JP2010181243A - 容量式力学量センサ装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケースに起因した異物の発生による製造不良や信頼性低下を防止できる容量式力学量センサ装置の製造方法を提供する。
【解決手段】ケース51が複数個連結されてなる多連ケース50を準備する多連ケース準備工程S1と、多連ケース50を構成しているケース51に、センサチップ41を搭載するセンサチップ搭載工程S2と、センサチップ搭載工程S2後において、多連ケース50を構成しているケース51に蓋71を接合して、ケース51内を密封状態とする蓋接合工程S4と、蓋接合工程S4後において、多連ケース50を個々のケース51に分割する多連ケース分割工程S5とを有してなる容量式力学量センサ装置90の製造方法とする。
【選択図】図1
【解決手段】ケース51が複数個連結されてなる多連ケース50を準備する多連ケース準備工程S1と、多連ケース50を構成しているケース51に、センサチップ41を搭載するセンサチップ搭載工程S2と、センサチップ搭載工程S2後において、多連ケース50を構成しているケース51に蓋71を接合して、ケース51内を密封状態とする蓋接合工程S4と、蓋接合工程S4後において、多連ケース50を個々のケース51に分割する多連ケース分割工程S5とを有してなる容量式力学量センサ装置90の製造方法とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、静電容量変化によって印加力学量を検出するセンサチップがケース内に密封状態で収容されてなる、容量式力学量センサ装置の製造方法に関する。
容量式力学量センサは、静電容量変化によって印加力学量を検出するもので、車載用および民生用の加速度センサとして現在主流となっているセンサ構造である。このような容量式力学量センサが、例えば、特開平11−326365号公報(特許文献1)と特開2004−333133号公報(特許文献2)に開示されている。
図7に、特許文献1に開示された容量式力学量センサを示す。図7(a)は、容量式力学量センサ11の平面模式図であり、図7(b)は、図7(a)中におけるA−A断面の断面模式図である。尚、図7(a)でハッチングされた部位は断面ではなく、実際は平面である。
図7に示す容量式力学量センサ11は、SOI(Silicon On Insulator)基板に半導体製造技術を利用したMEMS(Micro Electro Mechanical System)形成の加工を施して製造する。
図7(a)に示すように、可動部12は、アンカー部13と、アンカー部13に支持された矩形枠状のバネ部14と、バネ部14と連結された重錘部15と、重錘部15の両側に櫛歯形状に形成された可動電極16とから構成されている。一方、可動電極16の一方側に対向して櫛歯形状の第1の固定電極17が形成されていると共に、可動電極16の他方側に対向して第2の固定電極18が形成されている。上記可動部12及び各固定電極17,18には、重量軽減のための矩形状の貫通孔31が複数形成されている。また、SOI基板のパッド部25〜27には、可動電極16および固定電極17,18から電気信号を取出すための電極パッド28〜30が形成されている。
図7(b)に示すように、容量式力学量センサ11は、第1の半導体層19と第2の半導体層20との間に絶縁層21(支持部に相当)を有するSOI基板によって構成されており、第1の半導体層19及び絶縁層21は、可動部12及び各固定電極17,18が形成される領域において第2の半導体層20が露出するように除去されている。このようにして、容量式力学量センサ11では、可動部12の両端が絶縁層21上に支持されていると共に、各固定電極17,18が絶縁層21上に片持ち支持された形態となっている。
図8(a)は、図7と同様の容量式力学量センサがパッケージされた状態を示す図で、容量式力学量センサ装置90を部分的にカットして示した斜視図である。図8(b)は、図8(a)の容量式力学量センサ装置90におけるケース51の側面の外観図である。また、図8(c)は、図8(a)に示した容量式力学量センサ装置90の製造方法を示す工程フロー図である。
図8(a)に示す容量式力学量センサ装置90においては、図7と同様の静電容量変化によって印加力学量を検出するセンサチップ41と、センサチップ41の制御回路が形成された回路チップ42とが、図のように積層されてケース51に貼り付けられている。ケース51は、センサチップ41や回路チップ42を構成するシリコン(Si)と熱膨張係数が比較的近いセラミックからなり、ワイヤ61のボンディングのためのパッド52や蓋71のシーム溶接のための開口端部53が、部分的にメタライズされている。
図8(a)に示す容量式力学量センサ装置90は、図8(c)の製造工程で製造される。すなわち、最初に、ステップS91で、生産性を考慮して、図8(b)に示すケース51が複数個連結されてなる多連ケースを準備する。次に、ステップS92で、多連ケースを破断して、個々のケース51に分割する。尚、セラミックからなる多連ケースにおいて、分割位置となる上記ケースの連結部には、焼成前の段階で溝が形成されており、焼成後において所定の分割位置で確実に破断できるようにしている。次に、ステップS93で、分割された個々のケース51に、回路チップ42とセンサチップ41を図8(a)のように順に貼り合わせて搭載する。次に、ステップS94において、回路チップ42とセンサチップ41の間、および回路チップ42とケース51のパッド52の間で、ワイヤ61をボンディングする。最後に、ステップS95において、ケース51の開口端部53に蓋71を配置してシーム溶接し、ケース51の内部をシールする。
以上で、図8(a)に示す容量式力学量センサ装置90が製造される。
図8に示した容量式力学量センサ装置90のセンサチップ41には、対向する櫛歯形状の可動電極と固定電極が形成されており、該電極間の加工精度は、数ミクロンである。従って、製造工程内において微細な異物がセンサチップ41の電極間に付着すると製造不良となるが、一度異物が発生すると洗浄を繰り返しても除去することは困難である。従って、製造工程内における異物の発生要因は、製造される容量式力学量センサ装置の信頼性低下要因となる。
一方、図8(c)に示した容量式力学量センサ装置90の製造工程においては、ステップS91において生産性のよい多連ケースを準備し、ステップS92において該多連ケースを破断して個々のケース51に分割する。このため、図8(b)に示すように、ケース51の側面は、溝の切り込み面54a,54bと、隣接するケース51間の連結部の破断面55とで構成されている。ケース51の破断面55は、切り込み面54a,54bに較べて表面が荒れた状態にあり、微細な異物が発生する確率が高く、上記した容量式力学量センサ装置の不良要因や信頼性低下要因になっていると考えられる。
そこで本発明は、静電容量変化によって印加力学量を検出するセンサチップがケース内に密封状態で収容されてなる容量式力学量センサ装置の製造方法であって、ケースに起因した異物の発生による製造不良や信頼性低下を防止できる容量式力学量センサ装置の製造方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、静電容量変化によって印加力学量を検出するセンサチップがケース内に密封状態で収容されてなる、容量式力学量センサ装置の製造方法であって、前記ケースが複数個連結されてなる多連ケースを準備する多連ケース準備工程と、前記多連ケースを構成しているケースに、前記センサチップを搭載するセンサチップ搭載工程と、前記センサチップ搭載工程の後において、前記多連ケースを構成しているケースに蓋を接合して、ケース内を密封状態とする蓋接合工程と、前記蓋接合工程の後において、前記多連ケースを個々のケースに分割する多連ケース分割工程とを有してなることを特徴としている。
上記容量式力学量センサ装置の製造方法においても、従来の製造方法と同様に、ケースが複数個連結された生産性のよい多連ケースから製造工程をスタートする。しかしながら、上記容量式力学量センサ装置の製造方法では、最初に多連ケースを個々のケースに分割してからセンサチップを搭載する従来の製造方法と異なり、多連ケースの個々のケースへの分割をいちばん最後にする。すなわち、上記容量式力学量センサ装置の製造方法においては、多連ケースの儘でセンサチップの搭載を行い、調整や特性検査を経てケースに蓋を接合し、ケース内を密封状態とした後で分割する。従って、上記容量式力学量センサ装置の製造方法においては、表面が荒れた状態となり微細な異物の発生確率が高い分割後のケースに残る分割面は、ケースが密封された後で形成されることとなる。このため、上記分割面から微細な異物が発生しても、ケース内に入り込むことはない。このため、上記容量式力学量センサ装置の製造方法によれば、数ミクロンの加工精度で形成されたセンサチップをケース内に収容する場合であっても、従来と較べてケースの生産性を悪化させることなく、ケースに起因した異物の発生による製造不良や信頼性低下を防止することができる。
また、多連ケースの儘でセンサチップ搭載および蓋接合を行う上記容量式力学量センサ装置の製造方法では、多連ケースを構成している個々のケースの位置が決まっている。このため、後工程を行うに際しての位置決めは、多連ケースの位置決めを一度行うだけでよい。従って、製造工程における位置決めを効率化することができ、製造コストも低減することができる。
以上のようにして、上記容量式力学量センサ装置の製造方法は、静電容量変化によって印加力学量を検出するセンサチップがケース内に密封状態で収容されてなる容量式力学量センサ装置の製造方法であって、ケースに起因した異物の発生による製造不良や信頼性低下を防止できると共に、製造コストも低減できる容量式力学量センサ装置の製造方法となっている。
上記容量式力学量センサ装置において、ケースに設けられた外部接続端子とセンサチップとの電気的な接続手段は、例えばワイヤボンディングあるいはフリップチップ接続のいずれであってもよい。
ワイヤボンディングとする場合には、上記容量式力学量センサ装置の製造方法は、言うまでもなく請求項2に記載のように、前記センサチップ搭載工程の後において、前記センサチップにワイヤをボンディングするワイヤボンディング工程を有してなり、前記ワイヤボンディング工程の後において、前記蓋接合工程を実施する構成とする。
また、フリップチップ接続とする場合には、前記センサチップ搭載工程において、センサチップをケースに設けられた外部接続端子に半田接続して、センサチップをケースに搭載する。
上記容量式力学量センサ装置の製造方法は、例えば請求項3に記載のように、前記多連ケースが、セラミックからなり、前記多連ケースにおいて、ケースの連結部に溝が形成され、前記多連ケース分割工程において、前記溝の形成部分を破断して、前記多連ケースを個々のケースに分割する場合に好適である。
セラミックからなるケースは、上記センサチップや該センサチップの制御回路が形成された回路チップの材料であるシリコン(Si)と熱膨張係数が近い材料であり、センサチップや回路チップを接合したときのシリコンチップにかかる応力を低減することができる。また、多連ケースとしたときの連結部に溝を形成して薄くすることで、高強度であるにもかかわらず、容易に破断することができるようになる。一方、セラミックの破断面は、表面が非常に荒れた状態となり、微細な異物の発生確率が高いことが問題となる。しかしながら、上記容量式力学量センサ装置の製造方法によれば、シリコンチップをケース内に封入した後で破断するため、上記問題点を克服することができる。
上記容量式力学量センサ装置の製造方法においては、請求項4に記載のように、前記蓋が、前記多連ケースを構成しているケースを一括して蓋する多連蓋であり、前記多連ケース分割工程において、前記多連ケースと同時に、前記多連蓋を分割することが好ましい。これによれば、多連ケースを用いる場合と同様に蓋の生産性が上がると共に、多連蓋の分割が多連ケースと同時に行われるため、多連蓋を分割するための追加工程が必要なくなる。これによって、上記容量式力学量センサ装置の全体としての生産性を高めることができる。
この場合、請求項5に記載のように、前記多連蓋に、前記多連ケースと同時に分割するためのスリットが形成されてなることが好ましい。該スリットは、多連蓋を分割するための分割ラインとして利用することができ、スリットの形成部分は薄くなるため、分割が容易になる。例えば請求項6に記載のように、前記多連蓋を、セラミックとする場合には、前記多連ケース分割工程において、前記多連蓋における前記スリットの形成部分を容易かつ確実に破断することができる。
上記容量式力学量センサ装置の製造方法において、前記多連ケースは、例えば請求項7に記載のように、前記ケースが縦横複数の行列状に連結されてなる生産性の高いものであってよい。また、請求項8に記載のように、前記ケースが単列状に連結されてなるもので、連続的なライン加工処理に適するものであってもよい。
上記製造方法による
前記容量式力学量センサ装置は、安価で高信頼性を有した容量式力学量センサ装置とすることができるため、請求項9に記載のように、車載用で、加速度検出に用いられる場合に好適である。
前記容量式力学量センサ装置は、安価で高信頼性を有した容量式力学量センサ装置とすることができるため、請求項9に記載のように、車載用で、加速度検出に用いられる場合に好適である。
この場合、例えば請求項10に記載のように、前記多連ケースにおいて、平面内で直交するX方向とY方向の各加速度をそれぞれ検出する2個の前記センサチップが、2個の隣り合う前記ケースにそれぞれ配置されてなるように構成し、前記隣り合う2個のケースを一組のケースとして、前記多連ケースを分割することもできる。これによれば、X方向とY方向の2軸の容量式加速度センサ装置を、容易で安価に製造することができる。
本発明は、静電容量変化によって印加力学量を検出するセンサチップがケース内に密封状態で収容されてなる、容量式力学量センサ装置の製造方法に関する。以下、本発明を実施するための形態を、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の容量式力学量センサ装置の製造方法を示す工程フロー図である。また、図2(a)〜(c)と図3(a),(b)は、図1の製造方法により図8(a)の容量式力学量センサ装置90を製造する場合についての製造工程別の模式的な上面図である。図2(a)〜(c)と図3(a),(b)の各図において、図8(a)の容量式力学量センサ装置90と同様の部分については、同じ符号を付した。
図1に示す容量式力学量センサ装置の製造方法においては、最初に、多連ケース準備工程であるステップS1で、生産性を考慮して、図2(a)に示すようなケース51が複数個連結されてなる多連ケース50を準備する。尚、図2(a)の多連ケース50を構成しているケース51においては、後工程でワイヤ61のボンディングのためのパッド52や蓋71のシーム溶接のための開口端部53が、部分的にメタライズされている。多連ケース50は、セラミックからなる。多連ケース50において、ケース51の連結部には、溝54が形成されている。溝54は、セラミックの焼成前の段階で形成し、焼成後において溝54の形成部分を破断して、多連ケース50を個々のケース51に確実に分割するようにしたものである。図1のステップS1における多連ケースの準備工程は、図8(c)のステップS91における多連ケースの準備工程と同じである。
次に、図1のセンサチップ搭載工程であるステップS2で、図2(b)に示すように、多連ケース50を構成しているケース51に、回路チップ42とセンサチップ41を順に貼り合わせて搭載する。
次に、図1のワイヤボンディング工程であるステップS3で、図2(c)に示すように、回路チップ42とセンサチップ41の間、および回路チップ42とケース51のパッド52の間で、ワイヤ61をボンディングする。
次に、図1の蓋接合工程であるステップS4で、図3(a)に示すように、多連ケース50を構成しているケース51に蓋71をシーム溶接により接合して、ケース51内を密封状態とする。蓋71の材質は、多連ケース50(ケース51)と同じセラミックであることが好ましいが、樹脂、ガラス、金属等であってもよい。ケース51と蓋71の接合方法も、シーム溶接に限らず、例えば接着剤を用いるようにしてもよい。
最後に、図1の多連ケース分割工程であるステップS5で、図3(b)に示すように、多連ケース50における溝54の形成部分を破断して、多連ケース50を個々のケース51に分割する。
以上で、図8(a)に示す容量式力学量センサ装置90が製造される。
上記した図1〜3に示す容量式力学量センサ装置90の製造方法においても、図8(c)に示した従来の製造方法と同様に、ケース51が複数個連結された生産性のよい多連ケース50から製造工程をスタートする。しかしながら、図1〜3に示した容量式力学量センサ装置90の製造方法では、図8(c)に示した最初に多連ケースを個々のケースに分割してからセンサチップを搭載する従来の製造方法と異なり、多連ケース50の個々のケース51への分割をいちばん最後にする。すなわち、図1〜3に示した容量式力学量センサ装置90の製造方法においては、多連ケース50の儘で回路チップ42およびセンサチップ41の搭載とワイヤ61のボンディングを行い、調整や特性検査を経てケース51に蓋71を接合し、ケース51内を密封状態とした後で分割する。従って、図1〜3の容量式力学量センサ装置90の製造方法においては、表面が荒れた状態となり微細な異物の発生確率が高い分割後のケース51に残る分割面(図8(b)に示した破断面55)は、ケース51が密封された後で形成されることとなる。このため、上記分割面から微細な異物が発生しても、ケース51内に入り込むことはない。このため、図1〜3に示した容量式力学量センサ装置90の製造方法によれば、数ミクロンの加工精度で形成されたセンサチップ41をケース51内に収容する場合であっても、図8(c)に示した従来と較べてケースの生産性を悪化させることなく、ケース51に起因した異物の発生による製造不良や信頼性低下を防止することができる。
また、多連ケース50の儘でセンサチップ41の搭載、ワイヤ61のボンディングおよび蓋71の接合を行う図1〜3に示した容量式力学量センサ装置90の製造方法では、多連ケース50を構成している個々のケース51の位置が決まっている。このため、後工程を行うに際しての位置決めは、多連ケース50の位置決めを一度行うだけでよい。従って、製造工程における位置決めを効率化することができ、製造コストも低減することができる。
以上のようにして、図1〜3に示した容量式力学量センサ装置90の製造方法は、静電容量変化によって印加力学量を検出するセンサチップ41がケース51内に密封状態で収容されてなる容量式力学量センサ装置90の製造方法であって、ケース51に起因した異物の発生による製造不良や信頼性低下を防止できると共に、製造コストも低減できる容量式力学量センサ装置の製造方法となっている。
尚、図1〜3に示した容量式力学量センサ装置90の製造方法においては、ケース51に設けられた外部接続端子であるパッド52とセンサチップ41(および回路チップ42)の電気的な接続手段として、ワイヤボンディングが用いられていた。しかしながら、ケースに設けられた外部接続端子とセンサチップとの電気的な接続手段は、これに限らず、例えばフリップチップ接続であってもよい。フリップチップ接続とする場合には、図1のセンサチップ搭載工程であるステップS2で、センサチップ(および回路チップ)をケースに設けられた外部接続端子に半田接続して、センサチップをケースに搭載する。
また、図1〜3に示した容量式力学量センサ装置90の製造方法においては、セラミックからなる多連ケース50が用いられていた。そして、該多連ケース50において、分割位置となるケース51の連結部に溝54が形成され、図1のステップS5および図3(b)に示す多連ケース分割工程において、溝54の形成部分を破断して、多連ケース50を個々のケース51に分割していた。
セラミックからなるケース51は、センサチップ41や該センサチップ41の制御回路が形成された回路チップ42の材料であるシリコン(Si)と熱膨張係数が近い材料であり、センサチップ41や回路チップ42を接合したときのシリコンチップにかかる応力を低減することができる。また、多連ケース50としたときの連結部に溝54を形成して薄くすることで、高強度であるにもかかわらず、容易に破断することができるようになる。一方、セラミックの破断面は、表面が非常に荒れた状態となり、微細な異物の発生確率が高いことが問題となる。しかしながら、図1〜3の容量式力学量センサ装置90の製造方法によれば、シリコンチップをケース51内に封入した後で破断するため、上記問題点を克服することができる。
以上のように、多連ケース50(ケース51)の材料としては、セラミックであることが好ましい。しかしながら、上記した容量式力学量センサ装置の製造方法における多連ケースの材料は、これに限らず、例えば樹脂材料であってもよい。樹脂材料からなる多連ケースの場合には、個々のケースへの分割手段として、例えばブレードやレーザによる切断を利用する。この場合にも、上記製造方法によれば、切断面に起因した異物の発生による製造不良や信頼性低下を防止できると共に、製造コストも低減することができる。
次に、図2,3に示した容量式力学量センサ装置90の製造方法の変形例について説明する。
図4(a),(b)は、多連蓋70を利用する容量式力学量センサ装置91の製造方法を示した、製造工程別の模式的な上面図である。
図4(a),(b)は、図3(a),(b)に対応した図で、図2(a)〜(c)に示した製造工程の後で、図3に示した蓋71とは異なり、図4(a)に示す多連蓋70を図2(c)に示す多連ケース50に接合する。多連蓋70は、図4(a)に示すように、多連ケース50を構成しているケース51を一括して蓋するものである。多連蓋70には、次の図4(b)に示す分割工程において多連ケース50と同時に分割するためのスリット72が形成されている。
次の、図4(b)に示す多連ケース分割工程においては、多連ケース50と多連蓋70を同時に分割する。これによって、各容量式力学量センサ装置91が製造される。
上記のように、多連蓋70を用いる場合には、多連ケース分割工程において、多連ケース50と同時に、多連蓋70を分割することが好ましい。これによれば、多連ケース50を用いる場合と同様に蓋の生産性が上がると共に、多連蓋70の分割が多連ケース50と同時に行われるため、多連蓋70を分割するための追加工程が必要なくなる。これによって、図3に示した容量式力学量センサ装置90の製造方法に較べて、容量式力学量センサ装置91の全体としての生産性を高めることができる。
尚、多連蓋70の材質は、図3に示した蓋71と同様に、セラミックであることが好ましいが、樹脂、ガラス、金属等であってもよい。また、多連ケース50と多連蓋70の接合方法も、シーム溶接に限らず、例えば接着剤を用いるようにしてもよい。
また、図4(a)に示す多連蓋70にはスリット72が形成されていたが、セラミックからなる多連蓋70を用いる場合には、図4(b)に示す記多連ケース分割工程において、多連ケース50と同時に、多連蓋70におけるスリット72の形成部分を容易かつ確実に破断することができる。また、樹脂、ガラス、金属等からなる多連蓋70を用いる場合にも、スリット72は、該多連蓋を分割するための分割ラインとして利用することができ、スリット72の形成部分は薄くなるため、ブレードやレーザによる切断分割が容易になる。
図5は、図2,3に示した容量式力学量センサ装置90の製造方法についての別の変形例で、図3(a)の工程に対応した模式的な上面図である。
図2,3に示した容量式力学量センサ装置90の製造方法において、多連ケース50は、ケース51が縦横複数の行列状に連結されてなる生産性の高いものであった。一方、図5において用いられている多連ケース50aは、ケース51が単列状に連結されてなるもので、連続的なライン加工処理に適するものである。
上記製造方法による
容量式力学量センサ装置は、いずれも安価で高信頼性を有した容量式力学量センサ装置とすることができるため、車載用で、加速度検出に用いられる場合に好適である。
容量式力学量センサ装置は、いずれも安価で高信頼性を有した容量式力学量センサ装置とすることができるため、車載用で、加速度検出に用いられる場合に好適である。
図6は、上記車載用の加速度検出に用いられる容量式力学量センサ装置を製造する場合の例で、図6(a),(b)は、それぞれ、図2(c)と図3(a)の工程に対応した模式的な上面図である。
図6(a)に示す多連ケース50bにおいては、平面内で直交するX方向とY方向の各加速度をそれぞれ検出する2個のセンサチップ41x、41yが、2個の隣り合うケース51にそれぞれ配置されてなるように構成されている。そして、図6(b)に示す工程では、2個の隣り合うケース51に架かる蓋73を接合して、センサチップ41x、41yがそれぞれ配置された2個のケース51を、一組のケースとなるようにしている。この図6(b)に示す多連ケース50bを、次工程において蓋73が架かっていない溝54の形成部分で分割することにより、X方向とY方向の2軸の容量式加速度センサ装置を、容易で安価に製造することができる。
以上のようにして、上記した容量式力学量センサ装置の製造方法は、静電容量変化によって印加力学量を検出するセンサチップがケース内に密封状態で収容されてなる容量式力学量センサ装置の製造方法であって、ケースに起因した異物の発生による製造不良や信頼性低下を防止できる容量式力学量センサ装置の製造方法となっている。
90,91 容量式力学量センサ装置
41,41x、41y センサチップ
42 回路チップ
50,50a,50b 多連ケース
51 ケース
54 溝
61 ワイヤ
70 多連蓋
71,73 蓋
72 スリット
41,41x、41y センサチップ
42 回路チップ
50,50a,50b 多連ケース
51 ケース
54 溝
61 ワイヤ
70 多連蓋
71,73 蓋
72 スリット
Claims (10)
- 静電容量変化によって印加力学量を検出するセンサチップがケース内に密封状態で収容されてなる、容量式力学量センサ装置の製造方法であって、
前記ケースが複数個連結されてなる多連ケースを準備する多連ケース準備工程と、
前記多連ケースを構成しているケースに、前記センサチップを搭載するセンサチップ搭載工程と、
前記センサチップ搭載工程の後において、前記多連ケースを構成しているケースに蓋を接合して、ケース内を密封状態とする蓋接合工程と、
前記蓋接合工程の後において、前記多連ケースを個々のケースに分割する多連ケース分割工程とを有してなることを特徴とする容量式力学量センサ装置の製造方法。 - 前記センサチップ搭載工程の後において、前記センサチップにワイヤをボンディングするワイヤボンディング工程を有してなり、
前記ワイヤボンディング工程の後において、前記蓋接合工程を実施することを特徴とする請求項1に記載の容量式力学量センサ装置の製造方法。 - 前記多連ケースが、セラミックからなり、
前記多連ケースにおいて、ケースの連結部に溝が形成され、
前記多連ケース分割工程において、
前記溝の形成部分を破断して、前記多連ケースを個々のケースに分割することを特徴とする請求項1または2に記載の容量式力学量センサ装置の製造方法。 - 前記蓋が、前記多連ケースを構成しているケースを一括して蓋する多連蓋であり、
前記多連ケース分割工程において、
前記多連ケースと同時に、前記多連蓋を分割することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の容量式力学量センサ装置の製造方法。 - 前記多連蓋に、前記多連ケースと同時に分割するためのスリットが形成されてなることを特徴とする請求項4に記載の容量式力学量センサ装置の製造方法。
- 前記多連蓋が、セラミックからなり、
前記多連ケース分割工程において、前記多連蓋における前記スリットの形成部分を破断することを特徴とする請求項5に記載の容量式力学量センサ装置の製造方法。 - 前記多連ケースは、前記ケースが行列状に連結されてなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の容量式力学量センサ装置の製造方法。
- 前記多連ケースは、前記ケースが単列状に連結されてなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の容量式力学量センサ装置の製造方法。
- 前記容量式力学量センサ装置が、車載用で、加速度検出に用いられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の容量式力学量センサ装置の製造方法。
- 前記多連ケースにおいて、平面内で直交するX方向とY方向の各加速度をそれぞれ検出する2個の前記センサチップが、2個の隣り合う前記ケースにそれぞれ配置されてなり、
前記隣り合う2個のケースを一組のケースとして、前記多連ケースを分割することを特徴とする請求項9に記載の容量式力学量センサ装置の製造方法。
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2009
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