JP2005248115A - アクリル樹脂及びそれを用いた樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 密着性と耐溶剤性に優れ、かつ、低温硬化性と保存安定性に優れた自己架橋性アクリル樹脂と、その製造方法を提供する。
【解決手段】 N−メチロール基を含有するモノマー単位を60重量%以上含んでなるアクリル樹脂、好ましくはN−メチロール基を含有するモノマーが、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミドおよびアルキルエーテル化N−メチロール(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種であるアクリル樹脂とその製造方法に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、密着性と耐溶剤性に優れる自己架橋性アクリル樹脂とその製造方法に関する。本発明の自己架橋性樹脂は低温硬化性に優れ、繊維加工材や延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリアミド系フィルム、延伸ポリオレフィンフイルム等の少なくとも片面にコート層を設けることで易接着性を付与できるばかりか、金属製基材用の皮膜、塗料、インキ、アンカー剤として極めて有用である。
アミノ樹脂、エポキシ樹脂、等の基体樹脂に、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の架橋剤を混合し、加熱により化学反応を起こさせて三次元網目構造を有する硬化膜を形成することは、塗料の分野などではよく行われている(例えば非特許文献1参照)。
例えば、自動車の上塗塗料としてはメラミン樹脂を架橋剤として用いたアクリル樹脂塗料が汎用されている。しかし、近年、酸性雨問題が大きな社会問題となってくるにつれ、特に自動車塗料の分野において耐酸性の劣るメラミン樹脂を架橋剤として用いた自動車上塗塗膜の劣化が問題となっている。このメラミン樹脂を架橋剤として用いた硬化塗膜が耐酸性に弱い原因は、メラミン硬化塗膜の主な架橋結合であるアルコキシメチルイミノ型のエーテル結合がエステル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合、エーテル結合などに比べて加水分解を受け易く、不安定であることに起因する。また、メラミン樹脂中のアジン環自身も容易に酸で分解することが知られており、メラミン樹脂に代わる新しい硬化塗膜の開発が急がれている。メラミン樹脂を使用しない硬化塗膜としては、エポキシ基−カルボキシル基、アルコキシシランの自己架橋、酸無水基−水酸基、不飽和基−ポリケチミン(マイケル反応)、ブロックイソシアネート−活性水素基などの架橋反応を利用した塗膜が主体である。しかし、これらの硬化塗膜を与える塗料は、硬化剤及び架橋剤と基体樹脂とを塗装直前に混合する二液型塗料であるために取扱いが煩雑であったり、架橋系が複雑であったり、塗料としての貯蔵安定性が悪いなどといった問題点が多く残っている。
他方、N−メチロールアクリルアミドやN−アルコキシアクリルアミドによる架橋はよく知られており、繊維加工や塗料分野のみならず多くの産業分野で活用が試みられている。例えば、自己縮合性の官能基を持つポリマーと、架橋する官能基と触媒能を有する官能基を持つポリマーを別々に合成し、それらを配合して使用する有機溶剤系組成物が開示されている(特許文献1参照)。しかし、この方法は溶剤系の重合であり、近年のVOC(揮発性有機化合物値)削減に寄与できず、反応性基であるN−メチロール基の含有量も少ない。また、特定の構造を有するエチレン性不飽和モノマーと活性水素原子を有するモノマーとを使用した自己架橋性樹脂の製造方法が開示されている(特許文献2参照)。この方法でも特許文献1と同様に溶剤系であり、反応性基であるN−メチロール基の含有量も少ない。さらに、N−メチロール基またはN−アルコキシメチル基含有モノマー単位、スルホン酸基またはスルホネート基含有モノマー単位、および疎水性のモノマー単位からなる水溶性コポリマーが開示されている(特許文献3、4参照)。しかし、これらの方法では共重合成分に不飽和二重結合の酸成分が必須であり、N−メチロール基を有するアクリル樹脂では、pH3以下ではゲル化が起こるために、多量のアルカリ成分を添加する必要があり、このため塗膜物性の低下を起こすという問題があった。このように、N−メチロール基の含有量を多いアクリル樹脂を製造することは困難であった。
また、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリアミド系フィルム、延伸ポリオレフィンフイルムの易接着層として、一液型のポリエステルやポリウレタンが用いられているが、一液型では、易接着層が熱可塑性であるため高温使用時に軟化して接着強度が著しく低下するという問題がある。また、硬化系として、ポリエステル樹脂とポリイソシネートの二液型やポリウレタン樹脂とポリイソシアネートの二液型が使用されているが、いずれも溶剤に溶解されたものであり、VOC(揮発性有機化合物値)削減に寄与できないばかりか、ポリイソシアネートとの反応性の高さから、二液混合後の保存安定性は十分ではないという問題がある。
神津治雄;合成樹脂塗料、P133〜139、P181〜186(1964) 特開平5−51567号公報(参考例1、2) 特開平8−157534号公報(実施例1〜5) 特表平11−514694号公報(実施例1〜3) 特表2001−504518号公報(実施例1〜3)
本発明は、密着性と耐溶剤性に優れ、かつ、低温硬化性と保存安定性に優れた自己架橋性アクリル樹脂と、その製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意、研究検討した結果、遂に本発明を完成するに到った。以下に本発明を詳細に述べる。
(1)N−メチロール基を含有するモノマー単位を60重量%以上含んでなるアクリル樹脂。
(2)N−メチロール基を含有するモノマーが、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミドおよびアルキルエーテル化N−メチロール(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種である(1)に記載のアクリル樹脂。
(3)N−メチロール基を含有するモノマー以外のモノマーが、カルボキシル基を含まずかつ水溶性である(1)または(2)にアクリル樹脂。
(4)N−メチロール基を含有するモノマー以外のモノマーが、水酸基あるいはアミド基を有するアクリルモノマーであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のアクリル樹脂。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載のアクリル樹脂に酸触媒を添加したアクリル樹脂組成物。
(6)酸触媒がスルホン酸化合物および/またはスルホン酸化合物のアミン中和物である(5)に記載のアクリル樹脂組成物。
(7)(1)〜(4)のいずれかに記載のアクリル樹脂の製造方法において、水/アルコール系溶媒中で重合することを特徴とするアクリル樹脂の製造方法。
(8)アルコールがイソプロピルアルコールである(7)に記載のアクリル樹脂の製造方法。
(9)(1)〜(4)のいずれかに記載のアクリル樹脂の製造方法において、重合温度が30〜80℃であることを特徴とするアクリル樹脂の製造方法。
(10)(1)〜(4)のいずれかに記載のアクリル樹脂の製造方法において、25℃のpHが3以上の条件で重合することを特徴とするアクリル樹脂の製造方法。
本発明で得られたアクリル樹脂は、自己架橋性または水酸基との反応に優れ、低温接着性と保存性に優れるため、繊維加工材や延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリアミド系フィルム、延伸ポリオレフィンフイルム等アンカー剤や金属製基材用の皮膜、塗料、インキとして好適に使用することができる。
本発明は、N−メチロール基を含有するモノマー単位を60重量%以上含んでなるアクリル樹脂であり、自己縮合性または水酸基との反応性に優れた官能基を多く含有するアクリル樹脂に関するものであり、またゲル状物を抑制された製造方法に関するものであり、低温接着性と保存性に優れるため、繊維加工材や延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリアミド系フィルム、延伸ポリオレフィンフイルム等アンカー剤や金属製基材用の皮膜、塗料、インキとして好適である。
本発明において、N−メチロール基を含有するモノマーは、メチロール基を有し重合性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリル単独およびまたは水酸基を有し重合性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリルを有することが好ましい、また、必要に応じて(メタ)アクリルアミド類を用いることができる。
メチロール基を含有するモノマーとしては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、アルキルエーテル化N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられるが、N−メチロール(メタ)アクリルアミドを使用することが好ましく、アクリル樹脂中に60重量%以上含まれることが好ましく、80重量%以上含まれることがより好ましく、更には100重量%であることがより好ましい。
本発明に使用されるN−メチロール基を含有するモノマー以外のモノマーとしては、重合性不飽和二重結合を有するアクリルモノマー、あるいはメタクリルモノマーが挙げられる。また、必要に応じて、共重合に使用できるそのほかの重合性不飽和二重結合を有するモノマーを用いることもできる。
他のモノマーとしては、水酸基を有し重合性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリルを必要に応じて共重合させることができる。水酸基を有し重合性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリルとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
他のモノマーとして、アミド基を有し重合性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリルを必要に応じて共重合させることができる。共重合に使用できるそのほかの重合性不飽和二重結合を有するアクリルアミド類としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが挙げられる。
また、共重合に使用できるそのほかの重合性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミドスチレン、ビニルトルエン、メチルスチレン、アリルアルコール、アルキルビニルエーテル、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、α−オレフィン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらの重合性不飽和二重結合を有するモノマーは重合安定性の観点からカルボキシル基を含まないものであることが望ましい。
本発明において、上記モノマーの重合は、水/溶剤の溶媒中で、開始剤の存在下、不活性ガス気流下で30〜80℃で、好ましくは40〜75℃、更に好ましくは50〜75℃の温度範囲で行なうことが出来る。重合温度が低い場合は、重合が進行しなかったり、重合温度が高い場合はゲル状物が生成したりすることがある。
重合時間は1〜24時間が適当である。溶剤は水溶性のものが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
この中で、連鎖移動剤としての作用を有するイソプロピルアルコールが好適に使用することができる。イソプロピルアルコールは水100重量部に対して20〜90重量部、好ましくは25〜65重量部、更に好ましくは30〜60重量部である。イソプロピルアルコール添加量が少ないと重合が進行しないことがあり、イソプロピルアルコール添加量が多いと重合中にゲル化の抑制できずゲル状物が生成する恐れがある。
開始剤としては、水溶性ラジカル開始剤が好ましい。
上記共重合工程における重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物、2,2’−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩等の環状アゾアミジン化合物、2−カルバモイルアゾイソブチロニトリル等のアゾニトリル化合物等のアゾ系開始剤等が使用される。この際、亜硫酸水素ナトリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、メタ二亜硫酸塩、次亜燐酸ナトリウム、モール塩等のFe(II)塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿素、L−アスコルビン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)等の促進剤を併用することもできる。衛生性の観点から、水溶性ラジカル開始剤は、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムがより好ましい。
ラジカル開始剤は室温下で反応系中に初期から混合、溶解してもよく、数時間かけて反応系中に滴下してもよい。
本発明のN−メチロール基を有するモノマーを60重量%以上含むアクリル樹脂の重合は、重合系中の25℃におけるpHは3以上、好ましくはpH3.5以上、更に好ましくはpH4以上で行なうことができる。pHが3未満であると、重合系中にゲル状物を生成することがある。重合性不飽和二重結合を有するアクリルモノマーでカルボキシル基を有するものはpHを低下させるため、重合安定性に欠けることがある。本発明で使用される重合性不飽和二重結合を有するアクリルモノマーは水酸基あるいはアミド基を含有するモノマーを共重合することが好ましい。
重合系のpHを3以上にするためには、アミン類や弱酸強塩基の塩を使用することができる。アミン類としては、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が好適に使用される。弱酸強塩基の塩としては酢酸アルカリ金属、燐酸アルカリ金属、炭酸アルカリ金属等の塩基または通常の緩衝塩が好適に使用される。
本発明のアクリル樹脂は重合後の溶液をそのままコーティング剤として使用することが出来る。その際、基材への密着性を高めるために縮合反応を促進させるための効果触媒を添加することが好ましい。硬化触媒としては酸触媒が好適に用いられる。酸触媒としては、コーティング剤を酸性にするものであれば、いずれの酸を使用してもよい。
作業性とコーティング剤の安定性の点から、スルホン酸化合物またはスルホン酸化合物のアミン中和物が好適である。スルホン酸化合物としてはp−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などを挙げることができる。スルホン酸化合物のアミン中和物のアミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれであってもよい。硬化触媒として、スルホン酸化合物またはスルホン酸化合物のアミン中和物は単独で使用してもよく、2種以上混合しても使用できる。酸触媒添加量は、樹脂固形分100重量部に対して、0.05〜5重量部が好ましく、更に好ましくは0.1〜1重量部である。
本発明のアクリル樹脂は、加熱処理することによって、基材との密着性を発現することができる。熱処理は110℃以上の温度で行うことが好ましい。更には、120℃以上で熱処理することがより好ましく、130℃以上、250℃以下で熱処理することが特に好ましい。前記条件と比べて、加熱処理の温度が低すぎると、十分な密着性を得ることが出来ないことがある。また、250℃以上の高温で加熱処理をおこなうと、本発明のアクリル樹脂が熱分解生じ物性の低下が起きるという問題を生じる恐れがある。
上記コーティング剤には本発明のアクリル樹脂の他の樹脂を併用して添加することも可能である。例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂としては本発明のアクリル樹脂の有するN−メチロール基と反応することのできる官能基、例えば水酸基等を有するものを用いると、架橋体を形成することが出来るので、より高い密着性や接着性を発現することが可能となる。
本発明において、フィルム用途のコーティング剤に用いる場合、基材プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル樹脂からなるフィルム、ナイロン6、ナイロン66,ナイロン46等のポリアミド樹脂からなるフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなるフィルム等が挙げられる。前記樹脂の混合物からなるフィルム、またはそれらの積層体であってもよい。
また、基材プラスチックフィルムの表面は、接着性向上などのために、コロナ処理など物理的な表面改質、カップリング剤処理などの化学的処理がなされていてもよい。
2軸延伸フィルムにコートする場合は、いわゆるインラインコートと称される方法で、1軸延伸後、本発明のアクリル樹脂溶液をコートし、乾燥後、逐次2軸の延伸を行ってもよく、オフラインコートと称される方法で、2軸延伸フィルムにコートし、乾燥、熱処理工程を経て塗膜を得ることができる。
フィルム用途に用いる場合、基材上に本発明のアクリル樹脂からなるコーティング剤を塗布・乾燥して、さらにその上にシーラントと呼ばれるヒートシール樹脂層を積層することで例えば包装材料としての応用が期待できる。
ヒートシール性樹脂層を形成する熱可塑性重合体としては、シーラント接着性が十分に発現できるものであればよく、HDPE、LDPE、LLDPEなどのポリエチレン樹脂類、PP樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重含体、エチレン−α−オレフインランダム共重合体、アイオノマー樹脂などを使用できる。通常、ヒートシール性樹脂も塩素含有樹脂でないものが、焼却処理時の環境問題の点から好ましい。
本発明において、フィルム用途に用いる場合、フィルムを積層体として使用する際は、基材が透明材料である場合は透明性を有することが好ましい。この透明性は、波長500nmの全光線透過率で、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが特に好ましい。このような透明性は、例えば、市販の分光光度計(日立製作所製、自記分光光度計330型)で好適に測定することが可能である。また、曇度(HAZE)については25%以下が好ましく、さらには20%以下、特に15%以下が好ましく、市販のヘーズメーター(スガ試験機製等)が測定に用いられる。
本発明により、自己架橋性または水酸基との反応に優れ、低温接着性と保存性に優れ、繊維加工材や延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリアミド系フィルム、延伸ポリオレフィンフイルム等アンカー剤や金属製基材用の皮膜、塗料、インキあるいはプラスチック製品や金属における接着剤として有効な樹脂を提供できる。
次に本発明を以下の実施例、比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特性値評価は以下の方法によりおこなった。実施例中および比較例中に単に部とあるのは重量部を示す。
〔製造例1〕セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて、室温にて、イオン交換水390部とイソプロピルアルコールを210部とアクリルモノマーとして、N−メチロールアクリルアミド(綜研化学社製、N−MAM)150部を仕込み溶解させた。さらに、過硫酸カリウム1.5部、亜硫酸水素ナトリウム0.06部、無水酢酸ナトリウム1.5部を仕込み溶解させた。ついで、反応容器を窒素置換した後、30分間で65℃まで昇温し、65℃で3時間反応させた。反応生成物は室温まで冷却し、ろ過して、取り出した。アクリル樹脂溶液粘度は、BL粘度計(TOKIMEC INK社製)を用い、25℃で測定をおこなった。溶液粘度は2.98dPa・sであり、粘調な固形分濃度20重量%のアクリル樹脂を得た。25℃のpHは5.37であった。
〔製造例2〕セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて、室温にて、イオン交換水390部とイソプロピルアルコールを210部とアクリルモノマーとして、N−メチロールアクリルアミド(綜研化学社製、N−MAM)120部、2−ヒドロキシエチルアクリレート30部を仕込み溶解させた。さらに、過硫酸カリウム1.5部、亜硫酸水素ナトリウム0.06部、無水酢酸ナトリウム1.5部を仕込み溶解させた。ついで、反応容器を窒素置換した後、30分間で65℃まで昇温し、65℃で3時間反応させた。反応生成物は室温まで冷却し、ろ過して、取り出した。アクリル樹脂溶液粘度は、BL粘度計(TOKIMEC INK社製)を用い、25℃で測定をおこなった。溶液粘度は1.28dPa・sであり、粘調な固形分濃度20重量%のアクリル樹脂を得た。25℃のpHは5.80であった。
〔製造例3〕セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて、室温にて、イオン交換水390部とイソプロピルアルコールを210部とアクリルモノマーとして、N−メチロールアクリルアミド(綜研化学社製、N−MAM)120部、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート30部を仕込み溶解させた。さらに、過硫酸カリウム1.5部、亜硫酸水素ナトリウム0.06部、無水酢酸ナトリウム1.5部を仕込み溶解させた。ついで、反応容器を窒素置換した後、30分間で65℃まで昇温し、65℃で3時間反応させた。反応生成物は室温まで冷却し、ろ過して、取り出した。アクリル樹脂溶液粘度は、BL粘度計(TOKIMEC INK社製)を用い、25℃で測定をおこなった。溶液粘度は4.34dPa・sであり、粘調な固形分濃度20重量%のアクリル樹脂を得た。25℃のpHは5.61であった。
〔製造例4〕セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて、室温にて、イオン交換水390部とイソプロピルアルコールを210部とアクリルモノマーとして、N−メチロールアクリルアミド(綜研化学社製、N−MAM)90部、2−ヒドロキシエチルアクリレート60部を仕込み溶解させた。さらに、過硫酸カリウム1.5部、亜硫酸水素ナトリウム0.06部、無水酢酸ナトリウム1.5部を仕込み溶解させた。ついで、反応容器を窒素置換した後、30分間で65℃まで昇温し、65℃で3時間反応させた。反応生成物は室温まで冷却し、ろ過して、取り出した。アクリル樹脂溶液粘度は、BL粘度計(TOKIMEC INK社製)を用い、25℃で測定をおこなった。溶液粘度は1.1dPa・sであり、粘調な固形分濃度20重量%のアクリル樹脂を得た。25℃のpHは6.00であった。
〔製造例5〕セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて、室温にて、イオン交換水390部とイソプロピルアルコールを210部とアクリルモノマーとして、N−メチロールアクリルアミド(綜研化学社製、N―MAM)120部、アクリルアミド30部を仕込み溶解させた。さらに、過硫酸カリウム1.5部、亜硫酸水素ナトリウム0.06部、無水酢酸ナトリウム1.5部を仕込み溶解させた。ついで、反応容器を窒素置換した後、30分間で65℃まで昇温し、65℃で3時間反応させた。反応生成物は室温まで冷却し、ろ過して、取り出した。アクリル樹脂溶液粘度は、BL粘度計(TOKIMEC INK社製)を用い、25℃で測定をおこなった。溶液粘度は2.86dPa・sであり、粘調な固形分濃度20重量%のアクリル樹脂を得た。25℃のpHは5.60であった。
〔実施例1〕製造例1で重合したアクリル樹脂溶液100部に対して、p−トルエンスルホン酸のイソプロピルアルコール5%溶液10部混合し、バーコーター#3を用いて、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み25μm、東洋紡績社製:E5100)のコロナ処理面に塗布し、熱風乾燥機で80℃、2分間で乾燥させた。次に、熱風乾燥機で135℃、2分間熱処理をおこなった。アクリル樹脂塗膜厚みは1.2μmであった。次に、このフィルムのコート面側に、ポリエーテル系ポリウレタン接着剤(東洋モートン社製、商品名:アドコート)を3g/m2塗布した後、無延伸ポリプロピレンフィルム(厚み40μm、東洋紡績社製:P1128)のコロナ放電処理面と張り合わせ、40℃で72時間エージングを行い、ラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルム(15mm幅)をテンシロンUTM2(東洋測器社製)を用いて、剥離速度10cm/分で23℃、相対湿度65%で90゜剥離してラミネート強度を評価した。ラミネート強度は、1.75kgf/15mmであった。
〔実施例2〕製造例1で重合したアクリル樹脂溶液100部に対して、ドデシルベンゼンスルホン酸のトリエタノールアミン中和物のイソプロピルアルコール5%溶液を13部混合し、実施例1と同様の方法で、サンプルを製造し評価をおこなった。アクリル樹脂塗膜厚みは1.1μmであった。ラミネート強度は、1.68kgf/15mmであった。
〔実施例3〕製造例2で重合したアクリル樹脂溶液100部に対して、p−トルエンスルホン酸のイソプロピルアルコール5%溶液を10部混合し、実施例1と同様の方法で、サンプルを製造し評価をおこなった。アクリル樹脂塗膜厚みは1.2μmであった。ラミネート強度は、1.24kgf/15mmであった。
〔実施例4〕製造例3で重合したアクリル樹脂溶液100部に対して、p−トルエンスルホン酸のイソプロピルアルコール5%溶液を10部混合し、実施例1と同様の方法で、サンプルを製造し評価をおこなった。アクリル樹脂塗膜厚みは1.3μmであった。ラミネート強度は、1.18kgf/15mmであった。
〔実施例5〕製造例4で重合したアクリル樹脂溶液100部に対して、p−トルエンスルホン酸のイソプロピルアルコール5%溶液を10部混合し、実施例1と同様の方法で、サンプルを製造し評価をおこなった。アクリル樹脂塗膜厚みは1.3μmであった。ラミネート強度は、1.07kgf/15mmであった。
〔実施例6〕製造例5で重合したアクリル樹脂溶液100部に対して、p−トルエンスルホン酸のイソプロピルアルコール5%溶液を10部混合し、実施例1と同様の方法で、サンプルを製造し評価をおこなった。アクリル樹脂塗膜厚みは1.2μmであった。ラミネート強度は、1.14kgf/15mmであった。
〔実施例7〕製造例1で重合したアクリル樹脂溶液100部に対して、p−トルエンスルホン酸のイソプロピルアルコール5%溶液を10部混合し、熱処理温度を155℃、1分間熱処理をおこなった以外は、実施例1と同様の方法で、サンプルを製造し評価をおこなった。アクリル樹脂塗膜厚みは1.1μmであった。ラミネート強度は、1.81kgf/15mmであった。
〔実施例8〕製造例1で重合したアクリル樹脂溶液100部に対して、p−トルエンスルホン酸のイソプロピルアルコール5%溶液を10部混合し、バーコーター#3を用いて、延伸ナイロンフィルム(厚み25μm、東洋紡績社製:N2100)のコロナ処理面に塗布し、熱風乾燥機で80℃、2分間で乾燥させた。次に、熱風乾燥機で135℃、2分間熱処理をおこなった。アクリル樹脂塗膜厚みは1.3μmであった。次に、このフィルムのコート面側に、ポリエーテル系ポリウレタン接着剤(東洋モートン社製、商品名:アドコート)を3g/m2塗布した後、無延伸ポリプロピレンフィルム(厚み40μm、東洋紡績社製:P1128)のコロナ放電処理面と張り合わせ、40℃で72時間エージングを行い、ラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムにつき、ラミネート強度を評価した。ラミネート強度は、1.45kgf/15mmであった。
〔実施例9〕製造例2で重合したアクリル樹脂溶液100部に対して、p−トルエンスルホン酸のイソプロピルアルコール5%溶液10部混合し、バーコーター#3を用いて、延伸ナイロンフィルム(厚み25μm、東洋紡績社製:N2100)のコロナ処理面に塗布し、熱風乾燥機で80℃、2分間で乾燥させた。次に、熱風乾燥機で135℃、2分間熱処理をおこなった。アクリル樹脂塗膜厚みは1.2μmであった。次に、このフィルムのコート面側に、ポリエーテル系ポリウレタン接着剤(東洋モートン社製、商品名:アドコート)を3g/m2塗布した後、無延伸ポリプロピレンフィルム(厚み40μm、東洋紡績社製:P1128)のコロナ放電処理面と張り合わせ、40℃で72時間エージングを行い、ラミネートフィルムを得た。このラミネートフィルムにつき、ラミネート強度を評価した。ラミネート強度は、1.23kgf/15mmであった。
〔比較例1〕セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて、室温にて、イオン交換水390部とイソプロピルアルコールを210部とアクリルモノマーとして、N−メチロールアクリルアミド(綜研化学社製、N−MAM)60部、2−ヒドロキシエチルアクリレート90部を仕込み溶解させた。さらに、過硫酸カリウム1.5部、亜硫酸水素ナトリウム0.06部、無水酢酸ナトリウム1.5部を仕込み溶解させた。ついで、反応容器を窒素置換した後、30分間で65℃まで昇温し、65℃で3時間反応させた。反応生成物は室温まで冷却し、ろ過して、取り出した。アクリル樹脂溶液粘度は、BL粘度計(TOKIMEC INK社製)を用い、25℃で測定をおこなった。溶液粘度は3.67dPa・sであり、粘調な固形分濃度20重量%のアクリル樹脂を得た。25℃のpHは5.78であった。このアクリル樹脂100部に対して、p−トルエンスルホン酸のイソプロピルアルコール5%溶液を10部混合し、実施例1と同様の方法で、サンプルを製造し、評価を行った。樹脂塗膜厚みは1.1μmであった。ラミネート強度は、0.45kgf/15mmであった。
〔比較例2〕セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて、室温にて、イオン交換水390部とイソプロピルアルコールを210部とアクリルモノマーとして、N−メチロールアクリルアミド(綜研化学社製、N−MAM)60部、アクリルアミド90部を仕込み溶解させた。さらに、過硫酸カリウム1.5部、亜硫酸水素ナトリウム0.06部、無水酢酸ナトリウム1.5部を仕込み溶解させた。ついで、反応容器を窒素置換した後、30分間で65℃まで昇温し、65℃で3時間反応させた。反応生成物は室温まで冷却し、ろ過して、取り出した。アクリル樹脂溶液粘度は、BL粘度計(TOKIMEC INK社製)を用い、25℃で測定をおこなった。溶液粘度は45.8dPa・sであり、粘調な固形分濃度20重量%のアクリル樹脂を得た。25℃のpHは5.56であった。このアクリル樹脂100部に対して、p−トルエンスルホン酸のイソプロピルアルコール5%溶液を10部混合し、実施例1と同様の方法で、サンプルを製造し、評価を行った。樹脂塗膜厚みは1.3μmであった。ラミネート強度は、0.38kgf/15mmであった。
〔比較例3〕製造例1で重合したアクリル樹脂溶液を用い酸触媒を混合しなかった以外は、実施例1と同様の方法で、サンプルを製造し、評価を行った。樹脂塗膜厚みは1.3μmであった。ラミネート強度は、0.48kgf/15mmであった。
〔比較例4〕本発明のアクリル樹脂をコートすることなしに、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み25μm、東洋紡績社製:E5100)のコロナ処理面に、ポリエーテル系ポリウレタン接着剤(東洋モートン社製、商品名:アドコート)を3g/m2塗布した後、無延伸ポリプロピレンフィルム(厚み40μm、東洋紡績社製:P1128)のコロナ放電処理面と張り合わせ、40℃で72時間エージングを行い、ラミネートフィルムを得た。ラミネート強度を評価した。ラミネート強度は、0.42kgf/15mmであった。
〔比較例5〕セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて、室温にて、イオン交換水500部とアクリルモノマーとして、N−メチロールアクリルアミド(綜研化学社製、N−MAM)150部を仕込み溶解させた。さらに、過硫酸カリウム1.5部、亜硫酸水素ナトリウム0.06部、無水酢酸ナトリウム1.5部を仕込み溶解させた。ついで、反応容器を窒素置換した後、30分間で65℃まで昇温し、65℃で3時間反応させた。反応生成物は室温まで冷却し、ろ過して、取り出した。アクリル樹脂溶液粘度は、BL粘度計(TOKIMEC INK社製)を用い、25℃で測定をおこなった。溶液粘度は0.2dPa・sであり、25℃のpHは5.28であったが、アクリル重合体は得られなかった。
〔比較例6〕セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて、室温にて、イオン交換水450部とイソプロピルアルコールを50部アクリルモノマーとして、N−メチロールアクリルアミド(綜研化学社製、N−MAM)150部を仕込み溶解させた。さらに、過硫酸カリウム1.5部、亜硫酸水素ナトリウム0.06部、無水酢酸ナトリウム1.5部を仕込み溶解させた。ついで、反応容器を窒素置換した後、30分間で65℃まで昇温し、65℃で3時間反応させた。反応生成物は室温まで冷却し、ろ過して、取り出した。アクリル樹脂溶液粘度は、BL粘度計(TOKIMEC INK社製)を用い、25℃で測定をおこなった。溶液粘度は0.3dPa・sであり、25℃のpHは5.35であったが、アクリル重合体は得られなかった。
〔比較例7〕セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて、室温にて、イオン交換水390部とイソプロピルアルコールを210部アクリルモノマーとして、N−メチロールアクリルアミド(綜研化学社製、N−MAM)150部を仕込み溶解させた。さらに、過硫酸カリウム1.5部、亜硫酸水素ナトリウム0.06部を仕込み溶解させた。ついで、反応容器を窒素置換した後、30分間で65℃まで昇温し、65℃で3時間反応させた。反応生成物は全体にゲル状物であり、重合中に架橋反応が進行した。ゲル状物であり溶液粘度は測定できなかったが、ろ液の25℃のpHは2.8であった。
〔比較例8〕セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて、室温にて、イオン交換水390部とイソプロピルアルコール210部とアクリルモノマーとして、N−メチロールアクリルアミド(綜研化学社製、N−MAM)150部を仕込み溶解させた。さらに、過硫酸カリウム1.5部、亜硫酸水素ナトリウム0.06部、無水酢酸ナトリウム1.5部を仕込み溶解させた。ついで、反応容器を窒素置換した後、30分間で83℃まで昇温し、83℃で3時間反応させた。反応生成物は全体にゲル状物であり、重合中に架橋反応が進行した。ゲル状物であり溶液粘度は測定できなかったが、ろ液の25℃のpHは5.36であった。
本発明で得られたアクリル樹脂は、自己架橋性または水酸基との反応に優れ、低温接着性と保存性に優れるため、繊維加工材や延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリアミド系フィルム、延伸ポリオレフィンフイルム等アンカー剤や金属製基材用の皮膜、塗料、インキとして好適に使用することができる。

Claims (10)

  1. N−メチロール基を含有するモノマー単位を60重量%以上含んでなるアクリル樹脂。
  2. N−メチロール基を含有するモノマーが、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミドおよびアルキルエーテル化N−メチロール(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のアクリル樹脂。
  3. N−メチロール基を含有するモノマー以外のモノマーが、カルボキシル基を含まずかつ水溶性である請求項1または2にアクリル樹脂。
  4. N−メチロール基を含有するモノマー以外のモノマーが、水酸基あるいはアミド基を有するアクリルモノマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル樹脂。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のアクリル樹脂に酸触媒を添加したアクリル樹脂組成物。
  6. 酸触媒がスルホン酸化合物および/またはスルホン酸化合物のアミン中和物である請求項5に記載のアクリル樹脂組成物。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載のアクリル樹脂の製造方法において、水/アルコール系溶媒中で重合することを特徴とするアクリル樹脂の製造方法。
  8. アルコールがイソプロピルアルコールである請求項7に記載のアクリル樹脂の製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載のアクリル樹脂の製造方法において、重合温度が30〜80℃であることを特徴とするアクリル樹脂の製造方法。
  10. 請求項1〜4のいずれかに記載のアクリル樹脂の製造方法において、25℃のpHが3以上の条件で重合することを特徴とするアクリル樹脂の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106117407A (zh) * 2016-07-28 2016-11-16 上海维凯光电新材料有限公司 室温自交联丙烯酸乳液及其制备方法

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