JP2005251694A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】大気圧低下時等、燃料電池に供給する酸化剤ガスの状態が変化したときでも燃料電池の発電応答時間を正確に推定し、これに基づいて各種機器の制御を高精度に行えるようにする。
【解決手段】コンプレッサが吸入する外気の状態、例えば外気の空気密度を検出し、これに基づきコンプレッサに要求する空気供給流量の補正値を算出する。そして、この補正値で補正した後の空気供給流量を実現するためのモータ回転数指令値に基づいて、燃料電池の発電応答時間を推定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料ガス及び酸化剤ガスの供給により発電する燃料電池を備えた燃料電池システムに関する。
燃料電池システムは、燃料電池に燃料となる水素及び酸化剤となる空気を供給することで、燃料電池で電気化学反応を生じさせて発電電力を得る発電システムである。このような燃料電池システムは、クリーンな排気や高エネルギ効率を実現できることから、例えば車両用電源等の用途に大きな期待が寄せられている。
ところで、燃料電池システムを主電源として搭載する燃料電池車両では、通常、コンプレッサ等で大気を吸入、加圧して燃料電池に供給するようにしているが、例えば高地走行時等のように空気密度が低下した場合、所望の圧力、流量の反応ガス(酸化剤ガス)の供給が困難になり、燃料電池の発電電圧が不安定になったり、反応ガスの供給不足のまま発電電流を取り出すことで、燃料電池の性能の劣化を引き起こす等の問題がある。
そこで、高地走行時等のような空気密度低下時における燃料電池の制御技術として、例えば大気圧を検出して、要求発電電力に対して所望とする酸化剤ガス流量が得られるようにコンプレッサの回転数を補正し、燃料電池の発電を行うことが提案されている(例えば、特許文献1や特許文献2等を参照。)。
特開2002−352826号公報 特開2002−352833号公報
以上の特許文献にも記載されるように、高地走行時等のように大気圧が低下して空気密度が低下した状況では、通常、コンプレッサの回転数を補正することで燃料電池に所望の流量の酸化剤ガスを供給できるようにし、要求される発電電力を実現するようにしている。したがって、このような状況の下では、コンプレッサ回転数の増加やコンプレッサ圧力比の増加によるコンプレッサトルクの増加を余儀なくされ、コンプレッサの仕事量は増加することとなり、その分、燃料電池の発電応答時間が長くなってしまうことになる。
その一方で、例えば燃料電池車両における車両駆動用モータ等、燃料電池システムからの電力供給を受ける側の機器に関しては、燃料電池の発電応答時間を考慮した上でこれらの機器が最適な状態で動作するように制御されるが、通常は、1気圧時の燃料電池発電応答を基準とした制御が行われるので、気圧変化等、酸化剤ガスの状態が変化して燃料電池の発電応答時間に大きな変動が生じると、これらの機器の制御が高精度に行えなくなるといった問題が生じる。
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、燃料電池に供給する酸化剤ガスの状態から燃料電池の発電応答時間を適切に推定し、これに基づいて各種機器の制御を高精度に行えるようにした燃料電池システムを提供することを目的としている。
本発明に係る燃料電池システムでは、燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置の吸入酸化剤ガスの状態を検出し、その検出値を用いて、燃料電池の発電応答時間を推定するようにした。ここで、吸入酸化剤ガスの状態としては、当該酸化剤ガスの圧力や温度、またはこれら圧力及び温度から推定されるガス密度等が挙げられる。本発明に係る燃料電池システムでは、これら酸化剤ガス供給装置が吸入する酸化剤ガスの状態に基づき、例えば、酸化剤ガス供給装置に要求する酸化剤ガス供給流量の補正値を算出し、補正後の酸化剤ガス供給流量を実現するためのモータ回転数指令値に基づいて、燃料電池の発電応答時間を推定する。
本発明に係る燃料電池システムによれば、酸化剤ガス供給装置が吸入する酸化剤ガスの状態が変化した場合でも、そのときの燃料電池の発電応答時間を正確に推定することができる。したがって、この燃料電池システムで推定された燃料電池の発電応答時間に基づいて、例えば車両駆動用モータ等の各種機器の動作制御を行うようにすれば、例えば高地等のように低気圧となる環境下で使用する場合でも、これら機器の動作制御を高精度に行うことが可能になる。
以下、本発明を適用した燃料電池システムの具体的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用した燃料電池システムの一例を示すシステム構成図である。この燃料電池システムは、燃料電池1と、この燃料電池1に燃料ガスである水素を供給する燃料供給系、酸化剤ガスである空気を供給する空気供給系とを備え、燃料電池1の発電によって得られた電力を、燃料電池車両の駆動ユニット2に供給する構成となっている。
燃料電池1は、燃料ガスである水素が供給される燃料極と酸化剤ガスである空気が供給される空気極とが電解質・電極触媒複合体を挟んで重ね合わされた発電セルが多段積層された構造を有し、電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギに変換するものである。各発電セルの燃料極では、水素が供給されることで水素イオンと電子とが解離し、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させて、空気極側にそれぞれ移動する。また、空気極では、供給された空気中の酸素と前記水素イオン及び電子が反応して水が生成され、外部に排出される。
燃料電池1の電解質としては、高エネルギ密度化、低コスト化、軽量化等を考慮して、例えば固体高分子電解質が用いられる。固体高分子電解質は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する。
燃料電池1には、各発電セル、或いは発電セル群の電圧を検出するセル電圧検出装置3が接続されており、このセル電圧検出装置3の出力は、システムコントローラ100に取り込まれるようになっている。システムコントローラ100は、内蔵された制御ソフトウエアに基づいて、本発明を適用した燃料電池システム全体の動作を制御するものである。
燃料供給系は、高圧水素タンク4、可変バルブ5、エゼクタ6、水素供給配管7、水素循環配管8からなる。そして、水素供給源である高圧水素タンク4から供給される水素ガスは、可変バルブ5及びエゼクタ6を通って水素供給配管7へと送り込まれ、加湿器9において加湿された後、燃料電池1の燃料極に供給される。加湿器9には、加湿用純水経路10及び純水ポンプ11が設けられており、純水の流量や温度等によって水素ガスの加湿量が制御される。
燃料電池1では供給された水素ガスは全て消費されるわけではなく、残った水素ガスは燃料電池1から排出された後、水素循環配管8を通ってエゼクタ6により循環され、新たに供給される水素ガスと混合されて、再び燃料電池1の燃料極に供給される。なお、燃料電池1の出口側には、パージ弁12及びパージ配管13が設けられている。水素循環配管8内には水素を循環させることで不純物や窒素等が蓄積され、これにより水素分圧が降下して燃料電池1の効率が低下する場合もある。そこで、燃料電池1の出口側にパージ弁12やパージ配管13を設けることで、水素循環配管8内から不純物や窒素等を除去できるようにしている。
また、燃料供給系においては、水素供給配管7の中途部に水素圧力センサ14及び水素流量センサ15が設けられており、燃料電池1の燃料極に供給される水素の圧力や流量がこれらのセンサにより検出できるようになっている。
空気供給系は、外気を吸入し圧縮して燃料電池1の空気極へと送り込むコンプレッサ16、空気供給配管17、及びスロットル18によって構成されている。コンプレッサ16によって供給される酸化剤としての空気は、水素ガスと同様、加湿器9を通って空気供給配管17より燃料電池1の空気極に供給される。燃料電池1で消費されなかった酸素及び空気中の他の成分は、燃料電池1からスロットル18を介して排出される。
この空気供給系においても、空気供給配管17の中途部に空気圧力センサ19及び空気流量センサ20が設けられており、燃料電池1に供給される空気の圧力や流量がこれらのセンサによって検出できるようになっている。また、コンプレッサ16の前段(空気吸入側)には、吸入空気圧力センサ21及び吸入空気温度センサ22が設けられており、コンプレッサ16により吸入される空気の圧力や温度がこれらのセンサによって検出できるようになっている。
以上のように構成される燃料電池システムにおいては、空気圧力センサ19や空気流量センサ20、水素圧力センサ14や水素流量センサ15、セル電圧検出装置3の検出値が、それぞれシステムコントローラ100によって常時モニタリングされる。そして、システムコントローラ100は、これらの検出値が、そのときの目標発電量から決まる所定の目標値になるように、コンプレッサ16やスロットル18、可変バルブ5等を制御する。同時に、目標値に対して実際に実現されている圧力、流量に応じて、駆動ユニット2による燃料電池1からの電力取り出しを制御する。
また、特に、本実施形態の燃料電池システムにおいては、システムコントローラ100が吸入空気圧力センサ21や吸入空気温度センサ22の検出値も常時モニタリングしており、これらの検出値からコンプレッサ16が吸入する空気の状態(例えば空気密度)を判定し、吸入空気の状態に基づき燃料電池1の発電応答時間を推定するようにしている。そして、推定した燃料電池1の発電応答時間に応じて、駆動ユニット2の電力取り出し制御を行うようにしている。
以下、本実施形態の燃料電池システムにおけるシステムコントローラ100による制御の詳細について、本実施形態に特徴的な燃料電池1の発電応答時間を推定する処理を中心に具体的な例を挙げながら説明する。
図2は、システムコントローラ100における発電応答時間推定に関する機能を概略的に示す機能ブロック図である。この図2に示すように、システムコントローラ100は、空気供給流量基本値算出手段101、空気供給流量補正値算出手段102、モータ回転数制御手段103、燃料電池発電応答時間推定手段104としての機能を有する。
空気供給流量基本値算出手段101は、燃料電池1に要求される目標発電量と、空気圧力センサ19及び空気流量センサ20の検出値とに基づいて、コンプレッサ16に要求される空気供給流量の基本値を算出する。
空気供給流量補正値算出手段102は、コンプレッサ16が吸入する外気の状態に基づいて、空気供給流量基本値算出手段101が算出した空気供給流量の基本値に対する補正値を算出する。具体的には、空気供給流量補正値算出手段102は、吸入空気圧力センサ21の検出値と吸入空気温度センサ22の検出値とに基づいて、コンプレッサ16が吸入する外気の空気密度を推定し、例えば大気圧の低下によって外気の空気密度が低下している状況下では、空気流量の増加によって必要な酸素量が補えるように、推定した外気の空気密度に応じて、コンプレッサ16に要求する空気供給流量の補正値を算出する。
モータ回転数制御手段103は、空気供給流量補正値算出手段102で算出した補正値で補正した空気流量が燃料電池1に供給されるように、コンプレッサ16のモータ(以下、コンプレッサモータという。)に対して回転数指令値を出力し、コンプレッサモータの回転数を制御する。
燃料電池発電応答時間推定手段104は、モータ回転数制御手段103からコンプレッサモータに出力される回転数指令値、すなわちコンプレッサ16が吸入する外気の状態に応じて補正された空気供給流量を実現するためのコンプレッサモータの回転数指令値に基づいて、燃料電池1の発電応答時間を推定する。本実施形態の燃料電池システムにおいては、この燃料電池発電応答時間推定手段104により推定される燃料電池1の発電応答時間に応じて、駆動ユニット2の動作制御が実行されることになる。
本実施形態の燃料電池システムにおいては、コンプレッサ16が吸入する外気の状態、例えば外気の空気密度が低下している状況下では、燃料電池1で必要とされる酸素量を確保するために、コンプレッサモータの回転数を上昇させて空気供給流量を増加させるようにしている。このため、外気の空気密度が低下している状況下では、このコンプレッサ16の仕事量が増加する分、燃料電池1の発電応答時間に遅れが生じることになる。このとき、燃料電池1の発電応答時間の遅れを無視して燃料電池1からの電力取り出しを実施しようとすると、燃料電池1から取り出す電力がその時点での発電可能な電力で制限されて、駆動ユニット2の安定的な制御の妨げとなる。
そこで、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池発電応答時間推定手段104でその時点での燃料電池1の発電応答時間を推定し、それに応じて駆動ユニット2による燃料電池1からの電力取り出しを制御することで、以上のような問題を回避するようにしている。
図3は、以上のようなシステムコントローラ100により所定時間(例えば10msec)毎に実行される制御フローの一例を示すフローチャートである。
本制御フローがスタートすると、システムコントローラ100は、先ず、ステップS1において、吸入空気圧力センサ21の検出値及び吸入空気温度センサ22の検出値を取り込んで、これらの検出値に基づき、コンプレッサ16が吸入する外気の状態(空気密度)を推定する。
ここで、外気の標準状態(0℃、101.325kPa)における空気密度は1.293[g/L]であるので、吸入空気圧力センサ21により検出される外気の圧力(大気圧)をP[kPa]、吸入空気温度センサ22により検出される外気温度をTCMP_IN1[degC]とすると、コンプレッサ16が吸入する外気の空気密度σ[g/L]は、下記式(1)により算出できる。
σ=(1.293/(1+0.00367×TCMP_IN))×P/101.325[g/L] ・・・(1)
次に、ステップS2において、空気圧力センサ19の検出値及び空気流量センサ20の検出値を取り込み、これらの検出値と燃料電池1に要求される目標発電量とから、コンプレッサ16に要求される空気供給流量の基本値を算出する(空気供給流量基本値算出手段101)。
具体的には、例えば、標準状態時において燃料電池1で所望の発電電力を得るために燃料電池1に対して供給する必要のある空気流量を予め実験等によって求め、燃料電池1の発電量と空気供給流量との関係を求めておく。そして、実際に駆動ユニット2で要求している電力(例えば、車両駆動用モータや補機類、2次バッテリ等で要求する電力)を燃料電池1の目標発電量とし、予め求めておいた燃料電池1の発電量と空気供給流量との関係から、標準状態時において燃料電池1の目標発電量を実現するために要求される空気供給流量を求め、これをコンプレッサ16に要求される空気供給流量の基本値Q[L/min]とする。
次に、ステップS3において、ステップS1で推定した外気の空気密度に基づいて、ステップS2で算出した空気供給流量の基本値に対する補正値を算出する(空気供給流量補正値算出手段102)。
ここで、ステップS3で算出した補正値で補正した空気供給流量Q[L/min]は、ステップS1で検出した大気圧P[kPa]及び外気温度TCMP_IN1[degC]と、ステップS2で算出した空気供給流量の基本値Q[L/min]とから、下記式(2)により算出できる。
=Q×(101.325/P)×((TCMP_IN1+273.15)/273.15)[L/min] ・・・(2)
次に、ステップS4において、ステップS3で算出した補正値で補正された空気流量が燃料電池1に供給されるように、コンプレッサモータに対して回転数指令値を出力してコンプレッサモータの回転数を制御する(モータ回転数制御手段103)。
具体的には、例えば、予め実験等によってコンプレッサモータの回転数とコンプレッサ16から燃料電池1に供給される空気流量との関係を求めておき、このコンプレッサ回転数と空気供給流量との関係から、ステップS3で算出した補正値で補正された空気供給流量Q[L/min]を実現するためのコンプレッサモータの回転数指令値NCMP1[rpm]を算出する。そして、この回転数指令値NCMP1[rpm]をコンプレッサモータに出力して、コンプレッサモータの回転数を制御する。
次に、ステップS5において、コンプレッサモータに出力した回転数指令値、すなわちコンプレッサ16が吸入する外気の状態に応じて補正された空気供給流量を実現するためのコンプレッサモータの回転数指令値に基づいて、燃料電池1の発電応答時間を推定する(燃料電池発電応答時間推定手段)。そして、推定した燃料電池1の発電応答時間に応じて、駆動ユニット2の動作制御を実行する。
ここで、ステップS5における燃料電池1の発電応答時間の推定方法について、図4を用いて説明する。
図4(a)は、コンプレッサ16が吸入する外気の空気密度と、燃料電池1の目標発電量を実現するためのコンプレッサモータの目標回転数との関係を示すものである。この図4(a)に示すように、外気の空気密度が低下するに従って、燃料電池1の目標発電量を実現するためのコンプレッサモータの目標回転数が増加することになり、外気の空気密度がσ[g/L]の場合には、燃料電池1に供給する空気流量を実現するためのコンプレッサモータの目標回転数はNCMP_IN1[rpm]となる。なお、図中のσ[g/L]は標準状態時における外気の気圧密度を示し、NCMP_IN0[rpm]は標準状態時に燃料電池1に供給する空気流量を実現するためのコンプレッサモータの目標回転数である。
図4(b)は、コンプレッサモータの回転数と燃料電池1の実発電量との関係を、外気の空気密度が標準状態(σ=σ[g/L])のときと、空気密度が低下(σ=σ[g/L])しているときとで対比しながら示したものである。この図4(b)から、燃料電池1に対する発電電力指令値の変化量が一定であるとすると、コンプレッサモータに対する回転数指令値の変化量も一定であるので、コンプレッサ16が吸入する外気の空気密度低下に伴ってコンプレッサモータの目標回転数到達時間がΔtσ1分だけ遅れると、燃料電池1の発電電力応答時間(燃料電池1の実発電量が目標発電電力GTargetに到達するまでの応答時間)も、外気が標準状態のときの発電応答時間tに対してΔtσ1に相当する分だけ遅れが生じ、外気の空気密度がσ[g/L]のときでは、燃料電池1の発電応答時間がt[sec]となることが分かる。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、コンプレッサ16が吸入する外気の状態、具体的には外気の空気密度に基づいて、コンプレッサ16に要求される空気供給流量の補正値を算出し、この補正値で補正した空気供給流量を実現するためのコンプレッサモータへの回転数指令値に基づいて燃料電池1の発電応答時間を推定するようにしているので、例えば当該燃料電池システムを搭載した燃料電池車両が高地を走行している場合のように、外気の状態が標準状態から変化したときでも、燃料電池1の発電応答時間を正確に推定することができる。そして、この推定した燃料電池1の発電応答時間に応じて駆動ユニット2の動作制御を実行することで、駆動ユニット2の動作制御が不安定になることを有効に抑制して、高精度な動作制御を実現することができる。
なお、以上の説明では、外気の空気密度に応じて補正した空気供給流量からコンプレッサモータへの回転数指令値を求め、この回転数指令値に基づいて燃料電池1の発電応答時間を推定する場合を例に挙げたが、その他、外気の空気密度低下時にはコンプレッサモータのトルクが増加することになるので、このコンプレッサモータのトルクから燃料電池1の発電応答時間を推定するようにしてもよい。
また、以上の説明では、コンプレッサ16が吸入する外気の状態として、外気の空気密度を算出し、これに応じたコンプレッサモータへの回転数指令値に基づいて燃料電池1の発電応答時間を推定する手法について例示したが、燃料電池1の発電応答時間を推定する基準となる外気の状態としては、空気密度を大気圧で代用することも可能である。
すなわち、燃料電池1の目標発電量を実現するためのコンプレッサモータの目標回転数と大気圧との関係は、図5に示すように、外気の空気密度とコンプレッサモータの目標回転数との関係(図4(a)参照。)と同様の関係になるので、コンプレッサ16が吸入する外気の状態として大気圧を検出し、検出した大気圧に応じて補正した空気供給流量を確保するためのコンプレッサモータへの回転数指令値を求め、この回転数指令値に基づいて燃料電池1の発電応答時間を推定するようにしても、燃料電池1の発電応答時間をある程度の正確さをもって推定することが可能である。
また、同様に、燃料電池1の発電応答時間を推定する基準となる外気の状態としては、コンプレッサ16が吸入する外気の空気密度を外気温度で代用することも可能である。
すなわち、燃料電池1の目標発電量を実現するためのコンプレッサモータの目標回転数と外気温度との関係は、図6に示すように、外気の空気密度とコンプレッサモータの目標回転数との関係(図4(a)参照。)と同様の関係になるので、コンプレッサ16が吸入する外気の状態として外気温度を検出し、検出した外気温度に応じて補正した空気供給流量を確保するためのコンプレッサモータへの回転数指令値を求め、この回転数指令値に基づいて燃料電池1の発電応答時間を推定するようにしても、燃料電池1の発電応答時間をある程度の正確さをもって推定することが可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明を適用した第2の実施形態の燃料電池システムについて説明する。本実施形態の燃料電池システムは、上述した第1の実施形態と同様の構成を有し、システムコントローラ100が燃料電池1の発電応答時間を推定する手法も基本的には第1の実施形態と同様であるが、コンプレッサモータに過剰なトルク要求を行った場合に懸念される故障等の問題を回避できるように、空気供給流量を補正する場合における流量変化量に制限を設けるようにした点に特徴を有するものである。
すなわち、コンプレッサ16が吸入する外気の空気密度が低下したときには、その密度低下分を補うためにコンプレッサモータの回転数増加により空気供給流量を増加させるようにしているが、コンプレッサモータの回転数が増加するとそれに伴いコンプレッサモータのトルクも増加することになる。また、大気圧低下時には、コンプレッサ16が必要な圧力比を確保するために、コンプレッサモータに要求されるトルクが増加することになる。このようなコンプレッサモータのトルク増加は、ある程度の増加分は特に問題とはならないが、過剰に増加するようなトルク要求を行ってしまうと、コンプレッサモータに故障等を生じさせる要因となる。そこで、本実施形態の燃料電池システムでは、コンプレッサモータに過剰なトルク要求を行わない範囲で所望の空気供給流量が得られるように、空気供給流量を補正する場合における流量変化量に制限を設けるようにしている。
以下、上述した第1の実施形態と同様の内容については重複した説明を省略し、本実施形態に特徴的なシステムコントローラ100の処理内容についてのみ、具体的な例を挙げて説明する。
図7は、本実施形態に特徴的なシステムコントローラ100の処理内容を示すフローチャートであり、図3に示したメインのフローチャートにおけるステップS4の処理のサブルーチンに相当するものである。
本実施形態の燃料電池システムでは、システムコントローラ100は、図3に示したメインのフローチャートにおけるステップS3で空気供給流量の基本値に対する補正値を算出すると、次に、ステップS11において、この補正値で補正された空気供給流量を実現するためのコンプレッサモータの目標回転数に基づき、コンプレッサモータのトルクを推定する。
具体的には、先ず、コンプレッサ16が吸入する外気の圧力(大気圧)がP[kPa]、外気温度がTCMP_IN1[degC](空気密度σ[g/L])で、燃料電池1により目標発電電力GTarget[kW]を発電する場合において、燃料電池1の目標発電電力GTarget[kW]に応じたコンプレッサ16の目標吐出圧力PCMPOUT_Target[kPa]から求まるコンプレッサ16の圧力比(=PCMPOUT_Target/P)と、外気が標準状態の場合にコンプレッサ16に要求される空気供給流量の基本値とに基づき、コンプレッサモータのトルク定常分を算出する。また、ステップS3で算出した補正値で補正された空気流量Q[L/min]を実現するためのコンプレッサモータの回転数指令値NCMP1[rpm]を算出し、この回転数指令値NCMP1[rpm]から求まるコンプレッサモータの目標角速度と、コンプレッサモータの慣性モーメントとに基づいて、コンプレッサモータのトルク過渡分を算出する。そして、これらコンプレッサモータのトルク定常分とトルク過渡分とを加算して、コンプレッサモータのトルク推定値を算出する。
次に、ステップS12において、ステップS11で推定したコンプレッサモータのトルク推定値が、コンプレッサモータの耐久性から求まる上限トルク(コンプレッサモータに故障等を生じさせることなく出力可能な最大トルク)を上回るかどうかを判定する。そして、ステップS12での判定の結果、ステップS11で推定したコンプレッサモータのトルク推定値が上限トルクを上回ると判断される場合には、ステップS13において、コンプレッサモータのトルクが上限トルクを超えないように、補正後の空気供給流量の変化量、すなわち補正後の目標空気供給流量に到達するまでの空気供給流量の変化量に制限を加える。一方、ステップS11で推定したコンプレッサモータのトルク推定値が上限トルクを上回らない場合には、ステップS14へと処理を移行する。
ここで、補正後の空気供給流量の変化量を制限する方法について、図8を用いて説明する。
図8(a)は、コンプレッサ16が吸入する外気の空気密度がσ[g/L]の場合におけるコンプレッサモータの上限トルクを示したものである。この図8(a)に示すように、コンプレッサモータの上限トルクはコンプレッサモータの回転数に応じて定まり、補正後の空気供給流量を実現するコンプレッサモータ回転数がNCMP1[rpm]とすると、そのときのコンプレッサモータ上限トルクは、TrqCMP_UPPERLMT[Nm]となる。
図8(b)は、コンプレッサモータの回転数及び空気供給流量の変化とコンプレッサモータトルクの変化との関係を、上限トルクによる制限を加える場合と制限を加えない場合とを対比しながら示したものである。この図8(b)に示すように、コンプレッサモータのトルクが上限トルクTrqCMP_UPPERLMT[Nm]を超えないように空気供給流量の変化量に制限を加えると、空気供給流量が補正後の目標空気流量Q[L/min]に到達するまでの時間(コンプレッサモータの回転数が目標回転数NCMP1[rpm]に到達するまでの時間)がt[sec]となり、変化量に制限を加えない場合の到達時間t[sec]に比べて、Δt分の遅れが生じることになる。そして、このときの空気供給流量の変化量の制限値Q1_LMT2[L/min/sec]は、下記式(3)によって求められる。
1_LMT2=Q/t[L/min/sec] ・・・(3)
次に、システムコントローラ100は、ステップS14において、補正後の空気供給流量Q[L/min]を実現するためにコンプレッサモータの回転数を制御するが、このとき、ステップS11で推定したコンプレッサモータのトルク推定値が上限トルクを上回ると判断され、ステップS13で空気供給流量の変化量の制限値Q1_LMT2[L/min/sec]を算出した場合には、この制限値Q1_LMT2[L/min/sec]に基づいて、コンプレッサモータの回転数を制御する。
すなわち、ステップS11で推定したコンプレッサモータのトルク推定値が上限トルクを上回ると判断された場合は、図6(b)に示したように、空気供給流量が補正後の目標空気流量Q[L/min]に到達するまでの時間、すなわち、コンプレッサモータの回転数が目標回転数NCMP1[rpm]に到達するまでの時間がt[sec]となるように、コンプレッサモータの回転数を制御する。
ここで、以上のように空気供給流量の変化量に制限を加えた場合における燃料電池1の発電応答時間の遅れ分は、コンプレッサモータの回転数が目標回転数NCMP1[rpm]に到達するまでの時間の遅れ分Δtとほぼ等価となる。したがって、コンプレッサ16が吸入する外気の空気密度がσ[g/L]の場合で、コンプレッサモータのトルク推定値が上限トルクTrqCMP_UPPERLMT[Nm]を超えないように空気供給流量の変化量に制限を加えた場合の燃料電池1の発電応答時間はt[sec]となる。
また、コンプレッサ16が吸入する外気が標準状態のときの燃料電池1の発電応答時間t[sec]と、コンプレッサ16が吸入する外気の空気密度がσ[g/L]の場合で、コンプレッサモータのトルク推定値が上限トルクTrqCMP_UPPERLMT[Nm]を超えないように空気供給流量の変化量に制限を加えた場合の燃料電池1の発電応答時間t[sec]との関係は、下記式(4)のようになる。
=t+Δtσ1+Δt ・・・(4)
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、システムコントローラ100がコンプレッサモータの回転数を制御する際に、コンプレッサモータのトルクが上限トルクを上回ることが推定される場合には、コンプレッサモータのトルクが上限トルク以下となるようにコンプレッサ16に要求する空気供給流量の変化量に制限を加えるようにし、また、この制限値に基づくコンプレッサモータの回転数から燃料電池1の発電応答時間を推定するようにしているので、コンプレッサモータのトルクが上限トルクを上回ることに起因して生じる故障等の問題を有効に回避しながら、燃料電池1の発電応答時間を正確に推定することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明を適用した第3の実施形態の燃料電池システムについて説明する。本実施形態の燃料電池システムは、上述した第1の実施形態と同様の構成を有し、システムコントローラ100が燃料電池1の発電応答時間を推定する手法も基本的には第1の実施形態と同様であるが、コンプレッサ16が吐出する空気圧力が過剰となった場合に懸念されるコンプレッサ16下流側の部品や燃料電池1の故障等の問題を回避できるように、空気供給流量を補正する場合における流量変化量に制限を設けるようにした点に特徴を有するものである。
すなわち、コンプレッサ16が吸入する外気の空気密度が低下したときには、その密度低下分を補うために空気供給流量を増加させるようにしているが、空気供給流量を増加させる際の変化量が大きいとコンプレッサ16が吐出する空気圧力が一時的に過大となって、コンプレッサ16下流側の部品や燃料電池1に故障等を生じさせる要因となる場合がある。そこで、本実施形態の燃料電池システムでは、コンプレッサ16が吐出する空気圧力が過剰とならない範囲で所望の空気供給流量が得られるように、空気供給流量を補正する場合の流量変化量に制限を設けるようにしている。
以下、上述した第1の実施形態と同様の内容については重複した説明を省略し、本実施形態に特徴的なシステムコントローラ100の処理内容についてのみ、具体的な例を挙げて説明する。
図9は、本実施形態に特徴的なシステムコントローラ100の処理内容を示すフローチャートであり、図3に示したメインのフローチャートにおけるステップS4の処理のサブルーチンに相当するものである。
本実施形態の燃料電池システムでは、システムコントローラ100は、図3に示したメインのフローチャートにおけるステップS3で空気供給流量の基本値に対する補正値を算出すると、次に、ステップS21において、この補正値で補正された空気供給流量を実現するためのコンプレッサモータの目標回転数に基づき、コンプレッサ16が吐出する空気の圧力を推定する。
具体的には、例えば、外気の空気密度と、その空気密度から求められる目標回転数でコンプレッサモータを駆動した場合のコンプレッサ16の吐出側空気圧力推定値PCMPOUT_EST[kPa]との関係を予め実験等によって求めておき、この空気密度とコンプレッサ16の吐出側空気圧力推定値との関係から、図3のステップS1で算出した空気密度の場合におけるコンプレッサ16吐出側の空気圧力を推定する。
次に、ステップS22において、ステップS21で推定したコンプレッサ16吐出側の空気圧力推定値が、コンプレッサ16下流側の部品や燃料電池1の耐久性から求まる上限圧力を上回るかどうかを判定する。そして、ステップS22での判定の結果、ステップS21で推定したコンプレッサ16吐出側の空気圧力推定値が上限圧力を上回ると判断される場合には、ステップS23において、コンプレッサ16吐出側の空気圧力が上限圧力を超えないように、補正後の空気供給流量の変化量、すなわち補正後の目標空気供給流量に到達するまでの空気供給流量の変化量に制限を加える。一方、ステップS21で推定したコンプレッサ16吐出側の空気圧力推定値が上限圧力を上回らない場合には、ステップS24へと処理を移行する。
ここで、補正後の空気供給流量の変化量を制限する方法について、図10を用いて説明する。
図10は、コンプレッサモータの回転数及び空気供給流量の変化とコンプレッサ16吐出側の空気圧力の変化との関係を、上限圧力による制限を加える場合と制限を加えない場合とを対比しながら示したものである。この図10に示すように、コンプレッサ16吐出側の空気圧力が上限圧力PCMPOUT_UPPERLMT[kPa]を超えないように空気供給流量の変化量に制限を加えると、空気供給流量が補正後の目標空気流量Q[L/min]に到達するまでの時間(コンプレッサモータの回転数が目標回転数NCMP1[rpm]に到達するまでの時間)がt[sec]となり、変化量に制限を加えない場合の到達時間t[sec]に比べて、Δt分の遅れが生じることになる。そして、このときの空気供給流量の変化量の制限値Q1_LMT3[L/min/sec]は、下記式(5)によって求められる。
1_LMT3=Q/t[L/min/sec] ・・・(5)
次に、システムコントローラ100は、ステップS24において、補正後の空気供給流量Q[L/min]を実現するためにコンプレッサモータの回転数を制御するが、このとき、ステップS21で推定したコンプレッサ16吐出側の空気圧力推定値が上限圧力を上回ると判断され、ステップS23で空気供給流量の変化量の制限値Q1_LMT3[L/min/sec]を算出した場合には、この制限値Q1_LMT3[L/min/sec]に基づいて、コンプレッサモータの回転数を制御する。
すなわち、ステップS21で推定したコンプレッサ16吐出側の空気圧力推定値が上限圧力を上回ると判断された場合は、図10に示したように、空気供給流量が補正後の目標空気流量Q[L/min]に到達するまでの時間、すなわち、コンプレッサモータの回転数が目標回転数NCMP1[rpm]に到達するまでの時間がt[sec]となるように、コンプレッサモータの回転数を制御する。
ここで、以上のように空気供給流量の変化量に制限を加えた場合における燃料電池1の発電応答時間の遅れ分は、コンプレッサモータの回転数が目標回転数NCMP1[rpm]に到達するまでの時間の遅れ分Δtとほぼ等価となる。したがって、コンプレッサ16が吸入する外気の空気密度がσ[g/L]の場合で、コンプレッサ16吐出側の空気圧力推定値が上限圧力PCMPOUT_UPPERLMT[kPa]を超えないように空気供給流量の変化量に制限を加えた場合の燃料電池1の発電応答時間はt[sec]となる。
また、コンプレッサ16が吸入する外気が標準状態のときの燃料電池1の発電応答時間t[sec]と、コンプレッサ16が吸入する外気の空気密度がσ[g/L]の場合で、コンプレッサ16吐出側の空気圧力推定値が上限圧力PCMPOUT_UPPERLMT[kPa]を超えないように空気供給流量の変化量に制限を加えた場合の燃料電池1の発電応答時間t[sec]との関係は、下記式(6)のようになる。
=t+Δtσ1+Δt ・・・(6)
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、システムコントローラ100がコンプレッサモータの回転数を制御する際に、コンプレッサ16吐出側の空気圧力が上限圧力を上回ることが推定される場合には、コンプレッサ16吐出側の空気圧力が上限圧力以下となるようにコンプレッサ16に要求する空気供給流量の変化量に制限を加えるようにし、また、この制限値に基づくコンプレッサモータの回転数から燃料電池1の発電応答時間を推定するようにしているので、コンプレッサ16吐出側の空気圧力が上限圧力を上回ることに起因して生じるコンプレッサ16下流側の部品や燃料電池1の故障等の問題を有効に回避しながら、燃料電池1の発電応答時間を正確に推定することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明を適用した第4の実施形態の燃料電池システムについて説明する。本実施形態の燃料電池システムは、上述した第1の実施形態と同様の構成を有し、システムコントローラ100が燃料電池1の発電応答時間を推定する手法も基本的には第1の実施形態と同様であるが、コンプレッサ16が吐出する空気の温度が過剰となった場合に懸念されるコンプレッサ16下流側の部品や燃料電池1の故障等の問題を回避できるように、空気供給流量を補正する場合における流量変化量に制限を設けるようにした点に特徴を有するものである。
すなわち、コンプレッサ16が吸入する外気の空気密度が低下したときには、その密度低下分を補うために空気供給流量を増加させるようにしているが、空気供給流量を増加させる際の変化量が大きいとコンプレッサ16が吐出する空気の温度が一時的に過大となって、コンプレッサ16下流側の部品や燃料電池1に故障等を生じさせる要因となる場合がある。そこで、本実施形態の燃料電池システムでは、コンプレッサ16が吐出する空気の温度が過剰とならない範囲で所望の空気供給流量が得られるように、空気供給流量を補正する場合の流量変化量に制限を設けるようにしている。
以下、上述した第1の実施形態と同様の内容については重複した説明を省略し、本実施形態に特徴的なシステムコントローラ100の処理内容についてのみ、具体的な例を挙げて説明する。
図11は、本実施形態に特徴的なシステムコントローラ100の処理内容を示すフローチャートであり、図3に示したメインのフローチャートにおけるステップS4の処理のサブルーチンに相当するものである。
本実施形態の燃料電池システムでは、システムコントローラ100は、図3に示したメインのフローチャートにおけるステップS3で空気供給流量の基本値に対する補正値を算出すると、次に、ステップS31において、この補正値で補正された空気供給流量を実現するためのコンプレッサモータの目標回転数に基づき、コンプレッサ16が吐出する空気の温度を推定する。
具体的には、例えば、外気の空気密度と、その空気密度から求められる目標回転数でコンプレッサモータを駆動した場合のコンプレッサ16の吐出側空気温度推定値TCMPOUT_EST[degC]との関係を予め実験等によって求めておき、この空気密度とコンプレッサ16の吐出側空気温度推定値との関係から、図3のステップS1で算出した空気密度の場合におけるコンプレッサ16吐出側の空気温度を推定する。
次に、ステップS32において、ステップS31で推定したコンプレッサ16吐出側の空気温度推定値が、コンプレッサ16下流側の部品や燃料電池1の耐久性から求まる上限温度を上回るかどうかを判定する。そして、ステップS32での判定の結果、ステップS31で推定したコンプレッサ16吐出側の空気温度推定値が上限温度を上回ると判断される場合には、ステップS33において、コンプレッサ16吐出側の空気温度が上限温度を超えないように、補正後の空気供給流量の変化量、すなわち補正後の目標空気供給流量に到達するまでの空気供給流量の変化量に制限を加える。一方、ステップS31で推定したコンプレッサ16吐出側の空気温度推定値が上限温度を上回らない場合には、ステップS34へと処理を移行する。
ここで、補正後の空気供給流量の変化量を制限する方法について、図12を用いて説明する。
図12は、コンプレッサモータの回転数及び空気供給流量の変化とコンプレッサ16吐出側の空気温度の変化との関係を、上限温度による制限を加える場合と制限を加えない場合とを対比しながら示したものである。この図12に示すように、コンプレッサ16吐出側の空気温度が上限温度TCMPOUT_UPPERLMT[degC]を超えないように空気供給流量の変化量に制限を加えると、空気供給流量が補正後の目標空気流量Q[L/min]に到達するまでの時間(コンプレッサモータの回転数が目標回転数NCMP1[rpm]に到達するまでの時間)がt[sec]となり、変化量に制限を加えない場合の到達時間t[sec]に比べて、Δt分の遅れが生じることになる。そして、このときの空気供給流量の変化量の制限値Q1_LMT4[L/min/sec]は、下記式(7)によって求められる。
1_LMT4=Q/t[L/min/sec] ・・・(7)
次に、システムコントローラ100は、ステップS34において、補正後の空気供給流量Q[L/min]を実現するためにコンプレッサモータの回転数を制御するが、このとき、ステップS31で推定したコンプレッサ16吐出側の空気温度推定値が上限温度を上回ると判断され、ステップS33で空気供給流量の変化量の制限値Q1_LMT4[L/min/sec]を算出した場合には、この制限値Q1_LMT4[L/min/sec]に基づいて、コンプレッサモータの回転数を制御する。
すなわち、ステップS31で推定したコンプレッサ16吐出側の空気温度推定値が上限温度を上回ると判断された場合は、図12に示したように、空気供給流量が補正後の目標空気流量Q[L/min]に到達するまでの時間、すなわち、コンプレッサモータの回転数が目標回転数NCMP1[rpm]に到達するまでの時間がt[sec]となるように、コンプレッサモータの回転数を制御する。
ここで、以上のように空気供給流量の変化量に制限を加えた場合における燃料電池1の発電応答時間の遅れ分は、コンプレッサモータの回転数が目標回転数NCMP1[rpm]に到達するまでの時間の遅れ分Δtとほぼ等価となる。したがって、コンプレッサ16が吸入する外気の空気密度がσ[g/L]の場合で、コンプレッサ16吐出側の空気温度推定値が上限温度TCMPOUT_UPPERLMT[degC]を超えないように空気供給流量の変化量に制限を加えた場合の燃料電池1の発電応答時間はt[sec]となる。
また、コンプレッサ16が吸入する外気が標準状態のときの燃料電池1の発電応答時間t[sec]と、コンプレッサ16が吸入する外気の空気密度がσ[g/L]の場合で、コンプレッサ16吐出側の空気温度推定値が上限温度TCMPOUT_UPPERLMT[degC]を超えないように空気供給流量の変化量に制限を加えた場合の燃料電池1の発電応答時間t[sec]との関係は、下記式(8)のようになる。
=t+Δtσ1+Δt ・・・(8)
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、システムコントローラ100がコンプレッサモータの回転数を制御する際に、コンプレッサ16吐出側の空気温度が上限温度を上回ることが推定される場合には、コンプレッサ16吐出側の空気温度が上限温度以下となるようにコンプレッサ16に要求する空気供給流量の変化量に制限を加えるようにし、また、この制限値に基づくコンプレッサモータの回転数から燃料電池1の発電応答時間を推定するようにしているので、コンプレッサ16吐出側の空気温度が上限温度を上回ることに起因して生じるコンプレッサ16下流側の部品や燃料電池1の故障等の問題を有効に回避しながら、燃料電池1の発電応答時間を正確に推定することができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明を適用した第5の実施形態の燃料電池システムについて説明する。本実施形態の燃料電池システムは、第2の実施形態で説明したコンプレッサモータの上限トルクによる空気供給流量変化量の制限と、第3の実施形態で説明したコンプレッサ16吐出側の上限圧力による空気供給流量変化量の制限と、第4の実施形態で説明したコンプレッサ16吐出側の上限温度による空気供給流量変化量の制限とを組み合わせたものである。
すなわち、本実施形態の燃料電池システムでは、コンプレッサ16が吸入する外気の状態に応じて空気供給流量を補正する際、第2の実施形態と同様に、コンプレッサモータのトルクが上限トルクを超えない範囲で所望の空気供給流量が得られるように流量変化量制限値を算出し、また、第3の実施形態と同様に、コンプレッサ16吐出側の空気圧力が上限圧力を超えない範囲で所望の空気供給流量が得られるように流量変化量制限値を算出し、また、第4の実施形態と同様に、コンプレッサ16吐出側の空気温度が上限温度を超えない範囲で所望の空気供給流量が得られるように流量変化量制限値を算出する。そして、これらの流量変化量制限値のうちで最も小さい値の制限値、すなわち最も厳しい制限値に基づいてコンプレッサモータの回転数を制御し、この制限値に基づくコンプレッサモータの回転数から燃料電池1の発電応答時間を推定する。
以下、上述した第1乃至第4の実施形態と同様の内容については重複した説明を省略し、本実施形態に特徴的なシステムコントローラ100の処理内容についてのみ、具体的な例を挙げて説明する。
図13は、本実施形態に特徴的なシステムコントローラ100の処理内容を示すフローチャートであり、図3に示したメインのフローチャートにおけるステップS4の処理のサブルーチンに相当するものである。
本実施形態の燃料電池システムでは、システムコントローラ100は、図3に示したメインのフローチャートにおけるステップS3で空気供給流量の基本値に対する補正値を算出すると、次に、ステップS41において、上述した第2の実施形態と同様にコンプレッサモータのトルクを推定し、ステップS42において、上述した第3の実施形態と同様にコンプレッサ16吐出側の空気圧力を推定し、ステップS43において、上述した第4の実施形態と同様にコンプレッサ16吐出側の空気温度を推定する。
次に、システムコントローラ100は、ステップS44において、ステップS41で推定したコンプレッサモータのトルク推定値が上限トルクを上回るかどうかを判定する。そして、ステップS44での判定の結果、ステップS41で推定したコンプレッサモータのトルク推定値が上限トルクを上回ると判断される場合には、ステップS45において、コンプレッサモータのトルクが上限トルクを超えない範囲で補正後の目標空気供給流量が得られるような流量変化量の制限値(第1の流量変化量制限値)を算出する。一方、ステップS41で推定したコンプレッサモータのトルク推定値が上限トルクを上回らない場合には、ステップS46へと処理を移行する。
次に、システムコントローラ100は、ステップS46において、ステップS42で推定したコンプレッサ16吐出側の空気圧力推定値が上限圧力を上回るかどうかを判定する。そして、ステップS46での判定の結果、ステップS42で推定したコンプレッサ16吐出側の空気圧力推定値が上限圧力を上回ると判断される場合には、ステップS47において、コンプレッサ16吐出側の空気圧力が上限圧力を超えない範囲で補正後の目標空気供給流量が得られるような流量変化量の制限値(第2の流量変化量制限値)を算出する。一方、ステップS42で推定したコンプレッサ16吐出側の空気圧力推定値が上限圧力を上回らない場合には、ステップS48へと処理を移行する。
次に、システムコントローラ100は、ステップS48において、ステップS43で推定したコンプレッサ16吐出側の空気温度推定値が上限温度を上回るかどうかを判定する。そして、ステップS48での判定の結果、ステップS43で推定したコンプレッサ16吐出側の空気温度推定値が上限温度を上回ると判断される場合には、ステップS49において、コンプレッサ16吐出側の空気温度が上限温度を超えない範囲で補正後の目標空気供給流量が得られるような流量変化量の制限値(第3の流量変化量制限値)を算出する。一方、ステップS43で推定したコンプレッサ16吐出側の空気温度推定値が上限温度を上回らない場合には、ステップS50へと処理を移行する。
ステップS45、ステップS47、ステップS49の少なくとも何れかのステップで流量変化量の制限値が算出された場合、システムコントローラ100は、次のステップS50において、ステップS45で算出された第1の流量変化量制限値と、ステップS47で算出された第2の流量変化量制限値と、ステップS49で算出された第3の流量変化量制限値のうちで、最も小さい値の制限値を選択する。そして、次のステップS51において、補正後の空気供給流量Qを実現するためにコンプレッサモータの回転数を制御するが、このとき、ステップS50で第1乃至第3の何れかの流量変化量制限値を選択した場合には、この選択した流量変化量制限値に基づいて、コンプレッサモータの回転数を制御する。

以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、システムコントローラ100がコンプレッサモータの回転数を制御する際に、コンプレッサモータのトルクが上限トルクを上回ることが推定される場合には、コンプレッサモータのトルクが上限トルク以下となるような第1の流量変化量制限値を算出し、また、コンプレッサ16吐出側の空気圧力が上限圧力を上回ることが推定される場合には、コンプレッサ16吐出側の空気圧力が上限圧力以下となるような第2の流量変化量制限値を算出し、また、コンプレッサ16吐出側の空気温度が上限温度を上回ることが推定される場合には、コンプレッサ16吐出側の空気温度が上限温度以下となるような第2の流量変化量制限値を算出するようにしている。そして、これら算出した制限値のうちで最小の流量変化量制限値を選択して、この選択した流量変化量制限値に基づいてコンプレッサモータの回転数を制御し、この制限値に基づくコンプレッサモータの回転数から燃料電池1の発電応答時間を推定するようにしている。したがって、コンプレッサモータのトルクが上限トルクを上回ることに起因して生じるコンプレッサ16の故障や、コンプレッサ16吐出側の空気圧力や空気温度が上限値を上回ることに起因して生じるコンプレッサ16下流側の部品や燃料電池1の故障等の問題を有効に回避しながら、燃料電池1の発電応答時間を正確に推定することができる。
本発明を適用した燃料電池システムの一例を示すシステム構成図である。 本発明を適用した燃料電池システムのシステムコントローラにおける発電応答時間推定に関する機能を概略的に示す機能ブロック図である。 本発明を適用した燃料電池システムのシステムコントローラによる燃料電池の発電応答時間推定処理の概要を示すフローチャートである。 燃料電池の発電応答時間を推定する方法を説明するための図であり、(a)はコンプレッサが吸入する外気の空気密度と燃料電池の目標発電量を実現するためのコンプレッサモータの目標回転数との関係を示す特性図、(b)はコンプレッサモータの回転数と燃料電池の実発電量との関係を示す特性図である。 コンプレッサが吸入する外気の圧力(大気圧)と燃料電池の目標発電量を実現するためのコンプレッサモータの目標回転数との関係を示す特性図である。 コンプレッサが吸入する外気の温度と燃料電池の目標発電量を実現するためのコンプレッサモータの目標回転数との関係を示す特性図である。 コンプレッサモータのトルクが上限トルクを超えないように空気供給流量の変化量に制限を加える場合の処理の流れを示すフローチャートである。 補正後の空気供給流量の変化量を制限する方法を説明するための図であり、(a)はコンプレッサモータ回転数と上限トルクとの関係を示す特性図、(b)はコンプレッサモータの回転数及び空気供給流量の変化とコンプレッサモータトルクの変化との関係を、上限トルクによる制限を加える場合と制限を加えない場合とを対比しながら示す特性図である。 コンプレッサ吐出側の空気圧力が上限圧力を超えないように空気供給流量の変化量に制限を加える場合の処理の流れを示すフローチャートである。 補正後の空気供給流量の変化量を制限する方法を説明するための図であり、コンプレッサモータの回転数及び空気供給流量の変化とコンプレッサ吐出側の空気圧力の変化との関係を、上限圧力による制限を加える場合と制限を加えない場合とを対比しながら示す特性図である。 コンプレッサ吐出側の空気温度が上限温度を超えないように空気供給流量の変化量に制限を加える場合の処理の流れを示すフローチャートである。 補正後の空気供給流量の変化量を制限する方法を説明するための図であり、コンプレッサモータの回転数及び空気供給流量の変化とコンプレッサ吐出側の空気温度の変化との関係を、上限温度による制限を加える場合と制限を加えない場合とを対比しながら示す特性図である。 コンプレッサモータの上限トルクによる流量変化量制限値と、コンプレッサ吐出側の上限空気圧力による流量変化量制限値と、コンプレッサ吐出側の上限空気温度による流量変化量制限値のうちで、最小の流量変化量制限値に基づき空気供給流量の変化量に制限を加える場合の処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池
2 駆動ユニット
16 コンプレッサ
21 吸入空気圧力センサ
22 吸入空気温度センサ
100 システムコントローラ
101 空気供給流量基本値算出手段
102 空気供給流量補正値算出手段
103 モータ回転数制御手段
104 燃料電池発電応答時間推定手段

Claims (10)

  1. 燃料ガス及び酸化剤ガスの供給により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、
    前記酸化剤ガス供給装置が吸入する酸化剤ガスの状態を検出する吸入酸化剤ガス状態検出手段と、
    前記吸入酸化剤ガス状態検出手段の検出値を用いて、前記燃料電池の発電応答時間を推定する燃料電池発電応答時間推定手段とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記吸入酸化剤ガス状態検出手段が、前記酸化剤ガス供給装置が吸入する酸化剤ガスの状態として、当該酸化剤ガスの圧力を検出し、
    前記燃料電池発電応答時間推定手段が、前記酸化剤ガス供給装置が吸入する酸化剤ガスの圧力をもとに、前記燃料電池の発電応答時間を推定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記吸入酸化剤ガス状態検出手段が、前記酸化剤ガス供給装置が吸入する酸化剤ガスの状態として、当該酸化剤ガスの温度を検出し、
    前記燃料電池発電応答時間推定手段が、前記酸化剤ガス供給装置が吸入する酸化剤ガスの温度をもとに、前記燃料電池の発電応答時間を推定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記吸入酸化剤ガス状態検出手段が、前記酸化剤ガス供給装置が吸入する酸化剤ガスの状態として、当該酸化剤ガスの圧力及び温度を検出し、
    前記燃料電池発電応答時間推定手段が、前記酸化剤ガス供給装置が吸入する酸化剤ガスの圧力と温度とから推定される当該酸化剤ガスのガス密度をもとに、前記燃料電池の発電応答時間を推定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記酸化剤ガス供給装置に要求される酸化剤ガス供給流量の基本値を算出する酸化剤ガス供給流量基本値算出手段と、
    前記酸化剤ガス供給装置が吸入する酸化剤ガスの状態に基づいて、前記酸化剤ガス供給流量の補正値を算出する酸化剤ガス供給流量補正値算出手段と、
    前記補正値で補正された後の酸化剤ガス供給流量が得られるように、前記酸化剤ガス供給装置のモータに回転数指令値を出力して当該モータの回転数を制御するモータ回転数制御手段とを更に備え、
    前記燃料電池発電応答時間推定手段が、前記モータ回転数制御手段から出力される回転数指令値に基づいて、前記燃料電池の発電応答時間を推定することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の燃料電池システム。
  6. 前記酸化剤ガス供給装置に要求される酸化剤ガス供給流量をもとに、当該酸化剤ガス供給装置のモータのトルクを推定するモータトルク推定手段と、
    前記モータトルク推定手段により推定されるトルクが所定値を超えないように、前記酸化剤ガス供給装置に要求する酸化剤ガス供給流量の変化量の制限値を算出する酸化剤ガス供給流量変化量制限値算出手段とを更に備え、
    前記モータ回転数制御手段手段が、前記酸化剤ガス供給流量変化量制限値算出手段が算出した制限値に基づいて、前記酸化剤ガス供給装置のモータの回転数を制御することを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記酸化剤ガス供給装置に要求される酸化剤ガス供給流量をもとに、当該酸化剤ガス供給装置が吐出する酸化剤ガスの圧力を推定する吐出酸化剤ガス圧力推定手段と、
    前記吐出酸化剤ガス圧力推定手段により推定される吐出酸化剤ガス圧力が所定値を超えないように、前記酸化剤ガス供給装置に要求する酸化剤ガス供給流量の変化量の制限値を算出する酸化剤ガス供給流量変化量制限値算出手段とを更に備え、
    前記モータ回転数制御手段手段が、前記酸化剤ガス供給流量変化量制限値算出手段が算出した制限値に基づいて、前記酸化剤ガス供給装置のモータの回転数を制御することを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  8. 前記酸化剤ガス供給装置に要求される酸化剤ガス供給流量をもとに、当該酸化剤ガス供給装置が吐出する酸化剤ガスの温度を推定する吐出酸化剤ガス温度推定手段と、
    前記吐出酸化剤ガス温度推定手段により推定される吐出酸化剤ガス温度が所定値を超えないように、前記酸化剤ガス供給装置に要求する酸化剤ガス供給流量の変化量の制限値を算出する酸化剤ガス供給流量変化量制限値算出手段とを更に備え、
    前記モータ回転数制御手段手段が、前記酸化剤ガス供給流量変化量制限値算出手段が算出した制限値に基づいて、前記酸化剤ガス供給装置のモータの回転数を制御することを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  9. 前記酸化剤ガス供給流量変化量制限値算出手段が、前記モータトルク推定手段により推定されるトルクが所定値を超えない第1の制限値と、前記吐出酸化剤ガス圧力推定手段により推定される吐出酸化剤ガス圧力が所定値を超えない第2の制限値と、前記吐出酸化剤ガス温度推定手段により推定される吐出酸化剤ガス温度が所定値を超えない第3の制限値とをそれぞれ算出し、
    前記モータ回転数制御手段手段が、前記酸化剤ガス供給流量変化量制限値算出手段が算出した第1乃至第3の制限値のうちで最も小さい値の制限値に基づいて、前記酸化剤ガス供給装置のモータの回転数を制御することを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の燃料電池システム。
  10. 前記酸化剤ガス供給装置が、大気を吸入し加圧して吐出するコンプレッサであることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の燃料電池システム。
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