JP2005241531A - 硝酸塩を含む廃棄物処理装置および方法 - Google Patents

硝酸塩を含む廃棄物処理装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硝酸塩を含む廃棄物中の窒素分を窒素酸化物を排出せずに処理し、廃棄物処理後の窒素ガスの発生を防止して設備の安全性を向上する硝酸塩を含む廃棄物処理装置および廃棄物処理方法を提供する。
【解決手段】硝酸塩を含む廃棄物5と還元剤6とを反応させる反応容器1と、この反応容器1に硝酸塩を含む廃棄物5を供給する廃棄物供給器2と、反応容器1に還元剤6を供給する還元剤供給器3と、廃棄物供給器2および還元剤供給器3と反応容器1とを接続して反応容器1に硝酸塩を含む廃棄物5および還元剤6を供給する供給ライン7と、反応容器1から処理済流体9を排出する処理済流体排出ライン10とを備え、反応容器1内に供給された硝酸塩を含む廃棄物5と還元剤6とを水が超臨界流体となる条件で反応させて、還元剤6により硝酸塩中の窒素分を窒素ガスに還元することを特徴とする硝酸塩を含む廃棄物処理装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、廃棄物の処理装置および処理方法に係り、特に、硝酸塩を含む廃棄物処理装置および廃棄物処理方法に関する。
原子力発電所から発生する使用済燃料の再処理工場においては、主要な廃棄物として放射性元素を含む硝酸ナトリウムが生成する。硝酸ナトリウムをセメントなどで固化して固化体とし、地下に埋設すると、地下処分場が還元雰囲気となっているために硝酸イオンが還元されて窒素ガスとなり、その結果、固化体の健全性が保証できない恐れがある。そこで硝酸塩をあらかじめ処理して固化体中から取り除く必要がある。
硝酸塩を含む廃棄物の一般的な処理方法としては、焼却して処理する方法がある。しかしながら、硝酸塩を含む廃棄物を焼却した場合、環境に有害な窒素酸化物を大気中に排出することとなるので、脱硝設備を設ける必要がなる。そのため、硝酸塩を含む廃棄物の窒素酸化物を生成しない処理装置および方法が求められていた。
窒素酸化物を生成せずに硝酸塩を含む廃棄物を処理する方法としては、超臨界水酸化反応を応用した処理方法がある。この超臨界水酸化反応を応用した処理方法は、水の臨界点(温度374.2℃、圧力22MPa)以上の温度、圧力状態にある高温、高圧水処理領域で無機塩含有有機性汚泥を酸化させて処理する技術である(例えば、特許文献1参照)。この処理方法によれば、廃棄物に含まれる窒素分であるアンモニアは、超臨界水中で酸化されて窒素ガスとして回収されるが、硝酸イオンは変化せずにそのまま液体中に存在する。廃棄物中に含まれる窒素分のうち、液体中に回収されたものについては、後処理により液体中から分離する必要がある。
また、超臨界水酸化反応以外の処理方法もある。この処理方法の従来技術としては、硝酸塩を金属と接触させて、亜硝酸塩を生成させて、さらに生成した亜硝酸塩にアミドを接触させて窒素ガスとして回収する技術がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2002-273494号公報 特表2001-522298号公報
しかしながら、硝酸塩を含む廃棄物を、上記のような従来の処理方法で処理すると、窒素酸化物など地球環境に有害な物質が多く発生するという問題や、処理後の分解液中にアンモニウムイオンや硝酸イオンなどの窒素分が残留するため、分解液から固化体を作ったときに窒素ガスが発生する恐れがあり、固化体の健全性が保証できないという問題があった。
例えば、上述した超臨界水酸化反応により処理する方法を硝酸ナトリウムを主成分とする硝酸塩廃棄物へ適用すると、超臨界水中で硝酸ナトリウムがナトリウムイオンと硝酸イオンに分離し、硝酸イオンから窒素酸化物と酸素が生成されるが、温度を下げると窒素酸化物が水の中に移行して硝酸イオンを生成するので、分解前後での硝酸イオン濃度は、ほとんど変化しないことになる。そのため、この処理方法は、硝酸ナトリウムの脱硝方法としては使用できないことが知られている。
また、特許文献2に示すような処理方法の場合、廃棄物中に有機物が存在すると、これら有機物が処理後も残存し、放射性元素が固化体中から移行しやすくなるという問題や、アミドから生成するアンモニアが放射性元素と錯体を生成するという問題があるため、硝酸ナトリウムの脱硝方法として適用できなかった。
従って、硝酸塩を含む廃棄物の処理装置および方法として、硝酸ナトリウムを含む廃棄物の処理に適用可能であり、窒素酸化物など地球環境に有害な物質を発生させずに窒素分を確実に処理する方法および装置が望まれていた。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、硝酸塩を含む廃棄物中の窒素分を窒素酸化物を排出せずに処理し、廃棄物処理後の窒素ガスの発生を防止して設備の安全性を向上させる硝酸塩を含む廃棄物処理装置および廃棄物処理方法を提供することを目的とする。
本発明の硝酸塩を含む廃棄物処理装置は、上述した課題を解決するために、硝酸塩を含む廃棄物と還元剤とを反応させる反応容器と、この反応容器に硝酸塩を含む廃棄物を供給する廃棄物供給器と、前記反応容器に還元剤を供給する還元剤供給器と、前記廃棄物供給器および前記還元剤供給器と前記反応容器とを接続して前記反応容器に硝酸塩を含む廃棄物および還元剤を供給する供給ラインと、前記反応容器から処理済流体を排出する処理済流体排出ラインとを備え、前記反応容器内に供給された前記還元剤と前記硝酸塩を含む廃棄物とを水が超臨界流体となる条件で反応させて、前記還元剤により前記硝酸塩中の窒素分を窒素ガスに還元することを特徴とするものである。
また、本発明の硝酸塩を含む廃棄物処理装置は、上述した課題を解決するために、硝酸塩を含む廃棄物と還元剤とを反応させる反応容器と、この反応容器に還元剤を供給する還元剤供給器と、前記反応容器に接続されて前記反応容器に還元剤を供給する供給ラインと、前記反応容器から処理済流体を排出する処理済流体排出ラインとを備え、前記反応容器内に供給された前記還元剤と前記反応容器に封入された硝酸塩を含む廃棄物とを水が超臨界流体となる条件で反応させて、前記還元剤により前記硝酸塩中の窒素分を窒素ガスに還元することを特徴とするものである。
さらに、本発明の硝酸塩を含む廃棄物処理装置は、上述した課題を解決するために、硝酸塩を含む廃棄物および還元剤を封入した反応容器を水が超臨界流体となる条件に設定し、前記反応容器内にて前記還元剤により前記硝酸塩中の窒素分を窒素ガスに還元することを特徴とするものである。
また、本発明の硝酸塩を含む廃棄物処理方法は、上述した課題を解決するために、硝酸塩を含む廃棄物および還元剤を、それぞれ廃棄物供給器および還元剤供給器により供給ラインを介して反応容器に供給し、前記反応容器内にて水が超臨界流体となる条件で前記還元剤により前記硝酸塩中の窒素分を窒素ガスに還元させ、前記反応容器に接続された排出ラインにより処理済流体を排出することを特徴とする方法である。
本発明の硝酸塩を含む廃棄物処理装置および廃棄物処理方法によれば、廃棄物に含まれる窒素分を窒素ガスに還元するため、処理後の廃棄物から作製した固化体を処分場に埋設した際に窒素ガスを発生する恐れがないので、固化体の健全性が向上し、設備の安全性が向上する。
本発明の硝酸塩を含む廃棄物処理装置および方法の具体的な実施例について、図を参照して以下に詳細に説明する。
図1に実施例1の硝酸塩を含む廃棄物処理装置の構成図を示す。
この硝酸塩を含む廃棄物の処理装置は、処理装置の本体である反応容器1と、硝酸塩を含む廃棄物を反応容器1に供給する廃棄物供給器2と、還元剤を反応容器1に供給する還元剤供給器3とから構成される。
硝酸塩を含む廃棄物5および還元剤6は、廃棄物供給器2および還元剤供給器3によりそれぞれ供給ライン7に連続的に供給され、供給ライン7に設けられた予熱器8により昇温された後、反応容器1に連続的に供給される。硝酸塩を含む廃棄物5中の硝酸塩は、反応容器1内にて水が超臨界流体となる条件で還元剤6により還元され、硝酸塩中の窒素分の大部分が窒素ガスに変換される。窒素ガスを含む処理済流体9は、処理済流体排出ライン10により反応容器1出口から連続的に排出され、処理済流体排出ライン10に設けられた冷却器11により常温まで降温される。降温された処理済流体9は、減圧弁13により常圧まで減圧される。供給ライン7および予熱器8は硝酸塩と還元剤供給用にそれぞれ1台ずつ設置しても良い。
この実施例の硝酸塩を含む廃棄物の処理装置によれば、反応容器1を水が超臨界流体となる条件で運転することにより、硝酸ナトリウムを主成分とする硝酸塩を効果的に窒素ガスに還元することが可能である。
一方、図2に示す実施例2のように、図1における廃棄物供給器2を取り除き、反応容器1に予め硝酸塩を含む廃棄物5を封入した状態とし、還元剤6を連続的に供給して還元処理することも可能である。さらに、図3に示す実施例3のように、反応容器1に予め硝酸塩を含む廃棄物5、還元剤6を封入し、熱源としての流動砂16に浸漬させて還元処理してもよい。流動砂16は、反応容器1を温めるヒータとして機能する。すなわち、本発明の硝酸塩を含む廃棄物の処理装置は、図1に示す連続式以外にも、図2に示すセミバッチ方式や、図3に示すバッチ方式としても硝酸塩の還元処理が可能である。
図4に、実施例4の廃棄物処理装置の構成図を示す。
図4は、反応容器で処理した流体を気液分離する工程を加えた廃棄物処理装置であり、図1に示す実施例1の廃棄物処理装置に加えて、気液分離器18と、気液分離器18から処理済流体9中の分解ガス19を連続的に排出させる分解ガス排出ライン20と、気液分離器18から処理済流体9中の分解液22を連続的に排出させる分解液排出ライン23とを備えた装置である。
この廃棄物処理装置において、減圧弁13により減圧された処理済流体9を気液分離器18に送入し、分解ガス排出ライン20を通して分解ガス19を回収し、分解液排出ライン23を通して分解液22のみを回収する。
本実施例の硝酸塩を含む廃棄物処理装置は、例えば、廃棄物に放射線核種が含まれる場合に適用される。すなわち分解液22に含まれる放射線核種を、イオン交換法、沈殿法、抽出法等の分離手法により処理し、放射性核種を分離する。
本発明者らは、硝酸塩と還元剤とをバッチ方式の処理装置に封入して還元反応させ、気液分離器により分解液および分離ガスとして窒素を回収する実験を行った。
硝酸塩として、硝酸ナトリウムに水を加えて濃度を調整した硝酸ナトリウム水溶液を調製し、この硝酸ナトリウム水溶液と、還元剤としての蟻酸をSUS(ステンレス鋼)製の反応容器(容量5.6ml)に密封して反応容器を流動砂中に浸漬させた。このときの反応温度は、流動砂を温度制御することにより400℃一定とした。反応容器を30分間流動砂に浸漬させた後、水中に入れて急冷し、還元反応を停止させた。反応圧力は、硝酸塩に添加する水の量により制御し、30MPa一定とした。なお、水の臨界点は374℃、22MPaであり、上記温度圧力条件下において水は超臨界流体となっている。また、比較のため還元剤である蟻酸を添加しない場合についても試験を行った。
表1に上記操作による窒素ガスおよび窒素化合物の存在比を調査した結果を示す。ここで各成分の割合は、廃棄物に含まれる窒素原子の全体量を1として、各窒素化合物または窒素ガスとして分解液および分解ガスとして回収された窒素原子の相対量を示したものである。
Figure 2005241531
表1に示す実験結果に明らかなように、還元剤である蟻酸を無添加とした試料1の場合、分解液および分解ガスに含まれる窒素ガスとして回収される窒素の割合が0.01であり、ほとんど窒素ガスが発生しないことが判明した。すなわち、硝酸塩に含まれる窒素の大部分は、分解液中に硝酸イオンとして存在していた。
一方、還元剤である蟻酸を添加した試料2の場合、分解液および分解ガスに窒素ガスとして回収される窒素が0.95であり、廃棄物に含まれる窒素の大部分が窒素ガスに還元された。この現象は、以下のよう考察される。
硝酸ナトリウムは、水溶液中において(1)式に示されるように電離する。
[化1]
NaNO3 → Na+ + NO3 (1)
すなわち、硝酸ナトリウムは、硝酸イオンとナトリウムイオンとに解離する。この硝酸イオンは、高温の温度条件において窒素酸化物と酸素とを発生するが、冷却すると、(2),(3)式に示す反応により窒素酸化物から硝酸イオンが再び生成する。そのため、分解の前後での硝酸イオン濃度は、ほとんど変化しない。
[化2]
2NO + O2 → 2NO2 (2)
3NO2 + H2O → 2NO3 + 2H+ + NO (3)
一方、蟻酸は、高温条件で (4)式に示されるように反応する。
[化3]
HCOOH → CO2 + H2 (4)
(1)式の反応で生成した硝酸イオンから発生する窒素酸化物と(4)式の反応で発生した水素とが、さらに(5)式に示されるように反応する。
Figure 2005241531
この(5)式の反応は、高圧条件において物質量が減少する方向に平衡が移動するため、平衡が右側すなわち窒素ガスが発生する方向に移動する。
以上説明のとおり、硝酸塩を超臨界水中で還元剤と反応させることにより、硝酸ナトリウム等の硝酸塩を効果的に脱硝することが可能である。従って、硝酸塩を含む廃棄物を固化体として処理する際の窒素ガスの発生が防止されるので設備の安全性が向上する。
また、処理対象となる硝酸塩を含む廃棄物としては、例えば、ニトロ化合物、リン酸、リン酸エステル(リン酸トリブチル(TBP)、電気作動油(EHC油))、油分等の有機化合物を処理することが可能である。
また、還元剤として請求項5に示すようにブタノール等のアルコール、アンモニア、グルコース等の還元性を有する糖質、蟻酸またはシュウ酸等が使用できる。
例えば、シュウ酸は、高温条件において(6)式に示されるように分解反応する。
[化5]
(COOH)2 → 2CO2 + H2 (6)
この(6)式のように、蟻酸と同様に水素が発生するので、(5)式に示される反応により還元効果が得られる。
本発明の硝酸塩を含む廃棄物処理装置により廃棄物を処理した後に生成するナトリウム塩やカルシウム塩や酸化鉄等の塩類をホウケイ酸ガラスに加えると,ホウケイ酸ガラスの網目構造の中にナトリウム塩が捕捉され、一体化した均質で安定な物質となる。また、廃棄物に放射性物質が含まれる場合でも、イオン半径が異なる多種類の放射性物質がホウケイ酸ガラスに吸着されて均質で安定な物質となる。
この場合、放射性物質は、ホウケイ酸ガラスと混合するのでなく、色ガラスと同様にガラス成分の構成要素の一つとなるので、割れても放射性物質とガラスとは一体である。さらにホウケイ酸ガラスは、容積の小さい固化体にすることができるので、取り扱いが容易であるという利点がある。本実施例の硝酸塩を含む廃棄物処理装置は、放射性物質をホウケイ酸ガラスに吸着させて一体化することにより、放射性物質の取り扱いおよび廃棄を容易にする。
次に、硝酸塩(硝酸セリウム)と還元剤とをバッチ方式の処理装置に封入して還元反応させ、気液分離器により分解液および分離ガスとして窒素を回収する実験を行った。
硝酸塩として、硝酸セリウムに水を加えて濃度を調整した硝酸セリウム水溶液を調製し、この硝酸セリウム水溶液をSUS製の反応容器(容量5.6ml)に充填して密封し、反応容器を流動砂中に浸漬させた。このときの反応温度は、流動砂を温度制御することにより400℃一定とした。反応容器を30分浸漬させた後、水中に入れて急冷し、還元反応を停止させた。反応圧力は、硝酸塩に添加する水の量により制御し、30MPa一定とした。なお、水の臨界点は374℃、22MPaであり、上記温度圧力条件下において水は超臨界流体となっている。なお、還元剤は添加せず、同一条件で2度実験した。
表2に上記操作による窒素ガスおよび窒素化合物の存在比を示す。
Figure 2005241531
表2に示す試験結果から明らかなように、硝酸塩として硝酸セリウムを処理する場合は、硝酸ナトリウムの場合と異なり、試料3において窒素ガスが0.49、試料4において窒素ガスが0.56と、還元剤を添加しなくても窒素量の50%前後が窒素ガスに還元された。この現象は、以下のように考察される。
硝酸セリウムの場合は、(7)式による反応により水酸化セリウム(III)を生成する。
[化6]
Ce(NO3)3 + 3H2O → Ce(OH)3 + 3NO3 + 3H+ (7)
ここで生成した水酸化セリウム(III)は、さらに安定な酸化セリウム(IV)に酸化される。この時、セリウムが酸化されることにより、硝酸イオンを窒素ガスに還元する。
このように、還元剤として機能する硝酸塩を処理する場合には、還元剤を添加しなくても、窒素量のいくらかを窒素ガスに還元するため、硝酸塩が硝酸ナトリウムを主成分とする場合に比べて、少ない還元剤の添加で硝酸塩の処理が可能である。
また、酸性の還元剤を加えると反応容器内のpHが小さくなるため、耐食性の高い高価な材料によって反応容器を製作する必要がある。そこで、本発明の硝酸塩を含む廃棄物処理装置においては、硝酸塩を含む廃棄物に水酸化ナトリウムを添加することによって反応容器内のpHの低下を抑制する。このようにしてpHを調整することにより、安価な材料で反応容器を製作することができる。
また、図4に示す実施例4の硝酸塩を含む廃棄物処理装置おいて、硝酸塩を含む廃棄物を処理した後の分解液を濃縮した後に固化すれば、廃棄物量を低減することが可能である。さらに、硝酸ナトリウム水溶液を乾燥させて紛体化することによっても、廃棄物量を低減させることが可能である。
一方、廃棄物中に有機物が含まれる場合、低分子化された有機物が分解液22中に含まれている。そこで、分解液22をオゾンや過酸化水素等の酸化剤で酸化させるか、紫外線を照射することにより、分解液中の有機物を完全に分解させる。
例えば、過酸化水素は、200℃以上において次のように反応する。
[化7]
H2O2 →H2O +(1/2)O2 (8)
(8)式で発生した酸素と分解液中の有機物が反応して二酸化炭素が生成する。このようにして分解液22中の有機物がさらに分解される。有機物を酸化した後の分解液から固化体を作製し、この固化体を処分場に埋設する。
以上説明のように、本発明の硝酸塩を含む廃棄物処理装置および方法によれば、廃棄物に含まれる窒素分を窒素ガスに変換させるため、処理後の廃棄物から作製した固化体を処分場に埋設した際に窒素ガスが発生する恐れがないので、固化体の健全性が向上し、設備の安全性が向上する。
また、硝酸塩を含む廃棄物に含まれる有機物が低分子化されて分解液中に回収されるが、分解液に含まれる残存有機物は、過酸化水素などの酸化剤により酸化され、有機物を含まない無機物の固化体が作製される。従って、放射性核種の移行や、固化体中の有機物の反応等の安全上懸念されている問題が回避される。
本発明に係る硝酸塩を含む廃棄物処理の実施形態の構成図。 セミバッチ方式で廃棄物処理を行う構成図。 バッチ方式で廃棄物処理を行う構成図。 反応容器で処理された流体を気液分離する工程を加えた構成図。
符号の説明
1 反応容器
2 廃棄物供給器
3 還元剤供給器
5 硝酸塩を含む廃棄物
6 還元剤
7 供給ライン
8 予熱器
9 処理済流体
10 処理済流体排出ライン
11 冷却器
13 減圧弁
16 流動砂
18 気液分離器
19 分解ガス
20 分解ガス排出ライン
22 分解液
23 分解液排出ライン

Claims (12)

  1. 硝酸塩を含む廃棄物と還元剤とを反応させる反応容器と、この反応容器に硝酸塩を含む廃棄物を供給する廃棄物供給器と、前記反応容器に還元剤を供給する還元剤供給器と、前記廃棄物供給器および前記還元剤供給器と前記反応容器とを接続して前記反応容器に硝酸塩を含む廃棄物および還元剤を供給する供給ラインと、前記反応容器から処理済流体を排出する処理済流体排出ラインとを備え、前記反応容器内に供給された前記還元剤と前記硝酸塩を含む廃棄物とを水が超臨界流体となる条件で反応させて、前記還元剤により前記硝酸塩中の窒素分を窒素ガスに還元することを特徴とする硝酸塩を含む廃棄物処理装置。
  2. 硝酸塩を含む廃棄物と還元剤とを反応させる反応容器と、この反応容器に還元剤を供給する還元剤供給器と、前記反応容器に接続されて前記反応容器に還元剤を供給する供給ラインと、前記反応容器から処理済流体を排出する処理済流体排出ラインとを備え、前記反応容器内に供給された前記還元剤と前記反応容器に封入された硝酸塩を含む廃棄物とを水が超臨界流体となる条件で反応させて、前記還元剤により前記硝酸塩中の窒素分を窒素ガスに還元することを特徴とする硝酸塩を含む廃棄物処理装置。
  3. 硝酸塩を含む廃棄物および還元剤を封入した反応容器を水が超臨界流体となる条件に設定し、前記反応容器内にて前記還元剤により前記硝酸塩中の窒素分を窒素ガスに還元することを特徴とする硝酸塩を含む廃棄物処理装置。
  4. 前記硝酸塩を含む廃棄物は、ニトロ化合物、リン酸、リン酸エステルおよび油脂から選択される物質であることを特徴とする請求項1〜請求項3記載の硝酸塩を含む廃棄物処理装置。
  5. 前記還元剤は、アルコール、アンモニア、糖質、蟻酸およびシュウ酸から選択される物質であることを特徴とする請求項1〜請求項3記載の硝酸塩を含む廃棄物処理装置。
  6. 前記硝酸塩を含む廃棄物を処理した後に生成するナトリウム塩,カルシウム塩および酸化鉄のうち少なくとも一種をホウケイ酸ガラスに吸着させてガラス固化体とすることを特徴とする請求項1〜請求項3記載の硝酸塩を含む廃棄物処理装置。
  7. 前記硝酸塩が、還元剤としての機能を有することを特徴とする請求項1〜請求項3記載の硝酸塩を含む廃棄物処理装置。
  8. 前記硝酸塩を含む廃棄物に、水酸化ナトリウムを添加することを特徴とする請求項1〜請求項3記載の硝酸塩を含む廃棄物処理装置。
  9. 前記硝酸塩を含む廃棄物を処理した処理済流体を気液分離する気液分離器を備え、この気液分離器にて分離した分解液に含まれる放射性核種を、イオン交換法、沈殿法および抽出法から選択される方法により分離することを特徴とする請求項1〜請求項3記載の硝酸塩を含む廃棄物処理装置。
  10. 前記硝酸塩を含む廃棄物を処理した処理済流体を気液分離する気液分離器を備え、この気液分離器にて分離した分解液を濃縮することを特徴とする請求項1〜請求項3記載の硝酸塩を含む廃棄物処理装置。
  11. 前記硝酸塩を含む廃棄物を処理した処理済流体を気液分離する気液分離器を備え、分解液中の有機成分を、オゾンおよび過酸化水素から選択される物質または紫外線により分解することを特徴とする硝酸塩を含む請求項1〜請求項3記載の廃棄物処理装置。
  12. 硝酸塩を含む廃棄物および還元剤を、それぞれ廃棄物供給器および還元剤供給器により供給ラインを介して反応容器に供給し、前記反応容器内にて水が超臨界流体となる条件で前記還元剤により前記硝酸塩中の窒素分を窒素ガスに還元させ、前記反応容器に接続された排出ラインにより処理済流体を排出することを特徴とする硝酸塩を含む廃棄物処理方法。
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