JP2005245063A - 電動機制御システム - Google Patents

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喜九雄 阿部
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Abstract

【課題】 電動機制御装置のステーション番号の設定を制御基板交換時に自動的に行う手段を備えた電動機制御システムを提供する。
【解決手段】 複数台の電動機制御装置1と、この複数台の電動機制御装置夫々に運転制御指令を与える主幹制御装置3と、前記電動機制御装置1の制御基板6内の演算装置と前記主幹制御装置3間のデータのやりとりを行うための伝送装置4とで構成し、前記伝送装置4は、前記電動機制御装置を特定するためのステーション番号と当該ステーション番号に対応したデータから成る伝送データ41を、コモンメモリのサイクリックスキャン方式によって伝送する機能を有し、
前記電動機制御装置1の制御基板6の少なくとも1個を交換したとき、当該電動機制御装置1のステーション番号が自動認識機能により自動的に認識されるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動機制御装置と主幹制御装置とが伝送装置を介して接続された電動機制御システムに係り、特に電動機制御装置の制御基板の交換を合理的に行うことが可能な電動機制御システムに関する。
一般に、複数台の電動機制御装置を使用して電動機制御システムを構成する場合、主幹制御装置と呼ばれる装置が、複数台の電動機制御装置に対し目標となる電動機速度や起動指令を与え、電動機制御装置はこの指令により速度制御や起動停止制御を行う。また、主幹制御装置は、電動機制御装置の状態を監視し、異常があった場合、電動機制御装置に停止指令を出したり、関連する他の電動機制御装置に停止指令を与えたりする。即ち、電動機制御装置と主幹制御装置は協同して動作している。尚、現在のディジタル化された電動機制御システムにおいては、電動機制御装置と主幹制御装置は、ディジタル伝送装置を介して通信を行っている。
このように複数台の電動機制御装置と主幹制御装置が伝送装置を介して互いに通信を行う電動機制御システムにおいて、稼動中に個々の電動機制御装置の制御用のデータを簡単に書き変えることができるように改良する工夫も為されてきている(例えば特許文献1参照。)。
特開2003−52189号公報(第4−9頁、図2)
上述の電動機制御システムにおいて、電動機制御装置と主幹制御装置が、伝送装置を介して互いにデータのやりとりを行うためには、各々の装置を特定するために装置固有のステーション番号を正確に設定する必要がある。通常、このステーション番号は、ドキュメントに記載されており、このドキュメントを見ながらオペレータが、電動機制御装置の制御基板に設けられたスイッチ等により手動で設定すること多かった。このため、設定を正しく行うためには、ドキュメントの管理、保管、及びドキュメントのチェック等を正しく行うことが必要となるが、誤設定の恐れが常にあるという問題があった。また、システム稼動の初期状態では制御基板にPC等を接続して直接ステーション番号等のデータ書き込んで設定を行うが、何らかの原因により制御基板を交換することが必要となったとき、PC等を改めて接続するのは操作が煩雑となってしまうという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みて為されたもので、その目的は、電動機制御装置のステーション番号の設定を制御基板交換時に自動的に行う手段を備えた電動機制御システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の電動機制御システムは、電動機を可変速駆動する複数台の電動機制御装置と、この複数台の電動機制御装置夫々に運転制御指令を与える主幹制御装置と、前記電動機制御装置の制御基板内の演算装置と前記主幹制御装置間のデータのやりとりを行うための伝送装置とから構成され、前記伝送装置は、前記電動機制御装置を特定するためのステーション番号と当該ステーション番号に対応したデータから成る伝送データを、コモンメモリのサイクリックスキャン方式によって伝送する機能を有し、前記電動機制御装置の制御基板の少なくとも1個を交換したとき、当該電動機制御装置のス
テーション番号が自動認識機能により自動的に認識されるようにしたことを特徴としている。
本発明によれば、電動機制御装置のステーション番号の設定を制御基板交換時に自動的に行うことが可能となるため、設定器が不要で、且つ短時間で基板交換が可能となる信頼性の高い電動機制御システムを提供することができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
本発明の実施例1を図1を参照して説明する。図1(a)は本発明に係る電動機制御システムのブロック構成図である。
電動機制御装置1A、1B及び1Cは夫々電動機2A、2B及び2Cを可変速駆動するための装置であり、電動機2A、2B及び2Cが交流電動機の場合は、可変電圧/可変周波数の電力を電動機2A、2B及び2Cに与える。また電動機制御装置1A、1B及び1Cの入力は商用電源から得るのが普通であるが、図1(a)では図示を省略している。尚、図1(a)においては、電動機制御装置を3台から成る構成としているが、更に多数の電動機制御装置がある構成としても良い。
主幹制御装置3は複数台の電動機制御装置1A、1B及び1Cの制御あるいは監視を行うための装置であり、電動機制御装置1A、1B及び1Cへの制御指令データの送信、また電動機制御装置1A、1B及び1Cからの監視用データの受信を伝送装置4を介して行う。
伝送装置4は、主幹制御装置3内に収納された親局40、電動機制御装置1A、1B及び1C内に夫々収納された子局40A、40B及び40Cを光または電気ケーブルでループ状に接続して構成されている。親局40は主幹制御装置3内の主幹制御基板5の演算装置と、また子局40A、40B及び40Cは夫々電動機制御装置1A、1B及び1C内の制御基板6A、6B及び6Cの演算装置と互いに上述したデータのやりとりを行っている。
伝送装置4によって扱われるデータは所謂コモンメモリ方式となっており、その中身は図1(a)の伝送データ41に示すように、主幹装置3並びに各電動機制御装置1A、1B及び1Cに割り当てられた夫々固有のステーション番号に付随したデータが伝送される。このステーション番号は、システム稼動の初期の段階で、例えばオフラインで動作するPC等からのデータローディングを行うことにより予め制御基板6A、6B及び6Cに与えられている。
そして、主幹制御装置3の主幹制御基板5並びに各電動機制御装置1A、1B及び1C内の制御基板6A、6B及び6Cの演算装置は、上記コモンメモリに送られてきた伝送データ41から自分のステーション番号に対応するデータのみを読み込み、他のデータは無視するようになっている。
以上説明した伝送装置4によるデータ伝送はサイクリックに行われる。この実際の伝送のステップを以下に更に詳しく述べる。
親局40は、まず、ステーション番号1の子局40Aに対して、データを送る。この場
合、例えば、最初にステーション番号を送り、次に1ワード目のデータ、その次に2ワード目のデータ、最後に10ワード目のデータを送って終了するというように伝送手順が予め取り決められている。
尚、実際には、この一連のデータの前後に、信号の同期を取るためのデータ、送られてきたデータが正常であるか、ノイズ等により壊れていないかをチェックするためのデータ等が付加されている。
親局40より送信されたデータは、全ての子局40A乃至40Cが受信する。子局40Aがデータを受信すると、最初にノイズ等によりデータが壊れていないかをチェックし、次に、自分のステーション番号に向けて送信されたデータか否かをチェックする。
自分のステーション番号向けでない場合には、データはそのまま捨てられる。伝送データ41が自分のステーション番号向けの場合には、送られてきた制御指令のデータを保存し、電動機制御装置1Aにこれを伝え、次に、親局40へ電動機制御装置1Aの監視用のデータを送信する。この場合も親局40と同様、最初に親局40のステーション番号を送り、次に1ワード目のデータ、その次に2ワード目のデータ、最後に10ワード目のデータを送って完了するというように伝送手順が予め取り決められている。尚、上記データは親局40の他に全ての子局40B及び40Cも受信するが、自分のステーション番号でない場合、上述したようにデータは捨てられる。
親局40は、ステーション番号1の子局40Aから、データが送られてくると、ノイズ等によりデータが壊れていないかを、チェックし、次に、自分のステーション番号に向けて送信されたデータか否かを、チェックする。
この伝送データ41が自分のステーション番号向けの場合には、送られてきたデータを保存し、主幹制御装置3へ伝える。このようにして、次にはステーション番号2の子局40Bへ、制御指令のデータを送り、以下同様のことをサイクリックに繰り返す。
以上の動作、即ちコモンメモリのサイクリックスキャン伝送方式により、親局40即ち主幹制御装置3と、子局40A乃至40C即ち電動機制御装置1A乃至1Cとは常時データのやりとりを行う。
次に、制御基板6A乃至6Cのうちの1個が何らかの原因で故障し、これを予備の制御基板に交換した場合の動作を考える。
図1(b)は、本発明の実施例1の動作を示すフローチャートである。
主幹制御装置3は、予め電動機制御装置1A乃至1C内に設置された子局40A乃至40Cのステーション番号のリストを記憶している。
電動機制御装置1A乃至1Cのうちの何れか1個の制御基板を交換した場合、この交換した制御基板のステーション番号は仮設定されているものとする。例えば伝送装置4の親局40に接続できる電動機制御装置1の子局が最大254台とすると、運用上は253台を最大とし、予備の基板には254のステーション番号を仮設定しておく。
この状態では、伝送装置4が扱うステーション番号としては、基板交換した電動機制御装置1の子局のステーション番号が欠番となり、代わりにステーション番号254が存在していることになる。
先ず主幹制御装置3は、予め持っているステーション番号リストの先頭のステーション番号を選択する(ST1)。次にこのステーション番号に相当する子局40nが正常か否かをチェックする(ST2)。ここで正常かどうかのチェックは、例えば子局40nが親局40から送付された制御指令のデータを認識し、所定時間以内に親局40に向けてアンサーバックとしての監視用のデータが送信されてきたかどうかで判断すれば良い。
子局40nが正常であれば、全てのステーションが終了したかどうかのチェックを行う(ST3)。全てのステーションが終了していなければ、親局40は次のステーション番号を選択する(ST4)。以下同様にステップST2、ステップST3及びステップST4を繰り返す。
そして、ステップST2で正常でない子局40kを見つけた時点で、このステーション番号kが基板交換されたステーションであると自動認識する(ST5)。また同時に、ステーション番号254の子局40kに対して、ステーション番号を254からkに変更するよう命令を出す。
以上の動作により、電動機制御装置1の制御基板を入れ替えても、正常なステーション番号に自動的に設定することが可能となる。
この方式を使用することにより、電動機制御装置1としては、制御基板交換時に、実際のステーション番号の設定を設定器等によって行う必要はなくなる。
以上説明したように、実施例1の電動機制御システムによれば、電動機制御装置のステーション番号の設定を制御基板交換時に自動的に行うことが可能となるため、設定器が不要で、且つ短時間で基板交換が可能となる信頼性の高い電動機制御システムを提供することができる。
図2は、本発明の実施例2に係る電動機制御システムの動作を示すフローチャートである。この第2の実施例の動作を示すフローチャートの各ステップについて、図1(b)の実施例1の動作を示すフローチャートの各ステップと同一ステップは同一符号で示し、その説明を省略する。
この実施例2の動作を示すフローチャートが図1(b)の実施例1の動作を示すフローチャートと異なる点は、電動機制御装置のステーション番号を確定するステップST5の後に電動機制御装置の設定値データをダウンロードするステップST6を追加した点である。ここで設定値データとは、各電動機制御装置固有の制御パラメータ等を意味している。
実施例1と同様、主幹制御装置3には、あらかじめ電動機制御装置1のステーション番号のリストが記憶されている。
従って、実施例1と同様の手順により、主幹制御装置3は、制御基板6kを交換した電動機制御装置1kを特定し、ステーション番号を入れ替えることができ、更に、電動機制御装置1kの設定値データ全てを、主幹制御装置3に予め記憶させておけば、特定された電動機制御装置1kに、この主幹制御装置3が持っている設定値データを書き込むことができる。
尚、上記の設定値データの書き込みは、必ずしも制御基板交換時だけに行う必要はなく、設定値データが何らかの原因によって失われたとき、自動的に書き込まれるようにして
も良い。
以上述べたように、本発明の実施例2によれば、電動機制御装置のステーション番号の自動変更は勿論、電動機制御装置の設定値データも、制御基板交換時に、自動設定することができるので、短時間で基板交換が可能となる信頼性の高い電動機制御システムを提供することができる。
本発明の実施例1に係る電動機制御システムのブロック構成図及び動作フローチャート。 本発明の実施例2に係る電動機制御システムの動作フローチャート。
符号の説明
1、1A、1B、1C 電動機制御装置
2A、2B、2C 電動機
3 主幹制御装置
4 伝送装置
40 親局
40A、40B、40C 子局
41 伝送データ
5 主幹制御基板
6、6A、6B、6C 制御基板

Claims (3)

  1. 電動機を可変速駆動する複数台の電動機制御装置と、
    この複数台の電動機制御装置夫々に運転制御指令を与える主幹制御装置と、
    前記電動機制御装置の制御基板内の演算装置と前記主幹制御装置間のデータのやりとりを行うための伝送装置と
    から構成され、
    前記伝送装置は、前記電動機制御装置を特定するためのステーション番号と当該ステーション番号に対応したデータから成る伝送データを、コモンメモリのサイクリックスキャン方式によって伝送する機能を有し、
    前記電動機制御装置の制御基板の少なくとも1個を交換したとき、
    当該電動機制御装置のステーション番号が自動認識機能により自動的に認識されるようにしたことを特徴とする電動機制御システム。
  2. 前記自動認識機能は、
    前記主幹制御装置が前記電動機制御装置に次々とデータ伝送を行い、
    所定時間内にアンサーバックのデータが来ない電動機制御装置を
    交換された制御基板を有する電動機制御装置と認識することを特徴とする請求項1に記載の電動機制御システム。
  3. 前記電動機制御装置内の設定値データが何らかの原因で失われたとき、
    前記主幹制御装置または前記伝送装置に保存してある設定値データを使用することにより、自動的に設定値データを復元できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電動機制御システム。



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