JP2005243686A - 露光装置および露光方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウエハが走査される場合にも適用可能な液浸タイプの露光装置を提供する。
【解決手段】 投影光学系レンズ12とステージ14上のウエハ18の間の露光部流路22に液浸液体が供給され、液浸液体を通して投影光学系レンズ12がウエハ18を露光する。液浸液体の流量が、露光部流路22内の流れが層流状態となるように制御される。流量制御手段は、露光部流路22における投影光学系レンズ12とウエハ18の距離をD、露光部流路22内の液浸液体の平均流速をU、液浸液体の動粘性係数をνとしたときの無次元数Re=U×D/νの値が特定の臨界値を越えないように液浸液体の流量を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微細加工を実現する露光装置に関する。
半導体デバイスの更なる高速化、高集積化に伴い、露光微細加工技術分野においては、ナノスケール(10のマイナス9乗)の微細加工を実現する技術の開発が進められている。現在、ステッパーと呼ばれる逐次移動式露光装置において、実用的な最先端露光技術として用いられているフッ化アルゴン(ArF)エキシマ・レーザー露光技術は、量産レベルでLSI線幅90ナノメートル、研究開発レベルで65ナノメートルまでが限界とされている(非特許文献1)。このため、半導体製造装置メーカーでは、電子線投影露光技術(EPL)や極紫外線投影露光技術(EUV)による65ナノメートル以下の線幅に対応する次世代露光装置の開発を進めているが、点露光であるために生産性が上がらなかったり、装置を構成する材料などの問題のため、装置が高額になったりするという欠点を持つ(非特許文献2)。
一方、ArFエキシマ・レーザー露光技術の延命を目指し、光学系やレジスト材料などを発展させることによって、65ナノメートル以下の線幅に対応可能な液浸露光と呼ばれる技術の提案もなされている。液浸露光技術とは、露光装置の投影露光レンズとレジストの間を液体で満たすことにより、光の屈折率を高め、解像度を向上させる技術である。
一般に、露光の解像度は、解像度R=k(プロセス係数)×λ(光源波長)/NA(開ロ数:投影レンズの明るさ)で表され、光源の波長が短く、投影レンズのNAが大きいほど高い解像度が得られる。ここで、NAは、n(屈折率)×sinθ(光線入射角)で与えられる。
通常の露光技術が屈折率n=1の大気中で実施されるのに対して、液浸露光技術は、投影レンズとウエハの間に屈折率nが1よりも大きな液浸液体中で実施される。このことは、投影光学系のNAの定義NA=n×sinθにおいて、nが拡大することを意味する。したがって、同一の露光光の光線入射角θでは、解像度を1/nに縮小、すなわち、向上させることが可能となる(光学系NAのn倍の拡大効果)。一方、従来と同一のNAとした場合には、θを小さくできるため、焦点深度をn倍に拡大、すなわち、向上させることが可能となる。
例えば、光源にArFエキシマ・レーザーを用いた露光では、投影レンズとウエハの間を屈折率1.44の純水で満たした場合、通常露光の最小線幅65ナノメートルを、さらに1/1.44倍に縮小した45ナノメートルまでの微細加工が可能となる。
また、液浸露光技術は、エキシマ・レーザーを用いた線露光が可能であることから、点露光でスループットが上がらない電子線投影露光技術と比べて、生産性を向上することができる。また、液浸露光では、装置の構成自体も現行露光装置のものをほとんど流用でき、コスト面でも優位性を持つ。
液浸技術は、顕微鏡においては、従来より用いられてきた方式であるが、液浸露光装置への本格的な応用は近年より検討が行われており、微細パターン転写露光装置として提案されている(特許文献1)。
畑村、中尾、「実際の情報機器技術」、初版、日本、日刊工業新聞社、1998年12月18日、第288−289ページ) 小笠原、「3.特集:ナノテクノロジー/情報通信分野の注目動向、次世代LSI用リソグラフィー技術の研究開発動向」、科学技術動向、日本、文部科学省科学技術政策研究所、科学技術動向研究センター、2001年5月号、No.2、2001年5月、第19−21ページ) 特開昭63−157419号公報(第1−2ページ、第1図)
しかしながら、従来の装置では、露光中にウエハが機械的に走査された上で、液浸液体が送液されることを考慮していなかった。すなわち、ウエハが走査された場合、流れの方向や流路の形状によっては渦や乱流などの非定常流れによって気泡が発生する可能性があり、その気泡によって液浸液体の屈折率が変化させられる恐れがある。この屈折率の変化は、露光装置において最も重要な、微細パターン加工精度に悪影響を与える。また、レジスト感光反応による汚染物質と反応熱の拡散状況によっては液浸液体の密度を変化させ、気泡と同様に屈折率へ悪影響を与える。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、ウエハが走査される場合にも適用可能な液浸タイプの露光装置を提供することにある。
本発明の露光装置は、投影光学系と、ウエハを固定するステージと、前記投影光学系と前記ステージ上のウエハの間の露光部流路に液浸液体を供給する液体供給手段と、前記露光部流路内の流れが層流状態となるように液浸液体の流量を制御する流量制御手段と、を備える。これにより、渦や乱流などの非定常流れによる気泡の発生を抑制することができ、ウエハが走査されても露光を好適に行うことができる。
好ましくは、前記流量制御手段は、前記露光部流路における前記投影光学系と前記ウエハの距離をD、前記露光部流路内の液浸液体の平均流速をU、液浸液体の動粘性係数をνとしたときの無次元数Re=U×D/νの値が特定の臨界値を越えないように液浸液体の流量を制御する。これにより、渦や乱流などの非定常流れによる気泡の発生を好適に抑制できる。
好ましくは、前記液体供給手段は、前記露光部流路内の流れの方向を変更可能に設けられている。これにより、露光を適切に行えるように流れの方向を変えられる。好ましくは、流れ方向制御手段が、前記露光部流路内の流れの方向を前記ステージの移動方向に応じて制御する。この構成は、流れ方向とステージの移動方向の関係が決められているときに有利である。この構成により、ウエハの往復動作の両方向にて露光を行うことができ、装置のスループットを向上できる。
好ましくは、本発明の露光装置は、前記液浸液体の流れ方向と前記ステージの移動方向が一致するときのみ露光処理を行う。これにより、適当な層流状態下で露光を行える。好ましくは、前記液浸液体の流れ方向と前記ステージの移動方向が不一致のときに前記液浸液体の流量を変動させる。例えば、流れ方向が固定されると、ステージの往復動作に応じて、流れ方向とステージ移動方向の一致と不一致が繰り返される。一致期間には上記の層流状態が作られ良好な露光処理が行われる。一方、不一致期間には、流量の変動制御が行われる。これにより、レジスト感光反応による汚染物質や反応熱の拡散を促進することができ、密度変化による屈折率への影響を軽減させることができ、次の露光処理の性能向上に寄与できる。
ただし、本発明は、流れの方向がウエハの走査方向と同じ場合に限定されなくてもよい。レジストからの生成物や露光時の熱の影響がそれほど大きくなく、渦や気泡の影響が大きい場合には、液浸液体の流れ方向とウエハの走査方向が逆方向になるときに露光処理を行なってもよい。
好ましくは、本発明の露光装置は、前記露光部流路の流入側端から露光部位までの間に所定の長さの助走区間を有するとともに、前記露光部流路の断面積が流れ方向に一定である。これにより、露光部流路内の層流状態を得られやすくなる。
好ましくは、本発明の露光装置は、露光部位の上流側または上下流両側に流体工学的な抵抗体を備える。これにより、露光部流路内の層流状態を得られやすくなる。
好ましくは、本発明の露光装置は、前記露光部流路の前後に前記露光部流路に液浸液体を導入または導出する補助流路を備え、前記補助流路は、ウエハに直角な方向の寸法が前記露光部流路に向かって連続的に減少すると共に、ウエハに平行な方向の寸法が前記露光部流路に向かって連続的に増加する断面形状を有する。これにより、露光部流路内の層流状態を得られやすくなる。
好ましくは、本発明の露光装置は、前記露光部流路に供給される液浸液体を脱気するための脱気装置を備える。これにより、気泡発生の可能性を低減することができる。
好ましくは、本発明の露光装置は、前記投影光学系の最終レンズと一体に形成され、前記最終レンズおよびウエハとともに前記露光部流路を形成する側壁部を有し、前記側壁部が前記ウエハとの間に、前記最終レンズと前記ウエハの距離の10%〜50%の大きさの隙間を有する。これにより、露光部流路内の流量が安定した流れを実現することができる。
好ましくは、本発明の露光装置は、液浸液体の温度を体積膨張率が0となる温度近傍に制御する温度制御手段を備える。この制御は、反応熱による温度擾乱に対する制御として行われる。そして、上記のような温度制御により、温度擾乱に対する体積膨張を最小にすることができ、体積膨張による液浸液体の屈折率の変化を最小限に抑えることができる。
本発明の別の態様の露光装置は、投影光学系と、ウエハを固定するステージと、前記投影光学系と前記ステージ上のウエハの間の露光部流路に液浸液体を供給する液体供給手段と、前記露光部流路に供給される液浸液体を脱気するための脱気装置と、を備える。
本発明の別の態様の露光装置は、投影光学系と、ウエハを固定するステージと、前記投影光学系と前記ステージ上のウエハの間の露光部流路に液浸液体を供給する液体供給手段と、液浸液体の流量が周期的に変動するように液浸液体の流量を制御する流量制御手段と、を備える。流量を一時的あるいは継続的に周期変動させることによって、レジスト感光反応による汚染物質や反応熱の拡散を促進させ、密度変化による屈折率への影響を軽減させることができる。
本発明の別の態様の露光装置は、投影光学系と、ウエハを固定するステージとを備え、前記投影光学系と前記ステージ上のウエハの間の露光部流路に液浸液体を供給した状態で前記撮影光学系から液浸液体を通して前記ウエハを露光する。本装置は、前記投影光学系の最終レンズと一体に形成され、前記最終レンズおよびウエハとともに前記露光部流路を形成する側壁部を有し、前記側壁部が前記ウエハとの間に、前記最終レンズと前記ウエハの距離の10%〜50%の大きさの隙間を有する。
本発明の別の態様の露光装置は、投影光学系と、ウエハを固定するステージと、前記投影光学系と前記ステージ上のウエハの間の露光部流路に液浸液体を供給する液体供給手段と、液浸液体の温度を体積膨張率が0となる温度近傍に制御する温度制御手段と、を備える。
本発明の別の態様の露光装置は、投影光学系と、ウエハを固定するステージとを備え、前記投影光学系と前記ステージ上のウエハの間の露光部流路に液浸液体を供給した状態で前記撮影光学系から液浸液体を通して前記ウエハを露光する。本装置は、前記露光部流路内の流れが層流状態となるような流量の液浸液体を前記露光部流路に供給する。
本発明の別の態様は、投影光学系を用いてステージ上に固定したウエハを露光する露光方法であって、ステージにウエハを固定し、前記ウエハと撮影光学系の間に露光部流路を形成し、前記露光部流路内の流れが層流状態となるような流量の液浸液体を前記露光部流路に供給し、前記投影光学系から層流状態の液浸液体を通して前記ウエハを露光する。
以上のように、本発明によれば、ウエハが走査される場合にも適用可能な液浸タイプの露光装置を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図3は、本実施の形態の露光装置の要部を概略的に示しており、各図は適宜模式化されている。図1は側方から見た断面図であり、図2は平面図であり、図3は、図2を線A−Aで切断した断面図である。本実施の形態では、露光装置10は逐次移動タイプであって、液浸タイプの装置である。
図1に示すように、露光装置10は、投影光学系レンズ12と、その下方のテーブルで構成されるステージ14を備える。図1では投影光学系レンズ12の主要部が示されており、投影光学系レンズ12の直径は、投影光学系下部16で小さくなっている。ステージ14の上にはウエハ18が固定されており、ウエハ18の周囲がガードリング20で囲まれている。そして、投影光学系レンズ12とウエハ18の間には液浸液体の露光部流路22が形成されている。露光部流路22は、ステージ14の移動方向24(すなわち、ウエハ18の連続移動を行う方向)と同じ方向に液浸流体を流すように設けられている。露光部流路22には後述するように定常流を生じさせるので、露光部流路22を定常流路と呼ぶこともできる。この露光部流路22は以下のように構成されている。
投影光学系レンズ12の下端には最終レンズ26が取り付けられている。最終レンズ26には、露光部流路22を規定するカバー部材28が取り付けられている。カバー部材28は矩形の板状部材であり、最終レンズ26を取り囲むように設けられており、カバー部材28と最終レンズ26は一体になっている。そして、最終レンズ26およびカバー部材28の下面30は平坦である。
図3に示すように、カバー部材28は、その縁部に沿う側壁部32を有し、側壁部32は下方を向いており、側壁部32の下端はウエハ18まで延びている。露光部流路22は、両側の側壁部32と最終レンズ26の下面30とウエハ18の上面とによって形成されている。
図2に示すように、カバー部材28の矩形形状は、投影光学系下部16よりも十分に大きい寸法を有する。カバー部材28は、矩形形状の長辺が露光部流路22の流れ方向34に沿うように設けられている。露光部流路22では、断面積が一定に保たれ、定常流が得られるように、流路断面の縦横長さが流れ方向34に沿って一定である。
露光部流路22の前後には、補助流路36が設けられている。補助流路36は、液浸液体の流入または流出を導く部分であり、導入出路ともいえる。本実施の形態では、後述するように、流れ方向34が可変である。したがって、両側の補助流路36は導入路としても導出路としても機能する。ただし、流れ方向34が固定の場合には、各補助流路36は、導入路または導出路の一方のみとして機能する。
補助流路36は、断面積が変化する管状の部材で構成される。補助流路36の一端は、最終レンズ26のカバー部材28の端部38に連結される。補助流路36の他端は、液浸液体を導く配管40へと連結されている。補助流路36は図示のように傾けられている。
補助流路36はテーパ型の断面形状を有する。すなわち、補助流路36は、ウエハに直角な方向の寸法が露光部流路22に向かって連続的に減少し、同時に、ウエハ18に平行で流れに垂直な方向の寸法が露光部流路22に向かって連続的に増加する。補助流路36がこのような断面形状を有することで、液浸液体を送る配管40から薄い形状の露光部流路22へと通路の断面形状が滑らかに変化する。
また、露光部流路22の幅を規定する側壁部32の下端には、ウエハ18との間に隙間がある。同様に、補助流路36がカバー部材28に連結される端部38にも、補助流路36とウエハ18の間に隙間があり、隙間の大きさは、側壁部32の下の隙間と同じに設定されている。これらの隙間から、露光部流路22の周囲方向42へ適量の液浸液体が流出する。
また、露光部流路22の寸法設定によっては、ウエハ18の走査が終わりに近い期間では、ウエハ18の一部がカバー部材28から外れ、カバー部材28の全体がウエハ18が覆わなくなる。この点を考慮し、本実施の形態は、上記の状況でも露光部流路22が継続的に確保されるように構成されている。例えば、ガードリング5の幅が厚く設定される。ガードリング5以外の構成によって、露光部流路22が確保されてもよい。また、上記の場合、ウエハ18の端部が露光部流路22内に位置することになり、そのための流れの乱れが生じ得る。そこで、この点も考慮して後述するように流路形状が設定される。
次に、露光部流路22に関連する構成の好適な寸法について説明する。まず、ウエハ18と最終レンズ26の下面30との距離(流路高さ)Dは0.1mm以上、1mm以下が好ましい。また、側壁部32とウエハ18の隙間δの大きさは、好ましくは、流路高さDの10%〜50%の大きさである。例えば、隙間δの大きさは、50〜100マイクロメートル程度に設定される。
また、露光部流路22の幅は、投影光学系レンズ12の下部より広く設定されている。露光部流路22の長さについては、露光部位までに適当な助走距離が確保されるように設定される。
ここで、流体力学的に見ると、層流を得るための助走距離Lは、0.065×Re×Dで表される。ここで、Reはレイノルズ数と呼ばれる無次元数(Re=U×D/ν)であり、層流を得るためには臨界レイノルズ数Recr=2320を超えない値であればよい。また、Dは流路高さである。例えば、レイノルズ数が層流を得られる最大Re=2320として、流路高さDを0.1mmとすると、助走距離Lは、0.065×2320×0.1mm=約15mm以上になり、流路高さDを1mmとすると、助走距離Lは約150mm以上になる。
実際の液浸液体の流れを見ると、層流になるよう制御された流路であれば、補助流路36の始まり部分である程度の渦が生じ、発生した渦が減少していく。また、前述のように、ウエハ走査の後の方の期間には、カバー部材26の一部しかウエハ18を覆わなくなり、露光部流路22内をウエハ18の端部が通ることになる。この期間には、ウエハ18とガードリング5の隙間でも渦が生じ、そして、この渦も露光部流路22内で減少していく。これらの現象を考慮して、渦が露光部位までに十分な程度に消滅し、露光部位にて十分な程度の層流状態が得られるように助走距離が設定される。そこで、露光部流路22の長さは、露光部位の大きさとその両側の助走距離の合計が確保されるように設定される。好ましくは、流路長は、被露光チップ44に助走距離の2倍を加えた長さ以上に設定される。
図4は、露光装置10の全体構成を概略的に示している。露光装置10は、上述の構成に加えて、露光制御装置50、ステージ移動装置52および液体供給装置54を備える。露光制御装置50は、投影光学系レンズ12にウエハ18を露光させる。ステージ移動装置52はステージ14をXY方向に移動することができる。ステージ移動装置52はステージ14を往復方向に連続移動させる。ステージ14の移動によりウエハ18の走査が実現される。
液体供給装置54は、液浸液体タンク60と、廃液タンク62と、液送ポンプ64と、配管系66とを備える。液浸液体タンク60には液浸液体が蓄えられている。液浸液体は、屈折率nが1より大きい液体である。本実施の形態では、液浸液体が例えば水であり、この場合の屈折率nは1.44である(ただし、本発明の範囲で液浸液体は水に限定されない)。液送ポンプ64は、液浸液体タンク60の出口に連結され、配管系66に液浸液体を供給する。配管系66は、概略的には、液浸液体タンク60から液浸液体をウエハ18上の露光部流路22に送り、露光部流路22から廃液を廃液タンク62へと送るように構成されている。
本実施の形態では、配管系66は、下記のように、露光部流路22への液浸液体の供給方向を反転可能に構成されている。
すなわち、液浸液体タンク60は、液送ポンプ64を介して、露光部流路22の一方の補助流路36とパイプ70で連結されている。また、露光部流路22のもう一つの補助流路36は、廃液タンク62にパイプ72で連結されている。パイプ70は、液送ポンプ64から露光部流路22に向かって2箇所の分岐点a、bを有し、パイプ72は、露光部流路22から廃液タンク62に向かって分岐点c、dを有する。そして、分岐点aと分岐点cがパイプ74で連結され、分岐点bと分岐点dがパイプ76で連結されている。分岐点b、cにはそれぞれバルブ78、80が備えられている。バルブ78、80は三方弁である。
また、ステージ14は、ガードリング20の外側にドレイン82を有する。ドレイン82はパイプ84で廃液タンク62に連結されている。液浸液体は、露光部流路22の下方の隙間から漏れてきて、ステージ14上で集められ、ドレイン82から排出される。
露光装置10は、さらに、液体供給制御装置90を備えており、液体供給制御装置90はポンプ制御装置92とバルブ制御装置94で構成される。
ポンプ制御装置92は、液送ポンプ64のオンオフと流量を制御する。ポンプ制御装置92は、最終レンズ26の下の露光部流路22の流れが層流状態のとなるように流量を制御する。ここで、前述のように、最終レンズ26の下面30とウエハ18の距離(流路高さ)をDとする。また、ウエハ18上の液浸液体の平均流速をUとし、液浸液体の動粘性係数をνとする。このとき、無次元数であるレイノルズ数Reは、U×D/νである。このReの値が、特定の臨界値を越えない範囲でポンプ制御装置92が液送ポンプ64を制御する。特定の臨界値は臨界レイノルズ数Recrであり、本実施の形態では2320である。ポンプ制御装置92には、予め流量上限値が設定されている。この流量上限値は、流路形状に応じて、露光部流路22の全長でレイノルズ数Reが臨界値を越えない大きさに設定されている。この流量上限値に従ってポンプ制御装置92が液送ポンプ64を制御する。
バルブ制御装置94は、配管系66のバルブ78、80を制御する。図4で左方から露光部流路22へ液浸液体を供給するとき、バルブ制御装置94は、バルブ78を制御して、液送ポンプ64と左側の補助流路36を連結する。また、バルブ制御装置94は、バルブ80を制御して、右側の補助流路36を廃液タンク62に連結する。これにより液浸液体は、パイプ70を通って左側から露光部流路22に入り、右側から排出され、パイプ72を通って廃液タンク62に達する。
一方、図4で右方から露光部流路22へ液浸液体を供給するとき、バルブ制御装置94はバルブ78、80を切り替える。これにより、液送ポンプ64がパイプ74を介して右側の補助流路36に連結される。また、廃液タンク62がパイプ76を介して左側の補助流路36に連結される。液浸液体はパイプ74、72を通って右側から露光部流路22に入り、左側から排出されて、パイプ70、76を通って廃液タンク62に至る。
以上のポンプ制御装置92およびバルブ制御装置94により、露光部流路22における液浸液体の流量と流れ方向を制御することができる。
さらに、図4に示すように、本実施の形態の露光装置10は、液浸液体タンク60に温度制御装置100を備える。温度制御装置100は、ペルチェクーラ102、測温体104および電子温度調節器106で構成される。ペルチェクーラ102および測温体104は液浸液体タンク60に取り付けられている。測温体104は、タンク内の液浸液体の温度を検出する。電子温度調節器106には、測温体104から温度検出信号が入力される。
電子温度調節器106は、検出温度に基づいてペルチェクーラ102をフィードバック制御して、液浸液体タンク60内の液浸液体の温度を調整する。電子温度調節器106は、液浸液体の温度を体積膨張率が0となる温度近傍に制御する。
図5は、水の体積膨張率を示した図である。液浸液体が水(屈折率n=1.44)の場合、摂氏4度付近で密度が最大となり、温度擾乱に対する体積膨張率が0となる。このような温度になるように、液浸液体の温度が電子温度調節器106により制御される。
また、図4に示されるように、露光装置10は、液浸液体タンク60に脱気装置110を備える。脱気装置110は真空ポンプ112を備え、真空ポンプ112は、液浸液体タンク60のタンク気相部114に連結されている。真空ポンプ112を運転することで、タンク気相部114が減圧され、液浸液体が脱気された状態になる。
次に、本実施の形態の露光装置10による露光処理を説明する。露光開始時、液浸液体タンク60の液浸液体の温度は、体積膨張率が0付近になる温度(水の場合は摂氏4度)付近に温度制御装置100により維持されており、また、脱気装置110により液浸液体が脱気されている。
まず、ステージ移動装置52がウエハ18を図4の方向DRへ、すなわち右方向へ移動する場合を説明する。このとき、バルブ制御装置94は、前述したようなバルブ78、80の切替え制御により、液送ポンプ64を露光部流路22の左側に連結し、廃液タンク62を露光部流路22の右側に連結する。これにより、液浸液体も右方向へ流れ、液浸液体の流れ方向がウエハ18の走査方向と一致する。
ポンプ制御装置92は液送ポンプ64を駆動し、これにより、液浸液体は液浸液体タンク60から露光部流路22に供給され、廃液タンク62へと排出される。また、液浸液体の一部は、露光部流路22の下方の隙間から周囲に漏れる。漏れた液体は、ドレイン82から廃液タンク62へと排出される。
ここで、ポンプ制御装置92は、前述したように、露光部流路22の全長に渡ってレイノルズ数Reが臨界レイノルズ数Recr=2320を越えない範囲に流量を制御する。これにより、露光部流路22の流れが層流状態になる。
この状態で、露光制御装置50が投影光学系を制御してウエハ18を露光させる。したがって、ウエハ18が走査される過程で、層流状態の液浸液体を通してウエハ18が露光される。
方向DR、すなわち右方向の移動が終了すると、ステージ移動装置52がステージ14の移動方向を反転させる。ステージ14は、ウエハ18と共に方向DL、すなわち、左方向に移動する。
移動方向が変わると、バルブ制御装置94がバルブ78、80を切り替える。この切替制御により、前述したように、液送ポンプ64が露光部流路22の右側に連結され、廃液タンク62が露光部流路22の左側に連結される。したがって、移動方向が変わっても、液浸液体の流れの方向がウエハ18の走査方向と一致する。そして、この状態で、露光制御装置50が投影光学系レンズ12にウエハ18を露光させる。
このようにして、ウエハ18の往復動が繰り返され、層流状態下での露光が継続的に行われる。ステージ14の移動方向の切換えの度に流れ方向も切り換えられる。
図6は、本発明の露光装置が使用される半導体デバイス製造方法の一例を示すフロー図である。同図を参照し、露光装置が使用される工程を説明する。
図6の製造方法は、以下の主工程を含む。(1)ウエハ122を製造するウエハ製造工程121(またはウエハ122を準備するウエハ準備工程)。(2)露光に使用するマスク(レクチル)132を製作するマスク製造工程131(またはマスクを準備するマスク準備工程)。(3)ウエハに必要な加工を行うウエハブロセッシング工程123。(4)ウエハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出し、動作可能にならしめるチップ組立工程124。(5)できたチップ125を検査するチップ検査工程126および検査に合格したチップからなる製品(半導体デバイス)127を得る工程。
なお、これらの主工程は、それぞれいくつかのサブ工程を含む。図6の右方部分は、そのうちのウエハブロセッシング工程123のサブ工程を示す。
ウエハプロセッシング工程123は、上記(1)〜(5)の主工程の中で、半導体デバイスの性能に決定的な影響を及ぼす主工程である。この工程では、設計された回路パターンをウエハ上に順次積層し、メモリやMPUとして動作するチップを多数形成する。このウエハプロセッシング工程123は、以下の工程を含む。(6)絶縁層となる誘電体薄膜や配線部、あるいは電極部を形成する金属薄膜などを形成する薄膜形成工程134(CVDやスパッタリングなどを用いる)。(7)この薄膜層やウエハ基板等を酸化する酸化工程134。(8)薄膜層やウエハ基板などを選択的に加工するためのマスク(レクチル)を用いてレジストのパターンを形成するリソグラフィ工程133。(9)レジストパターンに従って薄膜層や基板を加工するエッチンング工程134(例えば、ドライエッチング技術を用いる)。(10)イオン・不純物注入拡散工程134。(11)レジスト剥離工程。(12)加工されたウエハを検査する検査工程135。ウエハブロセッシング工程123は、必要な層数だけ繰り返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造する。図6のフロー図は、上記(6)(7)(9)および(10)をまとめて1つのブロック134で示している。そして、図6のブロック136は、ブロック134に加えてリソグラフィ工程133およびウエハ検査工程135を含んだ繰り返し工程136を示している。
図7は、図6の半導体デバイス製造方法の中で本発明の液浸露光装置が使用されるリソグラフィ工程133の詳細を示すフロー図である。図7に示すように、リソグラフィ工程133は、(13)前段の工程で回路パターンが形成されたウエハ上にレジストを被覆するレジスト塗布工程141、(14)レジストを露光する露光工程142、(15)露光されたレジストを現像してレジストパターンを得る現像工程143、(16)現像されたレジストパターンを安定化させるためのアニール工程144で構成される。上記(14)のレジストを露光する露光工程142に本発明の液浸露光装置を用いることにより、65ナノメートル以下の微細なパターンを有する半導体デバイスでもスループットよく製造でき、製品の生産性向上が可能である。
なお、半導体デバイス製造工程、ウエハブロセッシング工程、およびリソグラフィ工程は、周知のものであるから、これ以上の説明は、省略する。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。本発明によれば、液浸液体の流れが層流状態になるように流量を制御することで、渦や乱流などの非定常流れによる気泡の発生を抑制することができ、ウエハが走査されても露光を好適に行うことができる。上記の実施の形態では、ウエハとガードリングとの問の隙間によって生じるような渦の影響も好適に抑えられた。
また、上記実施の形態によれば、レイノルズ数Re=U×D/νの値が特定の臨界値を越えないように液浸液体の流量を制御しており、これにより、良好な層流状態が得られる。
また、上記の実施の形態では、露光部流路内の流れの方向を変更可能に設けられている。これにより、露光を適切に行えるように流れの方向を変えられる。また、上記の実施の形態では、露光部流路内の流れの方向をステージの移動方向に応じて制御している。上記の例では、ステージの往復動作の両方にて、流れの方向をステージ移動方向に一致させている。これにより、ウエハの往復動作の両方にて露光を行うことができ、装置のスループットを向上できる。
ただし、本発明は、流れの方向がウエハの走査方向と同じ場合に限定されなくてもよい。レジストからの生成物や露光時の熱の影響がそれほど大きくなく、渦や気泡の影響が大きい場合には、液浸液体の流れ方向とウエハの走査方向が逆方向になるときに露光処理を行なってもよい。
また、上記の実施の形態によれば、流入端からの適当な長さの助走区間を設けるとともに、露光部流路の断面形状を一定にしている。これにより、露光部位のレンズ下の流れがより確実に層流になる。流路端部付近で渦が発生しても、露光部位に達する前に渦を消滅させることができる。
また、上記の実施の形態によれば、テーパ形状の補助流路を露光部流路の前後に備えており、この補助流路により、薄い形状の露光部流路と液浸液体の配管との間で断面形状を滑らかに変化させることができ、露光部流路内の層流状態を得られやすくなる。
また、上記の実施の形態によれば、脱気装置を備えたことによって、屈折率に悪影響を及ぼす気泡の発生を抑制することができる。
また、上記の実施の形態によれば、露光部流路の下方にウエハとの間に適当な隙間を設けたので、隙間から適量の液浸液体が周囲に排出され、露光部流路の圧力が外部の圧力より高圧力に維持される。これにより安定した液送が可能となると共に、空気が露光部流路内に入り込み気泡になる可能性を大幅に低減できる。
また、上記の実施の形態によれば、液浸液体の温度が体積膨張率が0となる温度近傍に制御される。本実施の形態は、レジスト面の発熱によって温度が上昇し、水が膨張して屈折率に影響を及ぼすことを考慮している。上記の温度制御によって、温度擾乱による体積膨張変化を最小限に抑え、屈折率への悪影響を低減することが可能となる。このことから、液浸液体の温度を体積膨張率が0となる温度近傍で一定となるよう制御することは、装置として非常に有利となる。温度制御は、上記のようなフィードバック制御によって高い精度で行える。
次に、図8は、液体供給機構の別の例を示している。図8では、露光部流路22の両側にそれぞれ一つずつ、2機の液送ポンプ150、152が設けられている。液送ポンプ150、152は液浸液体タンク60にパイプ154、156で連結されている。また、液送ポンプ150、152はパイプ158、160で露光部流路22に連結されており、パイプ158、160からは途中で分岐パイプ162、164が分岐しており、分岐パイプ162、164は廃液タンク62へ連結されている。両分岐点にはバルブ166、168が設けられており、バルブ166、168は三方弁である。
図8の構成によっても、流量と流れの方向を好適に制御できる。すなわち、図8において、左側から露光部流路22に液浸液体を供給するときは、左側の液送ポンプ150が運転される。液送ポンプ150が露光部流路22の左側に連結されるようにバルブ166が切り換えられる。また、露光部流路22の右側が廃液タンク62に連結されるようにバルブ168が制御される。右側から液浸液体を供給するときは、右側の液送ポンプ152が運転され、そして、上述の逆のバルブ切替制御が行われる。
この例のように、本発明の範囲内で、流体供給の構成は任意に変更されてよい。すなわち、流路への液浸液体の供給と排出が適当に行われればよい。このような供給と排出のためには、供給系の配管形状、ポンプの仕様、数、配置、バルブの仕様、数、配置などといった構成を適当に変更可能であり、この点は当業者に理解されるところである。
次に、図9は、流路部分の別の構成例を示している。図9の例では、露光部位の上下流両側に流体工学的な抵抗体170が備えられている。抵抗体170は、断面積が一定の多孔質部材である。抵抗体170は整流板であってもよい。
本実施の形態では、カバー部材172および露光部流路174が上述の実施の形態より短い。そして、露光部流路174の前後の補助流路176は、一様断面部178とテーパ部180を有する。テーパ部180は上述の実施の形態と同様の形状を有するが、その長さは短く設定されている。一様断面部178は、露光部流路174とテーパ部180の間に介在している。そして、この一様断面部178に抵抗体170が設けられている。
抵抗体170は、流路が急拡大する部分で発生した渦を減衰させ、安定な速度分布をもつ流れを短い助走距離で実現することができる。したがって、抵抗体170を設けることで安定な層流を得ることが可能になる。また、抵抗体170を設けることで、同様の層流を得るための流路長を短くできる。
なお、抵抗体はテーパ部分に設けられてもよい。また、抵抗体は、露光部位の上流側だけに設けられてもよい。例えば、下記の実施の形態のように流れの方向が固定されている場合に、抵抗体が一方だけに設けられてもよい。
図10は、液体供給機構の別の構成例を示している。上述の実施の形態と同様の構成の説明は省略する。
図10に示すように、本実施の形態の露光装置190では、配管系が分岐していない。したがって、液浸液体の流れの方向は固定されている。流れ方向は、図中の矢印DRの方向である。
また、本実施の形態においては、液送ポンプ64の後側にバルブ192が設けられている。バルブ192は、液体供給制御装置194のバルブ制御装置196により制御される。バルブ制御装置196は、液浸液体の流量が周期変動するようにバルブ192の開閉を制御する。
露光装置190の露光処理は下記のようにして行われる。ステージ移動装置52は、上述の実施の形態と同様に、ステージ14を方向DRおよび方向DLへと往復移動させる。
ステージ14が方向DRに移動する期間は、流れ方向とステージ移動方向が一致する。この一致期間は、上述の実施の形態と同様の動作が行われる。すなわち、ポンプ制御装置92は、露光部流路22の流れが層流状態になるように、液送ポンプ64の流量を制御する。また、バルブ制御装置196は、バルブ192を所定の開状態、例えば全開状態に維持する。この状態で、露光制御装置50が投影光学系レンズ12にウエハ18を露光させる。したがって、この期間は露光期間となる。
一方、ステージ14が方向DLに移動する期間は、流れ方向とステージ移動方向が反対であり、両者が不一致になる。この不一致期間には、露光制御装置50は露光を行わない。この期間に、ステージ移動装置52が、次の露光期間の露光開始位置へとウエハ18を移動させる。したがって、この不一致期間は露光準備期間となる。
上記の不一致期間には、バルブ制御装置196が、バルブ196の開き量を周期的に変更する制御を行う。これにより流量が周期的に変動する。周期変動は一時的に行われてもよく、継続的に行われてもよい。この周期的な流量の変動により、ウエハ18上の流れ状態が不安定になり、レジスト感光反応による汚染物質及び発生熱の拡散が促進される。
以上のように、本実施の形態では、液浸液体の流れ方向とステージの移動方向が一致するときのみ露光処理を行っており、これにより適当な層流状態下で露光を行える。
さらに、本実施の形態は、流れ方向とステージ移動方向が不一致の期間には、液浸液体の流量を変動制御し、流れ状態を積極的に不安定にしている。これにより、レジスト感光反応による汚染物質および発生熱の拡散を促進でき、密度変化による屈折率への影響を軽減できる。これにより、次の一致期間の露光性能に良い影響を及ぼすことができ、露光性能の向上を図ることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。
本発明は、半導体製造用の露光装置として有用である。
本発明の実施の形態における露光装置の主要部分を側方から見た断面図 図1の露光装置の主要部分の平面図 図1の露光装置の主要部分をウエハ走査方向から見た断面図 図1の露光装置の全体構成を示す図 水の熱膨張率を示す図 半導体デバイス製造プロセスの一例を示すフロー図 図6の製造プロセスにおけるリソグラフィ工程の詳細を示すフロー図 液体供給機構の変形例を示す図 図2の変形例を示す図 本発明の別の実施の形態における露光装置を示す図
符号の説明
10 露光装置
12 投影光学系レンズ
14 ステージ
16 投影光学系下部
18 ウエハ
20 ガードリング
22 露光部流路
24 移動方向
26 最終レンズ
28 カバー部材
30 下面
32 側壁部
34 流れ方向
36 補助流路
38 端部
40 配管
42 周囲方向
44 被露光チップ
50 露光制御装置
52 ステージ移動装置
54 液体供給装置
60 液浸液体タンク
62 廃液タンク
64 液送ポンプ
66 配管系
70、72、74、76 パイプ
78、80 バルブ
ドレイン82
パイプ84
90 液体供給制御装置
92 ポンプ制御装置
94 バルブ制御装置
100 温度制御装置
102 ペルチェクーラ
104 測温体
106 電子温度調節器
110 脱気装置
112 真空ポンプ
114 タンク気相部
121 ウエハ製造工程
122 ウエハ
123 ウエハブロセッシング工程
124 チップ組立工程
125 チップ
126 チップ検査工程
127 半導体デバイス
131 マスク製造工程
132 マスク
133 リソグラフィ工程
134 薄膜形成工程
135 ウエハ検査工程
136 繰り返し工程
141 レジスト塗布工程
142 露光工程
143 現像工程
144 アニール工程
150、152 液送ポンプ
154、156、158、160 パイプ
162、164 分岐パイプ
166、168 バルブ
170 抵抗体
172 カバー部材
174 露光部流路
176 補助流路
178 一様断面部
180 テーパ部
190 露光装置
192 バルブ
194 液体供給制御装置
196 バルブ制御装置
a、b、c、d 分岐点
DR、DL 方向

Claims (18)

  1. 投影光学系と、
    ウエハを固定するステージと、
    前記投影光学系と前記ステージ上のウエハの間の露光部流路に液浸液体を供給する液体供給手段と、
    前記露光部流路内の流れが層流状態となるように液浸液体の流量を制御する流量制御手段と、
    を備えることを特徴とする露光装置。
  2. 前記流量制御手段は、前記露光部流路における前記投影光学系と前記ウエハの距離をD、前記露光部流路内の液浸液体の平均流速をU、液浸液体の動粘性係数をνとしたときの無次元数Re=U×D/νの値が特定の臨界値を越えないように液浸液体の流量を制御することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記液体供給手段は、前記露光部流路内の流れの方向を変更可能に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の露光装置。
  4. 前記露光部流路内の流れの方向を前記ステージの移動方向に応じて制御する流れ方向制御手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
  5. 前記液浸液体の流れ方向と前記ステージの移動方向が一致するときのみ露光処理が行われることを特徴とする請求項1または2に記載の露光装置。
  6. 前記液浸液体の流れ方向と前記ステージの移動方向が不一致のときに前記液浸液体の流量を変動させることを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  7. 前記露光部流路の流入側端から露光部位までの間に所定の長さの助走区間を設けるとともに、前記露光部流路の断面積が流れ方向に一定であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の露光装置。
  8. 露光部位の上流側または上下流両側に流体工学的な抵抗体を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の露光装置。
  9. 前記露光部流路の前後に前記露光部流路に液浸液体を導入または導出する補助流路を備え、前記補助流路は、ウエハに直角な方向の寸法が前記露光部流路に向かって連続的に減少すると共に、ウエハに平行な方向の寸法が前記露光部流路に向かって連続的に増加する断面形状を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の露光装置。
  10. 前記露光部流路に供給される液浸液体を脱気するための脱気装置を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の露光装置。
  11. 前記投影光学系の最終レンズと一体に形成され、前記最終レンズおよびウエハとともに前記露光部流路を形成する側壁部を有し、前記側壁部が前記ウエハとの間に、前記最終レンズと前記ウエハの距離の10%〜50%の大きさの隙間を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の露光装置。
  12. 液浸液体の温度を体積膨張率が0となる温度近傍に制御する温度制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の露光装置。
  13. 投影光学系と、
    ウエハを固定するステージと、
    前記投影光学系と前記ステージ上のウエハの間の露光部流路に液浸液体を供給する液体供給手段と、
    前記露光部流路に供給される液浸液体を脱気するための脱気装置と、
    を備えることを特徴とする露光装置。
  14. 投影光学系と、
    ウエハを固定するステージと、
    前記投影光学系と前記ステージ上のウエハの間の露光部流路に液浸液体を供給する液体供給手段と、
    液浸液体の流量が周期的に変動するように液浸液体の流量を制御する流量制御手段と、
    を備えることを特徴とする露光装置。
  15. 投影光学系と、ウエハを固定するステージとを備え、前記投影光学系と前記ステージ上のウエハの間の露光部流路に液浸液体を供給した状態で前記撮影光学系から液浸液体を通して前記ウエハを露光する露光装置において、
    前記投影光学系の最終レンズと一体に形成され、前記最終レンズおよびウエハとともに前記露光部流路を形成する側壁部を有し、前記側壁部が前記ウエハとの間に、前記最終レンズと前記ウエハの距離の10%〜50%の大きさの隙間を有することを特徴とする露光装置。
  16. 投影光学系と、
    ウエハを固定するステージと、
    前記投影光学系と前記ステージ上のウエハの間の露光部流路に液浸液体を供給する液体供給手段と、
    液浸液体の温度を体積膨張率が0となる温度近傍に制御する温度制御手段と、
    を備えることを特徴とする露光装置。
  17. 投影光学系と、ウエハを固定するステージとを備え、前記投影光学系と前記ステージ上のウエハの間の露光部流路に液浸液体を供給した状態で前記撮影光学系から液浸液体を通して前記ウエハを露光する露光装置において、
    前記露光部流路内の流れが層流状態となるような流量の液浸液体を前記露光部流路に供給することを特徴とする露光装置。
  18. 投影光学系を用いてステージ上に固定したウエハを露光する露光方法であって、
    ステージにウエハを固定し、
    前記ウエハと撮影光学系の間に露光部流路を形成し、
    前記露光部流路内の流れが層流状態となるような流量の液浸液体を前記露光部流路に供給し、
    前記投影光学系から層流状態の液浸液体を通して前記ウエハを露光することを特徴とする露光方法。
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