JP2009231411A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁層が所定のパターンに形成された有機EL素子において、絶縁層のパターニングが容易であり、絶縁層を形成する際に発光層等の有機物層に対して悪影響を与える虞がない有機EL素子を提供する。
【解決手段】陽極3と転写により形成されたパターン状絶縁層と発光層5を含む有機物層13とが形成され、有機物層13が表面に形成されている陽極基板11と、陰極7が形成された陰極基板12とを準備して、上記陽極基板11の有機物層13と陰極7が界面となるように陽極基板11と陰極基板12を貼り合わせて有機EL素子1とした。
【選択図】図4

Description

本発明は、一対の電極の間に発光層を含む有機物層とパターン状絶縁層が挟持された有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)は、陰極が設けられた陰極基板と陽極が設けられた陽極基板との間に、発光性を有する有機材料を含む薄膜(発光層)が挟持された構造を有している。有機EL素子は、両電極間に低電圧を印加して電流を流すと、発光層の内部に陽極から正孔が注入され陰極から電子が注入され、発光層の内部で正孔と電子が再結合し励起状態となり、それが基底状態に戻る際に放出される光(蛍光や燐光等)を利用した自発光素子である。
有機EL素子の発光面を所定のパターンに発光させる手段として、例えば、発光させたくない部分の電極間に絶縁層を挿入して、該絶縁層により電極からのキャリア注入及びキャリア再結合を不可能とし、前記絶縁層の部分が非発光部であり絶縁層が設けられていない部分が発光部となる有機EL素子が公知である(特許文献1参照)。特許文献1には、絶縁層をパターン状に形成する手段として、絶縁性フォトレジストを用いたフォトリソグラフィー技術によってパターンを形成し、真空蒸着、スパッタ、塗布等の薄膜形成方法により、パターン状の絶縁層を形成することが記載されている。
また絶縁層をパターン状に形成する手段として、電極層の表面に絶縁層を全面ベタに形成した後、インクジェット装置を用いて所定のパターンに発光層の組成物を絶縁層の表面に塗工すると、発光層が塗工された部分で絶縁層と発光層が混ざり合って発光層が所定のパターンに形成される、いわゆる自己整合法が公知である。
また絶縁層をパターン状に形成する手段として、電極上に設けた発光層等の有機物層の表面に、直接、スクリーン印刷やグラビア印刷などの印刷法により、絶縁層を所定のパターンに形成する、印刷法が公知である。
特開平10−270173号公報
上記特許文献1に記載のフォトリソグラフィー法を用いて絶縁層を所定のパターンに形成する方法は、高精細なパターニングが可能であるが、処理工程が多く非常に手間がかかるという問題があった。また有機EL素子の基板にガラス板を用いる場合は、処理が可能であるが、基板として樹脂フィルムを用いる場合には、変形し易いことから、正確なパターン形成が困難であるという問題があった。
また、上記自己整合法により絶縁層をパターン状に形成する方法は、発光層に絶縁層の成分が混入し易く、発光特性が低下しやすいという問題があった。
また、印刷法により絶縁層をパターン状に形成する方法は、絶縁層の形成の際に有機溶媒を含む絶縁層組成物が有機物層の表面に塗工されるため、絶縁層組成物中に含まれる溶媒により有機物層が変質や変形したり、乾燥時の熱により有機物層が熱劣化や変形するという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、上記問題点を解決しようとするものであり、絶縁層が所定のパターンに形成された有機EL素子において、絶縁層のパターニングが容易であり、絶縁層を形成する際に発光層等の有機物層に対する悪影響を与える虞がない有機EL素子を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る有機EL素子は、陰極と陽極との間に少なくとも発光層を含む有機物層と非発光部の形状に形成されたパターン状絶縁層とが挟持されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記有機物層と前記パターン状絶縁層と一方の電極が形成された第1の基板と、他方の電極が形成された第2の基板との貼り合わせにより得られたものであり、前記パターン状絶縁層が転写により形成されたものであり、第1の基板と第2の基板の貼り合わせ面が、前記有機物層と前記他方の電極との界面であることを要旨とするものである。
上記有機EL素子において、第1の基板と2の基板との貼り合わせ面が、有機物層と陰極との界面や、有機物層と陽極との界面である。
上記有機EL素子において、第1の基板におけるパターン状絶縁層が発光層の下層にあることや、パターン状絶縁層が、転写基材にパターン状絶縁層が形成された絶縁層転写フィルムを用いて転写することで形成されたものであることが好ましい。
本発明に係る有機EL素子によれば、前記有機物層と前記パターン状絶縁層と一方の電極が形成された第1の基板と、他方の電極が形成された第2の基板との貼り合わせにより得られたものであり、前記パターン状絶縁層が転写により形成されたものであるから、有機EL素子の製造の際に、絶縁層のパターニングが容易であり、絶縁層を形成する際に発光層等の有機物層に対して悪影響を与える虞がなく、陽極基板と陰極基板とを貼り合わせるだけの簡単な操作で有機EL素子が得られる。
更に本発明に係る有機EL素子によれば、第1の基板と第2の基板の貼り合わせ面が、前記有機物層と前記他方の電極との界面として形成されていることから、有機EL素子を製造する際に、第1の基板と第2の基板の貼り合わせる場合、貼り合わせ面となる第1の基板と第2の基板の界面にパターン状の絶縁層が存在せずに、有機物層と電極とが接触した状態で接合させることができるので、第1の基板と第2の基板との貼り合わせ状態が均一になるという効果が得られる。
従来のフォトリソグラフィー法により絶縁層をパターン状に形成する方法では、高精細なパターンを形成することが可能であるが、有機EL素子の電極を形成するための電極基材(陽極基材及び陰極基材)にガラス基板のような堅い材料を用いる必要があった。そのため電極基材として例えば樹脂フィルムのような変形し易い材料を用いることができなかった。これに対し、本発明に係る有機EL素子によれば、電極基材に樹脂フィルムのような柔軟な材料を用いて、パターン状絶縁層を所定の形状にパターニングすることが可能であり、柔軟なフィルム状の有機EL素子を容易に製造することができる。
また、従来の自己整合法のように絶縁層をベタ一面に形成し、インクジェット法等により発光層を所定のパターンに形成し、絶縁層をパターン状に形成する方法では、発光層内に絶縁層の成分が混入し易く、絶縁層の成分が混入すると発光層の発光特性が低下してしまうものであった。これに対し本発明に係る有機EL素子によれば、例えば絶縁層は転写フィルムの転写基材の表面のような他の基材表面で成膜、形成されるので、発光層に絶縁層が混入する虞がなく、発光層の発光特性を低下させず、優れた発光特性の有機EL素子が得られる。
本発明に係る有機EL素子によれば、パターン状絶縁層は他の基材上で成膜されるので、発光層を含む有機物層の表面で形成されることがないので、従来の有機物層の表面に直接印刷することで絶縁層がパターン状に形成された有機EL素子と比較して、絶縁層組成物の有機溶媒により有機EL素子の有機物層が変質や変形したり、乾燥時の熱により有機物層が熱劣化や変形することを防止できる。
以下、図面を用いて本発明の有機EL素子の製造方法について詳細に説明する。図1は、本発明の有機EL素子の一例を示す外観斜視図であり、図2は図1のB−B断面図である。図1及び図2に示す有機EL素子は、陽極基材2の表面に、陽極3と、正孔輸送層4と、パターン状絶縁層6と、発光層5と、陰極7と、陰極基材8とが設けられて構成されている。陽極2、正孔輸送層4、発光層5、陰極7は、いずれもベタ一面に形成され、パターン状絶縁層6のみが所定のパターンに形成されている。この態様の有機EL素子1では、有機物層13は正孔輸送層4と発光層5から構成されていて、パターン状絶縁層6は、発光層5と正孔輸送層4の間に形成されている。
図1に示す有機EL素子1は、発光部9がアルファベットのT字状に形成され、それ以外の部分が非発光部10として形成されている。図3は図1の有機EL素子の絶縁層を示す斜視図である。図3に示すように、有機EL素子1のパターン状絶縁層6は、T字状の発光部9の部分が打ち抜かれて、発光部9以外の部分の形状に形成され、非発光部10のパターンに形成されている。有機EL素子1において、パターン状絶縁層6が形成された部分は、パターン状絶縁層6により電極(陽極3及び陰極7)から発光層5へのキャリア注入あるいはキャリア再結合が阻止される。その結果、有機EL素子1は、発光部9のT字状のパターンに発光する。
陽極基材2及び陰極基材8は、ガラス基板等のセラミック基板、樹脂板、樹脂フィルム等を用いることができる。陽極基材2及び陰極基材8は、樹脂フィルムを用いることが好ましい。樹脂フィルムの樹脂としては、例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリアリレート、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。陽極基材2及び陰極基材8の厚みは、通常、3〜1000μmであり、10〜500μmが好ましく、更に好ましくは10〜300μmである。尚、通常、有機EL素子1の発光層5に対して発光面側に位置する、陽極基材2、陽極3、正孔輸送層4等には、透明な材料が用いられる。
陽極基材2及び陰極基材8は、表面にバリア層を形成する等して防湿処理を施すことが好ましい。バリア層としては、例えば酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、窒化酸化シリコン(SiO、SiN)等の薄膜又は金属膜が挙げられる。金属膜を用いる場合には、発光層にて発生した光を有機EL素子の外部に取り出すことが可能な厚みに形成される。バリア層の厚みは10nm〜1μmであるのが好ましい。バリア層が10nm未満ではバリア性効果が小さく、1μmを超えると、フィルム基材では曲げたときにクラックが入りやすくなる。
陽極3は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、導電性化合物、又はこれらの混合物等から形成される。陽極の材料としては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)及びIZO(インジウム亜鉛酸化物)等が挙げられる。陽極3の厚みは、通常、1μm以下であり、200nm以下が好ましい。また陽極3の抵抗は、数百Ω/sq.以下が好ましい。陽極3は、真空蒸着法、スパッタ法、スピンコート法、キャスト法、LB法、パイロゾル法、およびスプレー法等により形成することができる。
正孔輸送層4は、例えば、フタロシアニン、ポリアニリン、オリゴチオフェン、ベンジジン誘導体、トリフェニルアミン、ピラゾリン誘導体、トリフェニレン誘導体等が挙げられる。正孔輸送層4は、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、印刷法等を用いて形成することができる。正孔輸送層4の厚みは、2〜200nmが好ましい。正孔輸送層4の材料として、水溶性のPEDOT:PSS(ポリスチレンスルフォン酸ドープポリエチレンジオキシチオフェン)は、好ましい材料の一つである。PEDOT:PSSを、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒に希釈し、スピンコート等で塗工し、加熱して乾燥することで正孔輸送層4を形成することができる。
発光層5は、有機発光材料から形成するか、キャリア輸送性(正孔輸送性、電子輸送性、または両性輸送性)を示す有機材料(以下、ホスト材料と記載する)に少量の有機発光材料を添加した材料から形成することができる。発光層5に用いる有機発光材料の選択により、有機EL素子1の発光色を設定することができる。発光層5の厚みは、実用的な発光輝度を得るために、200nm以下が好ましい。
発光層5を有機発光材料から形成する場合、有機発光材料としては、成膜性に優れ、膜の安定性に優れた材料が用いられる。このような有機発光材料としては、Alq3 (トリス−(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム)に代表される金属錯体、ポリフェニレンビニレン(PPV)誘導体、ポリフルオレン誘導体などが用いられる。ホスト材料と共に用いる有機発光材料としては、添加量が少ないために、前記の有機発光材料の他に、単独では安定な薄膜を形成し難い蛍光色素なども用いることができる。蛍光色素の例としては、クマリン、DCM誘導体、キナクリドン、ペリレン、およびルブレンなどが挙げられる。ホスト材料の例としては、前記のAlq3 、TPD(トリフェニルジアミン)、電子輸送性のオキサジアゾール誘導体(PBD)、ポリカーボネート系共重合体、およびポリビニルカルバゾールなどが挙げられる。なお、上記のように発光層5を有機発光材料から形成する場合にも、発光色を調節するために、蛍光色素などの有機発光材料を少量添加することもできる。
パターン状絶縁層6は、電極から発光層へのキャリア注入を阻止することが可能な絶縁性を有する材料が用いられ、例えば、エポキシ樹脂とポリアミドからなる熱硬化性樹脂接着剤、柔軟化成分として熱可塑性樹脂を含んだ熱硬化性樹脂接着剤等用いることができる。パターン状絶縁層6の厚みは、10nm〜2μmに形成され、好ましくは100nm〜500nmである。パターン状絶縁層6の厚みが10nm未満では密着性が低下する虞があり、2μmを超えると段差が大きくなり密着(発光)面積が小さくなる虞がある。
陰極7は、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金組成物、導電性化合物、又はこれらの混合物等から形成される。陰極の材料としては、Al、Ti、In、Na、K、Mg、Li、Cs、Rb及び希土類金属等の金属、Na−K合金、Mg−Ag合金、Mg−Cu合金、およびAl−Li合金等の合金組成物が挙げられる。陰極の厚みは、通常、1μm以下であり、200nm以下が好ましい。また陰極7の抵抗は、数百Ω/sq.以下が好ましい。陰極7は真空蒸着法等により形成することができる。
本発明の有機EL素子1は、陽極3と陰極7との間に、有機物層13として少なくとも発光層5が形成されていればよいが、発光素子の発光特性等を改良するために、発光層5以外に、上記の正孔輸送層4、或いはその他の層として、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の層を所定の位置に設けて、有機物層13を構成することができる。
本発明の有機EL素子1は、発光層5を含む有機物層13と非発光部10の形状に形成されたパターン状絶縁層6とが、陰極7と陽極3との間に挟持されている。上記パターン状絶縁層6は、転写により形成されたものである。図4は図1の有機EL素子の貼り合わせ工程の一例を示す断面図である。本発明の有機EL素子1は、図4に示すように有機物層13とパターン状絶縁層6と陽極(一方の電極)が形成された陽極基板11(第1の基板)と、陰極(他方の電極)が形成された陰極基板12(第2の基板)との貼り合わせにより形成されたものである。そして、陽極基板11と陰極基板12との貼り合わせ面が、有機EL素子1における有機物層13と陰極7との界面である。図4に示すように、有機EL素子1の貼り合わせに用いる陽極基板11において、パターン状絶縁層6は陽極基板の表面に存在せず、発光層5と正孔輸送層4との間に形成されている。このようにパターン状絶縁層6が、陽極基板11の表面の貼り合わせ面に存在せず、有機物層13を構成する発光層5が貼り合わせ面に存在していることにより、陽極基板11と陰極基板12を貼り合わせる際に、表面が均一な平坦面として形成された有機物層13と陰極7が接する状態で積層されることにより、陽極基板と陰極基板の貼り合わせ状態を均一にすることができる。
以下、図1に示す有機EL素子の製造方法について説明する。まず図4に示すように、樹脂フィルムからなる陽極基材2に陽極3、正孔輸送層4、発光層5を含む有機物層13、及びパターン状絶縁層6が設けられている陽極基板11(第1の基板)と、樹脂フィルムからなる陰極基材8に陰極7が設けられている陰極基板12(第2の基板)とを準備する。そして、陽極基板11と陰極基板12とを、発光層5と陰極7が接するようにして両基板を貼り合わせて有機EL素子1とする。
パターン状絶縁層6は、陽極基板11に転写により形成される。パターン状絶縁層6は、陽極基板11の正孔輸送層4の表面に形成されている。パターン状絶縁層6は、予め非発光部10のパターンに形成されたパターン状絶縁層6を有する絶縁層転写フィルム20〔図5(d)参照〕を用いて、パターン状絶縁層6を転写して形成している。絶縁層転写フィルム20を用いることで、確実にパターン状絶縁層6を形成することができる。以下、絶縁層転写フィルムを用いてパターン状絶縁層6を陽極基板11に転写形成する方法について説明する。
図5(a)〜(d)は絶縁層転写フィルムの製造方法を示し、各工程の断面図である。絶縁層転写フィルム20を製造するには、まず同図(a)に示すように、転写層に対して離型性を有する転写基材21を準備する。次いで、転写基材21の表面に、パターン状絶縁層6の材料から成る転写層組成物をグラビア印刷等でベタ一面に塗工し、乾燥させ、転写層22を形成する〔同図(b)〕。次に転写層22の表面に、転写基材21よりも転写層22に対する離型性の高い剥離シート23を積層する〔同図(c)〕。この積層体を、トムソン金型等で発光部9の形状に対応する部分を打ち抜いて除去し、パターニングする。このときの打ち抜き方法としては、上記トムソン金型を用いる方法以外に、ダイスによるパンチングで打ち抜く方法や、より複雑な打ち抜きが可能な上型と下型に打抜刃が付いている雄雌金型を用いる方法等が挙げられる。パターン状絶縁層6を形成するのに、発光部の形状を打ち抜いて除去する方法は、パターン形成手段として、きわめて単純な作業で良く、パターン形成が容易である。またパターン状絶縁層6は、転写用フィルムにグラビア印刷等であらかじめパターニングしてもよい。
打ち抜き後の積層体は、同図(d)に示すように、転写基材21、転写層22及び剥離シート23が、非発光部10のパターンに形成され、転写層22がパターン状絶縁層6の形状に形成された絶縁層転写フィルム20が得られる。
転写基材21及び剥離シート23は、転写層22に対する離型性を有する樹脂フィルムが用いられる。樹脂フィルムは、例えば、厚みが3〜1000μm程度の、ポリエチレテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルムを用いることができる。樹脂フィルムの表面には、転写層に対する離型性を調節するために、適宜、離型処理を施すことができる。
このようにパターン状絶縁層6を転写フィルム20の転写層21として形成することで以下の利点がある。従来、陰極の表面に絶縁層をパターニングする場合には、陰極は電子注入性の良い活性材料が使用されることが多いため、真空中で陰極形成の際に一緒にパターニングを行う必要がある。しかし、このように真空中でパターニングを行おうとすると、製造方法がマスク法等に限定されてしまう。これに対し転写基材にパターン状絶縁層を形成する場合は、真空下で形成する必要がなく、パターン状絶縁層の形成は、大気圧で行うことができるので、パターニングを容易に行うことができる。
図6(a)〜(c)は、陽極基板の形成方法を示す各工程の要部断面図である。以下、陽極基板11の形成方法について説明する。先ず同図(a)に示すように、陽極を形成するための樹脂フィルム等からなる陽極基材2を準備する。そして、陽極基材2の表面に、陽極3、正孔輸送層4を形成する。このとき陽極3、及び正孔輸送層4はベタ一面に形成する。
次に、絶縁層形成工程で、絶縁層転写フィルム20を用いて、陽極基板の正孔輸送層4の表面にパターン状絶縁層6を転写形成する。絶縁層形成工程は、図6(a)に示すように、絶縁層転写フィルム20[図5(d)参照]の剥離シート23を剥離して、上記陽極基板11の表面に、転写層22と正孔輸送層4が接するように積層する。そして、同図(b)に示すように転写基材21を剥離して、転写層22を転写することで、パターン状絶縁層6が正孔輸送層4の表面に形成される。そして同図(c)に示すようにパターン状絶縁層の上に発光層5を形成する。発光層5は陽極基板11の表面にベタ一面に形成される。
尚、図面では、図中上下方向となる縦方向(厚さ方向)を図中左右方向となる横方向に対して1000倍以上に拡大したスケールで示している。そのため、パターン状絶縁層6の厚みが厚く見えるが、この厚みは僅かであり、発光層5の表面は、容易に平坦面として形成される。
次に貼り合わせ工程で陽極基板11と陰極基板12とを貼り合わせる。図7は陽極基板と陰極基板を重ねて加熱ロールで加熱・加圧する状態を示す説明図である。図7に示すように陽極基板11と陰極基板12を、発光層5と陰極7が接するように重ね合わせて積層体とする。この積層体を、一対の加熱ローラー31、32を通過させ、積層体を加熱・加圧する。積層体は加圧により、陽極基板11と陰極基板12とが接合一体化して有機EL素子1が得られる。貼り合わせ工程における陽極基板と陰極基板の加熱・加圧方法としては、上記の一対のローラーを用いる方法に限定されず、例えば一対以上の加熱ローラーを用いる方法、一対以上の熱盤を用いる方法、加熱ローラーと熱盤を組み合わせる方法等を用いることができる。
上記の有機EL素子は、陽極側に発光層を含む有機物層とパターン状絶縁層が形成された陽極基板(第1の基板)を陰極基板(第2の基板)と貼り合わせたものである。この態様では、第1の基板と第2の基板との貼り合わせ面が、有機物層と陰極との界面となるように構成されている。本発明の有機EL素子はこの態様に限定されず、陰極側に発光層を含む有機物層とパターン状絶縁層が形成された陰極基板(第1の基板)と、陽極のみが形成された陽極基板(第2の基板)とを準備して、上記陰極基板と上記陽極基板とを貼り合わせて得られたものでもよい。この場合、第1の基板と第2の基板との貼り合わせ面が、有機物層と陽極との界面となるように構成されている。
以下、本発明の実施例を示す。
実施例1
(1−1)絶縁層転写フィルムの作製
転写基材として離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの表面に、転写層形成用塗工液(ポリアミド系樹脂とエポキシ樹脂をトルエン、メタノールで希釈したもの)をグラビア印刷した後、0.1MPa、80℃、5分間、真空乾燥し、厚み250nmの転写層をベタ一面に形成した。更に上記転写層の表面に、剥離シートとして上記転写基材のPETフィルムよりも転写層に対する離型性が高いPETフィルムを積層して、転写基材/転写層/剥離フィルムからなる積層体を形成した。この積層体をトムソン金型でT字状の発光部に対応する部分を打ち抜いて、転写層が非発光部のパターン状に形成された絶縁層転写フィルムとした。
(1−2)陽極基板の作製
基材フィルムとして厚み200μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムの両面に、バリア層としてSiO、SiNを成膜し、更に片面に陽極としてインジウム錫酸化物(ITO)を150nmの厚みに成膜して陽極基板とした。
(1−3)洗浄
上記陽極基板を純水、有機アルカリ洗浄液(フルウチ化学社製:セミコクリーン)、純水、アセトン溶液の順に各5分間、超音波洗浄を行った。その後、UVオゾン洗浄器で30分間処理した。
(1−4)正孔輸送層の形成
上記の洗浄した陽極基板の陽極の表面に、正孔輸送層形成用の塗布液〔PEDOT:PSS水溶液(スタルク社製)をIPAで希釈したもの〕をスピンコートにより回転数2000rpm×60秒の条件で塗工し、120℃のオーブンで30分間乾燥し、厚み100nmの正孔輸送層を形成した。
(1−5)絶縁層の形成
上記絶縁層転写フィルムの剥離フィルムを剥がして、上記正孔輸送層を設けた陽極基板の表面に、転写層が正孔輸送層と接するように積層した後、転写基材を剥離して、陽極基板の正孔輸送層の表面にパターン状絶縁層を設けた。
(1−6)発光層の形成
上記陽極基板のパターン状絶縁層の表面に、発光層材料としてポリフルオレン系発光材料(ガラス転移温度:116℃、DSC法)を厚み80nmになるようにスピンコート法で塗布し、乾燥させ、発光層をベタ一面に形成した。
(1−7)陰極基板の作製
基材フィルムとして厚み100μmのPENフィルムの両面に、バリア層としてSiO、SiNを成膜し、更に片面に陰極としてMg−Agを真空成膜装置で200nmの厚みに成膜して陰極基板とした。
(1−8)有機EL素子の作製
上記(1−6)の発光層を設けた陽極基板と、上記(1−7)の陰極を設けた陰極基板とを、発光層と陰極とが接するように重ね合わせ、温度が140℃に設定された2本の加熱ロールの間を通過させ、ロール圧力が2MPaとなるように重ね合わせた陽極基板と陰極基板とを加圧して、両者を接合して実施例1の有機EL素子を得た。
本発明の有機EL素子の一例を示す外観斜視図である。 図1のB−B断面図である。 図1の有機EL素子のパターン状絶縁層を示す斜視図である。 図1の有機EL素子の製造方法の一例の貼り合わせ工程を示す断面図である。 (a)〜(d)は絶縁層転写フィルムの製造方法を示し、各工程の断面図である。 (a)〜(c)は、陽極基板にパターン状絶縁層を転写により形成する方法を示す、各工程の断面図である。 陽極基板と陰極基板重ねて加熱ロールで加熱・加圧する状態を示す説明図である。
符号の説明
1 有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子
2 陽極基材
3 陽極
4 正孔輸送層
5 発光層
6 パターン状絶縁層
7 陰極
8 陰極基材
9 発光部
10 非発光部
11 陽極基板
12 陰極基板
13 有機物層
20 絶縁層転写フィルム
21 転写基材
22 転写層
23 剥離シート
31、32 加熱ロール

Claims (5)

  1. 陰極と陽極との間に少なくとも発光層を含む有機物層と非発光部の形状に形成されたパターン状絶縁層とが挟持されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記有機物層と前記パターン状絶縁層と一方の電極が形成された第1の基板と、他方の電極が形成された第2の基板との貼り合わせにより得られたものであり、前記パターン状絶縁層が転写により形成されたものであり、第1の基板と第2の基板の貼り合わせ面が、前記有機物層と前記他方の電極との界面であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 第1の基板と第2の基板との貼り合わせ面が、有機物層と陰極との界面であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 第1の基板と第2の基板との貼り合わせ面が、有機物層と陽極との界面であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 第1の基板におけるパターン状絶縁層が発光層の下層にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. パターン状絶縁層が、転写基材にパターン状絶縁層が形成された絶縁層転写フィルムを用いて転写することで形成されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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