JP2005241292A - 真空パッケージおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 真空パッケージにおいて、ゲッタ配置のためや支柱形成のための加工を窓側ウエハに対しては行なわず、従来に比べての余分な工程を必要とせず、ゲッタを内部に適切に配置することができ、なおかつ、外部を大気圧に戻したときに真空状態の内部において素子と窓部とが互いに接触することも防止できるようにする。
【解決手段】 真空パッケージは、機能デバイスが配列されることによって画素領域16が形成された素子側基板15と、窓側基板13とが、シリコンからなる板状のスペーサ24を介して互いに接合されている。スペーサ24は画素領域16に対応する領域に貫通孔14を有する。スペーサ24と素子側基板15と窓側基板13とによって囲まれた内部空間80は真空状態となっている。スペーサ24は、貫通孔14の外側にスリット5を有する。スリット5の内部にはゲッタ3が収められている。
【選択図】 図1
【解決手段】 真空パッケージは、機能デバイスが配列されることによって画素領域16が形成された素子側基板15と、窓側基板13とが、シリコンからなる板状のスペーサ24を介して互いに接合されている。スペーサ24は画素領域16に対応する領域に貫通孔14を有する。スペーサ24と素子側基板15と窓側基板13とによって囲まれた内部空間80は真空状態となっている。スペーサ24は、貫通孔14の外側にスリット5を有する。スリット5の内部にはゲッタ3が収められている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、真空パッケージおよびその製造方法に関するものである。
機能デバイスである非冷却赤外線センサは、熱型センサとも言われるように、入射する赤外線を熱に変換し、温度変化による物性値の変化を電気信号として読み出すためのものである。このセンサ素子は、赤外線検知部を備えている。赤外線検出感度を高めるため、赤外線検知部は基板から熱的に隔離された断熱画素構造となっている。さらに、断熱性を高めるため、このようなセンサ素子全体が真空の空間内に設置されて使用される。
このようなセンサ素子は、ウエハ上に規則的に配列された状態で各工程を経て作製される。すなわちウエハレベルで作製される。
センサパッケージとしては、画素領域と、電気信号を読み出す回路及び端子部から構成されている。画素領域は画素の集合体となっており、画素の1つ1つが上述のセンサ素子となっていて画素ごとに温度検知を行なうことができる。
従来は、ウエハレベルで作製された後に、ダイサ切断などによって、センサパッケージ1つ分に相当するチップサイズごとに分割されていた。その分割したチップは、セラミックからなる未封止のパッケージ内部に配置され、接合された後に、真空雰囲気下においてパッケージの開口部を窓となる部材で塞ぐ、すなわち真空パッケージ化工程を行なうことによって組み立てられていた。
しかし、上述のような製造方法では、少量生産には対応できるが、組立作業が煩雑となるため、低価格化や素子の小型化には十分対応できなかった。このため、作業効率や生産性を向上させるという観点からセンサ素子を作製したウエハ上において直接、真空パッケージ化工程を行なうことが望まれている。こうすれば作業効率が上がり、低価格化が達成できると考えられているからである。
また、近年の微細加工技術の進歩により、機能デバイスはより複雑な構造を有するようになった。機能デバイスが複雑化するにつれて、外部的要因、たとえば風圧、水分、塵、静電気、結露などによって機能デバイスが簡単に破壊されてしまうことが問題視されていた。特に、ウエハサイズからチップサイズへの切断では、水および加圧された窒素を吹き付けて切りくずを取り除く必要があるため、機能デバイスの素子部分が破壊されやすく、予め素子全体を覆うような構造が今後のデバイス開発への課題となっていた。
特表平9−506712号公報(特許文献1)には真空パッケージの一例が開示されている。特許文献1の第6頁第7行〜第8頁第12行では、赤外線検知部が形成されたウエハと窓側ウエハとを真空中で貼り合わせることで真空パッケージを構成する様子が記載されている。
真空中でウエハ同士を貼り合わせることによって、パッケージ内部を真空状態にすると外部を大気圧に戻したときに外部の気圧によりウエハがひずみ、赤外線検知部と、窓側ウエハとが接触するおそれがある。特許文献1の図3では、そのような事態を回避するために、窓側ウエハのうち画素領域に対向する領域に窪みを形成している。窓側ウエハはシリコンウエハであるため、窪みは強アルカリ液を用いたウエットエッチング法もしくは、ドライエッチング法により作製可能である。窓側ウエハの特に窓部となる領域の表裏両面には赤外線透過率を向上させるための反射防止膜が形成されている。
また、特許文献1の第8頁第13行〜第9頁第19行では、パッケージ内部からの脱ガスによる真空度の劣化を防止するため、パッケージ内部にはゲッタが必要であることも記述されている。ただし、ゲッタを真空パッケージ内部に固定するためにはさらに余分な工程が必要となってしまう。
また、特許文献1の第8頁最下行〜第9頁第6行では、ゲッタの活性化のために、基板とは熱的に絶縁されたマイクロブリッジを形成し、その上にゲッタを形成することも記述されている。この構造では、マイクロブリッジに通電することによってゲッタを加熱し、その結果、ゲッタを活性化することができる。ただし、この構造では、窓側ウエハにゲッタを固定するための余分な加工が必要となる。
また、第10頁第1行〜第15行には、赤外線検知部と窓側ウエハとの間を離すための方法として、窓部が湾曲して赤外線検知部と接触し易い部位に少なくとも1本の支柱を設けることや、金属などの蒸着材料からなるスタンドオフを支柱と同時に配置する工程が記載されている。しかし、この方法では、窓側ウエハに加工が必要となる。さらに、ウエハの画素領域内に支柱を保持するための領域を確保することも必要となる。一方、窓側ウエハに窪みや支柱を形成する場合、入射した赤外光を透過させるため窪みの底面の平滑度が問題となる。たとえば、赤外線が透過する窓に傷や残渣などがあるとその領域で入射赤外光が散乱し、得られる赤外画像の中に窓の傷に起因する画像ムラが発生する。
また、窓側の構造を複雑化することで残渣などによる異物や塵などが残存するという問題があり、これがパッケージ内でガスを放出させる要因となり、封止された真空度の長期安定性に支障をきたす。さらに塵は、画素損傷を招き画素欠陥を増加させる危険性がある。残渣などは窓側と支持部との接合不良を招くおそれがある。このようなことから、特許文献1に記載された発明では赤外光が入射する窓部に対するダメージが懸念される。
特開平11−145316号公報(特許文献2)には他の構造のデバイス封止構造体が開示されている。特許文献2では、デバイスとしての可動部を形成した固定部の上側に枠状の接着用ガラスを介してキャップを接合することによって、デバイスが固定部上面から突出する高さの問題を解消し、高気密が要求されるデバイス封止を可能とする構造体が提案されている。
特表平9−506712号公報
特開平11−145316号公報
本発明は、ゲッタ配置のためや支柱形成のための加工を窓側ウエハに対しては行なわず、従来に比べての余分な工程を必要とせず、ゲッタを内部に適切に配置することができ、なおかつ、外部を大気圧に戻したときに真空状態の内部において素子と窓部とが互いに接触することも防止できるような真空パッケージおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づく真空パッケージは、機能デバイスが配列された素子側基板と、窓側基板とが、シリコンからなる板状のスペーサを介して互いに接合されている。上記スペーサは上記機能デバイスに対応する領域に貫通孔を有する。上記スペーサと上記素子側基板と上記窓側基板とによって囲まれた内部空間は真空状態となっている。上記スペーサは、上記貫通孔の外側にスリットを有する。上記スリットの内部にはゲッタが収められている。
本発明によれば、窓側基板に対しては何ら付加的な加工を行なわずに、ゲッタが確実に内部空間に露出するように配置された真空パッケージを実現することができる。したがって、窓側基板の平滑性を損なうことがない。しかも、スペーサが介在することによって窓側基板と素子側基板との間が十分に離隔しているので、内部空間において素子がある画素領域とこれに対向する窓部とが互いに接触することも防止できる。
(実施の形態1)
(構成)
図1、図2を参照して、本発明に基づく実施の形態1における真空パッケージについて説明する。この真空パッケージの断面図を図1に示す。この真空パッケージを説明の便宜のために分解したところを図2に示す。この真空パッケージにおいては、素子側基板15と、窓側基板13とが、シリコンからなる板状のスペーサ24を介して互いに接合されている。素子側基板15には、パッケージの内部に面して画素領域16を有する。画素領域16には機能デバイスとしての赤外線センサ素子が配列されている。スペーサ24は、機能デバイスに対応する領域すなわち画素領域16に対応する領域に貫通孔14を有する。スペーサ24と素子側基板15と窓側基板13とによって囲まれた内部空間80(図1参照)は真空状態となっている。スペーサ24は、貫通孔14の外側にスリット5を有し、スリット5の内部にはゲッタ3が収められている。
(構成)
図1、図2を参照して、本発明に基づく実施の形態1における真空パッケージについて説明する。この真空パッケージの断面図を図1に示す。この真空パッケージを説明の便宜のために分解したところを図2に示す。この真空パッケージにおいては、素子側基板15と、窓側基板13とが、シリコンからなる板状のスペーサ24を介して互いに接合されている。素子側基板15には、パッケージの内部に面して画素領域16を有する。画素領域16には機能デバイスとしての赤外線センサ素子が配列されている。スペーサ24は、機能デバイスに対応する領域すなわち画素領域16に対応する領域に貫通孔14を有する。スペーサ24と素子側基板15と窓側基板13とによって囲まれた内部空間80(図1参照)は真空状態となっている。スペーサ24は、貫通孔14の外側にスリット5を有し、スリット5の内部にはゲッタ3が収められている。
窓側基板13のうち画素領域16に対向する領域は窓部12となっている。窓部12のうちパッケージの内部に面した側には反射防止膜12bが形成されており、外部に面した側には反射防止膜12aが形成されている。スペーサ24と素子側基板15との間には、熱酸化膜17aおよびメタライズ膜8aが介在している。スペーサ24と窓側基板13との間には、熱酸化膜17bおよびメタライズ膜8bが介在している。ゲッタ3は、スペーサ24とその上下にある窓側基板13や素子側基板15との間の隙間によって、内部空間80に対して露出している。
(作用・効果)
本実施の形態では、窓側基板13に対しては何ら付加的な加工を行なわずに、ゲッタが確実に内部空間に露出するように配置された真空パッケージを実現することができる。したがって、窓側基板13の平滑性を良好な状態とすることができる。しかも、スペーサ24が介在することによって窓側基板13と素子側基板15との間が十分に離隔しているので、外部を大気圧に戻したときに真空状態の内部空間において素子がある画素領域16と窓部12とが接触することも防止できる。
本実施の形態では、窓側基板13に対しては何ら付加的な加工を行なわずに、ゲッタが確実に内部空間に露出するように配置された真空パッケージを実現することができる。したがって、窓側基板13の平滑性を良好な状態とすることができる。しかも、スペーサ24が介在することによって窓側基板13と素子側基板15との間が十分に離隔しているので、外部を大気圧に戻したときに真空状態の内部空間において素子がある画素領域16と窓部12とが接触することも防止できる。
(実施の形態2)
(製造方法)
図3〜図10を参照して、本発明に基づく実施の形態2における真空パッケージの製造方法について説明する。図3〜図9においては、各図の(a)は断面図であり、各図の(b)は平面図である。また、この製造方法は複数の真空パッケージを並行して一斉に作製することを前提にウエハレベルで行なわれるが、図3〜図9では、1つの真空パッケージに対応する部分だけを取り出して表示している。本実施の形態における真空パッケージの製造方法は、実施の形態1で示した真空パッケージを製造するためのものである。
(製造方法)
図3〜図10を参照して、本発明に基づく実施の形態2における真空パッケージの製造方法について説明する。図3〜図9においては、各図の(a)は断面図であり、各図の(b)は平面図である。また、この製造方法は複数の真空パッケージを並行して一斉に作製することを前提にウエハレベルで行なわれるが、図3〜図9では、1つの真空パッケージに対応する部分だけを取り出して表示している。本実施の形態における真空パッケージの製造方法は、実施の形態1で示した真空パッケージを製造するためのものである。
図3(a),(b)に示すように、第1のウエハとしての窓側ウエハ1の両面を鏡面研磨し、この両面に厚み0.5μmの熱酸化膜17b,17cを形成する。窓側ウエハ1としては、たとえば厚みが0.5〜0.6mmで直径が4インチのシリコンウエハを用いる。熱酸化膜17b,17cは、薬液やエッチングガスから窓側ウエハ1を保護する役割やエッチングストッパとしての役割を担う。
蒸着、スパッタリング、めっき法によって、熱酸化膜17bの全面を覆うようにメタライズ膜を形成する。メタライズ膜は、金(Au)/ニッケル(Ni)/クロム(Cr)膜を順に積層したものであり、合計膜厚は1〜2μmとなっている。このメタライズ膜の上にレジスト材などの感光性材料を載せ、のちにスペーサ用ウエハ2と接合する領域だけを残すようにパターニングを行なう。たとえば湿式エッチングなどを用いて不要なメタライズ膜およびレジスト材を除去する。
こうして、図4(a),(b)に示すように、熱酸化膜17bを部分的に覆うメタライズ膜8bを形成する。
図5(a),(b)に示すように、第2のウエハとしてのスペーサ用ウエハ2を貼り合わせる。スペーサ用ウエハ2は窓側ウエハ1同様のシリコンウエハであり、厚みは0.5mmである。スペーサ用ウエハ2の表面には予め熱酸化膜17aが形成されており、熱酸化膜17aの上を部分的に覆うようにメタライズ膜8aが形成されている。スペーサ用ウエハ2は、窓側ウエハ1のメタライズ膜8bに対して、はんだ結合、Au−Si共晶結合、ガラスフリットなどの方法を用いて貼り付けられる。
スペーサ用ウエハ2にレジストパターニングを行なう。RIE(Plasma-Reactive Ion Etching)法などのドライエッチング法を用いてスペーサ用ウエハ2の表面にある熱酸化膜17aの不要部分を除去し、レジストをマスクとしてスペーサ用ウエハ2を構成するシリコンを部分的に除去し、貫通孔14およびスリット5を形成する。このとき貫通孔14は画素領域16よりも広くなるように設ける。スリット5は貫通孔14の外側に配置される。さらにO2ガスを用いたRIE法でレジストを除去する。こうして、図6(a),(b)に示す構造を得る。窓側ウエハ1の表面にある熱酸化膜17bは貫通孔14およびスリット5の形成時にエッチングストッパとして作用する。
フッ酸薬液による処理および水洗により熱酸化膜17a,17b,17cの不要部分の除去を行なう。その結果、図7(a),(b)に示す構造となる。すなわち、熱酸化膜17a,17bはメタライズ膜8a,8bに覆われた部分にのみ残存することとなる。
スペーサ用ウエハ2は貫通孔14周囲ではシリコン部分がメタライズ膜8a,8bよりも貫通孔14の内側に向かって突出するような形状となっているため、水洗後に遠心力を利用したスピン乾燥を行なう場合には貫通孔14内に水が残ってしまうおそれがある。そのため、スピン乾燥などで乾燥処理を行なった後にホットプレートなどを用いて水分を完全に除去することが望ましい。
図8(a),(b)に示すように、マスク蒸着によって反射防止膜12a,12bを窓部12の両面に形成する。ゲッタ3をスリット5に挿入する。
この構造物を10-4Pa程度の真空雰囲気中に置き、はんだ結合によって第3のウエハとしての素子側ウエハ4と貼り合わせる。素子側ウエハ4は厚み0.5〜0.6mmのシリコンウエハであって、表面には予め画素領域16が形成されている。素子側ウエハ4は真空中で貫通孔14を塞ぐように貼り付けられる。貼り合わせた結果、図9(a),(b)に示す構造となる。内部空間80は真空状態となる。
ここまでの工程はウエハレベルで行なっているので、ウエハの面内には複数の内部空間80が構築されている。これらを図10に示すように切断する。チップサイズに切断されることによって、窓側ウエハ1は窓側基板13となり、スペーサ用ウエハ2はスペーサ24となり、素子側ウエハ4は素子側基板15となる。こうして、図1に示した真空パッケージを得ることができる。
(作用・効果)
本実施の形態では、窓側基板となるウエハに対しては凹みの形成やゲッタ固定のための加工などといった付加的な加工を何ら行なわずに、真空パッケージを製造することができる。したがって、窓部の平滑性を劣化させずに製造することができる。ほとんどの工程をウエハレベルで行なうので、真空パッケージを複数一括して生産することができ、作業効率はきわめて良いものとなる。ゲッタはスリットによって拘束されるので確実に所望の位置に保持することができ、内部空間に露出するように配置することができる。
本実施の形態では、窓側基板となるウエハに対しては凹みの形成やゲッタ固定のための加工などといった付加的な加工を何ら行なわずに、真空パッケージを製造することができる。したがって、窓部の平滑性を劣化させずに製造することができる。ほとんどの工程をウエハレベルで行なうので、真空パッケージを複数一括して生産することができ、作業効率はきわめて良いものとなる。ゲッタはスリットによって拘束されるので確実に所望の位置に保持することができ、内部空間に露出するように配置することができる。
スペーサはウエハを材料として作成しているので、スペーサとなる枠状部材を予め製作する必要もなく、ウエハ同士を貼り合わせた状態で熱酸化膜をエッチングストッパとして適切な貫通孔を形成することができる。ゲッタを配置するためのスリットは貫通孔と同時に形成することができるので、余分な工程を増やすこともない。ゲッタの配置もスリット内に挿入するだけでよいので作業が簡便である。
上述の例では、スペーサ用ウエハ2の厚みを0.5mmとしたが、これに限定されるものではない。スペーサ用ウエハは、画素領域が対向する面に接触しない範囲で、薄ければ薄い方がエッチング時間の短縮が図れるため好ましい。
上述の例では、窓側ウエハ1としては両面に熱酸化膜が付いているウエハを使用したが、これに限定されるものではなく、熱酸化膜の代わりに、CVD(化学的気相成長法)やスパッタ法で得られるシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜をウエハ表面に設けてもよい。
上述の例では、貫通孔14は四角形となっているが、画素領域16にかからない形状であれば他の形状であってもかまわない。
上述の例では、反射防止膜12aは、マスク蒸着によって限られた箇所のみに形成したが、マスク蒸着せずにウエハ全面に形成してそのまま残してもよい。
実施の形態1,2とも、ゲッタ3の材料としては、たとえばチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、セリウム(Ce)、トリウム(Th)などのうち少なくともいずれかを含む焼結材料が選択可能である。素子側ウエハから放出されるガスなどを吸着して真空パッケージの内部空間の真空度を維持できるものであれば上述のうちいずれの材料であってもよい。ただし、ゲッタ3の形状は、スリット5に収まる寸法のものである必要がある。スペーサ用ウエハ2に設けられるスリット5は、ゲッタ3自体の幅や長さよりも大きい方がゲッタ3を装着させやすいので好ましい。さらに、素子側ウエハ4を結合する際に用いるはんだを利用してゲッタ3を固定してもよい。
(実施の形態3)
(構成)
図11を参照して、本発明に基づく実施の形態3における真空パッケージについて説明する。この真空パッケージは、基本的に図1に示した実施の形態1の真空パッケージと同様の構成であるが、ゲッタ3の構造が異なっている。図4は断面図の中でゲッタ近傍を拡大表示したところである。本実施の形態では、スリット5内に配置されたゲッタ3は、ゲッタ粒子よりも細かいメッシュの金属薄膜19によって包み込まれている。この場合、スリット5の幅は、金属薄膜19の厚み分だけ広めになっている。
(構成)
図11を参照して、本発明に基づく実施の形態3における真空パッケージについて説明する。この真空パッケージは、基本的に図1に示した実施の形態1の真空パッケージと同様の構成であるが、ゲッタ3の構造が異なっている。図4は断面図の中でゲッタ近傍を拡大表示したところである。本実施の形態では、スリット5内に配置されたゲッタ3は、ゲッタ粒子よりも細かいメッシュの金属薄膜19によって包み込まれている。この場合、スリット5の幅は、金属薄膜19の厚み分だけ広めになっている。
(作用・効果)
本実施の形態では、ゲッタ3をメッシュ状の金属薄膜19で包んでからスリット5内に配置されているので、ゲッタ3が他の部材と擦れ合って摩耗して粉塵を発生するという事態を防止することができる。
本実施の形態では、ゲッタ3をメッシュ状の金属薄膜19で包んでからスリット5内に配置されているので、ゲッタ3が他の部材と擦れ合って摩耗して粉塵を発生するという事態を防止することができる。
メッシュ状の金属薄膜19の代わりに、ゲッタの吸収を妨げない繊維質の材料を用いて包むこととしてもよい。
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した効果は当然得られる。また、実施の形態2で説明した製造方法において、用いるゲッタ3を金属薄膜19によって包まれたゲッタ3に置き換えることによって、本実施の形態における真空パッケージを容易に製造することができる。
(実施の形態4)
(構成)
図12を参照して、本発明に基づく実施の形態4における真空パッケージについて説明する。この真空パッケージは、基本的に図1に示した実施の形態1の真空パッケージと同様であるが、スペーサの形状が異なっている。図12は、真空パッケージをスペーサの中心の高さで水平に切断した断面図である。この真空パッケージにおいては、スペーサ24hが貫通孔14とスリット5とを連通させる溝23hを有する。図12に示した例では、溝23hは3本設けられているが、溝は他の本数であってもよい。
(構成)
図12を参照して、本発明に基づく実施の形態4における真空パッケージについて説明する。この真空パッケージは、基本的に図1に示した実施の形態1の真空パッケージと同様であるが、スペーサの形状が異なっている。図12は、真空パッケージをスペーサの中心の高さで水平に切断した断面図である。この真空パッケージにおいては、スペーサ24hが貫通孔14とスリット5とを連通させる溝23hを有する。図12に示した例では、溝23hは3本設けられているが、溝は他の本数であってもよい。
(作用・効果)
本実施の形態では、貫通孔14とスリット5とが溝23hによって連通しているため、ゲッタ3は、貫通孔14の内部空間に対してより広い面積で露出していることになる。したがって、ゲッタ3によるガス吸収をより効率良く確実に行なわせることができる。
本実施の形態では、貫通孔14とスリット5とが溝23hによって連通しているため、ゲッタ3は、貫通孔14の内部空間に対してより広い面積で露出していることになる。したがって、ゲッタ3によるガス吸収をより効率良く確実に行なわせることができる。
なお、スペーサ24hに代えて、図13に示すようにスペーサ24iを用いてもよい。スペーサ24iでは、幅の広い1本の溝23iによって貫通孔14とスリット5とが連通している。この構造でも、ゲッタ3は、貫通孔14の内部空間に対して広い面積で露出していることになるので好ましい。
本実施の形態における真空パッケージも、実施の形態2で説明した製造方法において、スペーサに対して貫通孔およびスリットを形成する際のパターン形状を変更するだけで製造することができる。
なお、上記各実施の形態では、1つの真空パッケージ当たりゲッタが1つである例を示したが、1つの真空パッケージ当たり複数個のゲッタを配置してもよい。たとえば、四角形の各辺ごとにスリットを設けてそれぞれゲッタを配置してもよい。
なお、上記各実施の形態では、熱型の赤外線センサに関して真空パッケージおよびその製造方法について説明したが、本発明は、内部空間へのゲッタの配置や内部空間の真空状態の維持を必要とする他の機能デバイスのパッケージにも適用することができる。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 窓側ウエハ、2 スペーサ用ウエハ、3 ゲッタ、4 素子側ウエハ、5 スリット、8a,8b メタライズ膜、12 窓部、12a,12b 反射防止膜、13 窓側基板、14 貫通孔、15 素子側基板、16 画素領域、17a,17b,17c 熱酸化膜、19 金属薄膜、23h,23i 溝、24,24h,24i スペーサ、80 内部空間。
Claims (7)
- 機能デバイスが配列された素子側基板と、窓側基板とが、シリコンからなる板状のスペーサを介して互いに接合され、前記スペーサは前記機能デバイスに対応する領域に貫通孔を有し、前記スペーサと前記素子側基板と前記窓側基板とによって囲まれた内部空間は真空状態となっており、前記スペーサは、前記貫通孔の外側にスリットを有し、前記スリットの内部にはゲッタが収められている、真空パッケージ。
- 前記スペーサは、前記貫通孔と前記スリットとを連通させる溝を有する請求項1に記載の真空パッケージ。
- 前記ゲッタはメッシュ状または繊維状のものによって包まれている、請求項1または2に記載の真空パッケージ。
- 第1のウエハと第2のウエハとを互いに貼り合せる貼合せ工程と、
前記貼合せ工程の後に前記第2のウエハに貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
真空中において前記貫通孔を塞ぐように第3のウエハを貼り付ける閉鎖工程とを含む、真空パッケージの製造方法。 - 前記貼合せ工程の前に、前記第1のウエハの表面を覆うように熱酸化膜を形成する酸化膜形成工程を含み、
前記貫通孔形成工程においては、前記熱酸化膜をストッパとして利用するエッチングによって貫通孔を形成する、
請求項4に記載の真空パッケージの製造方法。 - 前記貫通孔形成工程では、前記貫通孔を形成するのと同時に前記貫通孔の外にスリットを形成し、
前記閉鎖工程の前に、前記スリットの中にゲッタを配置する工程を含む、
請求項4または5に記載の真空パッケージの製造方法。 - 前記スリットは、前記貫通孔と連通するように形成される、請求項6に記載の真空パッケージの製造方法。
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