JP2005247721A - 低下された溶血反応を有する抗菌性ペプチド及びその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】広範囲の抗菌活性を有するが低い溶血反応を示す、芳香族及びカチオン性残基の独特のパターンを持つ、環状及び短ペプチド(10個未満のアミノ酸残基)に関する抗菌性ペプチドを提供する。
【解決手段】グラム陽性菌、グラム陰性菌及び多剤耐性病原体に対する広域抗菌活性を目的とする。抗菌性ペプチドは、一般に10個未満のアミノ酸残基からなり、アミノ酸配列:(A1X1A2)N(ここで、A1は、アルギニン、リシン、バリン又はイソレシンを表し、X1は、トリプファン、フェニルアラニン又はプロリンを表し、A2は、アルギニン、リシン、バリン又はイソレシンを表し、Nは、1、2又は3を表し、位相幾何学は、環状又は直鎖状を表す)を含む。
【選択図】図1a
【解決手段】グラム陽性菌、グラム陰性菌及び多剤耐性病原体に対する広域抗菌活性を目的とする。抗菌性ペプチドは、一般に10個未満のアミノ酸残基からなり、アミノ酸配列:(A1X1A2)N(ここで、A1は、アルギニン、リシン、バリン又はイソレシンを表し、X1は、トリプファン、フェニルアラニン又はプロリンを表し、A2は、アルギニン、リシン、バリン又はイソレシンを表し、Nは、1、2又は3を表し、位相幾何学は、環状又は直鎖状を表す)を含む。
【選択図】図1a
Description
本発明は、抗菌性ペプチドの分野に関する。詳細には、本発明は、広範囲の抗菌活性を有する芳香族及びカチオン性残基の独特のパターンを持つ、環状及び短ペプチド(10個未満のアミノ酸残基)を目的とする。本発明の極めて小型のペプチドは、優れた効能を示し、芳香族及びカチオン性残基を有する他の長ペプチドと比較して、低い溶血活性を示す。
従来の抗生物質に耐性のある細菌株の出現は、動物由来の多様な抗菌性ペプチドを含む新規治療薬の調査を促した。抗菌性ペプチドは、植物、昆虫、両生類及び哺乳動物を含む大多数の生体系の固有の宿主防衛機構において主要な役割を果たすことが認められ、細菌、菌類、また特定のウイルスに対しても潜在的な抗生物質活性を有することが知られている。抗菌性ペプチドは、脂質に対して>95%の割合で結合して、容易にリン脂質二重層に割り込み、膜の一体性を傷つける。これらは、平面脂質二重層に、小さい、一過性の、伝導性の増加を形成し、細菌の細胞質膜電位勾配を部分的に脱分極する。宿主防衛における抗菌性ペプチドの保護機能が、ショウジョウバエで説得力をもって証明され、そこでは、低下した発現が、細菌の攻撃後の生存率を劇的に低下させている。哺乳動物では、この機能は、嚢胞性線維症(CF)患者の肺及び小型のマウスにおける欠陥細菌死滅により示唆されている。哺乳動物で見いだされる抗菌性ペプチドは、システインリッチデフェンシン(α−及びβ−デフェンシン)及び多様なカテリシジンファミリーに分類される。カテリシジンファミリーは、高度に保存された信号配列及びプロレジョン(proregion)(“カテリン”)、並びにC末端ドメインに変異性抗菌性配列を含む。カテリシジンのうちの多くは、カチオン性カテリンドメインとカチオン性C末端ペプチドドメインの間に、特徴的なエラスターゼ切断部位を含む。この部位におけるタンパク質分解プロセスが、ウシ及びプロシン好中球において観察され、殺菌活性を必要とした。アミノ酸成分及び構造に基づき、カテリシジンファミリーは、3群に分類される。第1群は、LL−37,CRAMP、SMAP−29,SMAP−37、BMAP−27及びBMAP−28のような両親媒性α−らせん状ペプチドを含む。第2群は、Bac5、Bac7、PR−39及びインドリシジンをはじめとするArg/Proリッチ又はTrpリッチペプチドを含む。第3群は、プロテグリンのようなCys含有ペプチドを含む。抗菌性ペプチドは、一般的に、広域活性を有し、微生物感染に対する宿主防御の重要な部分を構成する、低分子量(<5kDa)分子であるため、低分子量の抗生化合物を設計する出発点を提供する。更に、これらは、その膜学的活性に密接に関連する特徴である、疎水性領域と電荷領域のクラスターを有する両親媒性構造に折りたたむ傾向があることが知られている。多くの場合、広域抗菌活性を示すが、ペプチドは、種々の程度でヒトの赤血球に対して溶血性であり、それがその治療上の潜在能力を厳しく限定している。
本発明の課題は、第一に一次構造の合成改質により臨床上重要な細菌株に対する活性を有する抗菌性ペプチドを設計すること、第二には、ペプチドの重要な構造的特徴についての幾つかの情報を得ること、を目的とする。改質された一次及び/又は二次構造を有する合成類似対を産生することにより、天然産生ペプチド抗生物質の活性を向上させるか、又は毒性を減少させることが可能であることが結果から示された。本発明は、一般に抗生物質に関し、抗菌活性を示すが、低溶血作用を有する、トリプトファンリッチ配列及びその誘導体を含む新規広域抗菌性ペプチドに関する。簡潔には、本発明は、グラム陽性菌及びグラム陰性菌、原虫、菌類、並びに外膜ウイルスHIV−1に対する広域抗菌活性を有する抗生ペプチドを設計することを目的とする。
本発明は、向上した血清適合性及び低下した溶血活性を有する、環状及び短ペプチドを設計することを示す。更に、本発明のペプチドは、グラム陽性菌、グラム陰性菌及び多剤耐性病原体に対する広域抗菌活性を目的とする。本発明の抗菌性ペプチドは、一般に10個未満のアミノ酸残基からなり、アミノ酸配列:(A1X1A2)N
(ここで、
A1は、アルギニン、リシン、バリン又はイソレシンを表し、
X1は、トリプファン、フェニルアラニン又はプロリンを表し、
A2は、アルギニン、リシン、バリン又はイソレシンを表し、
Nは、1、2又は3を表し、
位相幾何学は、環状又は直鎖状を表す)を含む。
(ここで、
A1は、アルギニン、リシン、バリン又はイソレシンを表し、
X1は、トリプファン、フェニルアラニン又はプロリンを表し、
A2は、アルギニン、リシン、バリン又はイソレシンを表し、
Nは、1、2又は3を表し、
位相幾何学は、環状又は直鎖状を表す)を含む。
本発明は、幾つかの利点を提供する。第一には、本発明のペプチドは、10個未満のアミノ酸残基であり、極めて小型であり、比較的少数のアミノ酸で細胞膜をスパンするには効果的である。第二には、本発明の最良のペプチドが抗生物質耐性菌に対して、医療上重要な菌類に対する活性と組み合わせて、極めて広範囲の活性を実行する。加えて、これらのペプチドは、抗内毒素活性を有し、伝統的な抗生物質と相乗的に作用する。本発明の最も重要なことは、向上した血清適合性を提供することであり、天然由来のプロテグリン及びインドリシジン類似体と比較して、ヒト赤血球に対して極めて低い溶血反応を行うことである。
米国特許第6,303,575号、米国特許第6,180,604号、米国特許第5,821,224号、米国特許第5,547,939号、米国特許第5,534,939号、米国特許第5,459,325号及び米国特許第5,324,716号で記載されているトリトファンリッチペプチドのように、アミノ酸配列を有する天然由来ペプチドは、全て10個よりも長い残基をもち、インビボで急激なタンパク質加水分解をうける。インドリシジン類似体は一般にアミノ酸配列I−L−P−W−K−W−P−W−W−P−W−Xを有し、ここでXは、1又は2個の選択されるアミノ酸を表す(米国特許第5,534,939号)。これらの従来記載されているトリプトファンリッチペプチドは、本発明者の抗菌性ペプチドの設計が、広域殺菌活性、向上した選択性及び低い溶血反応を有する環状で短いペプチド(10個未満のアミノ酸)を目的としているという点で、本発明のものと区物される。
直鎖状抗菌性ペプチドの環化は、選択性及び安定性の観点から幾つかの利点を有する。例えば、(i)折りたたまれていないペプチドは、疎水性相互作用により凝集することがあり、それにより正常の哺乳動物の細胞に非特異的に吸着し、溶解性を低下させる。折りたたまれていない構造を束縛し、したがってアミノ酸の疎水性伸長の暴露を制限すると、疎水性相互作用を限定することができる。更に、これらの束縛は、負に帯電した目標膜との最初の結合における静電相互作用の役割を向上させることができ、したがって哺乳動物の細胞に対する細菌への選択性を実質的に増加させる。(ii)プロテアーゼにより結合及び切断されるため、ペプチドは伸長構造の切断部位に存在しなければならない。したがって短ペプチドの環化は、その硬直し、束縛された構造により、プロテアーゼ活性への接触性が制限されうる。(iii)環化がグラム陰性菌のみに対する活性に影響を及ぼすと思われ、この線に沿った更なる研究が、細菌特異性溶解ペプチドの設計を助けることができる。
本発明のペプチドは、下記の式:
(A1X1A2)N
(式中、
A1は、アルギニン、リシン、バリン又はイソレシンを表し、
X1は、トリプファン、フェニルアラニン又はプロリンを表し、
A2は、アルギニン、リシン、バリン又はイソレシンを表し、
Nは、1、2又は3を表し、
位相幾何学は、環状又は直鎖状を表す)により記載することができる。
(A1X1A2)N
(式中、
A1は、アルギニン、リシン、バリン又はイソレシンを表し、
X1は、トリプファン、フェニルアラニン又はプロリンを表し、
A2は、アルギニン、リシン、バリン又はイソレシンを表し、
Nは、1、2又は3を表し、
位相幾何学は、環状又は直鎖状を表す)により記載することができる。
本発明の殺菌性ペプチドの例:
Cyclo−KFI
Linear−KFI
Cyclo−RFI
Linear−RFI
Cyclo−RFV
Linear−RFV
Cyclo−KFR
Linea−KFR
Cyclo−KWV
Linear−KWV
Cyclo−KWI
Linear−KWI
Cyclo−KWR
Linear−KWR
Cyclo−RWV
Linear−RWV
Cyclo−KWRRWI
Linear−KWRRWI
Cyclo−KWRRWV
Linear−KWRRWV
Cyclo−KWIKWR
Linear−KWIKWR
Cyclo−KWVKWI
Linear−KWVKWI
Cyclo−KWIKWI
Linear−KWIKWI
Cyclo−KWIKWIKWI
Linear−KWIKWIKWI
Cyclo−KFIKFIKFI
Linear−KFIKFIKFI
Cyclo−KWRRWVRWI
Linear−KWRRWVRWI
Cyclo−IWRVWRRWK
Linear−IWRVWRRWK
Cyclo−KFRRFVRFI
Linear−KFRRFVRFI
Cyclo−KPRRPVRPI
Linear−KPRRPVRPI
Cyclo−KWIRWVRWI
Linear−KWIRWVRWI
Cyclo−KFI
Linear−KFI
Cyclo−RFI
Linear−RFI
Cyclo−RFV
Linear−RFV
Cyclo−KFR
Linea−KFR
Cyclo−KWV
Linear−KWV
Cyclo−KWI
Linear−KWI
Cyclo−KWR
Linear−KWR
Cyclo−RWV
Linear−RWV
Cyclo−KWRRWI
Linear−KWRRWI
Cyclo−KWRRWV
Linear−KWRRWV
Cyclo−KWIKWR
Linear−KWIKWR
Cyclo−KWVKWI
Linear−KWVKWI
Cyclo−KWIKWI
Linear−KWIKWI
Cyclo−KWIKWIKWI
Linear−KWIKWIKWI
Cyclo−KFIKFIKFI
Linear−KFIKFIKFI
Cyclo−KWRRWVRWI
Linear−KWRRWVRWI
Cyclo−IWRVWRRWK
Linear−IWRVWRRWK
Cyclo−KFRRFVRFI
Linear−KFRRFVRFI
Cyclo−KPRRPVRPI
Linear−KPRRPVRPI
Cyclo−KWIRWVRWI
Linear−KWIRWVRWI
全ての直鎖状ペプチドは、標準Fmoc(N−(9−フルオレニル)メトキシカルボニル)化学を手動で使用して、PAL樹脂(5−(4−Fmoc−アミノメチル−3,5−ジメトキシフェノキシ)吉草酸MBHA樹脂)上で固相ペプチド合成を実施した。樹脂上のFmoc保護基を20%ピペリジン/DMFで除去した。カップリング反応は、約1〜1.5時間であり、ニンヒドリン試験で確認した。粗ペプチドを95%TFA開裂混合物と1〜1.5時間混合して、樹脂から切断した。粗ペプチドを、逆相高圧液体クロマトグラフィーにより精製した。RP−HPLC精製のカラムは、半分取C18逆相カラムであった。溶離用の移動相は、プログラムされた勾配を使用して異なる率で混合した、アセトニトリルとD.I.H2Oの混合物であった(表1)。検出波長は、225nm及び280nmに設定し、溶離の流量は、4ml/minであった。主要なペプチド生成物は、それぞれのペプチドの分子量を測定するため、FAB−MS(高速原子衝撃質量分光測定法)により特徴付けた。それぞれのペプチドの純度を分析RP−HPLCにより分析した。
ペプチドのインビトロ活性の検出
一般的に抗菌剤のインビトロ抗菌活性を、標準NCCLS細菌阻害アッセイ、又は最小阻害濃度(MIC)試験を使用して試験した。MIC値は、試験生物の可視成長が阻害され、減退される、ペプチドの最低濃度である。MICアッセイで使用される試験生物を表2に示す。
一般的に抗菌剤のインビトロ抗菌活性を、標準NCCLS細菌阻害アッセイ、又は最小阻害濃度(MIC)試験を使用して試験した。MIC値は、試験生物の可視成長が阻害され、減退される、ペプチドの最低濃度である。MICアッセイで使用される試験生物を表2に示す。
簡潔には、試験生物の一晩培養液を希釈して、Mueller-Hinton培養液(MHB)中に約105コロニーを含有する接種原を製造した。ペプチドストック溶液から、2回連続して希釈したペプチド50μlの容量を、96ウエルマイクロタイタープレートで調製し、続いて全てのウエルに、試験生物の希釈培養液を接種した。37℃で18時間インキュベートした後、結果を濁度(細胞成長)についてアッセイした。それぞれのペプチドのMIC値を表3及び図1に示す。MIC値は、異なる場合で3回実施し(図2)、中央値を示した。これらの結果から、Pac521〜530がグラム陽性及びグラム陰性菌に対して最大の抗菌活性を示したことが見いだされた。更に、Pac521〜530は、Pac301〜310とよりも大きい抗菌活性を示した。
膜透過化アッセイ
ペプチド変異体の外膜透過化活性は、E. coliの無傷の細胞を使用して、1−N−フェニルナフチルアミン(NPN)取込アッセイにより測定した。NPNは、水性環境では弱蛍光するが、疎水環境では、強い蛍光を示す。NPNは疎水性なので、外膜透過性の程度の直接的な測定法を提供する。E. coliは、一般的な条件下ではNPNをほとんど、又は全く取り込まない。透過化合物(EDTA、ポリミキシンB、ネオマイシン又は抗菌性ペプチド)の存在下、NPNは細菌の外膜に割り込み、その結果蛍光が増加する。簡潔には、一晩培養液1mlを使用して培地50mlに接種し、37℃でインキュベートし、振とうした。OD600=0.4〜0.6に成長させ、次に細胞を遠心沈殿した(3500rpm、10分)。洗浄し、緩衝液に再懸濁して、OD600=0.5にした。OD600を記録した。細胞(OD600=0.5)1mlをキュベットに加え、2〜5秒間測定した。NPN 0.5mM(振とうして混合)20μlを加え、次に2〜5秒間測定した。100×所望の最終濃度(振とうして混合)抗生物質10μlを加え、最大値に達するまで測定した(1〜5分間)。したがって、蛍光はペプチドの濃度により変わる。NPN取込の最大増加の50%をもたらすペプチドの濃度を、P50として記録した。事実、全てのペプチドが、NPN取込アッセイにより証明され、表5及び図2で示されているように、膜と相互作用することができた。
ペプチド変異体の外膜透過化活性は、E. coliの無傷の細胞を使用して、1−N−フェニルナフチルアミン(NPN)取込アッセイにより測定した。NPNは、水性環境では弱蛍光するが、疎水環境では、強い蛍光を示す。NPNは疎水性なので、外膜透過性の程度の直接的な測定法を提供する。E. coliは、一般的な条件下ではNPNをほとんど、又は全く取り込まない。透過化合物(EDTA、ポリミキシンB、ネオマイシン又は抗菌性ペプチド)の存在下、NPNは細菌の外膜に割り込み、その結果蛍光が増加する。簡潔には、一晩培養液1mlを使用して培地50mlに接種し、37℃でインキュベートし、振とうした。OD600=0.4〜0.6に成長させ、次に細胞を遠心沈殿した(3500rpm、10分)。洗浄し、緩衝液に再懸濁して、OD600=0.5にした。OD600を記録した。細胞(OD600=0.5)1mlをキュベットに加え、2〜5秒間測定した。NPN 0.5mM(振とうして混合)20μlを加え、次に2〜5秒間測定した。100×所望の最終濃度(振とうして混合)抗生物質10μlを加え、最大値に達するまで測定した(1〜5分間)。したがって、蛍光はペプチドの濃度により変わる。NPN取込の最大増加の50%をもたらすペプチドの濃度を、P50として記録した。事実、全てのペプチドが、NPN取込アッセイにより証明され、表5及び図2で示されているように、膜と相互作用することができた。
Trp残基の環境の特徴付け
トリプトファンのその環境の極性に対する感受性のため、極性及び結合試験に使用されてきた。蛍光発光スペクトルをLS−55分光蛍光計〔Perkin-Elmer〕で記録した。測定は、5mmの石英セルを25℃で使用し、1nmづつ増加させて、300〜450nmで実施した。励起波長を280nmに設定し、励起と発光の両方のスリット幅を5nmに設定した。リン酸緩衝液において、一連の抗菌性ペプチドは、357nmで最大発光を示した。SDSの存在下では、輝度の増加に伴い8nmで青色にシフトする最大発光を示した。この結果は、トリプトファン側鎖がより疎水性である環境に移動したことを示した。この試験の結果を図3に示す。
トリプトファンのその環境の極性に対する感受性のため、極性及び結合試験に使用されてきた。蛍光発光スペクトルをLS−55分光蛍光計〔Perkin-Elmer〕で記録した。測定は、5mmの石英セルを25℃で使用し、1nmづつ増加させて、300〜450nmで実施した。励起波長を280nmに設定し、励起と発光の両方のスリット幅を5nmに設定した。リン酸緩衝液において、一連の抗菌性ペプチドは、357nmで最大発光を示した。SDSの存在下では、輝度の増加に伴い8nmで青色にシフトする最大発光を示した。この結果は、トリプトファン側鎖がより疎水性である環境に移動したことを示した。この試験の結果を図3に示す。
赤血球溶解
ヒト赤血球細胞(RBC)に対する溶血反応について、Pac521〜530を試験した。EDTAを有するRBCをPBS(800g、10分間)で3回すすぎ、PBSに再懸濁した。RBCを、リン酸緩衝食塩水で10%に希釈し、それぞれ50μlをeppendorfに入れた。次にPBSに溶解したペプチドをRBCの10%溶液50μlに加え、37℃で1時間インキュベートした(最終RBC濃度5%v/v)。試料を、OD540、800gで10分間遠心分離した。種々のペプチドの濃縮物を前処理RBCと共にインキュベートし、溶血率を測定した。結果は、Pac525が、RBCに対して他の抗菌性ペプチドよりも相当低い溶血性をもつことを示した(表7、図5)。
ヒト赤血球細胞(RBC)に対する溶血反応について、Pac521〜530を試験した。EDTAを有するRBCをPBS(800g、10分間)で3回すすぎ、PBSに再懸濁した。RBCを、リン酸緩衝食塩水で10%に希釈し、それぞれ50μlをeppendorfに入れた。次にPBSに溶解したペプチドをRBCの10%溶液50μlに加え、37℃で1時間インキュベートした(最終RBC濃度5%v/v)。試料を、OD540、800gで10分間遠心分離した。種々のペプチドの濃縮物を前処理RBCと共にインキュベートし、溶血率を測定した。結果は、Pac525が、RBCに対して他の抗菌性ペプチドよりも相当低い溶血性をもつことを示した(表7、図5)。
Claims (11)
- 下記の式:
(A1X1A2)N
(式中、
A1は、アルギニン、リシン、バリン又はイソレシンを表し、
X1は、トリプファン、フェニルアラニン又はプロリンを表し、
A2は、アルギニン、リシン、バリン又はイソレシンを表し、
Nは、1、2又は3を表し、
位相幾何学は、環状又は直鎖状を表す)により記載することができる、殺菌活性を有する一群の環状ペプチド。 - 下記:
KWRRWI (配列番号1)
KWRRWV (配列番号2)
KWIKWR (配列番号3)
KWVKWI (配列番号4)
KWIKWI (配列番号5)
KWIKWIKWI (配列番号6)
KFIKFIKFI (配列番号7)
KWRRWVRWI (配列番号8)
IWRVWRRWK (配列番号9)
KFRRFVRFI (配列番号10)
KPRRPVRPI (配列番号11)
KWIRWVRWI (配列番号12)
からなる群より選択される、請求項1記載のペプチド。 - ペプチドが直鎖状又は環状位相幾何学からなる、請求項1〜2記載のペプチド。
- ペプチドがC末端アミノ酸でアミド化されている、請求項1〜3記載のペプチド。
- ペプチドがN末端アミノ酸でアセチル化されている、請求項1〜3記載のペプチド。
- ペプチドがC末端アミノ酸でエステル化されている、請求項1〜3記載のペプチド。
- 対応するDアミノ酸に変更されている1個以上のアミノ酸を有する、請求項1〜3記載のペプチド。
- 請求項1〜7記載のペプチドを担体又は賦形剤と混合して含む組成物。
- グラム陰性菌の内毒素を不活性化する方法であって、そのような処置を必要とする被験者に、治療有効量の請求項1〜7記載の抗菌性ペプチドを投与する工程を含む方法。
- 被験者で微生物若しくはウイルス感染を処置又は予防する方法であって、そのような処置を必要とする被験者に、治療有効量の請求項1〜7記載の抗菌性ペプチドを投与する工程を含む方法。
- 微生物の成長を阻害する方法であって、そのような処置を必要とする被験者に、治療有効量の請求項1〜7記載の抗菌性ペプチドを投与する工程を含む方法。
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- 2004-03-02 JP JP2004057762A patent/JP2005247721A/ja active Pending
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