JP2005241480A - 微粉炭の粒度分布測定装置、微粉炭製造システム、高炉操業方法 - Google Patents
微粉炭の粒度分布測定装置、微粉炭製造システム、高炉操業方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 多量吹込みされる微粉炭の粒度分布を連続的に測定できる微粉炭の粒度分布測定装置を得る。また、該粒度分布測定装置による測定結果を用いて微粉炭の粒度分布調整を行う微粉炭製造システムを得る。さらに、微粉炭の粒度分布を調整しながら操業する高炉操業方法を提供する。
【解決手段】 微粉炭を高炉羽口へ気流輸送する輸送管1と、輸送管1を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に取り出す第1バイパス路1、第2バイパス路9と、第2バイパス路9に設けられて第2バイパス路9に流入する微粉炭の濃度を希釈する希釈手段としての第2エジェクタ11と、第2エジェクタ11で希釈された微粉炭の粒度分布を連続的に測定するレーザ回折式粒度分布測定装置13とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】 微粉炭を高炉羽口へ気流輸送する輸送管1と、輸送管1を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に取り出す第1バイパス路1、第2バイパス路9と、第2バイパス路9に設けられて第2バイパス路9に流入する微粉炭の濃度を希釈する希釈手段としての第2エジェクタ11と、第2エジェクタ11で希釈された微粉炭の粒度分布を連続的に測定するレーザ回折式粒度分布測定装置13とを備えた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、補助還元剤としての微粉炭を高炉羽口へ気流輸送する輸送路において微粉炭粒度分布を連続的に測定する微粉炭の粒度分布測定装置、該装置の測定値に基づいて輸送路を流れる微粉炭の粒度分布を調整する微粉炭製造システム、さらには微粉炭の粒度分布を調整しながら操業する高炉操業方法に関するものである。
高炉操業においては、還元剤であるコークスの一部の代わりとして微粉炭を高炉羽口から吹き込む、微粉炭吹込み高炉操業が行なわれている。高炉への微粉炭吹込み操業は、高炉用コークスに比べて微粉炭が安価であるために、大きなコスト低減効果が得られる。また、高炉への微粉炭吹き込み量を増やすことにより高炉用コークスの製造設備であるコークス炉の負荷軽減を図ることができ、コークス炉の延命にも寄与する。
そこで、高炉操業においては、より一層多量の微粉炭を吹き込むための操業技術開発が要請されるに至り、現在では120kg/T以上の微粉炭多量吹込み操業が行われている。
そこで、高炉操業においては、より一層多量の微粉炭を吹き込むための操業技術開発が要請されるに至り、現在では120kg/T以上の微粉炭多量吹込み操業が行われている。
このような、微粉炭の高炉内への吹込み処理の流れを図5に基づいて概説する。微粉炭の高炉内への吹込みは、ヤードにストックされた石炭85を石炭ホッパー86に貯留し、その石炭ホッパー86に貯留されている石炭85をフィーダー87で切出して、微粉炭製造装置88に供給する。石炭85は、複数銘柄(石炭種)からなり、微粉炭製造装置88へは、各銘柄の石炭を所定の比率で供給・混合して粉砕すると共に乾燥し、所定の粒度分布に調製する。
こうして調製された微粉炭89を、主管90を通して微粉炭吹込み装置91へ気流輸送する。微粉炭吹込み装置91に輸送された微粉炭89を気送により分配器92へ供給し、更に分配器92から複数の枝管93を通して高炉94下部の多数の羽口95部まで分配気送する。熱風炉99から各羽口95部のブローパイプ96に供給される熱風97中に、微粉炭89を吹込みノズル98から噴射し、熱風と共に各羽口95から高炉94内に吹き込み、燃焼させる。
こうして調製された微粉炭89を、主管90を通して微粉炭吹込み装置91へ気流輸送する。微粉炭吹込み装置91に輸送された微粉炭89を気送により分配器92へ供給し、更に分配器92から複数の枝管93を通して高炉94下部の多数の羽口95部まで分配気送する。熱風炉99から各羽口95部のブローパイプ96に供給される熱風97中に、微粉炭89を吹込みノズル98から噴射し、熱風と共に各羽口95から高炉94内に吹き込み、燃焼させる。
このように、微粉炭89を高炉94の炉内へ吹き込むまでには、いくつかの配管系やバルブ、吹込み装置等を経由させなければならない。ところが、多量吹込みが要請される今日の微粉炭吹込みの高炉操業においては、微粉炭が配管系等の内部に付着し、更にはそれらを閉塞させることもある。
このような微粉炭の配管系等における付着や閉塞が発生した場合には、正常な高炉操業を継続することができなくなる。例えば、微粉炭吹込み装置91から分配器92までの間で閉塞した場合には、高炉94の全羽口からの微粉炭吹込みが不可能となり、炉頂からのオールコークス装入操業に切り替えなければならず、炉内状況を安定化させるためには長時間を要する。あるいは、分配器92以降の複数の支管93のいずれかで閉塞すれば、炉内円周方向についての微粉炭吹込み量にバラツキが発生し、溶銑の成分変動や炉況不調の原因となる。特に、微粉炭吹込み量が多い高炉操業の場合には、減風や休風を余儀なくされて、減産その他大きな問題となる。
このように、配管系等における微粉炭の付着や配管系の閉塞は高炉操業に多大な損失を与える。したがって、微粉炭吹込みにおいては、微粉炭がその配管系等に付着したり、閉塞したりすることなく、スムーズに流れることが強く要請される。
このような微粉炭の配管系等における付着や閉塞が発生した場合には、正常な高炉操業を継続することができなくなる。例えば、微粉炭吹込み装置91から分配器92までの間で閉塞した場合には、高炉94の全羽口からの微粉炭吹込みが不可能となり、炉頂からのオールコークス装入操業に切り替えなければならず、炉内状況を安定化させるためには長時間を要する。あるいは、分配器92以降の複数の支管93のいずれかで閉塞すれば、炉内円周方向についての微粉炭吹込み量にバラツキが発生し、溶銑の成分変動や炉況不調の原因となる。特に、微粉炭吹込み量が多い高炉操業の場合には、減風や休風を余儀なくされて、減産その他大きな問題となる。
このように、配管系等における微粉炭の付着や配管系の閉塞は高炉操業に多大な損失を与える。したがって、微粉炭吹込みにおいては、微粉炭がその配管系等に付着したり、閉塞したりすることなく、スムーズに流れることが強く要請される。
ところで、配管系等における付着や閉塞の要因として微粉炭の粒度分布が影響していることが知られている。したがって、輸送管を流れる微粉炭の粒度分布を計測して常に適切な粒度分布になるように管理することが求められる。
従来、高炉に吹き込まれる粉体の粒度分布測定は、その都度、輸送管等からサンプリングして測定室に設置されたレーザ回折法により測定をするといういわゆるバッチ方式によって行われていた。
従来、高炉に吹き込まれる粉体の粒度分布測定は、その都度、輸送管等からサンプリングして測定室に設置されたレーザ回折法により測定をするといういわゆるバッチ方式によって行われていた。
そして、レーザ回折法による粉粒体の粒度分布測定装置としては、砂糖、コーンスターチ、薬品等の粉粒体を対象としたものではあるが、以下のようなものが知られている。
レーザ光発生装置から出力されたレーザ光が通過する一対の対向する筒型の測定ヘッドが設けられ、該測定ヘッド間に形成された開放伝送路中に入った粉粒体によって発生する散乱光を集光し、散乱角を検知して、粉粒体の粒度を測定する粒度分布測定装置とし、前記一対の測定ヘッドを流動層処理装置内部に突設する。
そして、各測定ヘッドは、レーザ光と直交するように配置された遮蔽透明ガラスと、該遮蔽透明ガラスの前方を取り囲むように開放伝送路側に延びる外筒部と該外筒部先端から半径方向内側に回り込んで遮蔽透明ガラス側に接近するように延びる内筒部とから構成された円環状の中空部と、該外筒部に形成された少なくとも一つのエアー流入孔と、から構成されて、前記内筒部内に遮蔽透明ガラスの前面から前記開放伝送路へ向かう空気層流を形成する。この空気層流は、開放伝送路に入り込んだ粉粒体の測定ヘッドへの侵入を防止するとともに、遮蔽透明ガラス表面に空気の渦をつくらないので、粉粒体の吹き溜まりを形成することがない。
特開平11−118697号公報(段落0007)
レーザ光発生装置から出力されたレーザ光が通過する一対の対向する筒型の測定ヘッドが設けられ、該測定ヘッド間に形成された開放伝送路中に入った粉粒体によって発生する散乱光を集光し、散乱角を検知して、粉粒体の粒度を測定する粒度分布測定装置とし、前記一対の測定ヘッドを流動層処理装置内部に突設する。
そして、各測定ヘッドは、レーザ光と直交するように配置された遮蔽透明ガラスと、該遮蔽透明ガラスの前方を取り囲むように開放伝送路側に延びる外筒部と該外筒部先端から半径方向内側に回り込んで遮蔽透明ガラス側に接近するように延びる内筒部とから構成された円環状の中空部と、該外筒部に形成された少なくとも一つのエアー流入孔と、から構成されて、前記内筒部内に遮蔽透明ガラスの前面から前記開放伝送路へ向かう空気層流を形成する。この空気層流は、開放伝送路に入り込んだ粉粒体の測定ヘッドへの侵入を防止するとともに、遮蔽透明ガラス表面に空気の渦をつくらないので、粉粒体の吹き溜まりを形成することがない。
従来のように輸送管等から微粉炭をその都度サンプリングしてバッチ処理にて粒度分布を測定する方法では、必ず人が介在することを要し、サンプリングに対する負荷が大きいという問題がある。また、バッチ処理ではリアルタイムに粒度分布を測定することができず、測定結果に基づく粒度分布調整が適切にできないという問題がある。この点について、以下に詳細に説明する。
ここで、上記問題点の説明に先立って本明細書における「微粉炭の粒度分布」の意義について説明する。
現実に微粉炭製造装置により製造される微粉炭の粒径分布を厳密に把握すれば、最小粒径は、極めて細かい粒径(「x0μm」と表示する)から、最大粒径は、一般には何らかの粒度分級装置を経由させるので、例えば数mm程度(これを「Xmm」と表示する)となり、x0μm〜Xmmまでの間に分布しているといえる。
そして、最小粒径粒子x0μmとその近辺のものの比率は無視できる程度に少なく、一方、最大粒径粒子近辺のものの比率は、無視できない程度の比率で存在する。こうした分布で、最小粒径粒子x0μmから最大粒径粒子Xmmの間には極大値が一つ又は複数存在する。極大値が複数存在するのは、石炭を複数銘柄使用した場合(即ち、粉砕性の異なる石炭が複数存在する場合)である。
現実に微粉炭製造装置により製造される微粉炭の粒径分布を厳密に把握すれば、最小粒径は、極めて細かい粒径(「x0μm」と表示する)から、最大粒径は、一般には何らかの粒度分級装置を経由させるので、例えば数mm程度(これを「Xmm」と表示する)となり、x0μm〜Xmmまでの間に分布しているといえる。
そして、最小粒径粒子x0μmとその近辺のものの比率は無視できる程度に少なく、一方、最大粒径粒子近辺のものの比率は、無視できない程度の比率で存在する。こうした分布で、最小粒径粒子x0μmから最大粒径粒子Xmmの間には極大値が一つ又は複数存在する。極大値が複数存在するのは、石炭を複数銘柄使用した場合(即ち、粉砕性の異なる石炭が複数存在する場合)である。
この(これらの)極大値近辺に集中的に分布するか、あるいは最小粒径粒子x0μmから最大粒径粒子Xmmの間に広く分散するか、といった違いが生じる。図6(a)、(b)に極大値近辺に集中的に分布する場合を、そして、図6(c)、(d)に、x0μm〜Xmmまでの間に広く分布する場合を模式的に示す。そこで、微粉炭の粒子径の分布がこのような形状をとる場合には、「微粉炭の粒度分布」としては、例えば、所定粒径(「αμm」と表示する)以下の微粉炭の割合が、所定割合(「βmass%」と表示する)以上で構成されている微粉炭という把握の仕方が便利で実用的である。微粉炭の粒径分布についてのこのような把握例を考慮して、この明細書においては、最小粒径粒子x0μmから最大粒径粒子Xmmの間に分布する微粉炭の分布状態を、所定の微粉炭における「微粉炭の粒度分布」と総称し、微粉炭の特定の粒度分布を表示する一例として、「所定粒径αμm未満(−αμm)のものが所定割合βmass%以上を占める微粉炭」という言い方をすることにする。
図7は微粉炭の粒度分布の時間推移を示したグラフであり、横軸が経過時間を示し、縦軸が微粉炭粒度分布(-74μm割合(%))を示している。この例では-74μmのものが80mass%割合であることを目標としていることから図7には-74μmが80%の位置に破線を描いている。
以下、図7に基づいてバッチ処理の問題点を説明する。仮にバッチ処理によって、現在の粒度分布が80%と判明したとしても、それが図7における(ア)の位置の場合には時間の経過によって-74μm割合は減少することになり、燃焼効率の低下となる。他方、同じ80%と判明したとしても、それが図7に示す(イ)の位置の場合には-74μm割合が増加する傾向にあり、これを放置すれば配管系の閉塞の危険がある。また、-74μm割合が70%と判明したとしても、それが図7の(ウ)の位置であったとしたら、そのまま放置したとしても微粉炭割合が増加することになるのに現状では目標値より低いということで微粉炭を増加するための処理をすれば、-74μm割合が増加しすぎて配管系の閉塞の危険をまねくという結果になる。
このように、バッチ処理ではたとえ現在の粒度分布が測定できたとしても、その傾向の把握ができないことから、適切な処理ができないという問題がある。
以下、図7に基づいてバッチ処理の問題点を説明する。仮にバッチ処理によって、現在の粒度分布が80%と判明したとしても、それが図7における(ア)の位置の場合には時間の経過によって-74μm割合は減少することになり、燃焼効率の低下となる。他方、同じ80%と判明したとしても、それが図7に示す(イ)の位置の場合には-74μm割合が増加する傾向にあり、これを放置すれば配管系の閉塞の危険がある。また、-74μm割合が70%と判明したとしても、それが図7の(ウ)の位置であったとしたら、そのまま放置したとしても微粉炭割合が増加することになるのに現状では目標値より低いということで微粉炭を増加するための処理をすれば、-74μm割合が増加しすぎて配管系の閉塞の危険をまねくという結果になる。
このように、バッチ処理ではたとえ現在の粒度分布が測定できたとしても、その傾向の把握ができないことから、適切な処理ができないという問題がある。
そこで、微粉炭の粒度分布測定を連続的に行うことが要請され、先行文献1に示されたような粉粒体の粒度分布を連続測定する装置を微粉炭の粒度分布測定に適用することが考えられる。
しかしながら、仮に、技術分野の全く異なる先行文献1に開示された粒度分布測定装置を適用したとしても以下のような問題がある。
すなわち、近年の微粉炭吹込みでは多量吹込みがなされており、このような高濃度の微粉炭を輸送管から取り出して連続的にレーザ光回折方法で測定すると多重散乱によって測定誤差(通常は大きい方向の誤差)を生じてしまい適切な測定は不可能である。
しかしながら、仮に、技術分野の全く異なる先行文献1に開示された粒度分布測定装置を適用したとしても以下のような問題がある。
すなわち、近年の微粉炭吹込みでは多量吹込みがなされており、このような高濃度の微粉炭を輸送管から取り出して連続的にレーザ光回折方法で測定すると多重散乱によって測定誤差(通常は大きい方向の誤差)を生じてしまい適切な測定は不可能である。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、多量吹込みされる微粉炭の粒度分布を連続的に測定できる微粉炭の粒度分布測定装置を得ることを目的としている。また、該粒度分布測定装置による測定結果を用いて微粉炭の粒度分布調整を行う微粉炭製造システムを得ることを目的としている。さらに、微粉炭の粒度分布を調整しながら操業する高炉操業方法を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る微粉炭の粒度分布測定装置は、微粉炭を高炉羽口へ気流輸送する輸送管と、該輸送管を流れる微粉炭をキャリアガスと共に取り出すバイパス路と、該バイパス路に設けられて該バイパス路に流入する微粉炭の濃度を希釈する希釈手段と、該希釈手段で希釈された微粉炭の粒度分布を連続的に測定するレーザ回折式粒度分布測定装置とを備えたものである。
(2)また、上記(1)におけるバイパス路は、輸送管に直接連通する第1バイパス路と、該第1バイパス路に連通して設けられて前記第1バイパス路を流れる微粉炭の一部をキャリアガスと共に取り出す第2バイパス路とからなり、該第2バイパス路に希釈手段とレーザ回折式粒度分布測定装置を配置したものである。
(3)また、上記(1)または(2)に記載のものにおいて、バイパス路に微粉炭をキャリアガスと共に導入する手段としてエジェクタを設けたものである。
(4)また、上記(3)に記載のものにおいて、エジェクタをレーザ回折式粒度分布測定装置の上流側に配置して、該エジェクタを希釈手段として機能させたものである。
(5)また、上記(1)〜(4)に記載のものにおいて、輸送管の径方向複数箇所から微粉炭をキャリアガスと共に取り込むようにしたものである。
(6)また、上記(1)〜(5)に記載のものにおいて、バイパス路内を清掃する清掃用ガスを噴射するガス噴射手段を設けたものである。
(7)本発明に係る微粉炭製造システムは、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の粒度測定装置と、微粉炭製造装置と、前記粒度分布測定装置の測定結果に基づいて前記微粉炭製造装置を制御して該微粉炭製造装置で製造される微粉炭の粒度分布を調整する制御装置と、を備えたものである。
(8)また、上記(7)に記載のものにおいて、制御装置は微粉炭製造装置における石炭粉砕加圧力、微粉炭輸送ガスの流速、粒度分級調整盤の開度、原料石炭の供給量のうち少なくとも一つを制御することを特徴とするものである。
(9)本発明に係る高炉操業方法は、高炉羽口へ供給される微粉炭の粒度分布を連続的に測定して、該測定結果に基づいて微粉炭製造装置で製造する微粉炭の粒度を調整するようにしたものである。
本発明の微粉炭の粒度分布測定装置においては、輸送管を流れる微粉炭をキャリアガスと共に取り出すバイパス路と、該バイパス路に設けられて該バイパス路に流入する微粉炭の濃度を希釈する希釈手段と、該希釈手段で希釈された微粉炭の粒度分布を連続的に測定するレーザ回折式粒度分布測定装置とを備えたことにより、微粉炭多量吹込みの場合においても測定誤差を生ずることなく、連続的な微粉炭粒度分布の測定ができる。
また、本発明に係る微粉炭製造システムにおいては、連続的な微粉炭粒度分布の測定ができ微粉炭粒度分布の変動をその傾向と共に知ることができるので適切な微粉炭粒度分布調整ができる。
さらに、本発明の高炉操業方法においては、高炉羽口へ供給される微粉炭の粒度分布を連続的に測定して、該測定結果に基づいて微粉炭製造装置で製造する微粉炭の粒度を調整するようにしたので、配管系における微粉炭による閉塞を可及的に防止でき、安定した高炉操業が実現できる。
また、本発明に係る微粉炭製造システムにおいては、連続的な微粉炭粒度分布の測定ができ微粉炭粒度分布の変動をその傾向と共に知ることができるので適切な微粉炭粒度分布調整ができる。
さらに、本発明の高炉操業方法においては、高炉羽口へ供給される微粉炭の粒度分布を連続的に測定して、該測定結果に基づいて微粉炭製造装置で製造する微粉炭の粒度を調整するようにしたので、配管系における微粉炭による閉塞を可及的に防止でき、安定した高炉操業が実現できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る粒度分布測定装置および該装置を用いた微粉炭製造システムの説明図である。
本実施の形態に係る連続粒度分布測定装置は、微粉炭3を高炉羽口へ気流輸送する輸送管1と、該輸送管1に直接連通して設けられた第1バイパス路5と、第1バイパス路5に設けられて第1バイパス路5を負圧にして輸送管1を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第1バイパス路5側に取り出す第1エジェクタ7と、第1バイパス路5に連通して設けられた第2バイパス路9と、第2バイパス路9に設けられて第2バイパス路9を負圧にして第1バイパス路5を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第2バイパス路9側に取り出す第2エジェクタ11と、第2バイパス路9における第2エジェクタ11の下流側に設けられたレーザ回折式粒度分布測定装置13と、を備えている。
また、この実施の形態においては、レーザ回折式粒度分布測定装置13での微粉炭粒度分布の測定結果に基づいて微粉炭製造装置51で製造される微粉炭の粒度を調整するようにしている。
以下、各構成を詳細に説明する。
本実施の形態に係る連続粒度分布測定装置は、微粉炭3を高炉羽口へ気流輸送する輸送管1と、該輸送管1に直接連通して設けられた第1バイパス路5と、第1バイパス路5に設けられて第1バイパス路5を負圧にして輸送管1を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第1バイパス路5側に取り出す第1エジェクタ7と、第1バイパス路5に連通して設けられた第2バイパス路9と、第2バイパス路9に設けられて第2バイパス路9を負圧にして第1バイパス路5を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第2バイパス路9側に取り出す第2エジェクタ11と、第2バイパス路9における第2エジェクタ11の下流側に設けられたレーザ回折式粒度分布測定装置13と、を備えている。
また、この実施の形態においては、レーザ回折式粒度分布測定装置13での微粉炭粒度分布の測定結果に基づいて微粉炭製造装置51で製造される微粉炭の粒度を調整するようにしている。
以下、各構成を詳細に説明する。
<第1バイパス路5>
第1バイパス路5は、一端側が輸送管1(図5における主管90に相当する)の上流側に接続され、他端側が輸送管1の下流側に接続されている。第1バイパス路5の一端側には輸送管1の径方向に延出する棒状の導入部15が設けられている。導入部15は輸送管1を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第1バイパス路5に導入するものであり、輸送管1の径方向に複数の穴が設けられており、輸送管1の径方向の複数箇所から微粉炭3をキャリアガスと共に導入できるようになっている。
第1バイパス路5の入口側には微粉炭入口弁17、19が所定の間隔を離して設けられ、出口側には微粉炭出口弁21、23が所定の間隔を離して設けられている。
第1バイパス路5は、一端側が輸送管1(図5における主管90に相当する)の上流側に接続され、他端側が輸送管1の下流側に接続されている。第1バイパス路5の一端側には輸送管1の径方向に延出する棒状の導入部15が設けられている。導入部15は輸送管1を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第1バイパス路5に導入するものであり、輸送管1の径方向に複数の穴が設けられており、輸送管1の径方向の複数箇所から微粉炭3をキャリアガスと共に導入できるようになっている。
第1バイパス路5の入口側には微粉炭入口弁17、19が所定の間隔を離して設けられ、出口側には微粉炭出口弁21、23が所定の間隔を離して設けられている。
第1バイパス路5には、第1バイパス路5内を清掃するための窒素ガスを吹き込むためのパージ管25が接続されている。パージ管25の上流側に減圧弁28、元弁26が設けられ、元弁26の上流側に図示しない高圧窒素ガス供給源が接続されている。また、パージ管25は途中で分岐してその一方25aは第1バイパス路5における微粉炭入口弁17、19の間に接続され、他方25bは第1バイパス路5における微粉炭出口弁21、23の間に接続されている。そして、それぞれの端にはパージ弁27、29が設けられている。
第1バイパス路5における第2バイパス路9出口接続部の下流側に第1エジェクタ7が設けられている。
第1バイパス路5における第2バイパス路9出口接続部の下流側に第1エジェクタ7が設けられている。
<第1エジェクタ7>
第1エジェクタ7は、第1バイパス路5内を負圧にして輸送管1を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第1バイパス路5側に取り出す機能を有する。第1エジェクタ7には駆動ガスとしての高圧窒素ガスを供給するための窒素供給管31が接続されている。窒素供給管31はパージ管25が分岐したものであり、その上流側には前述した高圧窒素ガス供給源が接続されている。窒素供給管31の下流端における第1エジェクタ7のすぐ上流側にはラインエジェクタ弁33が設けられ、また、ラインエジェクタ弁33のすぐ上流側には減圧弁35が設けられている。
第1エジェクタ7は、第1バイパス路5内を負圧にして輸送管1を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第1バイパス路5側に取り出す機能を有する。第1エジェクタ7には駆動ガスとしての高圧窒素ガスを供給するための窒素供給管31が接続されている。窒素供給管31はパージ管25が分岐したものであり、その上流側には前述した高圧窒素ガス供給源が接続されている。窒素供給管31の下流端における第1エジェクタ7のすぐ上流側にはラインエジェクタ弁33が設けられ、また、ラインエジェクタ弁33のすぐ上流側には減圧弁35が設けられている。
<第2バイパス路9>
第2バイパス路9は、第1バイパス路5における微粉炭入口弁19と第1エジェクタ7の間に設けられている。また、第2バイパス路9の入口側には入口弁37が、出口側には出口弁39が、それぞれ設けられている。
入口弁37にはシーケンサ38が接続され、予め設定した所定時間ごとに入口弁37を開閉して第2バイパス路9に第1バイパス路5を流れる微粉炭を導入できるようになっている。
第2バイパス路9は、第1バイパス路5における微粉炭入口弁19と第1エジェクタ7の間に設けられている。また、第2バイパス路9の入口側には入口弁37が、出口側には出口弁39が、それぞれ設けられている。
入口弁37にはシーケンサ38が接続され、予め設定した所定時間ごとに入口弁37を開閉して第2バイパス路9に第1バイパス路5を流れる微粉炭を導入できるようになっている。
<第2エジェクタ11>
第2エジェクタ11は、前述したように第2バイパス路9を負圧にして第1バイパス路5を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第2バイパス路9側に取り出す機能を有する。このため第2エジェクタ11には高圧の窒素ガスを供給するための窒素供給管41が接続されている。窒素供給管41は窒素供給管31が分岐したものである。窒素供給管41における第2エジェクタ11のすぐ上流側には測定計エジェクタ弁43が設けられ、また、測定計エジェクタ弁43のすぐ上流側には減圧弁45が設けられている。
第2エジェクタ11には窒素供給管41から高圧の窒素ガスが駆動ガスとして供給されるが、この窒素ガスは駆動ガスとして機能すると共に第2バイパス路9内の微粉炭濃度を希釈する機能をも有する。つまり、第2エジェクタ11は第1バイパス路5を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第2バイパス路9側に取り出す機能と微粉炭濃度を希釈する希釈手段としての機能を有している。
第2エジェクタ11は、前述したように第2バイパス路9を負圧にして第1バイパス路5を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第2バイパス路9側に取り出す機能を有する。このため第2エジェクタ11には高圧の窒素ガスを供給するための窒素供給管41が接続されている。窒素供給管41は窒素供給管31が分岐したものである。窒素供給管41における第2エジェクタ11のすぐ上流側には測定計エジェクタ弁43が設けられ、また、測定計エジェクタ弁43のすぐ上流側には減圧弁45が設けられている。
第2エジェクタ11には窒素供給管41から高圧の窒素ガスが駆動ガスとして供給されるが、この窒素ガスは駆動ガスとして機能すると共に第2バイパス路9内の微粉炭濃度を希釈する機能をも有する。つまり、第2エジェクタ11は第1バイパス路5を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第2バイパス路9側に取り出す機能と微粉炭濃度を希釈する希釈手段としての機能を有している。
<レーザ回折式粒度分布測定装置13>
レーザ回折式粒度分布測定装置13は、第2バイパス路9内を分散飛翔状態で流れる微粉炭粒子群にレーザ光を照射することによって生ずる回折光の空間強度分布を測定し、その測定結果に基づいて微粉炭粒子群の粒度分布を測定するものである。
レーザ回折式粒度分布測定装置13によって測定された測定結果はパーソナルコンピュータ47(以下、「PC」という。)に出力され、PC47によって所定の演算がなされ、さらに後述する運転制御演算装置77により所定の演算がなされ、微粉炭製造装置51が制御される。
なお、高炉で使用される微粉炭は約90℃の高温で輸送されるが、連続で測定を行う場合には石炭中から蒸発した蒸気によりレーザ回折式粒度分布測定装置13のレンズが曇ることが考えられるので、レーザ回折式粒度分布測定装置13のレンズに第2エジェクタ11に供給する窒素ガスの一部を吹き付けることによりレンズの曇り防止をすることが望ましい。
レーザ回折式粒度分布測定装置13は、第2バイパス路9内を分散飛翔状態で流れる微粉炭粒子群にレーザ光を照射することによって生ずる回折光の空間強度分布を測定し、その測定結果に基づいて微粉炭粒子群の粒度分布を測定するものである。
レーザ回折式粒度分布測定装置13によって測定された測定結果はパーソナルコンピュータ47(以下、「PC」という。)に出力され、PC47によって所定の演算がなされ、さらに後述する運転制御演算装置77により所定の演算がなされ、微粉炭製造装置51が制御される。
なお、高炉で使用される微粉炭は約90℃の高温で輸送されるが、連続で測定を行う場合には石炭中から蒸発した蒸気によりレーザ回折式粒度分布測定装置13のレンズが曇ることが考えられるので、レーザ回折式粒度分布測定装置13のレンズに第2エジェクタ11に供給する窒素ガスの一部を吹き付けることによりレンズの曇り防止をすることが望ましい。
<微粉炭製造装置51>
図2は本実施の形態で用いた微粉炭製造装置51の模式的縦断面図である。微粉炭製造装置51は、竪型のローラータイヤ56を主要部とする粉砕装置57と粒度分級調整盤59を主要部とする粒度分級装置61とで構成されている。
図2は本実施の形態で用いた微粉炭製造装置51の模式的縦断面図である。微粉炭製造装置51は、竪型のローラータイヤ56を主要部とする粉砕装置57と粒度分級調整盤59を主要部とする粒度分級装置61とで構成されている。
図2のように構成された微粉炭製造装置51において、装入部63から給炭された石炭65は、複数個のローラータイヤ56とその下方に近接して盤面が設けられたターンテーブル67とで囲まれた空間領域に供給され、破砕・粉砕される。石炭は、ローラータイヤ56とターンテーブル67との間隙で最終的に粉砕されつつ、ターンテーブル67の上面とローラータイヤ56の下端面との隙間から、ターンテーブル67の盤面上を周円部に移動し、はじき出される。
一方、当該装置の下部から高速の上向き温風69が供給されており、上記はじき出された粉砕石炭71は、高速の温風69に乗ってターンテーブル67の周縁から舞い上がり、大部分の粉砕石炭71は、粒度分級調整盤59の開口隙間を通過して当該装置上部の排出口73から温風69によって排出される。粒度分級調整盤59の開口隙間を通過できなかった粉砕石炭71は、重力落下してローラータイヤ56の間隙に循環供給され、再度、破砕・粉砕される。
一方、排出口73から排出された微粉炭75は、目標粒度分布に調整されたものであり、温風69により所定の含水率以下に乾燥されて、輸送管1を通って高炉に吹き込まれる。
一方、排出口73から排出された微粉炭75は、目標粒度分布に調整されたものであり、温風69により所定の含水率以下に乾燥されて、輸送管1を通って高炉に吹き込まれる。
粒度分布の調整方法としては、ローラータイヤ56の粉砕加圧力の調整、温風69の流速調整、粒度分級調整盤59の開度調整、または粉砕量調整のいずれか一つ、または複数を組み合わせて行う。
図3はこの粒度分布の調整方法の説明図であり、図1、図2と同一部分には同一の符号を付してある。図3に基づいて粒度分布の調整方法を具体的に説明する。
図3はこの粒度分布の調整方法の説明図であり、図1、図2と同一部分には同一の符号を付してある。図3に基づいて粒度分布の調整方法を具体的に説明する。
PC47から粒度分布に関する情報が運転制御演算装置77に伝送されると、運転制御演算装置77は、現在の粒度分布及びその変化傾向によって制御対象ごとの必要制御情報演算して微粉炭製造装置51を自動制御する。自動制御方法としては、ローラータイヤ56の必要粉砕加圧力を求め、油圧制御装置78に指令して、油圧シリンダー79を介しローラータイヤ56の粉砕加圧力を制御する方法がある。また、温風吹込み装置80へ風量を求めて温風制御装置81に指令して、温風の流速を制御する方法もある。さらに、粒度分級調整盤59の開度を求め、弁開度制御装置82に指令して、粒度分級調整盤59の使用条件を制御する方法もある。また、粉砕装置への石炭供給速度を求め、石炭ホッパー83のフィーダー制御装置84に指令して、石炭供給速度を制御する方法もある。これらの方法はいずれか一つを選択してもよいし複数を組み合わせてもよい。
次に、上記のように構成された本実施の形態の動作を説明する。
微粉炭製造装置51を予め設定した制御値に基づいて稼動する。このとき、微粉炭製造装置51で製造された微粉炭は輸送管1を介して高炉に吹き込まれている。この状態において、微粉炭の粒度分布を測定するときは、図1における、第1バイパス路5の微粉炭入口弁17,19、微粉炭出口弁21,23を開放し、パージ弁27,29を閉止しておく。また、第2バイパス路9における入口弁37及び出口弁39を閉止しておく。この状態で、高圧窒素供給管の元弁26及びラインエジェクタ弁33を開放する。
微粉炭製造装置51を予め設定した制御値に基づいて稼動する。このとき、微粉炭製造装置51で製造された微粉炭は輸送管1を介して高炉に吹き込まれている。この状態において、微粉炭の粒度分布を測定するときは、図1における、第1バイパス路5の微粉炭入口弁17,19、微粉炭出口弁21,23を開放し、パージ弁27,29を閉止しておく。また、第2バイパス路9における入口弁37及び出口弁39を閉止しておく。この状態で、高圧窒素供給管の元弁26及びラインエジェクタ弁33を開放する。
元弁26及びラインエジェクタ弁33を開放することにより、高圧窒素ガスが第1エジェクタ7に供給され、エジェクタ作用により第1バイパス路5が負圧になる。第1バイパス路5が負圧になると、輸送管1内を流れる微粉炭がキャリアガスと共に導入部15を介して第1バイパス路5に取り込まれる。第1バイパス路5に微粉炭が安定的に取り込まれるようになった後、第2バイパス路9における入口弁37及び出口弁39を開放すると共に測定計エジェクタ弁43を開放する。測定計エジェクタ弁43の開放に伴い、高圧窒素ガスが第2エジェクタ11に供給され、エジェクタ作用により第2バイパス路9が負圧になり、第1バイパス路5を流れる微粉炭がキャリアガスと共に第2バイパス路9に取り込まれる。第2バイパス路9に取り込まれた微粉炭は第2バイパス路9を下流側に流れ、第2エジェクタ11を通過したところで第2エジェクタ11から吹き出される高圧窒素ガスによって希釈され濃度が薄まった状態でレーザ回折式粒度分布測定装置13の測定部に輸送される。レーザ回折式粒度分布測定装置13は輸送された微粉炭の粒度分布を測定して、測定結果をPC47に出力する。このとき、レーザ回折式粒度分布測定装置13で測定される微粉炭群は高圧窒素ガスによって希釈されているので、多重散乱が生じにくく測定誤差の発生を防止できる。
PC47ではレーザ回折式粒度分布測定装置13から出力された結果を解析して、現在の粒度分布と粒度分布の経時変化を検出し、運転制御演算装置77に出力する。PC47から粒度分布に関する情報が運転制御演算装置77に伝送されると、運転制御演算装置77は、現在の粒度分布及びその変化傾向によって制御対象ごとの必要制御情報演算して微粉炭製造装置51を自動制御する。例えば、-74μmのmass%が目標値よりも少なく、かつ、-74μmのmass%が低下の傾向にあるときには、-74μmのmass%を向上させるために微粉炭製造装置51におけるローラータイヤ56の加圧力を高くしたり、熱風69の風量を少なくしたり、あるいは粒度分級調整盤59を粒度が小さくなるように調整する。
逆に、-74μmのmass%が目標値よりも大きく、かつ、-74μmのmass%が上昇傾向にあるときには、上記と逆の制御を行う。
逆に、-74μmのmass%が目標値よりも大きく、かつ、-74μmのmass%が上昇傾向にあるときには、上記と逆の制御を行う。
図4は本実施の形態における粒度分布制御を行った場合の微粉炭の粒度分布の時間経過を示したグラフであり、横軸が経過時間を示し、縦軸が微粉炭粒度分布(-74μm割合(%))を示している。また、図4には連続的な制御を行わなかった場合も合わせて記載している。
図4のグラフから分かるように、制御を行った本実施形態では目標値80%に対する上下の振れが小さく(標準偏差値σ=5%)、また、平均77%であり、目標値に近い粒度分布を実現できた。
これに対して、非制御のものでは目標値80%に対する上下の振れが大きく(標準偏差値σ=10%)、また、平均67%であり、目標値にかなり遠い粒度分布しか得られていない。
図4のグラフから分かるように、制御を行った本実施形態では目標値80%に対する上下の振れが小さく(標準偏差値σ=5%)、また、平均77%であり、目標値に近い粒度分布を実現できた。
これに対して、非制御のものでは目標値80%に対する上下の振れが大きく(標準偏差値σ=10%)、また、平均67%であり、目標値にかなり遠い粒度分布しか得られていない。
このように、本実施の形態によれば、粒度分布を連続的に測定して、それに基づいて微粉炭製造装置の製造プロセス調整をするようにしたので、目標とする粒度分布に近い粒度分布が実現できる。その結果、輸送管の閉塞という事態を可及的に防止することができ、安定した高炉操業が実現できる。
また、本実施の形態においては、第1バイパス路5及び第2バイパス路9の2段階のバイパス路を設けたことにより、より精密な測定が可能となり、測定誤差が少なくなる。
もっとも、第2バイパス路9を設けなくても、例えば第1バイパス路5の管路径を小さくして第1エジェクタ7の下流側にレーザ回折式粒度分布測定装置13を設けるようにすることも可能である。このようにすれば、第1エジェクタ7が輸送管1を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第1バイパス路5側に取り出す機能と微粉炭濃度を希釈する希釈手段としての機能を有することになる。
もっとも、第2バイパス路9を設けなくても、例えば第1バイパス路5の管路径を小さくして第1エジェクタ7の下流側にレーザ回折式粒度分布測定装置13を設けるようにすることも可能である。このようにすれば、第1エジェクタ7が輸送管1を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第1バイパス路5側に取り出す機能と微粉炭濃度を希釈する希釈手段としての機能を有することになる。
また、本実施の形態においては、第2バイパス路9に設けた第2エジェクタ11に第1バイパス路5を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第2バイパス路9側に取り出す機能と微粉炭濃度を希釈する希釈手段としての機能を持たせたことにより、装置が単純化して故障の少ない信頼性の高いものとなっている。
もっとも、第1バイパス路5を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第2バイパス路9側に取り出す装置を別途設け、第2バイパス路9に別途窒素ガスを吹き込んで第2バイパス路9内の微粉炭濃度を希釈するようにしてもよい。
もっとも、第1バイパス路5を流れる微粉炭3をキャリアガスと共に第2バイパス路9側に取り出す装置を別途設け、第2バイパス路9に別途窒素ガスを吹き込んで第2バイパス路9内の微粉炭濃度を希釈するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、導入部15によって輸送管1の径方向の複数箇所から微粉炭3をキャリアガスと共に導入できるようにしたので、輸送管1内の一部に偏ることなく平均的な粒度分布の測定ができる。
なお、第1バイパス路5及び第2バイパス路9は輸送管に比較して径が小さいことから微粉炭による閉塞の危険がある。そこで、一定時間連続的に粒度分布測定を行ったあとは、一旦、微粉炭の取り込みを中止して、第1バイパス路5及び第2バイパス路9に高圧窒素ガスをパージして管内を清掃するパージ処理を行うのが好ましい。
パージ処理に際しては、微粉炭入口弁17、19、微粉炭出口弁21、23、パージ弁27、29、ラインエジェクタ弁33、入口弁37、出口弁39、測定計エジェクタ弁43の各制御弁を適宜選択的に開閉しながら高圧窒素ガスをパージすることにより、第1バイパス路5及び第2バイパス路9を個別にあるいは一緒にまたあるいは各バイパス路の一部を効果的に清掃することができる。
パージ処理に際しては、微粉炭入口弁17、19、微粉炭出口弁21、23、パージ弁27、29、ラインエジェクタ弁33、入口弁37、出口弁39、測定計エジェクタ弁43の各制御弁を適宜選択的に開閉しながら高圧窒素ガスをパージすることにより、第1バイパス路5及び第2バイパス路9を個別にあるいは一緒にまたあるいは各バイパス路の一部を効果的に清掃することができる。
1 輸送管
3 微粉炭
5 第1バイパス路
7 第1エジェクタ
9 第2バイパス路
11 第2エジェクタ
13 レーザ回折式粒度分布測定装置
15 導入部
51 微粉炭製造装置
77 運転制御演算装置
3 微粉炭
5 第1バイパス路
7 第1エジェクタ
9 第2バイパス路
11 第2エジェクタ
13 レーザ回折式粒度分布測定装置
15 導入部
51 微粉炭製造装置
77 運転制御演算装置
Claims (9)
- 微粉炭を高炉羽口へ気流輸送する輸送管と、該輸送管を流れる微粉炭をキャリアガスと共に取り出すバイパス路と、該バイパス路に設けられて該バイパス路に流入する微粉炭の濃度を希釈する希釈手段と、該希釈手段で希釈された微粉炭の粒度分布を連続的に測定するレーザ回折式粒度分布測定装置とを備えたことを特徴とする微粉炭の粒度分布測定装置。
- バイパス路は、輸送管に直接連通する第1バイパス路と、該第1バイパス路に連通して設けられて前記第1バイパス路を流れる微粉炭の一部をキャリアガスと共に取り出す第2バイパス路とからなり、該第2バイパス路に希釈手段とレーザ回折式粒度分布測定装置を配置したことを特徴とする請求項1記載の微粉炭の粒度分布測定装置。
- バイパス路に微粉炭をキャリアガスと共に導入する手段としてエジェクタを設けたことを特徴とする請求項1または2記載の微粉炭の粒度分布測定装置。
- エジェクタをレーザ回折式粒度分布測定装置の上流側に配置して、該エジェクタを希釈手段として機能させたことを特徴とする請求項3記載の微粉炭の粒度分布測定装置。
- 輸送管の径方向複数箇所から微粉炭をキャリアガスと共に取り込むようにしたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の微粉炭の粒度分布測定装置。
- バイパス路内を清掃する清掃用ガスを噴射するガス噴射手段を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の微粉炭の粒度分布測定装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の粒度分布測定装置と、微粉炭製造装置と、前記粒度分布測定装置の測定結果に基づいて前記微粉炭製造装置を制御して該微粉炭製造装置で製造される微粉炭の粒度分布を調整する制御装置と、を備えたことを特徴とする微粉炭製造システム。
- 制御装置は微粉炭製造装置における石炭粉砕加圧力、微粉炭輸送ガスの流速、粒度分級調整盤の開度、原料石炭の供給量のうち少なくとも一つを制御することを特徴とする請求項7記載の微粉炭製造システム。
- 高炉羽口へ供給される微粉炭の粒度分布を連続的に測定して、該測定結果に基づいて微粉炭製造装置で製造する微粉炭の粒度を調整するようにしたことを特徴とする高炉操業方法。
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