配列番号12の約nt1382〜約nt1892から成る群から選択されたヌクレオチド配列、又はその実質的な部分を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子。
  7. 約nt127〜約nt703の配列番号11のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子。
  8. 配列番号26〜32、並びにそれらの相補体から成る群から選択されたオリゴヌクレオチド分子。
  9. (a)N.カニナム(N.Caninum)のMAG1タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んで成るか;(b)前記(a)のヌクレオチド配列に対して相同であるヌクレオチド配列を含んで成るか;又は前記(a)もしくは(b)のヌクレオチド配列の実質的な部分であるヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子を含んで成る、組換えベクター。
  10. プラスミドbd304(ATCC 203413)である請求項9記載の組換えベクター。
  11. 前記組換えベクターの発現が、請求項9記載の組換えベクターによりコードされるポリペプチドに融合されるキャリヤー又は融合パートナーを含んで成る融合タンパク質の生成をもたらすようにそのキャリヤー又は融合パートナーをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子をさらに含んで成る請求項9記載の組換えベクター。
  12. 請求項9,10又は11記載の組換えベクターを含んで成る、形質転換された宿主細胞。
  13. (a)N.カニナムMAG1タンパク質;(b)N.カニナムMAG1タンパク質に対して相同であるアミノ酸配列を有するポリペプチド;(c)N.カニナムMAG1タンパク質の実質的な部分又はそれに対して相同であるポリペプチドから成るポリペプチド;(d)前記(a),(b)又は(c)のタンパク質又はポリペプチドを含んで成る融合タンパク質;並びに(e)前記(a),(b),(c)又は(d)のタンパク質又はポリペプチドの類似体又は誘導体、から成る群から選択された、実質的に精製され又は単離されたポリペプチド。
  14. 前記MAG1タンパク質が配列番号13のアミノ酸配列を含んで成る、請求項13記載のポリペプチド。
  15. MAG1であるN.カニナムタンパク質に対して特異的に反応する単離された抗体。
  16. ネオスポラ遺伝子を無力化するために使用され得る、(a)N.カニナムからのMAG1タンパク質をコードするヌクレオチド配列、又は前記ヌクレオチド配列の実質的な部分と同じであるが、しかし1もしくは複数の無力化突然変異をさらに含んで成るヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子、あるいは(b)ネオスポラMAG1遺伝子のORFの末端に天然において接するヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を含んで成る遺伝子構造体であって、前記(a)又は(b)の遺伝子構造体によるネオスポラ細胞の形質転換がMAG1遺伝子の無力化をもたらすことを特徴とする遺伝子構造体。
  17. 選択マーカーをさらに含んで成る請求項16記載の遺伝子構造体。
  18. 前記それぞれの遺伝子が相同組換え現象の結果として無力化される請求項16記載の遺伝子構造体。
  19. MAG1遺伝子が無力化されるよう、請求項16記載の遺伝子構造体による形質転換により修飾されているネオスポラ細胞。
  20. 修飾されたネオスポラ細胞を調製するための方法であって、請求項16記載の遺伝子構造体によりネオスポラ細胞を形質転換し、そして前記形質転換の結果として、MAG1- の変異体表現型を発現することにより、形質転換された細胞を選択することを含んで成る方法。
  21. (a)請求項13記載のポリペプチド;(b)請求項13記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子;又は(c)請求項19記載の修飾されたネオスポラ細胞を含んで成る成分の免疫学的有効量;及び獣医学的に許容できるキャリヤーを含んで成る、ネオスポロシスに対するワクチン。
  22. 前記修飾されたネオスポラ細胞が生存細胞である請求項21記載のワクチン。
  23. 前記修飾されたネオスポラ細胞が不活性化された細胞である請求項21記載のワクチン。
  24. アジュバント又はサイトカインをさらに含んで成る請求項21記載のワクチン。
  25. 前記アジュバントが、RIBIアジュバント系、みょうばん、鉱物ゲル、水中油エマルジョン、油中水エマルジョン、ブロックコポリマー、QS−21,SAF−M,AMPHIGEN(登録商標)アジュバント、サポニン、QuilA、モノホスホリル脂質A、Avridine脂質−アミンアジュバント、SEAM62及びSEAM1/2から成る群から選択される請求項24記載のワクチン。
  26. 哺乳類を苦しめる疾病又は病理学的状態に対する保護応答を誘発することができる第2成分の免疫学的有効量をさらに含んで成る請求項21記載のワクチン。
  27. 前記第2成分が、ウシヘルペスウィルス、ウシRSウィルス、ウシウィルス性下痢性ウィルス、パラインフルエンザウィルス型I,II、又はIII 、レプトスピラspp.(Leptospira spp.)、カンピロバクターspp.(Campylobacter spp.)、スタフィロコーカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ストレプトコーカス・アガラクチアエ(Streptococcus agalactiae)、マイコプラズマspp.(Mycoplasma spp.)、クレブシエラspp.(Klebsiella spp.)、サルモネラspp.(Salmonella spp.)、ロタウィルス、コロナウィルス、狂犬病、パステウレラ・ヘモライチカ(Pasteurella hemolytica)、パステウレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、クロストリジアspp.(Clostridia spp.)、破傷風トキソイド、E.コリ(E.coli)、クリプハスポリジウムspp.(Cryptosporidium spp.)、エイメリアspp.(Eimeria spp.)及びトリコモナスspp.(Trichomonas spp.)から成る群から選択された病原体に対する保護応答を誘発することができるか、又はその誘発に寄与することができる請求項26記載のワクチン。
  28. ネオスポロシスに対するワクチンを調製するための方法であって、(a)請求項13記載のポリペプチド;(b)請求項13記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子;又は(c)請求項19記載の修飾されたネオスポラ細胞の免疫学的有効量と獣医学的に許容できるキャリヤーとを組合せることを含んで成る方法。
  29. 請求項21記載のワクチンを哺乳類に投与することを含んで成る、ネオスポロシスに対して哺乳類を予防接種する方法。
  30. (a)請求項13記載のポリペプチド;(b)請求項13記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子;又は(c)請求項19記載の修飾されたネオスポラ細胞の免疫学的有効量を含んで成る容器を含んで成る、ネオスポロシスに対して哺乳類を予防接種するためのキット。
  31. 獣医学的に許容できるキャリヤー又は希釈剤を含んで成る第2容器をさらに含んで成る請求項30記載のキット。
JP2005109203A 1998-03-26 2005-04-05 ネオスポラのタンパク質mag1をコードするポリヌクレオチド分子 Pending JP2005253467A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US7938998P 1998-03-26 1998-03-26
US11228298P 1998-12-15 1998-12-15

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11081833A Division JPH11332583A (ja) 1998-03-26 1999-03-25 ネオスポラのタンパク質をコ―ドするポリヌクレオチド分子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005253467A true JP2005253467A (ja) 2005-09-22

Family

ID=26761953

Family Applications (5)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11081833A Pending JPH11332583A (ja) 1998-03-26 1999-03-25 ネオスポラのタンパク質をコ―ドするポリヌクレオチド分子
JP2005109167A Pending JP2005245456A (ja) 1998-03-26 2005-04-05 ネオスポラのタンパク質gra2をコードするポリヌクレオチド分子
JP2005109190A Pending JP2005211081A (ja) 1998-03-26 2005-04-05 ネオスポラのタンパク質sag1をコードするポリヌクレオチド分子
JP2005109203A Pending JP2005253467A (ja) 1998-03-26 2005-04-05 ネオスポラのタンパク質mag1をコードするポリヌクレオチド分子
JP2005109198A Pending JP2005211082A (ja) 1998-03-26 2005-04-05 ネオスポラのタンパク質mic1をコードするポリヌクレオチド分子

Family Applications Before (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11081833A Pending JPH11332583A (ja) 1998-03-26 1999-03-25 ネオスポラのタンパク質をコ―ドするポリヌクレオチド分子
JP2005109167A Pending JP2005245456A (ja) 1998-03-26 2005-04-05 ネオスポラのタンパク質gra2をコードするポリヌクレオチド分子
JP2005109190A Pending JP2005211081A (ja) 1998-03-26 2005-04-05 ネオスポラのタンパク質sag1をコードするポリヌクレオチド分子

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005109198A Pending JP2005211082A (ja) 1998-03-26 2005-04-05 ネオスポラのタンパク質mic1をコードするポリヌクレオチド分子

Country Status (9)

Country Link
US (2) US6600027B1 (ja)
EP (1) EP0953641A3 (ja)
JP (5) JPH11332583A (ja)
CN (1) CN1232087A (ja)
AR (1) AR015252A1 (ja)
AU (1) AU759103B2 (ja)
BR (1) BR9902019A (ja)
CA (1) CA2264260A1 (ja)
NZ (1) NZ334839A (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0953641A3 (en) * 1998-03-26 2002-03-13 Pfizer Products Inc. Polynucleotide molecules encoding neospora proteins
ES2263317B2 (es) * 2003-12-04 2007-10-01 Universidad Complutense De Madrid Uso del gen ncsag4 para el diagnostico y prevencion de la neosporosis, y como marcador para el analisis de la patogenia.
KR101143060B1 (ko) * 2004-04-05 2012-05-08 화이자 프로덕츠 인코포레이티드 미세유체화된 수중유 유화액 및 백신 조성물
ES2319242B1 (es) 2005-12-23 2009-12-01 Laboratorios Hipra, S.A. Aislado avirulento de neospora canimum y sus usos.
ES2326770B1 (es) 2007-07-13 2010-07-26 Universidad Complutense De Madrid Uso de un nuevo aislado de neospora caninum para el desarrollo de pruebas de diagnostico y para la fabricacion de productos para el tratamiento y prevencion de la infenccion causada por neospora.
CN104758929B (zh) * 2008-06-27 2018-05-25 硕腾有限责任公司 新颖的佐剂组合物
CN101831495B (zh) * 2010-04-30 2013-06-19 新疆出入境检验检疫局检验检疫技术中心 一种牛新孢子虫病的检测方法及应用
CA2868391A1 (en) * 2012-04-02 2013-10-10 Stephane Bancel Polynucleotides comprising n1-methyl-pseudouridine and methods for preparing the same
FR2994193B1 (fr) * 2012-08-02 2016-05-20 Vitamfero Souches mutantes de neospora et leurs utilisations
CN102838984B (zh) * 2012-09-12 2014-06-04 浙江理工大学 一种胰凝乳蛋白酶保护金纳米团簇荧光材料的制备方法
CN107325166A (zh) * 2017-05-15 2017-11-07 华中农业大学 柔嫩艾美耳球虫表面抗原基因sag6所编码的重组蛋白及其应用
CN110407944B (zh) * 2018-04-29 2023-04-21 中国农业科学院上海兽医研究所(中国动物卫生与流行病学中心上海分中心) 隐孢子虫多表位基因片段cpmcef及其融合蛋白和应用
CN110183527B (zh) * 2019-05-21 2021-03-12 中国农业大学 一种新孢子虫NcMIC26抗原及其应用

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3940598A1 (de) * 1989-12-08 1991-06-13 Behringwerke Ag Toxoplasma gondii-antigene, ihre herstellung und ihre verwendung
FR2625099B1 (fr) * 1987-12-24 1991-06-14 Transgene Sa Proteines et leur procede de preparation, sequences d'adn, anticorps et leur application, poxvirus, cellules transformees ou infectees et compositions pharmaceutiques utiles dans la prevention de la toxoplasmose
US5665542A (en) * 1989-11-03 1997-09-09 Research Institute Of Palo Alto Medical Foundation Toxoplasma gondii P28 gene and methods for its use
FR2692282B1 (fr) * 1992-06-15 1995-07-13 Pasteur Institut Clonage du gene codant pour la proteine gp28.5 de t. gondii; fragments peptidiques issus de ladite proteine et leurs applications.
US5643718A (en) 1993-11-04 1997-07-01 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Transfection and genetic manipulations in obligate intracellular parasites
US5976553A (en) 1993-11-04 1999-11-02 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Transfection and genetic manipulations in obligate intracellular parasites
FR2714074B1 (fr) * 1993-12-20 1996-03-01 Pasteur Institut Promoteurs des gènes GRA1, GRA2, GRA5 et GRA6 de toxoplasma gondii et vecteurs d'expression comprenant lesdits promoteurs.
US5707617A (en) 1994-03-21 1998-01-13 The Regents Of The University Of California Bovine neospora isolates
US5889166A (en) * 1996-05-10 1999-03-30 The Regents Of The University Of California Recombinant neospora antigens and their uses
AU7677896A (en) 1995-11-09 1997-05-29 Trustees Of Dartmouth College A vaccine against toxoplasma gondii
US6476192B1 (en) * 1996-04-15 2002-11-05 Nicola C. Lally Recombinant antigens useful for the serodiagnosis of neosporosis
AUPO188396A0 (en) 1996-08-26 1996-09-19 Insearch Limited Detection of protozoan parasites
PT841392E (pt) * 1996-11-12 2004-11-30 Univ Auburn Vacina viva atenuada de neospora
AUPO690397A0 (en) 1997-05-20 1997-06-12 Insearch Limited Large subunit ribosomal dna of neospora species
BR9803232A (pt) * 1997-08-26 2000-01-11 Pfizer Prod Inc Vaicna de neospora.
ES2281936T3 (es) 1997-10-20 2007-10-01 Bayer Corporation Vacuna contra neospora.
US6071737A (en) 1998-03-16 2000-06-06 The Regents Of The University Of California Equine Neospora isolate and its uses
EP0953641A3 (en) * 1998-03-26 2002-03-13 Pfizer Products Inc. Polynucleotide molecules encoding neospora proteins
AUPP371798A0 (en) 1998-05-26 1998-06-18 Insearch Limited Parasite antigens
US20040131633A1 (en) * 1999-04-21 2004-07-08 University Of Technology, Sydney Parasite antigens

Also Published As

Publication number Publication date
CN1232087A (zh) 1999-10-20
AU2243799A (en) 1999-10-07
JP2005211081A (ja) 2005-08-11
AR015252A1 (es) 2001-04-18
JP2005245456A (ja) 2005-09-15
JPH11332583A (ja) 1999-12-07
US6600027B1 (en) 2003-07-29
JP2005211082A (ja) 2005-08-11
AU759103B2 (en) 2003-04-03
BR9902019A (pt) 2000-05-02
US20030180785A1 (en) 2003-09-25
EP0953641A3 (en) 2002-03-13
CA2264260A1 (en) 1999-09-26
EP0953641A2 (en) 1999-11-03
NZ334839A (en) 2000-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005253467A (ja) ネオスポラのタンパク質mag1をコードするポリヌクレオチド分子
US7968695B2 (en) Nucleic acids encoding recombinant 56 and 82 kDa antigens from gametocytes of Eimeria maxima and their uses
US20080233138A1 (en) Coccidiosis Poultry Vaccine
CA2285749A1 (en) Novel proteins from actinobacillus pleuropneumoniae
KR0165115B1 (ko) 콕시듐증 백신
JP3450018B2 (ja) コクシジウム症ワクチン
CA2245425C (en) Neospora vaccine
AU2002316558A1 (en) Nucleic acids encoding recombinant 56 and 82 kDa antigens from gametocytes of Eimeria maxima and their uses
JPH07196690A (ja) コクシジウム症家禽ワクチン
JP3577219B2 (ja) プラスミノーゲン活性化タンパク質をコードするdna
AU738142B2 (en) DNA encoding neospora dihydrofolate reductase-thymidylate synthase
EP1221487A2 (en) Polynucleotide molecules encoding neospora proteins
EP1050541A1 (en) Babesia vaccine
MXPA98010218A (en) Desoxirribonucleico acid, which codifies for neosp diethydropholate reductase-timidylate synthetase
MXPA03009306A (es) Antigenos para aumentar una respuesta inmune contra patogenos rickettsieae y ehrlichieae.
NO327859B1 (no) Babesia vaksine samt fremstilling derav og substans for anvendelse i en vaksine og antistoff.

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060530

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061107