JP2008210615A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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彬雄 谷口
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結 市川
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正樹 宮川
Masayuki Harano
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Abstract

【課題】有機EL素子の低電圧域での発光効率を向上させることが可能な有機EL素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】陽電極層、発光層を含む有機物層および陰電極層とがこの順に積層された積層構造を有し、かつ、この積層構造中に、貼り合わせ、印刷、転写または塗布による界面を有する有機EL素子を製造した後、得られた有機EL素子の上記界面周辺を選択的に加熱する。上記界面は、陰電極層と有機物層との間、または、陽電極層と有機物層との間に存在すると良い。加熱は、両電極層間に順方向の通電を行うことによるのが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、単に「有機EL素子」ということがある。)は、透明基板の表面に、陽電極層、発光層を含む有機物層および陰電極層が、この順に積層された基本構成を有している。上記有機EL素子では、陰電極層から注入された電子と、陽電極層から注入された正孔とが、発光層中で再結合することにより発光を得ることができる。
上記有機EL素子は、その原理上、再結合を効率的に行わせ、発光効率をより高めるため、電子と正孔とが発光層に注入される際に、なるべくエネルギー障壁が小さい方が有利である。そのため、発光層の陽電極層側の面に有機物よりなる正孔注入層を、発光層の陰電極層側の面に有機物よりなる電子注入層が形成されることもある。
上記有機EL素子の製造方法としては、例えば、真空蒸着法を用いて、透明基板上に、陽電極層、発光層を含む有機物層、陰電極層をこの順に成膜する方法が知られている。
通常、このようにして得られた有機EL素子は、初期に発光特性が大きく劣化する傾向がある。そのため、発光特性の劣化が小さいところまで初期劣化を起こさせ、それによって安定したところで使用可能にすることが行われている。
例えば、特許文献1には、真空蒸着法を用いて、透明基板上に、陽電極層、正孔注入層、発光層および陰電極層をこの順に成膜して有機EL素子を製造し、この有機EL素子が安定動作するようになるまで、電圧を印加してエージングを行う、有機EL素子の製造方法が開示されている。
他にも、特許文献2には、真空蒸着法を用いて製造した有機EL素子に対し、加熱エージングを行う点が開示されている。
ここで、上記した有機EL素子の製造方法は、基本的に、真空下にて成膜を行うドライプロセスである。最近では、大気下にて成膜が可能な簡易プロセスであるウェットプロセスを活用して、有機EL素子を製造する提案もなされるようになっている。
例えば、特許文献3には、有機EL素子の製造方法として、透明基板の表面に、陽電極層、発光層を含む有機物層が積層された陽極基板の有機物層に、陰電極層を重ね合わせ、加熱・加圧して陰電極層を接合する方法が開示されている。
特許第2818255号公報 特開2001−176661号公報 特開2005−38816号公報
しかしながら、特許文献3に記載されるように、有機物層と電極層との間など、その積層構造中に、貼り合わせなどによる界面を有する有機EL素子は、低電圧域における発光効率(電流あたりの輝度)が低いという問題があった。これは、以下の原因によるものと推測される。
すなわち、真空蒸着法により各層を順に成膜して有機EL素子を製造した場合、nmレベルで見た有機物層と電極層との平均原子間距離を短くできると考えられる。
これに対し、有機物層に電極層を貼り合わせるなどして有機EL素子を製造した場合、固体状、ゲル状など、当初より形のある電極層を有機物層に密着させることになる。そのため、nmレベルで見た場合、有機物層と電極層とが、十分な電子注入性が得られる状態まで密着されていないものと考えられる。また、電極層を支持する基板が有する剛性の大きさも上記密着性に影響を及ぼすものと考えられる。
それ故、電極層と有機物層との間の貼り合わせなどによる界面における平均原子間距離が大きくなって電子移動のエネルギー障壁となり、例えば、陰電極層を貼り合わせたときには電子注入性が低くなるなどし、電子と正孔とのキャリアバランスが崩れて発光効率が低くなるものと考えられる。
そしてこの種の現象は、上記エネルギー障壁を電子が越え難い、低電圧域で特に顕著に生じているものと考えられる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、有機EL素子の低電圧域での発光効率を向上させることが可能な有機EL素子の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る有機EL素子の製造方法は、陽電極層、発光層を含む有機物層および陰電極層とがこの順に積層された積層構造を有し、かつ、この積層構造中に、貼り合わせ、印刷、転写または塗布による界面を有する有機EL素子を製造する素子製造工程と、得られた有機EL素子の上記界面周辺を選択的に加熱する加熱工程とを有することを要旨とする。
ここで、上記界面は、上記陰電極層と上記有機物層との間、または、上記陽電極層と上記有機物層との間に存在すると良い。
また、上記加熱は、両電極層間に順方向の通電を行うことによると良い。
また、上記通電時に両電極層間に印加する順方向電圧は、下記で規定される電圧Vb以下であると良い。
Vb:上記通電を行わずに製造した有機エレクトロルミネッセンス素子について、0Vから0.5秒間に0.5Vの割合にて印加する駆動電圧を上昇させ、各電圧での輝度と電流とを測定し、測定された電流あたりの輝度で表される発光効率が最大となるときの電圧。
また、上記通電は、両電極層間に印加する順方向電圧が1/2Vb〜Vbの範囲内、印加時間が1回あたり60秒以下であると良い。
また、上記通電は断続的に繰り返し行うと良い。
一方、本発明に係る有機EL素子は、上記製造方法により製造されたものであることを要旨とする。
本発明に係る有機EL素子の製造方法では、陽電極層、発光層を含む有機物層および陰電極層とがこの順に積層された積層構造を有し、かつ、この積層構造中に、貼り合わせ、印刷、転写または塗布による界面を有する有機EL素子を得た後、当該界面周辺を選択的に加熱することにより、有機EL素子を製造する。
そのため、従来に比べ、低電圧域での発光効率が向上された有機EL素子を得ることができる。
これは、上記界面周辺を選択的に加熱することで、上記界面付近の有機材料が軟化し、上記界面における平均原子間距離が近づいてエネルギー障壁が小さくなり、例えば、陰電極層を貼り合わせたときにはより電子が注入しやすくなるなどの現象が生じ、低電圧域における発光効率が向上するものと考えられる。
ここで、上記界面が電極層と有機物層との間にある場合には、実際に発光する発光層を加熱により損傷し難くなるなどの利点がある。
また、上記界面は、エネルギー障壁があるので抵抗となる。そのため、両電極層間に順方向の通電を行った場合、電子と正孔の再結合が界面周辺で起こるか、正孔が陰電極層に到達し、失われたエネルギーは、熱に変換される。そのため、上記通電を行った場合には、比較的簡単に、上記界面周辺を選択的に加熱しやすい利点がある。
また、上記通電時に両電極層間に印加する順方向電圧が、上記電圧Vb以下である場合には、通電による有機EL素子の劣化を抑制することができる。
また、両電極層間に印加する順方向電圧が1/2Vb〜Vbの範囲内、印加時間が1回あたり60秒以下の条件で通電を行った場合には、発光効率の向上効果が大きくなる利点がある。
これは、比較的高電圧短時間で電圧を印加することにより、上記界面で発生した熱の拡散が少なく、局所的な温度上昇の効果が大きくなるためであると考えられる。
また、上記通電を断続的に繰り返し行った場合には、連続的に通電した場合に比較して、低電圧域での発光効率の向上効果を得つつ、素子の劣化を招き難い利点がある。
これは、上記界面で発生した熱が、通電のインターバル時に十分周囲に拡散するため、発光層内の温度上昇が抑制され、発光層の劣化を引き起こし難いためであると考えられる。
上記製造方法により得られる有機EL素子によれば、有機物層に電極層が貼り合わせられる等されていても、その低電圧域での発光効率に優れている。
本実施形態に係る有機EL素子の製造方法(以下、「本製造方法」ということがある。)について詳細に説明する。
本製造方法は、陽電極層、発光層を含む有機物層および陰電極層とがこの順に積層された積層構造を有する有機EL素子を製造する素子製造工程と、得られた有機EL素子に対して、所定の加熱を行う加熱工程とを有している。
(素子製造工程)
上記素子製造工程は、上記積層構造を有し、かつ、この積層構造中に、貼り合わせ、印刷または転写による界面を有する有機EL素子を製造することができれば、特に限定されることはない。
上記界面は、陰電極層と有機物層との間、陽電極層と有機物層との間、有機物層中の何れに存在していても良い。好ましくは、ウェットプロセスによる素子の製造性に優れるなどの観点から、上記界面は、陰電極層と有機物層との間に存在していると良い。
上記素子製造工程は、最終的に製造したい有機EL素子の積層構造によって異なってくる。例えば、発光層以外に、正孔注入層や電子注入層を積層したり、陰電極層の有機物層面と反対側面に絶縁層や金属層などを積層したりするなど、その他の機能層を積層する場合には、それに応じた工程にすれば良い。
なお、上記積層構成としては、陽極電極層/発光層/陰電極層、陽極電極層/正孔注入層/発光層/陰電極層、陽極電極層/発光層/電子注入層/陰電極層、陽極電極層/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰電極層、これらの陰電極層の部分を陰電極層/絶縁層/金属層に変更したものなどを例示することができる。
また、上記界面のうち、貼り合わせ、または、転写による界面は、固体状の層同士を貼り合わせることにより形成することができる。
一方、上記界面のうち、印刷、転写または塗布による界面は、各種印刷法、転写法または塗布法により、固体状の層表面にゲル状などの未固体状の層を形成し、この未固体状の層を固体状にするなどして形成することができる。より具体的には、例えば、各種印刷法または塗布法などにより、有機物層表面に各電極層の前駆体層を形成し、これを加熱などして各電極層に変換するなどして形成することができる。
上記素子製造工程では、薄膜の成膜、薄膜同士の貼り合わせを伴うが、これらは、所定の薄膜を成膜した基板同士の貼り合わせにより行うのが好ましい。
具体的には、例えば、(1)基板上に陽電極層、発光層を含む有機物層が順に積層された陽極基板の有機物層と、基板上に陰電極層が積層された陰極基板の陰電極層とを貼り合わせる、(2)基板上に陰電極層、発光層を含む有機物層が順に積層された陰極基板の有機物層と、基板上に陽電極層が積層された陽極基板の陽電極層とを貼り合わせる、(3)基板上に陽電極層、有機物層の一部が順に積層された陽極基板の有機物層と、基板上に陰電極層、有機物層の残部が順に積層された陰極基板の有機物層とを貼り合わせる、などの貼り合わせ方法を例示することができる。
好ましくは、(1)の方法により貼り合わせを行うと良い。反応性の高い陰電極層を最後に成膜することができるので、プロセス中に陰電極層の機能を損ない難いなどの利点があるからである。特に、貼り合わせ法では、ウェットプロセスを活用できることがその利点の一つでもある。そのため、安定に陰電極層を成膜しておき、その後、貼り合わせる(1)の方法が、実用上好ましい。
以下、上記(1)の方法により、次工程で加熱に供するための有機EL素子を製造する場合について例示するが、本製造方法は、これによって何ら制限されるものではなく、積層構造に応じて一部の工程を省略したり、あるいは、必要な工程を適宜追加したりすることができるものである。
上記(1)の方法では、基板上に陽電極層、発光層を含む有機物層が順に積層された陽極基板が準備される。
陽極基板の基板としては、透明性に優れたものであれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば、ガラス基板、フィルム基板などが挙げられる。得られる有機EL素子に付与する剛性、柔軟性などを勘案して適宜選択すれば良い。
上記フィルム基板材料としては、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレートなどを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記陽極基板の基板の厚みは、通常、0.003〜10mmであり、好ましくは0.025〜5mmである。
次に、上記基板上に陽電極層を形成する。
上記陽電極層の材料としては、発光を外部に取り出すなどの観点から、良好な透明性を有する材料を用いるのが良い。陽電極層の材料としては、例えば、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、導電性化合物、または、これらの混合物などを例示することができる。具体的には、例えば、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)などを代表的なものとして例示することができる。
陽電極層の厚みは、1μm以下であることが一般的であり、200nm以下であることが好ましい。陽電極層の抵抗は、数百Ω/sq.以下であることが好ましい。
上記陽電極層を形成する方法としては、具体的には、例えば、真空蒸着法、直流(DC)スパッタリング法、高周波(RF)スパッタリング法、スピンコート法、キャスト法、LB法、パイロゾル法、スプレー法などを例示することができる。
次に、上記陽電極層の上に有機物層を形成する。
上記有機物層の層構成としては、陽電極層側から、発光層だけの単層、発光層/電子注入層、正孔注入層/発光層、正孔注入層/発光層/電子注入層などが挙げられる。
上記正孔注入層の材料としては、具体的には、例えば、テトラアリールベンジシン化合物、芳香族アミン類、ピラゾリン誘導体、トリフェニレン誘導体などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。また、正孔移動度を改善するために、ハロゲン化金属、ルイス酸、有機酸などの電子受容性アクセプタを添加しても良い。
上記正孔注入層の厚みは、1〜200nmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは、10〜100nmの範囲にあると良い。
上記正孔注入層を形成する方法としては、具体的には、例えば、スピンコート法、マイクログラビア法、グラビア法、リバースロールコート法、ダイコート法、ナイフコート法、ディップコート法、バーコート法、キャスト法、印刷法などの各種の湿式法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの各種の乾式法を例示することができる。好ましくは、製造コストを安価にしやすいなどの観点から、湿式法が良い。
上記発光層は、有機発光材料から形成するか、キャリア輸送性(正孔輸送性、電子輸送性、または、両性輸送性)を示す有機材料(以下、「ホスト材料」という場合がある。)に少量の有機発光材料を添加した材料より形成することができる。有機発光材料の選択により、有機EL素子の発光色を容易に設定することができる。
上記発光層を有機発光材料から形成する場合、有機発光材料としては、成膜性に優れ、膜の安定性に優れた材料が用いられる。このような有機発光材料としては、具体的には、例えば、Alq(トリス−(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム)に代表される金属錯体、ポリフェニレンビニレン(PPV)誘導体、ポリフルオレン誘導体などが挙げられる。ホスト材料と共に用いる有機発光材料としては、添加量が少ないために、上記有機発光材料の他に、単独では安定な薄膜を形成し難い蛍光色素なども用いることができる。蛍光色素の例としては、クマリン、DCM誘導体、キナクリドン、ペリレン、ルブレンなどを例示することができる。ホスト材料の例としては、上記Alq 、TPD(トリフェニルジアミン)、電子輸送性のオキサジアゾール誘導体(PBD)、ポリカーボネート系共重合体、ポリビニルカルバゾールなどを例示することができる。また、上記のように発光層を有機発光材料から形成する場合にも、発光色を調節するために、蛍光色素などの有機発光材料を少量添加することもできる。
上記発光層の厚みは、実用的な発光輝度を得るために、200nm以下であることが好ましい。上記発光層は、上記正孔注入層と同様の方法により形成することができる。
上記電子注入層の材料としては、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンピリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、スチルベン誘導体などの電子輸送性材料を例示することができる。また、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)などのアルミキノリノール錯体を用いても良い。
上記電子注入層の厚みは、5〜300nmの範囲にあることが好ましい。上記電子注入層は、上記正孔注入層と同様の方法により形成することができる。
一方、上記(1)の方法では、基板上に陰電極層が積層された陰極基板が準備される。
陰極基板の基板としては、上記陽極基板の基板と同様の材料を用いることができる。詳細は、上述した通りであるので省略する。
上記陰電極層の材料としては、例えば、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金組成物、導電性化合物、または、これらの混合物などを例示することができる。具体的には、例えば、Al、Ti、In、Na、K、Ca、Mg、Ba、Li、Cs、Rbおよび希土類金属などの金属、Na−K合金、Mg−Ag合金、Mg−Cu合金、およびAl−Li合金などの合金組成物を例示することができる。
上記陰電極層の厚みは、1μm以下であることが一般的であり、200nm以下であることがより好ましい。上記陰電極層の抵抗は、1Ω/sq.以下であることが好ましい。上記陰電極層は、上記陽電極層と同様の方法により形成することができる。
上記陰電極層を形成する方法としては、具体的には、例えば、真空蒸着法、直流(DC)スパッタリング法、高周波(RF)スパッタリング法、スピンコート法、キャスト法、LB法、パイロゾル法、スプレー法などを例示することができる。
上記陰極基板は、陰電極層以外に、基板と陰電極層との間に、基板面側から順にヒータ層、絶縁層が積層されていても良い。これらの層がある場合には、貼り合わせた後、ヒータ層を加熱すれば、貼り合わせ界面を選択的に加熱することができる。
ヒータ層の材料としては、例えば、Ni、Alなどの金属、Ni−Cr、SUSなどの合金組成物などを例示することができる。
ヒータ層の厚みは、10〜200nmの範囲にあることが好ましい。ヒータ層を形成する方法としては、具体的には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法などを例示することができる。
また、上記陰極基板は、陰電極層以外に、基板と陰電極層との間に、ガスバリア層が介在されていても良い。貼り合わせた後、陰電極層よりも外側にガスバリア層がある場合には、陰電極層側から素子内部への水分の侵入を抑制することができるなどの利点があるからである。
ガスバリア層の材料としては、例えば、Al箔などの金属、SiNO、SiO、SiN、Alなどの化合物、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの有機物との積層体などを例示することができる。
ガスバリア層の厚みは、0.01〜5μmの範囲にあることが好ましい。ガスバリア層を形成する方法としては、具体的には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法などを例示することができる。
なお、上記ヒータ層、ガスバリア層を、金属材料などの導電性材料で形成した場合には、陰電極層との絶縁を確保するため、絶縁層を積層すれば良い。また、成膜コストが安価になるなどの観点から、ヒータ層とガスバリア層とを一つの層で兼ねる(例えば、金属層を介在させ、両機能を兼ねさせる)ことも可能である。
このようにして陽極基板と陰極基板を準備した後、両者を貼り合わせるには、例えば、陽極基板の有機物層と陰極基板の陰電極層とを互いに重ね合わせ、この状態のものを、ロール温度が所定の温度に設定された一対の加熱ロールの間を通過させ、加熱、加圧するなどすれば良い。
なお、加熱温度、加圧力は、貼り合わせ界面に配置される有機物層の材料などによって異なるが、加熱温度、加圧力が高くなるにつれ、両基板間の接着性が向上する傾向が見られる。
通常、貼り合わせ時の加熱温度としては、貼り合わせ界面に配置される有機物層のガラス転移温度以上の範囲にあることが好ましい。また、貼り合わせ時の加圧力としては、0.5〜10MPaが好ましい。
以上の素子製造工程によれば、陽電極層、発光層を含む有機物層および陰電極層とがこの順に積層された積層構造を有し、かつ、この積層構造中に貼り合わせ、印刷、転写または塗布による界面を有する有機EL素子が得られる。
(加熱工程)
上記加熱工程では、上記素子製造工程を経て製造された有機EL素子の貼り合わせ、印刷、転写または塗布による界面周辺を選択的に加熱する。これにより、上記界面を有する有機EL素子の低電圧域における発光効率を大きく上昇させることができる。
上記加熱は、上記界面周辺を局所的に加熱し、上記界面周辺の有機物層材料を軟化させることができれば良い。したがって、上記加熱は、素子を加熱雰囲気中に置くなどして、素子全体を均一に加熱することとは区別される。
上記界面を選択的に加熱する方法としては、具体的には、例えば、<1>両電極層間に順方向の通電を行う、<2>上記ヒータ層を発熱させる、<3>陰電極層または陽電極層に通電し発熱させる、<4>上記界面周辺を誘導加熱する、<5>上記界面周辺をレーザにて加熱する、などの方法を例示することができる。これらは1種または2種以上組み合わせて行っても良い。
上記のうち、好ましくは、上記界面が電気抵抗となるため、比較的簡単に上記界面周辺を選択的に加熱しやすいなどの観点から、<1>の方法を用いると良い。以下、この<1>の方法について詳しく説明する。
<1>の方法において、順方向の通電とは、陽電極層が陰電極層に対し正の電圧となるように印加電圧をかけ、陽電極層から陰電極層に電流を流すことをいう。
この際、上記通電時に、両電極層間に印加する順方向電圧は、下記で規定される電圧Vb以下であると良い。通電による有機EL素子の劣化を抑制しやすいからである。
Vb:通電を行わずに製造した有機EL素子(上記素子製造工程を経て得られた有機EL素子であって、本発明の加熱工程を経ていないもの)について、0Vから0.5秒間に0.5Vの割合にて印加する駆動電圧を上昇させ、各電圧での輝度と電流とを測定し、測定された発光効率(電流あたりの輝度で表される)が最大となるときの電圧。
また、上記界面で発生した熱の拡散が少なく、上記界面を局所的に温度上昇させやすいなどの観点から、比較的高電圧短時間で電圧を印加するのが好ましい。もっとも、高電圧といっても、素子に損傷を与えない範囲内の電圧である。
具体的には、好ましくは、両電極層間に印加する順方向電圧が1/2Vb〜Vbの範囲内、印加時間が1回あたり60秒以下であると良い。より好ましくは、両電極層間に印加する順方向電圧が1/2Vb〜Vbの範囲内、印加時間が1回あたり30秒以下、さらにより好ましくは、両電極層間に印加する順方向電圧が1/2Vb〜Vbの範囲内、印加時間が1回あたり10秒以下であると良い。
上記通電は、連続して行っても良いし、断続的に繰り返し行っても良い。好ましくは、上記界面で発生した熱が通電のインターバル時に十分周囲に拡散するため、発光層内の温度上昇が抑制され、発光層の劣化を引き起こし難いなどの観点から、上記通電は、断続的に繰り返し行うと良い。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。
1.界面周辺の選択的な加熱の有無による効果の差の確認
(実施例1)
スパッタリング法により、ストライプ状のITO薄膜よりなる陽電極層が形成された厚み0.7mmのガラス基板を準備した。
次いで、上記ITO薄膜の上に、PEDOT:PSS(poly(3,4-ethylene-dioxythiophene)-poly(styrene-sulfonate))を、厚み70nmになるようにスピンコート法で塗布し、乾燥させ、正孔注入層を形成した。
次いで、上記正孔注入層の上に、発光層材料としてMEH−PPV(poly(2-methoxy-5-(2'-ethylhexyloxy)-p-phenylene vinylene)を、厚み70nmになるようにスピンコート法で塗布し、乾燥させ、発光層を形成した。以上により陽極基板を準備した。
次に、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の表面に、スパッタリング法により、Mg−Ag(Mg:90wt%、Ag:10wt%)薄膜よりなる陰電極層を形成した。以上により陰極基板を準備した。
そして、上記準備した陽極基板と陰極基板とを、発光層と陰電極層とが接するように、かつ、各電極層が互いに直交するように重ね合わせた。その後、重ね合わせた陽極基板と陰極基板とを、一対の加熱ロールの間を通過させて圧着温度が180℃となるように加熱、加圧し、両基板を互いに接合させて有機EL素子を得た。
さらに、貼り合わせ界面周辺を選択的に加熱するため、上記有機EL素子の陰電極層と陽電極層との間に順方向の通電を行った。
この際、上記通電時に両電極層間に印加する順方向電圧は、事前に圧着後の有機EL素子(通電なし)を用いて、0Vから0.5秒間に0.5Vの割合にて印加する駆動電圧を上昇させ、各電圧での電流・輝度を測定し、測定された発光効率が最大となるときの電圧Vb(=9V)以下とした。
また、上記通電は、0.5V/秒で0.5V単位で階段状に電圧を上昇させ、最大印加電圧(Vb)にて0.5秒間保持した後、停止することにより行った。
これにより、実施例1に係る有機EL素子を作製した。
(実施例2)
実施例1に係る有機EL素子の作製において、電極接合における圧着温度を220℃とした点以外は同様にして、実施例2に係る有機EL素子を作製した。
(比較例1)
実施例1に係る有機EL素子の作製において、圧着後の有機EL素子の両電極層間に通電を行わなかった以外は同様にして、比較例1に係る有機EL素子を作製した。
(比較例2)
実施例2に係る有機EL素子の作製において、圧着後の有機EL素子の両電極層間に通電を行わなかった以外は同様にして、比較例2に係る有機EL素子を作製した。
(比較例3)
実施例1に係る有機EL素子の作製において、圧着温度を210℃とした点、圧着後の有機EL素子の両電極層間に通電を行わなわず、代わりに、160℃の窒素置換された雰囲気下で圧着後の素子を1時間静置することにより、加熱エージングを行った点以外は同様にして、比較例3に係る有機EL素子を作製した。
(比較例4)
実施例1に係る有機EL素子の作製において、圧着温度を210℃とした点、圧着後の有機EL素子の両電極層間に通電を行わなわず、代わりに、200℃の窒素置換された雰囲気下で圧着後の有機EL素子を1時間静置することにより、加熱エージングを行った点以外は同様にして、比較例4に係る有機EL素子を作製した。
(比較例5)
実施例1に係る有機EL素子の作製において、圧着温度を210℃とした点、圧着後の有機EL素子の両電極層間に通電を行わなわず、かつ、比較例3および比較例4のような加熱エージングも行わなかった点以外は同様にして、比較例5に係る有機EL素子を作製した。
図1は、実施例1および比較例1に係る有機EL素子の電圧(V)と輝度(cd/m)との関係を示した図である。図2は、実施例1および比較例1に係る有機EL素子の電流密度(mA/cm)と発光効率(cd/A)との関係を示した図である。図3は、実施例1および比較例1に係る有機EL素子の電圧(V)と発光効率(cd/A)との関係を示した図である。
図1〜図3によれば、次のことが分かる。すなわち、比較例1に係る有機EL素子は、陽極基板の発光層と陰極基板の陰電極層とを接合した後、両電極層間に順方向の通電を行っていない。
そのため、貼り合わせ界面周辺が選択的に加熱されておらず、低電圧域における発光効率が低かった。
これに対し、実施例1に係る有機EL素子は、陽極基板の発光層と陰極基板の陰電極層とを接合した後、両電極層間に順方向の通電を行っている。そのため、貼り合わせ界面が抵抗となって、当該貼り合わせ界面周辺が選択的に加熱されている。
それ故、低電圧域における発光効率を向上させることができた。
これは、貼り合わせ界面付近の発光層材料が軟化し、陰電極層と発光層との間における平均原子間距離が近づいてエネルギー障壁が小さくなったため、陰電極層からの電子注入性が向上し、低電圧域における発光効率が向上したものと推察される。
図4は、実施例1、実施例2および比較例2に係る有機EL素子の電流密度(mA/cm)と発光効率(cd/A)との関係を示した図である。図5は、実施例1、実施例2および比較例2に係る有機EL素子の電圧(V)と発光効率(cd/A)との関係を示した図である。
図4および図5によれば、次のことが分かる。すなわち、実施例2に係る有機EL素子は、比較例2に係る有機EL素子に比較して、低電圧域における発光効率が高い。また、実施例1に係る有機EL素子と比べると、実施例2に係る有機EL素子の方がより低電圧域での発光効率が高い。
これは、比較例2に係る有機EL素子が、比較例1に係る有機EL素子と比べて圧着温度が高く、発光効率が高電圧側で高いことが影響していると考えられる。なお、比較例2と比較例1とを比べると、界面の密着力に差があり、比較例2の方が高かった。
このことから、貼り合わせ後の密着性がより高い有機EL素子(例えば、より高温で貼り合わされた有機EL素子)について、貼り合わせ界面周辺を選択的に加熱することにより、低電圧域での発光効率を向上させることができ、かつ、最大発光効率の大きな有機EL素子を得ることが可能になると言える。
図6は、比較例3〜比較例5、実施例3に係る有機EL素子の電圧(V)と発光効率(cd/A)との関係を示した図である。
図6によれば、160℃、200℃の何れの温度によって加熱エージングを行った場合でも、発光効率が低下してしまっていることが分かる。
もっとも、比較例3に、さらに両電極間に順方向通電を行うことで、低電圧域における発光効率の向上が確認された(実施例3)。
このことから、従来の加熱エージングは、貼り合わせ界面を有する有機EL素子の低電圧域における発光効率の向上に寄与しないと言える。つまり、素子の貼り合わせ界面を選択的に加熱することによる効果と、従来の加熱エージングのように、素子全体を均一加熱することによる効果とは、全く異質なものであると言える。
2.通電条件の選択
より効果的な通電条件を見出すため、下記の試験A、試験Bを行った。
2.1 試験A
試験Aは、圧着後の有機EL素子に対して、電力量を一定とし、通電時に両電極層間に印加する順方向電圧を変える試験である。
先ず、上記実施例1に係る有機EL素子の作製において圧着温度を210℃とした以外は同様に作製して得た圧着後の有機EL素子(通電なし)を準備した。
次に、上記圧着後の有機EL素子に通電する際の電力量を0.896Ws一定とし、(1)印加電圧:8V、印加時間:10秒、電流値:11.2mA、(2)印加電圧:6V、印加時間:47秒、電流値:3.2mA、および、(3)印加電圧:4V、印加時間:621秒、電流値:0.36mAの各条件にて、上記圧着後の有機EL素子に対して、ステップ状に一定電圧を所定時間かける通電を行った。
これにより、実施例1A(条件(1))、実施例2A(条件(2))および実施例3A(条件(3))に係る有機EL素子を作製した。なお、上記圧着後の素子に対して上記通電を行わなかったものを、比較例1Aに係る有機EL素子(Vb=9V)とした。
図7は、実施例1A〜3Aおよび比較例1Aに係る有機EL素子の電圧(V)と発光効率(cd/A)との関係を示した図である。
図7によれば、全体の温度上昇ではなく、貼り合わせ界面周辺の局所的な温度上昇が、低電圧域における発光効率の向上に寄与していると言える。
さらに、高電圧短時間(印加電圧:1/2Vb〜Vb、印加時間:1分以下)で電圧を印加した方が、低電圧長時間で電圧を印加するよりも、低電圧域における発光効率の向上効果が明らかに大きいことが分かる。
これは、比較的高電圧短時間で電圧を印加することにより、貼り合わせ界面で発生した熱の拡散が少なく、局所的な温度上昇の効果が大きくなったためであると考えられる。
2.2 試験B
試験Bは、圧着後の有機EL素子に対して、通電を時分割して行った場合の効果を確認する試験である。
先ず、実施例1に係る有機EL素子の作製において圧着温度を210℃とした以外は同様に作製して得た圧着後の素子(通電なし)を準備した。
次に、(1)印加電圧:9V一定、印加時間:6秒→5秒→4秒→3秒→2秒(但し、通電加熱による温度が十分に常温に戻るように各印加時間の間隔を1分間ずつあけた。)、(2)印加電圧:9V一定、印加時間:20秒の各条件にて、上記圧着後の素子に対して、通電を行った。
これにより、実施例1B(条件(1))および実施例2B(条件(2))に係る有機EL素子を作製した。なお、上記圧着後の素子に対して上記通電を行わなかったものを、比較例1Bに係る有機EL素子(Vb=9V)とした。
図8は、実施例1B、実施例2Bおよび比較例1Bに係る有機EL素子の電圧(V)と発光効率(cd/A)との関係を示した図である。
図8によれば、実施例1Bに係る有機EL素子、および、実施例2Bに係る有機EL素子ともに、低電圧域における発光効率の向上効果が生じていることが分かる。
もっとも、通電を連続的に行った実施例2Bに係る有機EL素子は、上記効果があるものの、高電圧域では、若干ではあるが、発光効率が低下していた。
これに対し、通電を断続的に繰り返し行った実施例1Bに係る有機EL素子は、連続的に通電した場合に比較して、高電圧域での発光効率の低下は見られなかった。このことから、通電を断続的に繰り返し行えば、低電圧域での発光効率の向上効果が得られ、かつ、高電圧域における発光効率の低下も招き難いことが確認できた。
これは、貼り合わせ界面で発生した熱が通電のインターバル時に十分周囲に拡散するため、発光層内の温度上昇が抑制され、発光層の劣化を引き起こし難いためであると考えられる。
以上、本発明は上記実施形態、実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能なものである。
実施例1および比較例1に係る有機EL素子の電圧(V)と輝度(cd/m)との関係を示した図である。 実施例1および比較例1に係る有機EL素子の電流密度(mA/cm)と発光効率(cd/A)との関係を示した図である。 実施例1および比較例1に係る有機EL素子の電圧(V)と発光効率(cd/A)との関係を示した図である。 実施例1、実施例2および比較例2に係る有機EL素子の電流密度(mA/cm)と発光効率(cd/A)との関係を示した図である。 実施例1、実施例2および比較例2に係る有機EL素子の電圧(V)と発光効率(cd/A)との関係を示した図である。 比較例3〜比較例5、実施例3に係る有機EL素子の電圧(V)と発光効率(cd/A)との関係を示した図である。 実施例1A〜3Aおよび比較例1Aに係る有機EL素子の電圧(V)と発光効率(cd/A)との関係を示した図である。 実施例1B、実施例2Bおよび比較例1Bに係る有機EL素子の電圧(V)と発光効率(cd/A)との関係を示した図である。

Claims (7)

  1. 陽電極層、発光層を含む有機物層および陰電極層とがこの順に積層された積層構造を有し、かつ、この積層構造中に、貼り合わせ、印刷、転写または塗布による界面を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する素子製造工程と、
    得られた有機エレクトロルミネッセンス素子の前記界面周辺を選択的に加熱する加熱工程と、
    を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記界面は、前記陰電極層と前記有機物層との間、または、前記陽電極層と前記有機物層との間に存在することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記加熱は、両電極層間に順方向の通電を行うことによることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 前記通電時に両電極層間に印加する順方向電圧は、下記で規定される電圧Vb以下であることを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
    Vb:前記通電を行わずに製造した有機エレクトロルミネッセンス素子について、0Vから0.5秒間に0.5Vの割合にて印加する駆動電圧を上昇させ、各電圧での輝度と電流とを測定し、測定された電流あたりの輝度で表される発光効率が最大となるときの電圧。
  5. 前記通電は、両電極層間に印加する順方向電圧が1/2Vb〜Vbの範囲内、印加時間が1回あたり60秒以下であることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 前記通電を断続的に繰り返し行うことを特徴とする請求項3から5の何れかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 請求項1から6の何れかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法により製造された有機エレクトロルミネッセンス素子。
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