JP2005244008A - 電気二重層コンデンサ - Google Patents

電気二重層コンデンサ Download PDF

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竜一 笠原
Hiroyuki Kamisuke
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Abstract


【課題】 内部抵抗が小さく、自己放電特性の良い電気二重層コンデンサを提供する。
【解決手段】 電解質溶液9をしみ込ませたセパレータ6aを介して対向配置された一対の分極性電極を有する電気二重層コンデンサにおいて、前記セパレータ6aが非導電性多孔質セラミックより構成された電気二重層コンデンサとする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、各種電子機器に使用される、電極と電解質との界面に生じる電気二重層に電荷を蓄積する電気二重層コンデンサに関する。
従来の電気二重層コンデンサについて、図1、図2、図3を参照して説明する。図1は、従来の電気二重層コンデンサの一例を示す図で、図1(a)は正面図、図1(b)は下面図、図1(c)は上面図、および図1(d)と図1(e)は側面図である。図2は、基本セルを示す断面図であり、図3は、図1に示されている電気二重層コンデンサをA−A’面で切断した場合の断面図である。
従来の電気二重層コンデンサは、図3に示されるように、セル積層体8、端子電極1、外装パッケージ2から構成されており、セル積層体8は図2の基本セル7を複数個重ねた構成である。
図2に示されるように、基本セル7では、非導電性でイオン透過性を有する多孔質のセパレータ6を介して対向配置された一対の分極性電極4が中空のガスケット3に封入されている。枠状のガスケット3の上面および下面には開口部が形成され、一対の分極性電極4のセパレータ6と反対側の面には、それぞれに集電体5が接合されると共に、この上下面の開口部が封止されている。また、ガスケット3の内部には、セパレータ6及び分極性電極4と共に電解質溶液9が封入されており、この電解質溶液9がセパレータ6および分極性電極4にしみ込んでいる。
分極性電極4には、粉末活性炭または活性炭繊維と導電性付与剤を主成分としたシート状または固体状の材料が用いられる。また、集電体5の材質としては、導電性カーボンを含有するゴムまたは、プラスチックや金属箔などが用いられている。
セル積層体8の両端には端子電極1が取り付けられており、それぞれの端子電極1のセル積層体8と反対側の面には外装パッケージ2が取り付けられている。セル積層体8の両端の端子電極1同士の距離が狭くなる方向にそれぞれの端子電極1に圧力がかけられて、その状態が外装パッケージ2により保持されている。このように外装パッケージ2によって一定の圧力で保持されることにより、隣り合う基本セル7同士の間や、基本セル7と端子電極1との間が密着されて、電気二重層コンデンサの各構成部品同士の接触面での接触抵抗が下げられている。
ところで、このような電気二重層コンデンサにおいて、近年、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)、DSC(Digital Still Camera)など電池の負荷変動吸収用のデバイスとして二次電池と組合せて用いられる用途が検討されつつある。どの用途の場合も、アシストする負荷電流が大きくなるほど、電気二重層コンデンサにはパワーが求められ、内部抵抗が低い必要がある。また、併用して使用される二次電池に対し、電気ニ重層コンデンサの自己放電特性は高い必要がある。さらに機器の薄型化にともない電気ニ重層コンデンサへの薄型化の要求も高い。
従来、このような要求に対し、パワー密度を向上させるために内部抵抗を低減し、かつ自己放電特性を高める方法が提案されている。例えば、特許文献1には、ポリエチレン、ポリプロリレンといった疎水性のポリオレフィン系樹脂を用い、その表面に界面活性剤を塗布して親水性を持たせたセパレータ6を構成材料とする電気二重層コンデンサが開示されている。また、特許文献2および特許文献3には、ガラス繊維シートからなるセパレータ6を使用した電気二重層コンデンサが開示されている。
特開2000−311837号公報 特開平9−289140号公報 特開平1−304719号公報
しかしながら、従来技術には、以下に掲げる問題があった。特許文献1に開示されている電気二重層コンデンサは、自己放電特性を保ちつつ薄型化および内部抵抗の低減をするのが困難であるという問題があった。その理由は、本文献記載のポリエチレン、ポリプロピレンと言った疎水性のポリオレフィン系樹脂を用いたセパレータ6では、セパレータ6を介して配置されている分極性電極4を構成する粉末活性炭10の微粉末を確実にセパレートする気密性、緻密性が得がたい。そのため、微粉末の連結性を避け、自己放電特性の悪化を防ぐ為には厚みを厚くする必要があることである。
また、特許文献1に記載のセパレータ6では、もともと疎水性のオレフィン系樹脂の表面に界面活性剤を用いた化学処理を施して親水性を持たせているため、経時的に界面活性剤がオレフィン系樹脂表面から脱落し、電解質溶液9のドライアップ現象がセパレータ6内において進行し内部抵抗を高くすることである。
また、セパレータ6の役割は、分極性電極4の間を電気的に絶縁する一方、充放電に伴って起きる電解質溶液9中のイオンの移動を円滑にする事であるが、ポリオレフィン系のセパレータ6では、その表面を親水処理することにより改善はしているが、もともと電解質溶液9の吸液性と保液性が低い為、イオン移動度が低くて電気二重層コンデンサの内部抵抗が高くなり、そのため、瞬時の大電流放電を行うと電圧降下が大きく実用的ではないことである。
特許文献2および特許文献3に開示されている電気二重層コンデンサの場合、ガラス繊維シートからなるセパレータ6はポリオレフィン系樹脂からなるセパレータ6と比較すると一般的には繊維が細く、電解質溶液9に対する濡れ性が優れるため吸液性と保液性が高い。従って、ガラス繊維シートからなるセパレータ6を用いるとイオン移動度が高くなり電気二重層コンデンサの内部抵抗を低くできる。また、ガラス繊維は高温になっても溶けないので、セパレータ6の融解による内部ショートが発生する事もない。
しかしながら、特許文献2および特許文献3に開示されている電気二重層コンデンサの場合、薄型化および自己放電特性の向上が十分ではないという問題点があった。その理由は、緻密性、気密性が得がたく、分極性電極4を構成する粉末活性炭10などの微粉末の脱粒を防ぎ、ショート不良率を下げ、自己放電特性を確保する事が困難であるためである。
通常、ガラス繊維シートを用いて気密性を向上させる方法としては、繊維径の変更および充填密度アップが上げられるが、繊維径を変えるだけでは空孔部分の孔径を制御することはできず、結局、自己放電特性を向上させるために充填密度を上げることが必要となる。しかし、充填密度を上げるとイオン移動度が低くなり内部抵抗が高くなるため顕著な効果は期待できない。また、ガラス繊維シートからなるセパレータ6は強度が弱く、薄く加工する事が困難であり、100μm以下の厚さにする事は難しい。
本発明は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、内部抵抗が小さく、自己放電特性が良く、かつ薄型化可能な電気二重層コンデンサを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の電気二重層コンデンサは、
1.電解質溶液をしみ込ませたセパレータを介して対向配置された一対の分極性電極を有する電気二重層コンデンサにおいて、前記セパレータを非導電性多孔質セラミックより構成する。
2.前記非導電性多孔質セラミックを、SiO2やAl23などの酸化物とする。
3.前記セパレータとして非導電性多孔質セラミックのセパレータシート、もしくは分極性電極表面上に非導電性多孔質セラミック層として形成したセパレータとする。
4.前記分極性電極表面上に形成されている非導電性多孔質セラミック層の厚みを0.75μm以上とする。
即ち、本発明は、電解質溶液をしみ込ませたセパレータを介して対向配置された一対の分極性電極を有する電気二重層コンデンサにおいて、前記セパレータが非導電性多孔質セラミックより構成されている電気二重層コンデンサである。
また、本発明は、非導電性多孔質セラミックが、SiO2又はAl23である電気二重層コンデンサである。
また、本発明は、セパレータとして非導電性多孔質セラミックが分極性電極表面上に形成されている電気二重層コンデンサである。
また、本発明は、分極性電極表面上に形成されている非導電性多孔質セラミックの層の厚みが0.75μm以上である電気二重層コンデンサである。
本発明は、以上のように構成されているので、以下に掲げる効果を奏する。本発明による第一の効果は、従来の電気二重層コンデンサに対して内部抵抗を十分に低減する事ができる点にある。これは、空孔率の高い非導電性多孔質セラミックをセパレータとして使用することでセパレータの保液性が高まりイオン移動度が高まった事による。
本発明による第二の効果は、電気二重層コンデンサの自己放電特性の向上を実現する点にある。これは、制御された細孔径を有する非導電性多孔質セラミックをセパレータとして使用することで、分極性電極を構成している粉末活性炭などの脱粒等による漏れ電流の増加を減少させることができる事による。
次に、本発明に係る電気二重層コンデンサについて図面を参照して説明する。
図1に、本発明の一例の電気二重層コンデンサの構造を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は下面図、図1(c)は上面図、図1(d)と図1(e)は側面図である。図2に、本発明の一例の電気二重層コンデンサに用いられる基本セルの断面図を示す。また、図3には、本発明の一例の電気二重層コンデンサを説明する図1のA−A’断面図を示す。図1、図2、図3に示す電気二重層コンデンサの基本構造は本発明でも、従来例でも変わらないので、同じ図面を使用している。図4、図5に、本発明の主題であるセパレータ6a、6bの模式的断面拡大図をそれぞれ示す。
図2に示すように、本発明に係る基本セル7は、従来例と同様に電解質溶液9を含有するセパレータ6a、6bを介して対向配置された分極性電極4と集電体5並びに分極性電極4の外周部に配置されたガスケット3から構成されている。
本発明の基本セル7を製造する方法では、集電体5の上に分極性電極4を形成し、分極性電極4とセパレータ6a、6bの中に電解質溶液9を注入する。集電体5上に形成された分極性電極4がセパレータ6a、6bを介して互いに向き合うように配置し、ガスケット3の枠内にセパレータ6a、6b及び一対の分極性電極4を収容する。その後、ガスケット3の開口部を集電体5で覆う事によって基本セル7が製造される。
図3で示すように、このようにして作製した基本セル7を使用する電圧に応じて複数積層してセル積層体8が形成され、両端には端子電極1が配置される。
端子電極1のセル積層体8と反対側の面には、外装パッケージ2が取り付けられる。外装パッケージ2によってセル積層体8を圧縮する方向にセル積層体8および端子電極1に圧力をかけ、その圧力を保持するように外装パッケージ2の周囲を熱融着により封止して本発明に係る電気二重層コンデンサが製造される。ここで、端子電極1の一部は、外装パッケージ2の外側へ露出し、電気的に外へ接続できるようにする。
次に、図4を参照してセパレータ6aの構成について詳細に説明する。セパレータ6aは、非導電性多孔質セラミックのみ、または非導電性多孔質セラミックの微粉末とバインダーから構成される。ここで、非導電性多孔質セラミックが微粉末として使用される場合の形状は、平均粒径が100nm以上10μm以下の形状のものを用いるのが望ましい。
非導電性多孔質セラミックは、例えばSiO2などの高い絶縁性を有する酸化物を基材とし、その内部に細孔径が1nm〜20nmレベルのメソポーラス構造を持ち、大きな比表面積を有するものを用いると良い。このような非導電性多孔質セラミックは、例えば界面活性剤の集合体(ミセル)または高分子化合物を鋳型として用いて細孔構造を持つ非導電性多孔質前駆体を合成し、その後に鋳型を熱処理もしくは化学処理などで除去することで、非導電性多孔質セラミックの細孔径が制御され、大きな比表面積と、大きな空孔率を持つものを得ることが出来る。
本発明のセパレータ6a、6bは、例えば、以下のようにして得ることができる。図4で示すように、セパレータ6aとしてシート状にしたものを使用する場合は、溶媒に非導電性多孔質セラミックとバインダーを溶解または分散させ、ドクターブレード法などにより一定厚みに成膜し溶媒を乾燥させることにより得られる。
また、図5に示すように、分極性電極4上に非導電性多孔質セラミックを塗布してセパレータ6bとして使用する場合は、例えばテトラメトキシシランをメタノールに溶解し、攪拌しながらアンモニア水を滴下してPH調整した後、ブロックコポリマーなどの界面活性剤を添加し数時間攪拌してゾル溶液を作製する。この溶液をスプレー法などにより分極性電極4の集電体5と接しない側の面の表面上に均一に塗布し恒温槽で乾燥してドライジェルを作製し、300℃以上で熱処理することで、細孔径が制御され比表面積が高く空孔率が高い非導電性多孔質セラミックの層を得ることができる。
分極性電極4は、高比表面積を有し、かつ導電性を有する活性炭などを主要構成材料とし、導電性付与材やバインダーとしてのフェノール樹脂11などを添加し、乾燥または焼結する事によりシート状、あるいは固体状に形成された電極が使用でき、従来と同様のものを用いれば良く、特に限定されるものではない。
ガスケット3は中空の構造であり、上述したように分極性電極4、セパレータ6a、6bおよび電解質溶液9を収容して、集電体5が取り付けられるものであれば限定されるものではない。従って、ガスケット3の材質としては、絶縁性のプラスチック等の従来と同様のものを用いれば良い。集電体5を構成する集電体シートは、カーボン粉末、その他を練り込んだポリオレフィン系の導電性シート等の従来と同様のものを用いれば良い。端子電極1は、銅板に半田めっきを施したもの、外装パッケージ2には、アルミ箔の両側に絶縁樹脂が積層されているラミネートフィルムを使用すれば良いが、特に限定されるものではなく、従来と同様な材料を適宜選択すれば良い。また、電解質溶液9は希硫酸等の従来と同様のものを用いれば良い。
次に、幾つかの実施例と比較例を用いて本発明を具体的に説明する。
本発明の実施例および比較例では、以下の寸法で電気二重層コンデンサを構成した。分極性電極4の外形寸法は、長さが20mm、幅が20mm、厚みが0.2mmである。ガスケット3の中空部の寸法は、長さが21mm、幅が21mm、厚さが0.45mm、外形寸法は長さが23mm、幅が23mm、厚みが0.45mmである。集電体5の外形寸法は、長さが23mm、幅が23mm、厚さが0.1mmである。端子電極1の外形寸法は、長さが22mm、幅が22mm、厚さが0.1mmで、幅方向に長さが8mm、幅が3mm、厚みが0.1mmの凸部が形成されている物である。外装パッケージ2の外形寸法は、長さが25mm、幅が25mm、厚さが0.1mmである。
また、分極性電極4として、粉末活性炭10とフェノール樹脂11を70/30の配合割合で混合、プレスし焼結させた固体状の分極性電極4を用い、ガスケット3の材質としては、耐熱性のポリオレフィン系樹脂を用いた。集電体5のシートは、カーボン粉末を練り込んだポリオレフィン系の導電性シートを用いた。端子電極1は、銅板に半田めっきを施したもの、外装パッケージ2には、アルミ箔の両側に絶縁樹脂が塗布されているラミネートフィルムを使用した。電解質溶液9は30wt%の希硫酸を用いた。
(実施例1)
図4に、本発明の実施例1に使用するセパレータの模式的断面拡大図を示す。本実施例1の電気二重層コンデンサも図1および図2に示すように、電解質溶液9を含有するセパレータ6aを介して対向配置された分極性電極4と集電体5並びに分極性電極4の外周部に配置されたガスケット3から構成されている。ここで、セパレータ6aとして導電性多孔質セラミックの微粉末とバインダーからなるシート状のものを使用した。
非導電性多孔質セラミックは、材質が細孔径8nm、比表面積800m2/gの特性を有するSiO2で平均粒径が1μmの形状の微粉末を使用した。そして、この非導電性多孔質セラミックを90%と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを10%配合して、厚さ10μmのセパレータシートとした。
集電体5上に分極性電極4を配置したものを一対つくり電解質溶液9を含浸した上記セパレータ6を中心にして貼り合わせ、分極性電極4の外周部にガスケット3を配置して集電体5とガスケット3の境界面を熱融着により封止して基本セル7を作製した。そして、この基本セル7を図3に示すように端子電極1で挟み、外装パッケージ2に挿入して電気二重層コンデンサを作製した。次に、この基本セル7を2個使用し、耐電圧1.8Vの電気二重層コンデンサを作製した。
(実施例2)
図5に、本発明の実施例2で使用するセパレータ6bの模式的断面拡大図を示す。図5に示すように、本実施例2で使用するセパレータ6bは、セパレータ6bを介して対向する一対の分極性電極4のうち片側の分極性電極4の表面上にのみセパレータ6bとしての非導電性多孔質セラミックの層が形成されている。
実施例2でセパレータ6bとして使用した非導電性多孔質セラミックの材質は、細孔径8nm、比表面積800m2/gの特性を有するSiO2であり、層の厚みは0.5μm、0.75μm、1μm、2.5μm、5μm、10μmとした。その他の材料は、実施例1と同じものを使用し、実施例1と同様の方法で電気二重層コンデンサを作製した。
(実施例3)
図6に、本発明の実施例3で使用するセパレータ6cの模式的断面拡大図を示す。図6に示すように、実施例3で使用するセパレータ6cは、セパレータ6cを介して対向する一対の分極性電極4の向い合っている表面上に、それぞれセパレータ6cとしての非導電性多孔質セラミックの層が形成されている。
実施例3でセパレータ6cとして使用した非導電性多孔質セラミックの材質は、細孔径8nm、比表面積800m2/gの特性を有するSiO2であり、層の厚みは片側5μmとした。その他の材料は実施例1と同じものを使用し、実施例1と同様の方法で電気二重層コンデンサを作製した。
(実施例4)
実施例4では、実施例3において、非導電性多孔質セラミックの材質としてSiO2の代わりにAl23を使用して実施例1と同様の方法で電気二重層コンデンサを作製した。尚、ここで使用する非導電性多孔質セラミックは、細孔径8nm、比表面積800m2/gの特性を有するAl23であり、層の厚みも同じく片側5μmとした。
(比較例)
比較例で作製した従来の電気二重層コンデンサのセパレータ6は、特許文献1に開示されているポリプロピレンフィルムにブチルゴムを格子状に接合させたものを使用した。ここで、ポリプロピレンフィルムの厚みは5μm、ブチルゴムは格子間隔2mm、厚み5μmとした。そして、その他の材料は実施例1と同じものを使用し、前述した実施例1〜4と同様の方法で電気二重層コンデンサを作製した。
(評価)
以下に、上述のようにして作製した実施例1〜実施例4および比較例のそれぞれの電気二重層コンデンサに対して、内部抵抗と自己放電特性を測定した結果について述べる。
本実施例1〜実施例4および比較例のそれぞれの電気二重層コンデンサに対して、内部抵抗および自己放電特性を測定した結果を下記の表1にまとめた。ここで、内部抵抗は、比較例の電気二重層コンデンサの値を1とし、その値に対する割合とした。内部抵抗の測定は、1kHzの試験信号周波数におけるインピーダンスを交流四端子法により測定し、その実数部を算出して行った。また、自己放電特性は、定格電圧1.8Vを30分印加して充電後、開回路にして50時間経過後の電圧を測定した。なお、サンプル数は各水準50個ずつとし、その平均を算出した。
Figure 2005244008
まず、表1を参照して比較例と実施例1〜4のそれぞれの電気二重層コンデンサについて結果を評価する。内部抵抗に関しては、比較例に対し実施例1〜実施例4のそれぞれの電気二重層コンデンサでは、約2割程度、低減され良くなっていることがわかる。
この理由については以下に述べる。通常、セパレータ6の役割は、分極性電極4の間を電気的に絶縁する一方、充放電に伴って起きる電解質溶液9中のイオンの移動を円滑にする事であり、その為には電解質溶液9の吸液性と保液性は高い必要がある。しかし、比較例で使用しているようなポリオレフィン系のセパレータ6では、もともと電解質溶液9の吸液性と保液性は低いため、イオンの移動度が低くて電気二重層コンデンサの内部抵抗が高くなってしまう。
これに対し、実施例1〜実施例4のそれぞれの電気二重層コンデンサでは、セパレータ6a、6b、6cを構成する材料として非導電性多孔質セラミックを使用している。非導電性多孔質セラミックは、先にも述べたが、SiO2などの絶縁性の酸化物を基材とし、その内部に細孔径が1nm〜20nmレベルの貫通したメソポーラス構造を持ち、かつ大きな比表面積を有するものである。そして、その製造方法として幾つかの方法はあるが、例えば界面活性剤の集合体(ミセル)または高分子化合物を鋳型として用いて細孔構造を持つ非導電性多孔質セラミックを合成し、その後に鋳型を熱処理もしくは化学処理などで除去することで得られる。そして、この鋳型に使用する材料および製造条件を選定することで、細孔径および酸化物の細孔構造を容易に制御することができる。また、比表面積が高い上に、電解質溶液9を保持する為の空孔率を増やすことが可能であり保液性が高い。また、材質的にも電解質溶液9に対する濡れ性が優れるため吸液性も優れている。従って、本発明の実施例のように非導電性多孔質セラミックをセパレータ6a、6b、6cとして用いるとイオン移動度が高くなり電気二重層コンデンサの内部抵抗を低くすることができると考えられる。
次に、本発明の実施例1〜実施例4の電気二重層コンデンサの自己放電特性は、比較例と比べ、かなり改善され良くなっている。これは、前述したように、本発明の実施例1〜実施例4の電気二重層コンデンサのセパレータ6a、6b、6cとして容易に細孔径制御が可能である非導電性多孔質セラミックを使用しているため、自己放電特性を悪化させる原因である粉末活性炭10などの微粉末の径より空孔部の孔径を小さくすることができたため特性を改善することが可能となったものと考えられる。
さらに、比較例では、疎水性のオレフィン系樹脂の表面に界面活性剤を用いた化学処理などを施して親水性を持たせる方法が取られているが、セパレータ6にストレスが加わったりすると界面活性剤がオレフィン系樹脂表面から脱落し、電解質溶液9のドライアップ現象がセパレータ6内において進行するので内部抵抗が高くなりやすい。また、材質的に気密性、緻密性が得がたいため、分極性電極4を構成している粉末活性炭10などの微粉末を確実にセパレートするためには、微粉末の連結性を避け、セパレータ6の厚みを厚くするかセパレータ6の空孔率を下げる必要があり内部抵抗の低減は困難である。
一方、上述したように、本発明の非導電性多孔質セラミックでは、細孔径および酸化物の細孔構造を容易に制御することができるため、分極性電極4を構成する粉末活性炭10などの微粉末の脱粒による自己放電特性の悪化を防ぐ為に最適な細孔径の制御が可能であり、セパレータ6a、6b、6c部の厚みを薄くすることも可能である
しかし、実施例2のセパレータ厚み(非導電性多孔質セラミック層厚み)が0.75μm未満の場合には、自己放電特性はあまり改善されていない。これは、上記の効果は非導電性多孔質セラミックを使用することにより期待できるが、セパレータ6b部の厚みがあまり薄くなると、図5でも示されるように、分極性電極4の表面は凹凸形状になっているため、表面を均一に非導電性多孔質セラミックで覆うことができず、ピンホールなどの未塗布部分が発生しやすくなる。そして、この部分を介して対向している分極性電極4同士が接触したり、また脱粒した粉末がこの部分に入ったりしてショートするため、非導電性多孔質セラミックを使用することによる自己放電特性向上効果の寄与が少なくなるためと考えられる。実際、塗布厚みが薄いものを分解して調査すると、部分的に非導電性多孔質セラミックが塗布されていない部分が確認された。この結果からすると、本発明のセパレータの厚みは0.75μm以上が良く、より望ましくは1μm以上にすると良いことが分かる。
また、実施例3および実施例4の結果より、非導電性多孔質セラミックの材質は変わっても同等の特性を有する非導電性多孔質セラミックを使用することで同様の効果を得ることができることが分かった。なお、本発明では、非導電性多孔質セラミックの材質としては、SiO2やAl23の例しか挙げていないが、それ以外の材質でも、例えば、TiO2、ZrO2等の酸化物、AlN、Si34等の窒化物等、電界質溶液に溶解するような悪影響を及ぼし合わないセラミックから適宜選択して本発明を実施できることは、当業者であればこの結果から自明である。
本発明および従来例の電気二重層コンデンサの構造を示す図、図1(a)は正面図、図1(b)は下面図、図1(c)は上面図、図1(d)と図1(e)は側面図。 本発明および従来例の電気二重層コンデンサの基本セル構造を示す断面図。 本発明および従来例の電気二重層コンデンサの構造を示す断面図。 本発明の実施例1のセパレータを示す模式的断面拡大図。 本発明の実施例2のセパレータを示す模式的断面拡大図。 本発明の実施例3および実施例4のセパレータを示す模式的断面拡大図。
符号の説明
1 端子電極
2 外装パッケージ
3 ガスケット
4 分極性電極
5 集電体
6,6a,6b,6c セパレータ
7 基本セル
8 セル積層体
9 電解質溶液
10 粉末活性炭
11 フェノール樹脂

Claims (4)

  1. 電解質溶液をしみ込ませたセパレータを介して対向配置された一対の分極性電極を有する電気二重層コンデンサにおいて、前記セパレータが非導電性多孔質セラミックより構成されていることを特徴とする電気二重層コンデンサ。
  2. 前記非導電性多孔質セラミックが、SiO2又はAl23であることを特徴とする請求項1記載の電気二重層コンデンサ。
  3. 前記セパレータとして非導電性多孔質セラミックが分極性電極表面上に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電気二重層コンデンサ。
  4. 前記分極性電極表面上に形成されている非導電性多孔質セラミックの層の厚みが0.75μm以上であることを特徴とする請求項3記載の電気二重層コンデンサ。
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