JP2005253385A - 転写因子結合領域導入プロモータを含む発現ベクター及び転写因子重発現システムによる遺伝子発現方法 - Google Patents

転写因子結合領域導入プロモータを含む発現ベクター及び転写因子重発現システムによる遺伝子発現方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
真核生物やウイルス由来のプロモータの近接領域(flanking region)に転写因子結合領域を導入して転写能力を増強する。
【解決手段】
1又は数個の転写因子結合領域が付加された修飾プロモータと、前記プロモータと機能的に連結された所望の遺伝子とを含む発現ベクターを提供する。さらに当該転写因子結合領域に結合する転写因子をコードする核酸配列を導入することで、正の転写制御フィードバックループを形成させて転写量を増幅することができる。
【選択図】
なし

Description

本発明は、外来遺伝子を培養細胞及び生体内において効率よく発現させるためのベクター及び当該ベクターを用いる遺伝子発現方法に関する。
外来遺伝子を培養細胞又は生体内で発現させる方法及びそのための発現ベクターは、基礎的な研究のみならず、遺伝子免疫(DNAワクチン)や遺伝子治療等の医療分野において非常に重要な技術である。DNAワクチンとして用いられている多くのベクターは、SV40やサイトメガロウイルス等のウイルス由来のプロモータやベータアクチンプロモータ等の自然界に存在するプロモータを使用している。
このような従来のプロモータを使用した場合の一つの問題点は、目的とする遺伝子の発現量が不十分なため、培養細胞量を増やしたり、反復投与を行う等の方法により遺伝子発現量を必要とするレベルに到達させなければならないことである。また、第二の問題として、外来遺伝子の発現制御が不十分なことが挙げられる。
これに対して、外来遺伝子の発現調節が可能ないくつかの哺乳類発現系が開発されている。例えば、テトラサイクリン誘導発現系(非特許文献1参照)やラパマイシン誘導発現系(非特許文献2参照)等である。これらの発現系では外部から添加したテトラサイクリンやラパマイシンによって目的遺伝子の発現が制御されるが、これによる遺伝子発現量の増大効果は軽微であり、更に優れた遺伝子発現ベクターの開発が望まれている。
一方、核酸構築物自身に正のフィードバック系を組み込むことによって、自己促進的な発現系を構築することが報告されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、上記自己促進的発現系においてもなお、転写因子と結合する配列を含むプロモータ配列と構造遺伝子との連結方法や、転写因子と結合する配列と転写開始点との距離等を最適化しなければ効率的な遺伝子発現を行うことは出来ない。加えて、ウイルスベクターを用いた生体内遺伝子導入では、ベクターウイルスを感染させることにより誘導されたインターフェロンが、プロモータに作用して転写を阻害し、遺伝子発現を抑制するという悪影響があるため、さらなる発現ベクターの改良が望まれている。
特開平11−176号公報 Gossen, M. and Bujard, H. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA., vol.89, pp.5547-5551 Amara, J.F. et al., (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA., vol.94, pp.10618-10623
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、真核生物やウイルス由来のプロモータの近接領域(flanking region)に転写因子結合領域を導入することで転写能力を増強することを目的とする。また前記結合領域に対する転写因子の発現カセットを目的とする外来遺伝子発現カセットに連結して正の転写制御フィードバックループを形成させて転写量を増幅することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、所望の遺伝子を複数個含む発現系を構築し、宿主細胞における発現効率を上げることを目的とする。
即ち、本発明は以下の特徴的な構造を有する発現ベクター、外来遺伝子を組み込むための発現用組換えベクター、及びこれらのベクターを用いて外来遺伝子を発現させる方法に関する。
(1)1又は数個の転写因子結合領域が付加された修飾プロモータと、前記プロモータと機能的に連結された所望の遺伝子とを含む発現ベクターであって、前記転写因子結合領域が、以下の(a)又は(b)のDNAからなることを特徴とする発現ベクター:
(a)配列番号1〜6の何れか一つに記載の塩基配列からなるDNA
(b)(a)のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ転写因子結合能を有するDNA。
(2)前記修飾プロモータが、以下の(a)又は(b)のDNAからなる(1)に記載の発現ベクター:
(a)配列番号7〜13の何れか一つに記載の塩基配列からなるDNA
(b)(a)のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつインターフェロンに対して至適化されたDNA。
(3)転写因子をコードする核酸配列をさらに含む(1)又は(2)に記載の発現ベクター。
(4)前記転写因子をコードする核酸配列が内部リボソーム結合サイト(IRES)と機能的に連結され、かつ前記修飾プロモータによって発現される所望の遺伝子の下流に、二重シストロンを形成するように構築される(3)に記載の発現ベクター。
(5)1種又は2種以上のプロモータと機能的に連結された1種又は2種以上の所望の遺伝子を複数個含む発現ベクターであって、前記複数の遺伝子がそれぞれプロモータを有するか、又は前記複数の遺伝子のうち少なくとも1つが内部リボソーム結合サイトを介して他の遺伝子と連結された多重シストロンを形成することを特徴とする発現ベクター。
(6)前記少なくとも1種のプロモータが、1又は数個の転写因子結合領域が付加された修飾プロモータであって、前記転写因子結合領域が、以下の(a)又は(b)のDNAからなることを特徴とする(5)に記載の発現ベクター:
(a)配列番号1〜6の何れか一つに記載の塩基配列からなるDNA
(b)(a)のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ転写因子結合能を有するDNA。
(7)1又は数個の転写因子結合領域が付加された修飾プロモータと、前記プロモータと機能的に連結されるように所望の遺伝子を導入するためのマルチクローニングサイトとを含む異種遺伝子発現用組換えベクターであって、前記転写因子結合領域が、以下の(a)又は(b)のDNAからなることを特徴とする組換えベクター:
(a)配列番号1〜6の何れか一つに記載の塩基配列からなるDNA
(b)(a)のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ転写因子結合能を有するDNA。
(8)前記修飾プロモータが、以下の(a)又は(b)のDNAからなる(7)に記載のベクター:
(a)配列番号7〜13の何れか一つに記載の塩基配列からなるDNA
(b)(a)のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつインターフェロンに対して至適化されたDNA。
(9)転写因子をコードする核酸配列をさらに含む(7)又は(8)に記載のベクター。
(10)前記転写因子をコードする核酸配列と機能的に連結された内部リボソーム結合サイト(IRES)をさらに含む(9)に記載のベクター。
(11)1又は数個の転写因子結合領域が付加された修飾プロモータと機能的に連結された所望の遺伝子と、転写因子をコードする核酸配列とを、宿主細胞内で同時に発現させる工程を含み、前記転写因子が前記修飾プロモータの転写活性を増強することを特徴とする遺伝子発現方法。
(12)(1)〜(4)及び(6)の何れか一つに記載の発現ベクターを用いる(11)に記載の方法。
(13)前記所望の遺伝子と前記修飾プロモータの間にイントロンAが介在することを特徴とする(11)又は(12)に記載の方法。
(14)前記転写因子が、NFκB転写因子のp65サブユニット、AP−1、インターフェロン制御因子(IRF)又はそれらの活性型変異体である(11)〜(13)の何れか一つに記載の方法。
(15)前記転写因子の発現を制御するプロモータの当該転写因子への反応性が、前記修飾プロモータよりも低いことを特徴とする(11)〜(14)の何れか一つに記載の方法。
(16)(1)〜(6)の何れか一つに記載の発現ベクターと薬理的に許容される担体とを含むことを特徴とする医薬組成物。
(17)抗原特異的免疫応答の誘導、又は遺伝子治療を目的として投与されるDNAである(16)に記載の医薬組成物。
(18)(1)〜(6)の何れか一つに記載の発現ベクターにより形質転換されたことを特徴とする細胞。
本発明の発現ベクターを用いることにより外来遺伝子の発現効率は改善され、特に、転写因子と目的遺伝子とを重発現させる本発明の遺伝子発現方法によりその効果はさらに増大する。また、インターフェロン反応性転写因子又はインターフェロンのプロモータを導入するとインターフェロンへの耐性が獲得され、生体内で外来遺伝子を効率的に発現させることが必要な遺伝子免疫(DNAワクチン)や遺伝子治療等に極めて有用である。
本発明の実施において、分子生物学、微生物学、細胞生物学および組換えDNA技術等の一般的方法及び従来技術について、実施者は、特に示されなければ、当該分野の標準的な参考書籍を参照し得る。これらには、例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual 第3版(Sambrook & Russell、Cold Spring Harbor Laboratory Press、2001);DNA vaccines Methods and Protocols (Lowrie & Whalen編、Humana Press, 1999);実験医学別冊 必ず上手くいく遺伝子導入と発現解析プロトコール(仲嶋と北村編、羊土社、2003);Methods, Nucleic Acid Vaccines (ed.,JW. Morrow and NA. Sheikh)31 (3), pp181-262, 2003. Elseviers Science.;The Journal of Gene Medicine, Supplement: Gene Therapy Vectors Vol. 6, Issue S1, 2004. John Wiley & Sons, Ltd.;Somiari S et al. Theory and in vivo application of electroporative gene delivery.;Molecular Therapy: the Journal of the American Society of Gene Therapy. 2(3):178-87, 2000を参照のこと。また、本明細書において参照される細胞培養、細胞生物学実験のための試薬及びキット類はSigma社やAldrich社、Invitrogen/GIBCO社、Clontech社、Stratagene社、Qiagen社、Promega社、Roche Diagnostics社、Becton-Dickinson社、TaKaRa(タカラバイオ株式会社)等の市販業者から入手可能である。
(本発明の発現ベクター)
一つの実施形態において、本発明の発現ベクターは、1又は複数の転写因子結合領域が付加された修飾プロモータと、前記プロモータと機能的に連結された所望の遺伝子とを含む。本明細書において「転写因子」とは、転写反応を制御するタンパク質性因子であって、DNA上のプロモータ領域に対して塩基配列特異的に結合し、或いはDNAに結合した転写因子が互いに特異的に相互作用することを通じて転写の調節を行う因子である。好ましくは、RNAポリメラーゼによるRNA合成の際に遺伝子の上流プロモータ部位やエンハンサ部位の特定の塩基配列に結合して、転写を促進又は抑制する因子であり、例えば、Sp1、Ap−1(原がん遺伝子産物JunとFosの複合体)、NFκB、MyoD、ホメオドメイン、熱ショックに関係するHSF、ステロイドホルモン受容体等が挙げられる。本発明において、前記転写因子が結合する特異的な塩基配列を「転写因子結合領域(モチーフ)」と称し、それぞれの転写因子によって特異的な塩基配列を有するDNAのある領域のことを意味する。具体的には、例えば、インターフェロンβプロモータ(IFNβpromoter;配列番号1)、4×GAS(Interferon gamma active site)モチーフ(配列番号2)、5×IFRE(Interferon regulatory element)モチーフ(配列番号3)、5×ISRE(Interferon stimulated response element)モチーフ(配列番号4)、5×NFκBモチーフ(配列番号5)、及び7×AP−1モチーフ(配列番号6)等が挙げられる。
これらの転写因子結合領域は、特定の塩基配列のリピートからなることが好ましく、各転写因子結合領域におけるリピート数は少なくとも1以上であり、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜10個程度である。
また、上記転写因子結合領域は、配列番号1〜6の何れか一つに記載の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ転写因子結合能を有するDNAも含まれる。「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」とは当業者において周知のハイブリダイゼーションの実験条件である。具体的には、2つの核酸断片が、サムブルックら(Sambrook,J.)のMolecular Cloning:A Laboratory Manual 第3版に記載されたハイブリダイゼーション条件下で、相互にハイブリダイズすることを意味する。より具体的には、「ストリンジェントな条件」とは約45℃にて6.0×SSCでハイブリダイゼーションを行った後に、50℃で2.0×SSCで洗浄することを指す。ストリンジェンシーの選択のため、洗浄工程における塩濃度を、例えば低ストリンジェンシーとしての約2.0×SSC、50℃から、高ストリンジェンシーとしての約0.2×SSC、50℃まで選択すること、ができる。さらに、洗浄工程の温度を低ストリンジェンシー条件の室温、約22℃から、高ストリンジェンシー条件の約65℃まで増大させることができる。なお、当業者であれば、SSCの希釈率、ホルムアミド濃度、温度などの諸条件を適宜選択することで、上記の条件と同様のストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件を実現することができる。
従って、本発明に係る転写因子結合領域は、配列番号1〜6の何れか一つに記載の塩基配列において、1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加されていたり、それによって反復配列の数(リピート数)が異なっても、上記の条件を満たしている限り本発明の範囲に含まれる。
本実施形態の発現ベクターは、上記転写因子結合領域を少なくとも1つ以上、好ましくは1〜6個、より好ましくは2又は3個含む修飾プロモータであり、最も好ましくは、例えば、配列番号7〜13の何れか一つに記載の塩基配列からなる修飾サイトメガロウイルスプロモータである。また、当該修飾サイトメガロウイルスプロモータは、配列番号7〜13の何れか一つに記載の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつインターフェロンに対して至適化されたDNAでもよい。ここで、「インターフェロンに対して至適化された」とは、インターフェロン存在下でも転写活性が減弱しない、あるいは減弱しても従来使われてきたプロモータに較べて高い遺伝子発現を維持できる、またはインターフェロンに反応して転写活性が増強することをいう。
「所望の遺伝子」とは宿主細胞内で発現させたい任意の外来遺伝子である。DNAワクチンでは、微生物や悪性新生物などに由来するすべての抗原遺伝子、ならびに免疫応答を至適化する目的で抗原遺伝子とともに導入される一切の遺伝子を指す。遺伝子治療の目的で導入される遺伝子も全て含まれる。具体的には先天性・後天性欠乏症の遺伝子治療では責任遺伝子の全部または一部、悪性新生物の遺伝子治療では殺戮遺伝子のほか、薬剤・放射線感受性を高めるために導入される遺伝子が、冠疾患・下肢動脈閉塞症などの循環障害の遺伝子治療では血管再生の目的で導入される遺伝子が、移植医療では拒絶反応の抑制や移植片対宿主病の制御のために導入される遺伝子が対象となる。インビトロでは、培養細胞を用いたタンパク質生産のために導入される遺伝子が対象となる。具体的には、サイトカイン、インターフェロン、共刺激因子などの各種免疫調節性分子、転写因子、抗体またはその断片、各種成長因子、ホルモン、造血因子、血液凝固因子、神経伝達物質、神経ペプチド、ワクチンの抗原として用いられる分子、アジュバントとして用いられる分子、各種酵素および糖タンパク質などの遺伝子が挙げられる。
また、本発明の好ましい実施形態において、上記発現ベクターは転写因子をコードする核酸配列をさらに含む。当該転写因子は上記各修飾プロモータに付加された転写因子結合領域に結合する特定の転写因子である。これらの転写因子は、上記所望の遺伝子と別々のプロモータによって転写されてもよく、また同一のプロモータでもよい。或いは、上記所望の遺伝子と転写因子とが内部リボソーム結合サイト(IRES)と機能的に連結され、単一のプロモータの転写制御下に置かれた2個のシストロンを形成してもよい。この場合「所望の遺伝子」をプロモータの3’近傍に、転写因子をコードするDNAをIRESの3’近傍に置くことが重要である。逆の順序で2つの遺伝子を配すると、遺伝子発現増強効果は期待できない。
本発明の他の実施形態において、1種又は2種以上のプロモータと機能的に連結された1種又は2種以上の所望の遺伝子を複数個含む発現ベクターであって、前記複数の遺伝子がそれぞれプロモータを有する多重プロモータ発現ベクター、及び前記複数の遺伝子のうち少なくとも1つが内部リボソーム結合サイトを介して他の遺伝子と連結された多重シストロンを形成する多重シストロン発現ベクターが提供される。本実施形態の多重プロモータ発現系、又は多重シストロン発現系は、例えば、肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、及びヘルペスウイルスのそれぞれの抗原遺伝子を同時に発現することができ、肝炎、インフルエンザ及びヘルペスの3種の感染症に対する多価ワクチンとして用いることができる。遺伝子治療においても同様の方法で複数の欠乏遺伝子を一度に補充することがでる。更に、抗原とアジュバントを同時に発現させたり、多量体タンパク質のそれぞれのサブユニットを同時に発現させる等の多様な応用方法に使用することができる。
本発明の発現ベクターは、遺伝子治療の分野で数多く用いられているアデノウイルスベクターのようなウイルスベクターであっても、或いは、プラスミドやPCR増幅産物のような裸のDNA(naked DNA)の何れであってもよい。近年、電気穿孔法や遺伝子銃等の物理的方法、及びリポソームやペプチド媒介法などの化学的方法が改善され、非ウイルスベクターによる簡便且つ安全な生体内への遺伝子導入が行われている(Niidome, T. and Huang, L. Gene Therapy (2002) vol.9, pp.1647-1652)が、具体的な方法については後述する。
(本発明の遺伝子発現方法)
本発明の遺伝子発現方法は、上記発現ベクターを宿主細胞に導入することによって行う。発現させたい所望の遺伝子と転写因子をコードする核酸配列は同一のDNA上に構築されていても、或いは別々のDNAとして構築し同一の宿主細胞内にコトランスフェクション(共形質転換)してもよい。コトランスフェクションする場合は、それぞれのベクターDNAの量比を変えることにより所望の遺伝子発現量を最適化することができる。このベクターDNAの量比は、用いる宿主細胞の種類によって最適となるように適宜調整される。
一つのベクターに1種又は2種以上のプロモータと機能的に連結された1種又は2種以上の所望の遺伝子を複数個組み込んで、多重プロモータ発現系(multiple promoter expression system)、又は多重シストロン発現系(multiple cistoronic expression system)を構築する際、特に以下の点に留意しなければならない。転写因子結合モチーフを導入した修飾プロモータの転写制御下にある遺伝子は、対応する転写因子の存在下で発現量を増すが、一つのベクターに2つ以上の修飾プロモータを組み込むと、修飾プロモータによる遺伝子発現増強効果は低下してしまう。多重プロモータ発現系を用いて所望の遺伝子と転写因子を共発現させるベクターを作製する際には、修飾プロモータの下流に所望の遺伝子を、通常のプロモータの下流に転写因子をコードする遺伝子を配置することが重要である。これは、IRESを用いた二重シストロン発現系を2つ組み合わせて、4重シストロン発現系を構築する際も同様で、修飾プロモータの使用は1つのみにとどめるべきである。
(形質転換細胞)
本発明の発現ベクターは、宿主細胞を形質転換することができ、得られた形質転換細胞を培養することによって本発明の発現ベクター及びそれによって発現される所望の遺伝子産物を製造することができる。ここで、宿主としては、本発明の発現ベクターを複製及び維持できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、大腸菌(Escherichia coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)等の細菌や、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)等の酵母、さらにCOS細胞、CHO細胞等の動物細胞、或いはSf9、Sf21等の昆虫細胞を用いることができる。
大腸菌は本発明の発現ベクターを調製するための宿主細胞として好ましく、形質転換細胞を培養して本発明の発現ベクターの複数のコピーを自律複製させた後に、当該形質転換細胞を破砕して本発明の発現ベクターを回収、精製することができる。細菌や酵母に本発明の発現ベクターを導入する方法としては、例えば、カルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、及び酢酸リチウム法等が挙げられる。
本発明の遺伝子発現を行うための宿主細胞としては、特に、哺乳動物細胞が好ましく、例えば、サル細胞COS−7、Vero、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)、マウス3T3細胞やL細胞、ラットGH3、ヒト293、及びHeLa細胞等が用いられるがこれらに限定されない。また、動物細胞への本発明の発現ベクターの導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等がある。
動物細胞を宿主として得られた形質転換細胞を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI1640培地、DMEM培地又はこれらの培地に牛胎児血清等を添加した培地が用いられる。培養は、通常5%CO存在下、37℃で1〜30日行う。培養中は必要に応じてカナマイシン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。また、血清の共存が望ましくない場合には目的に応じた無血清培地を使用してもよい。
培養後、所望の遺伝子産物が細胞内に生産される場合には細胞を破砕することにより当該遺伝子産物を抽出する。また、所望の遺伝子産物が細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により細胞を除去する。その後、当該遺伝子産物の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば、硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で、又は適宜組み合わせて用いることにより、上記培養物中から当該遺伝子産物を単離精製することができる。
本発明の方法を用いて、遺伝子産物に対する免疫応答を誘導することを意図して抗原となる遺伝子を生体内に導入することができる。また、遺伝子産物そのものが何らかの治療的効果を生むことを期待して治療用の遺伝子を生体内に導入することもできる。遺伝子導入の方法として、導入遺伝子がプラスミドDNA(naked plasmid DNA)であるか、組み換えウィルスベクター(recombinant viral vector)であるかは問わない。プラスミドDNAを用いる場合の投与方法も特に限定する必要はない。DNAを生理食塩水に溶解してそのまま注射する方法、DNAを微細金粒子に塗布したものを高圧で噴射して皮内に到達させる遺伝子銃、リポソームや種々のポリマーなどの担体を用いた方法、パウダージェクトおよび類似の高圧注入式遺伝子導入装置、電気穿孔法(electroporation)、超音波穿孔法(sonoporation)など種々の導入法を適用することができる。投与部位は、筋肉、皮下、皮内、血管内、呼吸器および泌尿生殖器の粘膜、脳、肝臓、腎臓、肺などの実質、消化管など管腔臓器の壁面、腹腔、胸腔、関節腔、脳脊髄腔内などの体腔、視器、聴器など考え得る全ての部位が対象となる。投与に用いるベクターや遺伝子導入装置の詳細については下記のような文献を参照することができる(Methods, Nucleic Acid Vaccines (ed.,JW. Morrow and NA. Sheikh ), 31 (3), pp181-262, 2003. Elseviers Science; The Journal of Gene Medicine, Supplement: Gene Therapy Vectors Vol. 6, Issue S1, 2004. John Wiley & Sons, Ltd; Somiari S et al. Theory and in vivo application of electroporative gene delivery; Molecular Therapy: the Journal of the American Society of Gene Therapy. 2(3):178-87, 2000)。
(医薬組成物)
本発明の発現ベクターは、所望の遺伝子を宿主細胞内で発現させることができるから、これら遺伝子産物、例えば、サイトカイン、成長因子、レセプターサイトカイン又は成長因子、抗体又はその断片、ホルモン、神経ペプチド、酵素及び糖タンパク質等の生理活性に基づく医薬組成物として用いることができる。本発明の医薬組成物は、経口又は非経口的に全身又は局所投与することができる。
本発明の医薬組成物を経口投与する場合は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、トローチ剤、内用水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等の何れのものであってもよく、使用する際に再溶解させる乾燥生成物にしてもよい。また、本発明の医薬組成物を非経口投与する場合は、静脈内注射(点滴を含む)、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射、坐剤等の製剤形態を選択することができ、注射用製剤の場合は単位投与量アンプル又は多投与量容器の状態で提供される。
これらの各種製剤は、製剤上通常用いられる賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、潤滑剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤、等張化剤等を適宜選択し、常法により製造することができる。
さらに、薬理的に許容される担体又は添加物を含むことができる。このような担体又は添加物の例として、水、医薬的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトースなどが挙げられる。使用される添加物は、本発明の剤型に応じて上記の中から適宜又は組み合わせて選択される。
本発明の医薬組成物の投与量は、投与対象の年齢、投与経路、投与回数により異なり、一概に規定することはできないが、本発明の発現ベクターによって生産される生理活性物質の有効量と適切な希釈剤及び薬理学的に使用し得る担体との組合せとして投与される有効量は、一回につき体重1kgあたり0.01mg〜1000mgの範囲の投与量を選ぶことができ、好ましくは1日1回から数回に分けて1日以上投与される。
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例1]修飾サイトメガロウイルスプロモータの構築
本発明の発現ベクターは、pGAベクター(Ross, TM et al. Nature Immunology vol.1 p127-131, 2000参照)由来のヒトサイトメガロウイルスIEプロモータ/エンハンサの5’近接領域(flanking region)に部位特異的変異導入法により固有の制限酵素部位を複数設置し、その制限酵素部位を使用して転写因子結合領域を導入して構築した。図1は、そのようなCMVプロモータ領域の一つの塩基配列を示したものであって、図1(a)には転写因子結合領域を導入するために用いる制限酵素切断部位が示される。図1(a)に示したサイト1〜4の何れかにそれぞれの制限酵素を用いて本発明に係る転写因子結合領域を導入した。例えば、サイト3にインターフェロンβプロモータを導入したものを「プロモータB」と称する。同様に、サイト2と3にインターフェロンβプロモータを導入したものを「プロモータBB」又は「プロモータ2×B」と、サイト1、2及び3にインターフェロンβプロモータを導入したものを「プロモータBBB」又は「プロモータ3×B」と称する。この「プロモータBBB」の構造を図2に示した。
上記と同様な方法で、4×GASモチーフ、5×IFREモチーフ、5×ISREモチーフ、5×NFκBモチーフ、及び7×AP−1モチーフをそれぞれ1〜3個挿入した修飾CMVプロモータを構築した。図3〜7には、これらのうち、上記各転写因子結合領域(モチーフ)を3個導入したプロモータの塩基配列を例示した。また、「プロモータKB」や「プロモータBK」等のように異種のモチーフが導入されたプロモータも構築した。なお、特に断り書きがない場合は、プロモータとインサートの間に、メッセンジャーRNAの安定性を高めるためにイントロンA(IA; Chapman, B.S., et al., Nucleic Acids Research, Vol.19, pp.3979-3986(1991))を挿入した。
本実施例では、遺伝子発現量の測定を容易に行うために、以下のようなレポーター遺伝子をインサートとして導入して、遺伝子発現量がプロモータの転写活性を反映するような系とした。
(1)ホタルルシフェラーゼ遺伝子(firefly luciferase(FFL)又は単にlucと記載)
測定が容易で、高感度でバックグラウンドが低い。測定のダイナミックレンジが広い等の好ましい特徴を備えている。後述するインビトロの実験ではほとんどがこのレポーター遺伝子を使用した。欠点として、遺伝子産物(ルシフェラーゼタンパク)は細胞内にとどまるので、インビボで実験する場合、遺伝子導入した臓器を抽出し、抽出液を調製して測定しなければならない。従って、同一個体で経時的に測定することは難しい。
(2)ウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子(renilla luciferase(RNL))
感度やバックグラウンド、ダイナミックレンジ等の点でFFLに劣るが、FFLと同一の測定系で、FFLとの交叉反応なく測定可能という利点がある。従って、異なる転写制御下にある(違ったプロモータの下流に置かれた)2種のインサートの遺伝子発現量を同時に測定する際にRNLを使用した。或いは、陰性コントロールのインサートとして使用した場合もある。
(3)分泌型アルカリフォスファターゼ遺伝子(secretory alkaline phosphatase(SEAP))
感度、ダイナミックレンジ共にFFLに劣るが、遺伝子産物(SEAPタンパク)は細胞外に分泌されるので、導入細胞を破壊することなく経時的に遺伝子発現量を測定できる利点がある。従って、インビボの実験では動物を生かしたまま採血し、血漿中のSEAPを測定することで同一個体で経時的変化を追うことが可能となる。
(4)クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子(CAT)
本実施例では陰性コントロールのインサートとして用いた。
[実施例2]多重接合法による発現プラスミドの構築
上記のようにして作製した各種修飾プロモータの下流にレポータ遺伝子を挿入した発現プラスミドを用いて、更に、多重プロモータプラスミドを構築した。プラスミドの多重接合は以下の要領で行った。接合したい二つのプラスミドのうち、ひとつを供与体プラスミド、もう一方を受容体プラスミドとする。部位特異的変異導入法により供与体プラスミドのプロモータの5’側近傍とポリアデニレーションシグナルの3’側近傍にユニークな制限酵素部位を設置した。図8では一例としてNotIとPvuIを示してあるが、供与体、受容体いずれにおいてもユニークな制限酵素であれば何を選んでもよい。これに対応して受容体プラスミドのポリアデニレーションシグナルの3’側近傍にNotIとPvuI部位を新たに設置した。供与体、受容体双方のプラスミドをNotIとPvuIで消化して、供与体から切り出した発現カセットを受容体のNotIとPvuI部位の間に導入した。こうして二重プロモータプラスミドを作製した(図8参照)。
さらにもう一つのプラスミドを接合して三重プロモータプラスミドを構築するのは以下の要領で行った。接合したいプラスミドを供与体プラスミド(2)とし、上記で作製した二重プロモータプラスミドを受容体とする。供与体プラスミド(2)のプロモータの5’側近傍とポリアデニレーションシグナルの3’側近傍にNotI部位を新たに設置した。NotIはあくまで一例であって、上記と同様に供与体、受容体いずれにおいてもユニークな制限酵素であれば何を選んでもよい。供与体、受容体双方のプラスミドをNotIで消化して、供与体から切り出した発現カセットを開裂させた受容体のNotI部位に導入した。こうして三重プロモータプラスミドを作製した(図9参照)。同様の要領で、プロモータの5’側近傍とポリアデニレーションシグナルの3’側近傍にPvuI部位を設置した供与体プラスミド(3)を作製して、PvuI消化で発現カセットを切り出し、PvuI消化で開裂させた三重プロモータプラスミドに導入すれば四重プロモータプラスミドが得られる。さらにユニークな制限酵素部位を四重プロモータプラスミドのPvuI部位の3’側近傍に設置して、それに対応する供与体プラスミドを作製し、開裂部位に発現カセットを導入すれば五重プロモータプラスミドが得られる。このような要領で原理的には何個でも発現カセットを増設して、多数の遺伝子を同時に発現させるプラスミドを構築することができる。
[実施例3]IRESを利用した多重シストロン発現系の構築
IRESを利用した二重シストロン発現系は以下の要領で作成する。例えば、BD-Clontech社より市販されているpIRESベクター(図10a)等からCMVプロモータ(1-750)を実施例1で作製した種々の修飾プロモータで置換する。所望の遺伝子をマルチプルクローニングサイトMCS Aに導入し、さらにプロモータに増設した転写因子結合部位に対応する転写因子をコードするDNAをMCS Bに導入することにより簡便に作製することができる。本実施例において実際に行った方法を具体的に説明すると、図10cに示すプラスミドSS376のMCS (イントロンAとIRESの間)に所望の遺伝子を挿入し、また、図10bに示すプラスミドSS359のMCSに修飾プロモータに設置した転写因子結合部位に対応する転写因子をコードするDNAを挿入した。SS359をEcoRIで消化して転写因子をコードするDNAを切り出して、EcoRIで開裂させたSS376に導入した。
[実施例4]IRESを利用した二重シストロン発現系とプラスミド接合法を用いた多重プロモータ発現系を併用した多重シストロン発現系の構築。
実施例3の要領で作成された二重シストロン発現ベクターを実施例2の要領で接合すれば、多重シストロン発現ベクターが構築できる。図11には、二つの二重シストロン発現ベクターを接合して出来た四重シストロン発現ベクターを示すが、実施例2に示した要領で発現カセットを更に増設すれば、六重シストロン、八重シストロン等々の発現ベクターも作製できる。
[実施例5]インビトロ実験による遺伝子発現量の測定
実施例1〜4に記載した方法によって作製した種々の発現ベクターを培養細胞にトランスフェクトして、細胞内に発現した遺伝子量を測定した。場合によっては、対応する転写因子の発現プラスミドやインターフェロンを培地に加えた。遺伝子発現量は、プロモーターの転写活性に正比例するため、高レベルの遺伝子発現がみられたプロモータは強いプロモータであると言える。
実施例2の方法により調製したCMV/ββ−LucプラスミドをマウスマクロファージRAW細胞にトランスフェクトしたときのレポーター遺伝子の発現量を図12に示した。DNAワクチン、遺伝子治療の領域で現在広く使われているCMV、EF1−a、CAG、及びSV40プロモータと、実施例2で作製したCMV−BBプロモータを比較した。いずれのプロモータでもIFN存在下では、非存在下と較べて発現レベルは低下しているが、CMV−BBプロモータは他よりはるかに高い発現レベルを維持していることが分かった。
次に、実施例2で作製した種々の発現プラスミドをマウスマクロファージRAW細胞にトランスフェクトしたときのレポーター遺伝子の発現量を図13に示した。IFRE、ISRE、GAS、NFκB、β-IFNを導入したプロモータで、インターフェロンへの反応性向上が見られた。特にβ-IFNとIFRE/NFκB及びβ-IFN/NFκBキメラプロモータで高レベルの発現を達成しているのが明らかである。
更に、マウス腹腔マクロファージを収集して、上記で作製した種々の発現プラスミドを、Jet-PEI-Mannan Conjugateによりトランスフェクトし、用いたプロモータ群の転写活性を比較した結果を図14に示した。IFN−γ存在下で、3×NF-κBプロモータが非常に強い転写活性を、3×β-IFNが若干他よりも高い転写活性を発揮している。図13と図14の比較により細胞株と、株化されていない細胞では反応性が非常に異なることがわかる。
GGG、FFF、SSSの3つのプロモータを選んでVero(サル腎臓細胞)、293(ヒト腎臓細胞)、3T3(マウス繊維芽細胞)の各細胞で転写活性を比較した結果を図15に示した。Vero細胞で通常のCMVプロモータ(naive)はIFNの添加により顕著な遺伝子発現量の低下を示した。本発明の修飾プロモータ群でもIFNにより遺伝子発現量は低下するものの、naiveよりも高い発現レベルを維持していた。293および3T3細胞では、naiveプロモータでもIFNの添加による遺伝子発現量の低下は軽微であるが、本発明の修飾プロモータ群ではIFNの存否にかかわらずnaiveよりも高い発現量を維持していることが分かった。
続いて、図16には、293T細胞における、多重シストロン発現ベクター群の遺伝子発現レベルの比較を示した。上の9段の結果より、二重プロモータベクターにおいて、第1プロモータの下流にFFLを、 第2プロモータの下流にRNLを配した。第1プロモータと第2プロモータの組み合わせを変えて、かつプロモータに対応する転写因子発現プラスミドを同時にトランスフェクトして、それぞれのプロモータによる遺伝子発現レベルを測定した。その結果、2つのプロモータがヘテロの状態で、対応する転写因子が与えられたときに、転写因子結合モチーフ導入プロモータの下流にある遺伝子発現レベルが最高となることが分かった。このことから、生体内で使用する転写因子共発現プラスミドは、KKK-reporter+naive-p65とするのが望ましいと考えられた。
更に、下の5段には、IRESを用いた二重シストロン発現ベクターにおいて、同様の評価を行った結果を示した。修飾プロモータに対応する転写因子が与えられると、プロモータ下流とIRES下流、いずれの遺伝子も発現レベルが高まった。また、IRES下流の遺伝子の発現はプロモータ下流の遺伝子発現量に比例していることが示された。ここではKKKプロモータとNF−kBp65を用いたが、AAAプロモータとAp−1でも同様の傾向が認められた。
修飾プロモータの転写因子結合モチーフ数を変化させたレポータープラスミドと、対応する転写因子発現プラスミドを293細胞及び3T3細胞にコトランスフェクションした結果を図17に示した。NF−kBp65に対して、CMVプロモータ内のNF−kB結合モチーフは1個もしくは3個の場合に遺伝子発現量が高かった。しかし、CMVプロモータ内のIFN−βプロモータの数は増やせば増やすほど遺伝子発現量が高まる傾向が認められた。Ap−1に対してCMVプロモータ内のAp−1結合モチーフは、293細胞では2個の場合が、3T3細胞では3個の場合が遺伝子発現量がもっとも高かった。IFN−βプロモータの数による遺伝子発現量の差違は少なかった。
更に、修飾プロモータの種類を変えて行った同様に実験結果を図18に示した。ヒトIRF−3に対して、CMVプロモータ内のIFREは2個の場合に遺伝子発現量がもっとも高かった。しかし、CMVプロモータ内のGASの数は増やせば増やすほど遺伝子発現量が高まる傾向が認められた。ISREの場合は、3T3細胞では3個の時が、293細胞では1個の時がそれぞれ最高の遺伝子発現を示した。ヒトIRF−7(野生型)に対する各プロモータの反応は乏しく、モチーフ数と遺伝子発現量の関係を評価することは出来なかった。
293細胞と3T3細胞における、修飾プロモータと対応する転写因子発現プラスミドの至適トランスフェクション比率の検討結果を図19に示した。
左側の2つのグラフは、naive プロモータを持つレポータープラスミド1に対してインサートのないpGAベクター(モックプラスミド)を漸増させたトランスフェクションの結果を示す。3T3細胞では1:10程度から、モックプラスミドの量に比例して遺伝子発現が高まる傾向が認められた。293細胞でも漸増するが1:30程度がピークで、それ以降は減少傾向であった。
中央の2つのグラフは、 KKKプロモータを持つレポータープラスミド1に対してNF−kBp65発現プラスミドを漸増させたトランスフェクションの結果を示す。モックプラスミドによる補正でレポータープラスミドに対する、共発現プラスミドの量比は1:40に固定されている。3T3細胞では遺伝子発現はNF−kBp65の量に比例して漸増するものの1:20程度で頭打ちとなった。293細胞では漸増し続けて天井は観察されなかった。
右の2つのグラフは、AAAプロモータを持つレポータープラスミド1に対してAp−1発現プラスミド(cFosとcJunの等量)を漸増させたトランスフェクションの結果を示す。モックプラスミドによる補正でレポータープラスミドに対する、共発現プラスミドの量比は1:40に固定されている。3T3細胞では遺伝子発現はAp−1の量に比例して漸増するが1:10をピークにその後は漸減した。293細胞では漸増し続けて天井は観察されなかった。
293細胞と3T3細胞における、各種多重シストロン発現系を利用して修飾プロモータの転写制御下にあるレポータ遺伝子と転写因子を共発現させたベクターのトランスフェクションの結果を図20に示した。修飾プロモータはKKKとAAAを、転写因子はNF−kBとAp−1を使用した。テスト番号1〜6は、レポータ遺伝子と転写因子を1:5の量比で別々の発現プラスミドでトランスフェクションした結果である。続いて、テスト番号7〜12は、プロモータ下流にレポータ遺伝子を、IRES下流に転写因子を配した二重シストロン発現ベクターによるトランスフェクションした結果である。テスト番号13〜20は、レポータ遺伝子と転写因子を別々のプロモータの転写制御下に配した多重プロモータ発現ベクターによるトランスフェクションの結果である。テスト番号22は、陽性コントロールを、更に、テスト番号24〜32は、プロモータ下流にレポータ遺伝子を、IRES下流に転写因子を配した二重シストロン発現カセットをタンデムに連結した四重シストロン発現ベクターによるトランスフェクションの結果を示す。
293細胞では、二重シストロンのKKK−FFL−IRES−p65や四重シストロンの各ベクターで非常に高い遺伝子発現を観察した。また、二重シストロンベクターを使用する場合、レポーター遺伝子をプロモータの3’近傍に、NF−kBp65をIRESの3’近傍に置くことが肝要である。逆の順序で2つの遺伝子を配すると、遺伝子発現増強効果がみられないことはテスト番号10と12を比較すれば明らかである。このことはNF−kBの場合のみならず、Ap−1の場合も同様であった。これは二重シストロンベクターを利用して発明を実施する際の重要な注意事項であると考えられる。多重プロモータベクターでも遺伝子発現増強効果は見られるが、IRESを利用した場合に較べて効果は薄かった。
3T3細胞でも多重シストロンベクターによる遺伝子発現増強効果は認められたが、陽性コントロール(naiveCMVプロモータの単シストロンベクター)が最高の遺伝子発現を示した。多重シストロン発現ベクターは、プラスミドのサイズが大きくなってしまうので、単位重量あたりのレポータ遺伝子のコピー数は単シストロンベクターに劣る。また、プラスミドサイズが大きくなるほど細胞内への移行は困難になると考えられる。以上2つの理由で、多重シストロン発現ベクターは通常のプロモータに単シストロンという最もシンプルなベクターを越えることが出来なかったと考えられる。このことから、本発明の発現ベクターをインビトロで利用する場合に利益をもたらすかどうかは、使用する細胞株に依存すると考えられる。
各種細胞株における、二重シストロン発現ベクターを利用した修飾プロモータの転写制御下にあるレポータ遺伝子と転写因子を共発現させたベクターのトランスフェクションの結果を図21に示した。修飾プロモータはFFFとSSSを、転写因子はヒトIRF−3(活性型変異株)とマウスIRF−7(活性型変異株)を使用した。
FFFとSSSプロモータに対してヒトIRF−3(活性型変異株)とマウスIRF−7(活性型変異株)は強い転写促進効果を持つ。図18で、野生型のIRF−7がほとんど効果を示さなかったのとは対照的である。また、レポータープラスミドと転写因子発現プラスミドを別々に投与した場合(量比1:5)では効果が薄いが、IRESを用いた二重シストロン発現系ではより強く転写が活性化される傾向がある。これは293,3T3,HeLa,C2C12で特に顕著である。また、遺伝子発現量が何倍に増強されたかということは、細胞株によって大きく異なる。また、通常のプロモータの単シストロンプラスミドの成績を越えられない細胞株と、越えられる細胞株があり、これには図20で述べたプラスミドの大きさと単位重量あたりのコピー数の問題が関与していると思われた。
[実施例6]インビボ実験による遺伝子発現量の測定
実施例1〜4に記載した方法によって作製した種々の発現ベクターを動物に投与して遺伝子導入を行った。対象臓器と方法は以下の通りである。
1)筋肉(大腿四頭筋):エレクトロポレーション法
筋肉を露出して、直視下にプラスミド溶液を注射し、その部位に通電して細胞膜に電気刺激による微少穿孔を起こしてプラスミドの細胞内到達を促進する。
2)肝臓:大容量高速静注法
ポリマーと混合した大量のプラスミド溶液を尾静脈から高速で注入し、下大静脈に鬱滞させて、肝静脈から逆行性に肝臓に到達させて遺伝子導入する。実施例5の場合と同様に、遺伝子発現量を測定することで、プロモータの転写活性を評価する。
図22は、3種の多重プロモータプラスミドnaive-luc-naive-CAT, KKK-luc-naive-p65, AAA-luc-naive-cFos-naive-cJunによる生体内遺伝子導入(マウス肝臓)の結果である。マウス尾静脈から100μgのDNAを2.5mlの生理食塩水に溶解して、高速静注を行い、4日後に肝臓を摘出して抽出液を調製、そのルシフェラーゼ活性を測定した。KKK-luc-naive-p65, AAA-luc-naive-cFos-naive-cJun群の遺伝子発現量は陰性コントロールの数十倍から数百倍におよび、本発明の有用性が示された(マウス個体数各群5)。
更に、図23は、多重プロモータプラスミドKKK-SEAP-naive-p65, AAA-SEAP-naive-cFos-naive-cJun、及び陰性コントロールnaive-SEAPによる生体内遺伝子導入(マウス筋肉)の結果を示す。マウスの大腿四頭筋を露出、直視下に生理食塩水に溶解したプラスミドを示されている量注射した後、定型通りエレクトロポレーションを行った。その後、経時的に採血して血漿中のSEAP(分泌型アルカリフォスファターゼ)活性を測定した。AAA-SEAP-naive-cFos-naive-cJun群ではピークは高くないが、長期に亘り遺伝子発現が維持されていることが明らかで、本発明の有用性が示された(マウス個体数各群5)。
以上の結果より、本発明の発現ベクターは、インビトロ及びインビボの両方の動物細胞において極めて効率的な遺伝子発現を行い得ることが示された。従って、本発明の発現ベクターは、動物細胞を用いる有用物質の生産のみならず、DNAワクチンや遺伝子治療等の分野においても有用である。
転写因子結合領域付加のために固有の制限酵素部位を増設したサイトメガロウイルスプロモータの構造を示す。 3個のインターフェロンβプロモータを有する修飾CMVプロモータの構造を示す。 3個の4×GAS(Interferon gamma active site)モチーフを有する修飾CMVプロモータの構造を示す。 3個の5×IFRE(Interferon regulatory element)モチーフを有する修飾CMVプロモータの構造を示す。 3個の5×ISRE(Interferon stimulated response element)モチーフを有する修飾CMVプロモータの構造を示す。 3個の5×NFκBモチーフを有する修飾CMVプロモータの構造を示す。 3個の7×AP−1モチーフを有する修飾CMVプロモータの構造を示す。 二重プロモータ発現系に用いるプラスミドの構築方法を示す。 多重プロモータ発現系に用いるプラスミドの構築方法を示す。 二重シストロン発現系に用いるプラスミドの構造を示す。 四重シストロン発現系として構築した1つの発現ベクターの構造を示す。 マウスマクロファージRAW細胞における、各種プロモータの転写活性とインターフェロン(IFN)の影響(その1)。 マウスマクロファージRAW細胞における、各種プロモータの転写活性とインターフェロン(IFN)の影響(その2)。 マウスプライマリー腹腔マクロファージにおける、各種プロモータの転写活性とインターフェロン(IFN)の影響。 各種細胞株における、GGG、FFF、SSSプロモータの転写活性とIFNの影響。 293T細胞における、多重シストロン発現ベクター群の遺伝子発現レベルの比較。 293細胞と3T3細胞における、修飾プロモータの転写因子結合モチーフ数を変化させたレポータープラスミドと、対応する転写因子発現プラスミドのコトランスフェクション(1)の結果を示す。 293細胞と3T3細胞における、修飾プロモータの転写因子結合モチーフ数を変化させたレポータープラスミドと、対応する転写因子発現プラスミドのコトランスフェクション(2)の結果を示す。 293細胞と3T3細胞における、修飾プロモータと対応する転写因子発現プラスミドの至適トランスフェクション比率の検討結果を示す。 293細胞と3T3細胞における、各種多重シストロン発現系を利用して修飾プロモータの転写制御下にあるレポーター遺伝子と転写因子を共発現させたベクターのトランスフェクションの結果を示す。 各種細胞株における、二重シストロン発現ベクターを利用した修飾プロモータの転写制御下にあるレポーター遺伝子と転写因子を共発現させたベクターのトランスフェクションの結果を示す。 3種の多重プロモータプラスミドnaive-luc-naive-CAT, KKK-luc-naive-p65, AAA-luc-naive-cFos-naive-cJunによる生体内遺伝子導入(マウス肝臓)。 多重プロモータプラスミドKKK-SEAP-naive-p65, AAA-SEAP-naive-cFos-naive-cJunおよび陰性コントロールnaive-SEAPによる生体内遺伝子導入(マウス筋肉)。

Claims (18)

  1. 1又は数個の転写因子結合領域が付加された修飾プロモータと、前記プロモータと機能的に連結された所望の遺伝子とを含む発現ベクターであって、前記転写因子結合領域が、以下の(a)又は(b)のDNAからなることを特徴とする発現ベクター:
    (a)配列番号1〜6の何れか一つに記載の塩基配列からなるDNA
    (b)(a)のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ転写因子結合能を有するDNA。
  2. 前記修飾プロモータが、以下の(a)又は(b)のDNAからなる請求項1に記載の発現ベクター:
    (a)配列番号7〜13の何れか一つに記載の塩基配列からなるDNA
    (b)(a)のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつインターフェロンに対して至適化されたDNA。
  3. 転写因子をコードする核酸配列をさらに含む請求項1又は2に記載の発現ベクター。
  4. 前記転写因子をコードする核酸配列が内部リボソーム結合サイト(IRES)と機能的に連結され、かつ前記修飾プロモータによって発現される所望の遺伝子の下流に二重シストロンを形成するように構築される請求項3に記載の発現ベクター。
  5. 1種又は2種以上のプロモータと機能的に連結された1種又は2種以上の所望の遺伝子を複数個含む発現ベクターであって、前記複数の遺伝子がそれぞれプロモータを有するか、又は前記複数の遺伝子のうち少なくとも1つが内部リボソーム結合サイトを介して他の遺伝子と連結された多重シストロンを形成することを特徴とする発現ベクター。
  6. 前記少なくとも1種のプロモータが、1又は数個の転写因子結合領域が付加された修飾プロモータであって、前記転写因子結合領域が、以下の(a)又は(b)のDNAからなることを特徴とする請求項5に記載の発現ベクター:
    (a)配列番号1〜6の何れか一つに記載の塩基配列からなるDNA
    (b)(a)のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ転写因子結合能を有するDNA。
  7. 1又は数個の転写因子結合領域が付加された修飾プロモータと、前記プロモータと機能的に連結されるように所望の遺伝子を導入するためのマルチクローニングサイトとを含む異種遺伝子発現用組換えベクターであって、前記転写因子結合領域が、以下の(a)又は(b)のDNAからなることを特徴とする組換えベクター:
    (a)配列番号1〜6の何れか一つに記載の塩基配列からなるDNA
    (b)(a)のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ転写因子結合能を有するDNA。
  8. 前記修飾プロモータが、以下の(a)又は(b)のDNAからなる請求項7に記載のベクター:
    (a)配列番号7〜13の何れか一つに記載の塩基配列からなるDNA
    (b)(a)のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつインターフェロンに対して至適化されたDNA。
  9. 転写因子をコードする核酸配列をさらに含む請求項7又は8に記載のベクター。
  10. 前記転写因子をコードする核酸配列と機能的に連結された内部リボソーム結合サイト(IRES)をさらに含む請求項9に記載のベクター。
  11. 1又は数個の転写因子結合領域が付加された修飾プロモータと機能的に連結された所望の遺伝子と、転写因子をコードする核酸配列とを、宿主細胞内で同時に発現させる工程を含み、前記転写因子が前記修飾プロモータの転写活性を増強することを特徴とする遺伝子発現方法。
  12. 請求項1〜4及び6の何れか一項に記載の発現ベクターを用いる請求項11に記載の方法。
  13. 前記所望の遺伝子と前記修飾プロモータの間にイントロンAが介在することを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記転写因子が、NFκB転写因子のp65サブユニット、AP−1、インターフェロン制御因子(IRF)又はそれらの活性型変異体である請求項11〜13の何れか一項に記載の方法。
  15. 前記転写因子の発現を制御するプロモータの当該転写因子への反応性が、前記修飾プロモータよりも低いことを特徴とする請求項11〜14の何れか一項に記載の方法。
  16. 請求項1〜6の何れか一項に記載の発現ベクターと薬理的に許容される担体とを含むことを特徴とする医薬組成物。
  17. 抗原特異的免疫応答の誘導、又は遺伝子治療を目的として投与されるDNAである請求項15に記載の医薬組成物。
  18. 請求項1〜6の何れか一項に記載の発現ベクターにより形質転換されたことを特徴とする細胞。
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