JP2005251704A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 有機発光材料層へのダメージが低減された実用的な有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】 基板上に電極層と有機発光材料層とをこの順に積層してなる電極基板、そして相対的に熱収縮率の小さい樹脂フィルムの上に、相対的に熱収縮率の大きい樹脂フィルムと電極層とをこの順に積層してなる電極フィルムを用意する工程;電極基板と電極フィルムとを、前者の有機発光材料層と後者の電極層とが向かい合うようにして重ね合わせる工程;電極基板と電極フィルムとを80〜160℃の加熱状態で加圧することにより互いに接合する工程;そして接合された電極基板と電極フィルムとを冷却する工程からなる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【選択図】 図3

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子は、透明基板の表面に、透明陽電極層、有機発光材料層、そして陰電極層がこの順に積層された基本構成を有する。有機エレクトロルミネッセンス素子は、その陽電極層から正孔を、そして陰電極層から電子を有機発光材料層の内部に注入し、有機発光材料層の内部にて正孔と電子とを再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、この励起子が失活する際の光の放出(蛍光、燐光)により発光する発光素子である。有機発光材料層にて発生した光は、透明基板の側から発光素子の外部に取り出される。
有機発光材料層の内部にて再結合させる正孔と電子とを有機発光材料層の内部に効率良く注入して有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率を高くするために、有機発光材料層を、その陽電極層側の面に正孔輸送層を備えた構成、あるいはその陰電極層側の面に電子輸送層を備えた構成とすることは知られている。
陰電極層は通常、マグネシウムなどの金属材料から形成される。そして陰電極層は、真空蒸着法やスパッタ法などにより、上記の有機発光材料層(有機発光材料層が電子輸送層を備える場合には電子輸送層)の表面に直接形成される。陰電極層を真空蒸着法やスパッタ法などにより有機発光材料層の表面に直接形成すると、陰電極層を形成する金属分子の有するエネルギーが高いために有機発光材料層にダメージが与えられて有機エレクトロルミネッセンス素子の発光品質を低下させる場合がある。
特許文献1には、例えば、透明基板上に透明陽電極層及び正孔輸送層を付設し、また別の基板上に陰電極層及び有機発光材料層を付設し、これらの基板を有機発光材料層が軟化する温度下で圧着して互いに貼り合わせることにより有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法が記載されている。この製造方法によれば、陰電極層を真空蒸着法やスパッタ法などにより有機発光材料層の表面に直接形成する必要がないために、有機発光材料層にダメージを与えないとされている。
特許第2755216号公報
本発明者は、二枚の基板を貼り合わせて有機エレクトロルミネッセンス素子を作製する場合に、少なくとも一方の基板として樹脂フィルムを用いることについて検討した。基板として樹脂フィルムを用いると、これを加熱ローラなどを用いて他方の基板に効率良く貼り合わせできると考えたからである。しかしながら、少なくとも一方の基板として樹脂フィルムを用いると、二枚の基板を加熱して貼り合わせた後に、得られた発光素子を冷却する過程において、樹脂フィルムがその周縁部にて他方の基板から剥離する傾向があることがわかった。このように樹脂フィルムが部分的に剥離した有機エレクトロルミネッセンス素子は、大気中の水分や酸素が発光素子内部に侵入し易く、この水分や酸素による陰電極層の劣化(酸化)により非発光部が生成されるなどして耐久性に劣る傾向があり、その後の取り扱いにおいても樹脂フィルムの全体が剥離し易い。
本発明の目的は、有機発光材料層へのダメージが低減された実用的な有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法を提供することにある。
本発明は、下記の工程を順に実施することからなる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法にある。
基板上に電極層と有機発光材料層とをこの順に積層してなる電極基板、そして相対的に熱収縮率の小さい樹脂フィルムの上に、相対的に熱収縮率の大きい樹脂フィルムと電極層とをこの順に積層してなる電極フィルムを用意する工程。
電極基板と電極フィルムとを、前者の有機発光材料層と後者の電極層とが向かい合うようにして重ね合わせる工程。
重ね合わせた電極基板と電極フィルムとを80〜200℃の加熱状態で加圧することにより互いに接合する工程。
そして、接合された電極基板と電極フィルムとを冷却する工程。
以下、このような有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を、第一の製造方法と記載する。
本発明はまた、下記の工程を順に実施することからなる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法にもある。
基板上に電極層を積層してなる電極基板、そして相対的に熱収縮率の小さい樹脂フィルムの上に、相対的に熱収縮率の大きい樹脂フィルム、電極層、および有機発光材料層をこの順に積層してなる電極フィルムを用意する工程。
電極基板と電極フィルムとを、前者の電極層と後者の有機発光材料層とが向かい合うようにして重ね合わせる工程。
重ね合わせた電極基板と電極フィルムとを80〜200℃の加熱状態で加圧することにより互いに接合する工程。
そして、接合された電極基板と電極フィルムとを冷却する工程。
以下、このような有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を、第二の製造方法と記載する。
本発明の第一の製造方法及び第二の製造方法のそれぞれの好ましい態様は、下記の通りである。
(1)熱収縮率の小さい樹脂フィルムの厚みが、熱収縮率の大きい樹脂フィルムの厚みよりも大きい。
(2)樹脂フィルムのそれぞれが無機微粒子を含み、熱収縮率の小さい樹脂フィルムの無機微粒子含有量が、熱収縮率の大きい樹脂フィルムの無機微粒子含有量よりも多い。
(3)熱収縮率の小さい樹脂フィルムが延伸樹脂フィルムであり、そして熱収縮率の大きい樹脂フィルムが未延伸樹脂フィルムである。
本発明はまた、相対的に熱収縮率の小さい樹脂フィルムの上に、相対的に熱収縮率の大きい樹脂フィルムと電極層とをこの順に積層してなる有機エレクトロルミネッセンス素子製造用の電極フィルムにもある。
本発明の電極フィルムの好ましい態様は、下記の通りである。
(1)熱収縮率の小さい樹脂フィルムの厚みが、熱収縮率の大きい樹脂フィルムの厚みよりも大きい。
(2)樹脂フィルムのそれぞれが無機微粒子を含み、熱収縮率の小さい樹脂フィルムの無機微粒子含有量が、熱収縮率の大きい樹脂フィルムの無機微粒子含有量よりも多い。
(3)熱収縮率の小さい樹脂フィルムが延伸樹脂フィルムであり、そして熱収縮率の大きい樹脂フィルムが未延伸樹脂フィルムである。
(4)電極層上に有機発光材料層が積層されている。
なお、本明細書において「熱収縮率」とは、日本工業規格「電気用プラスチックフィルムの試験方法(JIS C2151)」に従って測定される熱収縮率を意味する。熱収縮率の測定条件は、測定対象の試料を120℃に加熱して60秒間保持するものとする。また、「冷却」には、放冷も含まれる。
本発明においては、基板上に、電極層、そして有機発光材料層が積層された構成の電極基板と、相対的に熱収縮率の小さい樹脂フィルムの上に、相対的に熱収縮率の大きい樹脂フィルム、そして電極層が積層された構成の電極フィルムとを互いに接合することにより有機エレクトロルミネッセンス素子を製造している。本発明の製造方法は、電極層を真空蒸着法やスパッタ法などにより有機発光材料層の表面に直接形成する必要がないために、作製される有機エレクトロルミネッセンス素子の有機発光材料層へのダメージを低減することができる。さらに、電極基板と電極フィルムとを加熱して貼り合わせた後に得られた発光素子を冷却する過程において、電極フィルムの電極基板側の樹脂フィルム(相対的に熱収縮率の大きい樹脂フィルム)が他方の樹脂フィルムよりも大きく収縮するため、電極フィルムの周縁部における剥離が抑制される。このため、得られる有機エレクトロルミネッセンス素子は、その電極基板上に電極フィルムがその端部に到るまで良好に密着されているために耐久性に優れ、その後の取り扱いにおいても電極フィルムに剥離を生じ難いために実用的である。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を、添付の図面を用いて説明する。以下、本発明の製造方法を、電極基板の電極層が透明陽電極層で、電極フィルムの電極層が陰電極層である場合、すなわち有機発光材料層にて発生した光を発光素子の電極基板の側から外部に取り出す場合を例として説明する。まず、図1及び図2を用いて、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法(第一の製造方法)の実施に用いる電極基板及び電極フィルムのそれぞれについて説明する。
図1は、第一の製造方法の実施に用いる電極基板の構成例を示す断面図である。図1の電極基板11は、透明基板12の上に透明陽電極層13と有機発光材料層15とがこの順に積層された構成を有している。
透明基板12としては、例えば、ガラス基板などのセラミック基板、あるいは樹脂基板(もしくは樹脂フィルム)が用いられる。
透明基板12として樹脂基板を用いる場合には、作製される有機エレクトロルミネッセンス素子内部への樹脂基板の側からの水分の侵入を抑制するため、樹脂基板には防湿処理が施されていることが好ましい。防湿処理方法の代表例としては、樹脂基板の表面に低透湿膜を付設する方法が挙げられる。低透湿膜の例としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、および金属膜が挙げられる。金属膜を用いる場合には、有機発光材料層にて発生した光を発光素子の外部に取り出すために、その厚みを可視光を透過させる薄い厚み(例えば、数10nm以下)にすることが好ましい。
透明陽電極層13の材料の代表例としては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)が挙げられる。透明陽電極層の材料や厚みなどは、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の透明陽電極層の場合と同様であり、後に詳しく記載する。
透明陽電極層13を形成する方法の例としては、真空蒸着法、スパッタ法、スピンコート法、キャスト法、LB法、パイロゾル法、スプレー法、およびインクジェット印刷法などが挙げられる。透明陽電極層は、マスク法やフォトリソグラフィ法などのパターニング法によりパターン状に形成することもできる。
有機発光材料層15は、有機発光材料から形成するか、キャリア輸送性(正孔輸送性、電子輸送性、または両性輸送性)を示す有機材料に少量の有機発光材料を添加した材料から形成される。有機発光材料の代表例としては、Alq3 (トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム)が挙げられる。有機発光材料層の材料や厚みなどは、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の場合と同様であり、後に詳しく記載する。
有機発光材料層15を形成する方法の例としては、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、スプレー法、ブレードコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、およびインクジェット印刷法などが挙げられる。有機発光材料層15は、上記の印刷法により、あるいは真空蒸着法で形成する場合にはマスク法によりパターン状に形成することもできる。
図1の電極基板11の有機発光材料層15は、その電極層13の側の面に正孔輸送層14を有する構成とされている。本明細書でいう「有機発光材料層」には、有機発光材料層が単層の構成であるものの他に、有機発光材料層の一方の面あるいは両方の面に発光素子の発光効率を高めるための補助的な層(例、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、あるいは電子注入層など)を有する二層以上の構成であるものも含まれる。これらの補助的な層の詳細については、後に詳しく記載する。
図2は、第一の製造方法の実施に用いる電極フィルムの構成例を示す断面図である。図2の電極フィルム21は、相対的に熱収縮率の小さい樹脂フィルム24の上に、相対的に熱収縮率の大きい樹脂フィルム26と陰電極層23とがこの順に積層された構成を有している。
図2の電極フィルム21の樹脂フィルム24と樹脂フィルム26とは、例えば、ウレタン樹脂からなる接着層25によって互いに接合されている。樹脂フィルム24と樹脂フィルム26とは、例えば、共押し出し法により積層フイルムとして形成することもでき、このように形成する場合には接着層は不要である。また、樹脂フィルム24と樹脂フィルム26とは、一方の樹脂フィルムの表面に、コーティングにより樹脂被膜(他方の樹脂フィルム)が形成された構成としてもよい。
電極フィルム21は、その樹脂フィルム26の熱収縮率が、樹脂フィルム24よりも大きく設定されていることに特徴がある。樹脂フィルム24の厚みは、樹脂フィルム26よりも大きいことが好ましい。
樹脂フィルム24の厚みは、3乃至1000μmの範囲にあることが好ましく、10乃至500μmの範囲にあることがより好ましく、10乃至300μmの範囲にあることがさらに好ましい。樹脂フィルム26の厚みは、1乃至500μmの範囲にあることが好ましく、5乃至100μmの範囲にあることがさらに好ましい。
樹脂フィルム24及び樹脂フィルム26のそれぞれの材料の例としては、ポリエステルフィルム(例、ポリエチレンテレフタレートフィルム)、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフイルム、ポリスルホンフイルム、ポリエーテルエーテルケトンフイルム、ポリアミド(例、ナイロン(登録商標))フイルム、ポリメタクリル酸メチルフイルム、ポリエチレンナフタレートフイルム、ポリアリレートフイルム、シクロオレフィンポリマーフイルム、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム、ポリスチレンフィルム、エチレンアクリレートフィルム、エチレン/ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、及びポリウレタン(PU)フィルムが挙げられる。そしてこれらのフィルムから任意に二つの樹脂フィルムを選択し、そのうちの熱収縮率が相対的に小さい樹脂フィルムを樹脂フイルム24として用い、そして熱収縮率が相対的に大きい樹脂フィルムを樹脂フィルム26として用いる。
樹脂フィルム24としては、表面の平滑性や寸法安定性に優れていることから、ポリエステルフィルム、特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。樹脂フィルム24としてポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる場合には、樹脂フィルム26としては、ポロプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム、ポリアミド(例、ナイロン(商標))フィルム、ポリスチレンフィルム、エチレンアクリレートフィルム、エチレン/ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、あるいはポリウレタン(PU)フィルムを用いることが好ましい。
また、樹脂フィルムのそれぞれが無機微粒子を含み、熱収縮率の小さい樹脂フィルム24の無機微粒子含有量が、熱収縮率の大きい樹脂フィルム26の無機微粒子含有量よりも多いことも好ましい。樹脂フィルム24の無機微粒子含有量を樹脂フィルム26よりも多くすることにより、樹脂フィルム26の熱収縮率を樹脂フィルム24の熱収縮率よりも大きな値に調節することが容易となる。
無機微粒子の例としては、炭酸カルシウム粒子、タルク粒子、マイカ粒子、及び酸化チタン粒子などが挙げられる。無機微粒子の平均粒子径は、1乃至50μmの範囲にあることが好ましい。
また、熱収縮率の小さい樹脂フィルム24が延伸樹脂フィルムであり、そして熱収縮率の大きい樹脂フィルム26が未延伸樹脂フィルムであることも好ましい。樹脂フィルム24として延伸樹脂フィルムを用いることにより、樹脂フィルム26の熱収縮率を樹脂フィルム24の熱収縮率よりも大きな値に調節することが容易となる。
樹脂フィルム26には、その熱収縮率を大きくさせるための添加剤が含まれていることも好ましい。このような添加剤の例としては、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、エチレン/オクテン共重合体、及びポリエステルエラストマーなどの非晶相を有し、樹脂フィルムとの相溶性に優れる材料が挙げられる。
なお、通常、樹脂フィルムは、熱が与えられると主としてその機械方向(MD:Machine Direction)に沿って収縮する。このため、電極フィルム21に用いる樹脂フィルム24と樹脂フィルム26とは、その各々の機械方向が一致するように積層されていることが好ましい。
陰電極層23の材料の代表例としては、Mg−Ag合金が挙げられる。陰電極層の材料や厚みなどは、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の陰電極層の場合と同様であり、後に詳しく記載する。
陰電極層23を形成する方法の例としては、真空蒸着法、スパッタ法、スピンコート法、キャスト法、LB法、パイロゾル法、スプレー法、およびインクジェット法などが挙げられる。陰電極層は、マスク法やフォトリソグラフィ法などのパターニング法によりパターン状に形成することもできる。
また、図2に示すように、電極フィルム21の樹脂フィルム26と陰電極層23との間には、金属層27と絶縁層28とが付設されていることが好ましい。
金属層27は、金属材料から形成され、透湿性は低い。従って、金属層27は、作製される有機エレクトロルミネッセンス素子内部への電極フィルム側からの水分の侵入を抑制し、陰電極層23の劣化を低減する。
金属層27の厚みは、有機エレクトロルミネッセンス素子内部への水分の侵入を抑制するために、5乃至500nmの範囲にあることがより好ましく、10乃至500nmの範囲にあることがさらに好ましい。
金属層27を形成する金属材料の例としては、金、銀、銅、アルミニウム、チタン、パラジウム、白金、および前記金属材料のうちの少なくとも一種類を含む合金組成物が挙げられる。
樹脂フィルム26の表面に金属層27を形成する方法の代表例としては、真空蒸着法やスパッタ法などの乾式成膜法、およびグラビア印刷法やブレードコート法などの湿式成膜法が挙げられる。
また、樹脂フィルム26と金属層27との密着性を向上させるために、これらの間に接着層を付設することもできる。この接着層の材料としては、例えば、紫外線硬化性のエポキシ樹脂を用いることができる。
絶縁層28は、金属層27と陰電極層23とが電気的に接続されることを防止する。絶縁層28は、その表面に複数の陰電極層(例、ストライプ状の陰電極層)が形成された場合に、これらの陰電極層が金属層27を介して互いに電気的に接続されて短絡することを防止する。
絶縁層28の厚みは、10乃至1000nmの範囲にあることが好ましく、10乃至180nmの範囲にあることがより好ましく、10乃至150nmの範囲にあることがさらに好ましい。
絶縁層28を形成する材料としては、公知の絶縁性材料を用いることができる。絶縁性材料の例としては、TiO2 、Al2 3 、Nb2 5 、Ta2 5 、SiO2 、およびSi3 4 などの金属酸化物材料が挙げられる。
金属層27の表面に絶縁層28を形成する方法の例としては、真空蒸着法やスパッタ法などの乾式成膜法、およびグラビア印刷法やブレードコート法などの湿式成膜法が挙げられる。
次に、図1の電極基板11、および図2の電極フィルム21を用いる場合を例として、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法(第一の製造方法)を、図3を参照しながら説明する。図3は、図1の電極基板及び図2の電極フィルムを用いた本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法(第一の製造方法)を示す断面図である。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法(第一の製造方法)は、下記の工程を順に実施することからなる。
(1)透明基板12の上に、透明陽電極層13、正孔輸送層14、及び有機発光材料層15をこの順に積層してなる電極基板11、そして相対的に熱収縮率の小さい樹脂フィルム24上に、接着層25、相対的に熱収縮率の大きい樹脂フィルム26、金属層27、絶縁層28、及び陰電極層23をこの順に積層してなる電極フィルム21を用意する工程。
(2)図3に示すように、電極基板11と電極フィルム21とを、前者の有機発光材料層15と後者の電極層23とが向かい合うようにして重ね合わせる工程。
(3)重ね合わせた電極基板11と電極フィルム21とを、80〜200℃の加熱状態で加圧することにより互いに接合する工程。電極基板11と電極フィルム21とを加熱する温度は、電極基板11の最頂部の層(図3に示す電極基板11の場合には、有機発光材料層15)のガラス転移点±25℃の範囲にあることが好ましい。
(4)接合された電極基板11と電極フィルム21とを冷却する工程。
本発明の製造方法において、電極フィルム21の樹脂フィルム26の熱収縮率は、樹脂フィルム24よりも大きく設定されている。仮に、樹脂フィルム24の熱収縮率が樹脂フィルム26よりも大きいと、電極基板11と電極フィルム21とを加熱して貼り合わせ、そして得られた発光素子を冷却する過程において樹脂フィルム24が大きく収縮して、電極フィルム21の周縁部を電極基板11から浮き上がらせようとする力が生じる。本発明の製造方法においては、これとは逆に、樹脂フィルム26の熱収縮率を、樹脂フィルム24よりも大きく設定することにより、発光素子の冷却過程における電極フィルム周縁部の剥離を抑制している。このため本発明の製造方法により得られる有機エレクトロルミネッセンス素子30は、その電極基板11上に電極フィルム21がその端部に到るまで良好に密着されているために耐久性に優れ、その後の取り扱いにおいても電極フィルムに剥離を生じ難いために実用的である。
次に、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法(第二の製造方法)について説明する。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法(第二の製造方法)は、下記の工程を順に実施することからなる。
(1)基板上に電極層を積層してなる電極基板、そして相対的に熱収縮率の小さい樹脂フィルムの上に、相対的に熱収縮率の大きい樹脂フィルム、電極層、および有機発光材料層をこの順に積層してなる電極フィルムを用意する工程。
(2)電極基板と電極フィルムとを、前者の電極層と後者の有機発光材料層とが向かい合うようにして重ね合わせる工程。
(3)重ね合わせた電極基板と電極フィルムとを80〜200℃の加熱状態で加圧することにより互いに接合する工程。
(4)接合された電極基板と電極フィルムとを冷却する工程。
第二の製造方法は、基板上に電極層が積層された構成の電極基板と、発光素子を構成する有機発光材料層を備えた電極フィルムとを用いること以外は、第一の製造方法と同様にして実施することができる。
本発明の第一の製造方法、そして第二の製造方法の実施に用いる電極フィルムは、ロール状に巻かれていることも好ましい。例えば、電極フィルムの電極層が陰電極層とされる場合、通常、陰電極層は活性の高い材料(例、Mg−Ag合金)から形成されるために劣化(酸化)し易い。電極フィルムをロール状に巻き取ることにより、陰電極層が直接大気に接触することが防止され、陰電極層の劣化を抑制することができる。また、ロール状の電極フィルムと複数枚の電極基板のそれぞれとを、例えば、一対の加熱ロールにより順に加熱、そして加圧して接合することにより、有機エレクトロルミネッセンス素子を効率良く作製することができる。さらに、電極基板の透明基板として樹脂フィルムを用い、フィルム状の電極基板と電極フィルムとを、同様に加熱ロールを用いて連続的に接合することにより、さらに効率良く有機エレクトロルミネッセンス素子を作製することができる。
電極フィルムは、電極層(特に陰電極層)の劣化を抑制するために、真空中もしくは不活性気体(例、窒素ガス)中にて巻き取ることにより、ロール状とすることが好ましい。ロール状の電極フィルムは、その全体を真空包装、あるいは不活性ガスを充填した状態で包装することがさらに好ましい。
また、ロール状の電極フイルムの外周を、樹脂フイルムの表面に金属層(もしくは金属層及び絶縁層)が積層された構成とすることも好ましい。ロールの巻きの外周(例、最外周)を金属層で覆うことにより、ロール状の電極フィルムの外周面からの水分の侵入による電極層の劣化をさらに抑制することができる。また、ロール状の電極フィルムの巻きの外側の二周以上を、樹脂フイルムの表面に金属層が積層された構成とすることもできる。
電極フィルムは、2.5×105 乃至4.0×107 N/m2 の張力を付与しながら巻き取り、ロール状にすることが好ましい。このような張力の付与により、ロール状に巻かれた状態で互いに隣接している電極フィルム同士が十分に密着するため、ロール側面からの水分の侵入が抑制される。
電極フィルムは、紙製、樹脂製、あるいは金属製の芯管などに巻き取ってロール状にすることが好ましい。ロール状の電極フィルムへの芯管側からの水分の侵入を抑制するために、金属製の芯管、あるいは表面が金属膜により被覆された芯管を用いることが好ましい。芯管の直径は、30乃至300mmの範囲にあることが好ましく、50乃至200mmの範囲にあることがより好ましく、70乃至175mmの範囲にあることがさらに好ましい。
以下、透明陽電極層、有機発光材料層、および陰電極層のそれぞれを形成する材料や厚みなどについて説明する。これらの層の材料や厚みは、公知の有機エレクトロルミネッセンス素子の場合と同様である。有機エレクトロルミネッセンス素子については、「有機LED素子の残された研究課題と実用化戦略」(ぶんしん出版、1999年)及び「光・電子機能有機材料ハンドブック」(朝倉書店、1997年)などに詳しく記載されている。
本発明の製造方法においては、得られる有機エレクトロルミネッセンス素子の有機発光材料層にて発生する光を外部に取り出すために、電極基板が備える基板と電極層とを共に透明な材料から形成するか、あるいは電極フィルムが備える樹脂フィルムと電極層とを共に透明な材料から形成する。通常は、電極基板が備える基板と電極層とが透明とされ、そして電極基板の電極層は陽電極層とされ、電極フィルムの電極層は陰電極層とされる。
陽電極層は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、導電性化合物、又はこれらの混合物などから形成される。陽電極層の材料の代表例としては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)及びIZO(インジウム亜鉛酸化物)が挙げられる。
陽電極層の厚みは、1μm以下であることが一般的であり、200nm以下であることが好ましい。陽電極層の抵抗は、数百Ω/sq.以下であることが好ましい。
陰電極層は、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金組成物、導電性化合物、又はこれらの混合物などから形成される。陰電極層の材料の代表例としては、Al、Ti、In、Na、K、Mg、Li、Cs、Rb、Caおよび希土類金属などの金属、Na−K合金、Mg−Ag合金、Mg−Cu合金、およびAl−Li合金などの合金組成物が挙げられる。
陰電極層の厚みは、1μm以下であることが一般的であり、200nm以下であることがより好ましい。陰電極層の抵抗は、数百Ω/sq.以下であることが好ましい。
有機発光材料層は、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率を高くするために補助的な層(例えば、正孔輸送層、電子輸送層)を備えた構成とすることができる。以下に、代表的な構成例を示す。
(a)有機発光材料層
(b)正孔輸送層/有機発光材料層
(c)有機発光材料層/電子輸送層
(d)正孔輸送層/有機発光材料層/電子輸送層
本発明の製造方法においては、電極基板と電極フィルムとを互いに接合することにより有機エレクトロルミネッセンス素子が作製される。上記の有機発光材料層、あるいは補助的な層を備えた有機発光材料層は、通常、電極基板の電極層の表面、あるいは電極フィルムの電極層の表面に付設される。また、上記の有機発光材料層、あるいは補助的な層を備えた有機発光材料層を層の平面に沿って分割し、その一方の側の層を電極基板の電極層の表面に付設し、その他方の側の層を電極フィルムの電極層の表面に付設しても良い。分割は、層と層との界面にて行われてもよいし、所定の一層の厚み方向の途中の位置にて行われてもよい(例えば、上記(a)の構成の場合、有機発光材料層を層の平面に沿って二つに分割してもよい)。
正孔輸送層の材料の例としては、テトラアリールベンジシン化合物、芳香族アミン類、ピラゾリン誘導体、およびトリフェニレン誘導体などが挙げられる。正孔輸送層の厚みは、2乃至200nmの範囲にあることが好ましい。
正孔輸送層には、その正孔移動度を改善するために、電子受容性アクセプタを添加することが好ましい。電子受容性アクセプタの例としては、ハロゲン化金属、ルイス酸、および有機酸などが挙げられる。電子受容性アクセプタが添加された正孔輸送層については、特開平11−283750号公報に記載がある。
有機発光材料層は、有機発光材料から形成するか、キャリア輸送性(正孔輸送性、電子輸送性、または両性輸送性)を示す有機材料(以下、ホスト材料と記載する)に少量の有機発光材料を添加した材料から形成される。有機発光材料層に用いる有機発光材料の選択により、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光色を容易に設定することができる。
有機発光材料層を有機発光材料から形成する場合、有機発光材料としては、成膜性に優れ、膜の安定性に優れた材料が用いられる。このような有機発光材料の例としては、Alq3 (トリス−(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム)に代表される金属錯体、ポリフェニレンビニレン(PPV)誘導体、およびポリフルオレン誘導体などが挙げられる。有機発光材料層をホスト材料に少量の有機発光材料を添加した材料から形成する場合、ホスト材料としては、例えば、前記のAlq3 、TPD(トリフェニルジアミン)、電子輸送性のオキサジアゾール誘導体(PBD)、ポリカーボネート系共重合体、あるいはポリビニルカルバゾールなどが用いられる。ホスト材料と共に用いる有機発光材料としては、添加量が少ないために、前記の有機発光材料の他に、単独では安定な薄膜を形成し難い蛍光色素なども用いることができる。蛍光色素の例としては、クマリン、DCM誘導体、キナクリドン、ペリレン、およびルブレンが挙げられる。なお、上記のように有機発光材料層を有機発光材料から形成する場合にも、発光色を調節するために、蛍光色素などの有機発光材料を少量添加することもできる。
有機発光材料層の厚みは、実用的な発光輝度を得るために、200nm以下であることが好ましい。
電子輸送層の材料の例としては、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンピリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、およびスチルベン誘導体などの電子輸送性材料が挙げられる。また、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)などのアルミキノリノール錯体を用いることもできる。電子輸送層の厚みは、5乃至300nmの範囲にあることが好ましい。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子の陽電極層と陰電極層との間には、発光素子の発光特性などを改良するために、上記の正孔輸送層や電子輸送層の他にも様々な層、例えば、陽電極層(もしくは陰電極層)の有機発光材料層側の表面に正孔注入層(もしくは電子注入層)を付設することができる。
正孔注入層の材料の代表例としては、銅フタロシアニン(CuPc)が、そして電子注入層の材料の代表例としては、LiF(フッ化リチウム)などのアルカリ金属化合物が挙げられる。正孔注入層は陽極バッファ層と、電子注入層は陰極バッファ層とも呼ばれ、これらの層の詳細については、「有機LED素子の残された研究課題と実用化戦略」(ぶんしん出版、1999年、p44−45)などの文献に詳しく記載されている。
ガラス基板の表面に、スパッタ法により、メタルマスクを用いて厚みが150nmの四本の線状のITO薄膜からなる陽電極層を形成した。ITO薄膜は、スパッタリングターゲットとしてITOを、そしてスパッタリングガスとしてアルゴンと酸素との混合ガスを用いて成膜した。
次に、上記のITO薄膜の上に、正孔輸送層形成用の塗布液(PEDOT/PSS水溶液、Bayer AG Leverlusen社製)を、スピンコート法により塗布、そして乾燥することにより、厚みが50nmの正孔輸送層を形成した。
有機発光材料(Green K、American Dye Source社製)を、キシレンに1.5質量%の濃度で溶解して有機発光材料層形成用の塗布液を調製した。この塗布液を、前記の正孔輸送層の上に、スピンコート法により塗布、そして乾燥することにより、厚みが50nmの有機発光材料層を形成した。このようにして、電極基板を作製した。
共押し出し法により、厚みが100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと、厚みが30μmのエチレン/ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルムとからなる積層フィルムを、ダイス温度をそれぞれ280℃、220℃として共押し出しすることにより作製した。単層押し出し法により、積層フィルムを構成するポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリプロピレンフィルムのそれぞれと同じ厚みの単層フィルムを作製した。そして単層のPETフィルム及びEVOHフィルムの熱収縮率を、日本工業規格「電気用プラスチックフィルムの試験方法」(JIS C2151)に従って測定したところ、それぞれ0.5%、3.0%であった。
作製した積層フィルムのEVOHフィルム側の表面に、スパッタ法により、厚みが100nmの銀薄膜(金属層)、そして厚みが20nmの酸化チタン薄膜(絶縁層)を成膜した。そして酸化チタン薄膜の表面に、スパッタ法により、メタルマスクを用いて厚みが200nmの三本の線状のMg−Ag薄膜からなる陰電極層を形成した。このようにして電極フィルムを作製した。
上記銀薄膜は、スパッタリングターゲットとしてAgを、そしてスパッタリングガスとしてアルゴンガスを用いて成膜した。上記酸化チタン薄膜は、スパッタリングターゲットとしてチタンを、そしてスパッタリングガスとしてアルゴンと酸素との混合ガスを用いて成膜した。上記Mg−Ag合金薄膜は、スパッタリングターゲットとしてMg−Ag合金を、そしてスパッタリングガスとしてアルゴンガスを用いて成膜した。
得られた電極基板と電極フィルムとを、その有機発光材料層と陰電極層とが接するように、そして各々の電極層が互いに直交するようにして重ね合わせた。そして重ね合わせた電極基板と長尺電極フィルムとを、温度が140℃に設定された一対の加熱ロールを用いて加圧して接合し、次いで室温(25℃)まで放冷することにより有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。作製した有機エレクトロルミネッセンス素子の電極フィルムの周縁部を目視により観察したところ、その端部に到るまで電極基板と良好に密着していた。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法(第一の製造方法)の実施に用いる電極基板の構成例を示す断面図である。 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法(第一の製造方法)の実施に用いる電極フィルムの構成例を示す断面図である。 図1の電極基板及び図2の電極フィルムを用いた本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法(第一の製造方法)を示す断面図である。
符号の説明
11 電極基板
12 透明基板
13 透明陽電極層
14 正孔輸送層
15 有機発光材料層
21 電極フィルム
23 陰電極層
24 相対的に熱収縮率の小さい樹脂フィルム
25 接着層
26 相対的に熱収縮率の大きい樹脂フィルム
27 金属層
28 絶縁層
30 有機エレクトロルミネッセンス素子

Claims (10)

  1. 下記の工程からなる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法:
    基板上に電極層と有機発光材料層とをこの順に積層してなる電極基板、そして相対的に熱収縮率の小さい樹脂フィルムの上に、相対的に熱収縮率の大きい樹脂フィルムと電極層とをこの順に積層してなる電極フィルムを用意する工程;
    電極基板と電極フィルムとを、前者の有機発光材料層と後者の電極層とが向かい合うようにして重ね合わせる工程;
    重ね合わせた電極基板と電極フィルムとを80〜200℃の加熱状態で加圧することにより互いに接合する工程;そして
    接合された電極基板と電極フィルムとを冷却する工程。
  2. 下記の工程からなる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法:
    基板上に電極層を積層してなる電極基板、そして相対的に熱収縮率の小さい樹脂フィルムの上に、相対的に熱収縮率の大きい樹脂フィルム、電極層、および有機発光材料層をこの順に積層してなる電極フィルムを用意する工程;
    電極基板と電極フィルムとを、前者の電極層と後者の有機発光材料層とが向かい合うようにして重ね合わせる工程;
    重ね合わせた電極基板と電極フィルムとを80〜200℃の加熱状態で加圧することにより互いに接合する工程;そして
    接合された電極基板と電極フィルムとを冷却する工程。
  3. 熱収縮率の小さい樹脂フィルムの厚みが、熱収縮率の大きい樹脂フィルムの厚みよりも大きい請求項1もしくは2に記載の製造方法。
  4. 樹脂フィルムのそれぞれが無機微粒子を含み、熱収縮率の小さい樹脂フィルムの無機微粒子含有量が、熱収縮率の大きい樹脂フィルムの無機微粒子含有量よりも多い請求項1もしくは2に記載の製造方法。
  5. 熱収縮率の小さい樹脂フィルムが延伸樹脂フィルムであり、そして熱収縮率の大きい樹脂フィルムが未延伸樹脂フィルムである請求項1もしくは2に記載の製造方法。
  6. 相対的に熱収縮率の小さい樹脂フィルムの上に、相対的に熱収縮率の大きい樹脂フィルムと電極層とをこの順に積層してなる有機エレクトロルミネッセンス素子製造用の電極フィルム。
  7. 熱収縮率の小さい樹脂フィルムの厚みが、熱収縮率の大きい樹脂フィルムの厚みよりも大きい請求項6に記載の電極フィルム。
  8. 樹脂フィルムのそれぞれが無機微粒子を含み、熱収縮率の小さい樹脂フィルムの無機微粒子含有量が、熱収縮率の大きい樹脂フィルムの無機微粒子含有量よりも多い請求項6に記載の電極フィルム。
  9. 熱収縮率の小さい樹脂フィルムが延伸樹脂フィルムであり、そして熱収縮率の大きい樹脂フィルムが未延伸樹脂フィルムである請求項6に記載の電極フィルム。
  10. 電極層上に有機発光材料層が積層されている請求項6に記載の電極フィルム。
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