JP2005247379A - 浮屋根式タンクの耐震装置 - Google Patents

浮屋根式タンクの耐震装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005247379A
JP2005247379A JP2004061522A JP2004061522A JP2005247379A JP 2005247379 A JP2005247379 A JP 2005247379A JP 2004061522 A JP2004061522 A JP 2004061522A JP 2004061522 A JP2004061522 A JP 2004061522A JP 2005247379 A JP2005247379 A JP 2005247379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floating roof
lifting
tank
roof
storage tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004061522A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Kajita
実 梶田
Kiyoshi Kato
潔 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP2004061522A priority Critical patent/JP2005247379A/ja
Publication of JP2005247379A publication Critical patent/JP2005247379A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 既設の浮屋根式タンクへの適用が容易であり、かつ、地震時のスロッシングによる貯蔵液と浮屋根の共振を抑制することができ、タンク内壁とシール装置との隙間の発生を抑制して貯蔵液の漏れ出しを防止し、発火の可能性を大幅に低減することができる浮屋根式タンクの耐震装置を提供する。
【解決手段】 上部が開口し内部に液体を貯蔵する貯蔵タンク1と、貯蔵タンク内の液面に浮力により浮き液面を塞ぐ浮屋根2とを有する浮屋根式タンクの耐震装置10。浮屋根2の外周部上面を等角度間隔で吊り上げる複数の吊上装置12を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、浮屋根式タンクの耐震装置に関する。
原油や精製石油等を大量に貯蔵するために、浮屋根式タンクが広く使用されている。
図6Aは従来の一般的な浮屋根式タンクの模式図、図6Bは図6Aの部分拡大図、図6Cはその斜視図である。
図6A〜Cにおいて、51は上部が開口した円筒形の貯蔵タンク、52は浮屋根である。浮屋根52は、貯蔵タンクの内側に位置するポンツーン53と、ポンツーンと貯蔵タンクの間をシールするシール装置54、ポンツーンの内側を気密に塞ぐシングルデッキ55、シール装置の上部への雨水の侵入を防止するウェザーシールド56、等からなる。
ポンツーン53は、内部が中空の密封された容器であり、貯蔵タンク内の貯蔵液57(原油や精製石油)に浮力で浮かぶ。従って、浮屋根52は、常に貯蔵液の液面に密着し、シール装置54とシングルデッキ55により上部の外気との接触を防止しながら、貯蔵液57の増減に応じて浮力により昇降するようになっている。なお大型の浮屋根式タンクでは、ポンツーン53の内部点検用にマンホール53aが設けられる。
上述した浮屋根式タンクは、構造が簡単である反面、地震時のスロッシングによって、貯蔵液57の自由表面が周期的に傾動すると、浮屋根52も自由表面とともに周期的に傾動するため、特に共振により貯蔵タンク51の内壁とシール装置54の間に隙間ができ、内部の貯蔵液57が浮屋根52の上面に漏れ出し、外気と接触して発火する可能性があった。
この問題を解決するために、特許文献1、2が既に開示されている。
特許文献1の「タンクの耐震用浮屋根平衡保持装置」は、液面に対応して昇降する浮屋根を有する円筒形の浮屋根式タンクにおいて、図7に示すように、2本1組からなる1対のワイヤ61、62を等角度間隔で複数組配置し、1対のワイヤの一方61は、浮屋根63の上面からスプリング付ダンパ64を介してタンク65の上端に取り付けられた滑車66に添設して下方に導かれ、更に、タンク底板に沿って同一直径上の反対側の浮屋根の下側に固定され、他方のワイヤ62は同様にして一方のワイヤと反対側の浮屋根の上麺からスプリング付ダンパ64を介してタンクの壁面および底面に沿って導かれ、一方のワイヤの始点と対向する位置において、浮屋根の下面に固定されたものである。
この構成により、浮屋根63は同一直径上において対をなす1組のワイヤ61、62によって互いに浮屋根の他方の側が変位するのを抑制し、平衡状態を保つようになっている。
特許文献2の「浮屋根式タンク」は、図8に示すように、浮屋根71を昇降移動自在に収容した槽72内の内壁に鉛直方向にガイドレール73を設け、上記浮屋根に上記ガイドレールに規制されて転動する車輪74を設けたものである。
特開昭54−1416号公報、「タンクの耐震用浮屋根平衡保持装置」 実開昭61−14691号公報、「浮屋根式タンク」
上述したように、浮屋根式タンクは、地震時には浮屋根が大きく傾動して揺れるため、内部の液が漏れだして露出し、火災に至るおそれがあった。
また、上述した先行技術の装置は、浮屋根の傾動を抑制することができるが、貯蔵タンク内に構成機器を設置する必要があるため、既設の浮屋根式タンクへの適用が困難であった。
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、既設の浮屋根式タンクへの適用が容易であり、かつ、地震時のスロッシングによる貯蔵液と浮屋根の共振を抑制することができ、タンク内壁とシール装置との隙間の発生を抑制して貯蔵液の漏れ出しを防止し、発火の可能性を大幅に低減することができる浮屋根式タンクの耐震装置を提供することにある。
本発明の第1の発明によれば、上部が開口し内部に液体を貯蔵する貯蔵タンクと、該貯蔵タンク内の液面に浮力により浮き液面を塞ぐ浮屋根とを有する浮屋根式タンクの耐震装置であって、浮屋根の外周部上面を等角度間隔で吊り上げる複数の吊上装置を備えた、ことを特徴とする浮屋根式タンクの耐震装置が提供される。
上記本発明の構成によれば、浮屋根は、貯蔵タンク内の液面に浮力により浮くと同時に、複数の吊上装置で吊り上げられているので、地震時に貯蔵液が傾動し、これに追従して浮屋根が傾こうとすると、傾動し下方に移動しようとする浮屋根の外周部上面に対し、吊上装置の吊り上げ力が逆方向(上向き)に作用する。従ってこの抵抗力により、浮屋根の振動を減衰させて共振を抑制することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記各吊上装置は、一端が浮屋根の外周部上面に固定されたワイヤと、貯蔵タンクの外周部上端に取り付けられ前記ワイヤを貯蔵タンクの外部に案内するプーリと、貯蔵タンクの外部に設置されワイヤの他端を巻取り/巻戻しするウインチとからなる。
この構成により、吊上装置を構成するすべての機器を、浮屋根で仕切られた貯蔵タンクの外部に設置することができるので、既設の浮屋根式タンクへ容易に適用できる。
また、ワイヤの移動速度が所定の速度を超える場合に、該ワイヤを制動するワイヤ制動装置を備える、ことが好ましい。
かかるワイヤ制動装置を備えることにより、地震時に浮屋根の外周部が高速で上下動するのを、ワイヤを介して制動することができ、浮屋根の振動を減衰させて共振を抑制することができる。
また本発明の好ましい実施形態によれば、複数の吊上装置を同期して作動させる制御装置を備える。
この構成により、浮屋根は、貯蔵タンク内の液面に浮力により浮くと同時に、複数の吊上装置で同期して吊り上げられているので、浮屋根が傾こうとしても、同期して作動する吊上装置の吊り上げ力が逆方向(上向き)に作用して浮屋根を常に水平に戻すように作用する。従ってこの抵抗力により、浮屋根の傾きを抑制し、浮屋根の振動を減衰させて共振を抑制することができる。
また本発明の好ましい実施形態によれば、前記各吊上装置の吊上げ荷重をそれぞれ検出する複数のロードセルと、検出された吊上げ荷重が所定の設定値を超えないように複数の吊上装置の吊上げ/吊下げを制御する制御装置とを備え、前記検出された吊上げ荷重が所定の設定値を超える場合に、当該吊上装置の吊上げ/吊下げを停止又は制動する。
この構成により、浮屋根は、貯蔵タンク内の液面に浮力により浮くと同時に、複数の吊上装置で吊上げ荷重が所定の設定値を超えないように吊り上げられているので、平常時には、従来と同様に貯蔵液の増減に応じて浮力により浮屋根が昇降することができる。また、地震時等に検出された吊上げ荷重が所定の設定値を超える場合に、当該吊上装置の吊上げ/吊下げを停止又は制動するので、屋根が傾こうとしても、停止又は制動された吊上装置の吊り上げ力が逆方向(上向き)に作用して浮屋根を常に水平に戻すように作用する。従ってこの抵抗力により、浮屋根の傾きを抑制し、浮屋根の振動を減衰させて共振を抑制することができる。
また本発明の好ましい実施形態によれば、浮屋根に設置されその傾斜度を検出する傾斜度センサと、検出された傾斜度が所定の設定値を超えないように複数の吊上装置の吊上げ/吊下げを制御する制御装置とを備え、前記検出された傾斜度が所定の設定値を超える場合に、下方に位置する屋根式タンクの外周部を吊り上げる吊上装置の吊上げ/吊下げを停止又は制動する。
この構成により、浮屋根は、貯蔵タンク内の液面に浮力により浮くと同時に、傾斜度が所定の設定値を超えないように複数の吊上装置の吊上げ/吊下げを制御するので、平常時には、ほぼ水平を保持したまま貯蔵液の増減に応じて浮力により浮屋根が昇降することができる。また、地震時等に検出された傾斜度が所定の設定値を超える場合に、下方に位置する屋根式タンクの外周部を吊り上げる吊上装置の吊上げ/吊下げを停止又は制動するので、浮屋根が傾こうとしても、停止又は制動された吊上装置の吊り上げ力が逆方向(上向き)に作用して浮屋根を常に水平に戻すように作用する。従ってこの抵抗力により、浮屋根の傾きを抑制し、浮屋根の振動を減衰させて共振を抑制することができる。
また本発明の好ましい実施形態によれば、浮屋根の上面に固定された複数のフードダンパを備える。
この構成により、複数のフードダンパによっても、浮屋根の振動を減衰させることができる。
本発明の第2の発明によれば、上部が開口し内部に液体を貯蔵する貯蔵タンクと、該貯蔵タンク内の液面に浮力により浮き液面を塞ぐ浮屋根とを有する浮屋根式タンクの耐震装置であって、浮屋根の上面に一端部が連結され他端部が貯蔵タンクの外周上端部に連結され、浮屋根を水平に保持するように同期して作動する複数のリンク連結装置を備える、ことを特徴とする浮屋根式タンクの耐震装置が提供される。
上記本発明の構成によれば、浮屋根は、貯蔵タンク内の液面に浮力により浮くと同時に、浮屋根を水平に保持するように同期して作動する複数のリンク連結装置を備えるので、地震時に貯蔵液が傾動しても、浮屋根は水平に保持されるので、浮屋根の傾きを抑制し、浮屋根の振動を減衰させて共振を抑制することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記リンク連結装置は、浮屋根の上面に設置された水平レールと、該水平レールに沿って水平に移動可能なスライダ部材と、両端がスライダ部材と貯蔵タンクの外周上端部に水平レールに直交する水平軸を中心に回転可能に枢着されたリンク部材とからなる。
この構成により、浮屋根が水平を保持したまま昇降すると、浮屋根の上面に設置された水平レールに沿ってスライダ部材が水平に移動し、リンク部材がこれに追従するので、平常時には、水平を保持したまま貯蔵液の増減に応じて浮力により浮屋根が昇降することができる。また、地震時に貯蔵液が傾動しても、リンク部材の両端がスライダ部材と貯蔵タンクの外周上端部に水平レールに直交する水平軸を中心に回転可能に枢着されているので、水平軸まわり以外の回転に抵抗することで、浮屋根の傾きを抑制し、浮屋根の振動を減衰させて共振を抑制することができる。
前記リンク部材は、互に平行に配置され長さの等しい2本のリンクロッドを対辺とする平行リンクである、ことが好ましい。
この構成により、2本のリンクロッドを対辺とする平行リンクにより、浮屋根を常に水平に保持することができる。
上述したように、本発明の浮屋根式タンクの耐震装置により、地震時のスロッシングによる貯蔵液と浮屋根の共振を抑制することができ、タンク内壁とシール装置との隙間の発生を抑制して貯蔵液の漏れ出しを防止し、発火の可能性を大幅に低減することができる。また、いずれもタンク外面への改造で取り付けられる構成であり、既設の浮屋根式タンクへの適用が容易である。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
本発明の浮屋根式タンクの耐震装置は、上部が開口し内部に液体を貯蔵する貯蔵タンクと、貯蔵タンク内の液面に浮力により浮き液面を塞ぐ浮屋根とを有する浮屋根式タンクに適用する耐震装置である。貯蔵タンクは、円筒形のものが一般的であるが、本発明はこれに限定されずそれ以外の形態であってもよい。浮屋根は、ポンツーン、シール装置、シングルデッキ、ウェザーシールド、等からなるのが一般的であるが、本発明はこれに限定されずそれ以外の形態であってもよい。貯蔵する液体は、例えば原油や精製石油等であるが、本発明はこれに限定されずそれ以外の形態であってもよい。
図1は、本発明の第1実施形態を示す全体構成図である。この例において、1は上部が開口した円筒形の貯蔵タンク、2は浮屋根である。浮屋根2は、貯蔵タンクの内側に位置するポンツーン3と、ポンツーンと貯蔵タンクの間をシールするシール装置4、ポンツーンの内側を気密に塞ぐシングルデッキ5、等からなる。また7は貯蔵液である。
図1において、本発明の耐震装置10は、浮屋根2の外周部上面を等角度間隔で吊り上げる複数(好ましくは3基以上)の吊上装置12を備える。各吊上装置12は、一端が浮屋根2の外周部上面に固定されたワイヤ13と、貯蔵タンク1の外周部上端に取り付けられワイヤ13を貯蔵タンクの外部に案内するプーリ14と、貯蔵タンクの外部に設置されワイヤ13の他端を巻取り/巻戻しするウインチ15とからなる。
上記本発明の構成によれば、浮屋根2は、貯蔵タンク1内の液面に浮力により浮くと同時に、複数の吊上装置12で吊り上げられているので、地震時に貯蔵液7が傾動し、これに追従して浮屋根2が傾こうとすると、傾動し下方に移動しようとする浮屋根2の外周部上面に対し、吊上装置12の吊り上げ力が逆方向(上向き)に作用する。従ってこの抵抗力により、浮屋根の振動を減衰させて共振を抑制することができる。
またこの構成により、吊上装置12を構成するすべての機器を、浮屋根2で仕切られた貯蔵タンクの外部に設置することができるので、既設の浮屋根式タンクへ容易に適用できる。
また、この例において、ワイヤ制動装置16を備え、地震時等に浮屋根2の外周部が高速で上下動するのを、ワイヤ13の移動速度が所定の速度を超える場合にワイヤを介して制動するようになっている。
図1において、本発明の耐震装置10は、更に複数の吊上装置12を同期して作動させる制御装置17を備える。この構成により、浮屋根2が傾こうとしても、同期して作動する吊上装置12の吊り上げ力が逆方向(上向き)に作用して浮屋根2を常に水平に戻すように作用する。従ってこの抵抗力により、浮屋根の傾きを抑制し、浮屋根の振動を減衰させて共振を抑制することができる。
また図1において、本発明の耐震装置10は、更に浮屋根2(この例ではポンツーン3)の上面に固定された複数のフードダンパ18を備える。フードダンパ18は、油圧ダンパ18aとこれに直結されたウエイト18bとからなる。なおフードダンパ18に代えて周知の制振装置を設置してもよい。
この構成により、複数のフードダンパ18によっても、浮屋根の振動を減衰させることができる。
図2は、本発明の第2実施形態を示す全体構成図である。この例において、本発明の耐震装置10は、各吊上装置12の吊上げ荷重をそれぞれ検出する複数のロードセル21と、検出された吊上げ荷重が所定の設定値を超えないように複数の吊上装置の吊上げ/吊下げを制御する制御装置22とを備える。なおロードセル21の代わりに張力を検出する張力センサを用いてもよい。制御装置22は、ロードセル21で検出された吊上げ荷重が所定の設定値を超える場合に、設定値を超える吊上装置12の吊上げ/吊下げを停止又は制動する。制御装置を除くその他の構成は図1と同様である。
この構成により、浮屋根2は、貯蔵タンク1内の液面に浮力により浮くと同時に、複数の吊上装置12で吊上げ荷重が所定の設定値を超えないように吊り上げられているので、平常時には、従来と同様に貯蔵液の増減に応じて浮力により浮屋根が昇降することができる。また、地震時等にロードセル21で検出された吊上げ荷重が所定の設定値を超える場合に、制御装置22で当該吊上装置の吊上げ/吊下げを停止又は制動するので、屋根2が傾こうとしても、停止又は制動された吊上装置12の吊り上げ力が逆方向(上向き)に作用して浮屋根2を常に水平に戻すように作用する。従ってこの抵抗力により、浮屋根の傾きを抑制し、浮屋根の振動を減衰させて共振を抑制することができる。
図3は、本発明の第3実施形態を示す全体構成図である。この例において、本発明の耐震装置10は、浮屋根2に設置されその傾斜度を検出する傾斜度センサ23と、検出された傾斜度が所定の設定値を超えないように複数の吊上装置12の吊上げ/吊下げを制御する制御装置24とを備える。制御装置24は、検出された傾斜度が所定の設定値を超える場合に、下方に位置する屋根式タンクの外周部を吊り上げる吊上装置12の吊上げ/吊下げを停止又は制動するようになっている。制御装置を除くその他の構成は図1と同様である。
この構成により、浮屋根2は、貯蔵タンク1内の液面に浮力により浮くと同時に、傾斜度が所定の設定値を超えないように複数の吊上装置12の吊上げ/吊下げを制御するので、平常時には、ほぼ水平を保持したまま貯蔵液7の増減に応じて浮力により浮屋根2が昇降することができる。また、地震時等に検出された傾斜度が所定の設定値を超える場合に、下方に位置する屋根式タンク2の外周部を吊り上げる吊上装置12の吊上げ/吊下げを停止又は制動するので、浮屋根が傾こうとしても、停止又は制動された吊上装置12の吊り上げ力が逆方向(上向き)に作用して浮屋根を常に水平に戻すように作用する。従ってこの抵抗力により、浮屋根の傾きを抑制し、浮屋根の振動を減衰させて共振を抑制することができる。
図4は、本発明の第4実施形態を示す全体構成図である。この例において、本発明の耐震装置10は、浮屋根2の上面に一端部が連結され他端部が貯蔵タンク1の外周上端部に連結され、浮屋根を水平に保持するように同期して作動する複数(好ましくは3基以上)のリンク連結装置30を備える。この例において、リンク連結装置30は、浮屋根2の上面に設置された水平レール31と、水平レール31に沿って水平に移動可能なスライダ部材32と、両端がスライダ部材32と貯蔵タンク1の外周上端部に水平レールに直交する水平軸を中心に回転可能に枢着されたリンク部材33とからなる。
水平レール31は、好ましくは3本以上が互に異なる方向に延び、浮屋根2の上面に放射状または多角形を構成するように配置するのがよい。
この構成により、浮屋根2が水平を保持したまま昇降すると、浮屋根2の上面に設置された水平レール31に沿ってスライダ部材32が水平に移動し、リンク部材33が傾動してこれに追従するので、平常時には、水平を保持したまま貯蔵液7の増減に応じて浮力により浮屋根2が昇降することができる。また、地震時に貯蔵液7が傾動しても、リンク部材30の両端がスライダ部材32と貯蔵タンクの外周上端部に水平レール31に直交する水平軸を中心に回転可能に枢着されているので、スライダ部材32と水平レール31の摺動抵抗により、水平軸まわり以外の回転に抵抗することで、浮屋根2の傾きを抑制し、浮屋根の振動を減衰させて共振を抑制することができる。
図5は、本発明の第4実施形態を示す全体構成図である。この例において、本発明の耐震装置10のリンク部材33は、互に平行に配置され、長さの等しい2本のリンクロッド33aを対辺とする平行リンクである。2本のリンクロッド33aは、スライダ部材32と貯蔵タンク1の外周上端部に、平行リンクを構成するように水平軸を中心に回転可能に枢着されている。その他の構成は図5と同様である。
この構成により、2本のリンクロッド33aを対辺とする平行リンクにより、スライダ部材32と水平レール31の摺動抵抗を小さくしても、浮屋根2を常に水平に保持することができる。
上述した図4、図5の構成によれば、浮屋根2は、貯蔵タンク1内の液面に浮力により浮くと同時に、浮屋根2を水平に保持するように同期して作動する複数のリンク連結装置30を備えるので、地震時に貯蔵液が傾動しても、浮屋根2は水平に保持されるので、浮屋根2の傾きを抑制し、浮屋根の振動を減衰させて共振を抑制することができる。
上述したように、本発明は、タンク屋根の平行度をアクティブコントロールする装置を取り付けることにより、地震時に屋根が大きく揺れることを防止し、上例のような2次災害の防止を図るものである。この装置を、既存のタンクに装着することにより、過去の資産を無駄にすることなく、タンクの耐震補強が可能となる。
なお、本発明は上述した実施例及び実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明の第1実施形態を示す全体構成図である。 本発明の第2実施形態を示す全体構成図である。 本発明の第3実施形態を示す全体構成図である。 本発明の第4実施形態を示す全体構成図である。 本発明の第5実施形態を示す全体構成図である。 従来の一般的な浮屋根式タンクの構成図である。 特許文献1の「タンクの耐震用浮屋根平衡保持装置」の模式図である。 特許文献2の「浮屋根式タンク」の模式図である。
符号の説明
1 貯蔵タンク、2 浮屋根、3 ポンツーン、
4 シール装置、5 シングルデッキ、7 貯蔵液、
10 耐震装置、12 吊上装置、13 ワイヤ、
14 プーリ、15 ウインチ、16 ワイヤ制動装置、
17 制御装置、18 フードダンパ、
18a 油圧ダンパ、18b ウエイト、
21 ロードセル、22 制御装置、
23 傾斜度センサ、24 制御装置、
30 リンク連結装置、31 水平レール、
32 スライダ部材、33 リンク部材、
33a リンクロッド

Claims (10)

  1. 上部が開口し内部に液体を貯蔵する貯蔵タンクと、該貯蔵タンク内の液面に浮力により浮き液面を塞ぐ浮屋根とを有する浮屋根式タンクの耐震装置であって、
    浮屋根の外周部上面を等角度間隔で吊り上げる複数の吊上装置を備えた、ことを特徴とする浮屋根式タンクの耐震装置。
  2. 前記各吊上装置は、一端が浮屋根の外周部上面に固定されたワイヤと、貯蔵タンクの外周部上端に取り付けられ前記ワイヤを貯蔵タンクの外部に案内するプーリと、貯蔵タンクの外部に設置されワイヤの他端を巻取り/巻戻しするウインチとからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の屋根式タンクの耐震装置。
  3. 前記ワイヤの移動速度が所定の速度を超える場合に、該ワイヤを制動するワイヤ制動装置を備える、ことを特徴とする請求項2に記載の屋根式タンクの耐震装置。
  4. 前記複数の吊上装置を同期して作動させる制御装置を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の屋根式タンクの耐震装置。
  5. 前記各吊上装置の吊上げ荷重をそれぞれ検出する複数のロードセルと、検出された吊上げ荷重が所定の設定値を超えないように複数の吊上装置の吊上げ/吊下げを制御する制御装置とを備え、
    前記検出された吊上げ荷重が所定の設定値を超える場合に、当該吊上装置の吊上げ/吊下げを停止又は制動する、ことを特徴とする請求項1に記載の屋根式タンクの耐震装置。
  6. 浮屋根に設置されその傾斜度を検出する傾斜度センサと、検出された傾斜度が所定の設定値を超えないように複数の吊上装置の吊上げ/吊下げを制御する制御装置とを備え、
    前記検出された傾斜度が所定の設定値を超える場合に、下方に位置する屋根式タンクの外周部を吊り上げる吊上装置の吊上げ/吊下げを停止又は制動する、ことを特徴とする請求項1に記載の屋根式タンクの耐震装置。
  7. 浮屋根の上面に固定された複数のフードダンパを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の屋根式タンクの耐震装置。
  8. 上部が開口し内部に液体を貯蔵する貯蔵タンクと、該貯蔵タンク内の液面に浮力により浮き液面を塞ぐ浮屋根とを有する浮屋根式タンクの耐震装置であって、
    浮屋根の上面に一端部が連結され他端部が貯蔵タンクの外周上端部に連結され、浮屋根を水平に保持するように同期して作動する複数のリンク連結装置を備える、ことを特徴とする浮屋根式タンクの耐震装置。
  9. 前記リンク連結装置は、浮屋根の上面に設置された水平レールと、該水平レールに沿って水平に移動可能なスライダ部材と、両端がスライダ部材と貯蔵タンクの外周上端部に水平レールに直交する水平軸を中心に回転可能に枢着されたリンク部材とからなる、ことを特徴とする請求項8に記載の屋根式タンクの耐震装置。
  10. 前記リンク部材は、互に平行に配置され長さの等しい2本のリンクロッドを対辺とする平行リンクである、ことを特徴とする請求項9に記載の屋根式タンクの耐震装置。
JP2004061522A 2004-03-05 2004-03-05 浮屋根式タンクの耐震装置 Pending JP2005247379A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004061522A JP2005247379A (ja) 2004-03-05 2004-03-05 浮屋根式タンクの耐震装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004061522A JP2005247379A (ja) 2004-03-05 2004-03-05 浮屋根式タンクの耐震装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005247379A true JP2005247379A (ja) 2005-09-15

Family

ID=35028256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004061522A Pending JP2005247379A (ja) 2004-03-05 2004-03-05 浮屋根式タンクの耐震装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005247379A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010132287A (ja) * 2008-12-02 2010-06-17 Nishimatsu Constr Co Ltd 浮屋根揺動防止装置
JP2016160949A (ja) * 2015-02-26 2016-09-05 東芝三菱電機産業システム株式会社 回転機械とその制振方法
CN110436064A (zh) * 2019-07-19 2019-11-12 贵州航天智慧农业有限公司 一种用于浮顶储罐的浮顶防倾滑轮系统
CN113460521A (zh) * 2021-07-20 2021-10-01 北京天方维特科技发展有限公司 油罐浮动出油装置监控方法和装置
CN115231154A (zh) * 2022-09-19 2022-10-25 常州天马粉体科技有限公司 一种实时监测的储罐

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010132287A (ja) * 2008-12-02 2010-06-17 Nishimatsu Constr Co Ltd 浮屋根揺動防止装置
JP2016160949A (ja) * 2015-02-26 2016-09-05 東芝三菱電機産業システム株式会社 回転機械とその制振方法
CN110436064A (zh) * 2019-07-19 2019-11-12 贵州航天智慧农业有限公司 一种用于浮顶储罐的浮顶防倾滑轮系统
CN113460521A (zh) * 2021-07-20 2021-10-01 北京天方维特科技发展有限公司 油罐浮动出油装置监控方法和装置
CN115231154A (zh) * 2022-09-19 2022-10-25 常州天马粉体科技有限公司 一种实时监测的储罐
CN115231154B (zh) * 2022-09-19 2022-12-06 常州天马粉体科技有限公司 一种实时监测的储罐

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101313617B1 (ko) 액상 화물 화물창의 슬로싱 임팩트 저감장치 및 저감방법
KR101284438B1 (ko) 선박 접안용 방충재
NL2022947B1 (en) A vessel and method for installation of a pile adapted to support an offshore wind turbine
KR101219575B1 (ko) 상하동요 보상장치
BR112012027608B1 (pt) unidade de produção semi-submersível de árvore de natal seca e de perfuração
JP2005247379A (ja) 浮屋根式タンクの耐震装置
JP4295248B2 (ja) 浮屋根式貯蔵タンクのスロッシング抑制機構
JP2011152998A (ja) 岸壁クレーン
KR200483419Y1 (ko) Fpso 탑사이드 모듈 서포트의 변위방지기구
JP5180046B2 (ja) 浮屋根揺動防止装置
JP5329374B2 (ja) 起伏ゲート式防波堤
JP2008213886A (ja) 浮き屋根式液体貯蔵タンク
JP2023046706A (ja) 水害と地震の両方から守る防災装置
JP5330204B2 (ja) 岸壁クレーン
JP5180044B2 (ja) 浮屋根揺動防止装置
JP2005343540A (ja) 液体貯蔵タンクにおける浮き屋根の揺動防止装置
JP4676801B2 (ja) スロッシング防止ダンパー
JP4163101B2 (ja) スロッシング防止ダンパー
JP6093927B2 (ja) 直立浮上式防波堤
JP2002147057A (ja) 重泥水を用いた浮体吊り式の免震構造物
CN221251697U (zh) 一种充气型悬浮式海上光伏建设平台
JPH05186164A (ja) 移動ケーブルの振止装置
KR101964217B1 (ko) 정박장치를 포함하는 구조물 설치용 선박
JP2000120055A (ja) 海洋構造物
KR101099523B1 (ko) 구조물의 연결 가이드 장치