JP2005246252A - 排ガス脱硫方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 石油精製、天然ガス精製等の硫黄回収装置オフガスのように硫化水素ガスが混入する可能性のある排ガス中の亜硫酸ガスを希硫酸として除去し、回収する際に、排煙脱硫用活性炭触媒を硫化水素ガスにより被毒させず、長期に亘り安定的に亜硫酸ガスを除去できるようにする。
【解決手段】 亜硫酸ガスと15容量%以下の酸素とを含有する排ガスを、活性炭と撥水性樹脂とを含む排煙脱硫用活性炭触媒と接触させることにより、排ガス中の亜硫酸ガスを硫酸として回収する排ガス脱硫方法において、排ガス中に混入する可能のある硫化水素ガスによる該排煙脱硫用活性炭触媒の脱硫性能の低下を防止するために、該排ガスを該排煙脱硫用活性炭触媒に接触させる前に、該排煙脱硫用活性炭触媒を湿潤状態とする。
【選択図】 無し

Description

本発明は、亜硫酸ガスを含有する排ガスと排煙脱硫用活性炭触媒とを接触させ、該亜硫酸ガスを硫酸として回収除去する排ガス脱硫方法に関する。
火力発電所用ボイラーなどから排出される多量の燃焼排ガス中には、有毒な亜硫酸ガスが含まれている場合がある。そのような排ガス中から亜硫酸ガスを除去するために、活性炭触媒を用いて、亜硫酸ガスを硫酸として回収する排煙脱硫方法が提案されている(特許文献1〜4)。このような排煙脱硫方法においては、活性炭触媒が充填された触媒充填塔に排ガスを導入し、排ガス中の亜硫酸ガスを活性炭触媒上で排ガス中の酸素ガスにより接触酸化させて三酸化硫黄としている。この三酸化硫黄は、排ガス中の水分と反応して更に硫酸に変換され、活性炭触媒に吸着保持される。そして、活性炭触媒に保持できなくなった硫酸が、活性炭触媒から重力により離脱し、触媒充填塔下部において回収されることとなる。
ところで、火力発電所用ボイラーで燃焼させる燃料として重油が用いられているが、重油を燃料として使用する前に、その中に含有されているメルカプタン類やチオフェン類などの全イオウ成分を水素を用いて硫化水素に還元し、更にクラウス反応を利用し元素状硫黄として回収(水素化脱硫処理)することが、大気汚染を防止する観点から必須となっている。このような水素化脱硫処理は、重油に限らず、軽質油、灯油や軽油等に対しても必要となっている。ここで、このような水素化脱硫処理のオフガスには、硫化水素が含まれているため、オフガスをインシネレーターで燃焼処理して硫化水素を亜硫酸ガスに変換し、その亜硫酸ガスを含有するインシネレーターからの排ガスに対し、前述したような、活性炭触媒を使用する排煙脱硫処理を行うことが必要となる。
しかしながら、水素化脱硫処理オフガスをインシネレーターで燃焼処理して硫化水素ガスを亜硫酸ガスに変換した場合、燃焼処理が完全であれば、得られる排ガス中に硫化水素ガスが混入しないはずであるが、燃焼温度低下、酸素不足等のために排ガス中に硫化水素ガスが混入することが有り得る。活性炭触媒を使用する排煙脱硫の際に、処理すべき排ガス中に硫化水素ガスが混入した場合、元素状硫黄、ポリサルファイド、あるいはポリチオン酸が活性炭触媒上に蓄積しやすくなり、一旦蓄積すると活性炭触媒の脱硫性能が低下するという問題がある。
最近、硫化水素ガスの除去に関し、硫化水素ガスを含有する空気を粒状活性炭や活性炭素繊維に接触させ、硫化水素ガスを硫酸に変換して除去することが報告されている(非特許文献1)。
特許第3272366号明細書 特開平10−230129号公報 特開平10−314586号公報 特開平11−290688号公報 臭気の研究、第27巻、第4号、273−279頁(平成8年)
しかしながら、非特許文献1で使用した硫化水素ガスを含有する空気の酸素濃度は21容量%であり、一方、燃焼排ガスの場合には、酸素濃度は15容量%以下であり、酸素濃度の点で大きく相違する。また、非特許文献1で使用した硫化水素ガスを含有する空気には、亜硫酸ガスが含まれていないが、一方、排ガスの場合には、亜硫酸ガスを多量に含有しており、亜硫酸ガスの存在の有無の点でも相違する。しかも、硫化水素ガスと亜硫酸ガスとが共存する系では酸素濃度が相対的に低下するとクラウス反応により元素状硫黄が析出し易くなる。このため、非特許文献1の硫化水素ガスの除去技術は、亜硫酸ガスを含有する排ガスの排煙脱硫方法には適用できないと考えられていた。
本発明は、以上の従来の技術の問題を解決しようとするものであり、亜硫酸ガスと15容量%以下の酸素とを含有する排ガスを、排煙脱硫用活性炭触媒と接触させることにより、排ガス中の亜硫酸ガスを硫酸として回収除去する排ガス脱硫方法において、排ガスが硫化水素ガスを含有していたとしても、排煙脱硫用活性炭触媒の脱硫性能を低下させないようにすることを目的とする。
本発明者は、硫化水素ガスに由来する元素状硫黄が排煙脱硫用活性炭触媒上に生成する時期について検討したところ、排煙脱硫用活性炭触媒が十分に湿潤していない状態の時期、即ち、排煙脱硫用活性炭触媒に初めて排ガスを接触させる際又は暫く排煙脱硫を中断した後に改めて排煙脱硫用活性炭触媒に排ガスを接触させる際に、元素状硫黄が排煙脱硫用活性炭触媒上に生成しやすいこと、逆に排煙脱硫用活性炭触媒が湿潤していると元素状硫黄が排煙脱硫用活性炭触媒上に生成し難いこと、さらに撥水化処理された排煙脱硫用活性炭は速やかに湿潤化できないために硫化水素による脱硫性能の低下が起きやすいこと、を見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、亜硫酸ガスと15容量%以下の酸素とを含有する排ガスを、活性炭と撥水性樹脂とを含む排煙脱硫用活性炭触媒と接触させることにより、排ガス中の亜硫酸ガスを硫酸として回収する排ガス脱硫方法において、該排ガスに混入する可能性のある硫化水素ガスによる該排煙脱硫用活性炭触媒の脱硫性能の低下を防止するために、該排ガスを該排煙脱硫用活性炭触媒に接触させる前に、該排煙脱硫用活性炭触媒を湿潤状態とすることを特徴とする排ガス脱硫方法を提供する。
本発明の排ガス脱硫方法によれば、排ガスに硫化水素ガスが含有されていたとしても、元素状硫黄やポリチオン酸が排煙脱硫用活性炭触媒に付着しないようにすることができ、特に、排ガスを排煙脱硫用活性炭触媒に最初に接触させる際に起きる「排煙脱硫用活性炭触媒の脱硫性能の低下」を抑制することができ、長期に亘り安定して亜硫酸ガスを排ガスから除去することができる。
本発明の排ガス脱硫方法は、亜硫酸ガスと15容量%以下の酸素とを含有する排ガスを、活性炭と撥水性樹脂とを含む排煙脱硫用活性炭触媒と接触させることにより、排ガス中の亜硫酸ガスを硫酸として回収する方法であり、該排ガスに混入する可能性のある硫化水素ガスによる該排煙脱硫用活性炭触媒の脱硫性能の低下を防止するために、該排ガスを該排煙脱硫用活性炭触媒に接触させる前に、該排煙脱硫用活性炭触媒を湿潤状態とすることを特徴とするものである。これにより、排ガス中に硫化水素ガスが混入したとしても、硫化水素ガスを原因とする排煙脱硫用活性炭触媒の脱硫性能の低下を抑制することができ、長期に亘り安定して亜硫酸ガスを排ガスから除去することができる。ここで、該排煙脱硫用活性炭触媒を排ガスと接触させる前とは、「未使用の排煙脱硫用活性炭触媒に初めて排ガスを接触させる前」、又は「排ガスを排煙脱硫用活性炭触媒に接触させた後に脱硫処理を中断し、その後に改めて排煙脱硫用活性炭触媒に排ガスを接触させる前」の両方の意味を含む。
本発明で使用する排煙脱硫用活性炭触媒は、亜硫酸ガスを含有する排ガスと接触したときに、該亜硫酸ガスを吸着し、酸化して、硫酸として回収除去するための触媒であり、活性炭と撥水性樹脂とを含む触媒である。このような排煙脱硫用活性炭触媒としては、繊維状活性炭、粒状活性炭、不織布状活性炭又はこれらを原料として加工された活性炭を、水に対する接触角が90度以上を示す撥水性樹脂、例えば、テトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂もしくはこれらを含む撥水性樹脂で、撥水化処理したもの、例えば、繊維状もしくは粒子状活性炭と撥水性樹脂とを混合・混錬し、活性炭を撥水性樹脂に担持させたものを好ましく使用できる。更に、撥水性樹脂を補強部材として使用する場合でも撥水化処理効果が発現するのでより好ましい。排煙脱硫用活性炭触媒の具体例としては、活性炭粉末にフッ素樹脂粒子又はフッ素樹脂分散液を担持させて成形した活性炭触媒(特開平10−314586号公報、請求項1〜5)、無機繊維や高分子繊維からなる芯材シートの両面に活性炭素繊維抄紙シートを積層した活性炭触媒(特開2000−263678号公報)、活性炭粉末とフッ素樹脂とを剪断力を付加しながら混練して成形した活性炭触媒(特開平11−290688号公報、請求項1〜6)、粒状活性炭に微細な撥水性物質を担持させた活性炭触媒の撥水化処理物(特開平10−314585号公報、請求項1〜4)等を好ましく使用することができる。また、排煙脱硫用活性炭触媒は、ハニカム構造等のダストスルー構造に成形されたものを好ましく使用することができる。
本発明の排ガス脱硫方法の対象となる、亜硫酸ガスを含有する排ガスとしては、硫化水素ガスが混入する可能性がある種々の燃焼排ガス等、例えば、硫化水素含有ガス中の硫化水素を亜硫酸ガスに変換するために、該硫化水素含有ガスを燃焼炉で燃焼させて得られる排ガスを対象とすることができる。従って、硫化水素ガスが常時混入した排ガスでも対象とすることができる。これは、本発明の排ガス脱硫方法においては、排ガスを排煙脱硫用活性炭触媒に接触させる前に、排煙脱硫用活性炭触媒を予め湿潤させておくことにより、排煙脱硫用活性炭触媒の脱硫性能に対する硫化水素ガスの悪影響を排除できるからである。排ガス中に硫化水素ガスが混入した場合、その許容濃度範囲は、多すぎると活性炭触媒を予め湿潤させておいても脱硫性能の低下を引き起こすので、500ppmを超えないようにすることが好ましい。下限については、本来的に含有していないことが好ましいので特に制限はない。
また、排ガス中の酸素濃度は、排ガス生成時に燃焼反応で酸素が消費されているので、15容量%以下、場合により10容量%以下であるが、酸素濃度が低すぎるとそもそも亜硫酸ガスを酸化できなくなるので、亜硫酸ガスの濃度にもよるが、0.5容量%を下回らないようにすることが好ましい。
また、亜硫酸ガスは、活性炭触媒上で酸化されて三酸化硫黄となり、更に硫酸となるが、そのためには三酸化硫黄と反応する水が必要である。この水は、通常、排ガス中に含まれる水蒸気から供給されるが、不足する場合は脱硫系外から排煙脱硫用活性炭触媒に供給してもよい。また、この水としては、通常の工業用水、脱硫工程で生成した硫酸を含む希硫酸水溶液を好ましく使用することができる。
本発明の排ガス脱硫方法においては、前述したように、硫化水素ガスによる該排煙脱硫用活性炭触媒の脱硫性能の低下を防止するために、排ガスを排煙脱硫用活性炭触媒に接触させる前に、排煙脱硫用活性炭触媒を湿潤状態とする。ここで、排煙脱硫用活性炭触媒の湿潤状態とは、排煙脱硫用活性炭触媒の水分含有量が好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上となっている状態である。これは、排煙脱硫用活性炭触媒の水分含有量が30重量%未満であると、水分の効果が小さく、排ガスに硫化水素が混入した場合に排煙脱硫用活性炭触媒の脱硫性能が急激に低下するという傾向があるためである。水分含有量の上限は触媒の細孔容積の関係から決まるが、通常は70重量%程度であり、それ以上の場合は触媒表面を水分が覆い、その性能が低下する傾向があり好ましくない。なお、水分含有量の測定は排煙脱硫用活性炭触媒を120〜125℃で恒量になるまで乾燥することにより行う。
排煙脱硫用活性炭触媒を湿潤状態とするための具体的手段としては、温度30℃以上の水もしくは硫酸水溶液、水蒸気、又は水蒸気を添加して増湿させた硫化水素ガス非含有ガスを排煙脱硫用活性炭触媒と接触させることが挙げられる。ここで、排煙脱硫用活性炭触媒に水もしくは硫酸水溶液を接触させる場合に、30℃以上の温度のものを使用する理由は、撥水処理化した脱硫用活性炭触媒では、液状の水は細孔内に浸入しづらく、水蒸気の状態で細孔内に浸透、凝縮させる必要があるためである。そのために硫酸水溶液を使用する場合には撥水化処理した脱流用活性炭を湿潤させるのに必要な水蒸気圧を示す温度にする必要がある。たとえば50重量%の硫酸水溶液を使用する場合には30℃の水と同等な水蒸気圧を示す50℃以上の温度のものを使用する必要がある。水蒸気を使用する場合には撥水処理に用いた撥水性樹脂が変質しない150℃以下の温度のものを使用することが好ましい。
水蒸気を添加して増湿させた硫化水素ガス非含有ガスとしては、相対湿度を50%以上に増湿させた、硫化水素ガスを含まない空気や排ガスを使用することができる。このような硫化水素ガス非含有ガスの温度は、活性炭触媒を湿潤させるに十分な水分を含有すべきである点及び撥水化処理に用いた撥水性樹脂の変質を防止する点から、好ましくは30〜150℃である。中でも、排煙脱硫用活性炭触媒が撥水性樹脂により撥水性を示し、脱硫用活性炭触媒の外表面や細孔内を湿潤状態とすることが容易ではない点に鑑み、排煙脱硫用活性炭触媒を湿潤状態とするための好ましい具体的手段としては、ガス状の水である水蒸気を用いて排煙脱硫用活性炭触媒を湿潤状態とすることが好ましい。
本発明の排ガス脱硫方法においては、前述のように湿潤させた排煙脱硫用活性炭触媒の湿潤状態を維持させながら、排煙脱硫用活性炭触媒に排ガスを接触させることが好ましい。これにより、排ガス脱硫方法の実施の開始時から終了時に至るまで排煙脱硫用活性炭触媒の脱硫性能の低下を防止することができる。
排煙脱硫用活性炭触媒の湿潤状態を維持するための手法の具体例としては、排ガス中の水蒸気分圧の調整を行うか、又は排煙脱硫用活性炭触媒に水もしくは硫酸水溶液による洗浄を行うことが挙げられる。ここで、排ガス中の水蒸気分圧の調整を行う場合、硫化水素ガスが排ガス中に存在し且つ相対湿度が低すぎると、長時間にわたり、排煙脱硫用活性炭触媒の脱硫性能が徐々に低下するため、排ガス中の水蒸気分圧を相対湿度50%以上となるように調整することが好ましい。この場合、排ガス中の水蒸気分圧を温度150℃以下で相対湿度50%以上となるように調整することが好ましい。150℃を超えると撥水化処理に用いた撥水性樹脂の変質を招くので、好ましくない。なお、排煙脱硫用活性炭触媒の湿潤状態を維持するために、排煙脱硫用活性炭触媒を水もしくは硫酸水溶液により洗浄を行っても、水蒸気を用いた場合よりは効率的ではないが、排煙脱硫用活性炭触媒の湿潤状態を向上させることができる。この場合、排煙脱硫用活性炭触媒を水又は硫酸水溶液で連続的に、間欠的に、又はワンスルーで洗浄することができる。更に、洗浄に使用した水又は硫酸水溶液を循環使用することもできる。
また、本発明の排ガス脱硫方法においては、排ガスを排煙脱硫用活性炭触媒に接触させる前に、排ガス中の硫化水素ガス濃度を計測することが好ましい。硫化水素ガス濃度計測は公知の測定方法に従って行うことができる。硫化水素ガス濃度を計測することにより、排ガスの脱硫を行う際に、リアルタイムで排ガス中の硫化水素ガス濃度を把握することできる。従って、硫化水素ガス濃度に応じて、排煙脱硫用活性炭触媒の湿潤状態(水分含有量)のレベルの決定、あるいは湿潤状態とする手法の選択や、湿潤状態とする操作の頻度、操作の軽重を決定することができる。ここで、排ガス中の硫化水素ガス濃度が50ppm以下であれば、排ガス中の水蒸気分圧を相対湿度50%以上にすることにより、排煙脱硫用活性炭触媒の脱硫性能の低下を防止できるが、排ガス中の硫化水素ガス濃度が50ppmを超える場合には大幅な脱硫性能の低下が懸念される。従って、硫化水素ガス濃度が50ppm以上と検出された場合には、湿潤状態を高めるために、該ガス中の水蒸気分圧を相対湿度70%以上に調整するか、及び/又は水もしくは硫酸水溶液で該排煙脱硫用活性炭触媒の洗浄を行うかもしくは洗浄に使用する水もしくは硫酸水溶液の量を増大させることが好ましい。洗浄液の量を増大させることは、水蒸気による触媒の水分含有量を速やかに高くする効果及び洗浄液の量が増大することによって触媒の表面を液膜で覆うことで一時的な硫化水素の流入による性能低下を抑制できる効果がある。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1
粒状活性炭90重量部に対し、ポリテトラフルオロチレン水分散液(樹脂固形分60重量%)(ダイキン工業製)を固形分濃度で10重量部になるように混合し、加圧ニーダーを用いて混練した後、ロールを用いて厚さ0.8mmの平板状シートを作成した。この平板状シートの半量を歯車状ロールで波型に加工し、前記平板状シートと交合に積層することにより、ハニカム状の排煙脱硫用活性炭触媒を得た。
得られたハニカム状の排煙脱硫用活性炭触媒を、50mm角の断面形状を有する触媒充填塔等に高さが2000mmとなるように充填することにより触媒層を構成させた。この触媒層に対し、触媒充填塔内の上方から、約50℃に加温した水をシャワーリングし、排煙脱硫用活性炭触媒を50重量%の湿潤状態とした。
その湿潤状態となった触媒層に、酸素濃度5容量%、亜硫酸ガス濃度1000ppm、硫化水素ガス10ppm、炭酸ガス10容量%及び残余窒素ガスからなる模擬排ガスを触媒と接触する前に水蒸気を加えて相対湿度80%、温度50℃として5m3/時の流量で通過させた。100時間後の脱硫率は90%であり、8000時間後(約1年後)の脱硫率は86%であった。
実施例2
実施例1と同様に、触媒充填塔に排煙脱硫用活性炭触媒を充填して触媒層で構成させた。この触媒層に対し、触媒充填塔内の上方から、約50℃に加温した5wt%硫酸溶液を24時間シャワーリングし、排煙脱硫用活性炭触媒を水分含有量50重量%の湿潤状態とした。
その湿潤状態となった触媒層に、酸素濃度5容量%、亜硫酸ガス濃度1000ppm、硫化水素ガス10ppm、炭酸ガス10容量%及び残余窒素ガスからなる相対湿度60%、温度50℃の模擬排ガスを5m3/時の流量で通過させた。なお、模擬排ガスを触媒層に通過させている間、脱硫によって生成した希硫酸を2倍に希釈した希硫酸水溶液を連続的に触媒層に循環通過させた。100時間後の脱硫率は87%であり、8000時間後(約1年後)の脱硫率は約83%であった。
実施例3
実施例1と同様に、触媒充填塔に排煙脱硫活性炭触媒を充填して触媒層を構成させた。この触媒層に対し、触媒充填塔の上方から、約50℃に加温した5wt%硫酸水溶液を24時間シャワーリングし、排煙脱硫用活性炭触媒を50重量%の湿潤状態とした。
その湿潤状態となった触媒層に、酸素濃度5容量%、亜硫酸ガス濃度1000ppm、炭酸ガス10容量%及び残余窒素ガスからなる相対湿度80%、温度50℃の模擬排ガスを5m3/時の流量で通過させた。なお、模擬排ガスを触媒層に通過させている間、脱硫によって生成した希硫酸を2倍に希釈した希硫酸水溶液を連続的に触媒層に循環通過させた。200時間毎に硫化水素ガスを300ppmの濃度で模擬排ガスに30分間にわたり添加し、硫化水素ガス添加時には触媒層に循環通過させる希硫酸水溶液の流量を3倍に増加させた。100時間後の脱硫率は87%であり、8000時間後(約1年後)の脱硫率は84%であった。
比較例1
触媒層を湿潤状態としないこと以外は、実施例1と同様に模擬排ガスを触媒層に通過させた。その結果、100時間後の脱硫率は73%であり、1400時間(約2ヶ月)後の脱硫率は69%であった。
比較例2
硫化水素添加時に触媒層に循環する希硫酸水溶液の流量を増加させないこと以外は実施例3と同様な操作を行った。その結果、100時間後の脱硫率は87%であり、8000時間(約1年後)の脱硫率は51%であった。
本発明の排ガス脱硫方法によれば、石油精製、天然ガス精製等の硫黄回収装置オフガスのように、硫化水素ガスが混入する可能性のある排ガス中の亜硫酸ガスを希硫酸として除去し、回収する際に、排煙脱硫用活性炭触媒を硫化水素ガスにより被毒させず、長期に亘り安定的に亜硫酸ガスを除去することができる。

Claims (12)

  1. 亜硫酸ガスと15容量%以下の酸素とを含有する排ガスを、活性炭と撥水性樹脂とを含む排煙脱硫用活性炭触媒と接触させることにより、排ガス中の亜硫酸ガスを硫酸として回収する排ガス脱硫方法において、該排ガスに混入する可能性のある硫化水素ガスによる該排煙脱硫用活性炭触媒の脱硫性能の低下を防止するために、該排ガスを該排煙脱硫用活性炭触媒に接触させる前に、該排煙脱硫用活性炭触媒を湿潤状態とすることを特徴とする排ガス脱硫方法。
  2. 排煙脱硫用活性炭触媒を水分含有量30重量%以上の湿潤状態とする請求項1記載の排ガス脱硫方法。
  3. 排煙脱硫用活性炭触媒を湿潤状態とするために、温度30℃以上の水もしくは硫酸水溶液、水蒸気、又は水蒸気を添加して増湿させた硫化水素ガス非含有ガスを排煙脱硫用活性炭触媒と接触させる請求項1又は2記載の排ガス脱硫方法。
  4. 該排煙脱硫用活性炭触媒の湿潤状態を維持しながら、該排ガスを該排煙脱硫用活性炭触媒に接触させる請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス脱硫方法。
  5. 該排煙脱硫用活性炭触媒の湿潤状態を維持するために、排ガス中の水蒸気分圧の調整を行うか、又は該排煙脱硫用活性炭触媒に水もしくは硫酸水溶液による洗浄を行う請求項4記載の排ガス脱硫方法。
  6. 排ガス中の水蒸気分圧を温度150℃以下で相対湿度50%以上となるように調整する請求項5記載の排ガス脱硫方法。
  7. 該排煙脱硫用活性炭触媒の湿潤状態を維持するために、該排煙脱硫用活性炭触媒を、水もしくは硫酸水溶液により連続的に、間欠的に又はワンスルーで洗浄する請求項5記載の排ガス脱硫方法。
  8. 該排煙脱硫用活性炭触媒の湿潤状態を維持するために用いた水もしくは硫酸水溶液を循環使用する請求項7記載の排ガス脱硫方法。
  9. 排ガスを排煙脱硫用活性炭触媒に接触させる前に排ガス中の硫化水素ガス濃度の計測を行う請求項1〜8のいずれかに記載の排ガス脱硫方法。
  10. 排ガス中の硫化水素ガス濃度が50ppm以上と計測された場合に、該排煙脱硫用活性炭触媒の湿潤状態を高めるために、該ガス中の水蒸気分圧を相対湿度70%以上に調整するか、及び/又は水もしくは硫酸水溶液で該排煙脱硫用活性炭触媒の洗浄を行うかもしくは洗浄に使用する水もしくは硫酸水溶液の量を増大させる請求項9記載の排ガス脱硫方法。
  11. 該排煙脱硫用活性炭触媒が、繊維状活性炭、粒状活性炭又はこれらを原料として加工された活性炭と、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂又はこれらを含む撥水性樹脂からなるものである請求項1〜10のいずれかに記載の排ガス脱硫方法。
  12. 該排ガスが、硫化水素含有ガス中の硫化水素を亜硫酸ガスに変換するために、該硫化水素含有ガスを燃焼炉で燃焼させて得られる排ガスである請求項1〜11のいずれかに記載の排ガス脱硫方法。
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