JP2005249742A - レーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 受信部から出力されるデータに含まれるノイズ強度を検出領域毎に検知する受信出力ノイズ検知手段(受光回路20、演算部4)と、検知されたノイズ強度の走査位置に対する分布に基づいて、飽和現象が生じている範囲(飽和領域)と、非飽和であるがノイズ強度が高すぎる範囲を判定し、これらの範囲に位置する検出領域を物体検知のために無効とする領域無効設定を実行し、それ以外の検出領域を物体検知のために有効とする領域有効設定を実行する領域可否設定手段(演算部4)と、を備えた構成とする。
【選択図】 図3
Description
そこで本発明は、太陽光などによるノイズの影響が一部にあっても、可能な限りの機能を安定的に発揮できるレーダ装置及びこれを使用した車両制御システムを提供することを目的としている。
前記受信データに含まれるノイズ強度を前記検出領域毎に検知する受信出力ノイズ検知手段と、
前記検出領域を物体検知のために無効とする領域無効設定、又は、前記検出領域を物体検知のために有効とする領域有効設定を、逐次(例えばレーダの測定周期毎に)実行する領域可否設定手段とを備え、
前記領域可否設定手段は、前記受信出力ノイズ検知手段により検知されるノイズ強度が走査方向に対して規定の変化率aで減少する走査位置Aから、前記ノイズ強度が走査方向に対して規定の変化率bで上昇する走査位置Bまでを、前記受信データがノイズにより略ゼロになっている飽和領域と判定し、この飽和領域に位置する前記検出領域について領域無効設定を実行するものである。
また、「検出領域」とは、前記検出エリアを走査方向に分割してなる領域であって、この領域を単位として物体の検知が行われる。
また、「受信データに含まれるノイズ強度」とは、反射波を受信する可能性のあるタイミング以外のタイミングで観測される受信データ(受信部の出力)の瞬間値又は平均値等を意味する。
このため、太陽光等によるノイズ強度が相当に増加し、例えば上記フォトダイオードを流れる電流が飽和した飽和状態では、上記受信部の出力(例えば上記受光回路の出力端子の電圧)は、反射波の有無やノイズ強度の変化に無関係に略ゼロになってしまう。そして、この飽和現象が生じている飽和領域では、受信データに含まれるノイズ強度も略ゼロになり、またこの飽和領域の両端では、前記ノイズ強度が走査方向に対して急降下又は急上昇することになる。したがって、本装置の構成(即ち、前記ノイズ強度が走査方向に対して規定の変化率aで減少する走査位置Aから、前記ノイズ強度が走査方向に対して規定の変化率bで上昇する走査位置Bまでを飽和領域と判定し、この飽和領域に位置する検出領域について領域無効設定を実行する構成)であれば、上記変化率a、bを適度に設定することによって、飽和領域を的確に判定し、この飽和領域について領域無効設定を行って、この飽和領域の受信データが使用されて物体検知が誤ってなされることを防止でき、ひいては、太陽光などのノイズが一部にある場合でも、レーダ装置の機能全体を停止することなく、レーダ装置の機能を継続できる自由度が得られる。
この態様であると、前述の飽和現象は発生していないものの、太陽光などによるノイズ強度が比較的高いために誤検知が起き易くなっている検出領域についても、領域無効設定が実行されて物体検知のために使用されない。このため、ノイズによる誤検知がより発生し難くなる。
なお、「ノイズしきい値」は、太陽光などのノイズの増加により既述した飽和状態に近い状態になって反射光の検出が困難又は不能となる前に、該当の検出領域に対して領域無効設定が実行される値に設定されている。
この態様であると、自車線内の先行車が検知され続けている場合には、太陽光などによるノイズの影響が一部の検出領域にあっても、定車間追従制御などの車両制御が継続される。一方、自車線内の先行車が検知されなくなった場合に、太陽光などによるノイズの影響による検出不能状態が一部の検出領域に発生すると、定車間追従制御などの車両制御が停止される。このため、レーダ装置の検知結果に基づく車両制御の必要性や有効性が高いときには、太陽光などによるノイズの影響があっても可能な限り上記車両制御が継続され、一方、その必要性や有効性が低いときには、太陽光などによるノイズの影響が一部であっても念のため上記車両制御を停止して信頼性を確保することができる、という実用上優れた効果が得られる。
また本願の車両制御システムでは、上記レーダ装置の利点を活かして、車両制御を従来よりも安定的に継続して実行できるようになる。
図1は、本形態例としての車両用レーダ装置を含む車両制御システムを説明する図であって、図1(a)は装置構成を示す図、図1(b)は車両用レーダ装置等の車両搭載例を示す図、図1(c)は検出エリアと走査範囲との関係を示す図である。また図2(a)は、受光回路を示す図である。
図1において符号1で示すものが、車両用レーダ装置(パルスエコー方式のレーザレーダ)であり、符合10で示すものは、車両用レーダ装置1により検知された情報を受けて定車間追従制御等を実行する制御装置である。ここで、車両用レーダ装置1は、投光部2(送信部)、受光部3(受信部)、演算部4、走査機構5を備える。
また、車両用レーダ装置1は、例えば図1(b)に示すように自車C1に搭載され、自車C1の前方の検出エリアに対してレーザ光を照射し、この検出エリア内に存在する先行車C2の反射体等を物体として検出する。なお、本発明の検出エリアは、車両の前方に限らず、例えば後方に設定されて、自車後方の物体(後続車等)を検知する態様でもよい。
なお、駆動回路は、演算部4により制御されて、演算部4で作られた発光タイミング毎にLDを作動させてレーザ光(レーザパルス)を出力させる回路である。なお、ここでの発光タイミングは、検出エリアを走査方向に一定幅で分割してなる検出領域において所定回数の発光及び受光が行われるように予め設定されている。また、レーザ光の発光周期は、一定でよい。
なお、走査速度は一定速度でよい。また、この場合の走査機構5は、走査方向を検出してその信号(走査方向信号)を演算部4に入力する走査位置検出センサを含む。
処理が開始されると、まずステップS1で、前述の測定動作(レーザ光の送信と受信、及び前述の受光波形データの生成と記憶等)を実行し、一つの検出領域についてこの測定動作が実行される度に、ステップS2に進む。
次にステップS4では、全ての検出領域に対して測定動作が終了したか否か判定する。このステップS4の判定結果が肯定的であればステップS5〜S9を順次実行し、否定的であればステップS1に戻って次の検出領域について測定動作を繰り返す。
次にステップS6では、物体が存在するとして検出判定された検出領域(以下、場合によりターゲットという。)のうち、近接するものをグループ化して検出領域の集合(ターゲット集合)としてまとめる。なお、検出判定は、領域有効設定がされている検出領域のうち、受光量のデータが例えば予め設定された検出用しきい値を上回る検出領域を、ターゲットとして判定することにより行う。また、ターゲットのグループ化は、例えば2次元座標系(走査方向である車両の左右方向と車両の前後方向の位置座標)又は3次元座標系(車両の前後方向、左右方向、及び上下方向の位置座標)において、近接する位置にあるターゲット(例えば、隣り合うもの)を一つの集合として関連付ける処理により行う。具体的には、公知の各種方法を採用することができる。
次にステップS8では、前回のシーケンスにおけるステップS7で抽出された物体のデータと、今回のシーケンスにおけるステップS7で抽出された物体のデータとを比較し、同一の物体として対応付ける処理を行う。例えば、前回の物体の位置を基準に所定の広がりを持つ位置範囲を設定し、この位置範囲内に今回の物体の位置が存在すると、同一物と判定するといった処理を実行する。
なお、ステップS9を終了すると、次の実行タイミングで、ステップS1に戻って処理を繰り返す。
まず、ステップS11では、ステップS2で記憶した各検出領域の受光ノイズを読み取り、例えば図2(b)に実線で示すような走査位置に対する受光ノイズの分布(元データ)を設定する。なお図2(b)及び(c)は、検出領域が例えば50個存在している場合を例示している。
次いで、ステップS12では、隣り合う検出領域の受光ノイズの差分を求め、例えば図2(b)及び(c)に点線で示すような差分の分布を設定する。
次に、ステップS13では、差分の移動平均(例えば差分3個の移動平均)を求め、例えば図2(c)に実線で示すような移動平均の分布を設定する。
そしてステップS15では、例えば図2(b),(c)に示すように、前記移動平均が前記負のしきい値に一致する例えば最先(図では最も左側)の走査位置を走査位置Aとし、この走査位置Aよりも走査方向後側(図では右側)の検出領域について領域無効設定を実行する。また、上記走査位置Aよりも走査方向前側(図では左側)の検出領域については、原則的に領域有効設定を実行する。但し例外として、既述したステップS3の処理によって領域無効設定が実行されている検出領域については、その設定を保持する。なお、このステップS15を経ると、ステップS16に進む。
そしてステップS17では、例えば図2(b),(c)に示すように、前記移動平均が前記正のしきい値に一致する例えば最先(図では最も左側)の走査位置を走査位置Bとし、この走査位置Bよりも走査方向前側(図では左側)の検出領域について原則的に領域無効設定を実行する。但し例外として、既述したステップS15の処理によって領域有効設定が実行されている検出領域については、その設定を保持する。また、上記走査位置Bよりも走査方向後側(図では右側)の検出領域については、原則的に領域有効設定を実行する。但し例外として、既述したステップS3の処理によって領域無効設定が実行されている検出領域については、その設定を保持する。
なお、ステップS17又はS18を経ると、リターンする。
そして、ステップS22では、自車線内に先行車が検知されているか否か判定し、自車線内に先行車の一部でも検知されているとステップS23に進み、そうでなければステップS28に進む。
次にステップS24では、領域無効設定が設定されており、その分だけ検出エリア(視野角)が狭いことを運転者等に表示や音声等で報知する制御を実行する。
次にステップS27では、ステップS24,S29で実施した運転者への報知を解除し、ステップS25に進む。
次にステップS29では、検出エリアが狭いため定車間追従制御等の車両制御をキャンセルしている状態であることを、音声や表示等で運転者等に報知する制御を実行し、ステップS25に進む。
しかも本装置の場合、ノイズ強度を判定するのに受光回路の出力(受信部の出力)をそのまま用いているので、ノイズ強度を読み取って判定するための別個の回路を設ける必要がなく、装置の小型化及び低コスト化の面で有利であるという効果も奏する。
このため、自車線内の先行車が検知され続けている場合には、太陽光などによるノイズの影響が一部の検出領域にあっても、定車間追従制御などの車両制御が継続される。一方、自車線内の先行車が検知されなくなった場合に、太陽光などによるノイズの影響による検出不能状態が一部の検出領域に発生すると、定車間追従制御などの車両制御が停止される。このため、レーダ装置の検知結果に基づく車両制御の必要性や有効性が高いときには、太陽光などによるノイズの影響があっても可能な限り上記車両制御が継続され、一方、その必要性や有効性が低いときには、太陽光などによるノイズの影響が一部であっても念のため上記車両制御を停止して信頼性を確保することができる、という実用上優れた効果が得られる。
例えば、本発明は、上記形態例のように水平方向(左右方向)に走査を行うレーダ装置に適用してもよいが、上下方向に走査を行うもの、或いは上下及び左右の2方向に走査する車両用レーダ装置に適用してもよい。また走査は、回転動作によるものに限定されず、例えば発光部等の直線移動(スライド)によるものであってもよい。走査機構としては、例えば特開2003−121542号公報や特開2003−177348号公報などに記載されたものを使用できる。
また、送信側のみで走査が行われる構成でもよいが、受信状態を走査位置に無関係に同等に維持してより良好な測距動作を行うためには、受信側においても走査が行われるのが望ましい。例えば、受信ヘッドを送信側に同期させて走査する構成でもよい。
また本発明は、レーザ光を用いたレーダ装置のみならず、例えば電波を用いたレーダ装置にも適用できる。
また本発明は、車両用のレーダ装置に限らず、各分野のレーダ装置に適用可能であることはいうまでもない。
2 投光部(送信部)
3 受光部(受信部)
4 演算部(受信出力ノイズ検知手段、領域可否設定手段)
10 制御装置(制御手段)
20 受光回路(受信出力ノイズ検知手段)
Claims (8)
- 検出エリアに電磁波を走査しながら照射する送信部と、この電磁波の反射波を受信すべく入射波による受信強度変化を受信データとして出力する受信部とを有し、前記受信データに基づいて、前記検出エリアを走査方向に分割してなる検出領域毎に物体を検知するレーダ装置であって、
前記受信データに含まれるノイズ強度を前記検出領域毎に検知する受信出力ノイズ検知手段と、
前記検出領域を物体検知のために無効とする領域無効設定、又は、前記検出領域を物体検知のために有効とする領域有効設定を、逐次実行する領域可否設定手段とを備え、
前記領域可否設定手段は、前記受信出力ノイズ検知手段により検知されるノイズ強度が走査方向に対して規定の変化率aで減少する走査位置Aから、前記ノイズ強度が走査方向に対して規定の変化率bで上昇する走査位置Bまでを、前記受信データがノイズにより略ゼロになっている飽和領域と判定し、この飽和領域に位置する前記検出領域について領域無効設定を実行することを特徴とするレーダ装置。 - 前記領域可否設定手段は、隣り合う検出領域における前記ノイズ強度の差分値を求め、この差分値又はその移動平均が前記規定の変化率aに相当する負のしきい値に一致する走査位置を上記走査位置Aとし、前記差分値又はその移動平均が前記規定の変化率bに相当する正のしきい値に一致する走査位置を上記走査位置Bとして、前記飽和領域を判定することを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
- 前記領域可否設定手段は、前記飽和領域外の検出領域については、前記ノイズ強度が規定のノイズしきい値を超えるかそれ以上になると、対応する検出領域について領域無効設定を実行し、前記ノイズ強度が規定のノイズしきい値を下回るかそれ以下になると、対応する検出領域について領域有効設定を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーダ装置。
- 前記電磁波が光であり、前記受信部が受光回路より構成され、
前記受光回路が、フォトダイオードと負荷抵抗を電源に対して直列に接続し、前記フォトダイオードの一方の端子をコンデンサを介して出力端子に接続し、前記フォトダイオードの他方の端子をコンデンサを介してグランドに接続してなり、前記出力端子の電圧変化を前記受信データとして出力するものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のレーダ装置。 - 請求項1乃至4の何れかに記載のレーダ装置を備え、少なくとも車両前方に前記検出エリアが設定され、当該検出エリア内の少なくとも先行車を前記物体として検知する構成とされるとともに、検知された物体の情報に基づいて所定の車両制御を実行する制御手段を有することを特徴とする車両制御システム。
- 前記制御手段は、前記領域無効設定が何れかの検出領域について実行され、かつ自車線内に先行車が検知されていない場合には、前記車両制御を中断し、前記領域無効設定が何れかの検出領域について実行されても、前記領域有効設定が実行されている検出領域によって自車線内に先行車が検知されている場合には、前記車両制御を継続することを特徴とする請求項5に記載の車両制御システム。
- 前記制御手段は、前記領域無効設定が何れかの検出領域について実行されている場合には、車両の加速を制限することを特徴とする請求項5又は6に記載の車両制御システム。
- 前記制御手段は、前記領域無効設定が何れかの検出領域について実行されている場合には、レーダ装置の視野が狭くなっていることを車両の搭乗者に報知する制御を実行することを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の車両制御システム。
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