JP2005242875A - 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 画像処理に伴って生じる不都合を回避することができなかった。
【解決手段】 印刷装置にて印刷する画像を示す画像データに対して所定の画像処理を実施するにあたり、上記印刷装置において予め設定された印刷条件を取得し、当該取得した印刷条件で印刷を行う際の最適な画像データの形式を判断するための最適形式データを取得し、上記画像データを取得し、同取得した画像データと上記最適形式データとを参照し、取得した画像データの形式が最適な形式であるか否かを判断し、最適であると判断されないときにその旨の通知を所定の出力装置に出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】 印刷装置にて印刷する画像を示す画像データに対して所定の画像処理を実施するにあたり、上記印刷装置において予め設定された印刷条件を取得し、当該取得した印刷条件で印刷を行う際の最適な画像データの形式を判断するための最適形式データを取得し、上記画像データを取得し、同取得した画像データと上記最適形式データとを参照し、取得した画像データの形式が最適な形式であるか否かを判断し、最適であると判断されないときにその旨の通知を所定の出力装置に出力する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、画像を印刷する際に所定の画像処理を行う画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムに関する。
印刷装置によって印刷を行う際には、複数の画素毎の色を階調表現した画像データに対して解像度変換処理やハーフトーン処理など所定の画像処理を行って、印刷装置で必要とされる画素数にて各画素の階調を示すデータを取得するのが一般的である。すなわち、印刷装置において印刷を実施する際には、その解像度等によって必要とされる画素数が決定されるなど、画像データに必要とされる形式が決定され、当該必要な形式の画像データを得るために上記解像度変換処理など各種画像処理を行う必要がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−169098号公報
上述した従来の技術においては、画像処理に伴って生じる不都合を回避することができなかった。例えば、画素数の増減を行うと、画像の色やエッジ、画像細部の表現力など種々の要素が増減前の画像データにおける各要素と一致しなくなるおそれがある。また、印刷に際して多数の画素についての画像処理を行うと、処理に多くのリソースが必要となってしまうし、処理速度も低下してしまう。さらに、通常、これらの処理はプリンタドライバなどの制御ソフトによって自動で行われてしまうため、印刷実行者の意図通りに処理内容を制御できない。特に、デジタルカメラ等の撮像画像を印刷する場合、ほとんどの場合には印刷装置で必要とされる画素数と印刷対象の画像を示す画像データの画素数とが一致せず、これらの不都合を回避することができなかった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、不都合を生じさせるような画像処理を実施する場合にはその旨を通知することが可能な画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムの提供を目的とする。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、不都合を生じさせるような画像処理を実施する場合にはその旨を通知することが可能な画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムの提供を目的とする。
上記目的の少なくとも一つを達成するため、本発明では、画像データの形式を判断するための最適形式データを予め用意しておき、当該最適形式データに基づいて印刷対象の画像を示す任意の画像データの形式を判断する。そして、最適であると判断されない場合にはその旨を所定の出力装置に出力する。この結果、印刷を実行しようとする者は印刷を実行する前に、印刷対象の画像データが最適であるか否かを判断することができる。従って、画像処理に伴って生じる不都合を回避することができる。
最適であるか否かの判断結果を知ることができれば、予め利用者が最適になるように画像データを調整し、最適な形式で印刷を実行させることができる。すなわち、プリンタドライバ等の制御ソフトが利用者の知り得ない画像処理を行うことを防止することができる。また、画像の色やエッジ、画像細部の表現力など種々の要素を変動させるような画像処理を防止することにより、利用者が意図した画像(印刷対象の画像データが示す画像)通りに印刷させることが可能になる。さらに、画像処理の実施を極力抑えるので、印刷処理に伴って必要とされるリソースを抑え、高速に処理を進めることが可能になる。
ここで、画像データは印刷装置にて印刷する画像を示すデータであれば良く、複数の画素の色を階調表現したデータ等を採用可能である。画素の色を表現するための表色系としても種々の表色系を採用可能であり、sRGB表色系や印刷装置にて使用するインクの色を色成分とする表色系(例えばCMYK表色系)等を採用可能である。尚、RGBはそれぞれレッド,グリーン,ブルーであり、CMYKはそれぞれシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックである。
画像データに対して実施する所定の画像処理としては、画像データが示す情報を変更するあらゆる画像処理が該当する。例えば、印刷を実行する際に行う解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理等種々の画像処理を想定し得る。印刷条件としても各種の条件を採用可能である。例えば、印刷装置における解像度を各種の値に設定可能な場合には、当該解像度を本発明における設定対象としての印刷条件とすることができるし、印刷時の色をカラーとモノクロとに設定可能であれば、当該色の設定を印刷条件とすることができる。むろん、色変換時のカラーマネジメント(例えば、ICCプロファイルを使用するか否かの設定等)を印刷条件としても良いし、印刷品質を印刷条件としても良く、種々の印刷条件を採用可能である。
すなわち、いずれの印刷条件を採用するとしても、各印刷条件において印刷を実行するときの画像データとして最適なものが想定される場合には、本発明を適用可能である。この結果、各種印刷条件において最適な画像データとなっているか否かを予め利用者に提示することができ、利用者は最適な形式でない場合に、その印刷を行わないようにすることができる。
最適形式データは、印刷対象の画像を示す画像データに基づいて上述の印刷条件で印刷を実行する際の最適な形式を示すデータであれば良い。すなわち、印刷に伴って実行される画像処理によって所定の不都合が生じる場合に、その不都合が生じないようなデータ形式を最適と定義できればよい。画像データの形式としては、画像データにて採用されるあらゆる形式が該当し得る。例えば、画像データにおける画素数やドットマトリクスにおける縦横の画素数,画像データにおける表色系,階調数等種々の形式が該当する。むろん、画素数を直接的に示すデータであるのみならず、設定された解像度および印刷画像の大きさに基づいて間接的に画素数を演算可能にするためのデータであっても良い。
最適な形式としては種々のデータを採用可能である。例えば、上述の印刷条件として解像度を採用した場合、印刷対象の画像データの画素数が、増減不要な画素数であれば最適であるといえる。すなわち、設定された解像度で印刷を行うために、画像データの画素数を増減する必要がなければ、前処理として解像度変換処理を実施しない。従って、画像処理に伴う不都合が生じ得ず、最適な画素数であるといえる。
また、上述の印刷条件として印刷時の色(カラーあるいはモノクロの設定)を採用した場合、カラーあるいはモノクロを印刷するために適した表色系になっているか否かで最適な形式であるか否かを定義することができる。すなわち、モノクロの場合、彩度や色相の情報は必要ないので、例えばYCbCr表色系のY成分(輝度成分)のみを利用してモノクロの階調を取得することができる。一方、Y成分を含まないRGB表色系等では、所定の演算式によって変換を行うことによって画素毎のY成分を知ることができる。従って、モノクロの階調を色成分として有している表色系であれば最適であり、変換によってモノクロの階調を取得する表色系であれば最適ではないと定義することができる。
さらに、上述の印刷条件としてカラーマネジメントの条件を採用した場合、設定されたカラーマネジメントを直接的に実施しうる表色系であるときに画像データの形式が最適であると定義することができる。例えば、RGB表色系とCMYK表色系との対応関係を規定したLUTを参照するようにカラーマネジメントの設定がなされているときに、画像データの表色系がRGB表色系であれば、この画像データを直接色変換できる。YCbCr表色系など他の表色系であれば一旦表色系をRGB表色系に変換した後さらにLUTを参照して色変換をする必要があり、YCbCr表色系からRGB表色系への変換に際して画像処理に伴う不都合が発生し得る。従って、この場合、上述のようにカラーマネジメントを直接的に実施しうる表色系であるときに画像データの形式が最適であると定義することができる。
最適形式判断手段においては、上記取得した画像データの形式を判別し、上記最適形式データに基づいて当該判別した形式が最適な形式であるかを判別することができればよい。尚、本発明においては、画像処理に伴う不都合が発生しないデータ形式であれば最適であると判別するが、画像処理によって当該不都合の程度が変動する場合もある。この場合、不都合がある許容値以下になるのであれば、最適な形式であるとすることもでき、画像処理に伴う不都合を防止あるいは低減することができる限りにおいて種々の判断指標を採用可能である。
例えば、設定された解像度および印刷画像の大きさで印刷を実行するために、前処理として画素数を増減する画像処理を実行可能に構成している場合には、その増減による画素数の変化が小さく、変化率(増減後の画素数/増減前の画素数)が所定の範囲内であれば画像の色やエッジ、画像細部の表現力などがあまり変わらない。そこで、これらの要素が画像処理によって影響を受けることをある程度許容し、予め決められた許容範囲内になるのであればその画像データの形式を最適であると判断する構成を採用可能である。
通知出力手段においては、判断結果を通知することができればよく、種々の出力装置に対して出力可能である。例えば、ディスプレイや印刷装置に対して出力可能である。出力内容としても種々の構成を採用可能であり、最適でない旨を示す文字等を表示したり、不都合が生じ得る画像処理が実行される旨を示したり、不都合が生じる画像を明示したりするなどの構成を採用可能である。
各印刷条件において画像を形成する際に必要となる画素数を印刷時に実施されるハーフトーン処理に基づいて算出しても良い。すなわち、現在の印刷装置において元の画像データの階調数と印刷装置で表現可能な画素毎の階調数とが異なるのが一般的であることから、通常は元の画像データの階調数を変換するハーフトーン処理が実施される。ここで、通常の印刷装置において、ハーフトーン処理の後には画素数を増減しないことが一般的である。従って、各印刷条件に対し、その印刷条件で印刷を実施する際に必要なハーフトーン処理後の画素数を特定可能である。
そこで、ハーフトーン処理後の画素数を把握することができれば、ハーフトーン処理の特性に基づいて、ハーフトーン処理前の画像データに必要とされる画素数を逆算することが可能である。ハーフトーン処理前の画像データに必要とされる画素数を把握することができれば、印刷対象の画像を示す画像データにおいて、画素数を増減する必要がない画素数を特定することができ、容易に最適形式データを定義することができる。むろん、ここでは、画素数を全く増減する必要がない場合と、画素数の増減に伴って生じる不都合を許容できる範囲で画素数を増減する場合とを含めて最適形式データを定義可能である。
上記ハーフトーン処理の具体例として、階調数の低減とともに画素数を増加させる処理を採用可能である。すなわち、画像データをハーフトーンデータに変換するにあたり、上記画像データの一画素を複数のサブ画素に対応づける処理においては、印刷対象を示す画像データの画素数と印刷装置における記録画素数とが異なるため、最適形式データを定義するためにハーフトーン処理の特性を加味する必要がある。従って、このような構成において、ハーフトーン処理によって増加される画素数を含めて上記印刷条件において画像を形成する際に必要な画素数を定義すれば、ハーフトーン処理を前提とした処理において容易に最適な画素数(最適な形式)を判別することが可能になる。尚、上述のハーフトーン処理としては、ディザ処理や濃度パターン法など種々のアルゴリズムを採用可能である。
上記通知出力手段においては、最適形式判断手段による判断結果を出力可能であれば良く、種々の構成を採用可能である。例えば、画素数を増減する旨の通知を実施可能である。画素数が増減する旨が通知されれば、その通知に基づいて画像処理に伴う不都合が生じ得るか否かを判断することができる。また、画素数の増減を行う場合の増減前後の画素数を通知する構成を採用可能である。増減前後の画素数が通知されれば、通知を受けた利用者において不都合の生じる程度を判断することができる。従って、そのままの状態で印刷を実施すべきか、元の画像データを変更すべきか等の判断を行うことが可能である。
さらに、一つの印刷ジョブに複数の画像データが含まれる場合、所定の印刷条件下にて最適な形式になっているか否かはその画像データによって異なり得る。そこで、画像データ取得手段において一つの印刷ジョブに含まれる複数の画像を示す複数の画像データを取得し、各画像について最適な形式であるか否かを判別すれば、各画像のそれぞれにて最適な形式となっているか否かを判別することができる。むろん、通知出力手段では、最適であると判断されなかった画像を明示するための通知を出力する。
さらに、本発明にかかる画像処理装置においては、印刷装置において必要な画像処理を開始する前に、印刷対象の画像を示す画像データが最適な形式であるか否かを判定することができ、この利点を遠隔地へのデータ転送に利用することも可能である。すなわち、印刷のために必要な画像処理を実施する外部機器と本発明にかかる画像処理装置とが双方向通信可能な別体の機器として接続されている場合に、最適形式判断手段によって最適な形式であると判断された画像データを外部機器に転送するよう構成する。これにより、無駄なデータ転送を防止することが可能である。
本発明にかかる画像処理装置は単独で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。技術的思想の具現化例として画像処理の方法や画像処理装置を制御するためのソフトウェアとなる場合であっても発明を構成する。このため、請求項10や請求項11にかかる構成を採用することも可能であるし、これらの発明に請求項2〜請求項9に対応させた構成を採用しても良い。
むろん、ソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階についても同等である。さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。
さらに、本発明における判断結果を印刷に適用する構成を採用しても良い。すなわち、本発明によって最適であると判断された場合および最適であると判断されないときにそれでも印刷を実行するように指示された場合に印刷を実行するような印刷制御は、本発明の技術的思想を利用している。従って、請求項12〜請求項14にかかる構成を採用することが可能であり、この場合も請求項2〜請求項9に対応させた構成を採用することが可能である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)本発明の構成:
(2)印刷制御処理:
(2−1)最適形式判断処理:
(3)他の実施形態:
(1)本発明の構成:
(2)印刷制御処理:
(2−1)最適形式判断処理:
(3)他の実施形態:
(1)本発明の構成:
図1は本発明にかかる印刷制御装置を構成するシステムの概略ハードウェア構成を示している。コンピュータ10はCPU,ROM,RAM等を含むプログラム実行環境を備えており、システムバスを介しデータを授受して所定のプログラムを実行可能である。システムバスには外部記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)15が接続されており、HDD15に記憶されたプログラム、すなわちOS20やプリンタドライバ(PRTDRV)21、アプリケーションプログラム(APL)25等をRAMに転送して実行する。
図1は本発明にかかる印刷制御装置を構成するシステムの概略ハードウェア構成を示している。コンピュータ10はCPU,ROM,RAM等を含むプログラム実行環境を備えており、システムバスを介しデータを授受して所定のプログラムを実行可能である。システムバスには外部記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)15が接続されており、HDD15に記憶されたプログラム、すなわちOS20やプリンタドライバ(PRTDRV)21、アプリケーションプログラム(APL)25等をRAMに転送して実行する。
本実施形態においては、このプログラム実行環境にてPRTDRV21が実行されることによりコンピュータ10が本発明にかかる画像処理装置あるいは印刷制御装置を構成する。従って、このプリンタドライバが画像処理プログラムあるいは印刷制御プログラムにも該当する。むろん、プリンタ本体にプログラム実行環境を構築し、プリンタ単体で画像処理装置や印刷制御装置を形成しても良く、この場合は画像処理装置、印刷制御装置およびそのプログラムがプリンタに内蔵される。
コンピュータ10には図示しないインタフェース(I/F)を介してキーボード11やマウス12等の操作用入力機器が接続されており、図示しないビデオI/Fを介して表示用のディスプレイ13も接続されている。さらに、プリンタ30とはUSBI/F14を介して接続が可能である。尚、コンピュータ10とプリンタ30の接続インタフェースは上述のものに限る必要はなく、シリアルインタフェースやSCSI接続など種々の接続態様を採用可能であるし、今後開発されるいかなる接続態様であっても同様である。
この例では各プログラムの類はHDD15に記憶されているが、記録媒体はこれに限定されるものではない。例えば、フレキシブルディスクであるとか、CD−ROMであってもよい。これらの記録媒体に記録されたプログラムはコンピュータ10にて読み込まれ、HDD15にインストールされる。インストール後にはHDD15を介してRAM上に読み込まれてコンピュータを制御することになる。また、記録媒体はこれに限らず、光磁気ディスクなどであってもよい。また、半導体デバイスとしてフラッシュカードなどの不揮発性メモリなどを利用することも可能であるし、モデムや通信回線を介して外部のファイルサーバにアクセスしてプログラムをダウンロードする構成を採用可能である。
本実施形態におけるプリンタ30は、PRTDRV21の制御によってCMYKの各色のトナーインクを印刷用紙に記録し、画像を形成するレーザープリンタである。本実施形態においては、当該PRTDRV21による制御に際して画像データが最適か否かを判断し、その判断結果を利用者に提供できるように構成される。このために、コンピュータ10では、PRTDRV21と入力機器ドライバ(DRV)22とディスプレイドライバ(DRV)23とがOS20に組み込まれており、必要に応じてディスプレイ13上に警告を表示し、利用者の指示に応じて印刷を実行する。ディスプレイDRV23は図示しないI/Fを介してディスプレイ13における画像データ等の表示を制御するドライバであり、入力機器DRV22は図示しないI/Fを介して入力される上記キーボード11やマウス12からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付ける。
APL25は、カラー画像のレタッチ等を実行可能なアプリケーションプログラムであり、利用者は当該APL25の実行下において上記操作用入力機器を操作し、画像データ15aが示す画像をレタッチするなどして印刷指示を行うことができる。APL25にて印刷指示がなされると上記PRTDRV21が駆動され、LUT15dを参照して色変換を実行し、さらにハーフトーン処理等を実行しつつ印刷データを作成し、上記プリンタ30に印刷データを送出することによって印刷を実行する。
より具体的には、PRTDRV21はラスタライザ21aと色変換モジュール21bとハーフトーン処理モジュール21cと印刷データ生成モジュール21dとを備えており、これらのモジュールによって図2に示す処理を実施して印刷を実行可能である。本実施形態においては、PRTDRV21において図示しないプロパティ画面をディスプレイ13上に表示させたり、APL25の印刷指示画面をディスプレイ13上に表示させるなどして、予め印刷条件を設定することができ、PRTDRV21においてはこの印刷条件によって印刷を実行する。図1のHDD15に記録されている印刷条件データ15cは、当該印刷条件を示すデータである。
画像データ15aは、印刷対象の画像を示すデータであるとともにベクトルデータやラスタデータによって構成可能であり、図2における最も左側の矩形は当該画像データ15aを模式的に示している。印刷実行時には、この画像データ15aが上記PRTDRV21のラスタライザ21aに受け渡される。ラスタライザ21aは補間演算部21a1を備えており、必要に応じて画像データ15aに対してラスタライズ処理および補間演算処理を実施する。
すなわち、プリンタ30に受け渡すデータはラスタデータであるので、画像データ15aがベクトルデータを含む場合には当該ベクトルデータに基づいて印刷対象画像を描画し、ラスタデータに変換する。また、画像データ15aがラスタデータの場合、上記印刷条件通りに印刷を実行するために過不足のない画素数であるとは限らないので、過不足があり、過不足があっても印刷を実行するのであれば画素数を増減するようになっている。
より具体的には、本実施形態において、上述の印刷条件の一部としてプリンタ30における解像度を設定可能である。すなわち、図2の右側に示すように横方向(主走査方向)と縦方向(副走査方向)の解像度をそれぞれX(dpi),Y(dpi)と設定可能である。また、プリンタ30において画像データ15aが示す画像をどのような実サイズで記録するのかを直接あるいは間接的に設定可能である。これにより、設定された印刷条件通りに画像を印刷するために必要な縦画素数x(pix),横画素数y(pix)が決定する。
従って、この画素数x(pix),y(pix)に基づいて、画像データ15aの画素数に過不足があるか否かを判別することができる。過不足がありそれでも印刷を実行する場合、過不足があるままで印刷を実施することはできないので、補間演算部21a1による補間演算によって画素数を増減する拡大処理あるいは縮小処理を実施する。図2においては、得られた画像データを画像データ15a’として示している。当該画像データ15a’は、ドットマトリクス状の各画素についてRGBの色成分毎に256階調で階調表現した画像データである。
色変換モジュール21bは、上記LUT15dを参照して当該画像データ15a’のRGB表色系をCMYK表色系に変換するモジュールである。すなわち、LUT15dは、複数の参照点によってRGBデータとCMYKデータとの対応関係を規定するテーブルデータであり、色変換モジュール21bが各参照点を参照して補間演算を行い、任意のRGBデータをCMYKデータに変換する。当該CMYKデータは、CMYKの各色毎に各画素の階調を256階調で表現したデータであり、図2の中央には当該CMYKデータを模式的に示している。
本実施形態にかかるプリンタ30においては各画素毎にインクを記録する状態と記録しない状態との2階調を表現可能であり、ハーフトーン処理モジュール21cは、上述のCMYKデータで表現された画像を各画素毎に2階調で表現したハーフトーンデータに変換するモジュールである。本実施形態におけるハーフトーン処理では、階調数を256階調から2階調へ低減させると同時に、CMYKデータの1画素を縦横4画素のサブ画素に対応させ、各サブ画素毎に2階調となるようにしてハーフトーンデータを生成している。印刷データ生成モジュール21dは、当該ハーフトーンデータを取得し、ハーフトーンデータが示す画像をプリンタ30にて印刷させるための印刷データを生成し、USBI/F14を介して出力する。プリンタ30においては、当該印刷データを取得し、ハーフトーンデータが示す画像を印刷する。
以上のように、本実施形態においては、画像データ15aに対して印刷条件の通りに印刷を実行するために画像の拡大あるいは縮小処理を実行可能である。このように拡大あるいは縮小処理を実施すると、任意のサイズの画像データ15aを任意の印刷解像度にて印刷可能であるものの、当該拡大あるいは縮小処理に伴って生じ得る不都合を避けることができない。
すなわち、拡大処理では複数の画素の階調値からその間の位置に相当する画素の階調値を算出しているため、元の画素で表現される色と異なる色が生成される。また、縮小処理では複数の画素からそれより少ない画素であって異なる位置に相当する画素の階調値を算出しているため、元の画素で表現される色と異なる色が生成される。従って、色や画像におけるエッジの様子、画像細部の表現力(階調性や解像度)が変化し、補間演算後の画像データ15a’が示す画像は、元の画像データ15aが示す画像と厳密には異なる画像となる。
従って、補間演算を実施すると、利用者が意図したとおりの画像を印刷できないおそれがある。また、補間演算には種々のアルゴリズムがあるが、いずれにしても色成分毎に多数の画素の階調値を参照し、新たな画素の階調値を算出する処理の負担は大きく、処理に多くのリソースを必要とする。また、印刷制御の処理速度も遅くなる。そこで、本実施形態においては、印刷制御処理に際して画像の拡大あるいは縮小処理を実施する場合には警告を表示するように構成してある。
このために、PRTDRV21は最適形式判断モジュール21eを備えており、最適形式データ15bに基づいて画像データ15aの形式が最適であるか否か(本実施形態においては、補間演算が必要であるか否か)を判断している。最適形式データ15bは、画像データ15aの形式を判断し、何らかの不都合を伴う画像処理を実施しない場合にその形式が最適であると判断するために定義されるデータである。本発明においては、ハーフトーン処理モジュール21cにおける処理の特性を示すデータであり、具体的には、CMYKデータの各画素が縦4個,横4個のサブ画素に変換されることを示すデータである。
この最適形式データ15bと印刷条件とを参照すれば画像データ15aに必要とされる画素数が判明するので、最適形式判断モジュール21eはラスタライザ21aから受け渡される画素数と最適形式データ15bと印刷条件データ15cとを参照して画像データ15aの形式が最適であるか否かを判断する。尚、最適形式判断モジュール21eは、画像データ15aがラスタデータである場合にラスタライザ21aから当該画像データ15aの画素数を取得し、最適であるか否かの判断を行う。すなわち、ベクトルデータの場合は、ラスタライズによって最適な画素数のデータが生成されるので、ラスタデータの場合のみに上記判断を行っている。
最適形式判断モジュール21eによって、画像データ15aが最適の形式であると判断されない場合には、上記ディスプレイDRV23を介して所定の制御信号を出力し、ディスプレイ13上に所定の警告を表示させる。本実施形態においては、この警告時に印刷をキャンセルするかそのまま印刷するかの選択を受け付けるようになっており、印刷指示がなされた場合には、その判断結果が最適形式判断モジュール21eに送られる。この結果、ラスタライザ21aに印刷許可が与えられ、拡大あるいは縮小処理を実施して印刷を実行する。また、画像データ15aが最適の形式であると判断された場合にもラスタライザ21aに印刷許可が与えられるが、この場合には、拡大処理および縮小処理を実施せずに印刷処理を進める。
(2)印刷制御処理:
次に、以上の構成における一連の印刷制御処理をフローチャートに沿って詳説する。図3は印刷制御処理のフローチャートであり、図4はそのフローにて実行される最適形式判断処理のフローチャートである。利用者が上記APL25にて印刷実行を指示すると、図3に示すフローに従って印刷処理を実行する。印刷処理が開始されると上記ラスタライザ21aは上記RAMに格納された画像データ15aを取得する(ステップS100)。そして、当該画像データ15aの形式が最適であるか否かを判断する(ステップS110)。
次に、以上の構成における一連の印刷制御処理をフローチャートに沿って詳説する。図3は印刷制御処理のフローチャートであり、図4はそのフローにて実行される最適形式判断処理のフローチャートである。利用者が上記APL25にて印刷実行を指示すると、図3に示すフローに従って印刷処理を実行する。印刷処理が開始されると上記ラスタライザ21aは上記RAMに格納された画像データ15aを取得する(ステップS100)。そして、当該画像データ15aの形式が最適であるか否かを判断する(ステップS110)。
当該ステップS110における最適形式判断処理では、後述するように画像データ15aの拡大あるいは縮小処理が必要な場合にその旨を示すフラグをONにする。最適形式判断処理から図3に示すフローに復帰すると、当該フラグに基づいて拡大あるいは縮小処理が必要であるか否かを判断する(ステップS120)。ステップS120にて拡大あるいは縮小処理が必要であると判断されたときには、補間演算部21a1が画像データ15aに対して補間演算を実施(ステップS130)し、画像データ15a’を生成する。ステップS120にて拡大あるいは縮小処理が必要であると判断されなければステップS130をスキップする。
ラスタライザ21aによる処理が終了すると、画像データ15aあるいは画像データ15a’が色変換モジュール21bに受け渡される。色変換モジュール21bは、上記HDD15に記憶されたLUT15dを取得して当該受け渡されたデータに基づいて補間演算を実施し、その表色系をRGB表色系からCMYK表色系に変換する(ステップS140)。ハーフトーン処理モジュール21cは、当該CMYK表色系のCMYKデータの各画素に対して4×4のディザマトリクスを適用し、4×4個のサブ画素毎にドットのON/OFFを指定したハーフトーンデータを生成する(ステップS150)。
ハーフトーンデータが生成されると、印刷データ生成モジュール21dは当該ハーフトーンデータが示す各サブ画素毎のドットのON/OFFに従って、トナーインクを記録し、あるいは記録しないようにして画像を形成するための印刷データを生成する。当該印刷データは上記USBI/F14を介してプリンタ30に対して出力される(ステップS160)。
(2−1)最適形式判断処理:
次に、図4に示す最適形式判断処理を詳細に説明する。当該最適形式判断処理においては、まずラスタライザ21aが上記画像データ15aの画像がラスタデータで表現されているか否かを判別する(ステップS200)。ステップS200にて画像がラスタデータで表現されていると判断されなければ、ラスタライザ21aがベクトルデータを解析し、ドットマトリクス状の画像データ15a’を生成するラスタライズ処理を行い(ステップS210)、上記図3に示すフローに復帰する。
次に、図4に示す最適形式判断処理を詳細に説明する。当該最適形式判断処理においては、まずラスタライザ21aが上記画像データ15aの画像がラスタデータで表現されているか否かを判別する(ステップS200)。ステップS200にて画像がラスタデータで表現されていると判断されなければ、ラスタライザ21aがベクトルデータを解析し、ドットマトリクス状の画像データ15a’を生成するラスタライズ処理を行い(ステップS210)、上記図3に示すフローに復帰する。
ステップS200にて画像がラスタデータで表現されていると判断されたときには、最適形式判断モジュール21eがHDD15から印刷条件データ15cおよび最適形式データ15bを取得する(ステップS220,S230)。最適形式判断モジュール21eはこれらのデータを参照し、画像データ15aに対して拡大あるいは縮小処理が必要であるか否かを判断する(ステップS240)。すなわち、印刷条件データ15cによれば、印刷実行指示がなされた状態におけるプリンタ30の解像度(図2に示す例ではX(dpi),Y(dpi))と実サイズが把握可能であり、プリンタ30が受け取るべきハーフトーンデータの画素数(図2に示す例ではx(pix),y(pix))を把握可能である。
本実施形態におけるハーフトーン処理は、CMYKデータの各画素を縦横4倍にしてサブ画素を形成するので、ハーフトーンデータの画素数に対して縦横それぞれ1/4倍にすればCMYKデータに必要な画素数(図2に示す例では縦画素数x/4(pix),横画素数y/4(pix))を取得することができる。CMYKデータの画素数と画像データ15aの画素数とが一致すれば、画像データ15aに対して拡大あるいは縮小処理を実施せずに印刷を実行することができる。従って、印刷条件データ15cが示す印刷条件における印刷を実行するために拡大あるいは縮小処理が必要であるか否かを判断することができる。
ステップS240にて画像データ15aに対して拡大あるいは縮小処理が必要であると判断されたときには、拡大処理が必要であることを示すフラグあるいは縮小処理が必要であることを示すフラグをONにする(ステップS250)。さらに、最適形式判断モジュール21eは、ディスプレイDRV23に対して所定の制御信号を送出し、ディスプレイ13上に拡大あるいは縮小処理が実施されることを示す警告を表示させる(ステップS260)。
図5は、縮小処理が実施される場合にその旨を示す警告表示の例である。同図に示す警告表示画面13aにおいては、警告表示画面13aの画面略中央に文字表示部13a1を備えるとともに画面下部にキャンセル指示ボタン13a2と印刷指示ボタン13a3とを備えている。文字表示部13a1は、警告内容を文字列で表示することが可能であり、図5に示す例では現状の印刷条件で印刷を実行する場合には縮小処理が必要である旨を示す文字列が表示されている。さらに、本実施形態においては、縮小処理の前後の画素数(縮小前:α(pix),縮小後:β(pix))を明示するようになっている。
利用者は、この警告表示に基づいて印刷を続行するか中断するかを判断し、指示を行うことが可能である。すなわち、キャンセル指示ボタン13a2は印刷の中断を指示するボタンであり、マウス12の操作によってマウスポインタでボタンを指示し、クリックする操作等によって中断指示を実行可能である。印刷指示ボタン13a3は印刷の続行を指示するボタンであり、マウス12の操作によってマウスポインタでボタンを指示し、クリックする操作等によって続行指示を実行可能である。
この警告に基づく利用者の操作内容は入力機器DRV22を介して最適形式判断モジュール21eに受け渡される。最適形式判断モジュール21eはこの指示内容を受け取り、印刷を実行すべき指示がなされたか否かを判断する(ステップS270)。ステップS270にて印刷を実行すべき指示がなされたと判別されないときには、処理を終了する。ステップS270にて印刷を実行すべき指示がなされたと判別されたときには、上記図3に示すフローに復帰する。
以上の処理により、利用者は、その意図に沿わない拡大処理や縮小処理を中断させることができる。従って、APL25によるレタッチを再度実施して意図に沿わない拡大処理や縮小処理が実施されないような画素数の画像データ15aを準備することが可能である。このようにして準備された画像データ15aによれば、拡大あるいは縮小処理が実施されないので、色や画像におけるエッジの様子、画像細部の表現力(階調性や解像度)が変化することがないし、高速に印刷制御処理を行うことができる。
さらに、本実施形態においては、図5に示す警告表示画面13aにて拡大あるいは縮小処理を実施した場合の処理前後の画素数を明示しているので、拡大あるいは縮小処理が画像に与える影響を考慮して印刷の中断を実施するか否かを判断することができる。すなわち、拡大あるいは縮小処理を実施すると、上述のように色や画像におけるエッジの様子、画像細部の表現力(階調性や解像度)が変化するが、一般に画素数の変化が大きいほど、色などの変化度合いが大きい。
従って、処理前後の画素数を警告表示画面13aに表示することにより、利用者は拡大あるいは縮小処理を実施した場合であってもその影響が大きいか否かを判断することができる。すなわち、画素数の変化率が所定の範囲内であれば、印刷を中断せずに印刷を行っても画像に与える影響は少なくて済むので、再度のレタッチ等を実施することなく印刷を行うという選択肢を提供することができる。尚、図5に示す例のように処理前後の画素数を明示すると、処理後の画素数を最適な画像サイズとして認識することができ、印刷を中断して再度レタッチを行うときの参考にすることが可能になる。
(3)他の実施形態:
本発明においては、画像データの形式を判断し、少なくともその旨の警告を利用者に対して発することができれば良く、この限りにおいて上述の実施形態以外にも種々の構成を採用可能である。例えば、一つの印刷ジョブにラスタデータによって表現された複数の画像が存在するときに、画像毎にその形式が最適であるか否かを判定する構成を採用可能である。
本発明においては、画像データの形式を判断し、少なくともその旨の警告を利用者に対して発することができれば良く、この限りにおいて上述の実施形態以外にも種々の構成を採用可能である。例えば、一つの印刷ジョブにラスタデータによって表現された複数の画像が存在するときに、画像毎にその形式が最適であるか否かを判定する構成を採用可能である。
図6は、この場合に最適ではないと判定された画像を示す手法を例示した図である。同図に示す例では一つの印刷ジョブにて一枚の印刷用紙に二つの画像を印刷する。この例において、印刷用紙Pの右下に配置される画像の画像データ15aが最適ではなかった場合を想定する。この画像が最適の形式ではないことを示すために図6に示す例では画像の内容によらず単色のベタを出力するようになっており、単色のベタをハッチにて示している。
出力装置としては、ディスプレイ13やプリンタ30を採用可能である。すなわち、図6に示すようにディスプレイ13上に印刷用紙Pおよび印刷される画像を表示するように構成し、最適の形式の画像はその画像の内容を表示し、最適でなければ単色で塗りつぶして表示する。また、プリンタ30で実際に印刷用紙Pを印刷し、最適の形式の画像はその画像を印刷し、最適でなければ単色で塗りつぶして印刷を行う。
以上の構成により、複数の画像を判断対象としても容易にその判断結果を利用者に伝えることが可能になる。尚、特定の画像を単色のベタで出力するためには、画像データの各画素を特定の階調にしたり、全色同じにしてグレーが出力されるようにするなどして対応可能である。むろん、本発明では判断結果を利用者に伝えることができればよいので、図6に示すような構成以外にも種々の手法で利用者に警告を与えることが可能である。例えば、画像の枠のみを出力して残りを白抜きにするなどの構成を採用可能である。
さらに、本発明による判断に基づいて各印刷条件において最適な画像データの形式を把握し、最適な形式で印刷を実行できることにより、必要充分な容量のデータを扱うようにすることができる。この効果はインターネット等の双方向通信網を介してデータを送信する構成にて特に顕著に現れる。図7は、かかる構成を示す概略図である。クライアントコンピュータ10a〜10cとサーバコンピュータ100aはインターネット網Wに接続可能なコンピュータである。
同図において、サーバコンピュータ100aにはプリンタ300が接続されており、各クライアントコンピュータ10a〜10cとサーバコンピュータ100aとが連携して印刷を実行可能である。この例においては、上述の実施形態における機能の一部を各クライアントコンピュータ10a〜10cで実施し、他の一部をサーバコンピュータ100aによって実施することでプリンタ300における印刷を実行する。
すなわち、クライアントコンピュータ10a〜10cにおいては、上記実施形態におけるラスタライザ21aと最適形式判断モジュール21eとに相当する機能を実施可能である。従って、クライアントコンピュータ10a〜10cの利用者に対して、印刷指示にかかる画像データが最適な形式であるか否かを通知することができる。この結果、利用者は画像データを最適な形式にして印刷を実施可能である。最適な形式であるときに画像データはインターネット網Wを介してサーバコンピュータ100aに転送される。
サーバコンピュータ100aにおいては、上記実施形態における色変換モジュールとハーフトーン処理モジュールと印刷データ生成モジュールとを備えており、転送された画像データに基づいて印刷を実行させる。従って、補間演算等を実施せずにインターネット網Wを介して画像データを授受し、印刷を完了することができる。かかる構成においては、最適な形式の画像データのみがインターネット網Wに送信されるようにすることができる。
むろん、クライアントコンピュータ10a〜10cとサーバコンピュータ100aとのそれぞれに備える機能としては、図7に示す構成に限られず種々の構成を採用可能である。例えば、最適形式判断モジュールのみをクライアントコンピュータ10a〜10cで構成し、ラスタライザや色変換モジュール等をサーバコンピュータ100aで構成する態様を採用可能である。
かかる構成において、クライアントコンピュータ10a〜10cの最適形式判断モジュールで印刷対象の画像データが最適であると判断されたときのみに当該画像データをサーバコンピュータ100aに転送する。かかる構成によれば、特に縮小処理について過大な容量のデータ転送を防止することができる。すなわち、縮小処理がなされるときの警告に従って、利用者が予め最適の形式の画像データを作成すれば、過大な容量のデータを転送することがなく、必要最小限の容量で構成された画像データを転送するように調整することができる。
むろん、本発明にかかる画像処理装置や印刷制御装置の構成は上記図1や図7に示す構成に限られない。例えば、内部にプログラムの実行環境を備えるプリンタにおいて上記PRTDRV21に相当する機能を実行可能に構成してもよい。この場合、プリンタに備える液晶パネル等の表示装置に上述の警告を表示すればよい。むろん、デジタルカメラや所定の記憶媒体から画像を取得し、パーソナルコンピュータによる処理を経ることなく印刷を実行するダイレクト印刷を実施可能なプリンタにて本発明を適用しても良い。また、プリントサーバとして機能するコンピュータにおいて上記PRTDRV21と同等の機能を実行可能に構成しても良い。
さらに、本発明を適用可能なプリンタはレーザープリンタに限られず、インクジェットプリンタ等各種プリンタを適用対象とすることができる。さらに、上記実施形態においてはハーフトーン処理モジュール21cにおいて実施するハーフトーン処理のアルゴリズムが一定であったが、むろん、各種のアルゴリズムを選択可能に構成しても良い。この場合、そのアルゴリズムによって、画像データ15aとして必要とされる画素数が異なり得るので、各アルゴリズムと最適形式データ15bとを対応付ける。そして、各アルゴリズムにて必要とされる画素数を最適形式データ15bおよび印刷条件データ15cから判別できるように構成する。
また、上記図5に示す警告においては、変換前後の画素数を示すことによって、利用者自身が印刷を中断すべきか否かを判断することができたが、むろん、予め決められた閾値で変換前後の変化率に対して許容範囲を設定してもよい。すなわち、画素数の増減によってほとんど不都合が生じ得ない変化率の範囲を閾値によって規定し、画素数の変化率が当該閾値の範囲外にあるときに最適でないと判断する構成を採用可能である。かかる構成によれば、不都合が許容できる範囲で画像処理を行い、印刷を中断せずに処理を進めることができる。
さらに、本発明においては、印刷に伴う画像処理を実施するために最適な形式となっているか否かを判定することができればよい。従って、上述のように、拡大あるいは縮小処理を実施する必要がない場合に最適な形式であるとするのみでなく、他にも種々のデータ形式によって最適であるか否かを判定することができる。図8は、かかる構成の例を説明する説明図である。同図に示すプリンタ301で印刷を行う際には、印刷媒体や利用者のニーズに応じて複数種類のLUTを選択可能である。
同図においては、sRGB規格で規定されたRGB表色系の画像データとCMYKデータとについて特定の思想に基づいて色域マッピングをして両者の対応関係を規定したLUT1を使用するように設定してある。この状態において、画像データ15aがsRGB規格で規定されたデータであれば、LUT1による色変換の前処理として表色系を変換する必要がないので、最適な形式であると判断することができる。一方、画像データ15aがYCbCrやCMYK表色系であれば、色変換の前処理として所定の演算式やテーブルデータによって画像データ15aをsRGB規格のデータに変換する必要がある。
従って、この変換によって変換誤差等が生じて色やエッジ等が変動するおそれがあり、当該前処理としての変換が必要な画像データ15aについて最適な形式ではないと判断する構成を採用可能である。すなわち、本発明によれば、画像処理によって種々の不都合が生じ得る場合にその旨を警告し、印刷を実行すべきか否かを利用者に選択させることが可能になる。むろん、図8における例は本発明の一実施形態であり、他にも、カラーとモノクロとのいずれかに印刷条件を設定可能な構成において、モノクロが設定されている場合には、上記YCbCr表色系の画像データ15aを最適な形式であるとする構成等を採用可能である。この場合には、画像データ15aにおけるY成分をそのまま参照すればモノクロの印刷を実施可能である。
10…コンピュータ、13…ディスプレイ、13a…警告表示画面、13a1…文字表示部、13a2…キャンセル指示ボタン、13a3…印刷指示ボタン、15…HDD、15a…画像データ、15b…最適形式データ、15c…印刷条件データ、15d…LUT、21…PRTDRV、21a…ラスタライザ、21a1…補間演算部、21b…色変換モジュール、21c…ハーフトーン処理モジュール、21d…印刷データ生成モジュール、21e…最適形式判断モジュール、25…APL、30…プリンタ
Claims (14)
- 印刷装置にて印刷する画像を示す画像データに対して所定の画像処理を実施する画像処理装置であって、
上記印刷装置において予め設定された印刷条件を取得する印刷条件取得手段と、
当該取得した印刷条件で印刷を行う際の最適な画像データの形式を判断するための最適形式データを取得する最適形式データ取得手段と、
上記画像データを取得する画像データ取得手段と、
上記最適形式データを参照し、上記取得した画像データの形式が最適な形式であるか否かを判断する最適形式判断手段と、
最適であると判断されないときにその旨の通知を所定の出力装置に出力する通知出力手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。 - 上記印刷条件は、印刷条件における解像度であることを特徴とする上記請求項1に記載の画像処理装置。
- 上記最適形式データは、上記印刷条件において画像を形成する際に必要な画素数を示すデータであることを特徴とする上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の画像処理装置。
- 上記最適形式判断手段は、上記最適形式データが示す上記必要な画素数で画像を形成するために、前処理として上記画像データの画素数を増減するにあたり、その画素数の変化率が所定の範囲内であるときに画像データの形式が最適であると判断することを特徴とする上記請求項3に記載の画像処理装置。
- 上記印刷条件において画像を形成する際に必要な画素数は、その画素数を略増減することなく所定のハーフトーン処理を行って上記印刷条件による印刷を実施可能な画素数であることを特徴とする上記請求項3または請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
- 上記ハーフトーン処理は、各画素の色を多階調表現した上記画像データを取得し、当該各画素をより多数のサブ画素に対応づけるとともに各サブ画素の色をより少数の階調で表現したハーフトーンデータに変換する処理であることを特徴とする上記請求項5に記載の画像処理装置。
- 上記通知出力手段は上記通知として、画素数を増減する旨の通知と増減を行う場合の増減前後の画素数とのいずれかまたは双方を出力することを特徴とする上記請求項3〜請求項6のいずれかに記載の画像処理装置。
- 上記画像データ取得手段は一つの印刷ジョブに含まれる複数の画像についての複数の画像データを取得し、上記通知出力手段は各画像データについての上記最適形式判断手段による判断結果に基づいて画像データの形式が最適であると判断されなかった画像を明示するための通知を出力することを特徴とする上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像処理装置。
- 上記最適形式判断手段によって最適な形式であると判断された画像データを双方向通信を介して外部機器に転送する画像データ転送手段を具備することを特徴とする上記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画像処理装置。
- 印刷装置にて印刷する画像を示す画像データに対して所定の画像処理を実施する画像処理方法であって、
上記印刷装置において予め設定された印刷条件を取得する印刷条件取得工程と、
当該取得した印刷条件で印刷を行う際の最適な画像データの形式を判断するための最適形式データを取得する最適形式データ取得工程と、
上記画像データを取得する画像データ取得工程と、
上記最適形式データを参照し、上記取得した画像データの形式が最適な形式であるか否かを判断する最適形式判断工程と、
最適であると判断されないときにその旨の通知を所定の出力装置に出力する通知出力工程とを具備することを特徴とする画像処理方法。 - 印刷装置にて印刷する画像を示す画像データに対して所定の画像処理を実施する画像処理プログラムであって、
上記印刷装置において予め設定された印刷条件を取得する印刷条件取得機能と、
当該取得した印刷条件で印刷を行う際の最適な画像データの形式を判断するための最適形式データを取得する最適形式データ取得機能と、
上記画像データを取得する画像データ取得機能と、
上記最適形式データを参照し、上記取得した画像データの形式が最適な形式であるか否かを判断する最適形式判断機能と、
最適であると判断されないときにその旨の通知を所定の出力装置に出力する通知出力機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする画像処理プログラム。 - 印刷装置にて印刷する画像を示す画像データに対して所定の画像処理を実施して印刷を実行する印刷制御装置であって、
上記印刷装置において予め設定された印刷条件を取得する印刷条件取得手段と、
当該取得した印刷条件で印刷を行う際の最適な画像データの形式を判断するための最適形式データを取得する最適形式データ取得手段と、
上記画像データを取得する画像データ取得手段と、
上記最適形式データを参照し、上記取得した画像データの形式が最適な形式であるか否かを判断する最適形式判断手段と、
最適であると判断されないときにその旨の通知を所定の出力装置に出力する通知出力手段と、
上記最適形式判断手段によって最適な形式であると判断されたときおよび所定の入力装置を介して上記通知出力手段によって最適であると判断されなかった画像について印刷を実行する旨の入力を受け付けたときに上記画像データに対して上記所定の画像処理を実施する画像処理手段と、
画像処理後のデータに基づいて上記印刷装置に印刷を実行させる印刷実行手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。 - 印刷装置にて印刷する画像を示す画像データに対して所定の画像処理を実施して印刷を実行する印刷制御方法であって、
上記印刷装置において予め設定された印刷条件を取得する印刷条件取得工程と、
当該取得した印刷条件で印刷を行う際の最適な画像データの形式を判断するための最適形式データを取得する最適形式データ取得工程と、
上記画像データを取得する画像データ取得工程と、
上記最適形式データを参照し、上記取得した画像データの形式が最適な形式であるか否かを判断する最適形式判断工程と、
最適であると判断されないときにその旨の通知を所定の出力装置に出力する通知出力工程と、
上記最適形式判断工程によって最適な形式であると判断されたときおよび所定の入力装置を介して上記通知出力工程によって最適であると判断されなかった画像について印刷を実行する旨の入力を受け付けたときに上記画像データに対して上記所定の画像処理を実施する画像処理工程と、
画像処理後のデータに基づいて上記印刷装置に印刷を実行させる印刷実行工程とを具備することを特徴とする印刷制御方法。 - 印刷装置にて印刷する画像を示す画像データに対して所定の画像処理を実施して印刷を実行する印刷制御プログラムであって、
上記印刷装置において予め設定された印刷条件を取得する印刷条件取得機能と、
当該取得した印刷条件で印刷を行う際の最適な画像データの形式を判断するための最適形式データを取得する最適形式データ取得機能と、
上記画像データを取得する画像データ取得機能と、
上記最適形式データを参照し、上記取得した画像データの形式が最適な形式であるか否かを判断する最適形式判断機能と、
最適であると判断されないときにその旨の通知を所定の出力装置に出力する通知出力機能と、
上記最適形式判断機能によって最適な形式であると判断されたときおよび所定の入力装置を介して上記通知出力機能によって最適であると判断されなかった画像について印刷を実行する旨の入力を受け付けたときに上記画像データに対して上記所定の画像処理を実施する画像処理機能と、
画像処理後のデータに基づいて上記印刷装置に印刷を実行させる印刷実行機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004054340A JP2005242875A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004054340A JP2005242875A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム |
Publications (1)
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JP2004054340A Pending JP2005242875A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム |
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JP (1) | JP2005242875A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020123378A (ja) * | 2012-07-10 | 2020-08-13 | 株式会社リコー | プログラム、操作端末及び方法 |
US11797243B2 (en) | 2012-07-10 | 2023-10-24 | Ricoh Company, Ltd. | System including operation device and information storing apparatus, method performed by the system, and the information storing apparatus |
-
2004
- 2004-02-27 JP JP2004054340A patent/JP2005242875A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020123378A (ja) * | 2012-07-10 | 2020-08-13 | 株式会社リコー | プログラム、操作端末及び方法 |
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US11907597B2 (en) | 2012-07-10 | 2024-02-20 | Ricoh Company, Ltd. | System including operation device and information storing apparatus, method performed by the system, and the information storing apparatus |
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