JP2005245227A - 海藻由来スフェロプラストの製造方法及びそれを含有する初期飼料 - Google Patents

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Abstract

【課題】海藻スフェロプラストを配合してなる初期飼料及び海藻スフェロプラストの製造方法を提供することにより、栄養価が高く、かつ安価な初期飼料を提供する。
【解決手段】従来のプロトプラストの作成法を簡略化した海藻スフェロプラストの製造方法により、海藻スフェロプラストを簡便に調製することが可能となる。そのようにして調製した海藻スフェロプラストを初期飼料に配合することにより、栄養価の優れた初期飼料を調製することが可能となる。なお、初期飼料を調製する際、海藻スフェロプラストに不足する栄養成分、例えば蛋白質、カロリー、必須脂肪酸であるn-3系高度不飽和脂肪酸、レシチン、ビタミン及びミネラル等を補足することが望ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、従来のプロトプラストの作成法を簡略化した海藻スフェロプラストの製造方法、並びに海藻スフェロプラストに不足する栄養成分、例えば蛋白質、カロリー、必須脂肪酸であるn-3系高度不飽和脂肪酸、レシチン、ビタミン及びミネラル等を補足してなる初期飼料に関するものである。
近年、アユ、タイ、ヒラメ、シマアジ等、各種の魚類の人工種苗生産技術が次々に確立され、全国で種苗生産が行われている。孵化直後の仔稚魚の飼育には主としてシオミズツボワムシやアルテミア等の生物餌料が使用されている。
しかしながら、これらワムシ、アルテミアの培養は熟練を要することや、栄養的に不十分であることもあり、これらの欠点を補うための工夫がなされてきた。例えば魚肉成分に食塩を作用させてゾル状とし、これに飼料成分を混合してゲル化させ、その後乾燥し粉砕することを特徴とする初期飼料(特許文献1)、鶏卵または鶏卵を酵素処理することにより得られる組成物を配合することを特徴とする初期飼料(特許文献2)などが公知である。
その他、初期飼料の原料として植物原料を使用することも考えられ、例えば大豆蛋白をはじめとする植物蛋白の加水分解物を配合することを特徴とする初期飼料に関する技術(特許文献3)が公知である。しかしながら、植物性原料は動物性原料よりも安価であるにもかかわらず、現在の養魚用飼料においては小麦粉、大豆粕、コーングルテンミール等の陸上植物由来の原料が少量使用されているにすぎない。
いわんや、海藻類はほとんど利用されていない。海藻類は色素源や免疫賦活剤あるいは粘結剤等の特殊な目的に、藻体をそのまま乾燥粉砕して用いるか、あるいは有効成分を抽出して用いているに過ぎず、その使用量も極わずかである。また、養魚飼料のうち特に高品質を要求される初期飼料には植物性原料、特に海藻類は全く使用されていない。
なお、アマノリ属のスサビノリは日本における代表的な養殖海藻で、年間約40万トン生産されており、入手は容易である。また、栄養成分も表1に示すように、海藻の中では蛋白質、並びに魚にとっての必須アミノ酸であるイソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェ二ルアラニン、スレオニン、トリプトフアン、バリン、ヒスチジン、アルギニン等が多く含まれている。また、ビタミン類ではビタミンA、K、B1、B2、ナイアシン、葉酸、B12、C等が、ミネラル類ではK、Mg、P、Fe等が多く含まれている。更に脂肪酸組成では魚の必須脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)が占める割合が高く、最近海産魚で重要な生理活性を有していることが証明されつつあるタウリンも豊富に含まれている。このように海藻類の中では、スサビノリは優れた栄養成分を有していることが知られている。
Figure 2005245227
特開平05-292896号公報 特開平05-292898号公報 特開平08-051937号公報 荒木利芳著、能登谷正浩編「プロトプラスト単離技術(水産学シリーズ 113、有用海藻のバイオテクノロジー、62−72)」恒星社厚生閣、1997年 渡辺 武著、「親魚用飼料(水産学シリーズ54、養魚飼料―基礎と応用、米 康夫編、135−145)」恒星社厚生閣、1985年
海藻類、特にアマノリ属の海藻が養魚用初期飼料の原料として利用されていない主たる理由は、アマノリの細胞壁が魚の消化管内で消化されないため、栄養成分が吸収できないこと、及びアマノリ単独では栄養成分に欠点があることが考えられる。もしそれが原因であれば、アマノリの細胞壁を除去してプロトプラストあるいはスフェロプラストの状態にすることにより魚による消化吸収を容易にし、更に不足している栄養成分を補足することにより、養魚用初期飼料の原料として利用できるようになると考えた。
課題を解決するための手段は、以下の通りである。
(1) 海藻スフェロプラストを含有することを特徴とする、初期飼料。
(2) 海藻スフェロプラストが、以下の工程すなわち:
(a)海藻を細断する工程、
(b)細断された海藻をβ−1,4−マンナーゼ、アガラーゼ及びβ−1,3−キシラーゼよりなる群から選択される一または二以上の酵素で処理する工程、及び
(c)遠心分離を行い、沈殿物を乾燥する工程
により得られることを特徴とする、前記(1)に記載の海藻スフェロプラストの製造方法。
(3) 海藻がアマノリ属の海藻由来であることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の初期飼料。
(4) アマノリ属の海藻がスサビノリであることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の製造方法。
(5) タンパク質、カロリー、n−3系高度不飽和脂肪酸、レシチン、ビタミン、ミネラルを補足してなることを特徴とする、前記(1)から(4)のいずれかに記載の初期飼料。
(6) 初期飼料が淡水魚用の初期飼料であることを特徴とする、前記(1)から(5)のいずれかに記載の初期飼料。
(7) 初期飼料が海水魚用の初期飼料であることを特徴とする、前記(1)から(5)のいずれかに記載の初期飼料。
本発明の海藻スフェロプラストの製造方法により、海藻スフェロプラストを簡便かつ安価に調製することが可能となる。また、それを初期飼料の原料として用いることにより、魚類にとって消化し易く栄養価の高い初期飼料を提供することが可能となる。
海藻を養魚飼料特に初期飼料の原料として使用する場合、大量入手が容易で、栄養成分の組成が優れており、また、プロトプラストあるいはスフェロプラストの調製方法が確立されていることが必要条件である。これらの必要条件を満たす海藻であれば特に限定されるものではないが、スサビノリの場合、プロトプラスト調製法は荒木によって確立されており(非特許文献1)、また上述のように栄養成分を豊富に含んでいるという理由から、アマノリ属特にスサビノリが望ましい。
本発明の海藻スフェロプラストは、海藻特にアマノリ属の海藻を物理的に細断し、その後β-1,4-マンナナーゼ、アガラーゼ、β-1,3-キシラーゼのうちの一つまたは二つ以上により構成される海藻の細胞壁溶解酵素群による処理を行い、酵素処理後の海藻を回収し、乾燥させることにより調製する。海藻の細断後、前記細胞壁溶解に用いる酵素量は、300〜700gの海藻を処理する場合、β-1,4-マンナナーゼが500〜2000ユニット/L、アガラーゼが20〜80ユニット/L、β-1,3-キシラーゼが20〜80ユニット/L程度である。前記酵素は、海水または緩衝液に溶解することにより使用可能である。酵素処理後、前記の乾燥を行う場合には、成分の熱変成をもたらさない程度の低温乾燥法であればいずれの方法でも適用可能であり、凍結乾燥法、スプレードライ法、低温送風乾燥法等が可能である。なお、このスフェロプラストの調整法は、従来のプロトプラストの調製法よりも簡便で、コストも少なく、有用な方法である。
スフェロプラストとは、一般に細胞壁を酵素処理によって部分的に取り除くことにより得た球状の原形質体を指す。アマノリ特にスサビノリにおいて上記のような処理を行った場合、スサビノリの細胞は、一つ一つが完全にバラバラになっている状態の細胞以外にも、数個〜数十個の細胞が凝集していているものも存在しており、本発明ではこのような状態をスフェロプラストと定義する。なお、プロトプラストとは、植物や微生物などの細胞壁を酵素処理によってほぼ完全に取り除くことにより得た球状の細胞のことを指す。
海藻スフェロプラストを初期飼料に使用する場合、海藻スフェロプラストのみでは、例えばタンパク質、カロリー、n−3系高度不飽和脂肪酸、レシチン、ビタミン、ミネラル等が不足するため、これらの栄養素を適宜補足するのが望ましく、通常は初期飼料中に海藻スフェロプラストを50〜90質量%の範囲で配合するのが望ましい。なお、本発明の海藻スフェロプラストを含有する初期飼料は、海水魚及び淡水魚の両方に適用可能である。
スサビノリスフェロプラストの調製
スサビノリのスフェロプラスト調製は、図1に示す工程で行った。約500gのスサビノリをカミソリなどで細断し、細断したスサビノリを1000ユニットのβ-1,4-マンナナーゼ(新日本化学)、50ユニットのアガラーゼ(ヤクルト薬品エ業)、50ユニットのβ-1,3-キシラーゼ(ヤクルト薬品工業)を1Lの海水に溶解した酵素液に投入し、20℃で20時間穏やかに撹絆する。その後、2000Gで10分間遠心分離し、沈下物を回収して凍結乾燥する。得られた乾燥物をスフェロプラストの乾燥物として試験に用いた。
メダカの飼育試験
前述の方法で作成したスサビノリのスフェロプラストを用いてメダカの飼育試験を行った。供試したメダカは熱帯魚店で市販されている魚を購入して用いた。試験区はA、Bの2区で、A区にはスフェロプラストをそのまま与え、B区には市販のメダカ用飼料(Tetra Killi Min, Tetra Inc.)を与えた。両飼料の分析値は表2に示す通りで、スフェロプラスト飼料は市販飼料に比べて蛋白質と脂質が少なく、必然的にカロリー含量が低く、逆に灰分は非常に多い。
Figure 2005245227
飼育試験には両飼料ともに17×17×17cmの水槽を2個ずつ用い、水槽毎に10尾ずつのメダカを収容した。従って、各飼料に20尾を供したことになる。水槽毎の水温調整は行わず、20℃の恒温室内で通気を行って飼育した。投餌は両飼料ともに1日に100mg(午前中50mg、午後50mg)とした。市販のメダカ用飼料はそのまま与え、スフェロプラストは手で押しつぶして与えた。両飼料ともメダカ用に飼料の粒度を調整していないので、メダカに食べられずに水中に逸散したものや、そのまま水槽底に沈下した物などがあった。飼育期間は55日間である。ただし、スフェロプラスト区の1水槽は飼育試験終了後も同じスフェロプラスト飼料で150日目まで飼育を継続した。両飼料区とも飼育30日目から55日目まで、1水槽を用いて産卵数を調べ、雌1尾当たりの1日の産卵数を求めた。また、飼育試験終了後両飼料区の1水槽分の魚を用いて全魚体の成分分析を行った。飼育結果は表3に示す。
Figure 2005245227
55日間の飼育期間中、スフェロプラスト区、市販飼料区とも1尾ずつが死亡したが、残りの19尾は生残しており、生残魚に異常は認められなかった。また、スフェロプラスト区の1水槽は、その後も同じ飼料で飼育を続けたが、150日の長期にわたってなんら異常なく飼育出来た。よって、メダカはスサビノリのスフェロプラストだけでも充分に飼育出来ることが証明出来た。成長や飼料効率、蛋白質効率は市販飼料区に比べてスフェロプラスト区が劣ったが、この原因として飼料の成分と形状が挙げられる。成長や飼料効率、蛋白質効率は飼料のエネルギー含量に規定される割合が大きく、スフェロプラスト飼料の低蛋白質、低脂質含量による低エネルギー含量がこれらの数字を悪くしたと考えられる。また、スフェロプラスト飼料は凍結乾燥品をただ単に手で押しつぶしただけで、メダカの口にあった大きさに篩別していない為、食べられずに無駄になった部分が市販飼料より多かったと考えられる。飼育試験終了時の魚体成分は表4に示す。
Figure 2005245227
水分と蛋白質含量は両飼料区ともほぼ同じであったが、脂質は市販飼料区がスフェロプラスト区より2.7倍高かった。これは市販飼料の脂質含量がスフェロプラスト飼料の3.2倍高いことに起因していると考えられる。灰分含量はスフェロプラスト区が市販飼料区より1.3倍高い値を示したが、これはスフェロプラストが市販飼料の2倍量の灰分を含んでいることと関係があるのかもしれない。
表5に示すように雌1尾当たりの産卵数は市販飼料区の方がスフェロプラスト区より1.6倍多かった。
Figure 2005245227
これも成長と同様に飼料のエネルギー含量が関係していると思われる。また、市販飼料区の卵と仔魚は白っぽかったが、スフェロプラスト区の卵と仔魚は黄色がかっていた。これはスサビノリに豊富に含まれているカロチノイド色素が卵に移行した為であろう。カロチノイド色素は卵の質を良くすることがマダイ他多くの魚種で明らかにされており(非特許文献2)、スサビノリのスフェロプラストは優れたカロチノイド供給源であるといえる。両飼料区とも産まれた卵から20個ずつ取り、孵化・飼育試験を行った。試験は20℃の恒温室で行い、卵ならびに孵化仔魚を収容した容器(シャーレ)の水は毎日交換した。両区の卵はいずれも正常に胚を形成し、約2週間でスフェロプラスト区が18個、市販飼料区が17個孵化した。更にこれらの孵化仔魚を親と同じ飼料で飼育したところ、スフェロプラスト区は市販飼料に比べて成長は遅いものの、1カ月以上異常なく飼育出来た。従来は海藻単独では魚は全く飼育出来なかったが、本試験のようにスサビノリのスフェロプラスト単独でメダカの飼育が可能になったのは、酵素処理によってスサビノリの細胞壁を除去した為、メダカがスサビノリの栄養成分を消化吸収出来るようになった結果であると考える。成長と飼料効率はスフェロプラストに不足している成分、例えば蛋白質や脂質を補足し、充分な栄養を有する飼料にすることによって改善出来るものと推定する。
トラフグの飼育試験
メダカの飼育試験からスサビノリのスフェロプラストのみではカロリーが不足していることが明らかである。また、海産魚であるトラフグはある程度の蛋白レベルと、n-3系高度不飽和脂肪酸(特にドコサヘキサエン酸DHA)、レシチン(フォスファチジールコリン)等を多量に要求する。よって、これらの栄養成分を補足してやる必要がある。また、飼料の粒径も魚の口の大きさにあった大きさにしてやらなければならない。
試験には4種類の飼料を用いた。表6に飼料の組成と一般成分の分析値、表7に脂肪酸組成を示す。
Figure 2005245227
Figure 2005245227
C区の飼料が色々な成分の調整を行った物である。市販飼料はオリエンタル酵母工業(株)社製の海産魚用初期飼料“なぎさ”を用いた。それぞれの試験飼料はイカ油以外の原料を混合した後微粉砕し、流動層造粒法で造粒・乾燥した。飼料は100μm以下、100〜150μmおよび150〜470μmの3つの粒径に篩別し、C飼料のみ5%量のイカ油をスプレーコーティングした。
供試魚には富山県産天然親魚より種苗生産した日令24日のトラフグ稚魚を用いた。1区1水槽とし、100L容角型水槽に1000尾を収容して飼育した。飼育水は水温無調整の砂濾過海水をかけ流した。試験飼料は毎日7時から18時までの間、1.5〜2.0時間毎に手巻きで飽食量を与え、飼料サイズは魚の成長に応じて順次大型のものを用いた。水槽底の掃除は毎日午後にサイフォンを用いて行った。飼育期間は平成15年6月9日から6月21日の2週間である。飼育試験終了時に各区20尾の魚をタモ網を用いて15秒間空中露出して水に戻し、2.5時間後までの生残率を求め、魚の活力を示す指標とした。 飼育結果は表8に示す。
Figure 2005245227
飼育期間中常に活発な摂餌が見られたが、飼育開始10日目頃より斃死魚の出現が目立つようになり、特にスフェロプラスト単用のA区でその傾向が顕著であった。また、試験期間を通して大型個体が小型個体を攻撃する噛み合いが頻繁に認められ、それに起因する斃死も多く見られた。生残率はA区が特に低く、終了時にわずか7.5%が生き残ったにすぎなかった。特に試験終了の数日前より斃死個体の出現が顕著に増加し、その時のピンヘッド状の体型や非活力的な遊泳状態などから、栄養失調が原因と考えられる。魚油、イカ油、ビタミン混合、ミネラル混合、大豆レシチン、イカミール等をスフェロプラストに添加したB・C区ならびに市販飼料のD区も実際の種苗生産事例に比べて生残率が低いが、魚の活力はA区に比較すると旺盛であったので、これらの区の斃死のかなりの部分は狭い水槽に多数の魚を収容して飼育したことに起因する共食いによるものであると考える。
試験開始時には平均体長7.3mmであったが、2週間の飼育で8.5〜10.5mmに成長した。しかしながら、スフェロプラスト単独使用のA区、スフェロプラストを87%使用したB区はスフェロプラストを54%まで減らしてイカミール、イカ油、大豆レシチン等を添加したC区と市販飼料区D区に比べて有意に劣る結果であった。これは活力試験にも顕著に表れており、スフェロプラスト単用のA区が最も活力が劣り、C区とD区が高い活力を示し、B区は中間の値を示した。飼料の分析値、生残率、体型および活力等からA区とB区は飼料のエネルギー含量(有効な蛋白質と脂質含量)ならびにn3系高度不飽和脂肪酸(特にドコサヘキサエン酸DHA)の不足であったと判断出来る。
メダカとトラフグの結果から、スサビノリのスフェロプラスト単独では養魚用飼料特に初期飼料としての使用は適切でないことがはっきりした。しかしながら、その栄養成分の不足、具体的には蛋白質、脂質、カロリー、n3系高度不飽和脂肪酸、レシチン等を補ってやることによって初期飼料の原料として淡水魚、海水魚ともに充分利用出来ることが証明出来た。
本発明の海藻スフェロプラストの製造方法により、海藻スフェロプラストを簡便かつ安価に調製することが可能となる。また、それを初期飼料の原料として用いることにより、魚類にとって消化し易く栄養価の高い、特に灰分を豊富に含有する初期飼料を提供することが可能となる。
アマノリスフェロプラストの調整法を示した説明図である。(実施例1)

Claims (7)

  1. 海藻スフェロプラストを含有することを特徴とする、初期飼料。
  2. 海藻スフェロプラストが、以下の工程すなわち:
    (a)海藻を細断する工程、
    (b)細断された海藻をβ−1,4−マンナーゼ、アガラーゼ及びβ−1,3−キシラーゼよりなる群から選択される一または二以上の酵素で処理する工程、及び
    (c)遠心分離を行い、沈殿物を乾燥する工程
    により得られることを特徴とする、海藻スフェロプラストの製造方法。
  3. 海藻がアマノリ属の海藻由来であることを特徴とする、請求項1または2に記載の初期飼料。
  4. アマノリ属の海藻がスサビノリであることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の製造方法。
  5. タンパク質、カロリー、n−3系高度不飽和脂肪酸、レシチン、ビタミン、ミネラルを補足してなることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の初期飼料。
  6. 初期飼料が淡水魚用の初期飼料であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の初期飼料。
  7. 初期飼料が海水魚用の初期飼料であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の初期飼料。

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