JP2005246143A - 排気ガス浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 有機物バインダーを加熱分解する際に発生する高分子系ガスや、高沸点の高分子化合物を高濃度で含有する腐食性の有機物分解ガスを含む排気ガスを、消費電力量を節減しながら、効率的に燃焼・浄化して系外へ排出することができる排気ガス浄化方法を提案する。
【解決手段】 焼結部品の成形体に含有されている有機物の加熱分解により発生した排気ガスを、所定の温度に保持した縦型炉芯管内に導入した後、該炉芯管内に配置され、所定の温度に保持された酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素及びアルミン酸石灰を主成分としかつ白金及びパラジウムを担持したハニカム状セラミック成形体中を通過させることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 焼結部品の成形体に含有されている有機物の加熱分解により発生した排気ガスを、所定の温度に保持した縦型炉芯管内に導入した後、該炉芯管内に配置され、所定の温度に保持された酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素及びアルミン酸石灰を主成分としかつ白金及びパラジウムを担持したハニカム状セラミック成形体中を通過させることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、セラミックスや金属粉末を原料素材として成形された、主として未焼成電子部品等からなる成形体を加熱処理し、該成形体形成時にバインダーとして混合添加された有機物を加熱分解して除去する際に発生する排気ガスの浄化方法に関する。
主として電子工学関連の技術分野において幅広い用途を有する、セラミックスや粉末冶金関連部品の製造においては、セラミックスや金属粉からなる原料粉末を、有機物からなるバインダーと混合して成形体を形成し、得られた成形体を加熱処理することによってバインダーを分解除去した後、焼成することによって所望の製品を得る方法が一般的製法として採用されている。
この方法において、有機物バインダーを分解除去する際には、様々な分解ガスやタール成分が発生するため、通常は加熱した白金触媒により燃焼させてから大気中に放出するが、前記バインダーの分解ガスには水素ガス、水蒸気、一酸化炭素および炭酸ガスの他に、数多くの高分子系ガス成分が大量に含まれ、加えて、前記タール成分中には高沸点の高分子化合物が高濃度で含まれているため、これらの排気ガスを、加熱された白金系触媒に直接接触させても、完全に分解させて燃焼させることはできず、排出ガスは異臭を放つことが多く、又、高分子系ガスや高沸点の高分子化合物を高濃度に含む排気ガスの場合は、放出される際に排ガス系内において冷却されることによりタール等が燃焼装置内壁やガス配管内壁に付着したり、白金触媒を腐食させたりするため、脱バインダー工程を停止して燃焼装置やガス配管の修復作業を頻繁に繰り返えさざるを得ないのが現状であった。
この方法において、有機物バインダーを分解除去する際には、様々な分解ガスやタール成分が発生するため、通常は加熱した白金触媒により燃焼させてから大気中に放出するが、前記バインダーの分解ガスには水素ガス、水蒸気、一酸化炭素および炭酸ガスの他に、数多くの高分子系ガス成分が大量に含まれ、加えて、前記タール成分中には高沸点の高分子化合物が高濃度で含まれているため、これらの排気ガスを、加熱された白金系触媒に直接接触させても、完全に分解させて燃焼させることはできず、排出ガスは異臭を放つことが多く、又、高分子系ガスや高沸点の高分子化合物を高濃度に含む排気ガスの場合は、放出される際に排ガス系内において冷却されることによりタール等が燃焼装置内壁やガス配管内壁に付着したり、白金触媒を腐食させたりするため、脱バインダー工程を停止して燃焼装置やガス配管の修復作業を頻繁に繰り返えさざるを得ないのが現状であった。
ところで、前記白金触媒は自動車用エンジンの排気ガス浄化を主たる目的として開発されたもの(例えば、非特許文献1参照)であるが、排気ガス燃焼装置にも応用される等広範囲に使用されている。その原理は、ハニカム状セラミック構造体からなる担体に白金やロジウムの微粒子を担持させ、この白金触媒に排気ガスを接触させて酸化燃焼させるものであり、ハニカム状構造体となるセラミック材料としては、熱衝撃に強いコージェライト、スピネル、アルミナ等の鉱物系材料が広く採用されている。
このような材料を用いた排気ガス燃焼装置は、自動車等に搭載して、ガソリンの燃焼により発生した1000℃以上の高温の排気ガスを分解する手段としては好適であるが、セラミックや金属粉の成形体に含まれるバインダーの加熱分解によって発生する高分子系ガスや高沸点の高分子化合物を高濃度で含み、300〜600℃と比較的低温度域にある排気ガスの浄化に用いた場合、排気ガスの分解が完全に終了せず、カーボンや高沸点の高分子化合物がハニカム状セラミック構造体に付着して触媒性能の低下を招く。かかる対策として、排気ガスを白金触媒に接触させる以前に、排気ガス系内を1000℃以上に加熱すれば、排気ガスの浄化能力は向上するが、大量の排気ガスを1000℃以上に加熱するためには、伝熱容量の大きな電気炉が要求され、消費電力が増加すると共に製造コストの上昇を余儀なくされるため好ましくない。
このような材料を用いた排気ガス燃焼装置は、自動車等に搭載して、ガソリンの燃焼により発生した1000℃以上の高温の排気ガスを分解する手段としては好適であるが、セラミックや金属粉の成形体に含まれるバインダーの加熱分解によって発生する高分子系ガスや高沸点の高分子化合物を高濃度で含み、300〜600℃と比較的低温度域にある排気ガスの浄化に用いた場合、排気ガスの分解が完全に終了せず、カーボンや高沸点の高分子化合物がハニカム状セラミック構造体に付着して触媒性能の低下を招く。かかる対策として、排気ガスを白金触媒に接触させる以前に、排気ガス系内を1000℃以上に加熱すれば、排気ガスの浄化能力は向上するが、大量の排気ガスを1000℃以上に加熱するためには、伝熱容量の大きな電気炉が要求され、消費電力が増加すると共に製造コストの上昇を余儀なくされるため好ましくない。
一方、石油ストーブの着火、若しくは消化時に発生する石油の不完全燃焼に起因する悪臭を除去するための触媒として、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素及びアルミン酸石灰を主成分とするハニカム状成形体に、白金族金属微粒子を担持せしめた触媒が提案さている(例えば、非特許文献2参照)。この触媒は、ハニカム状成形体を構成するセラミックス成分、即ち酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素及びアルミン酸石灰そのものが、排気ガスを分解する触媒能を有するため、排気ガス浄化性能においては優れており、しかも200℃程度の温度域においても動作するという特徴を有している。しかしながら、成形体を乾燥しただけの非焼結体であるため、前述したコージェライト系セラミックスをハニカム構造体として用いた触媒に比較して、機械的強度や耐熱衝撃性においては明らかに劣るところから、その用途は自ずと限定的とならざるを得ないものであった。
小野哲嗣著 触媒20,No.2,P.116(1978) 西野 敦 他 National Tech Rept. 29,No.1,P42(1983)
小野哲嗣著 触媒20,No.2,P.116(1978) 西野 敦 他 National Tech Rept. 29,No.1,P42(1983)
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、有機物バインダーを加熱分解する際に発生する高分子系ガスや、高沸点の高分子化合物を高濃度で含有する腐食性の有機物分解ガスを含む排気ガスを、消費電力量を節減しながら、効率的に燃焼・浄化して系外へ排出することができる排気ガス浄化方法を提案することを目的とするものである。
本発明に係る排気ガス浄化方法は、焼結部品の成形体に含有されている有機物の加熱分解により発生した排気ガスの浄化方法であって、前記排気ガスを冷却することなく350℃以上に保持した縦型炉芯管内に導入した後、該炉芯管内に配置され、200℃以上に保持された酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素及びアルミン酸石灰を主成分としかつ白金及びパラジウムを担持したハニカム状セラミック成形体中を通過させることを特徴とするものである。
又、前記ハニカム状セラミック成形体として、ハニカム状セラミックに白金及びパラジウムのアンモニウム塩を分解して得た触媒を担持させたことを特徴とするものである。
又、前記ハニカム状セラミック成形体として、ハニカム状セラミックに白金及びパラジウムのアンモニウム塩を分解して得た触媒を担持させたことを特徴とするものである。
本発明において、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素及びアルミン酸石灰を主成分とするハニカム状セラミック成形体に白金及びパラジウムを担持させたのは、触媒能の相乗効果により排気ガスの分解性能を向上させるためである。更に、ハニカム状セラミックに白金及びパラジウムのアンモニウム塩を分解して得た触媒を担持させるのは、塩素や硫黄が白金やパラジウムの触媒毒として作用するため、これらの元素を含まない白金及びパラジウムのアンモニウム塩を分解することで高い触媒性能と優れた耐久性が得られるためである。
又、縦型炉芯管内を350℃以上に保持するのは、バインダーの加熱分解により発生した高分子系ガスや高沸点の高分子化合物を高濃度で含有する有機物分解ガスの加熱分解をさらに促進するためであり、350℃未満ではその有機物分解ガスの加熱分解が十分に促進されないためである。
更に、ハニカム状セラミック成形体を200℃以上に保持するのは、該ハニカム状セラミック成形体並びに白金系触媒の酸化効率の向上と当該触媒の劣化を抑制するためであり、200℃未満ではハニカム状セラミック成形体並びに白金系触媒の酸化効率が低く、かつ触媒劣化の抑制効果が十分に得られないためである。
更に、ハニカム状セラミック成形体を200℃以上に保持するのは、該ハニカム状セラミック成形体並びに白金系触媒の酸化効率の向上と当該触媒の劣化を抑制するためであり、200℃未満ではハニカム状セラミック成形体並びに白金系触媒の酸化効率が低く、かつ触媒劣化の抑制効果が十分に得られないためである。
本発明による排気ガス浄化方法によれば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素及びアルミン酸石灰を主成分としかつ白金及びパラジウムを担持したハニカム状セラミック成形体の作用により、セラミックスや金属粉末からなる原料粉末にバインダーとして添加され、混合して成形体を形成する有機物を加熱分解する際に発生する高分子系ガスや、高沸点の高分子化合物を高濃度で含有する腐食性の有機物分解ガスを、極めて効率的に燃焼・浄化して系外へ排出することができ、排出ガスの異臭が皆無となるのみならず、排気ガス燃焼装置の内壁等へタール等が付着することもなくなることにより該燃焼装置の修復作業も大幅に減り、更に作業環境の改善や製造コストの削減もはかられる。又、縦型炉芯管内を350℃以上に保持することにより、有機物分解ガスの加熱分解がより一層促進され、更に酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素及びアルミン酸石灰を主成分としかつ白金及びパラジウムを担持したハニカム状セラミック成形体を200℃以上に保持することにより排気ガスの分解効率の向上と触媒の劣化を抑制することができる。更に、白金触媒を担持させることによる燃焼作用により消費電力の削減もはかられる。
図1は本発明方法を実施するための排気ガス浄化装置の一例を示す概略図で、1は排気ガス浄化装置、2は有機物加熱分解装置、3は縦型環状炉、4は縦型炉芯管、5はハニカム状セラミック成形体、6は排気ガス排出口、7は遮蔽板である。
即ち、図1に示す排気ガス浄化装置1は、未焼成の電子部品成形体等の脱バインダー処理に用いられる有機物加熱分解装置2の上部に、軸心に縦型炉心管4を有する縦型環状炉3が付設され、該縦型環状炉3の上部出口付近の縦型炉心管4内に、予め白金およびパラジウムからなる白金族触媒を担持した、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素およびアルミン酸石灰を主成分としてなるハニカム状セラミックス成形体5を配置した構成となっている。
なお、本発明におけるハニカム状セラミック成形体5に白金およびパラジウムを担持する際に用いる溶液としては、塩化物や硫酸塩の溶液よりも、アンモニウム溶液を用いた方が触媒性能、耐久性の点で優れている。これは塩素や硫黄が白金やパラジウムの触媒毒として作用するためと考えられる。
なお、本発明におけるハニカム状セラミック成形体5に白金およびパラジウムを担持する際に用いる溶液としては、塩化物や硫酸塩の溶液よりも、アンモニウム溶液を用いた方が触媒性能、耐久性の点で優れている。これは塩素や硫黄が白金やパラジウムの触媒毒として作用するためと考えられる。
上記構成の排気ガス浄化装置1において、有機物加熱分解装置2内で加熱分解されることによって発生した高分子系ガスや高沸点の高分子化合物を高濃度で含有する排気ガスgは、冷却されることなく排気ガス排出口6から直接縦型炉心管4内へ導入され、該炉心管内を上昇してハニカム状セラミックス成形体5に接触した後、系外に排出される。ここで、縦型炉芯管4内は350℃以上、望ましくは450℃以上に保持され、かつ前記ハニカム状セラミック成形体5は200℃以上に保持されている。これは前記したように、排気ガスgを200℃以上に加熱されたハニカム状セラミックス成形体並びに白金触媒に接触させることにより、排気ガスの酸化分解を促進せしめ、併せて触媒の劣化抑制効果を得るためである。即ち、有機物加熱分解装置2内でバインダーの加熱分解により発生した排気ガスgは、冷却されることなく350℃以上、望ましくは450℃以上に加熱された炉心管4内を通過することにより加熱分解が促進されると共に、200℃以上に保持されたハニカム状セラミック成形体6中を通過する際に触媒作用によって効果的に燃焼浄化される。
又、図1に示すように、有機物加熱分解装置2の天井部分に排気ガスgの排出口6が設けられている場合、該排出口6の直上に本発明に係る排気ガス浄化装置1を配置することとなり、バインダーの分解により発生した高分子系ガスや高沸点の高分子化合物を、直ちに加熱分解ゾーンへ導入することができるため、該高分子系ガスや高沸点の高分子化合物が、冷却されて当該排気ガス浄化装置1内壁部等に付着する現象を未然に、かつ容易に防止することができ、更に有機物の分解によって発生する特有の異臭もなくなる。
更に、バインダーの加熱分解によって発生する排気ガスgが多量の場合、排気ガス浄化装置1、とりわけ縦型炉心管4内での滞留時間を長くすると共に、系内での温度低下を抑制する上から、炉心管内での排気ガスgの流れを阻害する遮蔽板7を設けることが効果的である。このようにして本発明による排気ガス浄化方法は、高分子系ガスや高沸点の高分子化合物が冷却されて排ガス系内に付着する現象を未然に防止することができるため、装置の修復に要するメンテナンスコストが大幅に削減され、脱バインダー工程に係る作業効率を著しく改善することができる。
なお、本発明による排気ガス浄化方法は、セラミックスや粉末冶金部品の成形体に含まれるバインダーを加熱温度400〜600℃の温度域まで漸次昇温しながら加熱分解する際に発生する排気ガスを対象とするのが一般的であるから、触媒を形成するハニカム状セラミック成形体については、急激な温度変化に対する耐熱衝撃性が要求されることはない。
セラミック粉末と有機物バインダーからなるシートを、図1に示す有機物加熱分解装置2に装入して、成形体の脱バインダー処理を模した排気ガスgの燃焼浄化実験を実施した。本実施例で用いた排気ガス浄化装置は、図1に示すように有機物加熱分解装置2の上部の排ガス系に併設され、周囲を縦型環状炉3によって囲繞された縦型炉心管4と、該縦型炉心管4の上方に配置されたハニカム状セラミック成形体5によって構成されている。
本実施例においては、実質的に同型で同規模の上記有機物加熱分解装置2および排気ガス浄化装置1の組合せを2基用い、一方の縦型炉心管上方には、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素およびアルミン酸石灰を主成分とするハニカム状セラミック成形体に、白金とパラジウムからなる金属微粒子を担持させた触媒を配置し、排気ガス浄化装置A(本発明)とした。他方、対応する一方の縦型炉心管4上方には、コージェライト系のハニカム状セラミック成形体5に同様白金系触媒を担持させた触媒を配置し、これを排気ガス浄化装置B(比較例)とした。
即ち、燃焼装置A及び燃焼装置Bは、排気ガス燃焼触媒を形成するハニカム状セラミック成形体が、前者が酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素およびアルミン酸石灰を主成分とするハニカム状セラミックス成形体であり、後者がコージェライト系ハニカム状セラミックス成形体である以外は、実質的に同一の装置としてバインダーの加熱分解除去における排気ガスgの燃焼浄化実験に供した。
本実施例においては、実質的に同型で同規模の上記有機物加熱分解装置2および排気ガス浄化装置1の組合せを2基用い、一方の縦型炉心管上方には、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素およびアルミン酸石灰を主成分とするハニカム状セラミック成形体に、白金とパラジウムからなる金属微粒子を担持させた触媒を配置し、排気ガス浄化装置A(本発明)とした。他方、対応する一方の縦型炉心管4上方には、コージェライト系のハニカム状セラミック成形体5に同様白金系触媒を担持させた触媒を配置し、これを排気ガス浄化装置B(比較例)とした。
即ち、燃焼装置A及び燃焼装置Bは、排気ガス燃焼触媒を形成するハニカム状セラミック成形体が、前者が酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素およびアルミン酸石灰を主成分とするハニカム状セラミックス成形体であり、後者がコージェライト系ハニカム状セラミックス成形体である以外は、実質的に同一の装置としてバインダーの加熱分解除去における排気ガスgの燃焼浄化実験に供した。
本実施例では、上記A、B2基の有機物加熱分解装置2のそれぞれに、前記セラミックス粉末と有機バインダーからなるシート1Kgを装入し、空気を送入しつつ50℃/Hrの昇温速度で450℃まで加熱し、発生する排気ガスgを排気ガス浄化装置に導入した。排気ガスgは450℃に保持された縦型環状炉内で加熱分解され、その一部は燃焼しながら縦型炉心管内を上昇して、ハニカム状セラミックス成形体の孔を通過する際の触媒作用によって燃焼浄化された後、大気中に放出される。この際、燃焼触媒が正常に作用している場合は、排気ガスgの燃焼によってハニカム状セラミック成形体の温度が上昇するので、該ハニカム状セラミック成形体に熱電対を当て、その温度を測定することによって触媒性能を検証した。
本実施例による排気ガス燃焼実験の結果、燃焼装置Aの場合は、ハニカム状セラミック成形体の温度は最高で100℃、燃焼装置Bの場合は最高で90℃とほぼ同様の温度上昇が検証された。しかしながら、この燃焼実験を繰返し100回実施した結果、燃焼装置Aにおいては100回目の試験後に測定した温度上昇値が95℃を示して、初期値をほぼ維持しているのに対し、燃焼装置Bにおいては、30回目の試験後に温度上昇値が減少し始め、70回目の燃焼実験以降は温度上昇が殆ど確認されず、触媒性能が低下しているものと観察された。
又、燃焼装置Bにおいては燃焼実験初期の段階から、縦型炉心管の後方の排ガス系に排出されたガスに異臭が検出されたのに対し、燃焼装置Aの場合、異臭はまったく検出されなかった。更に、燃焼実験50回を経過した時点において燃焼装置Bの場合は異臭が一層強くなり、燃焼触媒の性能が明らかに低下していることが伺えるのに対し、燃焼装置Aの場合は100回の燃焼実験後も、異臭は感知されなかった。更に又、燃焼装置Aは触媒の動作温度が200℃でも十分であるのに対し、燃焼装置Bにおいては450℃以上の動作温度を必要とし、燃焼・浄化作用に要する電力消費量にも明確な相違が確認された。
又、燃焼装置Bにおいては燃焼実験初期の段階から、縦型炉心管の後方の排ガス系に排出されたガスに異臭が検出されたのに対し、燃焼装置Aの場合、異臭はまったく検出されなかった。更に、燃焼実験50回を経過した時点において燃焼装置Bの場合は異臭が一層強くなり、燃焼触媒の性能が明らかに低下していることが伺えるのに対し、燃焼装置Aの場合は100回の燃焼実験後も、異臭は感知されなかった。更に又、燃焼装置Aは触媒の動作温度が200℃でも十分であるのに対し、燃焼装置Bにおいては450℃以上の動作温度を必要とし、燃焼・浄化作用に要する電力消費量にも明確な相違が確認された。
なお、本実施例において、燃焼装置Aに配置されるハニカム状セラミック成形体に白金およびパラジウムを担持させる際に用いる溶液として、塩化物や硫酸塩に代えてアンモニウム塩を用いた場合には、触媒性能およびその耐久性共に優れていることが確認された。これは塩化物や硫酸塩に含まれる塩素や硫黄が、白金やパラジウムに対して触媒毒の作用を働くためと推察される。
更に、ハニカム状成形体として、白金とパラジウムを担持した酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素とアルミン酸石灰を主成分とするハニカム状セラミック成形体に替えて、二酸化マンガン、亜鉛・マンガン系フェライト、アルミン酸石灰およびケイ砂を主成分とするハニカム状成形体を用いた場合も、前記とほぼ同等の触媒性能を示したが、耐久性の点では白金とパラジウムを担持した酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素とアルミン酸石灰を主成分とするハニカム状成形体より劣ることが確認された。
更に、ハニカム状成形体として、白金とパラジウムを担持した酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素とアルミン酸石灰を主成分とするハニカム状セラミック成形体に替えて、二酸化マンガン、亜鉛・マンガン系フェライト、アルミン酸石灰およびケイ砂を主成分とするハニカム状成形体を用いた場合も、前記とほぼ同等の触媒性能を示したが、耐久性の点では白金とパラジウムを担持した酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素とアルミン酸石灰を主成分とするハニカム状成形体より劣ることが確認された。
本発明による排気ガス浄化方法は、セラミックスや各種粉末冶金関連部品の成形体に含まれる有機物バインダーを、加熱分解によって除去する際に発生する排気ガスを、排ガス系内において冷却することなく、特定温度域に保持された縦型炉心管内を通過させた後、特定温度域に保持され、白金族触媒を担持した特定のハニカム状セラミックス成形体に接触させるという、極めて簡略な手段によって極めて効率的に燃焼・浄化することができる上に、本発明によって浄化された排気ガスは、異臭が全く感知されず作業環境の改善に著しく寄与するところから、当該技術分野において幅広く利用されることが期待される。
1 排気ガス浄化装置
2 有機物加熱分解装置
3 縦型環状炉
4 縦型炉心管
5 ハニカム状セラミック成形体
6 ガス排出口
7 遮蔽版
g 排気ガス
2 有機物加熱分解装置
3 縦型環状炉
4 縦型炉心管
5 ハニカム状セラミック成形体
6 ガス排出口
7 遮蔽版
g 排気ガス
Claims (2)
- 焼結部品の成形体に含有されている有機物の加熱分解により発生した排気ガスの浄化方法であって、前記排気ガスを冷却することなく、350℃以上に保持した縦型炉芯管内に導入した後、該炉芯管内に配置され、200℃以上に保持された酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素及びアルミン酸石灰を主成分としかつ白金及びパラジウムを担持したハニカム状セラミック成形体中を通過させることを特徴とする排気ガス浄化方法。
- 前記ハニカム状セラミック成形体として、ハニカム状セラミックに白金及びパラジウムのアンモニウム塩を分解して得た触媒を担持させたことを特徴とする請求項1記載の排気ガス浄化方法。
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