JP2005246145A - 二酸化炭素を使用した塗装方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のように、シンナーを用いることなく、高圧二酸化炭素を使用した、環境に優しい塗装方法及びその装置を提供する。
【解決手段】 所定の二酸化炭素雰囲気下で、塗料に二酸化炭素を含浸、溶解させることにより、所定の粘度に調整した塗料を、高圧の二酸化炭素雰囲気下に維持された高圧容器内に供給して、塗装対象物表面に噴霧し、次いで、減圧操作をすることにより塗膜生成及び乾燥を行わせることを特徴とする塗装方法及びその装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、二酸化炭素を使用した塗装方法及び塗装装置に関するものであり、更に詳しくは、シンナーの使用を極力控えるために、高圧で塗料に二酸化炭素を含浸、溶解させることにより、塗料の粘度を低下させて噴霧するとともに、二酸化炭素の存在下で好適な塗膜を形成させることを可能とする新しいタイプの塗装方法及びその装置、塗膜を形成させた後に、使用済みの二酸化炭素を回収する方法及びその装置等に関するものである。本発明は、塗装対象物に塗膜を形成して塗装製品を作製する塗装の技術分野において、従来、揮発性有機化合物からなるシンナー等が多用されており、健康、環境及び資源等の点で問題となっていた実情を踏まえ、それらの使用を極力控えて、好適な塗装形成を可能とする、環境に優しい塗装方法を提供するものである。本発明は、基本的に、従来方法で用いられている高揮発性シンナーの使用を必要とすることなく、二酸化炭素を使用して好適な塗膜を形成し得ると共に、該二酸化炭素を大気中へ放出することなく、閉鎖系で塗装操作を実施することができ、そして、それにより、上記シンナー及び二酸化炭素の使用量を顕著に低減することができると共に、従来の方法よりも好適な塗膜生成を可能とする新規塗装技術を提供するものとして、有用である。
塗料は、多方面の分野で使用されており、その使用量も厖大である。日本国内だけの塗料生産量をみても、2002年で、約180万トンの塗料が生産されていた。なお、塗料の輸出入からは、約0.5万トンが輸出超過であった。塗料にも、多種類あり、その生産量の全てに対して、溶剤としてのシンナーが使用されている訳ではないにしても、シンナーの使用量もまた厖大であり、塗装の際に、シンナーは放出されることになる。
従来の塗装方法では、多くの場合、塗料原液を、トルエン、キシレンなどを主成分とするシンナーで薄め、塗料の粘度を調整してから、例えば、スプレーガンを用いて、大気中で塗装対象物表面に吹き付けて、塗装が行なわれていた(図1参照)。その際、スプレーに最適な塗料の粘度と、塗膜生成に最適な塗料の粘度とが異なるために、塗料には、揮発性が高いシンナーと揮発性が低いシンナーとを組み合わせて使用していた。したがって、スプレーガンから噴出されるまでは、塗料には両種のシンナーが含まれているが、揮発性が高いシンナーは、塗料がスプレーガンから噴出された後、塗装対象物表面に到達する前に揮発してしまい、塗装対象物表面での塗膜生成時には、揮発性が低いシンナーのみが関与することになる。
このように、従来の塗装方法では、多くの場合、シンナーが使われていたが、今や、地球温暖化防止、有害化学物質の規制、VOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)低減などが、急務の解決すべき課題となっており、そのため、条約或いは各国内の法律などによる規制がなされるようになって来ている。それで、塗装方法においても、シンナーの回収・再利用、シンナー使用量の低減化が図られている。その一環として、例えば、二酸化炭素による塗料の粘度低下を利用した塗装方法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。この塗装方法は、例えば、ポンプ又は高圧窒素により押し出した塗料を、二酸化炭素と混合してから、大気中で塗装対象物表面に吹き付ける方法である(図2参照)。しかし、大気中での吹き付けであるため、二酸化炭素は、揮発性の高いシンナーとしての働きしかなく、良好な塗膜生成に必要な、揮発性の低いシンナーの使用を必要としている。
特許第2777936号公報 特許第2785099号公報
このような状況下にあって、本発者らは、上記従来技術に鑑みて、シンナーの使用を必要としない新しい塗装方法を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、高圧二酸化炭素を含浸させた塗料を、高圧容器内で塗装対象物に噴霧することにより、シンナーの使用を極力控えた環境に優しい塗装法を確立できることを見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。本発明は、有害化学物質であり、VOCであるシンナーの使用を控えて塗装する方法及び塗装装置を提供することを目的とするものである。また、本発明は、塗装方法及び塗装装置において、揮発性が高いシンナーと揮発性が低いシンナーとを用いることなく、高圧の二酸化炭素のみを使用して、塗料の粘度を低下させるとともに、塗料を噴霧化し、塗膜を生成させること、更には、塗膜生成後、使用済み二酸化炭素を回収して、地球の温暖化に影響しないようにすることを可能とすること、環境に優しい塗装方法及び塗装装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)高圧容器内で塗装対象物を塗装する方法であって、
1)塗料に二酸化炭素を含浸、溶解させ、塗料の粘度を低下させる、
2)高圧の二酸化炭素を供給した高圧容器内に、所定の粘度に調整した塗料を供給して、塗装対象物の表面に噴霧する、
3)高圧容器内を、二酸化炭素雰囲気下で減圧操作することにより塗料の塗膜生成及び乾燥を行わせる、
4)上記(1)〜(3)により、塗装製品を得る、
ことを特徴とする塗装方法。
(2)塗料に二酸化炭素を5〜50重量%となるように含浸、溶解させることを特徴とする、前記(1)に記載の塗装方法。
(3)塗料に二酸化炭素を含浸、溶解させる工程及びその後に、所定の圧力及び温度条件に維持することを特徴とする、前記(1)に記載の塗装方法。
(4)高圧容器に供給する高圧の二酸化炭素が、二酸化炭素の他にヘリウムを含むことを特徴とする、前記(1)に記載の塗装方法。
(5)塗膜生成を行わせた後に、使用済みの二酸化炭素を回収することを特徴とする、前記(1)に記載の塗装方法。
(6)使用済みの二酸化炭素を回収する手段が、塗料中のVOCを分離・回収する手段を兼ねていることを特徴とする、前記(5)に記載の塗装方法。
(7)塗膜生成を行わせた後に、使用済みの塗料を回収することを特徴とする、前記(1)に記載の塗装方法。
(8)塗料を収容する塗料調整部、前記塗料調整部に高圧の二酸化炭素を供給するための第1の二酸化炭素供給手段、前記塗料調整部の塗料を噴霧化するためのノズルと塗装対象物を収容する高圧容器、前記高圧容器に高圧の二酸化炭素を供給するための第2の二酸化炭素供給手段、並びに前記塗料調整部及び前記高圧容器の圧力及び温度を制御するための圧力・温度制御手段、を備えたことを特徴とする塗装装置。
(9)高圧容器に、該高圧容器内の二酸化炭素雰囲気下で所定の速度で減圧操作するための圧力調整器を設置したことを特徴とする、前記(8)に記載の塗装装置。
(10)使用済みの二酸化炭素の回収手段を具備していることを特徴とする、前記(8)に記載の塗装装置。
(11)使用済みの二酸化炭素の回収手段が、塗料中のVOCの分離・回収手段を兼ねていることを特徴とする、前記(10)に記載の塗装装置。
(12)使用済みの塗料の回収手段を具備していることを特徴とする、前記(8)に記載の塗装装置。
次に、本発明について、更に詳細に説明する。
本発明においては、先ず、塗料の粘度を低下させるために、塗料調整部において、塗料に二酸化炭素を含浸、溶解させる。二酸化炭素は、塗料に対して溶解性があり、溶解することによって塗料の粘度低下をもたらす。この二酸化炭素の、塗料に対する溶解性は、温度及び圧力によって制御することが可能である。そのため、スプレーする前の塗料の温度及び圧力と、塗装する際の温度及び圧力とを制御することによって、塗料を、各段階で最適な粘度に調整することが可能となる。本発明では、塗料調整部で、塗料に高圧の二酸化炭素を含浸、溶解させ、所定の粘度に調整された塗料を調製する。二酸化炭素の圧力としては、塗料の粘度を、塗料の噴霧化が可能な粘度にする圧力、例えば、塗料をノズルから噴霧する場合に、塗料の流速が、塗料の噴霧化に必要な流速となる圧力であればよい。
このような二酸化炭素の圧力としては、塗料の種類、温度条件、並びに噴霧化後の二酸化炭素雰囲気における圧力及び温度の条件にも依るが、好適には、0.5〜15MPa(常温)である。塗料の特性によっては、塗料の粘度調整又は塗膜生成のために、必要に応じて、塗料に、二酸化炭素とともに、補助的にシンナーを併用してもよいが、その場合、シンナーの使用量を可及的に少なくし、また、使用済みのシンナーを回収することが必要となる。
なお、本発明における制御項目としては、スプレー前の塗料調整部の温度及び圧力、スプレーを行う高圧容器内の温度、圧力、及び高圧容器内のスプレーガンのヘッド温度などがある。また、スプレーを行う高圧容器内において、塗料に含まれていた二酸化炭素の一部は、スプレー後に、圧力変化により塗料内から放出されるが、この放出速度の制御のために、スプレー容器内において、二酸化炭素の他に、ヘリウムなどのガスを混合させる手段がある。
本発明においては、次に、内部に塗装対象物を収容した高圧容器内に、前記塗料調整部から塗料を供給して、例えば、スプレーガンで噴霧し、塗装対象物表面に吹き付ける。高圧容器内を高圧の二酸化炭素雰囲気にする理由は、塗料内に、二酸化炭素を含浸させ、塗料が塗膜を形成するのに必要な状態を維持することにある。すなわち、本発明では、前述の揮発性が低いシンナーに替えて、二酸化炭素を用いるが、この高圧容器内の圧力としては、塗料中の二酸化炭素濃度が、塗膜生成に適したものとなる圧力で、かつ、前記塗料調整部における二酸化炭素の圧力よりも、塗料の噴霧化に必要な圧力差が生ずるような、低い圧力であればよい。この高圧容器内の圧力は、塗料の種類、温度条件、及び前記塗料調整部おける二酸化炭素の圧力にも依るが、好適には、0.5〜10MPa(常温)程度である。
塗料の塗膜生成が終了した後、塗膜乾燥作業を行うが、本発明では、二酸化炭素という、常温では気体である物質を使用しているため、乾燥作業は、減圧操作のみでよく、減圧操作の制御によって、乾燥工程を自由に制御することが可能となる。その具体的な操作方法及び条件としては、塗膜に含有される二酸化炭素を徐々に放出させることで良好な乾燥状態が得られるものであれば良く、特に制限されるものではない。本発明では、前記高圧容器内の二酸化炭素が、大気中に排気され、地球温暖化の原因とならないように、前記高圧容器内の二酸化炭素は、回収することが好ましい。二酸化炭素の回収手段としては、公知の如何なる方法も採用できる。例えば、二酸化炭素を、圧縮・冷却液化法、膜分離法、吸収法、膜−吸収ハイブリッド法等で分離・回収することができ、回収した二酸化炭素は、再利用することもできる。勿論、二酸化炭素を、例えば、地下(泥炭など)或いは深海水に固定してもよい。前記高圧容器内において、二酸化炭素とともに、補助的にシンナーを併用した場合には、そのシンナーを、従来公知の回収手段により、回収することが必要となる。
本発明の塗装装置は、基本的には、塗装対象物を収容し、塗装操作を行うための高圧容器、塗料に二酸化炭素を含浸、溶解させて所定の粘度に調整された塗料を調製するための塗料調整部、該塗料調整部に所定の圧力の二酸化炭素を供給するための第1の二酸化炭素供給手段、前記塗料調整部で調製した所定の粘度の塗料を前記高圧容器内に噴霧(スプレー)するためのスプレー手段、前記高圧容器内に所定の圧力の二酸化炭素を供給するための第2の二酸化炭素供給手段、前記高圧容器及び塗料調整部に、二酸化炭素を導入するための配管、前記塗料調整部の塗料を前記高圧容器に導入するための配管、並びに前記塗料調整部及び高圧容器の圧力及び温度を制御するための圧力・温度制御手段、から構成される。本発明では、前記高圧容器、塗料調整部、二酸化炭素供給手段及びスプレー手段等の具体的な形状、構造等は、塗料の種類、塗装の目的、設備の規模等に応じて、任意に設計することが可能であり、それらは、特に制限されるものではない。
本発明において、上記高圧容器としては、(1)高圧の二酸化炭素を収容することが可能である、(2)圧力調製等により所定の圧力レベルに加圧又は減圧操作ができる、(3)塗装対象物を塗装可能に収容できる、(4)塗料を塗装対象物に噴霧して塗装操作を行うことが可能なスプレーガン等の噴霧手段を設置できる、(5)使用済みの塗料、二酸化炭素の排出、回収等の処理手段を設置できる、等の要件を満たすものが好適である。この高圧容器の形状、構造等は、特に制限されるものではなく、塗装の目的、設備の規模等に応じて任意に設計することが可能である。
次に、上記調整部としては、(1)塗料を収容できる、(2)高圧の二酸化炭素を塗料に混合し、塗料に二酸化炭素を一定の含有率で含浸、溶解させる操作を行うことができる、(3)必要により、混合・攪拌手段を設置できる、(4)所定の圧力及び温度に調節するための圧力調整手段及び温度調節手段を設置できる、(5)所定の圧力条件で、塗料を上記スプレーガン等の噴霧手段に供給できる、(6)上記塗装操作を連続的に実施できる、等の要件を満たすものが好適である。本発明では、上記高圧容器及び圧力調整器における所定の運転条件を設定し、維持するための、二酸化炭素の供給、温度、混合・攪拌、噴霧等に関する個別的な手段は、必要に応じて、任意の手段を適宜設置することができる。
本発明により、(1)従来の方法で使用されている揮発性が高いシンナー及び揮発性が低いシンナーの両者を完全に二酸化炭素で置き換えて、有害化学物質であり、VOCであるシンナーを用いることのない、全く新しい塗装方法を提供することができる、(2)用いた二酸化炭素は、回収して再利用することができる、(3)健康を害することもなく、地球温暖化の原因となることもない、環境に優しい塗装方法及び塗装装置を提供することができる、(4)塗膜の乾燥は、減圧操作のみで行えると共に、それにより、良好な塗膜の生成が可能となる、(5)シンナーを用いず、シンナーの回収を必要としない塗装が可能となり、コストを低減することができる、(6)二酸化炭素の消費量を大幅に低減化することができる、という格別の効果が奏される。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
本発明の一実施例を、図3に基づいて、具体的に説明する。
塗装対象物を収容する耐圧密閉系の高圧容器、塗料を収容する耐圧容器から構成される塗料調整部、該塗料調整部に高圧の二酸化炭素を供給するための第1の二酸化炭素供給手段、前記高圧容器に高圧の二酸化炭素を供給するための第2の二酸化炭素供給手段、前記塗料調整部で調製された塗料を前記高圧容器内に噴霧して塗装対象物に塗料を塗布するためのスプレーガンから、構成される塗装装置を構築した。次に、前記塗料調整部に、塗料を収容し、これに所定の圧力及び温度条件下で、二酸化炭素を供給して、塗料に二酸化炭素を含浸、溶解させ、所定の粘度の塗料を調製した。次に、高圧容器内に塗料対象物を収容し、これに高圧の二酸化炭素を供給して所定の圧力及び温度に調整した後、前記塗料調整部で調製した所定の粘度の塗料を該高圧容器内の塗装対象物にスプレーした。次いで、減圧操作により高圧容器内の圧力を制御しながら、塗料を乾燥させ、目的の塗装製品を得た。塗膜生成の状態及びその乾燥状態が共に良好な結果を示した。
本実施例では、上記実施例1と同様の塗装装置を用いて、塗装製品を作製した。塗料調整部に塗料を収容した。これに、第1の二酸化炭素供給手段から加圧した二酸化炭素を供給し、塗料と二酸化炭素を混和し、これらの混合物とすることで、塗料に二酸化炭素を含浸、溶解させた。塗料の粘度は、二酸化炭素の含有量を調整することにより、所定のレベルに調節した。一方、高圧容器に塗料対象物を収容した。これに、第2の二酸化炭素供給手段から加圧した二酸化炭素を供給し、高圧容器内を加圧した二酸化炭素で置換して所定の圧力の二酸化炭素で満たした。
次に、上記塗料調整部で調整した二酸化炭素含有塗料を配管を通して上記高圧容器内に設置したスプレーガンに供給し、該スプレーガンの微細噴霧孔を介して塗料対象物の表面に噴霧した。このとき、スプレー温度及び圧力、液滴サイズ、噴霧速度、形成される塗膜の厚さ等のスプレー条件を調節した。これにより、良好な性状を有する高品質の塗膜が形成された。次いで、上記高圧容器に設置した圧力調整器を調節して、該高圧容器の圧力を徐々に減圧する条件下で、塗膜に含有される二酸化炭素を所定の圧力の二酸化炭素雰囲気中に放出させて塗膜の乾燥処理を行った。それにより、良好な外観と仕上がり状態を有する塗装製品がえられた。
本発明は、二酸化炭素を使用した塗装方法及びその装置に係るものであり、本発明は、多方面において必要とされている塗装技術の分野において、従来の方法のようにシンナーの使用を必要とすることなしに、好適な塗膜を形成することが可能な新しい塗装方法及びその装置を提供することができる。本発明により、有害化学物質であり、VOCであるシンナーを用いることなく塗装操作を行うことができる。シンナー及び二酸化炭素の使用量を顕著に低減できるので、地球温暖化防止、有害化学物質の規制、VOC低減などの課題の解決に資することができる。従来の方法と比べて、低コストでの塗装が可能となる。本発明は、新しい塗装方法及び装置を提供することで、新しい形態の塗装技術の創出を可能とするものとして有用である。
従来法による、一般的な塗装方法及び装置の概要の説明図である。 二酸化炭素を用いた塗装方法及び装置の概要の説明図である。 本発明の塗装方法及びその装置の概要の説明図である。

Claims (12)

  1. 高圧容器内で塗装対象物を塗装する方法であって、
    (1)塗料に二酸化炭素を含浸、溶解させ、塗料の粘度を低下させる、
    (2)高圧の二酸化炭素を供給した高圧容器内に、所定の粘度に調整した塗料を供給して、塗装対象物の表面に噴霧する、
    (3)高圧容器内を、二酸化炭素雰囲気下で減圧操作することにより塗料の塗膜生成及び乾燥を行わせる、
    (4)上記(1)〜(3)により、塗装製品を得る、
    ことを特徴とする塗装方法。
  2. 塗料に二酸化炭素を5〜50重量%となるように含浸、溶解させることを特徴とする、請求項1に記載の塗装方法。
  3. 塗料に二酸化炭素を含浸、溶解させる工程及びその後に、所定の圧力及び温度条件に維持することを特徴とする、請求項1に記載の塗装方法。
  4. 高圧容器に供給する高圧の二酸化炭素が、二酸化炭素の他にヘリウムを含むことを特徴とする、請求項1に記載の塗装方法。
  5. 塗膜生成を行わせた後に、使用済みの二酸化炭素を回収することを特徴とする、請求項1に記載の塗装方法。
  6. 使用済みの二酸化炭素を回収する手段が、塗料中のVOCを分離・回収する手段を兼ねていることを特徴とする、請求項5に記載の塗装方法。
  7. 塗膜生成を行わせた後に、使用済みの塗料を回収することを特徴とする、請求項1に記載の塗装方法。
  8. 塗料を収容する塗料調整部、前記塗料調整部に高圧の二酸化炭素を供給するための第1の二酸化炭素供給手段、前記塗料調整部の塗料を噴霧化するためのノズルと塗装対象物を収容する高圧容器、前記高圧容器に高圧の二酸化炭素を供給するための第2の二酸化炭素供給手段、並びに前記塗料調整部及び前記高圧容器の圧力及び温度を制御するための圧力・温度制御手段、を備えたことを特徴とする塗装装置。
  9. 高圧容器に、該高圧容器内の二酸化炭素雰囲気下で所定の速度で減圧操作するための圧力調整器を設置したことを特徴とする、請求項8に記載の塗装装置。
  10. 使用済みの二酸化炭素の回収手段を具備していることを特徴とする、請求項8に記載の塗装装置。
  11. 使用済みの二酸化炭素の回収手段が、塗料中のVOCの分離・回収手段を兼ねていることを特徴とする、請求項10に記載の塗装装置。
  12. 使用済みの塗料の回収手段を具備していることを特徴とする、請求項8に記載の塗装装置。

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