JP2005242755A - セキュリティスレッド判別装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】媒体の画像の傾きを補正することなくセキュリティスレッドの有無を判別することができるようにして、簡単に短時間でセキュリティスレッドの有無を判別することができ、多数の媒体を短時間で処理することができるようにする。
【解決手段】媒体の画像を取得する画像取得部12と、前記媒体の画像からセキュリティスレッドを含む領域を切り出し、該領域における画像の特徴値を算出し、該特徴値が所定の値の範囲内にあるか否かに基づいて、前記セキュリティスレッドの有無を判別する画像処理部13とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】媒体の画像を取得する画像取得部12と、前記媒体の画像からセキュリティスレッドを含む領域を切り出し、該領域における画像の特徴値を算出し、該特徴値が所定の値の範囲内にあるか否かに基づいて、前記セキュリティスレッドの有無を判別する画像処理部13とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、セキュリティスレッド判別装置に関するものである。
従来、銀行、信用金庫、郵便局、消費者金融会社等の金融機関の支店等に配設されたATM(Automatic Teller Machine:現金自動預払機)、CD(Cash Dispenser:現金自動支払機)等の自動取引装置や両替機、また、商店や路上に配設された自動販売機等には、紙幣等の有価証券の真偽を判別するための媒体真偽判別装置が配設されている。該媒体真偽判別装置が紙幣等の媒体の真偽を判別することによって、偽造紙幣等の不正な媒体を排除することができる。そして、種々の多様な媒体の真偽を判別することができる媒体真偽判別装置に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような媒体真偽判別装置において、紙幣は、紙幣ハンドリング装置と呼ばれる搬送ベルト、搬送ローラ等を備える何らかの機構によって搬送され、画像取得装置を通過する際に該画像取得装置によって、画像が取得される。ところで、偽造紙幣が多く出回っている外国においては、紙幣の真贋(がん)を識別することができるようにしたり、紙幣の偽造を防止したりするために、紙幣の内部に、プラスチックフィルム等から成る線状、又は、テープ状のセキュリティスレッドが埋め込まれた紙幣が採用されている場合が多い。そこで、セキュリティスレッドを有している前記紙幣を取り扱う場合、前記媒体真偽判別装置は、紙幣の画像に基づいてセキュリティスレッドの有無を判別して前記紙幣の真偽を判別するようになっている。
特開平6−215223号公報
しかしながら、前記従来の媒体真偽判別装置においては、セキュリティスレッドの判別においても紙幣の傾きの補正を伴っていたため、処理に時間がかかり、セキュリティスレッドの有無を迅速に判別することができなかった。一般的に、画像取得装置によって取得された紙幣の画像は、画像取得領域に対しさまざまな傾きを持って傾いた状態で取得される。そのため、セキュリティスレッドの有無を判別するために画像処理を行う際に、取得した紙幣の画像の傾きを補正する必要がある。そして、傾きを補正するために複雑な処理が必要とされ、該処理に長い時間がかかってしまう。そのため、セキュリティスレッドの有無を判別するまでに長い時間が必要とされ、多数の紙幣の真偽判別を短時間で行うことができなかった。
本発明は、前記従来の問題点を解決して、媒体の画像の傾きを補正することなくセキュリティスレッドの有無を判別することができるようにして、簡単に短時間でセキュリティスレッドの有無を判別することができ、多数の媒体を短時間で処理することができるセキュリティスレッド判別装置を提供することを目的とする。
そのために、本発明のセキュリティスレッド判別装置においては、媒体の画像を取得する画像取得部と、前記媒体の画像からセキュリティスレッドを含む領域を切り出し、該領域における画像の特徴値を算出し、該特徴値が所定の値の範囲内にあるか否かに基づいて、前記セキュリティスレッドの有無を判別する画像処理部とを有する。
本発明の他のセキュリティスレッド判別装置においては、さらに、前記特徴値は、前記領域に含まれる画素の輝度の平均値及び分散値並びに前記領域における黒点数である。
本発明の更に他のセキュリティスレッド判別装置においては、さらに、前記画像処理部は、前記平均値、分散値及び黒点数のいずれもが、それぞれの上限閾(しきい)値と下限閾値との間の範囲内にあれば前記セキュリティスレッドが有ると判断し、前記平均値、分散値又は黒点数のいずれかが、前記範囲外であれば前記セキュリティスレッドが無いと判断する。
本発明の更に他のセキュリティスレッド判別装置においては、さらに、前記領域は、前記媒体の画像の傾き、又は、前記セキュリティスレッドの位置に関わらず、前記セキュリティスレッドが含まれるように設定される。
本発明の更に他のセキュリティスレッド判別装置においては、さらに、前記画像取得部は、前記媒体の画像の傾きを補正する処理を行わない。
本発明によれば、媒体の画像の傾きを補正することなくセキュリティスレッドの有無を判別することができる。そのため、簡単に短時間でセキュリティスレッドの有無を判別することができ、多数の媒体を短時間で処理することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるセキュリティスレッド判別装置の機能構成を示すブロック図、図2は本発明の実施の形態におけるセキュリティスレッドを有する媒体の例を示す図である。
図1において、10は本実施の形態におけるセキュリティスレッド判別装置であり、自動販売機、両替機、ゲーム機等の装置に配設され、図2に示されるような媒体21の真偽を判別するための媒体真偽判別装置等に使用される。ここで、前記媒体21は、真偽を判別するためのセキュリティスレッド22を有するものである。該セキュリティスレッド22は、プラスチックフィルム等から成る線状、又は、テープ状の部材であり、例えば、前記媒体21を構成する紙に漉(す)き込まれたりして、埋め込まれている。なお、前記セキュリティスレッド22は、磁性を備えていてもよい。また、図2において23及び24は、媒体21に印刷された模様である。
そして、前記媒体21は、例えば、紙幣であるが、セキュリティスレッド22を有するものであれば、ビール券、ギフト券、商品券等の金券、トラベラーズチェック、小切手、株券等の有価証券、入場券等の施設利用券、切符、帳票、カード、通帳等であってもよく、いかなる種類のものであってもよい。本実施の形態においては、前記媒体21が紙幣である場合について説明する。この場合、前記媒体真偽判別装置は、セキュリティスレッド判別装置10の判別結果に基づいて、前記媒体21の真偽を判別することができるものであるが、複数種類の媒体21の真偽を判別することができるものであることが望ましい。さらに、前記媒体真偽判別装置は、外国の紙幣の真偽を判別することができるものであることが望ましい。
そして、前記媒体真偽判別装置は、自動取引装置のように媒体21として紙幣を受領する装置における紙幣の搬送経路や紙幣の取り扱い装置に配設され、受領した紙幣の真偽を判別する。なお、前記紙幣を受領する装置は、一般的には、銀行、信用金庫、郵便局等の金融機関の支店等の営業店や、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等の商店の店舗に配設されているATM、CD等の自動取引装置であるが、紙幣を受領するための装置であれば、鉄道、バス等の交通機関の券売機、飲料、タバコ等の自動販売機、両替機、ゲーム機等いかなる装置であってもよい。そして、前記紙幣を受領する装置は、媒体真偽判別装置が真券と判別した紙幣を真正な紙幣として取り扱い、媒体真偽判別装置が真券と判別しなかった紙幣を偽造紙幣のような不正な紙幣として排除する。
本実施の形態において、前記セキュリティスレッド判別装置10は、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、通信インターフェイス等を有し、媒体21の透過イメージを読み取ってセキュリティスレッド22の有無を判別するものである。ここで、前記セキュリティスレッド判別装置10は、図1に示されるように、機能の観点から、媒体ハンドリング部11、画像取得部12及び画像処理部13を有する。なお、前記セキュリティスレッド判別装置10は、前記媒体真偽判別装置、自動取引装置、自動販売機、両替機、ゲーム機等の他の装置と一体的に構成されたものであってもよい。
次に、前記セキュリティスレッド判別装置10の構成を詳細に説明する。
図3は本発明の実施の形態における画像取得部の構成を示す図、図4は本発明の実施の形態における画像取得部が取得した画像の例を示す図である。
ここで、前記媒体ハンドリング部11は、媒体21の画像を取得するための画像取得部12を有し、さらに、媒体21を搬送したり、媒体21の姿勢を整えたりするために、図示されない搬送ベルト、搬送ローラ、ガイド部材等を備える。そして、媒体21が自動取引装置、自動販売機、両替機、ゲーム機等の装置における媒体21の挿入口から搬送経路に挿入され、図示されない搬送装置に搬送されてセキュリティスレッド判別装置10に導入されると、前記媒体ハンドリング部11が前記媒体21を取り扱い、前記画像取得部12が前記媒体21の画像を取得することができるようにする。
また、前記画像取得部12は、図3に示されるように、LED(Light Emitting Diode) 等の発光素子、ハロゲンランプ、蛍光灯等の光源やレンズから成る発光部12a、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子、撮像管等の撮像手段やレンズから成る受光部12cを備える。そして、前記媒体ハンドリング部11によって、媒体21が発光部12aと受光部12cとの間を通過するように矢印Aで示される方向に搬送されると、前記発光部12aからの光が媒体21に照射され、該媒体21を透過した光が前記受光部12cによって受光される。これにより、前記媒体21を透過した光、すなわち、透過光が受光部12cの撮像手段に結像し、該撮像手段は、結像された媒体21の透過イメージを光電変換し、透過画像信号を出力する。そして、該透過画像信号は、信号増幅手段によって増幅され、A/D変換手段によって、例えば、8〔bit〕のデジタル信号に変換され、デジタルイメージデータとして出力される。これにより、前記媒体21の画像が画像取得部12によって取得される。
また、前記デジタルイメージデータは、画像を構成する各画素(ピクセル)が、例えば、256階調の輝度を有するデータである。なお、前記画像取得部12は、前記媒体21を透過した光でなく、前記媒体21に反射された光、すなわち、反射光を受光部12cの撮像手段に結像するものであってもよい。この場合、該撮像手段は、結像された媒体21の反射画像信号を出力する。
ここで、前記媒体21は、発光部12aと受光部12cとの間を通過する際に、わずかに傾いている、すなわち、スキューしていることもある。そのため、前記画像取得部12が取得した媒体21の画像は、図4に示される21b及び21cのように、傾いたものとなっていることもある。なお、図4において14は前記画像取得部12が取得した画像の全領域としての画像取得領域であり、また、21aは、傾いていない場合の媒体21の画像である。図4に示されるように、媒体21の画像は、画像取得領域14に対して種々の位置において種々の姿勢で取得される。そして、前記画像取得部12は、取得した媒体21の画像をそのまま、すなわち、傾きを補正するための処理としてのスキュー補正処理や、位置を補正するための処理を行うことなく出力する。
また、前記画像処理部13は、前記画像取得部12が出力した媒体21の画像を受信しすると、該画像からセキュリティスレッド22を含む領域を切り出し、該領域における画像の特徴値を算出する。なお、前記領域は、媒体21が傾いている場合であっても、セキュリティスレッド22が含まれるように設定される。また、前記特徴値は、前記画像に含まれるすべての画素の輝度を平均した平均値、前記画素の輝度の分散値、及び、前記画素を所定の閾値に基づいて二値化した場合の黒画素の数、すなわち、前記領域における黒点数である。そして、前記画像処理部13は、算出された特徴値に基づいて、セキュリティスレッド22の有無を判別する。具体的には、前記平均値、分散値及び黒点数のいずれもが、あらかじめ設定された所定の値の範囲内にあればセキュリティスレッド22が有ると判断し、前記平均値、分散値又は黒点数のいずれかが、前記所定の値の範囲外であればセキュリティスレッド22が無いと判断するようになっている。
次に、前記構成のセキュリティスレッド判別装置10の動作について説明する。
図5は本発明の実施の形態における媒体の画像における切り出し領域の位置を示す第1の図、図6は本発明の実施の形態における媒体の画像における切り出し領域の位置を示す第2の図、図7は本発明の実施の形態における切り出し領域におけるセキュリティスレッドの位置を示す図、図8は本発明の実施の形態における特徴値の分布を示す図、図9は本発明の実施の形態におけるセキュリティスレッド判別装置の動作を示すフローチャートである。
まず、媒体21が自動取引装置、自動販売機、両替機、ゲーム機等の装置における媒体21の挿入口から搬送経路に挿入されると、図示されない搬送装置に搬送されてセキュリティスレッド判別装置10に導入される。すると、媒体ハンドリング部11が前記媒体21を搬送して、画像取得部12の発光部12aと受光部12cとの間を通過させる。すると、前記発光部12aからの光が媒体21に照射され、該媒体21を透過した光が前記受光部12cによって受光される。前記媒体21の透過光が受光部12cの撮像手段に結像し、該撮像手段は、結像された媒体21の透過イメージを光電変換し、透過画像信号を出力する。なお、該透過画像信号は、デジタルイメージデータとして出力される。これにより、前記媒体21の画像が画像取得部12によって取得される。なお、前記デジタルイメージデータは、画像を構成する各画素が、例えば、256階調の輝度を有するデータである。また、前記画像取得部12は、スキュー補正処理や、位置を補正するための処理を行うことなく、取得した媒体21の画像をそのまま出力する。
続いて、前記画像処理部13は、前記画像取得部12が出力した媒体21の画像を受信しすると、図5に示されるように、前記画像からセキュリティスレッド22を含む領域としての切り出し領域25を切り出す。この場合、前記画像処理部13は、まず、切り出し基準点26の位置を設定し、該切り出し基準点26に基づいて、前記切り出し領域25の位置を設定する。なお、前記切り出し基準点26は、例えば、媒体21の画像の重心位置に設定されるが、いかなる位置に設定されてもよい。ここでは、説明の都合上、前記切り出し基準点26を媒体21の画像の重心位置に設定する場合について説明する。この場合、前記画像処理部13は、前記媒体21の対向する頂点を結ぶ対角線26aを二本設定する。そして、二本の対角線26aの交点が媒体21の画像の重心位置であるので、前記交点を前記切り出し基準点26とする。
また、前記切り出し領域25は、いかなる形状の領域であってもよいが、ここでは、前記画像取得部12が取得した画像取得領域14に対して平行な所定のサイズの長方形の領域であるとする。そして、前記画像処理部13は、前記切り出し領域25の位置を前記切り出し基準点26に基づいて設定する。この場合、前記切り出し領域25における基準点は、例えば、切り出し領域25の画像の重心位置に設定されるが、いかなる位置に設定されてもよい。ここでは、説明の都合上、前記基準点を切り出し領域25の重心位置に設定する場合について説明する。この場合、前記画像処理部13は、長方形の領域である前記切り出し領域25の対向する頂点を結ぶ対角線25aを二本設定する。そして、二本の対角線25aの交点が切り出し領域25の重心位置であるので、前記交点を前記切り出し領域25における基準点とする。
そして、該基準点が前記切り出し基準点26から所定の方向において所定の距離となるように、前記画像処理部13は、前記切り出し領域25の位置を設定する。なお、図6に示されるように、画像取得部12が出力した媒体21の画像が傾いている場合、前記画像処理部13は、前記媒体21の画像の傾きに応じて、前記切り出し領域25の位置を設定する。
ここで、前記切り出し領域25のサイズは、前記媒体21の画像が傾いている場合であっても、また、セキュリティスレッド22の位置が本来の位置からずれている場合であっても、セキュリティスレッド22が含まれるように設定される。前記媒体21の画像が傾いておらず、かつ、前記セキュリティスレッド22の位置が本来の位置に有る場合、前記切り出し領域25におけるセキュリティスレッド22の位置は、図7(a)に示されるようになる。すなわち、前記セキュリティスレッド22は、切り出し領域25の重心位置である二本の対角線25aの交点の上を通り、かつ、長方形である切り出し領域25の長辺と平行に延在する。
また、前記媒体21の画像が傾いており、かつ、前記セキュリティスレッド22の位置が本来の位置からずれている場合、前記切り出し領域25におけるセキュリティスレッド22の位置は、図7(b)又は(c)に示されるようになる。すなわち、前記セキュリティスレッド22は、切り出し領域25の重心位置である二本の対角線25aの交点の上を通らず、かつ、長方形である切り出し領域25の長辺と平行とならない。
前述されたように、前記画像取得部12がスキュー補正処理や、位置を補正するための処理を行うことなく、取得した媒体21の画像をそのまま出力するので、媒体21の画像は傾いている場合がある。また、セキュリティスレッド22の位置は、ばらつきがあることが多く、本来の位置からずれている場合がある。なお、前記セキュリティスレッド22の位置は、意図的に本来の位置からずらされていることもある。前記媒体21において、セキュリティスレッド22が埋め込まれている部分は、他の部分と比較して、厚さが厚くなってしまう。そのため、すべての媒体21においてセキュリティスレッド22の位置が同一であると、媒体21を積み重ねて束を形成する場合に、セキュリティスレッド22が埋め込まれている部分だけが厚くなってしまい、均一な厚さの束を形成することができなくなってしまう。そこで、媒体21を積み重ねて均一な厚さの束を形成することができるように、セキュリティスレッド22の位置をそれぞれの媒体21毎に少しずつずらして埋め込む場合がある。
このように、媒体21の画像は傾いていたり、セキュリティスレッド22の位置が本来の位置からずれていても、前記セキュリティスレッド22の存在を正確に検出することができるようにする必要がある。そのためには、図7(a)〜(c)に示されるように、媒体21の画像の傾きや、セキュリティスレッド22の位置に関わらず、切り出し領域25には、媒体21の背景や模様23又は模様24が含まれず、かつ、セキュリティスレッド22が含まれるようにする必要がある。そこで、前記切り出し領域25の長手方向(図5〜7における上下方向)の寸法は、媒体21の幅方向(図5〜7における上下方向)の寸法よりも短く設定され、前記媒体21が傾いていても該媒体21の背景が切り出し領域25に含まれないようになっている。また、該切り出し領域25の幅方向(図5〜7における左右方向)の寸法は、前記媒体21の傾き、セキュリティスレッド22の位置のばらつき、模様23又は模様24の位置等を考慮して、模様23又は模様24が含まれず、かつ、セキュリティスレッド22が含まれるように設定される。
続いて、前記画像処理部13は、切り出し領域25における画像の特徴値としての平均値、分散値、及び、黒点数を算出する。ここで、前記平均値は切り出し領域25における画像に含まれるすべての画素の輝度を平均した値であり、次の式(1)で表され、また、前記分散値は、前記画素の輝度の分散を示す値であり、次の式(2)で表される。
また、前記黒点数は、切り出し領域25における画像に含まれるすべての画素を所定の閾値に基づいて二値化した場合の黒画素の数である黒点数である。この場合、前記閾値は、セキュリティスレッド22に対応する画素が黒画素となり、その他の部分に対応する画素が白画素となるように統計的に算出された値である。なお、黒点数はBとする。
ここで、前記切り出し領域25にセキュリティスレッド22が含まれている場合、前記特徴値としての平均値、分散値及び黒点数は、いずれも図8に示されるような頻度の分布を有する。図8において27は、特徴値の頻度分布を示す曲線であり、上限閾値と下限閾値との間の範囲内にあることが分かる。そこで、前記画像処理部13は、平均値、分散値及び黒点数が、それぞれ、上限閾値と下限閾値との間の範囲内にあるか否かを判断する。
まず、前記画像処理部13は、平均値が上限閾値と下限閾値との間の範囲内にあるか否かを判断する。この場合、次の式(3)が成立すれば、平均値が上限閾値と下限閾値との間の範囲内にあると判断し、成立しなければ、平均値が上限閾値と下限閾値との間の範囲内にないと判断する。
また、平均値が上限閾値と下限閾値との間の範囲内にある場合、前記画像処理部13は、分散値が上限閾値と下限閾値との間の範囲にあるか否かを判断する。この場合、次の式(4)が成立すれば、分散値が上限閾値と下限閾値との間の範囲内にあると判断し、成立しなければ、分散値が上限閾値と下限閾値との間の範囲内にないと判断する。
また、分散値が上限閾値と下限閾値との間の範囲内にある場合、前記画像処理部13は、黒点数が上限閾値と下限閾値との間の範囲内にあるか否かを判断する。この場合、次の式(5)が成立すれば、黒点数が上限閾値と下限閾値との間の範囲内にあると判断し、成立しなければ、黒点数が上限閾値と下限閾値との間の範囲内にないと判断する。
そして、黒点数が上限閾値と下限閾値との間の範囲内にない場合には、前記画像処理部13は、切り出し領域25にセキュリティスレッド22が含まれていない、すなわち、スレッド無しと判断して処理を終了する。また、黒点数が上限閾値と下限閾値との間の範囲内にある場合、前記画像処理部13は、切り出し領域25にセキュリティスレッド22が含まれている、すなわち、スレッド有りと判断して処理を終了する。
すなわち、前記画像処理部13は、平均値、分散値及び黒点数のいずれもが、それぞれの上限閾値と下限閾値との間の範囲内にあればセキュリティスレッド22が有ると判断し、前記平均値、分散値又は黒点数のいずれかが、前記範囲外であればセキュリティスレッド22が無いと判断するようになっている。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 切り出し領域25を切り出す。
ステップS2 特徴値を算出する。
ステップS3 平均値が上限閾値と下限閾値との間の範囲にあるか否かを判断する。平均値が上限閾値と下限閾値との間の範囲にある場合はステップS4に進み、平均値が上限閾値と下限閾値との間の範囲にない場合はステップS7に進む。
ステップS4 分散値が上限閾値と下限閾値との間の範囲にあるか否かを判断する。分散値が上限閾値と下限閾値との間の範囲にある場合はステップS5に進み、分散値が上限閾値と下限閾値との間の範囲にない場合はステップS7に進む。
ステップS5 黒点数が上限閾値と下限閾値との間の範囲にあるか否かを判断する。黒点数が上限閾値と下限閾値との間の範囲にある場合はステップS6に進み、分散値が上限閾値と下限閾値との間の範囲にない場合はステップS7に進む。
ステップS6 スレッド有り判断として処理を終了する。
ステップS7 スレッド無し判断として処理を終了する。
ステップS1 切り出し領域25を切り出す。
ステップS2 特徴値を算出する。
ステップS3 平均値が上限閾値と下限閾値との間の範囲にあるか否かを判断する。平均値が上限閾値と下限閾値との間の範囲にある場合はステップS4に進み、平均値が上限閾値と下限閾値との間の範囲にない場合はステップS7に進む。
ステップS4 分散値が上限閾値と下限閾値との間の範囲にあるか否かを判断する。分散値が上限閾値と下限閾値との間の範囲にある場合はステップS5に進み、分散値が上限閾値と下限閾値との間の範囲にない場合はステップS7に進む。
ステップS5 黒点数が上限閾値と下限閾値との間の範囲にあるか否かを判断する。黒点数が上限閾値と下限閾値との間の範囲にある場合はステップS6に進み、分散値が上限閾値と下限閾値との間の範囲にない場合はステップS7に進む。
ステップS6 スレッド有り判断として処理を終了する。
ステップS7 スレッド無し判断として処理を終了する。
このように、本実施の形態のセキュリティスレッド判別装置10においては、画像処理部13が媒体21の画像から切り出し領域25を切り出し、該切り出し領域25における画像の特徴値を算出し、該特徴値が所定の値の範囲内にあるか否かに基づいて、セキュリティスレッド22の有無を判別するようになっている。より具体的には、特徴値としての平均値、分散値、及び、黒点数のいずれもが、それぞれの上限閾値と下限閾値との間の範囲内にあれば媒体21にセキュリティスレッド22が有ると判断し、前記平均値、分散値又は黒点数のいずれかが、前記範囲外であればセキュリティスレッド22が媒体21に無いと判断する。なお、前記切り出し領域25は、媒体21の画像の傾きや、セキュリティスレッド22の位置に関わらず、セキュリティスレッド22が含まれるように設定されている。
そのため、画像取得部12が前記媒体21の画像の傾きを補正しなくても、前記画像処理部13がセキュリティスレッド22の有無を判別することができ、前記画像取得部12が前記媒体21の画像の傾きを補正するための処理を行うための時間が不要となる。したがって、セキュリティスレッド判別装置10は、簡単に短時間でキュリティスレッド22の有無を判別することができ、多数の媒体21を短時間で処理することができる。
また、セキュリティスレッド22の位置にばらつきがあっても、前記画像処理部13がセキュリティスレッド22を検出することができるので、セキュリティスレッド判別装置10は、高い精度でセキュリティスレッド22の有無を判別することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
10 セキュリティスレッド判別装置
12 画像取得部
13 画像処理部
21 媒体
22 セキュリティスレッド
25 切り出し領域
12 画像取得部
13 画像処理部
21 媒体
22 セキュリティスレッド
25 切り出し領域
Claims (5)
- (a)媒体の画像を取得する画像取得部と、
(b)前記媒体の画像からセキュリティスレッドを含む領域を切り出し、該領域における画像の特徴値を算出し、該特徴値が所定の値の範囲内にあるか否かに基づいて、前記セキュリティスレッドの有無を判別する画像処理部とを有することを特徴とするセキュリティスレッド判別装置。 - 前記特徴値は、前記領域に含まれる画素の輝度の平均値及び分散値並びに前記領域における黒点数である請求項1に記載のセキュリティスレッド判別装置。
- 前記画像処理部は、前記平均値、分散値及び黒点数のいずれもが、それぞれの上限閾値と下限閾値との間の範囲内にあれば前記セキュリティスレッドが有ると判断し、前記平均値、分散値又は黒点数のいずれかが、前記範囲外であれば前記セキュリティスレッドが無いと判断する請求項2に記載のセキュリティスレッド判別装置。
- 前記領域は、前記媒体の画像の傾き、又は、前記セキュリティスレッドの位置に関わらず、前記セキュリティスレッドが含まれるように設定される請求項1〜3のいずれか1項に記載のセキュリティスレッド判別装置。
- 前記画像取得部は、前記媒体の画像の傾きを補正する処理を行わない請求項1〜4のいずれか1項に記載のセキュリティスレッド判別装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004052928A JP2005242755A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | セキュリティスレッド判別装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009129390A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-11 | Oki Electric Ind Co Ltd | 媒体鑑別装置 |
CN113269921A (zh) * | 2021-01-29 | 2021-08-17 | 深圳怡化电脑股份有限公司 | 一种介质鉴定方法、装置、电子设备和存储介质 |
-
2004
- 2004-02-27 JP JP2004052928A patent/JP2005242755A/ja active Pending
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