JP2005248920A - 建設機械 - Google Patents

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Takanobu Nakayoshi
尊伸 中吉
Kazuyoshi Yamaguchi
和芳 山口
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一治 但馬
Takaharu Michida
隆治 道田
Yoshiaki Fujimoto
吉明 藤本
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Abstract

【課題】 燃料ガス供給システムにおける減圧部と熱交換媒体との熱交換作用を常時確保して減圧部の凍結を確実に防止し、しかも熱交換部の構造を簡単にかつ低コストにする。
【解決手段】 ガスボンベ1に貯留された圧縮天然ガスを減圧部2で減圧してエンジン3に燃料として送り、このエンジン3で油圧ポンプ4を駆動するシステムにおいて、減圧部2を収容した熱交換箱10に、油圧アクチュエータ6から出た戻り油ライン7の作動油を通すことにより、作動油と減圧部2との間で熱交換作用を行なわせる熱交換器9を構成し、減圧部2の凍結を防止するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は圧縮天然ガス等の圧縮ガスを燃料とする原動機が搭載された建設機械に関するものである。
近年、エネルギー対策や環境対策の観点から、自動車のみならずショベル等の建設機械においても原動機燃料として圧縮天然ガス等の圧縮ガスを用いることが検討されている。
燃料として圧縮天然ガス(CNG)を用いる場合で説明すると、圧縮天然ガス(以下、単にガスという)はガスボンベに20Mpa程度の高圧で貯蔵され、このガスボンベから出たガスが、減圧部(減圧弁によって減圧する部分)によりエンジン燃料に適した圧力(0.4Mpa程度)まで減圧されてエンジンに供給される。
ところが、この燃料供給システムでは、減圧時に断熱膨張によって減圧部が冷却され、管路や機器(減圧弁)が凍結するという問題があった。
この凍結対策として、特許文献1に示されているように、エンジンの冷却水を熱交換媒体として減圧部に導き、このエンジン冷却水と減圧部との間の熱交換作用によって減圧部を加温する技術が提案されている。
特開平11−13548号公報
しかし、上記公知技術の欠点として、エンジン冷却水の温度は、減圧部の加温には高過ぎる100°以上にまで上昇するため、減圧部(減圧弁や管路等)の熱負担が大きくなる。
この熱負担を軽減する策として、公知技術では、冷却水温を監視し、設定温度以上になると温水遮断弁を閉じて減圧部への冷却水の供給を遮断することとしている。
従って、エンジン冷却水の遮断中、熱交換作用(減圧部の加温作用)が中断するため、この間に減圧部が凍結するおそれがある。つまり、凍結防止機能が不確実となり、しかも温水遮断弁や温度センサ等を付加しなければならないことで熱交換部の構造が複雑化しコスト高となる。
そこで本発明は、燃料ガス供給システムにおける減圧部と熱交換媒体との熱交換作用を常時確保して減圧部の凍結を確実に防止でき、しかも熱交換部の構造が簡単で低コストですむ建設機械を提供するものである。
請求項1の発明は、圧縮ガスを燃料とする原動機により油圧ポンプを駆動し、この油圧ポンプから吐出される作動油によって油圧アクチュエータを作動させる建設機械において、上記油圧ポンプから吐出された作動油と、上記圧縮ガスを減圧して上記原動機に供給する減圧部との間で熱交換作用を行なう熱交換器が設けられたものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成において、熱交換器は、油圧アクチュエータから出てタンクに戻る作動油と減圧部との間で熱交換作用を行なうように構成されたものである。
請求項3の発明は、請求項1または2の構成において、作動油が流入・流出する熱交換箱内に減圧部が収容されることによって熱交換器が構成されたものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成において、減圧部の外周に放熱フィンが設けられたものである。
本発明によると、建設機械特有の流体である油圧アクチュエータ駆動用の作動油に着目し、この作動油がエンジン冷却水のような必要以上の高温とはならない(100℃以上とはならない)点を生かして、作動油を媒体として燃料供給システムの減圧部との間で熱交換作用を行なわせる構成としたから、減圧部に熱負担を与えずに加温することができる。
従って、エンジン冷却水の場合のように温度を監視して必要時に遮断するという操作が不要となる。つまり、熱負担軽減のための熱交換作用の中断がない。
このため、高効率で安定した熱交換作用が得られ、これによって減圧部の凍結を確実に防止することができる。
とくに、請求項2の発明によると、油圧アクチュエータから出て作動油タンクに戻る高温の戻り油を熱交換媒体として用いるため、減圧部の加温効果が高いものとなる。
また、請求項3の発明によると、熱交換箱内に減圧部を収容してここに作動油を導入する構成であるため、たとえば作動油の管路を減圧部に単に近接させる場合と比較して、より高い熱交換効率を得ることができる。
さらに、請求項4の発明のように減圧部の外周に放熱フィンを設けることによってさらに熱交換効率を上げることができる。
しかも、本発明によると、温度監視用の温度センサも遮断弁も不要となるため、熱交換部の構造が簡単となり、低コストですむ。
ところで、油圧アクチュエータから出てタンクに戻る途中の戻り油は、オイルクーラ及び作動油タンクでの冷却作用をまだ受けていないことから、ポンプから吐出された作動油よりも高温状態にあり、長時間の連続作業時等に過熱して回路機器に悪影響を与えるおそれがある。また、また、この戻り油に限らず、回路中の作動油が高温化すると、粘度低下によってリーク量が増える等の問題がある。
この点、本発明(とくに請求項2の発明)によると、作動油が減圧部を加温すると同時に、自らは減圧部の冷熱によって効果的に冷却されるため、作動油の高温化(戻り油の過熱)をも防止できるという、一石二鳥の効果が得られる。
基本実施形態(図1,2参照)
図1は圧縮天然ガスを燃料とするエンジンによって油圧ポンプを駆動するシステムの全体構成を示す。
同図に示すように、ガスボンベ1に20Mpa程度の高圧で貯蔵された圧縮天然ガス(以下、単にガスという)は、減圧部2でエンジン燃料に適した圧力である0.4Mpa程度まで減圧された後、エンジン3に供給される。
なお、上記減圧部2とは、ガスを断熱膨張させる減圧弁とその付属機器及び管路をいう。
エンジン3は上記ガスを燃料として運転され、このエンジン3によって油圧ポンプ4が駆動される。
この油圧ポンプ4から吐出された圧油は、コントロールバルブ5を介して油圧アクチュエータ6に送られ、同アクチュエータ6を作動させた後、戻り油ライン7を通って作動油タンク8に戻される。
この建設機械においては、戻り油ライン7の途中に熱交換器9が設けられ、この熱交換器9によって作動油(戻り油)と減圧部2との間で熱交換を行わせるように構成されている。
この熱交換器9は、図2に拡大して示すように、作動油が流入する入口ポート10aと作動油が流出する出口ポート10bとを有する熱交換箱10内に減圧部2が収容されて構成され、作動油が減圧部2に接しながら通過することによって熱交換作用、すなわち、作動油の熱で減圧部2を加温する作用が行なわれる。
この構成によると次の利点を有する。
i) 油圧アクチュエータ駆動用の作動油は、エンジン冷却水のように100℃を超えるほどの高温とはならないため、減圧部2を必要以上に加熱する(減圧部2の熱負担が大きくなる)おそれがない。
従って、エンジン冷却水で加温する公知技術の場合のようにエンジン冷却水の温度を監視し、設定温度以上となったときにエンジン冷却水を遮断するという操作が不要となる。つまり、熱交換作用が中断なしに常時行なわれる。
ii) 油圧アクチュエータ6から出て作動油タンク8に戻る高温の戻り油を熱交換媒体として用いるため、高い熱交換効率が得られる。
iii) 熱交換箱10内に減圧部2を収容してここに作動油を導入する構成であるため、たとえば作動油の管路を減圧部2に単に近接させる場合と比較して、より高い熱交換作用を得ることができる。
これらの点により、高効率で安定した熱交換作用が得られるため、減圧部2の凍結を確実に防止することができる。
しかも、温度監視用の温度センサも遮断弁も不要となるため、熱交換部の構造が簡単となり、低コストですむ。
さらに、作動油は減圧部2を加温すると同時に、自らは減圧部2の冷熱によって効果的に冷却される。このため、作動油の高温化によるリーク量の増加や、作動油の過熱による回路機器への悪影響をも防止することができる。
他の実施形態
(1) 図3に示すように、減圧部2の外周に多数の放熱フィン11…を設けてもよい。こうすれば、放熱フィン11…によって減圧部2の表面積が増すため、熱交換効率をさらに高めることができる。
(2) 本発明は、天然ガス以外の圧縮ガス(LPガス、水素等)を燃料とするエンジンを用いる建設機械にも適用することができる。また、燃料電池機関を原動機とする建設機械にも適用可能である。これを図4によって説明する。
燃料電池機関の場合、図示のようにガスボンベ12に貯留された燃料ガスが減圧部13により減圧されて改質器14に送られ、ここで抽出された水素が燃料電池本体15に送られて発電作用が行なわれる。
作られた電気はインバータ16を介して電動機17に供給され、この電動機17によって油圧ポンプ4が駆動される。他の部分は図1と同じにつき同一符号を付して説明を省略する。
このシステムにおいても、戻り油ライン7の途中に、減圧部13を収容する熱交換箱18を設けて熱交換器19を構成し、この熱交換器19によって作動油(戻り油)と減圧部13との間で熱交換作用を行わせるように構成すればよい。
(3) 上記実施形態では、戻り油を全量、熱交換器9,19に通すようにしたが、戻り油の一部のみを熱交換器9,19に送るようにしてもよい。
また、戻り油でなく、油圧ポンプ4から油圧アクチュエータ6に向かうポンプ吐出油の全量または一部を熱交換器9,19に通すようにしてもよい。
(4) 上記実施形態では、作動油が流入・流出する熱交換箱10,18内に減圧部2,13を収容して熱交換器9,19を構成したが、作動油管路を減圧部2,13に密着または近接して配置し、またはコイル状に巻き付け配置することによって熱交換器を構成してもよい。
本発明の基本実施形態を示すシステム構成図である。 熱交換器の拡大図である。 本発明の他の実施形態として減圧部の外周にフィンを設けた場合の図2相当図である。 燃料電池機関を原動機として用いる場合のシステム構成図である。
符号の説明
1 ガスボンベ
2 減圧部
3 原動機としてのエンジン
4 油圧ポンプ
6 油圧アクチュエータ
7 戻り油ライン
8 作動油タンク
9 熱交換器
10 熱交換箱
11 放熱フィン
12 燃料電池機関を原動機とする場合のガスボンベ
13 同、減圧部
14 同、改質器
15 燃料電池本体
17 油圧ポンプを駆動する電動機
18 熱交換箱
19 熱交換器

Claims (4)

  1. 圧縮ガスを燃料とする原動機により油圧ポンプを駆動し、この油圧ポンプから吐出される作動油によって油圧アクチュエータを作動させる建設機械において、上記油圧ポンプから吐出された作動油と、上記圧縮ガスを減圧して上記原動機に供給する減圧部との間で熱交換作用を行なう熱交換器が設けられたことを特徴とする建設機械。
  2. 熱交換器は、油圧アクチュエータから出てタンクに戻る作動油と減圧部との間で熱交換作用を行なうように構成されたことを特徴とする請求項1記載の建設機械。
  3. 作動油が流入・流出する熱交換箱内に減圧部が収容されることによって熱交換器が構成されたことを特徴とする請求項1または2記載の建設機械。
  4. 減圧部の外周に放熱フィンが設けられたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建設機械。
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