JP2005243768A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエハの表面に成長した自然酸化膜を除去できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】バッチ式CVD装置10は被処理ウエハを収納したポッドを開閉する供給側ポッドオープナ20と、被処理ウエハを取り出して酸化膜除去装置90の除去室92に移載する第一ウエハ移載装置45が設置された第一移載室42と、ウエハを処理室に搬入搬出するボート87が待機する待機室63に隣接した第二移載室52と、第二移載室52に隣接し処理済ウエハのポッドを開閉する排出側ポッドオープナ30と、第一移載室42と第二移載室52との間に介設されたバッファ室132とを備えている。被処理ウエハは第一ウエハ移載装置45で除去室92に供給されて酸化膜を除去された後に、バッファ室132を経て、第二ウエハ移載装置55で待機室63に搬入される。待機室63の処理済ウエハは第二ウエハ移載装置55で排出側ポッドオープナ30へ排出される。
【選択図】図1(b)
【解決手段】バッチ式CVD装置10は被処理ウエハを収納したポッドを開閉する供給側ポッドオープナ20と、被処理ウエハを取り出して酸化膜除去装置90の除去室92に移載する第一ウエハ移載装置45が設置された第一移載室42と、ウエハを処理室に搬入搬出するボート87が待機する待機室63に隣接した第二移載室52と、第二移載室52に隣接し処理済ウエハのポッドを開閉する排出側ポッドオープナ30と、第一移載室42と第二移載室52との間に介設されたバッファ室132とを備えている。被処理ウエハは第一ウエハ移載装置45で除去室92に供給されて酸化膜を除去された後に、バッファ室132を経て、第二ウエハ移載装置55で待機室63に搬入される。待機室63の処理済ウエハは第二ウエハ移載装置55で排出側ポッドオープナ30へ排出される。
【選択図】図1(b)
Description
本発明は、基板処理装置に関し、特に、被処理基板の酸化膜防止技術に係り、例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)の製造方法において、ICが作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に不純物を拡散したり絶縁膜や金属膜等のCVD膜を形成したりするのに利用して有効なものに関する。
従来のこの種の基板処理装置が述べられた文献としては、例えば、特許文献1がある。この特許文献1には次の縦型拡散・CVD装置が開示されている。すなわち、この縦型拡散・CVD装置は、複数枚のウエハを収納したカセット(ウエハキャリア)を収納しウエハを出し入れする気密構造のカセット室と、このカセット室内のカセットとボートとの間でウエハを移載するウエハ移載装置を有するロードロック室(ウエハ移載室)と、このロードロック室内のボートが搬入搬出される反応室(処理室)とを備えており、カセット室とロードロック室との間およびロードロック室と反応室との間がそれぞれ仕切弁を介して接続されており、ロードロック室は真空排気せずに窒素ガスによりロードロック室内の雰囲気が置換されるように構成されている。
特公平7−101675号公報
前記した縦型拡散・CVD装置においては、ロードロック室に搬入される前にウエハが大気に触れることが避けられないために、ウエハに自然酸化膜が形成されてしまうという問題点がある。
本発明の目的は、基板の表面に成長した自然酸化膜を除去することができる基板処理装置を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)基板を基板保持具に保持して処理する処理室と、この処理室に隣接した予備室と、この予備室に隣接し前記基板を搬送する基板移載装置が設置された基板移載室と、前記基板の自然酸化膜を除去する酸化膜除去装置と、前記基板移載室と前記酸化膜除去装置との間に設置され前記基板が仮置きされるバッファ室とを備えていることを特徴とする基板処理装置。
(2)基板を基板保持具に保持して処理する処理室と、この処理室に隣接した予備室と、この予備室に隣接し前記基板を搬送する基板移載装置が設置された基板移載室と、前記基板の自然酸化膜を除去する酸化膜除去装置と、前記基板を収納したキャリアを載置する供給側載置台と、前記キャリアの前記基板を前記酸化膜除去装置に移載する基板移載装置と、前記基板保持具の前記基板を収納するキャリアを載置する排出側載置台と、前記供給側載置台と前記排出側載置台との間で前記キャリアを搬送するキャリア搬送装置とを備えていることを特徴とする基板処理装置。
(1)基板を基板保持具に保持して処理する処理室と、この処理室に隣接した予備室と、この予備室に隣接し前記基板を搬送する基板移載装置が設置された基板移載室と、前記基板の自然酸化膜を除去する酸化膜除去装置と、前記基板移載室と前記酸化膜除去装置との間に設置され前記基板が仮置きされるバッファ室とを備えていることを特徴とする基板処理装置。
(2)基板を基板保持具に保持して処理する処理室と、この処理室に隣接した予備室と、この予備室に隣接し前記基板を搬送する基板移載装置が設置された基板移載室と、前記基板の自然酸化膜を除去する酸化膜除去装置と、前記基板を収納したキャリアを載置する供給側載置台と、前記キャリアの前記基板を前記酸化膜除去装置に移載する基板移載装置と、前記基板保持具の前記基板を収納するキャリアを載置する排出側載置台と、前記供給側載置台と前記排出側載置台との間で前記キャリアを搬送するキャリア搬送装置とを備えていることを特徴とする基板処理装置。
基板の酸化膜を酸化膜除去装置によって除去した後に、基板を予備室に搬送して処理室に搬入することにより、基板への界面酸素濃度を低減することができるので、良好な処理を確保することができる。処理室での基板の処理ステップと、それ以外のステップとを同時進行させることができるので、基板処理装置のスループットを高めることができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
本実施の形態において、本発明に係る基板処理装置は、ICの製造方法にあってウエハに不純物を拡散したり絶縁膜や金属膜等のCVD膜を形成したりする工程に使用されるバッチ式縦型拡散・CVD装置(以下、バッチ式CVD装置という。)として構成されている。なお、このバッチ式CVD装置においては、ウエハ1を収納して搬送するキャリアとしてはFOUP(front opening unified pod 。以下、ポッドという。)2が使用されている。なお、以下の説明において、前後左右は図1を基準とする。すなわち、フロント筐体11側が前側、その反対側である耐圧筐体62側が後側、ボートエレベータ83側が左側、その反対側であるシールキャップ86側が右側とする。
図1に示されているように、バッチ式CVD装置10は大気圧を維持可能な気密性能を有する筐体(以下、フロント筐体という。)11を備えており、フロント筐体11によってポッド保管室12が形成されている。フロント筐体11の正面壁にはポッド搬入搬出口13が開設されており、フロント筐体11のポッド搬入搬出口13の手前には、ポッド2が載置されるポッドステージ14が構築されている。ポッドステージ14にはポッド2がRGV等の工程内搬送装置によって供給および排出されるようになっている。フロント筐体11内の上部には前側ポッド棚15と後側ポッド棚16とがそれぞれ設置されており、これらポッド棚15、16は複数台のポッド2を保管し得るように構成されている。フロント筐体11の前側部分にはリニアアクチュエータやエレベータおよびスカラ形ロボット(selective compliance assembly robot arm SCARA)等によって構成されたポッド搬送装置17が設置されており、ポッド搬送装置17はポッドステージ14、前後のポッド棚15、16、供給側ポッドオープナ20および排出側ポッドオープナ30の間でポッド2を搬送するように構成されている。
図1に示されているように、フロント筐体11の背面壁における右側および左側には、供給側ポッドオープナ20および排出側ポッドオープナ30がそれぞれ設置されている。供給側ポッドオープナ20および排出側ポッドオープナ30は実質的に同一に構成されているので、その構造については供給側ポッドオープナ20を代表にして説明する。
供給側ポッドオープナ20はポッドオープナ室22を形成した筐体21を備えており、筐体21の側壁にはポッドオープナ室22へ窒素(N2 )ガスを給気するガス供給管23と、ポッドオープナ室22を排気する排気管24とがそれぞれ接続されている。筐体21の正面壁にはウエハ搬入搬出口25がポッドオープナ室22とポッド保管室12とを連通させるように開設されており、筐体21の正面のウエハ搬入搬出口25の下端辺には、未処理のウエハ1を収納したポッド2を載置する載置台26が水平に突設されている。ポッドオープナ室22の内部には載置台26に載置されたポッドPのキャップを着脱するキャップ着脱機構27が設置されている。キャップ着脱機構27は載置台26に載置されたポッド2のキャップを着脱することにより、ポッド2のウエハ出し入れ口を開閉するように構成されている。筐体21の背面壁にはウエハ搬入口28が開設されており、ウエハ搬入口28は開閉するゲートバルブ29によって開閉されるようになっている。
なお、窒素ガス供給管23および排気管24は設置しなくてもよい。設置しない場合には、ポッドオープナ室22の内部の雰囲気がゲートバルブ29の開閉によって置換される。
供給側ポッドオープナ20はポッドオープナ室22を形成した筐体21を備えており、筐体21の側壁にはポッドオープナ室22へ窒素(N2 )ガスを給気するガス供給管23と、ポッドオープナ室22を排気する排気管24とがそれぞれ接続されている。筐体21の正面壁にはウエハ搬入搬出口25がポッドオープナ室22とポッド保管室12とを連通させるように開設されており、筐体21の正面のウエハ搬入搬出口25の下端辺には、未処理のウエハ1を収納したポッド2を載置する載置台26が水平に突設されている。ポッドオープナ室22の内部には載置台26に載置されたポッドPのキャップを着脱するキャップ着脱機構27が設置されている。キャップ着脱機構27は載置台26に載置されたポッド2のキャップを着脱することにより、ポッド2のウエハ出し入れ口を開閉するように構成されている。筐体21の背面壁にはウエハ搬入口28が開設されており、ウエハ搬入口28は開閉するゲートバルブ29によって開閉されるようになっている。
なお、窒素ガス供給管23および排気管24は設置しなくてもよい。設置しない場合には、ポッドオープナ室22の内部の雰囲気がゲートバルブ29の開閉によって置換される。
供給側ポッドオープナ20のウエハ搬入口28の後側には、酸化膜除去装置側移載室(以下、第一移載室という。)42を形成した筐体(以下、第一移載室筐体という。)41が隣接して設置されている。第一移載室筐体41の側壁には、第一移載室42を窒素ガスパージするための窒素ガス供給管43および排気管44がそれぞれ接続されている。第一移載室42にはスカラ形ロボットによって構成されたウエハ移載装置(以下、第一ウエハ移載装置という。)45が水平に設置されている。第一移載室筐体41の側壁におけるウエハ搬入口28に対向する部位には、供給側ポッドオープナ20に連絡する連絡口46がウエハ搬入口28に連続するように開設されている。第一移載室筐体41の側壁における連絡口46と異なる部位には、バッファ室に連絡する連絡口47と、酸化膜除去装置(洗浄装置とも言われている。)に連絡する連絡口48とがそれぞれ開設されている。
排出側ポッドオープナ30のウエハ搬出口38の後側には、大気圧未満の圧力(以下、負圧という)を維持可能な気密性能を有する耐圧筐体51が隣接して設置されており、この耐圧筐体(以下、第二移載室筐体という。)51によって成膜側移載室(以下、第二移載室という。)52が形成されている。第二移載室筐体51の側壁には第二移載室52を窒素ガスパージするための窒素ガス供給管53と、負圧に排気するための排気管54とがそれぞれ接続されている。第二移載室52にはスカラ形ロボットによって構成されたウエハ移載装置(以下、第二ウエハ移載装置という。)55が水平に設置されている。第二移載室筐体51の正面壁におけるウエハ搬出口38に対向する部位には、排出側ポッドオープナ30に連絡する連絡口56がウエハ搬出口38に連続するように開設されている。第二移載室筐体51の背面壁にはウエハ搬入搬出口57が開設されており、ウエハ搬入搬出口57はゲートバルブ58によって開閉されるようになっている。なお、第二移載室筐体51の右側面壁にはバッファ室に連絡する連絡口67が開設されている。
第二移載室52の第二ウエハ移載装置55と反対側には、基板仮置き具としての一対のストッカ59A、59Bが前後に並べられて設置されている。両ストッカ59A、59Bはボートと同様な構造に構成されており、ボートが保持可能な最大枚数以上の枚数のウエハ1を保持可能なように構成されている。第二移載室52の前側ストッカ59Aと後側ストッカ59Bとの間には、遮蔽手段としての遮蔽板60が垂直に設置されており、遮蔽板60は前側ストッカ59Aと後側ストッカ59Bとの間の熱を遮断するように構成されている。前側ストッカ59Aおよび後側ストッカ59Bの近傍のそれぞれには、窒素ガスを吹き出す前側ガス吹出管61Aと後側ガス吹出管61Bとが設置されており、前側ガス吹出管61Aおよび後側ガス吹出管61Bは前側ストッカ59Aおよび後側ストッカ59Bに窒素ガスをそれぞれ吹き付けるように構成されている。
図1に示されているように、第二移載室筐体51の後側には負圧を維持可能な気密性能を有する筐体(以下、耐圧筐体という。)62が隣接して設置されており、この耐圧筐体62によりボートを収納可能な容積を有するロードロック方式の予備室である待機室63が形成されている。なお、ロードロック方式とは、ゲートバルブ等の仕切弁を用いて処理室と予備室とを隔離し、処理室への空気の流入を防止したり、温度や圧力等の外乱を小さくして処理を安定化させる方式である。耐圧筐体62には待機室63へ窒素(N2 )ガスを給気するためのガス供給管64と、待機室63を負圧に排気するための排気管65とがそれぞれ接続されている。耐圧筐体62の正面壁におけるウエハ搬入搬出口57に対向する部位にはウエハ搬入搬出口66が開設されている。
図2および図3に示されているように、待機室63の天井壁にはボート搬入搬出口70が開設されており、ボート搬入搬出口70は仕切弁としてのシャッタ71によって開閉されるように構成されている。耐圧筐体62の上にはヒータユニット筐体72が構築されており、ヒータユニット筐体72の内部にはヒータユニット73が垂直方向に設置されている。ヒータユニット73の内部には処理室75を形成するプロセスチューブ74が設置されている。プロセスチューブ74は石英(SiO2 )が使用されて上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されたアウタチューブ76と、石英または炭化シリコン(SiC)が使用されて上下両端が開口した円筒形状に形成されたインナチューブ77とを備えており、アウタチューブ76がインナチューブ77に同心円に被せられている。アウタチューブ76とインナチューブ77との間には環状の排気路78が両者の間隙によって形成されている。プロセスチューブ74は耐圧筐体62の天井壁の上にマニホールド79を介して支持されており、マニホールド79はボート搬入搬出口70に同心円に配置されている。プロセスチューブ74の下方には処理室75に原料ガスやパージガス等を導入するためのガス導入管80と、プロセスチューブ74の内部を排気するための排気管81とがそれぞれ接続されており、排気管81は排気路78に連通するようになっている。なお、プロセスチューブ74には熱電対82が挿入されており、熱電対82の側温によってヒータユニット73のフィードバック制御が実施されるようになっている。
待機室63にはボートを昇降させるためのボートエレベータ83が設置されており、ボートエレベータ83は送りねじ装置やベローズ等によって構成されている。ボートエレベータ83の昇降台84の側面にはアーム85が水平に突設されており、アーム85の先端にはシールキャップ86が水平に据え付けられている。シールキャップ86はプロセスチューブ74の炉口になる耐圧筐体62のボート搬入搬出口70を気密シールするように構成されているとともに、基板保持具であるボート87を垂直に支持するように構成されている。ボート87は複数枚(例えば、25枚、50枚、100枚、125枚、150枚ずつ等)のウエハ1をその中心を揃えて水平に支持した状態で、ボートエレベータ83によるシールキャップ86の昇降に伴ってプロセスチューブ74の処理室75に対して搬入搬出するように構成されている。ボート87はシールキャップ86に設置されたロータリーアクチュエータ88によって回転されるように構成されている。
図1に示されているように、第一移載室筐体41の後側には酸化膜除去装置90が隣接して設置されている。酸化膜除去装置90は酸化膜除去室(以下、除去室という。)92を形成した筐体(以下、除去室筐体という。)91を備えており、除去室筐体91は第一移載室筐体41の後側に隣接して設置されている。除去室筐体91の正面壁にはウエハ搬入搬出口93が第一移載室筐体41の連絡口48に対向するように開設されている。第一移載室筐体41の連絡口48および除去室筐体91のウエハ搬入搬出口93はゲートバルブ94によって開閉されるようになっている。除去室筐体91の側壁には除去室92へ窒素(N2 )ガスを給気するためのガス供給管95と、除去室92を負圧に排気するための排気管96とがそれぞれ接続されている。図示しないが、除去室92の内面は薬液による腐食防止対策として、弗素樹脂の表面によって構成されている。弗素樹脂の表面は弗素樹脂コーティングや弗素樹脂ライニング等の表面処理や、除去室筐体91自体を弗素樹脂によって構築する方法によって構成することができる。
図4および図5に示されているように、除去室筐体91の中央部の下方には、回転数を低速領域から高速領域まで制御可能なモータ97が垂直方向上向きに設置されており、モータ97の出力軸98には回転軸100がカップリング99によって連結されている。回転軸100は除去室筐体91の底壁を貫通して除去室92に挿入されており、シール機構付き軸受装置101によって回転自在に支承されている。回転軸100の上端にはウエハ1を水平に保持する保持具102が連結されている。保持具102はウエハ1よりも若干大径の円盤形状に形成されており、上面に突設された複数本の把持ピン103によってウエハ1を着脱自在に把持するように構成されている。保持具102の下面における周辺部には切頭円錐筒形状のスカート104が同心円に垂下されており、スカート104はエッチング液等が回転軸100の方向に侵入するのを防止するメカニカルシールを構成している。
除去室筐体91の底壁における周辺部には、薬液としてのエッチング液および超純水を滴下する薬液ノズル106が挿通されており、除去室筐体91の底壁における薬液ノズル106の周囲はシール装置105によってシールされている。薬液ノズル106は滴下口106aが保持具102の中心線上に配置するように構成されて、エッチング液および超純水をウエハ1の中心に滴下するようになっている。薬液ノズル106には給液配管107の一端がそれぞれ接続されており、給液配管107の他端には洗浄液としての弗酸等のエッチング液およびリンス液としての超純水を供給する薬液供給装置108が接続されている。
除去室筐体91の底壁の周辺部における薬液ノズル106から180度離れた位置には、乾燥用ガスとしての水蒸気(スチーム)を吹き出すノズル(以下、スチームノズルという。)109が挿通されており、スチームノズル109は吹出口109aが保持具102の中心線上に位置するように構成されている。スチームノズル109には給気管110の一端が接続されており、給気管110の他端には乾燥用ガスとしてのスチーム(H2 O)を供給するスチーム供給装置111が、上流側からスチーム供給弁112およびフィルタ113を介して接続されている。スチームノズル109には温度センサ(図示せず)が設けられている。スチームノズル109はその内面に耐薬品表面処理が施されている。
除去室筐体91の底壁におけるスチームノズル109の位置にはスチームを排気する排気ダクト114が挿通されており、スチームノズル109は排気ダクト114の中空部の中心線上に敷設されている。排気ダクト114はエルボパイプ形状に形成されており、排気ダクト114の一端開口にはスチームを吸い込む吸込口115がスチームノズル109の吹出口109aを取り囲むようにフード形状に形成されている。排気ダクト114は吸込口115およびスチームノズル109の吹出口109aを水平面内で旋回させるアームを兼ねるように構成されている。すなわち、排気ダクト114は除去室筐体91の底壁を貫通して除去室92に挿入されて、シール機構付き軸受装置116によって回転自在に支承されており、旋回駆動装置117によって旋回されるように構成されている。旋回駆動装置117は排気ダクト114の旋回は、その移動速度を任意に可変設定制御することができるように構成されている。排気ダクト114には排気配管118の一端が接続されており、排気配管118の他端には排気装置119が、スチームを冷却して水分を捕捉するトラップ120を介して接続されている。トラップ120には回収タンク121がドレン弁122を介して接続されている。排気ダクト114の筒壁の内部にはヒータ123(図6参照)が敷設されており、排気ダクト114の中空部の表面は弗素樹脂のコーティング処理によって耐薬品性で撥水性の良好な表面に構成されている。
なお、スチームノズル109および排気ダクト114はウエハ1の主面に対し上下方向に近づけたり遠ざけたりすることができる駆動軸やスペーサを設け、可変させることができるように構成してもよい。このことにより、スチームノズル109からのスチームの供給量と、排気ダクト114の排気量と、排気ダクト114とウエハ1の主面との隙間との関係等を調整することができるようになる。
また、スチームノズル109と排気ダクト114の別の実施の形態を示す図8のように、排気ダクト114の先端部の外周を、内周とウエハ1との距離(α)と、外周とウエハ1との距離(β)とを大きくするようにテーパ形状に形成することにより、排気ダクト114内に外部の雰囲気141を流入させ易くすることができる。これにより、排気ダクト114はより回収し易くなる。なお、この時、好ましくは流入する外部の雰囲気141の流速をスチーム129の流速よりも速く設定することにより、より一層回収し易くなる。
図1(b)に示されているように、第一移載室筐体41と第二移載室筐体51との間には、ウエハ1が仮置きされるバッファ室132を形成したバッファ室筐体131が設置されている。バッファ室筐体131は上下両端が閉塞した円筒形状に形成されており、バッファ室筐体131の側壁にはバッファ室132へ窒素ガスを給気するための窒素ガス供給管133と、バッファ室132を負圧に排気するための排気管134とが接続されている。バッファ室筐体131の側壁における第一移載室42側の連絡口47と対向する部位には、ウエハ搬入口135がバッファ室132と連絡口47とを連絡するように開設されており、ウエハ搬入口135と連絡口47との間にはゲートバルブ136が介設されている。バッファ室筐体131の側壁における第二移載室52側の連絡口67と対向する部位には、ウエハ搬出口137がバッファ室132と連絡口67とを連絡するように開設されており、ウエハ搬出口137と連絡口47との間にはゲートバルブ138が介設されている。バッファ室132にはウエハ1が仮置きされる仮置き台139が設置されており、仮置き台139は複数枚のウエハ1を水平に保持するように構成されている。
以下、前記構成に係るバッチ式CVD装置を使用したICの製造方法における成膜工程を説明する。なお、本実施の形態においては、一台のポッド2に収納された二十五枚以内のウエハ1をバッチ処理(一括処理)する場合について説明する。
成膜すべきウエハ(プロダクトウエハ)1は二十五枚以内がポッド2に収納された状態で、バッチ式CVD装置10のポッドステージ14へ工程内搬送装置によって搬送されて来る。搬送されて来たポッド2はポッドステージ14から前側ポッド棚15または後側ポッド棚16の指定された場所にポッド搬送装置17によって搬送されて保管される。
ウエハ1が収納されたポッド2は供給側ポッドオープナ20の載置台26の上へポッド搬送装置17によって搬送されて載置される。ポッドオープナ室22には窒素ガスが窒素ガス供給管23によって供給されるとともに、排気管24によって排気されることにより、窒素ガスが充満(窒素ガスパージ)される。この時のポッドオープナ室22の酸素濃度は20ppm以下であることが好ましい。載置されたポッド2のキャップがキャップ着脱機構27によって取り外され、ポッド2のウエハ出し入れ口が開放される。窒素ガスがポッド2のウエハ出し入れ口に窒素ガス供給管23から吹き込まれ、ポッド2のウエハ収納室の雰囲気が窒素ガスパージされる。この時のポッド2のウエハ収納室の酸素濃度は20ppm以下であることが好ましい。その後、ウエハ搬入口28がゲートバルブ29によって開放される。この際、第一移載室42および除去室92には窒素ガスが充満(窒素ガスパージ)されている。
なお、窒素ガス供給管23および排気管24は設置せずに、ゲートバルブ29を開くことにより、ポッドオープナ室22の内部の雰囲気を置換するように構成してもよい。
なお、窒素ガス供給管23および排気管24は設置せずに、ゲートバルブ29を開くことにより、ポッドオープナ室22の内部の雰囲気を置換するように構成してもよい。
ポッド2が開放されると、ウエハ1はポッド2から第一ウエハ移載装置45によってウエハ搬入口28、連絡口46を通してピックアップされ、第一移載室42に搬入される。第一移載室42に搬入されたウエハ1は連絡口48およびウエハ搬入搬出口93を通して除去室92に搬入され、保持具102の上に移載される。保持具102に移載されたウエハ1は把持ピン103によって把持される。ウエハ1が把持ピン103によって把持されると、除去室92のウエハ搬入搬出口93がゲートバルブ94によって閉じられる。この時の除去室92の酸素濃度は20ppm以下であることが好ましい。
その後、保持具102によって保持されたウエハ1がモータ97によって回転される。回転が安定したところで、洗浄液としての弗酸等のエッチング液が薬液ノズル106へ薬液供給装置108から供給され、滴下口106aからウエハ1の上面の中心に滴下される。この際、排気ダクト114は図1(b)に実線で示された位置に退避されている。ウエハ1の中心に滴下されたエッチング液は回転するウエハ1の遠心力によってウエハ1の周辺部に均一に拡散することにより、ウエハの表面に全体的に均一に接触するので、ウエハ1の表面に形成された自然酸化膜を全体にわたって均一にエッチングして除去する。ウエハ1によって振り切られた余分のエッチング液は除去室92の底部によって回収される。予め、設定された時間が経過すると、エッチング液の供給が停止される。
次いで、リンス液としての超純水が薬液供給装置108から給液配管107を通じて薬液ノズル106に供給され、薬液ノズル106の滴下口106aからウエハ1の中心に滴下される。ウエハ1の中心に滴下された超純水は、回転するウエハ1の遠心力によって周辺部に拡散することにより、ウエハ1の表面に全体的に均一に接触するので、ウエハ1に残ったエッチング液を全体にわたって均一に洗い流す。ウエハ1によって振り切られた余分の超純水は除去室92の底部によって回収される。予め、設定された時間が経過すると、超純水の供給が停止される。
リンス後に、スチーム124(図6参照)がスチームノズル109へスチーム供給装置111から給気管110を通じて供給されることにより、スチームノズル109の吹出口109aからウエハ1に吹き付けられる。同時に、排気ダクト114が排気装置119によって排気配管118を通じて排気されることにより、スチーム124が吸込口115から吸い込まれて排気される。ウエハ1に接触したスチーム124は、ウエハ1の表面に残った超純水を加熱して気化させることにより、ウエハ1を乾燥させる。スチーム124としては、超純水を加熱した200℃前後の高温スチームが使用される。但し、好ましくは200℃前後であるが、100℃以上であればよい。
このとき、図6に示されているように、スチームノズル109の吹出口109aからウエハ1の表面に吹き付けられたスチーム124は、ウエハ1の上面において鋭角に反射して排気ダクト114の吸込口115に直ちに吸い込まれるために、液化することなくスチーム状態(ガス状態)のままで吸い込まれる。すなわち、ウエハ1を乾燥させたスチーム124が液化して水滴となり、この水滴がウエハ1に再付着することによってウオータマークの原因になる現象が発生するのを未然に防止することができる。さらに、排気ダクト114がヒータ123によって200℃前後に加熱されているので、排気ダクト114を流通するスチーム124は水滴とならずにガス状態のままで排気されて行く。しかも、排気ダクト114の中空部の表面は弗素樹脂のコーティング処理によって撥水性の良好な表面に構成されているので、スチーム124は排気ダクト114の中空部に付着したり停滞することなく、スチーム状態のままで適正に流下して行く。排気ダクト114の加熱温度は超純水を加熱した200℃前後の高温スチームを維持することができる温度が好ましいが、100℃以上であればよい。
ちなみに、ガス状態のままで排気配管118に排気されたスチーム124は、トラップ120において冷却されて凝縮されることにより、液体の形で回収される。この廃液にはエッチング液の成分が含まれるので、回収タンク121によって回収して廃棄処分することが好ましい。トラップ120におけるスチームの冷却は、自然空冷や冷却ファンを使用した強制空冷、工場給水を使用した水冷、ペルチェ素子を使用した固体冷却等によって実施することができる。また、スチーム124を排気する排気装置119としては、エッチング液に対して耐蝕性を有し、かつ、水分を含んだガスを排気することができる弗素樹脂製のダイアフラムを使用したダイアフラムポンプを使用することが望ましい。
スチームの吹き付けステップおよび排気ステップに際し、スチームノズル109および排気ダクト114は共に旋回駆動装置117によって旋回される。スチームノズル109の吹出口109aから吹き出されたスチーム124は、ウエハ1が回転されていることとあいまってウエハ1の表面に全体的に均一に接触するので、ウエハ1の表面は均一に乾燥される。この際、ウエハ1はスチーム124による気化力によって乾燥されるので、ウエハ1は高速で回転させる必要はなく、スチーム124がウエハ1に均一に吹き付けられる程度の低速で回転させればよい。
ところで、回転するウエハ1の周速度は中心から周辺へ行くに従って速くなるので、旋回駆動装置117によるスチームノズル109および排気ダクト114の中心から周辺への旋回速度が等速であると、スチーム124のウエハ1との単位接触時間は中心から周辺に行くに従って漸減し、ウエハ1の乾燥が中心部で過多となり周辺部で不足する傾向になる。そこで、図5に示されているように、スチームノズル109および排気ダクト114の中心から周辺への旋回速度125が中心から周辺に行くに従って遅くなるように、旋回駆動装置117を制御する。この制御により、スチーム124のウエハ1との単位接触時間は中心から周辺にわたって一定になるために、ウエハ1の乾燥は中心部と周辺部とで等しくなり、ウエハ1の乾燥は全体にわたって均一になる。また、スチーム124による乾燥時間が最適値化されるために、ウエハ1の乾燥時間が短縮されることにもなる。
乾燥後、必要に応じて除去室92内の雰囲気が窒素ガスパージされる。その後、ウエハ搬入搬出口93がゲートバルブ94によって開放される。続いて、保持具102に保持された自然酸化膜除去および乾燥済みのウエハ1が第一ウエハ移載装置45によってピックアップされて、ウエハ搬入搬出口93および連絡口48を通じて第一移載室42に搬出される。第一ウエハ移載装置45によって第一移載室42に搬出されたウエハ1は連絡口47およびウエハ搬入口135を通してバッファ室132に搬入され、仮置き台139に移載される。この際、ウエハ搬出口137はゲートバルブ138によって閉じられており、バッファ室132は窒素ガス供給管133および排気管134によって窒素ガスパージされている。この時のバッファ室132の酸素濃度は20ppm以下であることが好ましい。
以降、前述した作動が繰り返されることにより、ウエハ1について自然酸化膜除去ステップが一枚ずつ実施されて、バッファ室132に貯蔵されて行く。ちなみに、空になったポッド2は供給側ポッドオープナ20の載置台26から排出側ポッドオープナ30の載置台36へポッド搬送装置17によって搬送される。
バッファ室132に貯蔵されたウエハ1は仮置き台139から第二ウエハ移載装置55によってウエハ搬出口137および連絡口67を通してピックアップされ、第二移載室52に搬入される。この際、第二移載室52側のウエハ搬出口137はゲートバルブ138によって開かれるが、第一移載室42側のウエハ搬入口135はゲートバルブ136によって閉じられている。また、バッファ室132および第二移載室52は窒素ガスパージされている。この時の第二移載室52の酸素濃度は20ppm以下であることが好ましい。第二移載室52に搬入されたウエハ1は、第二移載室52の一方のストッカである前側ストッカ59Aへ第二ウエハ移載装置55によって移載される。バッファ室132の全てのウエハ1が前側ストッカ59Aへ移載されて装填(ウエハチャージング)されると、ウエハ搬出口137がゲートバルブ138によって閉じられる。
その後、ウエハ搬入搬出口57、66がゲートバルブ58によって閉じられた状態で、第二移載室52は排気管54によって真空引きされることにより、第二移載室52の圧力が待機室63の圧力と等しく減圧される。この際、第二移載室52の容積は待機室63のそれに比べて小さいので、減圧時間は短くて済む。第二移載室52が待機室63と等しく減圧されると、ウエハ搬入搬出口57、66がゲートバルブ58によって開放される。続いて、前側ストッカ59Aに装填された自然酸化膜除去済みのウエハ1が第二ウエハ移載装置55によってピックアップされ、待機室63にウエハ搬入搬出口57、66を通じて搬入され、待機室63のボート87へ移載される。以降、ウエハ1の前側ストッカ59Aからボート87への第二ウエハ移載装置55による移載作業が繰り返される。この間、第二移載室52および待機室63は負圧に減圧されているので、自然酸化膜除去済みのウエハ1が移載途中で自然酸化される現象を防止することができる。また、ボート搬入搬出口70がシャッタ71によって閉鎖されることにより、プロセスチューブ74の高温雰囲気が待機室63に流入することは防止されている。このため、移載途中のウエハ1および移載されたウエハ1が高温雰囲気に晒されることはなく、ウエハ1が高温雰囲気に晒されることによる自然酸化等の弊害の派生は防止されることになる。
前側ストッカ59Aに装填された全てのウエハ1がボート87へ装填されると、ボート搬入搬出口70がシャッタ71によって開放される。続いて、シールキャップ86がボートエレベータ83の昇降台84によって上昇されて、図3に想像線で示されているように、シールキャップ86に支持されたボート87がプロセスチューブ74の処理室75に搬入(ボートローディング)される。ボート87が上限に達すると、ボート87を支持したシールキャップ86の上面の周辺部がボート搬入搬出口70をシール状態に閉塞するため、処理室75は気密に閉じられた状態になる。このボート87の処理室75への搬入に際して、待機室63は負圧に維持されているため、ボート87の処理室75への搬入に伴って外部の酸素や水分が処理室75に侵入することは確実に防止される。また、前側ストッカ59Aのウエハ1をボート87に装填した後に、待機室63を真空引きしたり窒素ガスパージしたりせずに、ボート87を処理室75へ搬入することができるので、スループットを大幅に向上させることができる。
その後、プロセスチューブ74の処理室75は気密に閉じられた状態で、所定の圧力となるように排気管81によって排気され、ヒータユニット73によって所定の温度に加熱され、所定の原料ガスがガス導入管80によって所定の流量だけ供給される。これにより、予め設定された処理条件に対応する所望の膜がウエハ1に形成される。他方、前側ストッカ59Aに装填された全てのウエハ1がボート87へ装填されると、ウエハ搬入搬出口57、66がゲートバルブ58によって閉鎖され、第二移載室52が窒素ガス供給管53および排気管54によって窒素ガスパージされる。
翻って、次の(二番目の)バッチのウエハ1が収納されたポッド2は、供給側ポッドオープナ20の載置台26の上へポッド搬送装置17によって搬送されて載置される。供給側ポッドオープナ20に供給されたポッド2のウエハ1は、前述した自然酸化膜除去ステップにより、酸化膜除去装置90によって自然酸化膜を除去されてバッファ室132に貯蔵される。バッファ室132に貯蔵された二番目のバッチのウエハ1は、第二移載室52へ第二ウエハ移載装置55によって搬送され、後側ストッカ59Bに移載される。この二番目のバッチのウエハ1に対する酸化膜除去ステップやバッファ室132への移載ステップおよび後側ストッカ59Bへのチャージングステップは、前回の(一番目の)バッチのウエハ1に対する成膜ステップと同時進行することができるので、スループットの低下を防止することができる。
他方、前回の(一番目の)バッチに対するウエハ1に対しての成膜ステップについて設定された処理時間が経過すると、図2および図3に示されているように、ボート87がボートエレベータ83によって下降されることにより、処理済みウエハ1を保持したボート87が待機室63に搬出(ボートアンローディング)される。
ボート87が待機室63に排出されると、ボート搬入搬出口70がシャッタ71によって閉鎖され、ウエハ搬入搬出口57、66がゲートバルブ58によって開放される。続いて、搬出されたボート87の処理済みウエハ1が第二ウエハ移載装置55によって脱装(ディスチャージング)されて、予め減圧された第二移載室52に搬入され、前側ストッカ59Aへ装填される。ボート87の全ての処理済みウエハ1が前側ストッカ59Aへ第二ウエハ移載装置55によって装填されると、続いて、後側ストッカ59Bに予め装填された次の(二番目の)バッチのウエハ1が、ボート87に第二ウエハ移載装置55によって移載されて装填される。このように、大きな容量を有する待機室63を窒素ガスパージせずに、処理室75から待機室63に搬出された処理済みウエハ1を待機室63と同圧に減圧された第二移載室52へ待機室63に搬出された直後に移送して前側ストッカ59Aに装填し、続いて、次のバッチのウエハ1を第二移載室52の後側ストッカ59Bから待機室63のボート87に装填すると、大きな容量を有する待機室63を窒素ガスパージする時間を省略することができるので、スループットを大幅に高めることができる。
後側ストッカ59Bに装填された次のバッチのウエハ1がボート87へ全て装填されると、ボート搬入搬出口70がシャッタ71によって開放される。続いて、シールキャップ86がボートエレベータ83の昇降台84によって上昇されて、シールキャップ86に支持されたボート87がプロセスチューブ74の処理室75に搬入される。ボート87が上限に達すると、ボート87を支持したシールキャップ86の上面の周辺部がボート搬入搬出口70をシール状態に閉塞するために、プロセスチューブ74の処理室75は気密に閉じられた状態になる。このボート87の処理室75への搬入に際しても、待機室63は負圧に維持されているために、ボート87の処理室75への搬入に伴って外部の酸素や水分が処理室75に侵入することは確実に防止される。さらに、後側ストッカ59Bのウエハ1をボート87に装填した後に、待機室63を真空引きしたり窒素ガスパージしたりせずに、ボート87を処理室75へ搬入することができるので、スループットを大幅に向上させることができる。
その後、前回の(一番目の)バッチのウエハ1に対する場合と同様にして、プロセスチューブ74の処理室75は気密に閉じられた状態で、所定の圧力となるように排気管81によって排気され、ヒータユニット73によって所定の温度に加熱され、所定の原料ガスがガス導入管80によって所定の流量だけ供給される。これにより、前回のバッチと同様にウエハ1に対する処理条件に対応する所望の膜がウエハ1に形成される。
他方、後側ストッカ59Bに装填された全てのウエハ1がボート87へ装填されると、ウエハ搬入搬出口57、66がゲートバルブ58によって閉鎖され、冷却媒体としての冷えた新鮮な窒素ガスが前側ストッカ59Aに装填された処理済みウエハ1に前側ガス吹出管61Aによって直接的に吹き付けられる。この窒素ガスの吹き付けにより、前側ストッカ59Aに装填された高温のウエハ1はきわめて効果的に強制冷却される。前側ストッカ59Aに装填された処理済みウエハ1に対する強制冷却時間は、次の(二番目の)バッチに対する成膜ステップの処理時間に対応して充分に確保することができるので、処理済みウエハ1を充分に冷却することができる。しかも、この処理済みウエハ1の強制冷却ステップは二番目のバッチのウエハ1についての成膜ステップと同時に進行されていることにより、冷却待ち時間は吸収されることになるため、バッチ式CVD装置10の全体としてのスループットを低下させることにはならない。
前側ストッカ59Aに装填された処理済みウエハ1が窒素ガスの吹き付けによって強制的に冷却されて、ポッド2に収納可能な温度(例えば、80℃)に降温したところで、排出側ポッドオープナ30のウエハ搬出口38、連絡口56がゲートバルブ39によって開放される。このとき、第二移載室52および排出側ポッドオープナ室32は窒素ガスパージされている。続いて、排出側ポッドオープナ30の載置台36に載置された空のポッド2がキャップ着脱機構37によって取り外され、ポッド2のウエハ出し入れ口が開放される。空のポッド2が開放されると、窒素ガスがポッド2のウエハ出し入れ口に窒素ガス供給管33から吹き込まれ、ポッド2のウエハ収納室の雰囲気が窒素ガスパージされる。続いて、前側ストッカ59Aの処理済みのウエハ1が載置台36の空のポッド2に第二ウエハ移載装置55によって収納される。この際、処理済みウエハ1はポッド2に収納可能な温度に降温されているため、ポッド2が樹脂によって製作されている場合であっても、処理済みウエハ1をポッド2に安全に収納することができる。
なお、窒素ガス供給管33および排気管34は設置せずに、ゲートバルブ39を開くことにより、ポッドオープナ室37の内部の雰囲気を置換するように構成してもよい。
なお、窒素ガス供給管33および排気管34は設置せずに、ゲートバルブ39を開くことにより、ポッドオープナ室37の内部の雰囲気を置換するように構成してもよい。
前側ストッカ59Aに装填された処理済みウエハ1がポッド2に全て収納されると、ポッド2はキャップ着脱機構37によってキャップを装着された後に、載置台36から前側ポッド棚15または後側ポッド棚16にポッド搬送装置17によって搬送される。この際、ウエハ搬入搬出口35はキャップ着脱機構37によって閉じられた状態になっている。ちなみに、前側ポッド棚15または後側ポッド棚16に搬送されたポッド2はポッドステージ14に搬送され、ポッドステージ14から次の処理工程へ工程内搬送装置によって搬送されて行く。この処理済みウエハ1の空のポッド2への収納作業は、後続のバッチのウエハ1に対する成膜ステップの間に同時に進行することができる。
処理済みウエハ1を収納したポッド2が載置台36から搬送されると、二番目のバッチの空のポッド2が供給側ポッドオープナ20の載置台26から排出側ポッドオープナ30の載置台36へポッド搬送装置17によって搬送される。その後、次の(三番目の)バッチのウエハ1が収納されたポッド2は、供給側ポッドオープナ20の載置台26の上へポッド搬送装置17によって搬送されて載置される。供給側ポッドオープナ20に供給されたポッド2のウエハ1は、前述した自然酸化膜除去ステップにより、酸化膜除去装置90によって自然酸化膜を除去されてバッファ室132に貯蔵される。バッファ室132に貯蔵された三番目のバッチのウエハ1は第二移載室52へ第二ウエハ移載装置55によって搬送され、空になった前側ストッカ59Aに移載される。この三番目のバッチのウエハ1に対する酸化膜除去ステップやバッファ室132への移載ステップおよび前側ストッカ59Aへのチャージングステップは、前回の(二番目の)バッチのウエハ1に対する成膜ステップと同時進行することができるので、スループットの低下を防止することができる。
他方、二番目のバッチに対するウエハ1に対しての成膜ステップについて設定された処理時間が経過すると、一番目のバッチのウエハ1に対する場合と同様にして、二番目のバッチの処理済みウエハ1を保持したボート87が待機室63に搬出される。ボート87が待機室63に排出されると、ボート搬入搬出口70がシャッタ71によって閉鎖され、ウエハ搬入搬出口57、66がゲートバルブ58によって開放される。続いて、搬出されたボート87の処理済みウエハ1が第二ウエハ移載装置55によって脱装されて、予め減圧された第二移載室52に搬入され、後側ストッカ59Bへ装填される。ボート87の全ての処理済みウエハ1が後側ストッカ59Bへ第二ウエハ移載装置55によって装填されると、続いて、前側ストッカ59Aに予め装填された三番目のバッチのウエハ1が、ボート87に第二ウエハ移載装置55によって移載されて装填される。以降、三番目のバッチのウエハ1についても、一番目および二番目のバッチのウエハ1と同様にして成膜ステップが実行される。
他方、前側ストッカ59Aに装填された全てのウエハ1がボート87へ装填されると、ウエハ搬入搬出口57、66がゲートバルブ58によって閉鎖され、冷却媒体としての冷えた新鮮な窒素ガスが後側ストッカ59Bに装填された処理済みウエハ1に後側ガス吹出管61Bによって直接的に吹き付けられる。この窒素ガスの吹き付けにより、後側ストッカ59Bに装填された高温のウエハ1はきわめて効果的に強制冷却される。後側ストッカ59Bに装填された処理済みウエハ1に対する強制冷却時間は、三番目のバッチに対する成膜ステップの処理時間に対応して充分に確保することができるので、処理済みウエハ1を充分に冷却することができる。しかも、この処理済みウエハ1の強制冷却ステップは二番目のバッチのウエハ1についての成膜ステップと同時に進行されていることにより、冷却待ち時間は吸収されることになるため、バッチ式CVD装置10の全体としてのスループットを低下させることにはならない。
後側ストッカ59Bに装填された処理済みウエハ1が窒素ガスの吹き付けによって強制的に冷却されて、ポッド2に収納可能な温度(例えば、80℃)に降温したところで、排出側ポッドオープナ30のウエハ搬出口38、連絡口56がゲートバルブ39によって開放される。その後、一番目のバッチのウエハ1と同様にして、後側ストッカ59Bの二番目のバッチのウエハ1は排出側ポッドオープナ30の載置台36に載置された空のポッド2に収納されて行く。
以降、前述した作用が繰り返されて、ウエハ1が例えば25枚ずつ、バッチ式CVD装置10によってバッチ処理されて行く。
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
1) ウエハの自然酸化膜を酸化膜除去装置によって除去した後に、ウエハを待機室に搬送して処理室に搬入することにより、ウエハへの自然酸化膜の悪影響を防止することができるので、良好な成膜を確保することができ、バッチ式CVD装置の製造歩留りを向上させることができ、各バッチ間の製造精度のばらつきを低減することができる。
2) ウエハを処理室に移載するウエハ移載室と酸化膜除去装置との間にバッファ室を介設することにより、前回のバッチのウエハへの成膜ステップの間に、酸化膜除去装置において次回や後続のバッチのウエハに対して酸化膜除去ステップを同時に進行させることができるために、バッチ式CVD装置のスループットの低下を防止することができる。
3) 供給側ポッドオープナと排出側ポッドオープナとを設置することにより、供給側ポッドオープナ、酸化膜除去装置、バッファ室、ウエハ移載室および排出側ポッドオープナの経路を一方通行に設定することができるので、一バッチ当りのステップ数を大幅に短縮することができ、バッチ式CVD装置のスループットを向上させることができる。
4) 空のポッドを供給側ポッドオープナから排出側ポッドオープナへ搬送するポッド搬送装置を設置することにより、これから処理するウエハを酸化膜除去装置へ払い出して空になったポッドを供給側ポッドオープナから排出側ポッドオープナへ転送することができるので、バッチ式CVD装置のスループットを向上させることができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、図8に示されているように、複数台の酸化膜除去装置90、90を第一移載室筐体41に連設してもよい。本実施の形態によれば、前記実施の形態の効果に加えて、酸化膜除去ステップの処理能力を増強することができるので、成膜ステップの処理時間との整合が確保し易くなるという特有の効果を得ることができる。
空のポッドを供給側ポッドオープナから排出側ポッドオープナへ搬送するポッド搬送装置は省略してもよい。例えば、工程内搬送装置または作業者が実ポッドおよび空ポッドを供給側ポッドオープナおよび排出側ポッドオープナのそれぞれへ供給し得るように構成してもよい。
前記実施の形態ではバッチ式CVD装置の場合について説明したが、本発明はこれに限らず、基板処理装置全般に適用することができる。
1…ウエハ(基板)、2…ポッド(キャリア)、10…バッチ式CVD装置(基板処理装置)、11…フロント筐体、12…ポッド保管室、13…ポッド搬入搬出口、14…ポッドステージ、15、16…ポッド棚、17…ポッド搬送装置、20…供給側ポッドオープナ、21…筐体、22…ポッドオープナ室、23…窒素ガス供給管、24…排気管、25…ウエハ搬入搬出口、26…載置台、27…キャップ着脱機構、28…ウエハ搬入口、29…ゲートバルブ、30…排出側ポッドオープナ、31…筐体、32…ポッドオープナ室、33…窒素ガス供給管、34…排気管、35…ウエハ搬入搬出口、36…載置台、37…キャップ着脱機構、38…ウエハ搬出口、39…ゲートバルブ、41…第一移載室筐体、42…第一移載室(酸化膜除去装置側移載室)、43…窒素ガス供給管、44…排気管、45…第一ウエハ移載装置、46…供給側ポッドオープナ室に連絡する連絡口、47…バッファ室に連絡する連絡口、48…酸化膜除去装置に連絡する連絡口、51…第二移載室筐体(耐圧筐体)、52…第二移載室(成膜側移載室)、53…窒素ガス供給管、54…排気管、55…第二ウエハ移載装置、56…排出側ポッドオープナ室に連絡する連絡口、57…ウエハ搬入搬出口、58…ゲートバルブ、59A、59B…ストッカ、60…遮蔽板、61A、61B…ガス吹出管、62…耐圧筐体、63…待機室、64…窒素ガス供給管、65…排気管、66…ウエハ搬入搬出口、67…バッファ室と連絡する連絡口、70…ボート搬入搬出口、71…シャッタ、72…ヒータユニット筐体、73…ヒータユニット、74…プロセスチューブ、75…処理室、76…アウタチューブ、77…インナチューブ、78…排気路、79…マニホールド、80…ガス導入管、81…排気管、82…熱電対、83…ボートエレベータ、84…昇降台、85…アーム、86…シールキャップ、87…ボート、88…ロータリーアクチュエータ、90…酸化膜除去装置、91…除去室筐体、92…除去室(酸化膜除去室)、93…ウエハ搬入搬出口、94…ゲートバルブ、95…窒素ガス供給管、96…排気管、97…モータ、98…出力軸、99…カップリング、100…回転軸、101…シール機構付き軸受装置、102…保持具、103…把持ピン、104…スカート、105…シール装置、106…薬液ノズル、106a…滴下口、107…給液配管、108…薬液供給装置、109…スチームノズル、109a…吹出口、110…給気管、111…スチーム供給装置、112…スチーム供給弁、113…フィルタ、114…排気ダクト、115…吸込口、116…シール機構付き軸受装置、117…旋回駆動装置、118…排気配管、119…排気装置、120…トラップ、121…回収タンク、122…ドレン弁、123…ヒータ、124…スチーム(乾燥用ガス)、125…旋回速度、129…スチーム、131…バッファ室筐体、132…バッファ室、133…窒素ガス供給管、134…排気管、135…ウエハ搬入口、136…ゲートバルブ、137…ウエハ搬出口、138…ゲートバルブ、139…仮置き台、141…雰囲気。
Claims (2)
- 基板を基板保持具に保持して処理する処理室と、この処理室に隣接した予備室と、この予備室に隣接し前記基板を搬送する基板移載装置が設置された基板移載室と、前記基板の自然酸化膜を除去する酸化膜除去装置と、前記基板移載室と前記酸化膜除去装置との間に設置され前記基板が仮置きされるバッファ室とを備えていることを特徴とする基板処理装置。
- 基板を基板保持具に保持して処理する処理室と、この処理室に隣接した予備室と、この予備室に隣接し前記基板を搬送する基板移載装置が設置された基板移載室と、前記基板の自然酸化膜を除去する酸化膜除去装置と、前記基板を収納したキャリアを載置する供給側載置台と、前記キャリアの前記基板を前記酸化膜除去装置に移載する基板移載装置と、前記基板保持具の前記基板を収納するキャリアを載置する排出側載置台と、前記供給側載置台と前記排出側載置台との間で前記キャリアを搬送するキャリア搬送装置とを備えていることを特徴とする基板処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004049262A JP2005243768A (ja) | 2004-02-25 | 2004-02-25 | 基板処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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2004
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KR20180109725A (ko) * | 2017-03-28 | 2018-10-08 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 기판 처리 장치, 기판 처리 방법 및 기억 매체 |
CN108666239A (zh) * | 2017-03-28 | 2018-10-16 | 东京毅力科创株式会社 | 基板处理装置、基板处理方法和存储介质 |
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