JP2005248295A - 金属線材の連続真空熱処理装置及び連続真空浸炭装置 - Google Patents

金属線材の連続真空熱処理装置及び連続真空浸炭装置 Download PDF

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Abstract

【課題】密閉された装置内での炉心管の出入り口付近での線通しが容易で、構造も簡単な金属線材の連続真空熱処理又は浸炭装置を提供。
【解決手段】複数の炉心管10,20を一つの真空室2内に離隔して直線上に配設し、炉心管の間の下側に線通し用の鋼線46を案内するための案内ローラ41,42を設ける。さらに、線通し用の鋼線の長さを隣り合う案内ローラ間の長さより長くし、少なくとも一の案内ローラの回転により送出可能にする。また、下側案内ローラ41の外周にV字溝43を設け、上側案内ローラ42の外周には先端が平坦45にされた逆V字型の凸状部44を設ける。第一の炉心管10は、浸炭ガスを供給可能にされた枝管11を有し、第二の炉心管20は不活性ガスを供給可能にされた枝管12を有し、炉心管を外部から加熱する加熱装置12,23、断熱材16,26を一つの真空室内に設け、連続浸炭する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属線、金属帯、金属パイプ等の細長い金属線材の連続真空熱処理装置、さらには、金属線材の連続真空浸炭装置に関し、特に最初に線材を装置内に引き通すため線通し用鋼線の案内装置に関する。
両端が開放する炉心管を複数直列に並べ、線材を通過させることにより、金属線材を連続熱処理するものとして、例えば、特許文献1のように、不活性ガスや還元ガスを供給可能にされた枝管を有する炉心管と炉心管を外周に設けられたヒータを有する加熱炉、還元ガスを供給可能にされた枝管を有する炉心管が設けられた冷却装置、枝管を有しない炉心管が設けられた焼き戻し炉の順に、炉心管を直列に順次配設し、金属線材を通過させ熱処理するものが知られている。かかる、連続熱処理炉においては、熱処理の開始前には線材が配置されていないため、炉入り口又は出口から炉より長さの長い誘導棒を挿入し、誘導棒の入り口側の先端に処理すべき線材を接続し、誘導棒を出口側に引き出すことにより線通しを行っている。このとき、炉の温度が高いので、誘導棒も熱くなる。また、挿入も困難である。そこで、特許文献2においては、出口側に断熱材で囲まれた案内管を設けて、誘導棒をこの案内管で保持することにより、熱対策及び方向性を確保し作業性をし易くしている。特許文献2のように、加熱炉と冷却保持炉の組合せのように炉の長さが短い場合は有効である。しかし、特許文献1のように炉の長さが長くなると誘導棒等では長さが長くなり取り扱いが困難となり、現実的でない。そこで、ある程度直線性があり、かつ、曲げることもできるピアノ線等を用いて線通し作業をすることが行われる。これによれば、出口端でピアノ線を巻き取ることができるので、特許文献1のような長尺の熱処理炉にも有効である。
特開平5−9596号公報 特開2000−178656号公報
近年、プリンタのドットピンや半導体回路検査用のプローブピンのような0.02mm〜3mm程度の細線や帯等が要求されている。これらの細線は強度を要し、表面さらには芯部までに至る浸炭等を行う要求がある。そこで、本発明者等は、先に出願した特願2003−398357号(未公開)において、金属線材が通過可能にされた複数の炉心管を一つの真空室内に炉心管の開口を互いに離隔して直線上に配設させた。そして、複数の炉心管を第一の炉心管と、第二の炉心管とし、第一の炉心管に金属線材が通過可能にされ浸炭ガスを供給可能にされた枝管を設け、第二の炉心管は第一の炉心管の出口とは離隔して設け、第一の炉心管より送出される金属線材が通過可能にされ不活性ガスを供給可能にされた枝管を設けた。また、第一及び第二の炉心管と、第一及び第二の炉心管を外部から加熱する加熱装置と、加熱装置の外側に設けられた断熱材と、を一つの真空室内に設けることにより金属線材の連続真空浸炭装置を提供した。これにより、線材、特に細線の連続真空浸炭処理を行えるようにした。なお、第一及び第二の炉心管を一組として、互いに離隔して直線上に複数設けたり、さらには、金属線材を炉心管へ巻き出す巻き出しボビンと、炉心管より送出される金属線材を巻き取る巻き取りボビンを真空室内に配設した。
ところで、特許文献1の場合は、互いに離れて配置された各装置の炉心管の出入り口は外部に露出している。また、炉心管は、熱効率や供給ガスの効率を上げるためには小径の方が好ましい。従って、線通し作業にあたって、誘導棒や線通し用のピアノ線の先端が振れて炉心管同士の芯から外れて、先端が次の炉心管に挿入されない場合が生じる。しかし、特許文献1の場合は、炉心管の出入り口は外部から見え、また、誘導棒や線通し用のピアノ線に直接又は間接に触れることが可能であるので、先端を把持して次の炉心管に挿入することができる。
しかし、前述したような複数の炉心管を一つの真空室内に配置した連続真空熱処理又は浸炭装置では、外部から見にくく、また、炉心管の出入り口で、線通し用のピアノ線等をを直接又は間接に触れるようにするには複雑な構造となり、また、部品を取り外したり、再組み付けしたりする関連作業が多くなるという問題があった。また、処理速度を上げるためには、炉の長さを長くしたいが、長くすると益々線通し作業が困難となる問題があった。さらには、線通し用のピアノ線等も長くなるとコストも高く取り扱い、保管も困難であるという問題があった。また、枝管から浸炭ガスや不活性ガスを供給する場合は、炉心管は細くし、効率を上げるとともに、供給ガスの出口となる炉心管出口で異なるガスが供給される炉心管の出口でガスが逆流したり、ガス濃度が変化することが少なくなるように、炉心管の出入り口の距離を大きくとるので、さらに、線通しが困難となるという問題があった。
本発明の課題は前述した問題点に鑑みて、複数の炉心管を一つの真空室内に配置した連続真空熱処理又は浸炭装置のように、密閉された装置内での炉心管の出入り口付近での線通しが容易で、構造も簡単な金属線材の連続真空熱処理装置を提供することである。さらに、枝管を有し、炉心管の出入り口間の距離が大きい浸炭装置にも適した金属線材の連続真空浸炭装置を提供することである。また、線通し用のピアノ線も短く保管の容易で安価となる金属線材の連続真空熱処理又は浸炭装置を提供することである。
本発明においては、金属線材が通過可能にされた複数の炉心管が一つの真空室内に炉心管の開口を互いに離隔して直線上に配設されており、前記複数の炉心管の間に線通し用の鋼線を案内するための案内ローラが設けられている金属線材の連続真空熱処理装置を提供することにより前述した課題を解決した。
即ち、ピアノ線等の鋼線を誘導棒として用い、炉心管の出入り口間に設けられた案内ローラにより案内するようにしたので、線通し用鋼線の先端が大きく振れることなく次の炉心管に挿入可能にされる。なお、線通し用鋼線は直径を1mm以上5mm以下とするのがよい。1mm未満では、腰が弱く安定しない。また、5mm超では取り扱いが困難となるからであり、また、一般的なピアノ線の線形でもあり入手も容易である。なお、処理される細線や帯等は0.02mm〜3mm程度がかかる連続処理に向いている。また、処理前の細線等は直径が3mm程度あれば腰も強く線通し作業も必要ない場合があるが、普通は熱処理前、浸炭前であるので腰は弱くそのまま挿入しても案内ローラ等に達しない場合もあり、この場合はかかる線通し用の鋼線が必要となる。
線通し用の鋼線は、短い方がよい。そこで、請求項2に記載の発明においては、前記線通し用の鋼線の長さは隣り合う前記案内ローラ間の長さより長くされ、前記案内ローラの少なくとも一の案内ローラの回転により送出可能にされている金属線材の連続真空熱処理装置とした。これにより、線通し用の鋼線が短くても、必ず一の案内ローラにより次々お送られる。まず、出口側から線通し用の鋼線を挿入し、一番出口側の案内ローラに導く、次の案内ローラまで送ると、次の案内ローラでさらに入り口側に送られる。これを繰り返して、入り口まで送り、被処理材の金属線を接続する。今度は逆に案内ローラを順次回転させ出口側に送出して、出口側より線通し用の鋼線を取り出し、線通しを完了する。なお、案内ローラの径は適宜決定すればよいが、炉心管の出入り口間より若干小さめ程度に設定すれば線通し用の鋼線の案内を確実に行える。
また、案内ローラは下側の一カ所でもよいが上下対に設けて互いに回転接触させ、その間を線通し用の鋼線や金属線を通すようにするのが好ましい。また、線通し用の鋼線や金属線の径は種々のものがある。そこで、請求項3に記載の発明においては、前記案内ローラは上下に配置され、下側案内ローラの外周には周方向にV字溝が設けられ、上側案内ローラの外周には周方向に先端が平坦にされた逆V字型の凸状部が設けられている金属線材の連続真空熱処理装置とした。線通し用の鋼線を下側案内ローラのV字溝の両側斜面と、上側案内ローラの先端の平坦との間に挟持するようにすれば、確実に鋼線を送出できる。また、種々の寸法の鋼線に対応できる。なお、上下ローラは外部の間隔は外部から調整できるようにするのが好ましい。また、スプリング等で挟持付勢できるようにするのが好ましい。かかる上下案内ローラは、線通し用の鋼線の他、金属線を通すこともできる。この場合は、処理中の金属線の張力調整にも応用使用できる。
かかる、熱処理装置は枝管を有する連続真空浸炭装置に適する。そこで、請求項4に記載の発明においては、前記複数の炉心管は、少なくとも、第一の炉心管と、第二の炉心管からなり、前記第一の炉心管は、金属線材が通過可能にされ浸炭ガスを供給可能にされた枝管を有し、前記第二の炉心管は、前記第一の炉心管の出口とは離隔して設けられ、前記第一の炉心管より送出される前記金属線材が通過可能にされ不活性ガスを供給可能にされた枝管を有し、前記第一及び第二の炉心管と、前記第一及び第二の炉心管を外部から加熱する加熱装置と、前記加熱装置の外側に設けられた断熱材と、が一つの真空室内に設けられている金属線材の連続真空浸炭装置とした。
即ち、第一の炉心管は回りにヒータが取付られており、炉心管の長さを適当に設定することにより、昇温もを兼ねることができる。また、枝管より浸炭ガスを供給することにより、炉心管を通過する線材の浸炭を行う。また、第二の炉心管の回りにはヒータが取付れられており、温度調整でき、また、枝管より窒素のような不活性ガスを供給できるので炉心管を通過する第一の炉心管で表面に炭素が浸炭された線材の内部への浸炭の拡散が行える。さらに、第二の炉心管の長さやヒータ位置を適宜に配置することにより拡散時間を調節し、さらには冷却帯とすることができる。また、第一、第二の炉心管の両端を開放し、互いに離隔させ、一つの真空室内に設けているので、炉心管の両端から排出される第一の炉心管の浸炭ガス、第二の炉心管の不活性ガスが互いに炉心管内で混合したりすることがない。さらに、第一及び第二の炉心管を一つの真空室に設けたので、空気の混入等による酸化がなく、炉心管にガスシールや真空シールを設ける必要がなく、ガス制御も容易である。線の太さや、浸炭濃度により、一回の浸炭、拡散の後、さらに浸炭及び拡散を繰り返してもよい。また、第一及び第二の炉心管を一組として、互いに離隔して複数設け、一の真空室内に配設するようにしてもよい。
本発明においては、真空室内の複数の炉心管の出入り口間に、案内ローラを設け、ピアノ線等の線通し用の鋼線を案内ローラにより案内し、先端が大きく振れることなく次の炉心管に挿入できるようにしたので、炉心管の出入り口付近での線通しが容易で、構造も簡単な金属線材の連続真空熱処理装置を提供するものとなった。
さらに請求項2に記載の発明おいては、線通し用の鋼線の長さを隣り合う案内ローラ間の長さより長くし、線通し用の鋼線が短くても少なくとも一の案内ローラの回転により送出可能にしたので、線通し用のピアノ線等の鋼線は短くでき、保管が容易で安価となった。また、線通しも確実に行えるようになった。また、曲率が大きく巻き取りにくい、又は巻き取りできない太い鋼線等も容易に使用できる。
また、請求項3に記載の発明においては、V字溝と逆V字凸状部のV字断面形状の上下案内ローラとし、上側案内ローラの先端を平坦にして、線通し用の鋼線を挟持し、確実に鋼線を送出でき、種々の寸法の鋼線に対応できるようにしたので、線通し用の鋼線の案内を確実にし、線通し作業を容易にし、また、装置を複雑化することもないものとなった。
さらに、請求項4に記載の発明おいては、枝管を有し、炉心管の出入り口間の距離が大きい浸炭装置にも適した金属線材の連続真空浸炭装置を提供する。この連続浸炭装置にあっては、真空室内に少なくとも、第一、第二の炉心管を離隔して配置し、第一の炉心管で昇温、浸炭を行い、第二の炉心管で拡散、さらには冷却を行い、空気の混入等による酸化がなく、炉心管にガスシールや真空シールを設ける必要がなく、ガス制御も容易なものしたので、処理品の表面欠陥が少なく浸炭ばらつきが小さく、また、浸炭ガス消費量が少なく、消費エネルギーの低減、二酸化炭素等の排出量の低減可能な、また、酸化損耗しない金属線材の連続真空浸炭装置を提供するものとなった。さらに、かかる浸炭では、表面ばかりでなく芯部への浸炭も可能であり、低炭素鋼の細線を芯部まで浸炭し、高炭素鋼の細線を得ることができ、ドットピンやプローブ等の強靱で極細の線材の生産に有用である。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態を示す金属線材の連続真空浸炭装置の模式図、図2は案内ローラの断面図、図3は図1の線通し時の模式図である。まず、本発明を適用する金属線材の連続真空浸炭装置の構成及び作用について述べる。図1に示すように1は、金属線材の連続真空浸炭装置は、真空室2内に、金属線材3を巻き出す巻き出しボビン4と、巻きだしボビンから巻き出された金属線材が内部を通過するようにされた第一の炉心管10及び第二の炉心管20と、金属線材を巻き取る巻き取りボビン5が順次配設されている。第一の炉心管10のほぼ中央に枝管11が取り付けられ、真空室2の外部の浸炭ガス供給装置12に接続され、浸炭ガス(エチレン、アセチレン、プロパン等の不飽和炭化水素ガスや飽和炭化水素ガス等が好ましい)が供給可能にされている。第一の炉心管10の回りには電気ヒータ等の加熱装置13が設けられ第一の炉心管を例えば800〜1050℃の範囲で調節可能にされている。また、第二の炉心管20のほぼ中央に枝管21が取り付けられ、真空室2の外部の不活性ガス供給装置22に接続され、不活性ガス(窒素、ヘリウム、アルゴンガス等が好ましい)が供給可能にされている。
第二の炉心管20の回りには電気ヒータ等の加熱装置23が設けられ第二の炉心管を第一の炉心管と同様に加熱調整可能にされている。第一の炉心管10の出口10bと第二の炉心管20の入り口20aとは少なくとも、管の口径以上離隔(口径の数倍が好ましい)しており、炉心管からでてくるガスが真空室2内に拡散するようにされている。第一、第二の炉心管及び加熱ヒータを回りに、真空室2内の全体に渡って断熱材が配置されている。断熱材は金属線材3の通過部付近を除く第一の炉心管及び加熱ヒータと巻き出しボビン4との間の断熱材6a、第一の加熱装置回りの第一の断熱材16、第二の加熱装置回りの第二の断熱材26、第一及び第二の断熱材間の断熱材6c、金属線材の通過部付近を除く第二の炉心管及び加熱ヒータと巻き取りボビン5との間の断熱材6bとから構成される。第一の炉心管10、枝管11、第一の加熱装置13、第一の断熱材16で浸炭帯17を構成し、第二の炉心管20、枝管21、第二の加熱装置23、第二の断熱材26で拡散帯27を構成する。
真空室2に接続された排出管7は、真空室外に設けられた排気制御バルブ、ロータリー真空ポンプに接続され、真空室内の圧力を所定真空の圧力に維持するようにされている。また、メンテナンス時等に大気圧と同圧にするために真空室内に窒素ガス等の不活性ガスや空気を供給するガス・空気導入管8が設けられている。巻き出しボビン4には金属線材にテンションを与えるために定テンション装置に接続されている。また、巻き取りボビン5には図示しない巻き取り用サーボモータが取り付けられ金属線材が一定速度で炉心管内を通過するように制御されている。巻き出し、巻き取りボビン4,5は真空室2内に設けられているが、加熱装置13,23とは断熱材6a,6bで仕切られているので、高温にはならないようにされている。9,9′は補助ローラである。
かかる金属線材の連続真空浸炭装置の使用においては、例えば、真空室内のガス・空気等を排出管7から排出させるために真空室2内の圧力を10Pa程度に制御する。第一、第二の炉心管10,20は加熱装置13,23により例えば930℃に加熱される。加熱完了後に第一の炉心管10の枝管11から所望のエチレン等の浸炭ガスを供給し、第一の炉心管内が浸炭ガスで満たされるように調整する。また、第二の炉心管20の枝管21から窒素ガスを供給し、第二の炉心管内が窒素ガスで満たされるように調整する。次に、巻き取りボビン5により巻き取られながら、巻き出しボビン4から繰り出される例えば低炭素含有の直径で0.02〜3.0mmの細線である金属線材3が第一の炉心管10内に導かれる。
第一の炉心管10の入り口10a近傍では浸炭ガス中で、昇温工程となり、金属線材3は炉心管内を進み、第一の炉心管10内で徐々に浸炭され、出口10bに達する。さらに、第二の炉心管20の入り口より第二の炉心管内を通過する。第二の炉心管は不活性ガスである窒素で満たされているので、金属線材はガスと反応することなく金属線の内部で炭素の拡散が行われる。第二の炉心管及び断熱材6bを通過すると、金属線材は冷却され拡散を終了し、冷却され巻き取りボビンに巻き取られ浸炭が完了する。浸炭帯、拡散帯でのシールがなく、また、真空中の浸炭が行えるので、浸炭ばらつきや、表面酸化や粒界酸化がなく、また、傷等もなく良好な品質の浸炭が可能である。なお、金属線材3の通過部付近を除く第一と第二の炉心管との間に断熱材を設け、それぞれの加熱温度を別々の温度に設定できるようにしてもよい。ボビン4,5は真空室2に設けられた密閉扉2a,2bより出し入れされる。これにより、金属線の連続真空浸炭を行うようにされている。
特に本発明においては、かかる金属線材の連続真空浸炭装置において、第一の炉心管10の出口10bと第二の炉心管20の入り口20aとは離隔して直線上におり、この間に、上下に案内ローラ41,42が設けられている。下側案内ローラ41の外周には周方向に両側斜面43a,43bからなる断面V字形状のV字溝43が設けられている。上側案内ローラ42の外周には周方向の平坦にされた先端45と、平坦の先端両側の斜面44a,44bからなる逆V字型の凸状部44が設けられている。上側及び下側の案内ローラの逆V字型の凸状部44とV字溝43は先端を除き同形状とされている。下側案内ローラ41は、下側案内ローラの上端のV字溝43底部位置43bが炉心管10,20の下端10c,20cより若干上位置にくるように設置される。上側案内ローラ42は上下方向に位置を移動及び固定できるようにされ、図示しないスプリングにより若干下方に付勢されている。上側案内ローラ42がスプリングにより軽く下側案内ローラ43に接するようにしておけば、線通し用の鋼線等が挟持送出可能にされている。なお補助ローラ9,9′は案内ローラの役割を兼用している。
線通し作業にあたっては、図3に示すように、線通し用のピアノ線が巻かれたピアノ線ボビン45を巻き取りボビン側5に配置し、線通し用のピアノ線46を繰り出し、補助ローラ9′を補助にして、第二の炉心管の出口20bより第二の炉心管20内に挿入する。線通し用のピアノ線46は自身の張力により直線に伸び、第二の炉心管内を進む。線通し用のピアノ線46の先端46aが第二の炉心管の入り口20aより突出してさらに押し出され、下側案内ローラ43に接触し、V溝43に沿って案内される。このとき、案内ローラ41,42は線通し用のピアノ線46を押す力に応じて自由に回転させて案内させてもよい。また、案内ローラ41,42を図示しない駆動源で回転させれば線通し用のピアノ線46を送出するようにできる。
案内ローラ41,42に案内又は送り出された線通し用のピアノ線46は、第一の炉心管10の出口10bより第一の炉心管に送出される。さらに、線通し用のピアノ線46を押しだし、第一の炉心管10の入り口10aより線通し用のピアノ線の先端46aの頭出しを行い巻きだしボビン4に巻かれた被浸炭材である金属線材3の先端を接続する。線通し用のピアノ線46をピアノ線ボビン45に巻き取り線通しを行う。線通し用のピアノ線及びピアノ線ボビンを装置1内より取り外し、巻き取りボビン5を設置して線通し作業を作業を終了する。このように、複数の炉心管10,20が配置された一の真空室2内であっても容易に線通し作業ができる。
図4は本発明の第二の実施の形態を示す金属線材の連続真空浸炭装置の線通し時の模式図である。本発明の第二の実実施の形態は、拡散帯を2カ所設けたものであり、図1に示した第二の炉心管20、枝管21、不活性ガス供給装置22、加熱装置23、断熱材26、と同じ、第三の炉心管30、枝管31、不活性ガス供給装置32、加熱装置33、断熱材36が設けられている。なお、図1と同様な部分については、同符号を付し説明の一部を省略する。図4のものは、さらに、第二の炉心管と第三の炉心管等の間に金属線材3の通過部付近を除く断熱材6dが設けられている。このものは、浸炭時間より拡散時間を多く必要とする場合に適している。
第二の実施の形態においては、前述した上下案内ローラ41,42の他にさらに、第二の炉心管の出口20bと第三の炉心管の入り口30aの間に、上下案内ローラ41,42と同じ上下案内ローラ51,52が設けられている。かかるように炉の長さが長い場合、さらに炉心管を複数設けた場合でも前述した第一の実施の形態と同様に線通し作業ができることはいうまでもない。第二の実施の形態では、線通し用のピアノ線を短くした場合について説明する。線通し用のピアノ線56は、 補助ローラ9と上下案内ローラ41,42、上下案内ローラ41,42と上下案内ローラ51,52、上下案内ローラ51,52と補助ローラ9′とのいずれか一番長いスパンより長くされている。補助ローラ9、9′、案内ローラ41,42,51,52は外部より回転可能にされている。
線通し作業にあたっては、図4に示すように、線通し用のピアノ線56を繰り出し、補助ローラ9′を補助にして、第三の炉心管の出口30bより第三の炉心管30内に挿入し、補助ローラ9′を回転させ又は線通し用のピアノ線56を手動で押し込み第三の炉心管30内を進ませる(図4の二点鎖線で示す)。線通し用のピアノ線56の先端56aが第三の炉心管の入り口30aより突出してさらに押し出され、下側案内ローラ52に接触し、V溝43に沿って案内される。このとき、案内ローラ51,52が回転し、線通し用のピアノ線56を引き込む。さらに、線通し用のピアノ線56を送出し、第二の炉心管20の出口20bより第二の炉心管に送出する(図4の実線で示す)。ついで、線通し用のピアノ線56の先端56aが第二炉心管の入り口20aより突出してさらに押し出され、下側案内ローラ42に接触し、V溝43に沿って案内される。案内ローラ41,42が回転し、線通し用のピアノ線56を引き込み、さらに、線通し用のピアノ線を送出し、第一の炉心管10の出口10bより第一の炉心管に送出する。
第一の炉心管10の入り口10aより案内ローラ41,42により送り出された線通し用のピアノ線の先端56aの頭出しを行い、巻きだしボビン4に巻かれた被浸炭材である金属線材3の先端を接続する。次に、補助ローラ9,9′、回転ローラ41,42,51,53を逆回転させ、前述したとは逆方向に線通し用のピアノ線56を順次送り、第三の炉心管30の出口30bから線通し用のピアノ線を排出して線通しを行う。線通し用のピアノ線を装置1内より取り出し、巻き取りボビン5を設置して線通し作業を作業を終了する。かかる方法によれば、長尺の線通し用のピアノ線を必要としない。また保管も容易である。
本発明の実施の形態を示す金属線材の連続真空浸炭装置の模式図である。 本発明の実施の形態を示す金属線材の連続真空浸炭装置の案内ローラの側面図である 本発明の実施の形態を示す金属線材の連続真空浸炭装置の線通し時の模式図である。 本発明の第二の実施の形態を示す金属線材の連続真空浸炭装置の線通し時の模式図である。
符号の説明
1 金属線材の連続真空浸炭装置(熱処理装置)
2 真空室
3 金属線材
9、9′ 補助ローラ(案内ローラ)
10、20、30 (第一、二、三の)炉心管
10a、10b、20a、20b、30a、30b 炉心管の開口(出口、入り口)
11、21、31 枝管
13、23、33 加熱装置
16、26、36 断熱材
41、51 下側案内ローラ
42、52 上側案内ローラ
43 V字溝
44 凸上部
45 平坦
46、56 線通し用の鋼線(ピアノ線)

Claims (4)

  1. 金属線材が通過可能にされた複数の炉心管が一つの真空室内に炉心管の開口を互いに離隔して直線上に配設されており、前記複数の炉心管の間に線通し用の鋼線を案内するための案内ローラが設けられていることを特徴とする金属線材の連続真空熱処理装置。
  2. 前記線通し用の鋼線の長さは隣り合う前記案内ローラ間の長さより長くされ、前記案内ローラの少なくとも一の案内ローラの回転により送出可能にされていることを特徴とする請求項1記載の金属線材の連続真空熱処理装置。
  3. 前記案内ローラは上下に配置され、下側案内ローラの外周には周方向にV字溝が設けられ、上側案内ローラの外周には周方向に先端が平坦にされた逆V字型の凸状部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の金属線材の連続真空熱処理装置。
  4. 前記複数の炉心管は、少なくとも、第一の炉心管と、第二の炉心管からなり、前記第一の炉心管は、金属線材が通過可能にされ浸炭ガスを供給可能にされた枝管を有し、前記第二の炉心管は、前記第一の炉心管の出口とは離隔して設けられ、前記第一の炉心管より送出される前記金属線材が通過可能にされ不活性ガスを供給可能にされた枝管を有し、前記第一及び第二の炉心管と、前記第一及び第二の炉心管を外部から加熱する加熱装置と、前記加熱装置の外側に設けられた断熱材と、が一つの真空室内に設けられていることを特徴とする請求項1又は2又は3記載の金属線材の連続真空浸炭装置。
JP2004063598A 2004-03-08 2004-03-08 金属線材の連続真空熱処理装置及び連続真空浸炭装置 Withdrawn JP2005248295A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100823960B1 (ko) 2007-03-21 2008-04-22 배윤수 전선제조용 동선의 가공방법
CN104870681A (zh) * 2012-12-20 2015-08-26 韩国生产技术研究院 金属表面处理装置及利用该装置的金属表面处理方法

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KR100823960B1 (ko) 2007-03-21 2008-04-22 배윤수 전선제조용 동선의 가공방법
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