JP2005247295A - 自動車のための錆つかない骨組構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車のための錆つかない骨組構造物を提供する。
【解決手段】錆つかないスペースフレーム構造又はスペースフレーム構造とスペースフレーム構造に固定された薄板状の付属部品とを具備する、錆つかない車体を備えた自動車であって、スペースフレーム構造及び薄板状の付属部品が、主にステンレス鋼、及び軽金属合金、及び/又はプラスチックから形成され、またスペースフレーム構造又は車体の表面の大部分が、耐食被覆又は耐食塗料を含ず、及び耐食車体を備えた自動車を生産するための方法で、ステンレス鋼を接合する及び/又は溶接することにより、スペースフレーム構造を生産するステップと、車体を形成するために、軽金属、プラスチック、又はステンレス鋼から作られた薄板状の構成部品及び/又はパネル部品を装着するステップとを含み、これにおいて、車体の着色表面被覆が、ステンレス鋼、軽金属、又はプラスチックの未被覆面に直接施される方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、錆つかないスペースフレーム構造又はスペースフレーム構造とスペースフレーム構造に固定された薄板状の付属部品とを具備する、錆つかないボディを備えた自動車に関する。スペースフレーム構造は、主に、ステンレス鋼、及び軽金属合金及び/又はプラスチックから形成され、付属部品は、もっぱら、ステンレス鋼、軽金属合金及び/又はプラスチックから形成される。本発明はまた、ステンレス鋼を接合することによりスペースフレーム構造を生産するステップと、軽金属、プラスチック、又はステンレス鋼から作られた薄板状の構成部品及び/又はパネル部品を装着するステップとを含む、耐食ホワイトボディを備えた自動車を生産するための方法に関する。
自動車工学におけるボディ設計に関する現在の潮流は、鋼殻方式の設計から、鉄骨立体構造物へと向かっている。鉄骨立体構造物において、ボディは、基本的に、成形された部分、節要素、また適宜、薄鋼板部品、及び薄鋼板並びにたとえば軽金属やプラスチックなどのさらなる材料から形成されたパネル、を含む格子構造から形成される。
このような設計は、特に軽量な組立てを達成するために重要である。
このような状況において、ボディに対する異なる設計要件を満たすために、異なるグレード及び異なる物理特性の鋼を使用することが通例である。
従来の鋼殻方式の設計及びより最近の鉄骨立体構造物の設計では、一般に、表面を覆う耐食被覆が施されている。たとえスペースフレーム構造に最新式のステンレス鋼が使用される場合でも、コスト上の理由により、わずかな特定の部品又はアセンブリにのみこのような被覆が施されるよう制限され、スペースフレーム構造の大部分は、従来の安価な鋼によって組立てられる。したがって、この場合にも、表面全体に耐食被覆が施されることが通例である。
従来の耐食被覆には、陰極浸漬被覆(電着塗装)により金属基体に施される基材、又は塗料が含まれる。電着塗料は、極めて低い濃度(約3%)の有機溶剤を含む、バインダー及び顔料の水溶性懸濁液である。代表的な電着塗装システムにおいては、バインダーは、主に、(たとえば単層被覆のための)より少ない割合のアクリル樹脂を含んだエポキシを含む。分散された(場合によっては、乳化された)塗料粒子を電着するために、電流が印加され、これにより、塗料粒子が電気泳動を通じて陰極へと移動し、ここで、電気的に放電される。このことにより、塗料粒子は、金属基材上で電着する。塗料は、工作物上に不規則な多孔層として溶着され、この層が共に流れて、この後の焼付け中に、均一で連続した塗料の薄膜を形成する。
特に自動車のサプライヤ業界において、この方法は、防錆に対する最も高い需用を満たすものである。
頻繁に使用される他の腐食防止方法には、リン酸処理が含まれる。この方法において、リン酸の固い結合層を作るために、特に鉄、亜鉛、及びアルミニウム材料の金属表面が、水溶性の酸性リン酸含有溶液で処理される。リン酸処理は、層内の最も重要なカチオンに従って、鉄、亜鉛、及びマンガンのリン酸処理に分割される。鉄のリン酸処理方法は、処理溶液内に、最も重要なカチオンとしてアルカリ金属イオンを含有しているので、アルカリ金属のリン酸処理方法としても知られている。リン酸処理により、一般に多層構造の底層として使用される、リン酸の固い結合層が作られる。
以前広く使用されていたクロメート処理も、環境上の理由から、以前ほど重要なものではなくなってきている。
自動車の鉄骨立体構造物又はホワイトボディ全体に耐食層を施すための、これまで知られている方法は、技術的に複雑であり、かなりのコストを要する。したがって、腐食防止方法を簡略化し、安価な錆つかないボディ材料を提供することには、大きな経済的な需用がある。
したがって、本発明の目的は、被覆による防食が著しく簡略化された、又は全く省かれたボディ設計を有する自動車を提供し、防食されたボディを組立てるための方法を提供することである。
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を有する、錆つかないスペースフレーム構造又はスペースフレーム構造とスペースフレーム構造に固定された薄板状の付属部品とを具備する、錆つかないホワイトボディを備えた自動車、及び請求項12の特徴を有する、ステンレス鋼を接合することによりスペースフレーム構造を生産するステップと、軽金属、プラスチック、又はステンレス鋼から作られた薄板状の構成部品及び/又はパネル部品を装着するステップとを含む、耐食ホワイトボディを備えた自動車を生産するための方法によって達成される。
したがって、本発明によれば、全体又はスペースフレーム構造とスペースフレーム構造に固定された薄板状の付属部品とを具備する、車体全体が、ステンレス鋼の形態の耐食材料、及び軽金属合金又はプラスチックによって形成されることとなる。本発明によるこのような構造により、耐食塗料又は被覆を施すことを省くことができる。したがって、本発明によれば、スペースフレーム構造又は車体の表面の大部分には、耐食被覆又は耐食塗料が施されない。このような状況において、スペースフレーム構造又は車体全体、又は個々の薄板状の構成部品でさえも、ハイブリッド形式で、つまり、異なる金属材料及び/又は高分子材料の混合物から組立てられることが重要である。
図1は、自動車の一般的な車体の一例を示す図である。この例は、単に本発明の主題を示すためのものであり、いかなる形であれ、本発明を限定するものであるとはみなされない。特に、本発明はまた、本明細書に記載されている例より複雑な又はこれより複雑でない、たとえば構成部品の数がこれより少ない又は多い、スペースフレーム構造又は車体をも包含するものである。
スペースフレーム構造の大部分が、ステンレス(錆つかない)鋼から形成され、スペースフレーム構造の特殊な構成部品のみが、たとえばアルミニウム合金などの軽金属、又はたとえば繊維強化プラスチック(FRP)や充填ポリプロピレンなどのプラスチックから作られることが好ましい。
薄板状の構成部品は、上記に列挙された耐食材料の1つのみから生産されるか又はハイブリッド設計において使用されることがある。ハイブリッド設計という用語は、たとえば金属/プラスチック、鋼/アルミニウムなどの複合材料から形成される構成部品、或いは鋼/金属発泡体、プラスチック/FRP、又は鋼/FRPなどの複合材料の種類を意味すると解釈されたい。薄板状の付属部品とは、一般に、車体の側部、後部、又は前部領域内に配置されたパネル部品である。例示として、エンジンボンネット、テールゲート、又はドアが、このような方法で形成される。
本発明の好ましい一形態においては、少なくとも薄板状の側部、前部、及び/又は後部の付属部品は、プラスチック、充填プラスチック、FRP、又は金属/プラスチックのハイブリッドから作られる。
特に好適なプラスチックは、充填ポリプロピレン、ガラス繊維強化ポリエステル樹脂、又はポリウレタンである。
適合するステンレス鋼は、腐食に対して高い耐性があり、高い強度を有していなければならないが、
その一方、車体に通常使用される鋼より著しく高価なものであってはならない。さらに、適切に変形できるものでなければならない。したがって、実際には、特殊な機械組立及び様々な特殊な適用形態について既に知られているものなどの、特殊な鋼のみが適合する。
本発明によれば、以下のステンレス鋼が好ましい。即ち、
低炭素α鋼、
ニッケル還元及び窒化γ鋼、
及び/又は高いAl含有量の、殆どニッケルを含まないα−γ二相鋼である。
一般的な種類のα鋼が、たとえば、機械工学において、マフラー、触媒コンバーター、熱交換器、及びポンプについて知られており、これらには、高い温度範囲内での耐食性が必要とされる。驚くべきことに、これらの鋼は、塩腐食などの低温腐食に対して高い耐性があり、車体に使用するのに十分な強度及び変形性を有している。
機械特性に関して、以下のような機械特性の近似側面を有するα鋼が好ましい。即ち、
密度 約7.3〜7.8g/ccm
降伏点 約380〜530MPa
引張強度 約450〜720MPa
破断伸び 約30〜42%
一様伸び 約20〜35%
加工硬化指数 約0.2
異方性 およそ0
好ましいα鋼は、以下のような重量%の組成の1つを有する。即ち、
0.03%C;17.5〜18.5%Cr;1%Si;1%Mn;0.1〜0.6%Ti;残分Fe及び微量成分、又は
0.03%C;10.5〜12.5%Cr;1%Si;1%Mn;0.1〜0.6%Ti;残分Fe及び微量成分、又は
0.025%C;17〜20%Cr;1%Si;1.8〜2.5%Mo;1%Mn;<0.8%Ti;<0.03%N;残分Fe及び微量成分である。
以下のような重量%の公称組成の、Al含有α鋼が特に好ましい。即ち、
Al:5〜9%
Cr:8〜21%
C:0.031%未満
Fe及び標準鋼付随要素:残分である。
Al含有量により、これらの鋼は、密度の低い、一般に、ほぼ7.3g/cm又はこれ未満というさらなる利点を有する。このことは、軽量な自動車の組立てに特に重要である。
一般的な種類のニッケル還元及び窒化γ鋼が、たとえば、化学装置の製造、(建物の外装仕上)構築、鉄道車両、貨物自動車、及びバスの分野において、また台所用品についても使用される。
機械特性に関して、以下のような機械特性の近似側面を有するγ鋼を使用することが好ましい。即ち、
密度 約7.3〜7.8g/ccm
降伏点 約230〜400MPa
引張強度 約540〜900MPa
破断伸び 約40〜65%
一様伸び 約35〜50%
加工硬化指数 約0.4
異方性 およそ0である。
好ましいγ鋼は、以下のような重量%の組成の1つを有する。即ち、
0.04%C;0.05%N;18%Cr、8.3%Ni;残分Fe及び標準微量、又は
0.02%C;0.04%N;17.25%Cr;10.2%Ni;2.1%Mo;残分Fe及び微量成分、又は
0.1%C;0.3%N;17〜19.5%Cr;3.5%Ni;1%Si;6〜9%Mn;残分Fe及び微量成分、又は
0.03%C;0.15〜0.3%N;15〜17%Cr;1.5〜3%Ni;1%Si;7〜9%Mn;1%Cu;残分Fe及び微量成分である。
Cr及びN含有量をさらに減少し、また適宜、Ni含有量をやや増加したγ鋼が使用されることが、特に好ましい。
上述の好ましいγ鋼と比較して、以下のようなレベルのN、Cr、又はNiが好ましい。即ち、
N:0.1〜0.2%;Cr:10〜15%;Ni:8〜15%である。
この群の鋼は、特に水溶性媒体において良い耐食性を有し、すきま腐食及び点腐食に対してより良い耐性を有する。さらに、Ni含有量を減少すると、これらの鋼が比較的安価となる。
一般的な種類のα−γ二相鋼が、たとえば、化学工業、石油化学工業、及び海洋工学において知られている。
機械特性に関して、以下のような機械特性の近似側面を有するα−γ二相鋼が好ましい。即ち、
密度 約6.7〜7.0g/ccm
降伏点 約300〜700MPa
引張強度 約650〜1200MPa
破断伸び 約30〜45%
一様伸び 約25〜40%
加工硬化指数 約0.2から0.3
異方性 およそ0である。
好ましいα−γ二相鋼は、以下のような組成を有する。即ち、
0.1%C;0.3%Si;6.7%Mn;18.9%Cr;0.2%N;1.5%Ni;残分Fe及び微量成分
0.03%C;0.22%N;21.5%Cr;1.5%Ni;0.3%Mo;5%Mn;残分Fe及び微量成分
0.02%C;5%Mn;0.4%Si;20%Cr;1.6%Ni;0.3%Cu;0.13%N;残分Fe及び微量成分である。
特に好ましいα−γ二相鋼は、以下のような概略組成を有する、高いアルミニウム含有量のグレードを含む。即ち、
0.3〜0.8%C;6〜18%Al;15〜25%Mn;残分Fe及び標準鋼付随要素;微量のNiのみである。
α−γ二相鋼の主位相の好ましい位相分布は、α=20〜50%のフェライト含有量、及びγ=50〜80%のオーステナイト含有量を有する。
α−γ二相鋼は、特に塩化物含有媒体について良い耐食性を有することに加えて、また比較的高い強度を有するという特色がある。
高いAl含有量の、低炭素α鋼、還元Ni、及び窒化γ鋼、及び/又は殆どニッケルを含まないα−γ二相鋼を含む、これらのステンレス鋼を選択することにより、錆つかない車体が保証され、これによりまた、自動車の製造に通常必要な加工性及び接合技術に対する要件も満たされる。
たとえば、深絞り成形、圧縮、プレス加工、据込み加工、ロール加工、又は絞り加工などの好ましい加工技術により、一般に、材料特性に大きな影響を及ぼす鋼の微細構造が変化する。所望の微細構造は、しばしば、再結晶方法、たとえば焼き戻し又は時効硬化によって回復され得る。したがって、本発明に従ってステンレス鋼を選択する場合には、選択した加工方法に対する適合性の観点から、目標を定めた選択をすることも必要である。
標準生産方法は、本発明に従って、車体のためのステンレス鋼を生産するための方法において使用され得る。複数の構成部品を組み合わせて、アセンブリ全体を形成し、1つの鋳造作業で生産することが好ましい。薄板状の構造物を具備するアセンブリについても同様であり、この場合、薄肉鋼鋳造方法が用いられる。
個々の構成部品又はアセンブリを接合するために使用される技術に関して、特に溶接について一言言及しておく。従来の鋼を用いた場合、溶接継目は、一般に、最も腐食しやすい箇所である。
本発明による設計では、高品質の接合部(溶接継目)が、ステンレス鋼の溶接中に形成され、耐食に対する最も高い要求をも満たすことができる。本発明による車体においては、ステンレス/ステンレスのみの接合及び接続箇所が作られ、接合手段も、同様に、ステンレス材料から構成される。したがって、耐食性について極めて重大な意味を持つ車体の箇所においても、たとえばリン酸処理、クロメート処理、又は亜鉛めっきなどの耐食被覆を省くことができる。
ステンレス鋼とは異なる鋼グレードの間の接続箇所、又は従来の鋼との接続箇所が、溶接ではない接合技術によって作られることが好ましい。
ステンレス鋼をアルミニウム又はプラスチック部品に接合する場合には、接着結合技術を用いることが好ましい。
本発明による車体、及び従来の防食が施された従来の鋼から作られた個々の構成部品を同様に具備するボディが装備された車両も本発明に含まれることは自明であろう。
本発明による車体は、装飾上の理由により、一般に、自動車の少なくとも外から見える表面上に、外部着色被覆を有する。この被覆は、たとえば着色塗料によって形成される。
本発明による設計の1つの大きな利点は、比較的簡単な着色層構造を使用できることである。一般に、腐食防止作業を実施した多層構造物は必要はない。特に、ステンレス鋼の、接合箇所、内部空間、フランジの付いた又は折り畳まれた部分を封止する必要はない。
本発明のさらなる形態においては、着色塗料の代わりに、着色薄膜又は効果薄膜が少なくとも部分的に使用される。
車両の外面上に、薄板状の付属部品の大部分が着色薄膜又は効果薄膜で覆われることが好ましい。車体の内部に面している表面、即ち完成自動車の外から見えない表面には、追加被覆が全く施されていないことが好ましいであろう。このような設計により、たとえば中空部分又は表面が重なっている構成部品によって形成された内部空間の、技術的に極めて複雑な封止を省くこともできる。
本発明による車体を備えた車両の、外から見える表面の大部分が、着色薄膜又は効果薄膜を有することが好ましい。
本発明のさらなる態様は、少なくとも、
a)ステンレス鋼を溶接することにより、スペースフレーム構造を生産するステップと、
b)軽金属、プラスチック、又はステンレス鋼から作られた、薄板状の構成部品及び/又はパネル部品を装着するステップ(これにより、車体が形成される)と、
c)車体の着色面被覆を、ステンレス鋼、軽金属、又はプラスチックの未被覆面に直接施すステップと、
の主要方法ステップを含む、耐食車体又はアセンブリを備えた自動車を生産するための方法に関する。
さらなる方法ステップにおいて、軽金属及び/又はプラスチッから作られたさらなる構造部品を、溶接されたステンレス鋼から形成されたスペースフレーム構造に追加するようにできる。これらのプラスチックは、特に、たとえばGRP又はCRPなどの繊維強化プラスチックの意味であると解釈されたい。繰り返すが、適切な接合技術とは、特に接着結合である。これにより、ハイブリッド設計による車体が作られる。
本発明による方法はまた、溶接されたステンレス鋼から形成されたスペースフレーム構造を補うよう従来の防食が施された、従来の鋼から作られた構成部品を装着することを含む。しかし、これらの構成部品の使用は、わずかな例外的なケースに限定される。このような従来の設計によって生産されることが好ましい構成部品は、たとえばクラッシュボックス又はバンパなどの変形構造物である。この場合、接続は、ボルトやリベットなどの機械固定手段によって、又は接着結合によってなされることが好ましい。特に、ステンレス鋼と従来の鋼との間のどのような接続も溶接によってなされないことが好ましい。
本発明によれば、ステップb)とc)との間に、耐食被覆を施す方法ステップが介在しないことが非常に重要である。このことにより、本発明は、スペースフレーム構造、車体構造物、又は車体全体を組立てるために使用される標準的な手順に対して、大きな利点を有する。
自動車の外面の着色表面被覆の大部分が、ステンレス鋼、軽金属、又はプラスチックの未被覆面に直接施されることが好ましい。このステップはまた、異なる製造ステップにより別の時間に行われるサブステップに分けられることもある。
本発明の好ましい形態においては、着色表面被覆の少なくとも一部が、薄膜技術によって施される。この場合、所望の車両カラーにおいて、適宜、所定の効果をも有する着色薄膜(効果薄膜)が、構成部品又は車体に直接施される。薄膜技術は、塗装技術と組み合わせられることがあり、この場合、特に、薄板状の構成部品は薄膜で被覆され、一方、支持構造物は塗装されることが好ましい。
本発明の好ましい一形態においては、車体の少なくともすべての薄板状の構成部品及び/又はパネル部品は、自動車から見えている表面(一般に外側)上が着色薄膜で覆われる。
本発明によれば、スペースフレーム構造において使用されるステンレス鋼は、低炭素α鋼、又はニッケル還元及び窒化γ鋼、又は高いアルミニウム含有量の、殆どニッケルを含まないα−γ二相鋼から選択される。
これらの鋼グレードのただ1つのみが、スペースフレーム構造の溶接部に使用され、この結果、定められた化学及び微細構造組成の、ステンレス/ステンレスの溶接継目のみが形成されることが好ましい。このことにより、溶接された接合箇所の材料の不適合が回避され、特に、溶接継目又は溶接個所が高い耐食性を有することが保証される。
自動車の一般的な車体の一例を示す図。

Claims (18)

  1. 錆つかないスペースフレーム構造又は錆つかないスペースフレーム構造と該スペースフレーム構造に固定された薄板状の付属部品とを具備する、ホワイトボディを備えた自動車であって、
    前記スペースフレーム構造が、主に、ステンレス鋼、及び軽金属合金、及び/又はプラスチックから形成され、前記薄板状の付属部品が、ステンレス鋼、軽金属合金、及び/又はプラスチックから形成され、
    スペースフレーム構造又はホワイトボディの表面の大部分が、耐食被覆又は耐食塗料を有さないことを特徴とする自動車。
  2. スペースフレーム構造又はホワイトボディの表面が、リン酸処理、クロメート処理、及び/又は亜鉛めっきされないことを特徴とする請求項1に記載の自動車。
  3. 前記スペースフレーム構造がまた、軽金属、及び/又は強化、特に繊維強化プラスチックから形成されることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の自動車。
  4. 前記ステンレス鋼が、
    低炭素α鋼、
    ニッケル還元及び窒化γ鋼、及び/又は、
    高アルミニウム含有量で殆どニッケルを含まないα−γ二相鋼
    の少なくとも一つから形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車。
  5. 前記α鋼は、
    0.03%C;17.5〜18.5%Cr;1%Si;1%Mn;0.1〜0.6%Ti;残分Fe及び標準微量、又は
    0.03%C;10.5〜12.5%Cr;1%Si;1%Mn;0.1〜0.6%Ti;残分Fe及び標準微量成分、又は
    0.025%C;17〜20%Cr;1%Si;1.8〜2.5%Mo;1%Mn;<0.8%Ti;<0.03%N;残分Fe及び標準微量成分、又は
    5〜9%Al;8〜21%Cr;C<0.031%;残分Fe及び標準鋼付随要素
    の組成の1つを有することを特徴とする請求項4に記載の自動車。
  6. 前記γ鋼は、
    0.04%C;0.05%N;18%Cr、8.3%Ni;残分Fe及び標準微量成分、又は
    0.02%C;0.04%N;17.2%Cr;10.2%Ni;2.1%Mo;残分Fe及び標準微量成分、又は
    0.1%C;0.3%N;17〜19.5%Cr;3.5%Ni;1%Si;6〜9%Mn;残分Fe及び標準微量成分、又は
    0.03%C;0.15〜0.3%N;15〜17%Cr;1.5〜3%Ni;1%Si;7〜9%Mn;1%Cu;残分Fe及び標準微量成分、又は
    0.1〜0.2%N;10〜15%Cr;8〜15%Ni;残分Fe及び標準鋼付随要素
    の組成の1つを有することを特徴とする請求項4に記載の自動車。
  7. 前記α−γ二相鋼は、
    0.1%C;0.3%Si;6.7%Mn;18.9%Cr;0.2%N;1.5%Ni;残分Fe及び標準微量成分、又は
    0.03%C;0.22%N;21.5%Cr;1.5%Ni;0.3%Mo;5%Mn;残分Fe及び標準微量成分、又は
    0.02%C;5%Mn;0.4%Si;20%Cr;1.6%Ni;0.3%Cu;0.13%N;残分Fe及び標準微量成分、又は
    0.3〜0.8%C;6〜18%Al;15〜25%Mn;残分Fe及び標準鋼付随要素
    の組成の1つを有することを特徴とする請求項4に記載の自動車。
  8. 前記薄板状の付属部品が、車体の、側部、後部、又は前部領域内に配置されたパネル部品であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の自動車。
  9. 前記薄板状の付属部品の大部分が、前記車両の外面上に着色薄膜又は効果薄膜を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の自動車。
  10. 外部から見える前記スペースフレーム構造の大部分が、着色薄膜又は効果薄膜を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の自動車。
  11. 前記ホワイトボディが、もっぱら着色薄膜によって着色されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の自動車。
  12. 耐食ホワイトボディを備えた自動車を生産するための方法であって、
    ステンレス鋼を接合する及び/又は溶接することにより、スペースフレーム構造を生産するステップと、
    前記ホワイトボディを形成するために、軽金属、プラスチック、又はステンレス鋼から作られた薄板状の構成部品及び/又はパネル部品を装着するステップとを含み、
    前記ホワイトボディの着色表面被覆が、前記ステンレス鋼、軽金属、又はプラスチックの未被覆面に直接施されることを特徴とする方法。
  13. 同じグレードの鋼のみが、前記ホワイトボディ内で互いに溶接されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 軽金属及び/又はプラスチックから作られたさらなる構造部品が、溶接されたステンレス鋼から形成された前記スペースフレーム構造に装着されることを特徴とする請求項12あるいは13に記載の方法。
  15. 前記着色表面被覆が、着色薄膜を施すことにより実質的に作られることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 少なくとも前記薄板状の構成部品及び/又はパネル部品が、前記自動車の外側上で、着色薄膜で覆われることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記スペースフレーム構造を形成する前記鋼が、
    低炭素α鋼、及び/又は
    ニッケル還元及び窒化γ鋼、及び/又は
    高いアルミニウム含有量の、殆どニッケルを含まないα−γ二相鋼
    から選択されることを特徴とする請求項12〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記スペースフレーム構造を生産するために使用される形成技術には、前記鋼の、深絞り成形、圧縮、プレス加工、据込み加工、ロール加工、又は絞り加工が含まれることを特徴とする請求項17に記載の方法。
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