JP2005250025A - フォトニッククリスタル光ファイバの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 石英ロッド、石英管、及び石英ジャケット管が十分に融着一体化したフォトニッククリスタル光ファイバの製造方法を提供するものである。
【解決手段】 本発明に係るフォトニッククリスタル光ファイバ10の製造方法は、石英ロッド21の周りに石英管22を複数本配置してなる石英束部材23を、石英ジャケット管24内に挿入配置してプリフォーム20を形成し、そのプリフォーム20内の脱水処理を行った後、プリフォーム20に加熱処理を施して石英ロッド21、石英管22、及び石英ジャケット管24を融着一体化し、その後、融着一体化させたプリフォーム20に線引き加工を施すものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光ファイバのクラッド部に、ファイバ長手方向に一様なフォトニック結晶構造を有するフォトニッククリスタル光ファイバの製造方法に関するものである。
従来の光ファイバにおいては、コア部に添加物を入れることで、コアとクラッドとの間に屈折率の差をもたせ、それによってコアとクラッドとの間で全反射を生じさせて光波をコア内に導波させている。そして、異なる屈折率プロファイルの光ファイバを用いることにより、様々な特性を有する光ファイバが得られていた。
ところで、近年、光通信ネットワーク及び光信号処理の高速化に伴って、更に大容量の光ファイバが必要とされている。そこで、光ファイバの新しい可能性を切り開く技術として、フォトニッククリスタル光ファイバ(Photonic Crystal Fiber(以下、PCFと記す))が注目されている(例えば、非特許文献1参照)。
PCFとは、光ファイバのクラッド部に、光ファイバの長手方向に一様な2次元周期のフォトニック結晶(Photonic Crystal)構造を有しており、その導波原理の違いから分類して、おおよそ2種類に大別される。
1つは、クラッドに相当する領域に、フォトニックバンドギャップ(Photonic Band Gap)を設け、ブラッグ反射によって光波をコア内に閉じこめるものである(例えば、非特許文献2参照)。
もう1つは、従来の光ファイバと同様に、コアとクラッドの屈折率差を利用し、全反射によって光波をコア内に閉じこめるものである。従来の光ファイバが、コア部に添加物をドーピングすることによってコアとクラッドとの間に屈折率差をもたせていたのに対し、全反射を利用したPCFは、図13に示すホーリーファイバ(Holey Fiber)のように、コア部132の周りのクラッド部133に設けた空孔134により、実効屈折率を下げたものである。
PCF130は、クラッド部133に設ける空孔134のデザイン(形状、配置密度)により、超広帯域単一モード伝送領域、大きな実効コア断面積、High-Δ、大きな構造分散など、通常の光ファイバでは実現できない特性を備えている。
PCFの製造方法は、図14に示すように、先ず、細径で、所定の長さの石英管142及び石英ロッド141を用意し、石英ロッド141の周りに石英管142を数百本束ねて石英束部材143を形成し、その石英束部材143を石英ジャケット管144内に挿入配置してプリフォーム140を形成する。次に、プリフォーム140の石英ジャケット管144内に、脱水作用を有する活性ガスを供給し、石英ジャケット管144内の脱水処理を行う。次に、脱水処理後のプリフォーム140の一端側からその内部にN2ガスを供給しながら、プリフォーム140の他端側の線引きを行い、石英ロッド141、石英管142、及び石英ジャケット管144を融着一体化させ、所定の径のPCF130を得ている(例えば、特許文献1参照)。
クレガン、外(R.F.Cregan et al.),「シングルモード フォトニック バンド ギャップ ガイダンス オブ ライト イン エア(Single-Mode Photonic Band Gap Guidance of Light in Air)」,サイエンス(Science),(米国),1999年9月3日,第285号,p.1537-1539 ナイト、外(J.C.Knight),「フォトニック バンド ギャップ ガイダンス イン オプティカル ファイバ(Photonic Band Gap Guidance in Optical Fibers)」,サイエンス(Science),(米国),1998年11月20日,第282号,p.1476-1478 特開2003−206148号公報
ところで、従来のPCF130の製造方法においては、プリフォーム140に線引き加工を施す際、同時に石英ロッド141、石英管142、及び石英ジャケット管144の融着一体化を行っている。しかしながら、この融着一体化が不十分であることから、PCF130のフォトニック結晶構造に構造不良が生じ、具体的にはPCF130の空孔134の大きさが不均一となり、PCF130の伝送損失が悪化するという問題があった。
また、脱水作用を有する活性ガスを用いた脱水処理では、プリフォーム140内の、石英ロッド141と石英管142との空隙、各石英管142同士の空隙、石英管142と石英ジャケット管144との空隙、及び石英管142内部の表面部に存在するOH基を十分に取り除くことができず、残留したOH基が、線引き時にコア部132に拡散してしまい、PCF130の伝送損失の悪化を招くという問題があった。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、石英ロッド、石英管、及び石英ジャケット管が十分に融着一体化したフォトニッククリスタル光ファイバの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明に係るフォトニッククリスタル光ファイバの製造方法は、光ファイバのクラッド部に、ファイバ長手方向に一様なフォトニック結晶構造を有するフォトニッククリスタル光ファイバを製造する方法において、
石英ロッドの周りに石英管を複数本配置してなる石英束部材を、石英ジャケット管内に挿入配置してプリフォームを形成し、そのプリフォーム内の脱水処理を行った後、プリフォームに加熱処理を施して上記石英ロッド、上記石英管、及び上記石英ジャケット管を融着一体化し、その後、融着一体化させたプリフォームに線引き加工を施すものである。
ここで、石英ロッド及び石英管は、その最外層にフッ素ドープ層を有し、かつ、石英ジャケット管は、少なくともその内表層にフッ素ドープ層を有することが好ましい。
また、脱水処理の際、プリフォーム内に、脱水処理剤であるCl2と共にエッチング剤のC26を供給し、脱水処理と、石英ロッド、石英管、及び石英ジャケット管の表面エッチング処理とを同時に行うことが好ましい。
また、プリフォームに加熱処理を施して石英ロッド、石英管、及び石英ジャケット管を融着一体化した後、プリフォームを完全に密封し、その後、線引き加工を施すことが好ましい。
以上によれば、プリフォームに線引き加工を施す前に、石英ロッド、石英管、及び石英ジャケット管の融着一体化を行い、この融着一体化させたプリフォームを線引きに供することで、フォトニッククリスタル光ファイバのフォトニック結晶構造を均一に配列させることができる。
本発明によれば、低伝送損失のフォトニッククリスタル光ファイバを得ることができるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の好適一実施の形態に係るPCFの製造方法により得られたPCFの斜視図を図1に示す。
図1に示すように、本実施の形態により得られたPCF10は、その中央部にコア部11を有し、コア部11の周りにクラッド部12を有するものであり、クラッド部12におけるコア部11の近傍に、ファイバ長手方向に一様な2次元周期(ハニカム状)のフォトニック結晶構造13を有している。フォトニック結晶構造13は、コア部11の周りに同心円状に形成、配列された複数の空孔14で構成され、各空孔14はファイバ長手方向(図1中では上下方向)に連通している。
次に、本実施の形態に係るPCF10の製造方法を、添付図面に基づいて説明する。
本実施の形態に係るPCF10の製造に先立って、石英ロッド(石英棒)21及び石英管22を予め作製しておく。ここで、石英ロッド21は、図3に示すように、純粋石英で構成されるロッド本体31の外周に、純粋石英にフッ素を添加してなるフッ素ドープ層32を設けたものである。また、石英管22は、図5に示すように、純粋石英で構成される管本体51の外周に、純粋石英にフッ素を添加してなるフッ素ドープ層52を設けたものであり、両端を封止したものである。石英ロッド21及び石英管22は、同径で、同じ長さとすることが好ましい。
次に、図2に示すように、線引後にコア部11となる細径の石英ロッド21の周りに、線引後にクラッド部12のフォトニック結晶構造13を構成する細径の石英管22を、稠密に(最密に)、複数本、例えば、数百本束ねて配置し、石英束部材23を形成する。その後、この石英束部材23を、図7(a)に示す管全体にフッ素を添加(ドープ)してなる石英ジャケット管24内に挿入配置し、プリフォーム20を形成する。
得られたプリフォーム20内に、脱水処理剤であるCl2及びO2と共にエッチング剤のC26を供給し、脱水処理と、石英ロッド21、石英管22、及び石英ジャケット管24の表面エッチング処理とを同時に行う。
その後、プリフォーム20に加熱処理を施して石英ロッド21、石英管22、及び石英ジャケット管24を融着一体化した後、その融着一体化したプリフォーム20を完全に密封する。その後、完全に密封したプリフォーム20に、所定のファイバ径となるように線引きを行うことで、PCF10が得られる。
より詳細に、PCF10の製造方法を説明する。
石英ロッド21は、スート母材に熱処理を施して透明化した透明ガラスプリフォームを線引きすることで得られる。このスート母材は、外付けCVD(Chemical Vapor Deposition)法により作製される。具体的には、図4に示すように、石英ロッド41(例えば、外径が25mm、長さが1m)を外付けCVD装置40にセットした後、石英ロッド41をゆっくりと回転(例えば、15rpmの回転速度で回転)させながら、その外周にスート層42を堆積形成することで、スート母材45(例えば、外径が35mm)が得られる。スート層42の堆積は、原料ガス(例えば、流量が250cc/minのSiCl4、流量が100cc/minのSiF4、流量が15l/minのO2、及び流量が10l/minのH2で構成されるガス)と燃料ガスとの混合ガスGをバーナ43に供給し、このバーナ43の火炎で石英ロッド41の外周を炙ることでなされる。このスート母材45を、所定の雰囲気下(例えば、流量が10l/minのHe及び流量が200cc/minのCl2で構成されるガス)、所定の温度(例えば、約1500℃)で加熱処理することで、透明ガラスプリフォーム(例えば、外径が30mm)が得られる。この透明ガラスプリフォームを通常の線引き方法で線引きすることで、図3に示した石英ロッド21(例えば、外径が500μm)が得られる。
石英管22も、石英ロッド21と同様の方法で作製される。具体的には、図6に示すように、図4と同様の外付けCVD装置40に、石英管61(例えば、外径が25mm、内径が18mm、長さが1m)をセットした後、石英管61をゆっくりと回転(例えば、15rpmの回転速度で回転)させながら、その外周にスート層42を堆積形成することで、スート母材65(例えば、外径が35mm、内径が18mm)が得られる。その後は、石英ロッド21の製造方法と同様にして、透明化、線引きを行い、図5に示した石英管22(例えば、外径が500μm)が得られる。
石英ロッド21及び石英管22における各フッ素ドープ層32,52の層厚は、石英ロッド21及び石英管22全体の外径の1/20〜1/10とされる。例えば、石英ロッド21及び石英管22全体の外径が500μmの場合、各フッ素ドープ層32,52の層厚は25〜50μmとされる。この時、各フッ素ドープ層32,52の層厚が25μm未満だと、後述するように、石英ロッド21、石英管22、及び石英ジャケット管24表面の融点を低下させる効果が十分でなく、石英ロッド21、石英管22、及び石英ジャケット管24の融着一体化の不良により、気泡が発生するためである。一方、各フッ素ドープ層32,52の層厚が50μmを超えると、石英ロッド21、石英管22、及び石英ジャケット管24表面の融点が低下し過ぎてしまい、石英管22の孔部が変形してしまい、設計通りに融着一体化を行うことができなくなるためである。
石英ジャケット管24としては、図7(a)に示した管全体にフッ素が添加されたものの他に、図7(b)に示すように、管本体71の内面にフッ素ドープ層72を設けたものであってもよい。ここで、フッ素ドープ層72の層厚は、石英ロッド21及び石英管22全体の外径と同等以下とされる。例えば、石英ロッド21及び石英管22全体の外径が500μmの場合、フッ素ドープ層72の層厚も約500μm以下とされる。
各フッ素ドープ層32,52及び石英ジャケット管24のフッ素含有量は、0.1mol%以上、好ましくは0.1〜2.1mol%とされる。ここで、フッ素含有量を0.1mol%以上としたのは、フッ素含有量が0.1mol%未満であると、後述するように、石英ロッド21、石英管22、及び石英ジャケット管24の表面部の融点を低下させる効果が十分でなく、プリフォーム20の融着一体化時に、融着不良が生じてしまうためである。その結果、図1に示したPCF10において、各空孔14の大きさ及び配列が不均一となってしまう。
上述した方法により得られた石英ロッド21及び石英管22は、それぞれ所定の長さに切断される。石英管22については、この切断時に両端の封止を行う。その後、各切断部材の表面に付着している汚れやゴミを除去するために、流水を用いて破片などの大きいゴミを洗い流した後、エチルアルコールとトリクロロエチレンを用いて超音波洗浄を行う。その後、各切断部材の表面から遊離した汚れやゴミを純水で洗い流した後、1〜2%のフッ酸を用いて酸洗浄し、表面仕上げを行う。石英ロッド21及び石英管22の切断時、石英ロッド21は、石英管22よりも20〜30mm長めに切断する(例えば、石英ロッド21を長さ250mm、石英管22を長さ230mmに切断する)。
次に、これらの石英ロッド21、石英管22、及び石英ジャケット管24を用いてプリフォーム20を形成する際、つまり、石英ロッド21と石英管22とで構成される石英束部材23を石英ジャケット管24に挿入配置してプリフォーム20を形成する際、石英管22が互いに交差することなく(石英管22がねじれることなく)、両端部が同じ位置に配列されるようにする必要がある。このため、石英束部材23の形成と、石英束部材23の石英ジャケット管24内への挿入配置とは、同時に、かつ、純水中で超音波による微振動を与えながら行うことが好ましい。具体的には、図8に示すように、純水82を入れた超音波洗浄器81の中に、所定寸法の石英ジャケット管24を斜めに立てて配置し、その石英ジャケット管24内に石英ロッド21と石英管22を順次配列して石英束部材23を形成し、プリフォーム20を作製する。石英ジャケット管24の長手方向の寸法精度は、この配列の良否に大きく影響することから、その内径変動は±0.1mm以下に調整される。
次に、得られたプリフォーム20を乾燥用の容器内に入れて、付着した水分を蒸発、乾燥させた後、脱水処理に供する。この乾燥処理は、真空容器を用い、真空容器内を油回転式真空ポンプで真空引きすることによって行う。
次に、図9に示すように、プリフォーム20における石英ジャケット管24の両端に石英ダミー管91,92を融着した後、石英ダミー管91側からCl2及びO2を所定の割合(例えば、Cl2を20cc/min、O2を50cc/minの割合)で導入すると共に、石英ダミー管92側から所定の割合(例えば、約80Pa(0.6Torr)/minの割合)で排気を行い、石英ジャケット管24の内部をCl2及びO2で一定時間置換する。その後、石英ダミー管91側から更にC26を所定の割合(例えば、20cc/minの割合)で導入し、プリフォーム20内の圧力を一定(例えば、約73Pa(0.55Torr))に保った状態で、酸水素バーナ93を用いてプリフォーム20を加熱する。これにより、石英ジャケット管24内の脱水処理を行いながら、石英ロッド21、石英管22、及び石英ジャケット管24の表面エッチング処理を行う。
次に、この表面エッチング処理・脱水処理の後、図10に示すように、石英ダミー管91側からCl2、O2を導入しながら、石英ダミー管92を封止する。その後、再び酸水素バーナ93を用いて、プリフォーム20をフッ素の融解温度まで加熱する。これにより、石英ロッド21、石英管22、及び石英ジャケット管24が融着一体化される。その後、図11に示すように、石英ダミー管91を封止することで、プリフォーム20を完全に密封し、密封プリフォーム110を作製する。
この密封プリフォーム110を所定の外径(例えば、外径φ125μm)に線引きし、ファイバ化することで、図1に示したPCF10(例えば、長さ2.6km)が得られる。このPCF10の波長分光特性を調べたところ、図12に示すように、波長1550nmにおける伝送損失は4.2dB/kmであり、非常に低損失であった。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
本実施の形態に係るPCF10の製造方法においては、プリフォーム20を線引きに供する前に、プリフォーム20に熱処理を施し、石英ロッド21、石英管22、及び石英ジャケット管24の表面部を部分溶融させ、融着一体化を行っている。プリフォーム20に熱処理を施すことで、石英ロッド21、石英管22、及びジャケット管24が融着一体化するが、この時に、石英ロッド21及び石英管22の最外層とジャケット管24の内表層が部分溶融する。この部分溶融体は、毛細管現象により拡散して石英束部材23の隙間(石英ロッド21と石英管22との空隙、各石英管22同士の空隙、及び石英管22と石英ジャケット管24との空隙)内に入り込み、石英束部材23における石英ロッド21及び石英管22の配列が乱れるのを抑制する。また、この部分溶融体により、石英ロッド21と石英管22との空隙、各石英管22同士の空隙、及び石英管22と石英ジャケット管24との空隙が完全に封じられる。よって、石英ロッド21、石英管22、及びジャケット管24の融着一体化を、プリフォーム20の径方向に亘って、同時に、かつ、均一に行うことができる。
その結果、本実施の形態に係る製造方法によれば、プリフォーム20の線引き時に、石英ロッド21と石英管22との界面、各石英管22同士の界面、及び石英管22と石英ジャケット管24との界面において気泡が発生することがなくなり、線引き時に融着一体化を行う従来の製造方法と比較して、伝送損失に悪影響を及ぼす気泡などの不純物の含有がより少なく、良好なフォトニック結晶構造を有するPCF10を得ることができる。
また、プリフォーム20の径方向に亘って、均一に線引き(ファイバ化)を行うことができるようになるため、線引き中における石英管22の大きさ及び配列が不均一になるということはなくなる。その結果、図1に示したPCF10において、各空孔14の大きさ及び配列が均一となる。
また、本実施の形態に係るPCF10の製造方法においては、最外層にフッ素ドープ層32,52を有する石英ロッド21及び石英管22と、少なくとも内表層にフッ素をドープした石英ジャケット管24とを用いていることにより、純石英で構成される石英ロッド、石英管、及びジャケット管と比較して、融点が低くなっている。このため、プリフォーム20に熱処理を施して、石英ロッド21、石英管22、及びジャケット管24を融着一体化する際に、石英ロッド21及び石英管22の最外層とジャケット管24の内表層を、容易に部分溶融させることができる。
また、本実施の形態に係るPCF10の製造方法においては、プリフォーム20の融着一体化の前工程で脱水処理を行っているが、この脱水処理の際に、石英ロッド21、石英管22、及び石英ジャケット管24の表面エッチング処理を行っている。石英ロッド21と石英管22との空隙、各石英管22同士の空隙、及び石英管22と石英ジャケット管24との空隙表面をエッチングしながら、脱水処理がなされる。このため、石英ロッド21及び石英管22の表面と、ジャケット管24の内表層とに含まれるOH基を、効果的に、かつ、効率よく除去することができる。その結果、従来のように、残留したOH基が、線引き時にコア部に拡散し、PCFの伝送損失の悪化を招くというおそれはない。つまり、低伝送損失のPCF10、すなわち高品質なPCF10を得ることができる。
また、本実施の形態に係るPCF10の製造方法においては、融着一体化したプリフォーム20を完全に密封して密封プリフォーム110を作製し、この密封プリフォーム110に対して線引きを行うようにしている。これによって、線引き時に、プリフォーム20内に水分を含む空気、つまりOH基が混入するのを防止することができ、OH基によるPCFの伝送損失に及ぼす影響を、より低減することができる。
また、本実施の形態に係る製造方法により得られたPCF10のクラッド部12は、前述した部分溶融体が均一に拡散しているため、フッ素ドープの石英で構成される。このため、純石英で構成されるクラッド部と比較して屈折率が低くなっている。よって、PCF10の、コア部11とクラッド部12との屈折率差は、従来のPCFの、コア部とクラッド部との屈折率差よりも大きくなり、光波をコア部11に閉じこめる効果がより高くなる。
以上、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
本発明の好適一実施の形態に係るフォトニッククリスタル光ファイバの製造方法により得られたPCFの斜視図である。 本発明の好適一実施の形態に係るフォトニッククリスタル光ファイバの製造方法を説明するための図であり、フォトニッククリスタル光ファイバの製造に用いるプリフォームの斜視図である。 図2のプリフォームにおける石英ロッドの横断面図である。 図3の石英ロッドを製造する際の概略図である。 図2のプリフォームにおける石英管の横断面図である。 図5の石英管を製造する際の概略図である。 図2の石英ジャケット管の横断面図である。 図2のプリフォームを製造する際の概略図である。 図2のプリフォームに脱水処理を施す際の概略図である。 脱水処理後のプリフォームを、融着一体化する際の概略図である。 融着一体化後のプリフォームを、完全に密封した後の縦断面図である。 本発明の好適一実施の形態に係るフォトニッククリスタル光ファイバの、波長分光特性の一例を示す図である。ここで、図中の横軸は波長[nm]、縦軸は損失[dB/km]である。 従来のフォトニッククリスタル光ファイバの斜視図である。 従来のフォトニッククリスタル光ファイバの製造方法を説明するための図であり、フォトニッククリスタル光ファイバの製造に用いるプリフォームの斜視図である。
符号の説明
20 プリフォーム
21 石英ロッド
22 石英管
23 石英束部材
24 石英ジャケット管

Claims (7)

  1. 光ファイバのクラッド部に、ファイバ長手方向に一様なフォトニック結晶構造を有するフォトニッククリスタル光ファイバを製造する方法において、
    石英ロッドの周りに石英管を複数本配置してなる石英束部材を、石英ジャケット管内に挿入配置してプリフォームを形成し、そのプリフォーム内の脱水処理を行った後、プリフォームに加熱処理を施して上記石英ロッド、上記石英管、及び上記石英ジャケット管を融着一体化し、その後、融着一体化させたプリフォームに線引き加工を施すことを特徴とするフォトニッククリスタル光ファイバの製造方法。
  2. 上記石英ロッド及び上記石英管は、その最外層にフッ素ドープ層を有し、かつ、上記石英ジャケット管は、少なくともその内表層にフッ素ドープ層を有する請求項1記載のフォトニッククリスタル光ファイバの製造方法。
  3. 上記脱水処理の際、上記プリフォーム内に、脱水処理剤であるCl2と共にエッチング剤のC26を供給し、脱水処理と、上記石英ロッド、上記石英管、及び上記石英ジャケット管の表面エッチング処理とを同時に行う請求項1又は2記載のフォトニッククリスタル光ファイバの製造方法。
  4. 上記プリフォームに加熱処理を施して上記石英ロッド、上記石英管、及び上記石英ジャケット管を融着一体化した後、プリフォームを完全に密封し、その後、上記線引き加工を施す請求項1から3いずれかに記載のフォトニッククリスタル光ファイバの製造方法。
  5. 上記石英ロッド及び上記石英管の各フッ素ドープ層の層厚が25〜50μmであり、各フッ素ドープ層のフッ素含有量が0.1mol%以上である請求項1から4いずれかに記載のフォトニッククリスタル光ファイバの製造方法。
  6. 上記石英ジャケット管は、その全体にフッ素がドープされてなるものであり、石英ジャケット管全体のフッ素含有量が0.1mol%以上である請求項1から5いずれかに記載のフォトニッククリスタル光ファイバの製造方法。
  7. 上記石英ジャケット管は、その内表層に層厚が500μm以下のフッ素ドープ層を有したものであり、そのフッ素ドープ層のフッ素含有量が0.1mol%以上である請求項1から5いずれかに記載のフォトニッククリスタル光ファイバの製造方法。
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