JP2005243061A - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

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JP2005243061A JP2004047571A JP2004047571A JP2005243061A JP 2005243061 A JP2005243061 A JP 2005243061A JP 2004047571 A JP2004047571 A JP 2004047571A JP 2004047571 A JP2004047571 A JP 2004047571A JP 2005243061 A JP2005243061 A JP 2005243061A
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Abstract

【課題】 特に、トラック幅を高精度に狭小化できると共に、磁極層とヨーク層との膜厚や組成が均一になるように制御でき、しかもスループットを改善できる磁気ヘッドの製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】 磁性層の形成時には、主磁極層となるべき磁性層の両側しか規制せず、それ以外を全く規制せずにメッキ成長させる。このため非常に広範な領域にまず磁性層をメッキ形成できるので、規制が働く磁性層のメッキ形成部分でもメッキ液の出入りは他の領域と等しく良好にでき、磁性層のメッキ形成時におけるメッキ液の攪拌効果等を向上できる。本発明では、主磁極層のトラック幅Twを高精度に形成することが出来ると共に、最終的にメッキ形成面上に残される主磁極層とヨーク層との膜厚や組成が均一になるように適切に制御でき、さらにスループットを従来に比べて改善することが出来る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、トラック幅で形成された磁極層とその後方に幅寸法が前記トラック幅よりも広がって形成されたヨーク層とを備える第1の磁性層を有する磁気ヘッドの製造方法に係り、特にトラック幅を高精度に狭小化できると共に、磁極層とヨーク層との膜厚や組成が均一になるように制御でき、しかもスループットを改善できる磁気ヘッドの製造方法に関する。
以下の特許文献は、いずれも記録用の磁気ヘッド(インダクティブヘッド)を構成する層のうち、トラック幅で形成された磁極部と、前記磁極部よりもハイト方向後方に前記トラック幅よりも広がって形成された幅寸法を有するヨーク部とを備える磁性層の形成方法が開示されている。
前記磁極部は非常に狭い幅寸法を有して形成され、通常、記録媒体との対向面から露出する部分の幅寸法をトラック幅と称している。前記トラック幅は高記録密度化に適切に対応すべく年々、狭小化しており、特に垂直磁気記録ヘッドの磁極層のトラック幅には0.1μmに迫る非常に狭いトラック幅が要求されている。
一方、前記ヨーク部は前記磁極部の磁気飽和等を緩和すべく設けられている層で、トラック幅よりも広い幅寸法を有して形成され、製造過程では、前記磁極部を形成するときの制約ほど厳しい制約はない。すなわち前記ヨーク部は前記磁極部よりも、比較的ラフに形成してもかまわないというのが現状である。
このため下記の特許文献は、小さいトラック幅を有する磁極部を如何に形成するかに主眼を置いている。
特開2000−30215号公報 特開2001−143221号公報 特開2001−265006号公報
特許文献1,2はいずれも2段ステップでレジスト層を露光して磁極部分のパターンとヨーク部分のパターンを形成し、具体的には比較的にラフに形成しても可能なヨーク部分と、幅寸法を高精度に形成する必要がある磁極部分とを別々にフォトリソグラフィ技術を用いて形成している。
しかし特許文献3も含めてこれらの文献はいずれもフレームメッキ法を用いて形成するものである。すなわちレジスト層に露光現像によって磁極部分とヨーク部分の抜きパターンを形成し、前記抜きパターン内に磁性層をメッキ形成し、前記磁極部分とヨーク部分とを備える磁性層を形成する。
しかしこのようなフレームメッキ法を用いた方法では、非常に細い磁極部分の抜きパターン内のメッキ厚が、幅の広いヨーク部分の抜きパターン内のメッキ厚に比べて薄くなったり、また前記磁性層の組成が前記磁極部分とヨーク部分とでは異なるものとなったりし、メッキ膜厚や磁性層の組成のコントロールを適切に制御できない。
また図14は、上記の特許文献と同様にフレームメッキ法で磁極部分とヨーク部分とを備える磁性層をメッキ形成する一工程(部分平面図)を示したものであるが、例えば前記レジスト層に図14のようなヨーク部分と磁極部分とダミー部分と同形状の抜きパターンを形成するには、EB露光やKrF露光などを用いる。このうちKrF露光では焦点深度が取りにくいため、分解能を含めEB露光を用いることが望ましい。
ところで、EB露光の場合は、図14に示すようなブロックマスクを用い、前記ブロックマスクと対向するレジスト層を次々とEB露光して図14に示す抜きパターンを形成する。
しかしブロックマスクの大きさに比較して、ヨーク部分(やダミー部分)は非常に大きいため、この部分をEB露光で抜くのに非常に時間がかかっていた。また図14のHの位置に示すように傾斜している部分などではその形状に合わせたブロックマスクを用いる必要があることなどEB露光で図14に示す抜きパターンを形成するのは非常に煩雑な作業であった。このためEB露光時のスループットが非常に長いといった不具合があった。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、トラック幅を高精度に狭小化できると共に、磁極層とヨーク層との膜厚や組成が均一になるように制御でき、しかもスループットを改善できる磁気ヘッドの製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、記録媒体との対向面で、第1の磁性層と第2の磁性層とが膜厚方向に間隔をおいて対向し、前記第1の磁性層と第2の磁性層間にコイル層が形成され、前記第1の磁性層は前記対向面で所定のトラック幅で露出するとともに後方へ所定の長さ寸法で形成された磁極層と、前記磁極層よりもハイト後方に前記トラック幅よりも幅寸法が広がって形成されたヨーク層とを有する磁気ヘッドの製造方法において、
前記第1の磁性層を以下の工程を経ることで形成することを特徴とするものである。
(a) 前記対向面となるべき位置よりも前方、及び後方に広がるメッキ形成面上の前端部よりも後方に離れた位置に、前記磁極層を、幅方向の両側を規制しながらメッキ形成し、前記磁極層の幅寸法を所定のトラック幅で形成する工程と、
(b) 前記(a)工程での磁極層の形成と共に、前記磁極層の前方、及び後方に広がるメッキ形成面上に磁性層をメッキ形成する工程と、
(c) 少なくとも前記磁性層のうちヨーク層となるべき部分の磁性層が残るように、それ以外の前記磁性層を削って、前記磁極層の後方に、前記磁極層よりも幅寸法がトラック幅方向に広がる前記ヨーク層を形成する工程と、
(d) 所定のトラック幅で形成された磁極層が露出するまで、前記メッキ形成面を前端部から後方に向けて削っていき、前記対向面を形成する工程。
本発明では前記(a)工程で、磁極層を、幅方向の両側を規制しながらメッキ形成していくと共に、(b)工程で、前記磁極層の前方、及び後方に広がるメッキ形成面上に磁性層をメッキ形成していく。そしてその後、(c)工程で、ヨーク層を形成する。
本発明では従来のように磁極層とヨーク層との形状を予め規制したフレームメッキ法を用いず、前記(a)工程と(b)工程において、規制を行うのは磁極層の両側端面を形成するときだけである。このため前記磁極層の前方と後方に磁性層を形成する際の規制は無く、この結果、前記磁極層の形成時にメッキ液の攪拌効果等を高めることが出来、前記磁極層と(b)工程で形成される磁性層との膜厚や組成を前記メッキ形成面上で均一に形成しやすく、従来に比べてメッキ層の膜厚や組成を適切にコントロールすることが出来る。
また図14で説明したようなEB露光を用いた場合のスループットの悪化を抑制でき、前記スループットを効果的に改善出来る。
本発明では、前記(a)工程で、前記メッキ形成面上の前端部よりも後方に離れた位置に、幅方向に所定の間隔を空けて形成された絶縁材料の規制部を形成し、前記規制部間に、前記磁極層をメッキ形成することで、前記磁極層を所定のトラック幅で形成することが好ましい。前記規制部の形成により、前記規制部の間隔内に磁極層をメッキ形成することで、前記磁極層を高精度に所定のトラック幅で形成できる。
なお前記規制部はレジストであることが好ましい。かかる場合、前記レジストはネガ型であり、前記(a)工程で、前記メッキ形成面上の全面にネガ型のレジスト層を形成し、前記規制部となるべき位置を露光し、露光されていない前記レジスト層を除去することで幅方向に所定の間隔が空けられた前記規制部を形成することが好ましい。また、露光手段にはEB露光を用いることが好ましい。
上記したようにネガ型のレジストを用いると、露光された部分はその後の現像処理によっても残され、一方、露光されていない部分は、その後の現像処理によって除去される。ネガ型のレジストを用いることで、規制部となるべき微小な領域のみを露光すればよいから、EB露光を用いても、EB露光に費やす時間を従来に比べて十分に短縮でき、従来に比べて効果的にスループットを改善することが出来る。
また本発明では、前記(b)工程で、前記規制部が形成された以外の前記メッキ形成面上に前記磁性層をメッキ形成することが好ましい。これにより、メッキ層の膜厚や組成を前記メッキ形成面上でより効果的に均一に形成出来る。
また本発明では、前記(b)工程と前記(c)工程の間に、前記規制部を除去する工程を有することが好ましい。かかる場合、前記メッキ形成面上にはメッキ下地層が敷いてあり、前記規制部を除去したことで露出したメッキ下地層を除去することが好ましい。
メッキ形成面上にはメッキ下地層が形成されている。前記メッキ下地層が形成されていないと前記メッキ形成面上に磁極層及び磁性層をメッキ形成できないからである。かかる場合、最終的に前記磁極層とヨーク層以外の領域にメッキ下地層が残らないようにする。そこで前記磁極層の下のみに(すなわち前記磁極層の幅よりも広い幅のメッキ下地層が残らないように)前記メッキ下地層を残すには、前記規制部を除去したことで出来た空間から露出する前記メッキ下地層を前記(c)工程よりも前の段階で除去しておくことが好ましい。他の不要なメッキ下地層は前記(c)工程で、不要な磁性層を除去すると同時に除去することが出来る。
また本発明では、前記(c)工程で、前記磁極層上及び磁性層上に所定形状のマスク層を形成し、このとき前記マスク層を、前記磁性層上に前記ヨーク層と同じ平面形状のヨークパターンと、前記前記磁極層よりも幅寸法を広くして前記規制部を除去したことで形成された空間内に入り込む磁極パターンとを有して形成し、前記マスク層に覆われていない磁性層を除去することが好ましい。
上記の構成により磁性層の研削工程時に、前記磁極層は影響を受けず、そのまま所定のトラック幅を有する形状として残される。一方、前記磁性層のうちヨーク層となるべき磁性層が残され、前記ヨーク層の外縁部は前記研削工程によって削られた面として現れる。
また本発明では、前記磁極層をトラック幅方向から膜厚方向に切断したとき、その断面形状は下面から上面に向けて幅寸法が徐々に広がる形状であることが好ましい。本発明では、前記磁極層をこのような形状で形成することが可能である。
あるいは前記磁極層をトラック幅方向から膜厚方向に切断したとき、その断面形状は下面から上面に向けて一定の幅寸法である形状に形成することも出来る。
なお、前記ヨーク層をトラック幅方向から膜厚方向に切断したとき、その断面形状は下面から上面に向けて幅寸法が徐々に小さくなる形状である。これは上記したように前記ヨーク層を研削工程を用いて形成するためである。
また本発明では、前記磁気ヘッドは、垂直記録磁気ヘッドであることが好ましい。本発明は、一例として垂直記録磁気ヘッドを構成する磁極層の形成に最適な製造方法を提供するものである。
従来では、一般的に、主磁極層とヨーク層との形状からなるパターンを形成し、そのパターン内に磁性層をメッキ形成していた(いわゆるフレームメッキ法)が、本発明では、磁性層の形成時には、主磁極層となるべき磁性層の両側しか規制せず、それ以外を全く規制せずにメッキ成長させる。このため非常に広範な領域にまず磁性層をメッキ形成できるので、規制が働く磁性層のメッキ形成部分でもメッキ液の出入りは他の領域と等しく良好にでき、磁性層のメッキ形成時におけるメッキ液の攪拌効果等を向上できる。
本発明では、主磁極層のトラック幅Twを高精度に形成することが出来ると共に、最終的にメッキ形成面上に残される主磁極層とヨーク層との膜厚や組成が均一になるように適切に制御でき、さらにスループットを従来に比べて改善することが出来る。
図1は本発明の第1実施形態の垂直記録磁気ヘッドを備えた磁気ヘッドの構造を示す縦断面図である。
図1に示す垂直記録磁気ヘッドは記録媒体Mに垂直磁界を与え、記録媒体Mのハード膜Maを垂直方向に磁化させるものである。
前記記録媒体Mはディスク状であり、その表面に残留磁化の高いハード膜Maが、内方に磁気透過率の高いソフト膜Mbを有しており、ディスクの中心が回転軸中心となって回転させられる。
前記垂直記録磁気ヘッドのスライダ11はAl・TiCなどのセラミック材料で形成されており、スライダ11の対向面11aが前記記録媒体Mに対向し、記録媒体Mが回転すると、表面の空気流によりスライダ11が記録媒体Mの表面から浮上し、またはスライダ11が記録媒体Mに摺動する。図1においてスライダ11に対する記録媒体Mの移動方向は図示Z方向である。垂直記録磁気ヘッドはスライダ11のトレーリング側端面に設けられる。
図1ないし図3において図示X方向はトラック幅方向を、図示Y方向はハイト方向を表す。また各図において「前端面」「前端側」「前方」とは記録媒体との対向面側に向く面や前記対向面方向を指し、「後端面」「後端側」「後方」とはハイト側に向く面やハイト方向を指す。
図1に示すように、前記スライダ11の上面11bには、AlまたはSiOなどの無機材料による非磁性絶縁層54が形成されて、この非磁性絶縁層の上に読取り部Hが形成されている。
前記読取り部Hは、下から下部シールド層52、ギャップ層55、磁気抵抗効果素子53、および上部シールド層51から成る。前記磁気抵抗効果素子53は、異方性磁気抵抗効果(AMR)素子、巨大磁気抵抗効果(GMR)素子、トンネル型磁気抵抗効果(TMR)素子などである。
前記上部シールド層51の上には、AlまたはSiOなどの無機材料による非磁性絶縁層12が形成されて、前記非磁性絶縁層12の上に記録用の垂直記録磁気ヘッドHが設けられている。そして垂直記録磁気ヘッドHは無機非磁性絶縁材料などで形成された保護層13により被覆されている。そして前記垂直記録磁気ヘッドHの記録媒体との対向面Haは、前記スライダ11の対向面11aとほぼ同一面である。
前記垂直記録磁気ヘッドHでは、パーマロイ(Ni−Fe)などの強磁性材料がメッキされてリターンパス層(第2の磁性層)21が形成されている。前記リターンパス層21の前端面21bは前記対向面Haと同一面を成す。なお前記上部シールド層51が前記リターンパス層21として兼用されていてもよい。前記非磁性絶縁層12は、前記リターンパス層21の下および前記リターンパス層21の周囲に形成されている。そして図1に示すように、リターンパス層21の表面(上面)21aと前記非磁性絶縁層12の表面(上面)12aとは同一の平面上に位置している。
図1に示すように、前記対向面Haよりもハイト方向後方(図示Y方向)では、前記リターンパス層21の表面21a上にNi−Feなどの接続層25が形成されている。
前記接続層25の周囲において、前記リターンパス層21の表面21aおよび前記非磁性絶縁層12の表面12a上に、Alなどの絶縁下地層26が形成されて、この絶縁下地層26の上にCuなどの導電性材料によりコイル層27が形成されている。このコイル層27はフレームメッキ法などで形成されたものであり、前記接続層25の周囲に所定の巻き数となるように螺旋状にパターン形成されている。コイル層27の巻き中心側の接続端27a上には同じくCuなどの導電性材料で形成された底上げ層31が形成されている。
前記コイル層27および底上げ層31は、レジスト材料などの有機材料の絶縁層32で被覆されており、さらに絶縁層33で覆われている。
前記絶縁層33は無機絶縁材料で形成されることが好ましく、前記無機絶縁材料としては、AlO、Al、SiO、Ta、TiO、AlN、AlSiN、TiN、SiN、Si、NiO、WO、WO、BN、CrN、SiONのうち少なくとも1種以上を選択できる。
そして前記接続層25の表面(上面)25a、底上げ層31の表面(上面)31a、および絶縁層33の表面(上面)33aは、同一面となるように加工されている。このような平坦化加工はCMP技術などを用いて行なわれる。
前記絶縁層33の表面33a上には、対向面Haからハイト方向に所定長さで形成されトラック幅方向(図示X方向)への幅寸法がトラック幅Twで形成された主磁極層24がメッキ下地層(図示しない)を介して形成され、この主磁極層24の基端から前記主磁極層24と一体となりハイト方向へトラック幅方向への幅寸法が前記トラック幅Twよりも広がって延びるヨーク層35が前記メッキ下地層(図示しない)を介して形成されている。前記主磁極層24とヨーク層35とで第1の磁性層28が構成されている。
図2は図1に示す垂直記録磁気ヘッドを構成する第1の磁性層28(主磁極層24とヨーク層35)を真上から見た部分平面図である。
図2の平面図に示すように、主磁極層24は、その前端面24bのトラック幅方向の幅寸法がトラック幅Twで形成され、前記前記主磁極層24のハイト方向の後端側で一体成形された前記ヨーク層35は、対向面H1aから離れる方向に向って幅寸法Wy(Wyは図2では最大値を示している)が徐々に広がる形状となっている。
図2に示すように、対向面H1aに現れている前記リターンパス層21の前端面21bのトラック幅方向の幅寸法Wrよりも、対向面H1aに現れている前記主磁極層24の前端面24bのトラック幅Twが十分に小さくなっている。また図1に示すように前記リターンパス層21の厚みよりも主磁極層24の厚みが小さくなっている。よって、対向面H1aに現れている前記主磁極層24の前端面24bの面積は、リターンパス層21の前端面21bの面積よりも十分に小さくなっている。具体的には前記主磁極層24のトラック幅Twは0.1〜0.2μm程度、高さ寸法は0.2〜0.3μm程度まで狭小化されている。
図3A及び図3Bは、図2に示す主磁極層24をトラック幅方向(X方向)と平行な方向であるA−A線から膜厚方向に切断し、その切断面の断面形状を矢印方向から見た断面図である。
図3Aに示すように、前記主磁極層24は、トラック幅方向(図示X方向)の両側端面24c,24cが下面から上面に向うにしたがって徐々にトラック幅方向の幅寸法が広がる傾斜面あるいは湾曲面で形成される。図3Aに示すように前記主磁極層24の下面にはメッキ下地層50が形成されている。前記メッキ下地層50は前記主磁極層24の両側端面24c,24cから両側にはみ出していない。かかる構成は前記メッキ下地層50に磁性材料を用いた場合には、トラック幅Twが広がらないので好ましい。ただし前記メッキ下地層50が非磁性金属材料で形成されている場合には、前記メッキ下地層50は前記主磁極層24の両側端面24c,24cから両側に若干はみ出していてもかまわない。
図3Aに示すように前記主磁極層24の断面は逆台形状で形成されていると、メディア上に前記垂直記録磁気ヘッドが走行しているとき、スキュー角が生じても、フリンジングを防止でき、オフトラック性能の向上を図ることができる。
図3Bでは、前記主磁極層24の両側端面24c,24cは、下面から上面に向けて垂直に延びており、図3Bにおける前記主磁極層24の断面形状は、下面から上面に向けてトラック幅方向への幅寸法が一定の幅寸法で形成された略長方形状で形成されている。
本発明では後述する製造過程を用いることで前記主磁極層24の断面形状を図3Aや図3Bの形状に容易に形成することが出来る。
図3Cは、図2に示すヨーク層35をトラック幅方向(X方向)と平行な方向であるB−B線から膜厚方向に切断し、その切断面の断面形状を矢印方向から見た断面図である。
図3Cに示すように前記ヨーク層35は、トラック幅方向(図示X方向)の両側端面35a,35aが下面から上面に向うにしたがって徐々にトラック幅方向の幅寸法が小さくなる傾斜面あるいは湾曲面で形成される。前記両側端面35a,35aは、スパッタ法等を用いて削られた面で形成される。一方、図3A,図3Bに示す主磁極層24の両側端面24c,24cは、メッキ形成したときのメッキ形成面としてそのまま残され、スパッタ等による研削加工は施されていない。
後述する製造方法を用いると、図3Cに示すように前記ヨーク層35の断面形状を略台形状で形成することが出来る。
以下、図1,図2に示す主磁極層24とヨーク層35とを備えた第1の磁性層28の形成方法について以下に説明する。
図4のうち図4Aは、基板上に形成される製造工程中の層構造を示す平面図であり、図4Bは、図4AをC−C線から膜厚方向に切断し矢印方向から見た部分断面図である。なお図4Aにおいて紙面横方向がトラック幅方向(X方向)であり、紙面上方向がハイト方向(Y方向)である。以下同じである。
符号70は基板である。前記基板70は、図1に示す絶縁層33及び接続層25に該当する。前記基板70の表面70aは平坦化面であり、この表面70aがメッキ形成面である。前記メッキ形成面70aは、最終工程で決定される記録媒体の対向面となるべき位置よりも前方(ハイト方向と逆方向)と後方(ハイト方向)に広がって形成されている。
前記メッキ形成面70a上には磁性材料あるいは非磁性金属材料で形成されたメッキ下地層71を形成する。前記メッキ下地層71をスパッタ法や蒸着法等の既存の方法で形成する。
前記メッキ下地層71上にはレジスト層72を塗布形成する。前記レジスト層72にはネガ型のレジストを用いることが好ましい。ポジ型であっても良いが、ネガ型のレジストを用いる方が後工程を簡単に行うことが可能である。
次に図5の工程を行う。図5のうち図5Aは、基板上に形成される製造工程中の層構造を示す平面図であり、図5Bは、図5AをD−D線から膜厚方向に切断し矢印方向から見た部分断面図である。
図5A及び図5Bに示すように、前記メッキ形成面70aの前端部(ハイト方向と逆方向の端部)70bからハイト方向後方(Y方向)へ所定距離L1だけ離れた位置であって、トラック幅方向(X方向)に所定の間隔Toを空けて2つの規制部73,73を図4に示すレジスト層72に対し露光現像を施して形成する。
前記所定の間隔Toは主磁極層24のトラック幅Twの寸法となる。このため前記間隔Toは狭い間隔で形成される必要がある。上記したように主磁極層24のトラック幅Twは、0.1μm〜0.2μm程度にまで狭小化される必要があるため前記間隔Toもそれに合わせて0.1μm〜0.2μm程度の非常に小さい寸法で形成される。
前記規制部73の形成方法について具体的に説明すると、例えばレジスト層72にネガ型を使用している場合、露光されていない箇所が現像液によって溶解し、露光された箇所が残ることになる。このため前記規制部73,73となるべき位置のレジスト層73上を露光する必要がある。
本発明ではEB露光を使用して露光処理を行うことが好ましい。EB露光では所定形状に形成された非常に小さいブロックマスクを用いて露光処理を行う。図14で説明したように、EB露光では前記ブロックマスクを用いて露光するから大きい面積を露光するには非常に時間がかかってしまいスループットが悪化するといった問題が生じていた。
しかし図5の工程では、EB露光で露光する箇所は、わずか規制部73,73となるべき位置のレジスト層72だけであるので、短時間でEB露光を済ませることができスループットを従来に比べて飛躍的に改善することが出来る。
またEB露光によれば、非常に小さいブロックマスクを使用して任意の位置にEB露光を行うことが出来、前記規制部73,73となるべき位置の間隔Toを高精度に狭小化させやすい。この結果、主磁極層24のトラック幅Twを高精度に狭小化することが出来る。
前記EB露光によって規制部73,73となるべき位置のレジスト表面を露光した後、現像液によって露光されていないレジスト層72を溶解する。前記レジスト層72が除去された前記メッキ形成面70a上にはメッキ下地層71が露出する。
ここで前記規制部73の幅寸法T1を例えば1.0μm程度で形成し、長さ寸法L2を例えば1.0μm程度で形成する。前記規制部73の長さ寸法L2は将来的に前記主磁極層24のハイト方向への長さ寸法を決定する上で重要な要素となるので、前記主磁極層24のハイト方向への長さ寸法を考慮して決定される。一方、前記規制部73の幅寸法T1は長すぎると、次工程で行われる磁性層のメッキ膜厚や組成の均一化が阻害される恐れがあり、逆に短すぎると、規制部73がメッキ形成面70a上で倒れやすくなったり、また将来的に前記規制部73を除去して、除去したことで形成された空間内に主磁極層24の側面を後工程のエッチングから保護するためにレジスト層を形成する可能性があるが、前記空間が狭すぎて前記レジスト層を前記空間内に適切に形成できないといった恐れもある。よって前記規制部73の幅寸法T1は0.5μm〜2μmの範囲内であることが好ましい。
次に図6工程を行う。図6のうち図6Aは、基板上に形成される製造工程中の層構造を示す平面図であり、図6Bは、図6AをE−E線から膜厚方向に切断し矢印方向から見た部分断面図である。
図6工程では、前記メッキ形成面70a上に露出したメッキ下地層71上に、電解メッキ法を用いて磁性層74をメッキ形成する。図6Aに示すように前記磁性層74を、規制部73,73が形成されている以外の全てのメッキ下地層71上にメッキ形成する。前記磁性層74を前記規制部73,73の間隔To内、さらには前記規制部73,73の前方(ハイト方向と逆方向)、及び後方(ハイト方向)に広がる全てのメッキ形成面70a上のメッキ下地層71上にメッキ形成する。このように図6の工程で、前記磁性層74のメッキ形成を阻害しているのはわずか規制部73の部分だけである。
図6Bに示すように、前記規制部73,73間の間隔To内にメッキ成長した磁性層74aは最終的に主磁極層24となる部分である。前記磁性層74aは、トラック幅方向(図示X方向)の両側端面が前記規制部73,73によって規制されながらメッキ成長していき、前記磁性層74aのトラック幅方向への幅寸法は前記規制部73,73間の間隔Toと同じToの寸法となる。よって前記Toの寸法が最終的に主磁極層24のトラック幅Twとなる。
上記のように図6工程では、メッキ形成面70a上に形成されたメッキ下地層71上には規制部73のみが形成され、前記規制部73以外の全域に前記メッキ下地層71が露出した状態にある。このため前記メッキ下地層71上に磁性層74をメッキ形成した時に、メッキ液の攪拌効果等が前記規制部73,73間の非常に狭い間隔To内でも良好に作用し、前記規制部73,73間に形成される磁性層74aを、前記規制部73,73の前後にある広いメッキ形成面70a上に形成される磁性層74と同様の膜厚で且つ組成で形成することが可能である。このように本発明では、主磁極層24となるべき磁性層74aと、それ以外の磁性層74とのメッキ厚や組成が均一になるように制御することが可能である。
次に図7工程を行う。図7は、図6Bに示す断面図の次のステップを示す。図7工程では図6Bに示す規制部73をレジスト剥離液で溶解して除去する。
次に図8工程を施す。図7工程で規制部73を除去したことで出来た空間75からはメッキ下地層71が露出するが、図8工程では、前記空間75から露出したメッキ下地層71をエッチング等の既存の手法を用いて除去する。
この図8工程において、前記空間75内から露出するメッキ下地層71を除去するのは、前記主磁極層24となる磁性層74aの下面に前記磁性層74aの幅(=トラック幅Tw)よりも両側に広がって前記メッキ下地層71が残っていると、前記メッキ下地層71が磁性材料で形成されている場合、前記メッキ下地層71も主磁極層24として機能し、その結果、トラック幅Twが広がるからである。ただし前記メッキ下地層71が非磁性金属材料で形成されている場合には、前記前記メッキ下地層71は主磁極層24として機能しないから、多少、前記主磁極層24の両側から幅方向にはみ出していてもよく、前記メッキ下地層71が非磁性金属材料の場合、図8の工程よりも後の工程(具体的には図9工程)で、エッチング等によって不必要な磁性層74を除去する際その下にある前記メッキ下地層71も除去するが、この除去工程だけでメッキ下地層71の除去を済ますことが出来る。
次に図9工程を行う。図9のうち図9Aは、基板上に形成される製造工程中の層構造を示す平面図であり、図9Bは、図9AをF−F線から膜厚方向に切断し矢印方向から見た部分断面図、図9Cは、図9AをG−G線から膜厚方向に切断し矢印方向から見た部分断面図である。
図9Aに示すように、前記磁性層74上に、主磁極層24と似た形状の主磁極パターン76aとヨーク層35と同じ形状のヨークパターン76bとからなるレジスト層76を形成する。
前記レジストパターンの形成はEB露光等のような精度の高いフォトリソグラフィ技術を用いることなく行うことが出来る。上記したようにレジスト層76にはヨークパターン76bが形成されるが、前記ヨークパターン76bは、比較的広い幅寸法及び長さ寸法を有するパターンであり、主磁極層24の形成の際に使用されるパターンに比べて比較的ラフに形成することが出来る。
一方、主磁極パターン76aは、実際の主磁極層24の幅寸法(=トラック幅Tw)よりもトラック幅方向(図示X方向)に大きく形成する。図9A及び図9Bに示すように、前記主磁極パターン76aのトラック幅方向における幅寸法はT2で形成され、前記幅寸法T2は空間75,75の内側間隔To(=主磁極層24のトラック幅Tw)よりも大きい。
ただし前記幅寸法T2は、前記空間75,75のトラック幅方向における外側間隔T3よりも小さいことが好ましい。これにより前記主磁極パターン76aを構成するレジスト層76の一部は前記空間75,75内に入り込み、前記主磁極層24となる磁性層74aの上面と側面が前記レジスト層76で覆われると共に、前記レジスト層76は、前記空間75のトラック幅方向の外側にある磁性層74上にまで延出して形成されることが無い。
前記レジスト層76が前記空間75のトラック幅方向の外側にある磁性層74上にまで延出形成されると、その延出形成されたレジスト層76下の磁性層74は次工程の研削工程でも残されることになる。この結果、最終的に前記主磁極層24のトラック幅方向の外側に一部、磁性層が残ってしまう。そのため、前記主磁極パターン76aのレジスト層76の幅寸法T2は、前記空間75のトラック幅方向における外側間隔T3よりも小さいことが好ましい。
ただし、仮に前記主磁極層24の幅方向の両側に磁性層を残す形態を形成する場合には、前記レジスト層76の主磁極パターン76aの幅寸法T2を前記空間75のトラック幅方向における外側間隔T3よりも大きくするなどして前記レジスト層76の形状を残したい磁性層の平面形状に合わせた形で形成してもかまわない。
また上記したように前記主磁極パターン76aのレジスト層76の幅寸法T2を、前記空間75,75の内側間隔Toよりも大きくすることで図9Bに示すように前記主磁極層24となるべき磁性層74aの両側端面は前記レジスト層76で覆われ、この結果、次工程で施される研削工程で前記磁性層74aの部分は前記研削工程の影響を受けることが無く、最終的に前記主磁極層24のトラック幅Twを図6工程の磁性層74aのメッキ形成段階で確実に決定することが出来る。
また前記主磁極パターン76aのハイト方向(図示Y方向)における長さ寸法L2は、前記空間75の前端面よりもさらにメッキ形成面70aの前端部70b方向に延ばして形成することが好ましい。前記空間75よりも前方にまで前記主磁極パターン76aを延ばすと、次工程の研削工程によって前記空間75より前方に一部、磁性層78が残されることになる(図10を参照、なお図10では磁性層78をダミー磁性層78と称する)。上記したように前記空間75,75に挟まれた磁性層74aの部分が将来的に主磁極層24を構成するから、残された磁性層78の部分は、記録媒体との対向面を決定する最終工程で削除されてしまう。
しかし空間75,75の前端面の位置と、前記主磁極パターン76aの前端面の位置とがちょうど一致するように制御するのは、高いパターン精度が要求されるため難しく、また記録媒体との対向面を決定する最終工程では、前記メッキ形成面70aの前端部70bからハイト方向に向けて徐々に研磨を施し、主磁極層24となる部分が露出するまで上記の研磨を行うが、前記空間75よりも前方に一部、磁性層78を残しておくと、前記研磨工程で、前記磁性層78が露出したら、まもなく(例えばあと数μmの研磨で)主磁極層24の部分が露出するという一つの目安になり、前記研磨工程を高精度に行うことが出来、前記記録媒体との対向面を所定の位置に規制させやすい。
そして前記レジスト層76に覆われていない磁性層74をエッチング法等の既存の手法を用いて研削する。このとき、除去される前記磁性層74の下に敷いてあるメッキ下地層71も研削する。これによって前記磁性層74が除去された領域からは基板70の表面(メッキ形成面70a)が露出する。
図9Cに示すようにヨークパターン76bで形成されたレジスト層76下にある磁性層74は残されるが、前記エッチング工程によって図の点線部分より外側にある前記磁性層74は削りこまれる。このとき前記ヨークパターン76bの下にある磁性層74bのトラック幅方向(図示X方向)の両側端面74b1は傾斜面あるいは湾曲面となり、前記磁性層74bは、下面から上面に向けて徐々にトラック幅方向への幅寸法が小さくなる略台形状の形態で形成される。前記磁性層74bが図1,2に示すヨーク層35となる。
上記したエッチング等による研削工程が終わると前記基板70上には図10に示す平面形状の磁性層77が残される。
前記磁性層77は、トラック幅Twで形成された主磁極層24と前記主磁極層24の後方にトラック幅方向(図示X方向)への幅寸法がハイト方向へ向うほど徐々に広くなるヨーク層35と、前記主磁極層24の前方に前記主磁極層24の幅寸法(=トラック幅Tw)よりは広い幅寸法を有するダミー磁性層78とで構成される。
図10工程では、記録媒体との対向面を決めるための研磨工程を施す。この研磨工程は、メッキ形成面70aの前端部70b側からハイト方向(図示Y方向)に向けて、トラック幅方向(図示X方向)と平行な方向で且つ膜厚方向と平行な方向に研磨を施し、徐々に基板70を削っていく。ある程度まで削っていくと、まずダミー磁性層78の部分が基板70の前端面から露出するから、この時点であと例えば数μmで主磁極層24の部分が露出することを認識でき、そして前記ダミー磁性層24を削り終え前記主磁極層24が露出したら、そこで研磨工程を終了する。研磨工程終了時点での基板70の前端面が記録媒体との対向面となる。
図11は、図5Bにおける規制部73をアニールし、前記規制部73の表面に丸みを持たせた場合の断面図である。
図5Bでは、前記規制部73は前記メッキ形成面70a上に垂直に延びて形成されているため、次工程の図6Bに示すように前記規制部73,73間に形成される、将来、主磁極層24となるべき磁性層74aの部分は、その両側端面が前記規制部73,73に規制されながら垂直に延びて形成される。この結果、前記主磁極層24の断面形状は図3Bで説明したように、略長方形状で形成される。
一方、図11に示すように前記規制部73に熱を加えて、前記規制部73の表面に丸みを帯びさせると、前記規制部73,73間のトラック幅方向(図示X方向)における間隔Toは、上方から下方に向けて徐々に狭くなる。
この結果、図12に示すように、前記規制部73,73間に磁性層74aをメッキ形成すると、将来、主磁極層24となる磁性層74aは、その両側端面が湾曲面かあるいは傾斜面となり、前記磁性層74aの断面形状は、下面から上面に向うにしたがって徐々にトラック幅方向への幅寸法が広くなる略逆台形状になる。したがって図11,図12工程を経ることで図3Aに示すような断面形状が略逆台形状の主磁極層24を形成することが可能になる。
また図4の工程時、前記メッキ下地層71上にポジ型のレジスト層72を形成した場合は、規制部73,73を構成するレジスト層72以外の部分を露光する必要があるが、EB露光で行うとスループットの悪化の問題があるので、例えば次のように行う。
すなわち図13に示すように、前記規制部73,73となるべき位置の間HをEB露光し、また前記規制部73となるべき位置の周囲IをEB露光かあるいはKrF露光等の既存の方法を用いて露光する。そしてその他の領域Jは、KrF露光等で露光する(EB露光は用いない)。
これにより、最小限の領域のみEB露光を行えばよく、これによりスループットを従来より大幅に改善できるし、前記規制部73,73間の間隔Toも高精度に制御でき、トラック幅Twの狭小化を適切に促進させることが出来る。
また図8工程では、前記規制部73を除去したことで出来た空間75から露出するメッキ下地層71を除去したが、前記メッキ下地層71が非磁性金属材料である場合は、図8の時点でメッキ下地層71を除去しなくてもよい点を上記で説明した。
前記メッキ下地層71が非磁性金属材料である場合は、図8の工程を飛ばし、それ以降の工程(図9〜図10)を行うことが出来る。これにより図9でのレジスト層76の形成、エッチング等による研削工程を施しても、図9Bに示す、磁性層74aの両側側面を覆うようにして形成されたレジスト層76の下にあるメッキ下地層71は前記研削工程でも除去されず、その結果、前記メッキ下地層71は、若干、前記磁性層74aよりも幅寸法にはみ出して残されることになる。ただし、前記メッキ下地層71が、若干、前記磁性層74aよりも幅寸法にはみ出して残されても、前記メッキ下地層71が主磁極層24として機能することはないから磁気ヘッドの特性上問題にはならない。このようにメッキ下地層71が非磁性金属層である場合には、図8工程を飛ばすことが出来るので、製造工程の簡略化を図ることが出来る。
本発明は、図4ないし図10を用いて説明したように、まずメッキ形成面70a上に、最終的に主磁極層となる磁性層74aをトラック幅方向の両側を規制しながらメッキ形成する点、前記磁性層74aの前方、および後方に広がるメッキ形成面70a上の全体に磁性層74をメッキ形成する点、その後、前記ヨーク層35を形成する点に特徴点がある。
従来では、一般的に、主磁極層とヨーク層との形状からなるパターンを形成し、そのパターン内に磁性層をメッキ形成していた(いわゆるフレームメッキ法)が、本発明では、磁性層の形成時には、主磁極層24となるべき磁性層74aの両側しか規制せず、それ以外を全く規制せずにメッキ成長させる。このため非常に広範な領域にまず磁性層をメッキ形成できるので、規制が働く磁性層74aのメッキ形成部分でもメッキ液の出入りは他の領域と等しく良好にでき、磁性層のメッキ形成時におけるメッキ液の攪拌効果等を向上できる。
本発明では、主磁極層24のトラック幅Twを高精度に形成することが出来ると共に、最終的にメッキ形成面70a上に残される主磁極層24とヨーク層35との膜厚や組成が均一になるように適切に制御でき、さらにスループットを従来に比べて改善することが出来る。
なお前記主磁極層24を、トラック幅方向の両側を規制しながらメッキ形成するときの規制の仕方は、図5工程で形成される規制部73以外の手法であってもかまわない。また前記規制部73はレジスト以外の材料であっても良く、図7工程で除去できれば無機絶縁材料か有機絶縁材料かの別を問わない。
また本発明では、図5工程の規制部73の形成の際にEB露光を用いるが、前記レジスト層72にネガ型のレジスト層72を用いることで、規制部73となるべき位置のレジスト層72にのみEB露光を施せばよくなり、従来に比べて飛躍的にスループットを改善することが出来る。
本発明における第1実施形態の垂直記録磁気ヘッドを備えた磁気ヘッドの縦断面図、 図1に示す垂直記録磁気ヘッドを構成する第1の磁性層の部分平面図、 図2に示す主磁極層をA−A線から切断し矢印方向から見た断面図、 図3Aとは別の形態であり、図2に示す主磁極層をA−A線から切断し矢印方向から見た断面図、 図2に示すヨーク層をB−B線から切断し矢印方向から見た断面図、 本発明における第1の磁性層の製造工程を説明するための平面図、 図4AをC−C線から切断し矢印方向から見た断面図、 図4の次に行われる工程を説明するための平面図、 図5AをD−D線から切断し矢印方向から見た断面図、 図5の次に行われる工程を説明するための平面図、 図6AをE−E線から切断し矢印方向から見た断面図、 図6の次に行われる工程を説明するための断面図、 図7の次に行われる工程を説明するための断面図、 図8の次に行われる工程を説明するための平面図、 図9AをF−F線から切断し矢印方向から見た断面図、 図9AをG−G線から切断し矢印方向から見た断面図、 図9の次に行われる工程を説明するための平面図、 図5B工程の次に行うことが可能な工程を説明するための断面図、 図11の次に行われる工程を説明するための断面図、 図5工程での露光を別の露光手段を用いて行う場合の説明をするための部分平面図、 従来、EB露光で抜きパターンを形成していたときの問題点を説明するための平面図、
符号の説明
24 主磁極層
28 第1の磁性層
35 ヨーク層
70 基板
70a メッキ形成面
71 メッキ下地層
72 レジスト層
73 規制部
74、74a、77 磁性層
75 空間
76 マスク層
76a 主磁極パターン
76b ヨークパターン

Claims (13)

  1. 記録媒体との対向面で、第1の磁性層と第2の磁性層とが膜厚方向に間隔をおいて対向し、前記第1の磁性層と第2の磁性層間にコイル層が形成され、前記第1の磁性層は前記対向面で所定のトラック幅で露出するとともに後方へ所定の長さ寸法で形成された磁極層と、前記磁極層よりもハイト後方に前記トラック幅よりも幅寸法が広がって形成されたヨーク層とを有する磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第1の磁性層を以下の工程を経ることで形成することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
    (a) 前記対向面となるべき位置よりも前方、及び後方に広がるメッキ形成面上の前端部よりも後方に離れた位置に、前記磁極層を、幅方向の両側を規制しながらメッキ形成し、前記磁極層の幅寸法を所定のトラック幅で形成する工程と、
    (b) 前記(a)工程での磁極層の形成と共に、前記磁極層の前方、及び後方に広がるメッキ形成面上に磁性層をメッキ形成する工程と、
    (c) 少なくとも前記磁性層のうちヨーク層となるべき部分の磁性層が残るように、それ以外の前記磁性層を削って、前記磁極層の後方に、前記磁極層よりも幅寸法がトラック幅方向に広がる前記ヨーク層を形成する工程と、
    (d) 所定のトラック幅で形成された磁極層が露出するまで、前記メッキ形成面を前端部から後方に向けて削っていき、前記対向面を形成する工程。
  2. 前記(a)工程で、前記メッキ形成面上の前端部よりも後方に離れた位置に、幅方向に所定の間隔を空けて形成された絶縁材料の規制部を形成し、前記規制部間に、前記磁極層をメッキ形成することで、前記磁極層を所定のトラック幅で形成する請求項1記載の磁気ヘッドの製造方法。
  3. 前記規制部はレジストである請求項2記載の磁気ヘッドの製造方法。
  4. 前記レジストはネガ型であり、前記(a)工程で、前記メッキ形成面上の全面にネガ型のレジスト層を形成し、前記規制部となるべき位置を露光し、露光されていない前記レジスト層を除去することで幅方向に所定の間隔が空けられた前記規制部を形成する請求項3記載の磁気ヘッドの製造方法。
  5. 露光手段にはEB露光を用いる請求項4記載の磁気ヘッドの製造方法。
  6. 前記(b)工程で、前記規制部が形成された以外の前記メッキ形成面上に前記磁性層をメッキ形成する請求項2ないし5のいずれかに記載の磁気ヘッドの製造方法。
  7. 前記(b)工程と前記(c)工程の間に、前記規制部を除去する工程を有する請求項2ないし6のいずれかに記載の磁気ヘッドの製造方法。
  8. 前記メッキ形成面上にはメッキ下地層が敷いてあり、前記規制部を除去したことで露出したメッキ下地層を除去する請求項7記載の磁気ヘッドの製造方法。
  9. 前記(c)工程で、前記磁極層上及び磁性層上に所定形状のマスク層を形成し、このとき前記マスク層を、前記磁性層上に前記ヨーク層と同じ平面形状のヨークパターンと、前記磁極層よりも幅寸法を広くして前記規制部を除去したことで形成された空間内に入り込む磁極パターンとを有して形成し、前記マスク層に覆われていない磁性層を除去する請求項7または8に記載の磁気ヘッドの製造方法。
  10. 前記磁極層をトラック幅方向から膜厚方向に切断したとき、その断面形状は下面から上面に向けて幅寸法が徐々に広がる形状である請求項1ないし9のいずれかに記載の磁気ヘッドの製造方法。
  11. 前記磁極層をトラック幅方向から膜厚方向に切断したとき、その断面形状は下面から上面に向けて一定の幅寸法である請求項1ないし9のいずれかに記載の磁気ヘッドの製造方法。
  12. 前記ヨーク層をトラック幅方向から膜厚方向に切断したとき、その断面形状は下面から上面に向けて幅寸法が徐々に小さくなる形状である請求項1ないし11のいずれかに記載の磁気ヘッドの製造方法。
  13. 前記磁気ヘッドは、垂直記録磁気ヘッドである請求項1ないし12のいずれかに記載の磁気ヘッドの製造方法。
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