JP7086514B2 - コバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents

コバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲット及びその製造方法 Download PDF

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本発明はコバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットに関する。
コバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットをアルゴン中でスパッタすることによりLSI等の半導体集積回路の電極や配線を形成する方法が知られている。現在のスパッタリング技術は単にAr+をターゲットに照射するのではなく、磁場の影響を借りてAr+の集中を加速させるいわゆる「マグネトロンスパッタリング」が主流である。マグネトロンスパッタリングは、スパッタリングターゲット裏面に磁石を配置して行われるのが一般的である。
コバルトは強磁性体であるために磁場のある場所に置かれたときにターゲット自体が磁化されるという現象が起きる。このため、コバルトターゲットは、スパッタ装置内で磁場の影響を受けることになる。コバルトターゲットの裏面に磁石を配置してマグネトロンスパッタを実施した場合、ターゲット内部で磁界が閉塞してしまいターゲット表面に磁界を発生させることが困難である。すなわち強磁性体であるコバルト特有の磁界効果(シャント効果)により、プラズマ密度の上昇が起こらずアルゴンのイオン化効率も低くなり、結果としてスパッタ速度の低いものであった。また、磁界がターゲットの浸食溝に集中してしまい、ターゲット利用率が低下するという問題があった。
このためコバルトのような強磁性体ターゲットを用いる場合、単純にターゲット厚さを薄くして磁場の漏れを起こさせるなどの対策がとられてきた。また、高純度コバルトの場合、塑性加工性が良好であることを利用して、溶解鋳造により得たインゴットを圧延及び熱処理により加工歪を残存させてPTF(漏洩磁束)を増加させてスパッタ速度を改善する方法が知られている(例:特開昭63-227775号公報、特開平9-272970号公報)。コバルト基合金の場合、塑性加工性が乏しいことから、特殊な溶解鋳造及び熱処理(一方向性凝固、磁場中溶解、磁場中熱処理)を行うことでスパッタ速度を改善する方法が知られている(例:特開2007-197811号公報)。
特開昭63-227775号公報 特開平9-272970号公報 特開2007-197811号公報
このように、コバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットのスパッタ速度を高める技術が種々提案されているが、ターゲットの厚みや径が大きくなるにつれて、結晶粒の大きさや配向にばらつきが大きくなり、PTFが不均一となる。この結果、大型のターゲットにおいては、均一性の高いスパッタ膜を得ることが困難であった。
そこで、本発明は大型化しても均一性の高いスパッタ膜を得ることのできるコバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットを提供することを課題の一つとする。
鋳造品ではその後の工程で特殊な圧延条件や熱処理条件を採用したとしても凝固組織の結晶粒径や結晶配向の不均一性など課題は多く、結晶の粒径と配向が揃った大型ターゲットを製造することは非常に困難である。本発明者は鋳造とは異なる方法によりコバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットを製造することを鋭意検討したところ、電子ビーム融解法(EBM)等による付加製造法を用いることで鋳造品に比べて均一性の高い一方向凝固組織を有するコバルト製又はコバルト基合金の造形品が得られることを見出した。そして、当該造形品は厚みや径を大きくして大型化したとしても一方向凝固組織の均一性が高いためにPTFが均一となるので、スパッタリングターゲットの大型化に適していることが分かった。造形中の雰囲気を高真空にすることで、Laser溶解方法でも同様の効果が期待できる。
上記知見を基礎として完成した本発明は一側面において、厚さ3mmで測定したときのスパッタ面に垂直な方向のPTFの平均が75%以上であり、スパッタ面に垂直な方向のPTFの標準偏差が5%以下であるコバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットである。
本発明に係るスパッタリングターゲットの一実施形態においては、スパッタ面に水平な方向の結晶粒径の平均が1~300μmである。
本発明に係るスパッタリングターゲットの別の一実施形態においては、スパッタ面におけるCoの六方最密充填構造の[0001]方向がスパッタ面の法線方向に対して平均15°以内に配向している。
本発明に係るスパッタリングターゲットの更に別の一実施形態においては、前記ターゲットの材料組成がCo及び不可避的不純物からなる。
本発明に係るスパッタリングターゲットの更に別の一実施形態においては、前記ターゲットの材料組成がPt、Cr、Ni、Fe、Pd、Ir、Ru、B、Si、Ge、Mn、Ti、Zr、V、Taよりなる群から選択される一種以上の元素を含有し、残部Co及び不可避的不純物からなる。
本発明に係るスパッタリングターゲットの更に別の一実施形態においては、各元素の含有量がそれぞれ、Pt:5質量%以下、Cr:5質量%以下、Ni:25質量%以下、Fe:9質量%以下、Pd:25質量%以下、Ir:25質量%以下、Ru:25質量%以下、B:0.5質量%以下、Si:2質量%以下、Ge:18質量%以下、Mn:25質量%以下、Ti:2質量%以下、Zr:1質量%以下、V:1.5質量%以下、Ta:3質量%以下である。
本発明に係るスパッタリングターゲットの更に別の一実施形態においては、孔径0.05μm以上の空隙が1000個/cm2以下である。
本発明に係るスパッタリングターゲットの更に別の一実施形態においては、相対密度が99.5%以上である。
本発明は別の一側面において、コバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットの製造方法であって、Co及び不可避的不純物からなる組成を有するか、又は、Pt、Cr、Ni、Fe、Pd、Ir、Ru、B、Si、Ge、Mn、Ti、Zr、V、Taよりなる群から選択される一種以上の元素を含有し、各元素の含有量がそれぞれ、Pt:5質量%以下、Cr:5質量%以下、Ni:25質量%以下、Fe:9質量%以下、Pd:25質量%以下、Ir:25質量%以下、Ru:25質量%以下、B:0.5質量%以下、Si:2質量%以下、Ge:18質量%以下、Mn:25質量%以下、Ti:2質量%以下、Zr:1質量%以下、V:1.5質量%以下、Ta:3質量%以下であり、残部Co及び不可避的不純物からなる組成を有し、且つ、レーザー回折法による体積基準でのD10が10μm以上、D90が150μm以下である原料粉末を用意する工程と、予備加熱温度を600~900℃、電子ビーム加速電圧を50~70kV、造形層厚さを50~100μm/層、ビームスキャン速度を500~5000m/sの条件として、当該原料粉末を付加製造法により、造形を実施する所望のターゲット形状に造形する工程とを含む方法である。
本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法の一実施形態においては、付加製造法が電子ビーム溶融による粉末床溶融結合法である。
本発明は更に別の一側面において、バッキングプレートと、当該バッキングプレート上にボンディングされている本発明に係るスパッタリングターゲットを備えたスパッタリングターゲット組立品である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係るスパッタリングターゲットを使用してスパッタすることを含む成膜方法である。
本発明に係るスパッタリングターゲットを使用してスパッタすることにより、ターゲットが大型化しても、高い均一性を有するスパッタ膜を得ることが可能となる。
(1.材料組成)
本発明に係るコバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットを構成する材料の純度は99.99質量%以上であることが好ましい。例示的には、Co及び不可避的不純物からなる純度99.99質量%以上の高純度のコバルト、又は、Pt、Cr、Ni、Fe、Pd、Ir、Ru、B、Si、Ge、Mn、Ti、Zr、V、Taよりなる群から選択される一種以上の元素を含有し、残部Co及び不可避的不純物からなる純度99.99質量%以上のコバルト基合金を使用することができる。上記Pt等の合金元素については、含有量が0.01質量%未満であるときは不純物として扱い、含有量が0.01質量%以上であるときは添加元素として扱うこととする。
不可避的不純物というのは原料中に存在したり、製造工程において不可避的に混入したりするもので、本来は不要なものであるが、微量であり、特性に影響を及ぼさないため許容されている不純物のことである。本発明において、不可避的不純物として許容される各不純物元素の含有量は一般に0.01質量%未満であり、好ましくは0.005質量%以下であり、より好ましくは0.001質量%以下である。
本発明におけるターゲットの純度は、Ag、Al、Au、B、Bi、Ca、Cd、Cl、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、K、Li、Mg、Mn、Na、Ni、P、Pb、Si、Sn、Th、U、V、W、Zn、Zrから、合金に添加する元素を除いたものを不純物元素としてGD-MS法で分析したときの不純物元素の濃度合計に基づく。例えば、コバルト製ターゲットの場合、ターゲット中のこれらの不純物元素の合計濃度が0.0005質量%であれば、当該ターゲットの純度は99.9995質量%と計算される。また、合金元素としてFeを10質量%添加したコバルト基合金製スパッタリングターゲットの場合、Fe以外の上記不純物の合計濃度が0.0005質量%であれば、当該ターゲットの純度は99.9995質量%と計算される。
コバルト基合金というのはターゲットを構成する元素の中でCoの質量濃度が最も高い合金を指す。コバルト基合金中のCoの質量濃度は、Coとしての磁気的特性を生かすという理由により、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更により好ましい。
コバルト基合金において添加される各合金元素の質量濃度は、電気的特性向上のため、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることが更により好ましく、1質量%以上であることが更により好ましい。また、コバルト基合金において添加される各合金元素の質量濃度は、Coの結晶学的特性を保つため、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが更により好ましい。
コバルト基合金の好ましい実施態様においては、各合金元素の含有量はそれぞれ、Pt:5質量%以下、Cr:5質量%以下、Ni:25質量%以下、Fe:9質量%以下、Pd:25質量%以下、Ir:25質量%以下、Ru:25質量%以下、B:0.5質量%以下、Si:2質量%以下、Ge:18質量%以下、Mn:25質量%以下、Ti:2質量%以下、Zr:1質量%以下、V:1.5質量%以下、Ta:3質量%以下である。添加元素によって組成の上限が異なるのは、Co合金がhcp構造を取り得る組成範囲が異なるためで、上記組成範囲ならば、hcp構造を取ることができる。
コバルト基合金としては、例示的にはCo-Pt合金、Co-Cr合金、Co-Cr-Pt合金、Co-Ni合金、Co-Ni-Cr合金、Co-Fe合金、Co-Pd合金、Co-Ir合金、Co-Ru合金、Co-Si合金、Co-Ge合金、Co-Mn合金、Co-Ti合金、Co-V合金、Co-Ta合金、Co-B合金が挙げられる。
(2.PTF)
本発明に係るコバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットの一実施形態においては、厚さ3mmのときのスパッタ面に垂直な方向のPTF(漏洩磁束)の平均が75%以上であり、且つ、スパッタ面に垂直な方向のPTFの標準偏差が5%以下である。PTFを測定するため、スパッタリングターゲットの厚さを切削加工によって3mmに調整可能である。
スパッタ面に垂直な方向のPTFの平均が75%以上であることにより、本発明に係るスパッタリングターゲットを用いてマグネトロンスパッタ法によりスパッタする場合に高いスパッタレートが達成可能となる。スパッタ面に垂直な方向のPTFの平均は好ましくは75%以上であり、より好ましくは77%以上であり、更により好ましくは80%以上である。PTFの平均に特段の上限はないが、強磁性体であるコバルトをターゲット材料の主成分としているため100%にすることは困難であり、一般には95%以下である。
スパッタ面に垂直な方向のPTFの標準偏差が5%以下であることは、本発明に係るスパッタリングターゲットを用いてマグネトロンスパッタ法によりスパッタする場合に面内均一性の高いスパッタ膜の形成に寄与する。スパッタ面に垂直な方向のPTFの標準偏差は好ましくは4%以下であり、より好ましくは3%以下であり、更により好ましくは2%以下である。PTFの標準偏差に特段の下限はなく、実質的に0%とすることも可能であるが、PTFの標準偏差を極端に小さくしようとするとターゲットの作り込みにコスト及び手間がかかることから、一般には0.25%以上であり、典型的には0.5%以上である。
スパッタリングターゲットのPTFは、印加磁界に対する透過した磁界の比率により決まるところ、PTF装置によりASTMのF1761-00(2011)に従って測定することができる。後述する実施例及び比較例における円盤状スパッタリングターゲットのスパッタ面に垂直な方向のPTFの平均及び標準偏差は、ターゲットの中央及び、半径の1/2の位置で90°毎にPTFを5点測定した結果から得た。ターゲットが大きくなれば、測定点数を増やすことは可能で、測定点数を限定するものではなく、信頼性の高い測定値が得られる程度の測定点数とすればよい。
(3.結晶粒径)
本発明に係るコバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットの一実施形態においては、スパッタ面に水平な方向の平均結晶粒径は、造形条件によって1~300μmの範囲にコントロールできる。
スパッタ面に水平な方向の結晶粒径の平均が300μm以下であることにより、スパッタ法により形成される膜の膜厚均一性が良いという利点が得られる。スパッタ面に水平な方向の結晶粒径の平均は好ましくは300μm以下であり、より好ましくは200μm以下であり、更により好ましくは150μm以下である。スパッタ面に水平な方向の結晶粒径の平均について、下限は特段設定する必要はないが、結晶粒径は製造時のビーム径に依存するため、通常は1μm以上である。
スパッタリングターゲットのスパッタ面に水平な方向の結晶粒径の平均の具体的な測定方法は以下の通りである。スパッタ面を、例えばエメリー紙などで#2000の番手まで研磨後、アルミナ粉などでバフ研磨し、さらに希硫酸や希塩酸などでエッチングすることにより結晶粒界を露出させたあと、光学顕微鏡を用いて結晶粒の大きさを測定する。各結晶粒の大きさは、各結晶粒を取り囲むことのできる最小円の直径とし、信頼性の高い測定値が得られる程度の数の結晶粒に対して大きさを測定し、平均結晶粒径を求める。
(4.結晶方位)
本発明に係るコバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットの一実施形態においては、スパッタ面におけるCoの六方最密充填構造(HCP)の[0001]方向がスパッタ面の法線方向(スパッタリングターゲットの厚み方向)に対して平均15°以内に配向している。ターゲットの裏面に配置された磁石による磁界はターゲット内においてターゲットの厚み方向に概ね平行であるところ、当該構成により、ターゲットのPTFを増加させることが可能となる。スパッタ面におけるCoの六方最密充填構造の[0001]方向は、スパッタ面の法線方向に対して平均15°以内に配向していることが好ましく、平均13°以内に配向していることがより好ましく、平均10°以内に配向していることが更により好ましく、0°とすることも可能である。
スパッタ面におけるCoの六方最密充填構造(HCP)の[0001]方向のスパッタリングターゲットの厚み方向に対する角度の平均は、結晶粒径の測定と同様の方法で結晶粒界を露出させた後、EBSP(Electron Back Scattering Pattern)法により各結晶粒の方位を測定することで算出可能である。
(5.空隙)
ターゲット内部に存在する空隙、とりわけ孔径0.05μm以上の大きな空隙はスパッタ中に異常放電を発生させる原因となるために極力少なくすることが望ましい。本発明によれば、均一性の高い一方向凝固組織を有することで結晶組織の緻密化が容易であるため、空隙の発生を効果的に抑制可能である。具体的には、本発明に係るコバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットの一実施形態においては、孔径0.05μm以上の空隙を1000個/cm2以下とすることができ、好ましくは100個/cm2以下とすることができ、より好ましくは10個/cm2以下とすることができ、例えば0~500個/cm2とすることができる。
本発明において、孔径0.05μm以上の空隙の数は、ターゲットから切り出したサンプルを平滑に研磨したサンプルのスパッタ面を、高分解能FE-SEM(Field Emission Scanning Electron Microscope)で観察して1cm2あたりの孔径0.05μm以上の空隙数を計数する。孔径0.05μm以上であるというのは、一つの空隙を取り囲むことのできる最小円の直径が0.05μm以上であることを意味する。
(6.相対密度)
スパッタリングターゲットの相対密度は、スパッタ膜の品質と相関があり、スパッタリングターゲットが低密度であると、異常放電や空孔部から発塵により、スパッタ膜にパーティクルを発生させるおそれがある。本発明では上述したように緻密な一方向凝固組織を有することで結晶組織を有するターゲットを作製することができる。具体的には、本発明に係るコバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットの相対密度を99.5%以上とすることができ、この程度の高密度であれば、スパッタ膜の均質性に対する悪影響は殆どない。相対密度は好ましくは99.5%以上であり、より好ましくは99.7%以上であり、例えば99.6~99.9%とすることができる。なお、スパッタリングターゲットの相対密度は、当該ターゲットを所定の形状に加工した後の重量と外形寸法より算出した実測密度を、そのターゲットの組成から求められる理論密度で除することで求めることができる。
(7.ターゲットの形状)
本発明に係るコバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットの形状は特に制限はないが、例えばスパッタ面が平坦な平板とすることができ、円盤状(例示的には径:φ156mm~φ750mm程度、厚さ:3mmt~25.6mmt程度)及び矩形状の平板(縦:10mm~3000mm程度、横:30mm~5000mm程度、厚さ:5mmt~30mmt程度)とすることができる。大きな形状のもので、AM造形装置によっては一体型での造形が困難なものは、小片に分割した形状の物を造形後、ターゲット組立時に組み合わせることで実現する。
(8.ターゲットの製法)
次に、本発明に係るコバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットの付加製造法による好適な製造方法について順を追って説明する。
まず、コバルト等の原料金属粉末を準備する。この際、ターゲット組成を安定させてスパッタ膜の品質にばらつきが出ないようにするためにできる限り不純物の少ない原料を使用することが望ましい。好ましくは純度99.9質量%以上、より好ましくは純度99.99質量%以上、更により好ましくは純度99.999質量%以上の原料をそれぞれ使用する。
使用する原料金属粉末の粒径D90は付加造形装置が造形する電子ビームの造形するCo合金への侵入深さ以下である必要がある。そのためD90は150μmか、それより小さいことが好ましく、造形後の仕上げ加工量を少なくするためには125μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることが更により好ましい。また、使用する原料金属粉末の粒径D10は粉末取扱い時の発火を防ぐため、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、40μm以上であることが更により好ましい。ここで、原料金属粉末の粒径D10、D90はレーザー回折法により求められる体積基準での粒度分布において、細かい部分から累積10%にあたる粒径をD10、累積90%にあたる粒径をD90とする。
金属粉末の製造方法自体は公知の任意の技術を使用することができ、特に制約はないが、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、回転プラズマ電極法を適用できる。また、特開2012-126198号公報に記載のコバルト塩水溶液に、シュウ酸を反応させてシュウ酸コバルトとして沈殿させ、これを分取及び還元してコバルト粉末とすることを特徴とするコバルト粉末の製造方法を好適に使用できる。その他、非球状の粉末を誘導プラズマ処理により、球状にした粉末を採用することもできる。
原料粉末を所望の配合割合でV型混合機等により均一に混合した後、付加製造法により所望のターゲット形状に造形する。付加製造法としては三次元CADデータに基づいて、電子ビーム溶融(EBM)又はレーザー溶融(SLM)により、粉末床の表面付近を加熱することで選択的に溶融及び固化するという操作を繰り返して積層造形する粉末床溶融結合法(PBF)が好適である。付加製造法によれば、直下の造形部の結晶方位及び結晶粒径を引き継ぐことができるので一層ずつの積層造形を繰り返すことで一方向凝固組織を形成可能であり、コバルトの結晶磁気異方性をターゲットのスパッタ面の垂直方向に制御することが可能となる。これらの中でもEBMが好ましい。EBMを使用することにより、均一性の高い一方向凝固組織を有するターゲットの製造が可能であるという利点が得られる。また、EBMは高出力でメルトプールが深いため、高融点金属を使用する場合でも溶け残りのおそれがなく、高速での造形も可能である。そして、高真空中での造形を行うことで、造形過程での酸化が抑制され、高品質のターゲットが得られる。EBMは予備加熱プロセスを実施することで造形物のクラックを抑制できるという利点もある。
本発明に係るコバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットを製造する上では、均一性の高い一方向凝固組織を得る観点から、以下のような条件を採用することが好ましい。予備加熱というのは、溶融させる部分以外の部分の粉末について、粉末間の導電性が取れる程度に軽度に焼結させる(仮焼結)条件で加熱することを目的とする加熱である。
・造形方法: 粉末床方式電子ビーム付加造形法
・予備加熱温度: 600-900℃
・EB加速電圧: 50-70kV
・造形層厚さ: 50-100μm/層
・ビームスキャン速度: 500-5000m/s
このようにして得られた金属造形品は、そのままターゲット部材としてバッキングプレートとボンディングしてもよいが、熱間等方圧加圧(HIP)処理により、金属造形品内部に生じた微細な空隙を減少させて、相対密度を高めてもよい。また、スパッタ時の初期バーンイン時間の短縮の目的で、スパッタ面を研磨、エッチング等により表面処理することもできる。
このようにして得られたスパッタリングターゲットはバッキングプレートとインジウム等のボンディング材を介して貼り合わせ、スパッタリングターゲット組立品とすることができる。ボンディング時にはこれまでの工程で作り込んできた結晶組織に悪影響を与えない条件で実施することが望ましく、例えば大気中、150~200℃で0.5~4時間で実施することができ、典型的には170~250℃で1~2時間で実施することができる。
また、バッキングプレートの上に直接的に又はボンディング材等を介して間接的に原料金属粉末を載置した上で付加製造法によるターゲットの積層造形を行うことで、バッキングプレートとスパッタリングターゲットが一体化した組立品を効率的に製造することが可能である。この際、バッキングプレートに穴及び/又は溝を形成しておくと、ボンディング強度を高める点でより有利である。穴及び/又は溝の好ましい深さは造形層厚さ以下である。
本発明に係るコバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットは、例えばLSI等の半導体集積回路の電極や配線を形成するスパッタリングターゲットとして好適に使用することができる。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
<実施例1>
純度99.999質量%、D10=40μm、D90=90μmのコバルト粉を粉末床方式電子ビーム付加造形法(EB)を用い、予備加熱温度:900℃、電子ビーム加速電圧:60kV、造形層厚さ:100μm/層、ビームスキャン速度:2000m/sで、φ156mm×厚さ3mmの円盤ターゲットを作製した。この時のPTFの測定点5点の平均値は90%、標準偏差は2.2%となった。ターゲット組織を先述した方法で調べたところ、平均結晶粒径は120μm、スパッタ面の法線と各結晶粒の[0001]方向のなす角の平均は5.1°、孔径0.05μm以上の空隙が8個/cm2、相対密度は99.9%であった。結果を表1に示す。
<比較例1>
純度99.999質量%の電子ビーム溶解されたCoインゴットから、国際公開番号:WO2014/157187 A1の実施例1に示されるように、Coインゴットから熱間圧延、温間圧延によって作製したCo板を機械加工によってφ156mm×厚さ3mmの円盤ターゲットを作製した。この時のPTFの測定点5点の平均値は65%、標準偏差は6.2%となった。ターゲット組織を先述した方法で調べたが、結晶粒界は明確でないため、平均結晶粒径とスパッタ面の法線と各結晶粒の[0001]方向のなす角の平均は測定できなかった。なお、孔径0.05μm以上の空隙が1個/cm2、相対密度は99.9%を超えてほぼ100%であった。結果を表1に示す。
<実施例2~28、比較例2~12>
表1に記載の組成、純度、D10、D90の原料粉を粉末床方式電子ビーム付加造形法(EB)を用い、表1に記載の予備加熱温度、電子ビーム加速電圧、造形層厚さ、表1に記載のビームスキャン速度で、φ156mm×厚さ3mmの円盤ターゲットを作製した。各ターゲットについて、PTFの測定点5点の平均値及び標準偏差を表1に示す。また、ターゲット組織を先述した方法で調べ、平均結晶粒径、スパッタ面の法線と各結晶粒の[0001]方向のなす角(°)の平均、孔径0.05μm以上の空隙数、相対密度を表1に示す。
<考察>
比較例1は圧延技術によりターゲットを製造した例であるが、所望のPTF特性が得られなかった。
比較例2では、原料中の合金元素量が過剰であったという理由により、所望のPTF特性、及び空隙数が得られなかった。
比較例3では、原料粉末のD10が小さすぎたことで材料セッティング時に発火してしまい、ターゲットを造形することができなかった。
比較例4では、原料粉末のD90が大きすぎたことで所望のPTF特性、及び空隙数が得られなかった。
比較例5では、予備加熱温度が低すぎたことで所望のPTF特性、及び空隙数が得られなかった。
比較例6では、予備加熱温度が高すぎたことで結晶粒径が大きくなり、所望のPTF特性が得られなかった。
比較例7では、EB加速電圧が小さすぎたことで所望のPTF特性、及び空隙数が得られなかった。
比較例8では、EB加速電圧が大きすぎたことで所望のPTF特性が得られなかった。
比較例9では、一層当たりの造形層厚さが小さすぎたため、所望のPTF特性が得られなかった。また、造形に時間を要し、一層当たりの造形層厚さが原料粉のD90よりもかなり小さいことで空隙が多く発生した。
比較例10では、一層当たりの造形層厚さが大きすぎたため、所望の空隙数が得られなかった。
比較例11では、ビームスキャン速度が遅すぎたことで所望のPTF特性が得られなかった。
比較例12では、ビームスキャン速度が速すぎたことで所望のPTF特性、及び空隙数が得られなかった。
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Claims (10)

  1. 厚さ3mmで測定したときのスパッタ面に垂直な方向のPTFの平均が75%以上であり、スパッタ面に垂直な方向のPTFの標準偏差が5%以下であり、孔径0.05μm以上の空隙が1000個/cm 2 以下であり、相対密度が99.5%以上であるコバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲット。
  2. スパッタ面に水平な方向の結晶粒径の平均が1~300μmである請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  3. スパッタ面におけるCoの六方最密充填構造の[0001]方向がスパッタ面の法線方向に対して平均15°以内に配向している請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  4. 前記ターゲットの材料組成がCo及び不可避的不純物からなる請求項1~3の何れか一項に記載のスパッタリングターゲット。
  5. 前記ターゲットの材料組成がPt、Cr、Ni、Fe、Pd、Ir、Ru、B、Si、Ge、Mn、Ti、Zr、V、Taよりなる群から選択される一種以上の元素を含有し、残部Co及び不可避的不純物からなる請求項1~3の何れか一項に記載のスパッタリングターゲット。
  6. 各元素の含有量がそれぞれ、Pt:5質量%以下、Cr:5質量%以下、Ni:25質量%以下、Fe:9質量%以下、Pd:25質量%以下、Ir:25質量%以下、Ru:25質量%以下、B:0.5質量%以下、Si:2質量%以下、Ge:18質量%以下、Mn:25質量%以下、Ti:2質量%以下、Zr:1質量%以下、V:1.5質量%以下、Ta:3質量%以下である請求項5に記載のスパッタリングターゲット。
  7. コバルト製又はコバルト基合金製スパッタリングターゲットの製造方法であって、Co及び不可避的不純物からなる組成を有するか、又は、Pt、Cr、Ni、Fe、Pd、Ir、Ru、B、Si、Ge、Mn、Ti、Zr、V、Taよりなる群から選択される一種以上の元素を含有し、各元素の含有量がそれぞれ、Pt:5質量%以下、Cr:5質量%以下、Ni:25質量%以下、Fe:9質量%以下、Pd:25質量%以下、Ir:25質量%以下、Ru:25質量%以下、B:0.5質量%以下、Si:2質量%以下、Ge:18質量%以下、Mn:25質量%以下、Ti:2質量%以下、Zr:1質量%以下、V:1.5質量%以下、Ta:3質量%以下であり、残部Co及び不可避的不純物からなる組成を有し、且つ、レーザー回折法による体積基準でのD10が10μm以上、D90が150μm以下である原料粉末を用意する工程と、予備加熱温度を600~900℃、電子ビーム加速電圧を50~70kV、造形層厚さを50~100μm/層、ビームスキャン速度を500~5000m/sの条件として、当該原料粉末を付加製造法により、造形を実施する所望のターゲット形状に造形する工程とを含む方法。
  8. 付加製造法が電子ビーム溶融による粉末床溶融結合法である請求項に記載の方法。
  9. バッキングプレートと、当該バッキングプレート上にボンディングされている請求項1~の何れか一項に記載のスパッタリングターゲットを備えたスパッタリングターゲット組立品。
  10. 請求項1~の何れか一項に記載のスパッタリングターゲットを使用してスパッタすることを含む成膜方法。
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