JP2005248307A - ターゲット材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加工が困難な材質の鍋型形状のターゲット材およびその製造方法を提供する。【解決手段】 鍋型形状に溶射堆積された金属でなるターゲット材である。また、原料粉末を鍋型の金型上に溶射で堆積させ鍋型形状のターゲット材を得るターゲット材の製造方法である。また、チャンバー内にプラズマを発生させた上で、該プラズマ内に原料粉末を供給することで、原料粉末を溶解し、溶解された原料を該チャンバー内に戴置した鍋型の金型に堆積させ鍋型形状のターゲット材を得るターゲット材の製造方法である。
【選択図】 図1
【選択図】 図1
Description
本発明は、鍋型形状のターゲット材およびその製造方法に関するものである。
スパッタリングによる成膜法は、半導体、磁気ディスク、液晶等の平面表示装置等の製品の製造に用いられており、一般的な成膜方法の1つである。
その中でも、特に、半導体の配線や電極用の薄膜は、近年微細化が進んでいる。このため、効率よく微細な薄膜を形成するために、様々な形式のスパッタリング装置が開発されている。
その中でも、特に、半導体の配線や電極用の薄膜は、近年微細化が進んでいる。このため、効率よく微細な薄膜を形成するために、様々な形式のスパッタリング装置が開発されている。
このひとつの形式として、Hollow Cathode Magnetron方式(以下、HCMという)のスパッタリング装置がある(例えば、特許文献1参照)。このHCMスパッタリング方式では、蒸着源として一般的な薄板形状のターゲット材と異なり、図1の模式図に示されるような鍋型形状のターゲット材が利用される。
米国特許第6471831号明細書
一般的なターゲット材は、溶解鋳造法や粉末冶金法によって所望の組成のインゴットや焼結体を作製し、その後機械加工によって所定形状のターゲット材にして作製している。しかしながら、特許文献1に開示されるHCM方式のスパッタリング装置で要求される鍋型形状のターゲット材は、インゴットや焼結体等の素材の塊を機械加工による削出しによって作製する方法をとると、そのほとんどが削りとられる部分になるため歩留まりが悪く、工業生産としてコスト上の問題がある。また、ターゲット材の材質が切削加工性の悪い場合には、そもそも機械加工が困難であるという問題がある。
他の方法としては、切削加工の他に板状の材質を絞り込み加工などにより塑性変形により、鍋型形状とする方法もある。しかしながら、現在鍋型として製造されているようなCu等と異なり、Ru等の塑性変形による成型が困難な金属では、加工中に割れが生じ易く、そもそも加工そのものができないという問題がある。
他の方法としては、切削加工の他に板状の材質を絞り込み加工などにより塑性変形により、鍋型形状とする方法もある。しかしながら、現在鍋型として製造されているようなCu等と異なり、Ru等の塑性変形による成型が困難な金属では、加工中に割れが生じ易く、そもそも加工そのものができないという問題がある。
本発明の目的は、加工が困難な材質の鍋型形状のターゲット材およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、難加工形状である鍋型形状のターゲット材を作製する方法を種々検討した結果、溶射堆積法を適用することで容易に鍋型形状のターゲット材を作製できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、鍋型形状に溶射堆積された金属なるターゲット材である。
また、前記ターゲット材は、純度99.9%以上、相対密度98.5%以上であることが好ましい。
また、前記ターゲット材は、Ruを主体とする金属または合金からなることが望ましい。
すなわち、本発明は、鍋型形状に溶射堆積された金属なるターゲット材である。
また、前記ターゲット材は、純度99.9%以上、相対密度98.5%以上であることが好ましい。
また、前記ターゲット材は、Ruを主体とする金属または合金からなることが望ましい。
また、もう一方の本発明は、原料粉末を鍋型の金型上に溶射で堆積させ鍋型形状のターゲット材を得るターゲット材の製造方法である。
また、チャンバー内にプラズマを発生させた上で、該プラズマ内に原料粉末を供給することで、原料粉末を溶解し、溶解された原料を該チャンバー内に戴置した鍋型の金型に堆積させ鍋型形状のターゲット材を得るターゲット材の製造方法である。
また、チャンバー内にプラズマを発生させた上で、該プラズマ内に原料粉末を供給することで、原料粉末を溶解し、溶解された原料を該チャンバー内に戴置した鍋型の金型に堆積させ鍋型形状のターゲット材を得るターゲット材の製造方法である。
本発明によれば、難加工材質の鍋型形状のターゲット材を容易に製造することができる。
本発明の最大の特徴は、難加工形状である鍋型のターゲット材を鍋型の金型上に溶射で堆積させる点にある。鍋型の金型上に金型形状に沿って、所望組成の原料粉末を溶射により堆積させることで、ターゲット材の最終形状である鍋型の形状に成形することができるため、切削加工等により削除される材料部分を少なくでき、製造コスト上の効果が明確になる。また、難加工組成のターゲット材を製造する上で、鍋型形状のような難加工形状を実現する上で、さらに効果が明確となる。
スパッタリングに使用するターゲット材としては、成膜後の薄膜特性を満足させるために、所望組成の純度として99.9%以上、相対密度として98.5%以上であることが望ましい。
つぎに、溶射法のひとつであるプラズマ溶射法による本発明の製造方法の手順を、図2に示す溶射装置の模式図を参考にして説明する。
本発明においては、図2に示す通り、チャンバー1内に、溶射プラズマガン2と、それに対向させて鍋型の金型7を戴置する。溶射プラズマガン2は、カソード3、アノード4およびプラズマガス5の供給部から構成されており、プラズマを発生させる装置である。そして、プラズマ中に原料粉末を投入すると、原料粉末は、プラズマ流6における熱により溶解されると同時に、プラズマガス流6により鍋型の金型7へ吹き付けられる。吹き付けられた原料は、冷却された鍋型の金型上で堆積し、鍋型形状に成形される。
上記のようなプラズマ溶射法を適用すると、プラズマにより溶射時の温度を高温にすることが可能となるため、1000℃以上の融点を有する高融点金属のターゲット材の製造に好ましい。
本発明においては、図2に示す通り、チャンバー1内に、溶射プラズマガン2と、それに対向させて鍋型の金型7を戴置する。溶射プラズマガン2は、カソード3、アノード4およびプラズマガス5の供給部から構成されており、プラズマを発生させる装置である。そして、プラズマ中に原料粉末を投入すると、原料粉末は、プラズマ流6における熱により溶解されると同時に、プラズマガス流6により鍋型の金型7へ吹き付けられる。吹き付けられた原料は、冷却された鍋型の金型上で堆積し、鍋型形状に成形される。
上記のようなプラズマ溶射法を適用すると、プラズマにより溶射時の温度を高温にすることが可能となるため、1000℃以上の融点を有する高融点金属のターゲット材の製造に好ましい。
本発明が適応されるターゲット材の組成としては、特に原料が高価であり、難加工性の材料であるRuなどが好ましい。それは、溶射法を適用することで、原料粉末からターゲット材を製造するまでの歩留りが画期的に向上するため、高価な原料でなるターゲット材でより効果が大きいためである。また、難加工性の場合はそもそも鍋型形状のターゲット材を製造すること自体が困難なためである。
溶射により堆積させた金型自体をバッキングプレートとして、そのまま使用できる金型であれば、溶射により作製したターゲット材を、一旦、金型から外し、再びバッキングプレートへ接着することが不要となるために、金型はターゲット材のバッキングプレートと同一の素材であることが好ましい。また、金型表面に凹凸がある場合は、ターゲット材と金型の界面から、割れが生じ易くなるため、金型の表面は平滑であることがより好ましい。
金型は原料粉末の溶射堆積により温度が上昇するため、金型を冷却する必要がある。冷却効果を高めるために、金型は熱伝導率が高い素材が好ましく、特に純Cu好ましい。
金型は原料粉末の溶射堆積により温度が上昇するため、金型を冷却する必要がある。冷却効果を高めるために、金型は熱伝導率が高い素材が好ましく、特に純Cu好ましい。
プラズマ溶射を行うチャンバー1内は、プラズマ溶射した粉末が雰囲気と反応しターゲット材の純度が低下しないように、不活性雰囲気であることが好ましい。
プラズマ溶射によって堆積させる原料粉末の粒径が、ターゲット材における粒界に反映されるため、均一微細な組織を有するターゲット材を得るために、原料粉末の平均粒径は30μm以下であることが望ましい。一方で、プラズマ中へ粉末を投入する際に微細な粉末は、供給ノズルを閉塞させる可能性があるため、投入する粉末は平均粒径が5μm以上であることが望ましい。
上記の本発明の製造方法により、鍋型ターゲット材の相対密度98.5%以上を実現することも可能であるが、鍋型の金型上に容赦で堆積させたターゲット材料を熱間静水圧プレス(HIP)により、さらに相対密度を向上させることも可能である。
より具体的に下記に本発明の製造方法を説明する。
図2に示すロボットアーム11に取り付けた溶射プラズマガン2と回転台8に設置した鍋型の金型7をチャンバー1内に設置する。
チャンバー内を純度99.8%のアルゴンで満たし、内圧を101kPaに保つように排気しながら、溶射を実施した。なお、回転台の内部には冷却水を循環させる機構を設置し、溶射による鍋型の金型および溶射皮膜の温度上昇を防止する。
純度99.9%、平均粒径10μmのRuを原料粉末9として、アルゴンを流動ガスとして毎分50gで、400A(40V)で発生させたプラズマに投入し、毎分30回転させた鍋型の金型表面にRu原料粉末の溶射を行う。Ru皮膜を均等につけるよう、ロボットアームにより溶射プラズマガンを金型の外周と中心を往復させる。
冷却後、鍋型の金型から溶射による堆積で得られるRuターゲット材料を外し、外周部のバリと表面の凹凸の研磨し、ターゲット材とする。
図2に示すロボットアーム11に取り付けた溶射プラズマガン2と回転台8に設置した鍋型の金型7をチャンバー1内に設置する。
チャンバー内を純度99.8%のアルゴンで満たし、内圧を101kPaに保つように排気しながら、溶射を実施した。なお、回転台の内部には冷却水を循環させる機構を設置し、溶射による鍋型の金型および溶射皮膜の温度上昇を防止する。
純度99.9%、平均粒径10μmのRuを原料粉末9として、アルゴンを流動ガスとして毎分50gで、400A(40V)で発生させたプラズマに投入し、毎分30回転させた鍋型の金型表面にRu原料粉末の溶射を行う。Ru皮膜を均等につけるよう、ロボットアームにより溶射プラズマガンを金型の外周と中心を往復させる。
冷却後、鍋型の金型から溶射による堆積で得られるRuターゲット材料を外し、外周部のバリと表面の凹凸の研磨し、ターゲット材とする。
1 チャンバー、2 溶射プラズマガン、3 カソード、4 アノード、5 プラズマガス、6 プラズマ流、7 鍋型の金型、8 回転台、9 原料粉末、10 溶射膜、11 ロボットアーム
Claims (5)
- 鍋型形状に溶射堆積させた金属でなることを特徴とするターゲット材。
- 純度99.9%以上、相対密度98.5%以上であることを特徴とする請求項1に記載のターゲット材。
- 前記ターゲット材は、Ruを主体とする金属または合金からなることを特徴とする請求項1または2に記載のターゲット材。
- 原料粉末を鍋型の金型上に溶射で堆積させ鍋型形状のターゲット材を得ることを特徴とするターゲット材の製造方法。
- チャンバー内にプラズマを発生させた上で、該プラズマ内に原料粉末を供給することで、原料粉末を溶解し、溶解された原料を該チャンバー内に戴置した鍋型の金型に堆積させ鍋型形状のターゲット材を得ることを特徴とする請求項4に記載のターゲット材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004064297A JP2005248307A (ja) | 2004-03-08 | 2004-03-08 | ターゲット材およびその製造方法 |
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JP2004064297A JP2005248307A (ja) | 2004-03-08 | 2004-03-08 | ターゲット材およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005248307A true JP2005248307A (ja) | 2005-09-15 |
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ID=35029066
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JP2004064297A Pending JP2005248307A (ja) | 2004-03-08 | 2004-03-08 | ターゲット材およびその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008049273A1 (fr) * | 2006-10-25 | 2008-05-02 | Yuen Keung Raymond Chin | Procédé permettant de peindre un revêtement métallique sur une surface d'un ustensile de cuisson et ustensile de cuisson peint au moyen dudit procédé |
-
2004
- 2004-03-08 JP JP2004064297A patent/JP2005248307A/ja active Pending
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WO2008049273A1 (fr) * | 2006-10-25 | 2008-05-02 | Yuen Keung Raymond Chin | Procédé permettant de peindre un revêtement métallique sur une surface d'un ustensile de cuisson et ustensile de cuisson peint au moyen dudit procédé |
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