JP2005248990A - 車両用ディスクブレーキ - Google Patents
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Abstract
【課題】 スライドピンの取付構造を、キャリパボディのスライド性を損なうことなく簡素化し、製造コストを低減させる。
【解決手段】 キャリパボディ6とブラケット3とに、キャリパ側袋孔6eとブラケット側袋孔3fとを同軸上に対向して形成し、サブスライドピン5を収容する。両袋孔3f,6eと一方のスライドピン5の寸法を、摩擦パッド7,7が新品状態での非制動時に、両袋孔3f,6eの開口部3g,6g同士が接触することなく、且つ、一方のスライドピン5の両端5a,5bが両袋孔3f,6eの底部3h,6hと接触しない寸法で、さらに、摩擦パッド7,7がフル摩耗した状態での制動時に、一方のスライドピン5の一端5aが、一方の袋孔の底部に当接した状態で、一方のスライドピン5の他端5bが他方の袋孔から脱落しない寸法にそれぞれ設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】 キャリパボディ6とブラケット3とに、キャリパ側袋孔6eとブラケット側袋孔3fとを同軸上に対向して形成し、サブスライドピン5を収容する。両袋孔3f,6eと一方のスライドピン5の寸法を、摩擦パッド7,7が新品状態での非制動時に、両袋孔3f,6eの開口部3g,6g同士が接触することなく、且つ、一方のスライドピン5の両端5a,5bが両袋孔3f,6eの底部3h,6hと接触しない寸法で、さらに、摩擦パッド7,7がフル摩耗した状態での制動時に、一方のスライドピン5の一端5aが、一方の袋孔の底部に当接した状態で、一方のスライドピン5の他端5bが他方の袋孔から脱落しない寸法にそれぞれ設定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車や自動二・三輪車等の走行車両に搭載されるディスクブレーキに係り、詳しくは、ピンスライド型ディスクブレーキのスライドピンの取付構造に関する。
従来、ピンスライド型の車両用ディスクブレーキは、ディスクロータの両側部に、一対の摩擦パッドを挟んで対向する作用部と反作用部とを、前記ディスクロータの外側を跨いで配設されるブリッジ部でつないでキャリパボディを構成し、該キャリパボディのディスク回入側及び回出側と、ディスクロータの一側部で車体に固設されるブラケットとの間に一対のスライドピンを介装し、該スライドピンを介してキャリパボディをブラケットにディスク軸方向に移動可能に取り付けている。
前記ブラケットには、ピン取付腕とキャリパ支持腕とが設けられ、キャリパボディの作用部のディスク回入側と回出側とには、一対の車体取付け腕が突設される。一方のスライドピンは、一端に雄ねじ部が形成され、該雄ねじ部を前記ピン取付腕に形成した雌ねじ孔に螺着するとともに、一方の車体取付け腕に形成されたガイド孔に、スリーブを介して移動可能に挿入されている。また、スライドピンの他方は、他方の車体取付け腕に一端が固定ボルトにて取付けられるとともに、前記キャリパ支持腕に形成したガイド孔に、移動可能に内挿されている。このディスクブレーキは、パッド交換の際には、他方のスライドピンの固定ボルトを外してスライドピンを外し、一方のスライドピンを支軸としてキャリパボディを回転させて摩擦パッドを着脱させている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−104764号公報
上述のものでは、他方のスライドピンを固定ボルトで精度良く取り付けてメインスライドピンとしておけば、一方のスライドピンは、ガイド孔とスライドピンとの間にクリアランスがあるサブスライドピンとしても、キャリパボディの移動に影響が出ることがない。しかし、このサブのスライドピンの取付けには、精度を要求されることがないにも拘わらず、スライドピンの一端に設ける雄ねじ部や、ピン取付腕に形成する雌ねじ孔や、スリーブ等が必要となり、製造コストが掛かっていた。
そこで本発明は、スライドピンの取付け、特にサブとなるスライドピンの取付構造を、キャリパボディのスライド性を損なうことなく簡素化し、製造コストを低減させることのできる車両用ディスクブレーキを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、第1の発明では、ディスクロータの両側部に、一対の摩擦パッドを挟んで対向するピストンを内挿した作用部と、反力爪を備えた反作用部とを、前記ディスクロータの外側を跨いで配設されるブリッジ部でつないでキャリパボディを構成し、該キャリパボディを、ディスクロータの一側部で車体に固設されるブラケットに、一対のスライドピンを介してディスク軸方向に移動可能に取り付けた車両用ディスクブレーキにおいて、一方のスライドピン取付け側のキャリパボディとブラケットとに、前記一方のスライドピンを収容させるキャリパ側ガイド孔とブラケット側ガイド孔とを同軸上に対向して形成し、両ガイド孔に前記一方のスライドピンの両端をスライド可能にそれぞれ挿通するとともに、前記摩擦パッドが使用限界まで摩耗したフル摩耗状態での制動時に、前記一方のスライドピンが各ガイド孔から脱落しない抜け止め構造を備えていることを特徴としている。
第2の発明では、前記両ガイド孔は、開口部同士を対向して形成したキャリパ側袋孔とブラケット側袋孔とであり、前記両袋孔と一方のスライドピンの寸法を、前記摩擦パッドが新品状態での非制動時に、両袋孔の開口端同士が接触することなく、且つ、前記一方のスライドピンの両端が両袋孔の底部と接触しない寸法に設定するとともに、前記抜け止め構造は、前記摩擦パッドがフル摩耗した状態での制動時に、前記一方のスライドピンの一端が、一方の袋孔の底部に当接した状態で、前記一方のスライドピンの他端が他方の袋孔から脱落しない寸法にそれぞれ設定することにより構成されることを特徴としている。
第3の発明では、前記キャリパ側袋孔とブラケット側袋孔の双方またはいずれか一方は、貫通孔の反対向側を閉塞部材で閉塞して形成されることを特徴としている。
第4の発明では、前記抜け止め構造は、前記キャリパ側ガイド孔とブラケット側ガイド孔との間に配設される前記一方のスライドピンの中間軸部に設けられ、前記両ガイド孔よりも大径に形成した大径規制部と、前記両ガイド孔の開口端とで構成され、前記大径規制部は、前記摩擦パッドが新品状態での非制動時に、両ガイド孔の開口端と接触することがなく、さらに、前記摩擦パッドがフル摩耗した状態での制動時に、前記大径規制部が一方のガイド孔の開口端に当接した状態で、前記一方のスライドピンが他方のガイド孔から脱落しない位置に形成されていることを特徴としている。
第5の発明では、前記大径規制部が、前記一方のスライドピンと一体に形成されていることを特徴としている。
第6の発明では、他方のスライドピンは、前記作用部の側部に突設した車体取付け腕に固定ボルトにて取付けられるとともに、前記ブラケットに突設したキャリパ支持腕のガイド孔に移動可能に内挿されることを特徴としている。
第1の発明では、一方のスライドピンをねじ等で固定させることなく簡単に取り付けることができるようになり、製造コストを低減させることができる。
第2の発明では、両ガイド孔を袋孔で形成することによりガイド孔を簡単に形成することができるようになり、また、両袋孔と一方のスライドピンの寸法を、摩擦パッドが新品状態での非制動時に、両袋孔の開口端同士が接触することなく、且つ、前記一方のスライドピンの両端が両袋孔の底部と接触しない寸法に設定するので、ブラケットとキャリパボディの作用部とが最も近づく摩擦パッドが新品状態の非制動時でも、キャリパボディのスライド性を損なうことがない。さらに、スライドピンの抜け止め構造は、ブラケットとキャリパボディの作用部とが最も離れる摩擦パッドがフル摩耗した状態での制動時に、前記一方のスライドピンの一端が、一方の袋孔の底部に当接した状態で、前記一方のスライドピンの他端が他方の袋孔から脱落しない寸法にそれぞれ設定することにより構成されることから、スライドピン抜け止めのための特別の部品を要することなく、簡単な構造で一方のスライドピンの抜け止めを図ることができる。
第3の発明では、一方のスライドピンを組み付ける際に、該一方のスライドピンを貫通孔の反対向側から挿入した後、該貫通孔を閉塞部材で閉塞すればよいので、一方のスライドピンを簡単に組み付けることができる。
第4の発明では、前記摩擦パッドが新品状態での非制動時に、大径規制部は、両ガイド孔の開口端と接触しないように形成されることから、ブラケットとキャリパボディの作用部とが最も近づく摩擦パッドが新品状態の非制動時でも、キャリパボディのスライド性を損なうことがない。さらに、前記摩擦パッドがフル摩耗した状態での制動時に、前記大径規制部が一方のガイド孔の開口端に当接した状態で、前記一方のスライドピンが他方のガイド孔から脱落しない位置に形成することにより、ブラケットとキャリパボディの作用部とが最も離れる摩擦パッドがフル摩耗状態の制動時でも、一方のスライドピンがガイド孔から脱落する虞がない。
第5の発明では、一方のスライドピン抜け止めのための特別の部品をスライドピンに取り付ける必要がなく、簡単な構造で一方のスライドピンの抜け止めを図ることができる。
第6の発明では、他方のスライドピンを従来と同様に、車体取付け腕に固定ボルトにて取付けるとともに、キャリパ支持腕のガイド孔に移動可能に内挿し、精度良く取り付けることにより、上述のように一方のスライドピンの取付け構造を簡素化しても、キャリパボディのスライド性を損なうことがない。
以下、本発明の第1形態例を図面に基づいて詳しく説明する。図1は、本発明の第1形態例を示すディスクブレーキの一部断面平面図、図2は同じく平面図、図3は図1のIII−III断面図、図4は図2のIV−IV断面図であり、図中の矢印Aは、車両前進走行時のディスクロータの回転方向を示し、以下の説明で用いるディスクブレーキ回入側と回出側とは、車両前進走行時の場合とする。
ディスクブレーキ1は、ディスクロータ2の一側部にブラケット3が車体に固設され、該ブラケット3に、本発明の他方のスライドピンとなるメインスライドピン4と、本発明の一方のスライドピンとなるサブスライドピン5とを介してキャリパボディ6がディスク軸方向へ移動可能に支持されており、キャリパボディ6の作用部6aと反作用部6bとの間には、一対の摩擦パッド7,7がディスクロータ2を挟んで対向配置されている。
ブラケット3は、正面視略U字状を呈し、中央に摩擦パッド7,7の収容凹部3aを形成するとともに、ディスクロータ2の外側をディスク軸と平行に跨ぐキャリパ支持腕3b,3bがそれぞれ延設されるとともに、ディスクロータ2内周側に車体取付け孔3c,3cが穿設されている。キャリパ支持腕3b,3bには、前記収容凹部3a側と、ディスクロータ2の他側へ延出する先端内側とに、トルク受け段部3d,3dがそれぞれ形成されている。
キャリパ支持腕3b,3bには、メインスライドピン4及びサブスライドピン5を挿通させる第1ブラケット側袋孔3eと第2ブラケット側袋孔3fとが、キャリパボディ6の車体取付腕6c,6c側に開口してそれぞれ形成されている。第1ブラケット側袋孔3eの径は、メインスライドピン4の径よりも僅かに大径に、また、第2ブラケット側袋孔3fは、サブスライドピン5の径よりも大径にそれぞれ形成される。
キャリパボディ6は、ディスクロータ2の両側部に対向配置される上述の作用部6a及び反作用部6bと、ディスクロータ2の外側を跨いでこれらをつなぐブリッジ部6dとからなっている。作用部6aの中央には、シリンダ孔8がディスクロータ2側に開口して設けられており、該シリンダ孔8にピストン9が収容され、該ピストン9とシリンダ孔8の底壁との間に、液圧室10が画成されている。シリンダ孔8の底壁には、ユニオン孔11が液圧室10に連通して設けられており、別途の図示しない液圧マスタシリンダで昇圧した作動液をユニオン孔11から液圧室10に導入して、ピストン9を押動するようになっている。
作用部6aのディスクロータ回入側と回出側には、前記車体取付け腕6c,6cがディスクロータ2の一側面に沿って突設されており、ディスク回入側の車体取付け腕6cの先端には、前記メインスライドピン4が、固定ボルト12にてディスク軸と平行に突設されている。ディスク回出側の車体取付け腕6cには、前記第2ブラケット側袋孔3fと同軸上に、該第2ブラケット側袋孔3fと同径のキャリパ側袋孔6eが対向して形成される。
前記第1ブラケット側袋孔3eに挿通されるメインスライドピン4は、取付け側に形成されたフランジ部4aが、前記固定ボルト12にて車体取付け腕6cに取り付けられるとともに、フランジ部4aの端部と第1ブラケット側袋孔3eの開口部との間には、ブーツ13が取り付けられている。
前記サブスライドピン5は、前記第2ブラケット側袋孔3fに一端側を、前記キャリパ側袋孔6eに他端側が挿通され、第2ブラケット側袋孔3fの開口部3gとキャリパ側袋孔6eの開口部6gとの間には、ブーツ14が取り付けられている。キャリパボディ6は、これらメインスライドピン4とサブスライドピン5の取付けにより、ディスク軸方向への移動が案内される。
上述の第2ブラケット側袋孔3fとキャリパ側袋孔6eとサブスライドピン5の寸法は、ブラケット3とキャリパボディ6の作用部6aに形成した車体取付腕6cとが最も近づくパッド7,7が新品状態での非制動時では、両袋孔3f,6eの開口部3g,6g同士が接触することなく、且つ、サブスライドピン5の端部5a,5bが両袋孔3f,6eの底部3h,6hと接触しない寸法に設定されている。さらに、ブラケット3と車体取付腕6cとが最も離れる摩擦パッド7,7が使用限界まで摩耗した状態、所謂フル摩耗した状態での制動時には、サブスライドピン5の一端5aが、第2ブラケット側袋孔3fの底部3hとキャリパ側袋孔6eの底部6hのいずれか一方に当接した状態で、サブスライドピン5の他方5bが、前記袋孔3f,6eの他方から脱落しない寸法に設定され、この寸法設定が本発明の抜け止め構造となっている。
各摩擦パッド7は、ディスクロータ2の側面に摺接するライニング7aと、該ライニング7aを保持する金属製の裏板7bとからなっている。裏板7bには、両側部に突出する耳片7c,7cが設けられ、該耳片7c,7cを前記トルク受け段部3d,3dにリテーナ15,15を介して支持されている。
本形態例は以上のように構成されており、運転者の制動操作によって、キャリパボディ6の液圧室10に昇圧した作動液が供給されると、ピストン9がシリンダ孔8を開口部方向へ前進して、作用部6a側の摩擦パッド7を押動し、該摩擦パッド7のライニング7aをディスクロータ2の一側面へ押圧する。次にこの反作用によって、キャリパボディ6がメインスライドピン4及びサブスライドピン5の案内にて作用部6a方向へ移動し、反作用部6bの反力爪6fが反作用部6b側の摩擦パッド7を押動し、該摩擦パッド7のライニング7aをディスクロータ2の他側面へ押圧して、制動作用が行われる。このとき、サブスライドピン5は、キャリパ側袋孔6eと第2ブラケット側袋孔3fとに単に挿通されているだけの簡単な取付構造となっているが、メインスライドピン4が、車体取付け腕6cに固定ボルト12にて精度良く取り付けられていることから、キャリパボディ6のスライド性を良好に保つことができる。
さらに、第2ブラケット側袋孔3f及びキャリパ側袋孔6eの深さと、サブスライドピン5の長さを、上述のように設定したことにより、ブラケット3とキャリパボディ6の車体取付腕6cとが最も近づく摩擦パッド7,7が新品状態の非制動時でも、接触しないキャリパボディ6のスライド性を損なうことがない。さらに、ブラケット3とキャリパボディ6の車体取付腕6cとが最も離れる摩擦パッド7,7がフル摩耗状態の制動時でも、サブスライドピン5が、両袋孔3f,6eから抜け落ちる虞がない。
また、摩擦パッド7,7を、交換やメンテナンスのために着脱する場合には、固定ボルト12を外し、メインスライドピン4を引き抜いて、サブスライドピン5を支軸として、キャリパボディ6をディスクロータ2の外側へ回動させることにより、キャリパボディ6をブラケット3から取り外すことなく摩擦パッドを簡便に着脱することができる。
上述のように、本形態例では、サブスライドピンの取付構造を、キャリパボディのスライド性を損なうことなく簡略化することができるので、製造コストを低減させることができる。
図5は本発明の第2形態例を示す要部断面平面図で、第1形態例と同一の箇所には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
本形態例のキャリパ側袋孔20は、ディスク回出側の車体取付け腕6cに穿設され、第2ブラケット側袋孔3fと同軸のガイド孔となる貫通孔20aと、該貫通孔20aの反対向側を閉塞する閉塞部材20bとで形成されている。
このようにキャリパ側袋孔20を形成することによって、サブスライドピン5を組み付ける際には、サブスライドピン5を貫通孔20aの反対向側から挿入した後、貫通孔20aを閉塞部材20bで閉塞すればよく、サブスライドピン5を簡単に組み付けることができる。
また、本形態例では、キャリパ側袋孔を貫通孔と閉塞部材とで構成しているが、ブラケット側袋孔を貫通孔と閉塞部材とで構成してもよく、両者を貫通孔と閉塞部材とで構成することもできる。
図6は本発明の第3形態例を示す要部断面平面図で、第1形態例と同一の箇所には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
本形態例では、キャリパ支持腕3bと、車体取付腕6cとに形成されるサブスライドピン30のガイド孔となる貫通孔31,32が同軸上に穿設されている。本形態例の抜け止め構造は、貫通孔31,32の間に配設されるサブスライドピン30の中間軸部に設けられ、貫通孔31,32よりも大径に形成した大径規制部30aと、貫通孔31,32の開口端31a,32aとで構成される。
大径規制部30aは、摩擦パッド7,7が新品状態での非制動時に、開口端31a,32aと接触することがなく、さらに、摩擦パッド7,7がフル摩耗した状態での制動時に、大径規制部30aが、貫通孔31,32のいずれか一方の開口端31a,32aに当接した状態で、サブスライドピン30が貫通孔31,32の他方から脱落しない位置に形成されている。
上述のように大径規制部30aの形成位置を設定することにより、ブラケット3とキャリパボディ6の車体取付腕6cとが最も近づく摩擦パッド7,7が新品状態の非制動時でも、キャリパボディ6のスライド性を損なうことがない。さらに、ブラケット3とキャリパボディ6の車体取付腕6cとが最も離れる摩擦パッド7,7がフル摩耗状態の制動時でも、サブスライドピン30が貫通孔31,32から脱落することがない。本形態例では、サブスライドピンのガイド孔を貫通孔としているが、袋孔でも差し支えない。
また、本発明は上述の各形態例のように、一方のスライドピンの取付構造を上述のように簡略化し、他方のスライドピンを従来のように精度良く取り付けるものに限らず、両方のスライドピンを上述のサブスライドピンのような簡略化した取付構造としたものでもよい。
1…ディスクブレーキ、2…ディスクロータ、3…ブラケット、3a…収容凹部、3b…キャリパ支持腕、3c…車体取付け孔、3d…トルク受け段部、3e…第1ブラケット側袋孔、3f…第2ブラケット側袋孔、3g,6g…開口部、3h,6h…底部、4…メインスライドピン、4a…フランジ部、5,30…サブスライドピン、6…キャリパボディ、6a…作用部、6b…反作用部、6c…車体取付腕、6d…ブリッジ部、6e,20…キャリパ側袋孔、6f…反力爪、6h…反力爪の前面、7…摩擦パッド、7a…ライニング、7b…裏板、7c…耳片、8…シリンダ孔、9…ピストン、9a…先端部、10…液圧室、11…ユニオン孔、12…固定ボルト、13,14…ブーツ、15…リテーナ、20a,31,32…貫通孔、20b…閉塞部材、31a,32a…開口端、30a…大径規制部
Claims (6)
- ディスクロータの両側部に、一対の摩擦パッドを挟んで対向するピストンを内挿した作用部と、反力爪を備えた反作用部とを、前記ディスクロータの外側を跨いで配設されるブリッジ部でつないでキャリパボディを構成し、該キャリパボディを、ディスクロータの一側部で車体に固設されるブラケットに、一対のスライドピンを介してディスク軸方向に移動可能に取り付けた車両用ディスクブレーキにおいて、一方のスライドピン取付け側のキャリパボディとブラケットとに、前記一方のスライドピンを収容させるキャリパ側ガイド孔とブラケット側ガイド孔とを同軸上に対向して形成し、両ガイド孔に前記一方のスライドピンの両端をスライド可能にそれぞれ挿通するとともに、前記摩擦パッドが、使用限界まで摩耗したフル摩耗状態での制動時に、前記一方のスライドピンが各ガイド孔から脱落しない抜け止め構造を備えていることを特徴とする車両用ディスクブレーキ。
- 前記両ガイド孔は、開口部同士を対向して形成したキャリパ側袋孔とブラケット側袋孔とであり、前記両袋孔と一方のスライドピンの寸法を、前記摩擦パッドが新品状態での非制動時に、両袋孔の開口端同士が接触することなく、且つ、前記一方のスライドピンの両端が両袋孔の底部と接触しない寸法に設定するとともに、前記抜け止め構造は、前記摩擦パッドがフル摩耗した状態での制動時に、前記一方のスライドピンの一端が、一方の袋孔の底部に当接した状態で、前記一方のスライドピンの他端が他方の袋孔から脱落しない寸法にそれぞれ設定することにより構成されることを特徴とする請求項1記載の車両用ディスクブレーキ。
- 前記キャリパ側袋孔とブラケット側袋孔の双方またはいずれか一方は、貫通孔の反対向側を閉塞部材で閉塞して形成されることを特徴とする請求項2記載の車両用ディスクブレーキ。
- 前記抜け止め構造は、前記キャリパ側ガイド孔とブラケット側ガイド孔との間に配設される前記一方のスライドピンの中間軸部に設けられ、前記両ガイド孔よりも大径に形成した大径規制部と、前記両ガイド孔の開口端とで構成され、前記大径規制部は、前記摩擦パッドが新品状態での非制動時に、両ガイド孔の開口端と接触することがなく、さらに、前記摩擦パッドがフル摩耗した状態での制動時に、前記大径規制部が一方のガイド孔の開口端に当接した状態で、前記一方のスライドピンが他方のガイド孔から脱落しない位置に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用ディスクブレーキ。
- 前記大径規制部が、前記一方のスライドピンと一体に形成されていることを特徴とする請求項4記載の車両用ディスクブレーキ。
- 他方のスライドピンは、前記作用部の側部に突設した車体取付け腕に固定ボルトにて取付けられるとともに、前記ブラケットに突設したキャリパ支持腕のガイド孔に移動可能に内挿されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用ディスクブレーキ。
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