JP2005248747A - エンジン電子制御装置及びそれを搭載した車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アクティブ制御を実行している途中でエンジンが停止したあとエンジンを再始動するときの排ガスを安定して浄化することができる。
【解決手段】 エンジンを再始動する前のエンジン停止時にアクティブ制御ルーチンが中断された場合には(S206でYes、S208、S210でYes)、アクティブ制御の中断時における排気浄化触媒のOSCと所定の中立範囲とを比較し(S216)、その比較結果に基づいて再始動時噴射量TAUを決定し燃料噴射制御を実行する(S216〜S226)。ここで、排気浄化触媒に吸蔵されるOSCは、エンジン停止中に排気浄化触媒に流通する空気の影響よりもアクティブ制御の中断時の状況によって左右されやすいこと等からアクティブ制御の中断時におけるOSCとみなしても精度上問題は生じにくい。
【選択図】 図5
【解決手段】 エンジンを再始動する前のエンジン停止時にアクティブ制御ルーチンが中断された場合には(S206でYes、S208、S210でYes)、アクティブ制御の中断時における排気浄化触媒のOSCと所定の中立範囲とを比較し(S216)、その比較結果に基づいて再始動時噴射量TAUを決定し燃料噴射制御を実行する(S216〜S226)。ここで、排気浄化触媒に吸蔵されるOSCは、エンジン停止中に排気浄化触媒に流通する空気の影響よりもアクティブ制御の中断時の状況によって左右されやすいこと等からアクティブ制御の中断時におけるOSCとみなしても精度上問題は生じにくい。
【選択図】 図5
Description
本発明は、エンジン電子制御装置及びそれを搭載した車両に関し、詳しくはエンジンの自動停止や自動再始動を行うエンジン電子制御装置及びそれを搭載した車両に関する。
従来より、エンジンとモータを備えたハイブリッド車両やアイドルストップシステムを備えた車両などのように、エンジンの自動停止や自動再始動を繰り返し行う車両が知られている。ここで、エンジンが停止する場合、燃料噴射を停止してからエンジンの回転が完全に停止するまでの間にエンジンが空転してシリンダに空気が流入しその空気が排気浄化触媒に排出されることから、排気浄化触媒は酸素を吸蔵しやすい。このため、特許文献1では、エンジンが自動停止するときにはエンジンの自動停止期間中に排気浄化触媒に吸蔵される酸素吸蔵量を排気浄化触媒の下流に配置したリア排気センサの出力値から算出し、エンジンを再始動するときにその酸素吸蔵量に基づいて目標空燃比をリッチ空燃比に設定して空燃比制御を行っている。
特開2003−83121号公報
上述したようにエンジンが自動停止するときには、エンジンの空転等によって排気浄化触媒は酸素を吸蔵しやすくなるが、リーン空燃比とリッチ空燃比とを交互に目標空燃比とするアクティブ制御を実行している途中でエンジンが自動停止したときには、強制的に空燃比をリーンにしたりリッチにしたりしているため、エンジンの空転等による場合に比べてアクティブ制御の中断時の状況の方が酸素吸蔵量に与える影響が大きい。一方で、エンジンの空転等によって排気浄化触媒がどの程度酸素を吸蔵するかを精度よく求めることは難しいという問題もある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、アクティブ制御を実行している途中でエンジンが停止したあとエンジンを再始動するときの排ガスを安定して浄化することができるエンジン電子制御装置を提供することを目的の一つとする。また、そのようなエンジン電子制御装置を搭載した車両を提供することを目的の一つとする。
本発明は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明のエンジン電子制御装置は、
空気と燃料との混合気を燃焼させて得た燃焼エネルギを運動エネルギに変換するエンジンと、
酸素の吸蔵・放出が可能で前記エンジンからの排気を浄化する排気浄化触媒と、
前記エンジンに燃料を噴射する燃料噴射手段と、
前記混合気が目標空燃比となるように前記燃料噴射手段の燃料噴射量を決定し該燃料噴射量の燃料を前記燃料噴射手段が噴射するように制御する燃料噴射制御手段と、
所定のエンジン停止条件が成立したときに前記エンジンを停止させその後所定のエンジン再始動条件が成立したときに前記エンジンを再始動する停止再始動制御手段と、
を備え、
前記燃料噴射制御手段は、前記停止再始動制御手段により前記エンジンが再始動されるとき、該再始動前のエンジン停止時にリーン空燃比とリッチ空燃比とを交互に目標空燃比とするアクティブ制御が中断された場合には該アクティブ制御の中断時における前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量に相関を持つ値に基づいて前記エンジンを再始動するときの再始動時噴射量を決定するものである。
空気と燃料との混合気を燃焼させて得た燃焼エネルギを運動エネルギに変換するエンジンと、
酸素の吸蔵・放出が可能で前記エンジンからの排気を浄化する排気浄化触媒と、
前記エンジンに燃料を噴射する燃料噴射手段と、
前記混合気が目標空燃比となるように前記燃料噴射手段の燃料噴射量を決定し該燃料噴射量の燃料を前記燃料噴射手段が噴射するように制御する燃料噴射制御手段と、
所定のエンジン停止条件が成立したときに前記エンジンを停止させその後所定のエンジン再始動条件が成立したときに前記エンジンを再始動する停止再始動制御手段と、
を備え、
前記燃料噴射制御手段は、前記停止再始動制御手段により前記エンジンが再始動されるとき、該再始動前のエンジン停止時にリーン空燃比とリッチ空燃比とを交互に目標空燃比とするアクティブ制御が中断された場合には該アクティブ制御の中断時における前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量に相関を持つ値に基づいて前記エンジンを再始動するときの再始動時噴射量を決定するものである。
このエンジン電子制御装置では、強制的に空燃比をリーンにしたりリッチにしたりするアクティブ制御を実行している途中でエンジンが自動停止することがある。その場合、排気浄化触媒に吸蔵される酸素吸蔵量は、エンジン停止中に排気浄化触媒に流通する空気の影響よりもアクティブ制御の中断時の状況によって左右されやすいし、エンジン停止中に排気浄化触媒を流通する空気の影響を精度よく求めるのは難しいため該空気の影響を考慮すると却って誤差が生じるおそれもある。このことから、アクティブ制御を実行している途中でエンジンが停止したあとエンジンを再始動するときの排気浄化触媒の酸素吸蔵量は、アクティブ制御の中断時における排気浄化触媒の酸素吸蔵量とみなしても精度上問題は生じにくい。したがって、エンジンを再始動する前のエンジン停止時にアクティブ制御が中断された場合には該アクティブ制御の中断時における排気浄化触媒の酸素吸蔵量に相関を持つ値に基づいてエンジンを再始動するときの再始動時噴射量を決定し燃料噴射制御を実行することにより、エンジンの再始動時の排気を安定して浄化することができる。
ここで、「酸素吸蔵量に相関を持つ値」とは、酸素吸蔵量そのものであってもよいし酸素吸蔵量の変化に応じて変化する値であってもよい。
本発明のエンジン電子制御装置は、前記排気浄化触媒の下流に設置され排気中の酸素濃度に応じて出力値が変化するリア排気センサを備え、前記燃料噴射制御手段は、前記アクティブ制御の実行中に前記リア排気センサの出力値に基づいて前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量に相関を持つ値を求めてもよい。一般にリア排気センサの出力値は排気浄化触媒の酸素吸蔵量に応じて変化するため、アクティブ制御の実行中にリア排気センサ出力値に基づいて酸素吸蔵量に相関を持つ値を比較的精度よく求めることができる。
本発明のエンジン電子制御装置において、前記燃料噴射制御手段は、前記停止再始動制御手段により前記エンジンが再始動されるとき、該再始動前のエンジン停止時に前記アクティブ制御が中断された場合には該アクティブ制御の中断時における前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量に相関を持つ値と所定の中立範囲とを比較し該比較結果に基づいて前記再始動時噴射量を決定してもよい。一般に排気浄化触媒はその酸素吸蔵能力の限界まで酸素を吸蔵していたり酸素を放出しきって全く酸素を吸蔵していなかったりする場合には浄化機能が低下する。このため、浄化機能が低下しないような酸素吸蔵量に相関を持つ値の中立範囲を予め定めておき、排気浄化触媒の酸素吸蔵量に相関を持つ値とその中立範囲とを比較して再始動時噴射量を決定することが好ましい。このとき、前記燃料噴射制御手段は、前記酸素吸蔵量に相関を持つ値が前記中立範囲を上回れば前記再始動時噴射量を増量補正し前記中立範囲を下回れば前記再始動時噴射量を減量補正してもよい。具体的には、酸素吸蔵量に相関を持つ値が中立範囲を上回ったときにはその上回った分の酸素を消費するように再始動時噴射量を増量補正し、酸素吸蔵量に相関を持つ値が中立範囲を下回ったときにはその下回った分の酸素を補充するように再始動時噴射量を減量補正してもよい。
本発明のエンジン電子制御装置において、前記燃料噴射制御手段は、1トリップ中に前記アクティブ制御を前記排気浄化触媒の酸素吸蔵能力の測定が終了するまで繰り返し実行するものであってもよい。この場合、アクティブ制御を開始したあとエンジンの自動停止によりアクティブ制御が中断されその後エンジンが再始動されるというケースが1トリップ中に繰り返されることがあることから、エンジン再始動時の排気を安定して浄化したいという要望が高いため、本発明を適用する意義が高い。ここで、「酸素吸蔵能力」とは、最大酸素吸蔵量とも称されることがあり、排気浄化触媒が酸素を放出しきった状態から酸素を限界まで吸蔵した状態になるまでの酸素量又は排気浄化触媒が酸素を限界まで吸蔵した状態から酸素を放出しきった状態になるまでの酸素量をいう。また、「1トリップ」とは、本明細書ではイグニッションオンからイグニッションオフまでをいう。
本発明の車両は、上述したエンジン電子制御装置を搭載しているため、エンジンを再始動する前のエンジン停止時にアクティブ制御が中断された場合には該アクティブ制御の中断時における排気浄化触媒の酸素吸蔵量に相関を持つ値に基づいてエンジンを再始動するときの再始動時噴射量を決定し燃料噴射制御を実行することにより、エンジンの再始動時の排気を安定して浄化することができる。
図1は本発明の一実施形態であるハイブリッド自動車10の構成の概略を示す構成図であり、図2は実施形態のハイブリッド自動車10が搭載するエンジン20の構成の概略を示す構成図である。この実施形態のハイブリッド自動車10は、図1に示すように、燃料を燃焼した燃焼エネルギを運動エネルギに変換するエンジン20と、エンジンシステム全体をコントロールするエンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)50と、エンジン20の出力軸としてのクランクシャフト27に接続された3軸式の動力分配統合機構12と、動力分配統合機構12に接続された発電可能なモータMG1,MG2と、モータMG1,MG2の発電及び駆動を制御するモータ用電子制御ユニット(モータECU)14と、モータMG1,MG2と電力のやりとりを行うバッテリ16と、動力分配統合機構12に接続された軸にチェーンベルト15を介して接続された駆動軸17と、ハイブリッドシステム全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)70とを備える。なお、駆動軸17はデファレンシャルギヤ18を介して駆動輪19,19に接続されている。また、ハイブリッド自動車10は、図2に示すように、更にエンジン20の下流側に、排気を浄化する触媒コンバータ30、混合気の空燃比に応じて出力値が変化するフロント排気センサ35、空燃比がリッチかリーンかに応じて出力値が変化するリア排気センサ36などを備える。
エンジン20は、例えばガソリンなどの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、エアクリーナ21により清浄された空気をスロットルバルブ22を介して吸入すると共にインジェクタ23(燃料噴射手段)からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ24を介して燃焼室に吸入し、点火プラグ25による電気火花によって爆発燃焼させた燃焼エネルギにより押し下げられるピストン26の往復運動をクランクシャフト27が回転する運動エネルギに変換する。このクランクシャフト27には10°CAごとにパルスを出力するクランク角センサ37が取り付けられている。エンジン20からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する触媒コンバータ30を介して車外へ排出される。
触媒コンバータ30は、排気管34に接続され排気浄化触媒31が充填されたものである。排気浄化触媒31として用いられる三元触媒は、白金(Pt)やパラジウム(Pd)などの酸化触媒と、ロジウム(Rh)などの還元触媒と、セリア(CeO2)などの助触媒などで構成される。そして、酸化触媒の作用により排気に含まれるCOやHCが水(H2O)や二酸化炭素(CO2)に浄化され、還元触媒の作用により排気に含まれるNOxが窒素(N2)や酸素(O2)などに浄化される。この三元触媒では、混合気の空燃比が理論空燃比近傍のいわゆるウインドウ領域のときに還元触媒によるNOxの吸着・分解反応とその際に生成する酸化成分によるHC,COの酸化反応とがバランスよく進み、HC、CO、NOxのすべてに対して高い浄化率を示す。ここで、CeO2は、セリウム(Ce)の価数が3価と4価との間で可逆的に変化する性質を持つため、排気がリーン雰囲気のときには3価から4価に変化して排気から酸素を吸蔵し、排気がリッチ雰囲気のときには4価から3価に変化して排気へ酸素を放出する。これにより、酸化触媒や還元触媒の近傍の雰囲気が大きく変動することがないので、結果的にウインドウ領域が拡がる。なお、NOxの浄化率はウインドウ領域よりもリーン側になるほど低下し、HCやCOの浄化率はウインドウ領域よりもリッチ側になるほど低下する。
フロント排気センサ35は、排気管34のうち触媒コンバータ30の上流に設置され空燃比に応じて出力値が変化するセンサであり、本実施形態では所定の電圧(例えば0.3V)を印加した状態で酸素濃度に応じた限界電流を出力する限界電流式酸素センサを採用している。このフロント排気センサ35は、空燃比に対する出力電流値がリニアな関係であるため、出力電流値から直接空燃比を求めることができる。なお、フロント排気センサ35は、電気的にエンジンECU50に接続されている。
リア排気センサ36は、排気管34のうち触媒コンバータ30の下流に設置され空燃比がリッチかリーンかに応じて出力値が変化するセンサであり、本実施形態では電解質であるジルコニアを大気に接触する基準電極と排気に接触する測定電極とで挟み両電極の酸素濃度差に応じた起電力を生じるジルコニア酸素センサを採用している。このリア排気センサ36は理論空燃比(A/F=14.5〜14.7)を境に出力電圧がリッチ側で約1V、リーン側で約0Vとなるため、適切なスライスレベル(例えば0.45V)を設定して出力電圧とスライスレベルとの大小を比較することにより触媒コンバータ30の下流に排出される排気がリッチなのかリーンなのかを判別することができる。なお、このリア排気センサ36は、電気的にエンジンECU50に接続されている。
エンジンECU50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM54と、一時的にデータを記憶するRAM56と、入出力ポート(図示せず)とを備える。このエンジンECU50は、エンジン20の状態を検出する種々のセンサからの信号が入力ポートを介して入力されている。具体的には、エンジンECU50には、エンジン20の吸入空気量を検出するエアフローメータ28からの吸入空気量、フロント排気センサ35からの信号、リア排気センサ36からの信号、クランク角センサ37からのパルス信号などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU50からは、エンジン20を駆動するための種々の制御信号が図示しない出力ポートを介して出力されている。具体的には、エンジンECU50からは、インジェクタ23への駆動信号、点火プラグ25の着火を行うイグナイタと一体化されたイグニッションコイル29への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU50は、ハイブリッドECU70と電気的に接続され、ハイブリッドECU70からの制御信号によりエンジン20を運転制御すると共に必要に応じてエンジン20の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。このエンジンECU50が本発明の燃料噴射制御手段及び停止再始動制御手段に相当する。
動力分配統合機構12は、モータMG1に接続されたサンギヤ12a、モータMG2に接続されたリングギヤ12b、サンギヤ12a及びリングギヤ12bと噛合する複数のピニオンギヤ12c及びエンジン20のクランクシャフト27に接続されピニオンギヤ12cを自転且つ公転自在に保持するキャリア12dを回転要素として差動作用を行う遊星歯車機構として構成されている。この動力分配統合機構12は、モータMG1が発電機として機能するときにはエンジン20からの動力をモータMG1側と駆動軸側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG2が電動機として機能するときにはエンジン20からの動力とモータMG2からの動力を統合して駆動軸に出力する。
モータMG1及びモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、バッテリ16と電力のやりとりを行う。モータECU14は、周知のCPU、ROM、RAMを中心とするマイクロプロセッサとして構成され、入出力ポート(図示せず)を備える。このモータECU14は、図示しないインバータによりモータMG1及びモータMG2の発電及び駆動を制御し、ハイブリッドECU70と電気的に接続されている。なお、動力分配統合機構12の出力軸の詳細な構成やモータMG1,MG2の詳細な制御については本発明に特に関係せず、例えば特開平9−308012などに詳細に記載されているためここではその説明を省略する。
ハイブリッドECU70は、周知のCPU、ROM、RAMを中心とするマイクロプロセッサとして構成され、入出力ポート(図示せず)を備える。ハイブリッドECU70には、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Ac,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッドECU70は、エンジンECU50やモータECU14と各種制御信号やデータのやりとりを行っている。なお、図示しない電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいてバッテリ16の残容量(SOC)も演算している。
本実施形態のハイブリッド自動車10は、シフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Ac,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどの各種情報を入力し、この各種情報に基づいて駆動軸17に出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力が効率よく出力されるように、エンジン20とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。
次に、こうして構成された本実施形態のハイブリッド自動車10のエンジンECU50の動作、特に排気浄化触媒31の酸素吸蔵能力(最大酸素吸蔵量)を測定するアクティブ制御ルーチンとエンジン20の自動停止や再始動を行う自動停止再始動ルーチンについて説明する。
まず、アクティブ制御ルーチンについて図3に基づいて説明する。このルーチンは、ROM54に記憶され、エンジンECU50のCPU52により所定タイミングごと(例えば所定クランク角ごと)に繰り返し実行される。図3のアクティブ制御ルーチンが開始されると、CPU52は、まず、1トリップ中にアクティブ制御が実行されて最大OSC(OSCはoxygen storage capacityの略)が既に保存されているか否かを判定する(ステップS100)。この判定は例えばRAM56の所定領域に最大OSCが保存されているか否かによって行われる。なお、最大OSCは1トリップ開始時にリセットされる。ステップS100で最大OSCが保存済みのときにはそのままこのルーチンを終了し、最大OSCが保存済みでないときには、アクティブフラグFactが1にセットされているか否かを判定する(ステップS102)。このアクティブフラグFactは、アクティブ制御実行条件が成立したときに1にセットされ最大OSCを保存した後にゼロにリセットされるフラグであり、初期値は0に設定されている。
ステップS102でアクティブフラグFactが1でないと判定されたときには、CPU52は、アクティブ制御実行条件が成立しているか否かを判定する(ステップS104)。アクティブ制御実行条件は、例えばエンジン20が定常状態で運転されているときに成立する条件である。ステップS102でアクティブ制御実行条件が成立していないときにはそのままこのルーチンを終了し、アクティブ制御実行条件が成立したときにはアクティブフラグFactを1にセットし(ステップS106)、続いてリア排気センサ36の出力値がリーン雰囲気を表す値かリッチ雰囲気を表す値かを判定する(ステップS108)。ここで、リア排気センサ36は排気浄化触媒31を通過してきた排気の酸素濃度が所定濃度より高いときつまりリッチ雰囲気のときにはスライスレベルを超える電圧を出力し、その排気の酸素濃度が所定濃度より低いときつまりリーン雰囲気のときにはスライスレベルを以下の電圧を出力する。そして、ステップS108で排気浄化触媒31を通過してきた排気がリーン雰囲気のときには目標空燃比をリッチ空燃比(例えばA/F=14.1)に設定し(ステップS110)、リッチ制御中フラグFRに1をセットすると共にリーン制御中フラグFLをリセットし(ステップS112)、このルーチンを終了する。一方、ステップS108で排気浄化触媒31を通過してきた排気がリッチ雰囲気の時には目標空燃比をリーン空燃比(例えばA/F=15.1)に設定し(ステップS114)、リッチ制御中フラグFRをリセットすると共にリーン制御中フラグFLに1をセットし(ステップS116)、このルーチンを終了する。
ここで、空燃比制御とは、フロント排気センサ35の出力値から得られる混合気の空燃比と目標空燃比との差分がゼロとなるように、エアフローメータ28からの吸入空気量に対する燃料噴射量を算出し、その燃料噴射量がインジェクタ23から噴射されるようにインジェクタ23の開弁時間を制御するものである。通常は目標空燃比は理論空燃比(例えばA/F=14.6)に設定されている。
さて、ステップS100でアクティブフラグFactが1のときつまりアクティブ制御実行中のときには、リーン制御中フラグFLかリッチ制御中フラグFRのいずれが1にセットされているかを判定し(ステップS118)、リーン制御中フラグFLが1のときにはリア排気センサ36の出力値がリーン雰囲気を表す値に切り替わったか否かを判定し(ステップS120)、切り替わっていないときには吸入空気量の酸素のうち燃焼に利用されない過剰分を前回のOSCに加算してRAM56に一時記憶し(ステップS122)、このルーチンを終了する。また、ステップS120でリア排気センサ36の出力値がリーン雰囲気を表す値に切り替わったときには、目標空燃比をリッチ空燃比に設定し(ステップS124)、リッチ制御中フラグFRに1をセットし、リーン制御中フラグFLをリセットし、RAM56に一時記憶されたOSCを今回の暫定最大OSCとして保存すると共にOSCをリセットする(ステップS126)。一方、ステップS118でリッチ制御中フラグFRが1のときにはリア排気センサ36の出力値がリッチ雰囲気を表す値に切り替わったか否かを判定し(ステップS128)、切り替わっていないときには燃料噴射量のうち燃焼に利用されない過剰分に基づいて排気浄化触媒31に吸蔵された酸素の消費量を算出し、この消費量を前回のOSCに加算してRAM56に一時記憶し(ステップS130)、このルーチンを終了する。また、ステップS128でリア排気センサ36の出力値がリッチ雰囲気を表す値に切り替わったときには、目標空燃比をリーン空燃比に設定し(ステップS132)、リッチ制御中フラグFRをリセットし、リーン制御中フラグFLに1をセットし、RAM56に一時記憶されたOSCを今回の暫定最大OSCとして保存すると共にOSCをリセットする(ステップS134)。
そして、ステップS126又はステップS134のあと、リッチ・リーンの切替を予め定められた所定回数だけ実行したか否かを判定し(ステップS136)、リッチ・リーンの切替を所定回数実行していないときにはそのままこのルーチンを終了し、リッチ・リーンの切替を所定回数実行したときにはRAM56に記憶された暫定最大OSCの平均値を最大OSCとして所定領域に保存し(ステップS138)、各フラグFact、FR、FLをリセットし(ステップS140)、このルーチンを終了する。
ところで、アクティブ制御を開始する際のリア排気センサ36の出力値がリッチ雰囲気を表す値のときには目標空燃比をリーン空燃比に設定し、逆にリア排気センサ36の出力値がリーン雰囲気を表す値のときに目標空燃比をリッチ空燃比に設定するが、これは最大OSCを算出するのに必要となる起算点を求めるためである。例えば、後者についていえば、図4に示すように、アクティブ制御開始時(時刻t0)のリア排気センサ36の出力値がリーン雰囲気を表す値であるから、目標空燃比をリッチ空燃比に設定する。リア排気センサ36の出力値は、目標空燃比をリッチ空燃比に切り替えたあと暫くの間は排気浄化触媒31に吸蔵された酸素が排気中に放出されるためリーン雰囲気を表す値のままであるが、吸蔵していた酸素を排気浄化触媒31がすべて放出するとリッチ雰囲気を表す値に切り替わる(時刻t1)。この時点が暫定最大OSCの起算点となる。さて、時刻t1で今度は目標空燃比をリーン空燃比に切り替えると、リア排気センサ36の出力値は、暫くの間は排気浄化触媒31に排気中の過剰な酸素が吸蔵されるためリッチ雰囲気を表す値のままであるが、排気浄化触媒31が能力の限界まで酸素を吸蔵するとリーン雰囲気を表す値に切り替わる(時刻t2)。ここで、時刻t1から時刻t2までの酸素過剰分の積算値が、暫定最大OSCとなる。そして、時刻t2で今度は目標空燃比をリッチ空燃比に切り替えると、リア排気センサ36の出力値は暫くの間はリーン雰囲気を表す値のままであるが、吸蔵していた酸素をすべて放出するとリッチ雰囲気を表す値に切り替わる(時刻t3)。ここで、時刻t2から時刻t3までの酸素消費量の積算値が、暫定最大OSCになる。このようにして暫定最大OSCを所定回数にわたって算出しその平均値を最大OSCとしてRAM56の所定領域に保存する。なお、本実施形態では、起算点(時刻t1)に達するまではステップS122やステップS130においてOSCをRAM56に記憶する処理を行わないものとする。これは、アクティブ制御開始時のOSCが不明なため起算点に達するまでは正確なOSCを求めることができないからである。
このようにして求めた最大OSC(各暫定最大OSCの平均値)は、例えば触媒劣化の判定に用いられる。即ち、最大OSCは触媒劣化が進むにつれて小さくなるため、予め経験的に求めた所定のOSCを下回ったか否かを判定し、下回ったときには排気を十分に浄化できないおそれがあることを車両のインジケータを点灯させる等により報知してもよい。なお、ステップS138で最大OSCが保存されると、次回このアクティブ制御ルーチンが開始されたとしてもステップS100で肯定判定されるためリーン空燃比とリッチ空燃比とを交互に目標空燃比とする制御は実行されない。しかし、例えばアクティブ制御ルーチンを開始したものの最大OSCを保存する前に後述のエンジン停止条件が成立して中断されたときには、最大OSCが保存されていないため、次回このアクティブ制御ルーチンが開始されたときにステップS100で否定判定され、リーン空燃比とリッチ空燃比とを交互に目標空燃比とする制御が再び実行される。
次に、自動停止再始動ルーチンについて図5に基づいて説明する。このルーチンは、ROM54に記憶され、エンジンECU50のCPU52により所定タイミングごと(例えば数msecごと)に繰り返し実行される。図5の自動停止再始動ルーチンが開始されると、CPU52は、まず、自動停止フラグFstopが1にセットされているか否かを判定する(ステップS200)。この自動停止フラグFstopは、エンジン停止条件が成立してからエンジン再始動条件が成立するまで1にセットされ、それ以外のときにゼロにリセットされるフラグであり、初期値は0に設定されている。ステップS200で自動停止フラグFstopが1でないときには、CPU52はエンジン停止条件が成立しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで、エンジン停止条件とは、例えばエンジン効率の悪い低負荷領域(車速Vが低速のときなど)で且つバッテリ16の残容量が良好なときに成立する条件である。ステップS202でエンジン停止条件が成立していないときにはそのままこのルーチンを終了し、エンジン停止条件が成立したときには自動停止フラグFstopに1をセットすると共にエンジン停止処理を実行し(ステップS204)、このルーチンを終了する。ここで、エンジン停止処理とは、インジェクタ23からの燃料噴射を停止すると共に点火プラグ25の着火を停止する処理である。なお、このエンジン停止処理が行われたとしても、エンジン20は直ちに停止するのではなく、燃料噴射を停止してからクランクシャフト27の回転が完全に停止するまでのあいだ空転する。また、エンジン停止条件が成立したときにCPU52がアクティブ制御を実行している途中だったときにはそのアクティブ制御は中断されるがアクティブフラグFactは1のまま保持される。
さて、ステップS200で自動停止フラグFstopが1のときつまりエンジン20が停止中のときには、エンジン再始動条件が成立したか否かを判定し(ステップS206)、エンジン再始動条件が成立していないときにはそのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS206でエンジン再始動条件が成立したときには自動停止フラグFstopをリセットし(ステップS208)、続いてアクティブフラグFactが1か否かを判定する(ステップS210)。ここで、エンジン再始動条件とは、例えばエンジン20とモータMG2とで車輪を駆動する必要が生じたとき(加速時など)や、バッテリ16のSOCが不足してモータMG1を発電させてバッテリ16を充電する必要があるときなどに成立する条件である。ステップS210でアクティブフラグFactがゼロのときには、エンジン20の再始動時の燃料噴射量つまり再始動時噴射量TAUに、エアフローメータ28からの吸入空気量と通常の目標空燃比である理論空燃比とに基づいて算出されるベース噴射量TAUbaseを設定し(ステップS212)、所定の再始動制御を実行し(ステップS226)、このルーチンを終了する。なお、再始動制御では、モータMG1でエンジン20をクランキングすると共に、再始動時噴射量TAUがインジェクタ23から噴射されるようにインジェクタの開弁時間を制御しつつ点火プラグ25の着火を行う。これにより、排気浄化触媒31には通常の目標空燃比の混合気が燃焼して生じる排気が通過することになる。
一方、ステップS210でアクティブフラグFactが1だったときつまりエンジン再始動前のエンジン停止時にアクティブ制御ルーチンを中断した場合には、アクティブ制御ルーチンの実行中にRAM56に記憶したOSCを読み出し(ステップS214)、読み出したOSCと予め定められたOSCの中立範囲(図4参照)とを比較する(ステップS216)。一般に排気浄化触媒31はその酸素吸蔵能力の限界まで酸素を吸蔵していたり酸素を放出しきって全く酸素を吸蔵していなかったりする場合には浄化機能が低下することから、浄化機能が低下しないようなOSCの範囲が中立範囲として設定されている。そして、ステップS216でOSCが中立範囲に入っているときには、再始動時噴射量TAUにエアフローメータ28からの吸入空気量と通常の目標空燃比である理論空燃比とに基づいて算出されるベース噴射量TAUbaseを設定し(ステップS212)、所定の再始動制御を実行し(ステップS226)、このルーチンを終了する。また、ステップS216でRAM56から読み出したOSCが中立範囲を下回っていたときには、そのOSCに対応する減量値(<0)をROM54に記憶されたOSCと減量値との関係を表すマップから読み出し、該減量値をOSC補正量TAUoscにセットする(ステップS218)。また、ステップS216でRAM56から読み出したOSCが中立範囲を上回っていたときには、そのOSCに対応する増量値(>0)をROM54に記憶されたOSCと増量値との関係を表すマップから読み出し、該増量値をOSC補正量TAUoscにセットする(ステップS220)。そして、ステップS218又はステップS220のあと、再始動時噴射量TAUにベース噴射量TAUbaseとOSC補正量TAUoscとの和をセットし(ステップS222)、アクティブフラグFactをリセットすると共にRAM56に記憶されたOSCの値や暫定最大OSCの値もリセットし(ステップS224)、その後再始動制御を実行し(ステップS226)、このルーチンを終了する。なお、ステップS210でアクティブフラグFactが1だったとしても上述の起算点に達していないときには、RAM56にOSCが記憶されていないためステップS212に進むものとする。
ここで、図4に基づいて自動停止再始動ルーチンを説明する。アクティブ制御ルーチンを実行している途中の時刻taでエンジン停止条件が成立したときには、アクティブ制御ルーチンは中断されるが、アクティブフラグFactは1にセットされたままであり、またRAM56にはその時刻taにおけるOSCが記憶されている。その後、エンジン再始動条件が成立すると、アクティブ制御実行中にRAM56に記憶した時刻taにおけるOSCを読み出す。このOSCは図4に示すように中立範囲を下回っているので、このOSCに対応する減量値(<0)をROM54に記憶されたマップから読み出し、その減量値をOSC補正量TAUoscにセットし、アクティブフラグFactやRAM56に記憶されたOSCをリセットしたあと再始動制御ルーチンを実行する。これにより、混合気の空燃比はリーンに設定され、排気浄化触媒31に導入される排気の酸素濃度は高くなり、排気浄化触媒31に酸素が早期に吸蔵されるため、排気浄化触媒31のOSCはエンジン再始動後早期に中立範囲に戻る。一方、アクティブ制御ルーチンを実行している途中の時刻tbでエンジン停止条件が成立したときには、アクティブ制御ルーチンは中断されるが、アクティブフラグFactは1にセットされたままであり、またRAM56にはその時刻tbにおけるOSCが記憶されている。その後、エンジン再始動条件が成立すると、アクティブ制御実行中にRAM56に記憶した時刻tbにおけるOSCを読み出す。このOSCは図4に示すように中立範囲を上回っているので、このOSCに対応する増量値(>0)をROM54に記憶されたマップから読み出し、その増量値をOSC補正量TAUoscにセットし、アクティブフラグFactやRAM56に記憶されたOSCをリセットしたあと再始動制御ルーチンを実行する。これにより、混合気の空燃比はリッチに設定され、排気浄化触媒31に導入される排気の酸素濃度は低くなり、排気浄化触媒31に過剰に吸蔵されていた酸素が早期に消費されるため、排気浄化触媒31のOSCはエンジン再始動後早期に中立範囲に戻る。
以上詳述した本実施形態のエンジンECU50によれば、エンジン20を再始動する前のエンジン停止時にアクティブ制御ルーチンが中断された場合には、該アクティブ制御の中断時における排気浄化触媒31のOSCに基づいてエンジン20を再始動するときの再始動時噴射量TAUを決定し燃料噴射制御を実行するため、エンジン20の再始動時の排気を安定して浄化することができる。ここで、強制的に空燃比をリーンにしたりリッチにしたりするアクティブ制御を実行している途中でエンジン20を自動停止した場合、排気浄化触媒31に吸蔵されるOSCは、エンジン停止中に排気浄化触媒31に流通する空気の影響よりもアクティブ制御の中断時の状況によって左右されやすいし、エンジン停止中に排気浄化触媒31を流通する空気の影響を精度よく求めるのは難しいため該空気の影響を考慮すると却って誤差が生じるおそれもある。このことから、アクティブ制御を実行している途中でエンジン20が停止したあとエンジン20を再始動するときの排気浄化触媒31のOSCを、アクティブ制御の中断時における排気浄化触媒31のOSCとみなしても、精度上問題は生じにくい。また、アクティブ制御では特に起算点以降はOSCを精度よく算出するため、アクティブ制御中断時のOSCを用いて再始動時噴射量TAUを決定する方がエンジン停止期間中に吸蔵される酸素量を推定してOSCに補正を加えるよりも精度上好ましい。
また、リア排気センサ36の出力値は排気浄化触媒31のOSCに応じて変化するため、アクティブ制御ルーチンの実行中にリア排気センサ出力値に基づいて最大OSCを比較的精度よく求めることができる。更に、エンジン再始動前のエンジン停止時にアクティブ制御ルーチンが中断された場合には該アクティブ制御の中断時におけるOSCと所定の中立範囲とを比較し該比較結果に基づいて再始動時噴射量TAUを決定するため、排気浄化触媒31のOSCをエンジン再始動後早期に中立範囲に戻すことができる。更に、アクティブ制御を開始したあとエンジン20の自動停止によりアクティブ制御が中断されその後エンジンが再始動されるというケースが1トリップ中に繰り返されることがあることから、エンジン再始動時の排気を安定して浄化したいという要望が高いため、本発明を適用する意義が高い。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、ハイブリッド自動車について説明したが、アクティブ制御ルーチンと自動停止再始動ルーチンを実行する自動車であればハイブリッド自動車に限らず、アイドルストップシステム搭載自動車などにも本発明を適用することができる。
また、上述した実施形態では、起算点(図4の時刻t1)に達するまではステップS122やステップS130においてOSCをRAM56に記憶しないようにしたが、アクティブ制御開始時のOSCを所定のイニシャル値(例えば中立範囲内の値)に設定し、起算点に達するまではこのイニシャル値に酸素過剰分を加算したり酸素消費量を減算したりして便宜的なOSCを算出しこれをRAM56に一時記憶してもよい。この場合、起算点に達した時点でOSCをリセットする。
更に、上述した実施形態では、アクティブ制御ルーチンのステップS136でリッチ・リーンの切替を予め定められた所定回数だけ実行したか否かを判定したが、このときの所定回数は1回であってもよいし複数回であってもよい。
更にまた、上述した実施形態では、最大OSCとして、吸入空気量の酸素のうち燃焼に利用されない過剰分を累算した値を用いたり、燃料噴射量のうち燃焼に利用されない過剰分に基づいて排気浄化触媒に吸蔵された酸素の消費量を算出しこの消費量を累算した値を用いたりしたが、直接的に最大OSCを求めてもよい。
10…ハイブリッド自動車、12…動力分配統合機構、12a…サンギヤ、12b…リングギヤ、12b…リングギヤ、12c…ピニオンギヤ、12d…キャリア、15…チェーンベルト、16…バッテリ、17…駆動軸、18…デファレンシャルギヤ、19…駆動輪、20…エンジン、21…エアクリーナ、22…スロットルバルブ、23…インジェクタ、24…吸気バルブ、25…点火プラグ、26…ピストン、27…クランクシャフト、28…エアフローメータ、29…イグニッションコイル、30…触媒コンバータ、31…排気浄化触媒、34…排気管、35…フロント排気センサ、36…リア排気センサ、37…クランク角センサ、81…シフトレバー、82…シフトポジションセンサ、83…アクセルペダル、84…アクセルペダルポジションセンサ、85…ブレーキペダル、86…ブレーキペダルポジションセンサ、88…車速センサ、50…エンジンECU、52…CPU、54…ROM、56…RAM、70…ハイブリッドECU、14…モータECU、FL…リーン制御中フラグ、FR…リッチ制御中フラグ、Fact…アクティブフラグ、Fstop…自動停止フラグ、MG1…モータ、MG2…モータ。
Claims (6)
- 空気と燃料との混合気を燃焼させて得た燃焼エネルギを運動エネルギに変換するエンジンと、
酸素の吸蔵・放出が可能で前記エンジンからの排気を浄化する排気浄化触媒と、
前記エンジンに燃料を噴射する燃料噴射手段と、
前記混合気が目標空燃比となるように前記燃料噴射手段の燃料噴射量を決定し該燃料噴射量の燃料を前記燃料噴射手段が噴射するように制御する燃料噴射制御手段と、
所定のエンジン停止条件が成立したときに前記エンジンを停止させその後所定のエンジン再始動条件が成立したときに前記エンジンを再始動する停止再始動制御手段と、
を備え、
前記燃料噴射制御手段は、前記停止再始動制御手段により前記エンジンが再始動されるとき、該再始動前のエンジン停止時にリーン空燃比とリッチ空燃比とを交互に目標空燃比とするアクティブ制御が中断された場合には該アクティブ制御の中断時における前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量に相関をもつ値に基づいて前記エンジンを再始動するときの再始動時噴射量を決定する、
エンジン電子制御装置。 - 前記排気浄化触媒の下流に設置され排気中の酸素濃度に応じて出力値が変化するリア排気センサを備え、
前記燃料噴射制御手段は、前記アクティブ制御の実行中に前記リア排気センサの出力値に基づいて前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量に相関を持つ値を求める、
請求項1記載のエンジン電子制御装置。 - 前記燃料噴射制御手段は、前記停止再始動制御手段により前記エンジンが再始動されるとき、該再始動前のエンジン停止時に前記アクティブ制御が中断された場合には該アクティブ制御の中断時における前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量に相関を持つ値と所定の中立範囲とを比較し該比較結果に基づいて前記再始動時噴射量を決定する、請求項1又は2記載のエンジン電子制御装置。
- 前記燃料噴射制御手段は、前記酸素吸蔵量に相関を持つ値が前記中立範囲を上回れば前記再始動時噴射量を増量補正し前記中立範囲を下回れば前記再始動時噴射量を減量補正する、請求項3記載のエンジン電子制御装置。
- 前記燃料噴射制御手段は、1トリップ中に前記アクティブ制御を前記排気浄化触媒の酸素吸蔵能力の測定が終了するまで繰り返し実行する、請求項1〜4のいずれか記載のエンジン電子制御装置。
- 請求項1〜5のいずれか記載のエンジン電子制御装置を搭載した車両。
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Cited By (3)
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JP2010242596A (ja) * | 2009-04-03 | 2010-10-28 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
JP2011064185A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Nissan Motor Co Ltd | エンジンの自動停止制御装置 |
JP2011064186A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Nissan Motor Co Ltd | エンジンの自動停止制御装置 |
-
2004
- 2004-03-02 JP JP2004057548A patent/JP2005248747A/ja not_active Withdrawn
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