JP2005240572A - 内燃機関用スロットル装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スロットルバルブ4の外周端部25を熱で変形(軟化)させてスロットルバルブ4の外周端部形状をスロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面形状に倣わせることのできる内燃機関用スロットル装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 スロットルバルブ4の外周端部25を、スロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料、外周端部25以外の残りの部分である略円板形状の中心側部26および略円筒形状の樹脂シャフト6を成形する第2樹脂材料よりも熱変形性の良い第1樹脂材料で成形することで、スロットルバルブ4の外周端部形状を、スロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面形状に倣わせる際に、スロットルバルブ4の外周端部25の外周面とスロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面との溶着を防止できると共に、スロットルバルブ4の外周端部25以外の残りの部分への熱の拡散を防止できる。
【選択図】 図2
【解決手段】 スロットルバルブ4の外周端部25を、スロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料、外周端部25以外の残りの部分である略円板形状の中心側部26および略円筒形状の樹脂シャフト6を成形する第2樹脂材料よりも熱変形性の良い第1樹脂材料で成形することで、スロットルバルブ4の外周端部形状を、スロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面形状に倣わせる際に、スロットルバルブ4の外周端部25の外周面とスロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面との溶着を防止できると共に、スロットルバルブ4の外周端部25以外の残りの部分への熱の拡散を防止できる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、内燃機関の気筒に連通する略円管状のボアを有するスロットルボデーと、前記ボア内を流れる吸入空気量を調節するスロットルバルブとを共に樹脂化した内燃機関用スロットル装置の製造方法に関するもので、特に内燃機関用スロットル装置に組み込まれるスロットルバルブの製造方法に係わる。
[従来の技術]
従来より、内燃機関の気筒に連通する略円管状のボアを有するスロットルボデーと、前記ボア内を流れる吸入空気量を調節するスロットルバルブとを共に、樹脂材料を母材(マトリックス)とする複合材料を用いて射出成形した場合には、樹脂成形後の収縮に伴う変形(成形歪み)を生じる。この成形歪みが生じると、金属材料を用いて形成されたスロットルボデーのボア内周およびスロットルバルブの外周と比較すると、樹脂材料により成形されたスロットルボデーのボア内周およびスロットルバルブの外周の方が真円度が劣る。このように、真円度が低下すると、スロットルボデーのボア内壁面とスロットルバルブの外周端部との間の隙間が大きくなり、スロットルバルブが全閉状態となるアイドル運転時の空気の漏れ量が増大し、エンジンのアイドル回転速度が高くなり、燃費の悪化を招くという問題が生じている。
従来より、内燃機関の気筒に連通する略円管状のボアを有するスロットルボデーと、前記ボア内を流れる吸入空気量を調節するスロットルバルブとを共に、樹脂材料を母材(マトリックス)とする複合材料を用いて射出成形した場合には、樹脂成形後の収縮に伴う変形(成形歪み)を生じる。この成形歪みが生じると、金属材料を用いて形成されたスロットルボデーのボア内周およびスロットルバルブの外周と比較すると、樹脂材料により成形されたスロットルボデーのボア内周およびスロットルバルブの外周の方が真円度が劣る。このように、真円度が低下すると、スロットルボデーのボア内壁面とスロットルバルブの外周端部との間の隙間が大きくなり、スロットルバルブが全閉状態となるアイドル運転時の空気の漏れ量が増大し、エンジンのアイドル回転速度が高くなり、燃費の悪化を招くという問題が生じている。
そこで、上記の問題を解消する目的で、スロットルバルブをスロットルボデーのボア内に組み付けた後に、スロットルバルブを全閉することによって、スロットルバルブの外周端部に取り付けられたシール部材を、ボア内壁面に接触させて形付ける工程において、シール部材に熱を加えてシール部材の形状をボア内壁面形状に倣わせるようにした絞り弁組立体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、スロットルボデーは、ポリアミド樹脂(PA)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等の樹脂材料を成形型内に射出して樹脂成形されている。また、スロットルバルブは、例えば4フッ化エチレン樹脂(PTFE)等の樹脂材料を成形型内に射出して樹脂成形されている。さらに、スロットルバルブの外周端部に取り付けられるシール部材は、スロットルボデーのボア壁面よりも柔らかい塑性変形材料で形成されている。その塑性変形材料としては、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリアミド樹脂(PA)、鉛、錫が挙げられている。
また、スロットルバルブの外周端部をスロットルボデーのボア内壁面に圧接しながら、振動加熱またはレーザ加熱等の加熱手段を用いて、スロットルバルブの外周端部を熱変形させるようにした内燃機関用吸気絞り装置の製造方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。ここで、スロットルボデーは、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等の樹脂材料にガラス強化材で強度強化した複合材料を成形型内に射出して樹脂成形されている。また、スロットルバルブは、ポリアミド樹脂(PA)等の樹脂材料にガラス強化材で強度強化した複合材料を成形型内に射出して樹脂成形されている。
[従来の技術の不具合]
ところが、本発明が対象とする内燃機関用スロットル装置(製品)は、自然吸気式エンジンの場合、スロットルバルブよりも吸気下流側に生じる負圧(大気圧よりも低い吸気管負圧)がスロットルバルブに加わったり、過給機付きエンジンの場合、スロットルバルブよりも吸気上流側に生じる正圧(大気圧よりも高い過給圧)がスロットルバルブに加わったり、エンジンの気筒内で正規の燃焼以外に燃える現象(バックファイヤー)を要因とする圧力変動がスロットルバルブに加わったりする。このため、スロットルボデーのボアよりもスロットルバルブに大きな応力が加わる可能性が有るので、スロットルバルブの材質としては、なるべく硬い、且つ強度のある材料が求められる。例えば樹脂材料の場合、ガラス繊維(ガラスファイバー)、ガラスビーズ、ガラスレイク、ミネラル、CaCO3 分を混合させて強度を向上させる必要がある。
ところが、本発明が対象とする内燃機関用スロットル装置(製品)は、自然吸気式エンジンの場合、スロットルバルブよりも吸気下流側に生じる負圧(大気圧よりも低い吸気管負圧)がスロットルバルブに加わったり、過給機付きエンジンの場合、スロットルバルブよりも吸気上流側に生じる正圧(大気圧よりも高い過給圧)がスロットルバルブに加わったり、エンジンの気筒内で正規の燃焼以外に燃える現象(バックファイヤー)を要因とする圧力変動がスロットルバルブに加わったりする。このため、スロットルボデーのボアよりもスロットルバルブに大きな応力が加わる可能性が有るので、スロットルバルブの材質としては、なるべく硬い、且つ強度のある材料が求められる。例えば樹脂材料の場合、ガラス繊維(ガラスファイバー)、ガラスビーズ、ガラスレイク、ミネラル、CaCO3 分を混合させて強度を向上させる必要がある。
しかしながら、ガラス繊維等を混合させることで、室温または常温では変形させ難くなり、必然的に熱をかけざるを得なくなるが、熱伝導性が悪いため、スロットルバルブの外周端部に均一に熱を与えて変形させて、スロットルバルブの外周端部形状をスロットルボデーのボア内壁面形状に倣わせることは極めて困難である。
したがって、特許文献1に記載の絞り弁組立体の製造方法によってスロットルバルブの外周端部形状をスロットルボデーのボア内壁面形状に倣わせることの実現性は、極めて低いと言える。
したがって、特許文献1に記載の絞り弁組立体の製造方法によってスロットルバルブの外周端部形状をスロットルボデーのボア内壁面形状に倣わせることの実現性は、極めて低いと言える。
また、通常の樹脂材料では、前述したように、熱がスロットルバルブ内部まで伝わらないため、スロットルバルブの外周端部を均一に変形させることは難しい。さらに、特許文献2に記載の内燃機関用吸気絞り装置の製造方法のように、スロットルバルブの外周端部をスロットルボデーのボア内壁面に圧接しながら振動加熱させると、スロットルボデーのボアにも振動が伝わり、ボアも変形してしまう可能性がある。また、最悪の場合には、スロットルバルブの外周端部とスロットルボデーのボア内壁面とが溶着してしまう可能性もある。これは、レーザ加熱でスロットルバルブの外周端部を熱変形させても起きる可能性がある。
したがって、樹脂成形されたスロットルバルブの外周端部を熱で変形させて、スロットルバルブの外周端部形状をボア内径面形状に倣わせる場合、スロットルバルブの外周端部を均一に軟化させ、スロットルボデーのボアに悪影響(溶着、変形)を及ぼさないようにしなければならない。しかしながら、樹脂材料は、熱伝導性が悪いため、スロットルバルブの外周端部を均一に軟化させ難い。また、スロットルバルブの材質が、スロットルボデーのボアと全く同じ樹脂材料の場合、スロットルバルブの外周端部を熱変形させると、スロットルバルブの外周端部とスロットルボデーのボア内壁面とが溶着してしまう可能性がある。
特開平11−101137号公報(第1−9頁、図1−図18)
特開2001−248463号公報(第1−4頁、図1−図3)
本発明の目的は、内燃機関の気筒に連通する略円管状のボアを有するスロットルボデーと、前記ボア内を流れる吸入空気量を調節するスロットルバルブとを共に樹脂化した内燃機関用スロットル装置において、スロットルバルブの外周端部を熱で変形(軟化)させてスロットルバルブの外周端部形状をスロットルボデーのボア内壁面形状に倣わせることのできる内燃機関用スロットル装置の製造方法、およびこの製造方法により製造された内燃機関用スロットル装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料を成形型内に射出してスロットルバルブを樹脂成形する。これによって、スロットルバルブの熱伝導が、スロットルボデーのボアよりも良好となる。そして、バルブ射出成形工程を実施した後に、スロットルバルブの外周端部をスロットルボデーのボア内壁面に押し付けながら、少なくともスロットルバルブの外周端部のみを軟化させることが可能なバルブ加熱手段を用いて、スロットルバルブを加熱する。これによって、スロットルボデーのボア内壁面に悪影響(溶着、変形)を及ぼさないように、スロットルバルブを均一に軟化させることが可能となるので、スロットルバルブの外周端部形状をスロットルボデーのボア内壁面形状に倣わせることができる。
したがって、スロットルボデーとスロットルバルブとを樹脂成形した後に成形収縮に伴う変形(成形歪み)が生じ、スロットルボデーのボア内壁面とスロットルバルブの外周端部との間に設計寸法(許容範囲)以上の隙間が形成された場合でも、スロットルバルブの外周端部形状をスロットルボデーのボア内壁面形状に倣わせることで、スロットルボデーのボア内壁面とスロットルバルブの外周端部との間の隙間が必要最小限の隙間、つまりスロットルボデーのボア内をスロットルバルブが回転可能な隙間となる。よって、スロットルバルブが全閉状態となるアイドル運転時の空気の漏れ量が減少し、エンジンのアイドル回転速度が適正値となり、燃費を向上できるという効果を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料として、樹脂材料よりなる母材(マトリックス)に、スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱伝導性の良い添加材または充填材を添加または混合した樹脂系の複合材料、もしくはスロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形を妨げる充填材を減少させた樹脂系の複合材料を用いても良い。この場合には、スロットルバルブの内部からスロットルバルブの外周端部に熱を伝えて、スロットルバルブの外周端部を熱変形(軟化)させることが可能なバルブ加熱手段を使用できる。
請求項3に記載の発明によれば、スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料を、スロットルバルブの外周端部のみに用いても良い。この場合には、スロットルバルブの外周端部に熱を伝えて、スロットルバルブの外周端部を熱変形(軟化)させることが可能なバルブ加熱手段を使用できる。また、スロットルバルブの外周端部形状をスロットルボデーのボア内壁面形状に倣わせる時に、スロットルボデーのボア内壁面とスロットルバルブの外周端部との溶着を防止できる。さらに、軟化させる必要のないスロットルバルブの外周端部以外の残りの部分(中心側部)への熱の拡散を防止できる。
請求項4に記載の発明によれば、スロットルバルブの略円板状の樹脂ディスクを、スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料である第1樹脂材料を用いて射出成形される略環状の外周端部、およびこの外周端部の内周側に設けられて、第1樹脂材料よりも熱変形性の悪い樹脂材料である第2樹脂材料を用いて射出成形される中心側部によって構成しても良い。
請求項5に記載の発明によれば、第1樹脂材料を1次成形型内に射出してスロットルバルブの外周端部を成形する1次成形工程と、スロットルバルブの外周端部を2次成形型にセットし、第2樹脂材料を2次成形型内に射出してスロットルバルブの中心側部を成形する2次成形工程とによってスロットルバルブを射出成形しても良い。この場合には、スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い第1樹脂材料を、スロットルバルブの外周端部のみに容易に射出成形できる。
請求項6に記載の発明によれば、第2樹脂材料を1次成形型内に射出してスロットルバルブの中心側部を成形する1次成形工程と、スロットルバルブの中心側部を2次成形型にセットし、第1樹脂材料を前記2次成形型内に射出してスロットルバルブの外周端部を成形する2次成形工程とによってスロットルバルブを射出成形しても良い。この場合には、スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い第1樹脂材料を、スロットルバルブの外周端部のみに容易に射出成形できる。
請求項7に記載の発明によれば、第1樹脂材料と第2樹脂材料とを、1つの成形型内にほぼ同時に射出してスロットルバルブの外周端部および中心側部を成形する同時成形工程によってスロットルバルブを射出成形しても良い。この場合には、スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い第1樹脂材料を、スロットルバルブの外周端部のみに容易に射出成形できる。
請求項8に記載の発明によれば、バルブ加熱手段として高周波またはマイクロ波または電磁誘導加熱のうちのいずれか1つ以上を用いることにより、スロットルバルブの内部からスロットルバルブの外周端部に熱を伝えて、スロットルバルブの外周端部を熱変形(軟化)させることが可能となる。これによって、スロットルボデーのボア内壁面に悪影響(溶着、変形)を及ぼさないように、スロットルバルブの外周端部を均一に軟化させることが可能となる。
請求項9に記載の発明によれば、スロットルボデーとスロットルバルブとを樹脂成形した後に成形収縮に伴う変形(成形歪み)が生じた場合でも、スロットルボデーのボア内壁面に悪影響(溶着、変形)を及ぼさないように、スロットルバルブの外周端部を均一に軟化させることが可能となるので、スロットルバルブの外周端部形状をスロットルボデーのボア内壁面形状に倣わせることができる。これによって、スロットルボデーのボア内壁面とスロットルバルブの外周端部との間の隙間が必要最小限の隙間、つまりスロットルボデーのボア内をスロットルバルブが回転可能な隙間となる。よって、スロットルバルブが全閉状態となるアイドル運転時の空気の漏れ量が減少し、エンジンのアイドル回転速度が適正値となり、燃費を向上できるという効果を得ることができる。
請求項10に記載の発明によれば、スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料として、樹脂材料よりなる母材(マトリックス)に、スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱伝導性の良い添加材または充填材を添加または混合した樹脂系の複合材料、もしくはスロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも充填材を減少させた樹脂系の複合材料を用いても良い。この場合には、スロットルバルブの内部からスロットルバルブの外周端部に熱を伝えて、スロットルバルブの外周端部を熱変形(軟化)させることが可能なバルブ加熱手段を使用できる。
本発明を実施するための最良の形態は、スロットルバルブの外周端部を熱で変形(軟化)させてスロットルバルブの外周端部形状をスロットルボデーのボア内壁面形状に倣わせるという目的を、スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料(例えば樹脂材料よりなる母材に、スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料として、スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱伝導性の良い添加材または充填材を添加または混合した樹脂系の複合材料、もしくはスロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形を妨げる充填材を減少させた樹脂系の複合材料)を成形型内に射出してスロットルバルブを樹脂成形した後に、スロットルバルブの外周端部をスロットルボデーのボア内壁面に押し付けながら、高周波またはマイクロ波または電磁誘導加熱のうちのいずれか1つ以上のバルブ加熱手段を用いて、スロットルバルブの内部からスロットルバルブの外周端部に熱を伝えて、スロットルバルブの外周端部を熱変形(軟化)させることで実現した。
[実施例1の構成]
図1ないし図5は本発明の実施例1を示したもので、図1(a)および図1(b)は内燃機関用スロットル装置の主要構造を示した図で、図2(a)は内燃機関用スロットル装置の主要構造を示した図で、図2(b)はスロットルバルブを示した図である。
図1ないし図5は本発明の実施例1を示したもので、図1(a)および図1(b)は内燃機関用スロットル装置の主要構造を示した図で、図2(a)は内燃機関用スロットル装置の主要構造を示した図で、図2(b)はスロットルバルブを示した図である。
本実施例の内燃機関用スロットル装置は、例えばガソリンエンジン等の内燃機関(以下エンジンと言う)の各気筒(シリンダ)に連通するスロットルボデー1と、このスロットルボデー1の円管状ボア壁部2の吸気通路3内をエンジンの各気筒に向けて流れる吸入空気の流量を調節するスロットルバルブ4と、このスロットルバルブ4を開弁方向(または閉弁方向)に回転駆動するバルブ駆動手段としての動力ユニット(図示せず)と、運転者(ドライバー)のアクセル操作量に応じてスロットルバルブ4の弁開度(スロットル開度)を制御するエンジン制御装置(エンジン制御ユニット:以下ECUと呼ぶ)とを備えている。
なお、本実施例の動力ユニットは、動力源である駆動モータ(図示せず)と、駆動モータの回転速度を所定の減速比となるように減速するもので、歯車減速機構とを含んで構成されている。ここで、ECUには、ドライバーによるアクセル操作量(アクセルペダルの踏み込み量)を電気信号(アクセル開度信号)に変換し、ECUへどれだけアクセルペダルが踏み込まれているかを出力するアクセル開度センサ(図示せず)が接続されている。また、内燃機関用スロットル装置は、スロットルバルブ4の弁開度(回転角度)を電気信号(スロットル開度信号)に変換し、ECUへどれだけスロットルバルブ4が開かれているかを出力する回転角度センサ(スロットルポジションセンサ:図示せず)を有している。そして、ECUは、回転角度センサより出力されるスロットル開度信号とアクセル開度センサより出力されるアクセル開度信号との偏差がなくなるように駆動モータへの制御信号をフィードバック制御している。
ここで、回転角度センサは、後記する金属シャフト7の一端部または他端部に取り付けられる磁界発生源である分割型の永久磁石(マグネット)およびこのマグネットによって磁化される分割型のヨークの内周面に対向して配置されて、マグネットの磁力を受けて、スロットルバルブ4の回転角度を検出する非接触式の検出素子(例えばホール素子、ホールIC、磁気抵抗素子等)によって構成されている。なお、回転角度センサは、スロットルボデー1の外壁部に組み付けられるセンサカバー(図示せず)に一体的に配置されている。また、マグネットおよびヨークは、歯車減速機構の構成要素の1つであるバルブギヤ8の内周面に接着剤を用いて固定されている。
ここで、歯車減速機構は、駆動モータのモータシャフトに固定されたピニオンギヤ(図示せず)と、このピニオンギヤと噛み合って回転する中間減速ギヤ(図示せず)と、この中間減速ギヤと噛み合って回転するバルブギヤ8とによって構成され、駆動モータの回転動力を金属シャフト7に伝達する動力伝達機構として利用されている。バルブギヤ8は、例えば樹脂材料によって所定の略円環形状に一体的に形成されており、そのバルブギヤ8の外周面には、中間減速ギヤと噛み合うギヤ部(歯状部)11が一体的に形成されている。
また、バルブギヤ8の外周部には、スロットルバルブ4が全閉位置まで閉じた際に、全閉ストッパに係止される全閉ストッパ部(図示せず)が一体的に形成されている。なお、バルブギヤ8の外周部に、スロットルバルブ4が全開位置まで閉じた際に、全開ストッパに係止される全開ストッパ部を一体的に形成しても良い。また、全閉ストッパ部または全開ストッパ部のいずれか一方または両方を、スロットルバルブ4または金属シャフト7に直接設けても良い。この場合には、スロットルボデー1のボア壁部2のボア内径側に、全閉ストッパまたは全開ストッパのいずれか一方または両方が設けられることになる。
また、バルブギヤ8のボア壁部側面(ボデー側面)から図示左方向に向かって突出するように一体的に形成された円筒状部12内には、スロットルバルブ4を閉弁方向に付勢するバルブ付勢手段としてのリターンスプリング9が装着されている。リターンスプリング9は、金属シャフト7の外周側に装着されたコイルスプリングよりなる。このリターンスプリング9の一端部は、スロットルボデー1のボア壁部2の外壁面、つまりギヤボックス部(図示せず)の底壁面に設けられたボデー側フック(図示せず)に保持され、また、リターンスプリング9の他端部は、バルブギヤ8のボア壁部側面(ボデー側面)に設けられたギヤ側フック(図示せず)に保持されている。
本実施例のスロットルボデー1は、内部にスロットルバルブ4を開閉自在に収容すると共に、エンジンの各気筒内に吸入される吸入空気が中心軸線方向に流れる円管状のボア壁部2を有し、且つこのボア壁部2内にエンジンに向かう吸入空気(エア)が流れる円形状の吸気通路3を形成するスロットルハウジングであって、ボア壁部2の吸気通路3内にスロットルバルブ4を全閉位置から全開位置に至るまで回動方向に回転自在に保持する装置であり、エンジンのインテークマニホールドに固定用ボルトまたは締結用ネジ等の締結具(図示せず)を用いて締め付け固定されている。なお、本実施例では、エアクリーナで濾過された吸入空気が、吸気管を経て図示上方側からスロットルボデー1のボア壁部2の吸気通路3内に流入し、スロットルボデー1の図示下方側に接続されるインテークマニホールドを経てエンジンの各気筒に吸入されるように構成されている。
ここで、本実施例のスロットルボデー1のボア壁部2は、例えば熱可塑性樹脂等の樹脂材料(耐熱性樹脂:例えばポリフェニレンサルファイド:PPS、またはポリブチレンテレフタレート:PBT、またはポリアミド樹脂:PA、またはポリプロピレン:PP、またはポリエーテルイミド:PEI等)を樹脂成形金型内に射出することによって略円管形状となるように一体的に形成されている。なお、ボア壁部2は、吸入空気の流れ方向(図示上端側から図示下端側に向かう方向)に渡って略同一の内径および外径となるように樹脂成形されている。
また、スロットルボデー1のボア壁部2には、金属シャフト7の両端部の第1、第2軸受摺動部を回転自在に支持する第1、第2バルブ軸受部21、22が樹脂成形によって一体的に形成されている。これらの第1、第2バルブ軸受部21、22には、丸穴形状の第1、第2シャフト貫通孔23、24が設けられている。本実施例では、第1、第2バルブ軸受部21、22の外壁面を、スロットルボデー1のボア壁部2の外壁面と同一平面上となるように設けているが、第1、第2バルブ軸受部21、22の外壁面が、スロットルボデー1のボア壁部2の外壁面よりも軸方向の両端側(外方側)に突出するように設けても良い。この場合には、第1、第2バルブ軸受部21、22は、略円筒状に形成される。
また、スロットルボデー1のボア壁部2の外壁面には、歯車減速機構の各減速ギヤを回転自在に収容するためのギヤボックス部(図示せず)、および内部に駆動モータを収容固定するためのモータハウジング部(図示せず)等が樹脂成形によって一体的に形成(樹脂一体成形)されている。ギヤボックス部には、スロットルバルブ4の全閉方向の回転動作を、スロットルバルブ4の全閉位置にて規制するための全閉ストッパ(図示せず)が樹脂成形で一体的に形成されている。なお、ギヤボックス部に、スロットルバルブ4の全開方向の回転動作を、スロットルバルブ4の全開位置にて規制するための全開ストッパを樹脂成形で一体的に形成しても良い。
本実施例のスロットルバルブ4は、スロットルボデー1のボア壁部2の中心軸線方向に対して略直交する方向に回転中心軸線を有する略円板形状のバタフライ型の回転弁で、全閉位置から全開位置まで回転角度が変更されることで、エンジンの各気筒内に吸入される吸入空気量を制御する。このスロットルバルブ4は、略円板形状の樹脂ディスク(板状部)5、略円筒形状の樹脂シャフト(円筒状部、軸状部)6、および中軸丸棒状のスロットルシャフト(金属シャフト、回転軸)7等によって構成されている。また、樹脂ディスク5は、この樹脂ディスク5の外周側に設けられる略円環形状の外周端部25、およびこの外周端部25よりも樹脂ディスク5の中央側に設けられる略円板形状の中心側部26によって構成されている。
スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25は、例えば熱可塑性樹脂等の第1樹脂材料(スロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料)を樹脂成形金型内に射出することによって略円環状となるように一体的に形成されている。ここで、第1樹脂材料は、樹脂材料(耐熱性樹脂:例えばポリフェニレンサルファイド:PPS、またはポリブチレンテレフタレート:PBT、またはポリアミド:PA、またはポリエーテルイミド:PEI等)よりなる母材(マトリックス)に、スロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料よりも熱伝導性の良い添加材または充填材(金属、カーボン等)を添加または混合した樹脂系の複合材料(充填材としての金属、カーボン等は、粉末状またはファイバー状(繊維状)等製品特性に影響がなければどのような形態でも良い)、もしくは熱変形を妨げる充填材を減少させた樹脂系の複合材料である。また、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の中心側部26および樹脂シャフト6は、例えば熱可塑性樹脂等の第2樹脂材料(耐熱性樹脂:例えばポリフェニレンサルファイド:PPS、またはポリブチレンテレフタレート:PBT、またはポリアミド樹脂:PA、またはポリプロピレン:PP、またはポリエーテルイミド:PEI等)を樹脂成形金型内に射出することによって所定の形状となるように一体的に形成されている。
そして、樹脂ディスク5のうちの半分の第1半円状部は、スロットルバルブ4のバルブ全開時に、スロットルボデー1のボア壁部2の中心軸線方向の一端側(例えば吸気通路3内を流れる吸入空気の流れ方向の上流側)に位置するように、樹脂シャフト6の回転中心軸線方向に対して略直交する半径方向の一端側に設けられている。また、樹脂ディスク5のうちの残りの第2半円状部は、スロットルバルブ4のバルブ全開時に、スロットルボデー1のボア壁部2の中心軸線方向の他端側(例えば吸気通路3内を流れる吸入空気の流れ方向の下流側)に位置するように、樹脂シャフト6の回転中心軸線方向に対して略直交する半径方向の他端側に設けられている。そして、樹脂ディスク5の片端面(例えば吸気通路3内を流れる吸入空気の流れ方向の上流側面)または両端面には、樹脂ディスク5を補強するための補強用リブ(図示せず)が樹脂成形で一体的に形成(樹脂一体成形)されている。また、樹脂シャフト6は、金属シャフト7のバルブ保持部の外周に樹脂成形で一体的に形成されている。これにより、スロットルバルブ4と金属シャフト7とが一体化されて一体的に回転することが可能となる。
本実施例の金属シャフト7は、例えば真鍮、ステンレス鋼等の金属材料によって中軸丸棒状に形成されたスロットルシャフトであって、スロットルボデー1のボア壁部2の第1、第2シャフト貫通孔23、24を貫通して第1、第2バルブ軸受部21、22に回転自在に軸支されている。この金属シャフト7は、スロットルボデー1のボア壁部2の吸気通路3内を流れる吸入空気の流れ方向に略直交する方向、つまりスロットルボデー1のボア壁部2の中心軸線方向に対して略直交する方向に回転中心軸線方向(軸方向)が設定されている。そして、金属シャフト7の軸方向の中央部寄りに設けられる最小径部は、スロットルバルブ4を保持固定するバルブ保持部として機能し、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5および樹脂シャフト6を補強すると共に、樹脂シャフト6内部にインサート成形されている。そして、金属シャフト7の回転中心軸線方向(軸方向)の一端側に設けられる最大径部は、スロットルバルブ4の樹脂シャフト6の一端側の環状端面より露出(突出)して、スロットルボデー1のボア壁部2の第1バルブ軸受部21に回転自在に摺動する第1軸受摺動部として機能している。また、金属シャフト7の回転中心軸線方向(軸方向)の他端側に設けられる最大径部は、スロットルボデー1のボア壁部2の第2バルブ軸受部22に回転自在に摺動する第2軸受摺動部として機能する。
なお、金属シャフト7の第1軸受摺動部の外周面とスロットルボデー1のボア壁部2の第1シャフト貫通孔23の内周面との間には、金属シャフト7を第1バルブ軸受部21内で回転自在に摺動させるために、10〜20μm程度の環状隙間が形成されている。また、金属シャフト7の第2軸受摺動部の外周面とスロットルボデー1のボア壁部2の第2シャフト貫通孔24の内周面との間には、金属シャフト7を第2バルブ軸受部22内で回転自在に摺動させるために、10〜20μm程度の環状隙間が形成されている。そして、金属シャフト7の図示右端部(他端部)には、歯車減速機構の構成要素の1つであるバルブギヤ8がかしめ等の固定手段を用いて組み付けられている。
[実施例1の製造方法]
次に、本実施例の内燃機関用スロットル装置の射出成形方法を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。ここで、図3はスロットルボデー成形用の樹脂成形金型(射出成形用金型)の概略構造を示した図で、図4はスロットルバルブ成形用の樹脂成形金型(射出成形用金型、1次成形型)の概略構造を示した図で、図5はスロットルバルブ成形用の樹脂成形金型(射出成形用金型、2次成形型)の概略構造を示した図である。
次に、本実施例の内燃機関用スロットル装置の射出成形方法を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。ここで、図3はスロットルボデー成形用の樹脂成形金型(射出成形用金型)の概略構造を示した図で、図4はスロットルバルブ成形用の樹脂成形金型(射出成形用金型、1次成形型)の概略構造を示した図で、図5はスロットルバルブ成形用の樹脂成形金型(射出成形用金型、2次成形型)の概略構造を示した図である。
先ず、本発明の実施例1のボデー射出成形工程を説明する。
このボデー射出成形工程で使用するスロットルボデー成形用の樹脂成形金型(射出成形用金型)は、例えば図3に示したように、主に固定金型31とこの固定金型31に対して図示上下方向に進退(接近・離間、接離)自在に移動可能な可動金型32とで構成されている。なお、固定金型31は、例えばスロットルボデー1のボア壁部2のボア内径と外径寸法が略一致した略円柱形状の固定型入れ子33を有している。また、固定金型31および固定型入れ子33の図示上端面(型割り面、パーティングライン)は、スロットルボデー1のボア壁部2の第1、第2シャフト貫通孔23、24の中心軸線上に位置している。また、可動金型32は、例えばスロットルボデー1のボア壁部2のボア内径と外径寸法が略一致した略円柱形状の可動型入れ子34を有している。また、可動金型32および可動型入れ子34の図示下端面(型割り面、パーティングライン)は、スロットルボデー1のボア壁部2の第1、第2シャフト貫通孔23、24の中心軸線上に位置している。
このボデー射出成形工程で使用するスロットルボデー成形用の樹脂成形金型(射出成形用金型)は、例えば図3に示したように、主に固定金型31とこの固定金型31に対して図示上下方向に進退(接近・離間、接離)自在に移動可能な可動金型32とで構成されている。なお、固定金型31は、例えばスロットルボデー1のボア壁部2のボア内径と外径寸法が略一致した略円柱形状の固定型入れ子33を有している。また、固定金型31および固定型入れ子33の図示上端面(型割り面、パーティングライン)は、スロットルボデー1のボア壁部2の第1、第2シャフト貫通孔23、24の中心軸線上に位置している。また、可動金型32は、例えばスロットルボデー1のボア壁部2のボア内径と外径寸法が略一致した略円柱形状の可動型入れ子34を有している。また、可動金型32および可動型入れ子34の図示下端面(型割り面、パーティングライン)は、スロットルボデー1のボア壁部2の第1、第2シャフト貫通孔23、24の中心軸線上に位置している。
そして、本実施例では、樹脂成形金型を型締めした際に、固定金型31の型割り面と可動金型32の型割り面と固定型入れ子33の外周面(型割り面)と可動型入れ子34の外周面(型割り面)との間に、スロットルボデー1のボア壁部2の製品形状に対応した形状のボデーキャビティ35が形成されている。なお、ボデーキャビティ35は、スロットルボデー1のボア壁部2の製品形状に対応した形状の第1ボデーキャビティと、スロットルボデー1のギヤボックス部の製品形状に対応した形状の第2ボデーキャビティ(図示せず)と、スロットルボデー1のモータハウジング部の製品形状に対応した形状の第3ボデーキャビティ(図示せず)とによって構成されている。そして、ボデーキャビティ35は、樹脂成形金型内に樹脂材料を供給する樹脂材料供給装置に接続されている。この樹脂材料供給装置は、樹脂成形金型内に樹脂材料を送り込む複数の樹脂流路(図示せず)の先端部に、スロットルボデー1のボア壁部2を成形するためのボデーキャビティ35内に、加熱されて溶融状態の樹脂材料(例えばPPSまたはPBTまたはPAまたはPEI等の熱可塑性よりなる溶融樹脂)を射出するための1つまたは2つ以上のボデーゲート(樹脂注入口:図示せず)を有している。
先ず、樹脂成形品を樹脂成形するための型締めの際には、可動金型32を、固定金型31の表面に対して接近する方向(図示下方)に平行移動(前進)させて、樹脂成形品を樹脂成形するボデーキャビティ35を形成するように、樹脂成形型の型締めを行う(型締め工程)。
次に、樹脂成形金型によって形成される上記のボデーキャビティ35内に、加熱されて溶融状態の樹脂材料が1つまたは2つ以上のボデーゲートから射出され、ボデーキャビティ35に樹脂材料を充填する(射出・充填工程)。
次に、樹脂成形金型によって形成される上記のボデーキャビティ35内に、加熱されて溶融状態の樹脂材料が1つまたは2つ以上のボデーゲートから射出され、ボデーキャビティ35に樹脂材料を充填する(射出・充填工程)。
次に、樹脂成形金型内樹脂圧力(ボデーキャビティ35内の樹脂圧力)を徐々に増加させて射出時の最大樹脂圧力よりも大きな樹脂圧力で保圧を行う。すなわち、樹脂成形金型内の樹脂材料に所定の圧力を加えて、樹脂成形金型内に冷却水を導入し、この冷却水による収縮分の樹脂材料を、1つまたは2つ以上のボデーゲートからボデーキャビティ35内に補充する(保圧工程)。
次に、樹脂成形金型のボデーキャビティ35内に充填された樹脂材料を取り出し、冷却して硬化(固化)させるか、あるいは樹脂成形金型のキャビティ内で樹脂材料を冷却水等を用いて冷却して硬化(固化)させると、スロットルボデー1のボア壁部2が、樹脂部材の射出成形によって製造される。
次に、樹脂成形金型のボデーキャビティ35内に充填された樹脂材料を取り出し、冷却して硬化(固化)させるか、あるいは樹脂成形金型のキャビティ内で樹脂材料を冷却水等を用いて冷却して硬化(固化)させると、スロットルボデー1のボア壁部2が、樹脂部材の射出成形によって製造される。
次に、本発明の実施例1のバルブ射出成形工程(1次成形工程)を説明する。
このバルブ射出成形工程(1次成形工程)で使用するスロットルバルブ成形用の樹脂成形金型(射出成形用金型、1次成形型)は、例えば図4に示したように、主に固定金型41とこの固定金型41に対して図示上下方向に進退(接近・離間、接離)自在に移動可能な可動金型42とで構成されている。なお、固定金型41は、例えばスロットルボデー1のボア壁部2のボア内径と外径寸法が略一致した略円柱形状の固定型入れ子43を有している。また、固定金型41および固定型入れ子43の図示上端面(型割り面、パーティングライン)は、スロットルバルブ4の回転中心軸線上に位置している。また、可動金型42は、例えばスロットルボデー1のボア壁部2のボア内径と外径寸法が略一致した略円柱形状の可動型入れ子44を有している。また、可動金型42および可動型入れ子44の図示下端面(型割り面、パーティングライン)は、スロットルバルブ4の回転中心軸線上に位置している。
このバルブ射出成形工程(1次成形工程)で使用するスロットルバルブ成形用の樹脂成形金型(射出成形用金型、1次成形型)は、例えば図4に示したように、主に固定金型41とこの固定金型41に対して図示上下方向に進退(接近・離間、接離)自在に移動可能な可動金型42とで構成されている。なお、固定金型41は、例えばスロットルボデー1のボア壁部2のボア内径と外径寸法が略一致した略円柱形状の固定型入れ子43を有している。また、固定金型41および固定型入れ子43の図示上端面(型割り面、パーティングライン)は、スロットルバルブ4の回転中心軸線上に位置している。また、可動金型42は、例えばスロットルボデー1のボア壁部2のボア内径と外径寸法が略一致した略円柱形状の可動型入れ子44を有している。また、可動金型42および可動型入れ子44の図示下端面(型割り面、パーティングライン)は、スロットルバルブ4の回転中心軸線上に位置している。
また、本実施例では、樹脂成形金型を型締めした際に、固定型入れ子43の型割り面と可動型入れ子44の型割り面との間に、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の中心側部26および樹脂シャフト6の製品形状に対応した形状のバルブキャビティ45が形成されている。なお、本実施例の樹脂成形金型の所定の位置には、スロットルボデー1および金属シャフト7がセットされる。そして、バルブキャビティ45は、樹脂成形金型内に第2樹脂材料を供給する樹脂材料供給装置に接続されている。この樹脂材料供給装置は、樹脂成形金型内に第1樹脂材料を送り込む複数の樹脂流路(図示せず)の先端部に、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の中心側部26および樹脂シャフト6を成形するためのバルブキャビティ45内に、加熱されて溶融状態の第2樹脂材料(例えばPPSまたはPBT等の熱可塑性樹脂よりなる溶融樹脂)を射出するための1つまたは2つ以上のバルブゲート(樹脂注入口:図示せず)を有している。
先ず、樹脂成形品を樹脂成形するための型締めの際には、可動金型42を、固定金型41の表面に対して接近する方向(図示下方)に平行移動(前進)させて、樹脂成形品を樹脂成形するバルブキャビティ45を形成するように、樹脂成形型の型締めを行う(型締め工程)。
次に、樹脂成形金型によって形成される上記のバルブキャビティ45内に、加熱されて溶融状態の第2樹脂材料が1つまたは2つ以上のバルブゲートから射出され、バルブキャビティ45内に第1樹脂材料を充填する(射出・充填工程)。このとき、樹脂成形金型のシャフト保持部によって金属シャフト7の両端部を所定の位置に保持しておく。また、樹脂成形金型によってスロットルボデー1のボア壁部2を所定の位置に保持しておく。
次に、樹脂成形金型によって形成される上記のバルブキャビティ45内に、加熱されて溶融状態の第2樹脂材料が1つまたは2つ以上のバルブゲートから射出され、バルブキャビティ45内に第1樹脂材料を充填する(射出・充填工程)。このとき、樹脂成形金型のシャフト保持部によって金属シャフト7の両端部を所定の位置に保持しておく。また、樹脂成形金型によってスロットルボデー1のボア壁部2を所定の位置に保持しておく。
次に、樹脂成形金型内樹脂圧力(バルブキャビティ45内の樹脂圧力)を徐々に増加させて射出時の最大樹脂圧力よりも大きな樹脂圧力で保圧を行う。すなわち、樹脂成形金型内の溶融樹脂に所定の圧力を加えて、樹脂成形金型内に冷却水を導入し、この冷却水による収縮分の第2樹脂部材を、1つまたは2つ以上のバルブゲートからバルブキャビティ45内に補充する(保圧工程)。
次に、樹脂成形金型のバルブキャビティ45内に充填された第2樹脂部材を取り出し、冷却して硬化(固化)させるか、あるいは樹脂成形金型のキャビティ内で第2樹脂部材を冷却水等を用いて冷却して硬化(固化)させると、スロットルボデー1のボア壁部2内部にスロットルバルブ4が組み込まれた製品形状の樹脂成形品が、第2樹脂部材の射出成形によって製造される。このとき、金属シャフト7は、スロットルバルブ4の樹脂シャフト6内部にインサート成形される。
次に、樹脂成形金型のバルブキャビティ45内に充填された第2樹脂部材を取り出し、冷却して硬化(固化)させるか、あるいは樹脂成形金型のキャビティ内で第2樹脂部材を冷却水等を用いて冷却して硬化(固化)させると、スロットルボデー1のボア壁部2内部にスロットルバルブ4が組み込まれた製品形状の樹脂成形品が、第2樹脂部材の射出成形によって製造される。このとき、金属シャフト7は、スロットルバルブ4の樹脂シャフト6内部にインサート成形される。
次に、本発明の実施例1のバルブ射出成形工程(2次成形工程)を説明する。
このバルブ射出成形工程(2次成形工程)で使用するスロットルバルブ成形用の樹脂成形金型(射出成形用金型、2次成形型)は、例えば図5に示したように、主に固定金型51とこの固定金型51に対して図示上下方向に進退(接近・離間、接離)自在に移動可能な可動金型52とで構成されている。なお、固定金型51は、例えばスロットルボデー1のボア壁部2のボア内径と外径寸法が略一致した略円柱形状の固定型入れ子53を有している。また、固定金型51および固定型入れ子53の図示上端面(型割り面、パーティングライン)は、スロットルバルブ4の回転中心軸線上に位置しているまた、可動金型52は、例えばスロットルボデー1のボア壁部2のボア内径と外径寸法が略一致した略円柱形状の可動型入れ子54を有している。また、可動金型52および可動型入れ子54の図示下端面(型割り面、パーティングライン)は、スロットルバルブ4の回転中心軸線上に位置している。
このバルブ射出成形工程(2次成形工程)で使用するスロットルバルブ成形用の樹脂成形金型(射出成形用金型、2次成形型)は、例えば図5に示したように、主に固定金型51とこの固定金型51に対して図示上下方向に進退(接近・離間、接離)自在に移動可能な可動金型52とで構成されている。なお、固定金型51は、例えばスロットルボデー1のボア壁部2のボア内径と外径寸法が略一致した略円柱形状の固定型入れ子53を有している。また、固定金型51および固定型入れ子53の図示上端面(型割り面、パーティングライン)は、スロットルバルブ4の回転中心軸線上に位置しているまた、可動金型52は、例えばスロットルボデー1のボア壁部2のボア内径と外径寸法が略一致した略円柱形状の可動型入れ子54を有している。また、可動金型52および可動型入れ子54の図示下端面(型割り面、パーティングライン)は、スロットルバルブ4の回転中心軸線上に位置している。
また、本実施例では、樹脂成形金型を型締めした際に、固定型入れ子53の型割り面と可動型入れ子54の型割り面との間に、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25の製品形状に対応した略円弧形状のバルブキャビティ55が形成されている。なお、本実施例の樹脂成形金型の所定の位置には、スロットルボデー1のボア壁部2内部にスロットルバルブ4が組み込まれた製品形状の樹脂成形品がセットされる。そして、バルブキャビティ55は、樹脂成形金型内に第1樹脂材料を供給する樹脂材料供給装置に接続されている。この樹脂材料供給装置は、樹脂成形金型内に第1樹脂材料を送り込む複数の樹脂流路(図示せず)の先端部に、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25を成形するためのバルブキャビティ55内に、加熱されて溶融状態の第1樹脂材料(例えばPPSまたはPBT等の熱可塑性樹脂)よりなる母材に、スロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料よりも熱伝導性の良い添加材または充填材(金属、カーボン等)を添加または混合した樹脂系の複合材料よりなる溶融樹脂)を射出するための1つまたは2つ以上のバルブゲート(樹脂注入口:図示せず)とを有している。
先ず、樹脂成形品を樹脂成形するための型締めの際には、可動金型52を、固定金型51の表面に対して接近する方向(図示下方)に平行移動(前進)させて、樹脂成形品を樹脂成形するバルブキャビティ55を形成するように、樹脂成形型の型締めを行う(型締め工程)。
次に、樹脂成形金型によって形成される上記のバルブキャビティ55内に、加熱されて溶融状態の第1樹脂材料が1つまたは2つ以上のバルブゲートから射出され、バルブキャビティ55内に第1樹脂材料を充填する(射出・充填工程)。このとき、樹脂成形金型のシャフト保持部によって金属シャフト7の両端部を所定の位置に保持しておく。また、樹脂成形金型によってスロットルボデー1のボア壁部2を所定の位置に保持しておく。
次に、樹脂成形金型によって形成される上記のバルブキャビティ55内に、加熱されて溶融状態の第1樹脂材料が1つまたは2つ以上のバルブゲートから射出され、バルブキャビティ55内に第1樹脂材料を充填する(射出・充填工程)。このとき、樹脂成形金型のシャフト保持部によって金属シャフト7の両端部を所定の位置に保持しておく。また、樹脂成形金型によってスロットルボデー1のボア壁部2を所定の位置に保持しておく。
次に、樹脂成形金型内樹脂圧力(バルブキャビティ55内の樹脂圧力)を徐々に増加させて射出時の最大樹脂圧力よりも大きな樹脂圧力で保圧を行う。すなわち、樹脂成形金型内の第1樹脂材料に所定の圧力を加えて、樹脂成形金型内に冷却水を導入し、この冷却水による収縮分の第1樹脂材料を、1つまたは2つ以上のバルブゲートからバルブキャビティ55内に補充する(保圧工程)。
次に、樹脂成形金型のバルブキャビティ55内に充填された第1樹脂材料を取り出し、冷却して硬化(固化)させるか、あるいは樹脂成形金型のバルブキャビティ55内で第1樹脂材料を冷却水等を用いて冷却して硬化(固化)させると、スロットルボデー1のボア壁部2内部にスロットルバルブ4が組み込まれた製品形状の樹脂成形品が、第1樹脂部材の射出成形によって製造される。このとき、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の中心側部26は、外周端部25内部にインサート成形される。
次に、樹脂成形金型のバルブキャビティ55内に充填された第1樹脂材料を取り出し、冷却して硬化(固化)させるか、あるいは樹脂成形金型のバルブキャビティ55内で第1樹脂材料を冷却水等を用いて冷却して硬化(固化)させると、スロットルボデー1のボア壁部2内部にスロットルバルブ4が組み込まれた製品形状の樹脂成形品が、第1樹脂部材の射出成形によって製造される。このとき、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の中心側部26は、外周端部25内部にインサート成形される。
次に、本発明の実施例1のバルブ熱変形工程を説明する。
チャック等の治具によって金属シャフト7をスロットルバルブ4の全閉方向に回して、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25をスロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面(ボア内径面)に押し付けながら、高周波またはマイクロ波または電磁誘導加熱のうちのいずれか1つ以上のバルブ加熱手段を用いてスロットルバルブ4の樹脂ディスク5、特に外周端部25を加熱する。これによって、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の内部からスロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25に熱を伝えて、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25を熱変形(軟化:図示斜線部分)させることが可能となる。
チャック等の治具によって金属シャフト7をスロットルバルブ4の全閉方向に回して、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25をスロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面(ボア内径面)に押し付けながら、高周波またはマイクロ波または電磁誘導加熱のうちのいずれか1つ以上のバルブ加熱手段を用いてスロットルバルブ4の樹脂ディスク5、特に外周端部25を加熱する。これによって、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の内部からスロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25に熱を伝えて、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25を熱変形(軟化:図示斜線部分)させることが可能となる。
したがって、スロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面(ボア内径面)に悪影響(溶着、変形)を及ぼさないように、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25を均一に軟化させることが可能となるので、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の第1、第2外周端部形状がスロットルボデー1のボア内壁面形状に倣い、スロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面とスロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25との間の隙間が必要最小限の隙間、つまりスロットルボデー1のボア壁部2内をスロットルバルブ4が回転可能な隙間となる。
[実施例1の作用]
次に、本実施例の内燃機関用スロットル装置の作用を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
次に、本実施例の内燃機関用スロットル装置の作用を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
ドライバーがアクセルペダルを踏み込むと、アクセル開度センサよりアクセル開度信号がECUに入力される。そして、ECUによってスロットルバルブ4が所定のスロットル開度(回転角度)となるように駆動モータが通電されて、駆動モータのモータシャフトが回転する。そして、駆動モータのトルクが、ピニオンギヤ、中間減速ギヤおよびバルブギヤ8に伝達される。これにより、バルブギヤ8が、リターンスプリング9の付勢力に抗してアクセルペダルの踏み込み量(アクセル操作量)に対応した回転角度を回転する。したがって、バルブギヤ8が回転するので、金属シャフト7がバルブギヤ8と同じ回転角度で回転し、スロットルバルブ4が全閉位置より全開位置側へ開く方向(全開方向)に回転駆動される。この結果、スロットルボデー1のボア壁部2内に形成された吸気通路3が所定の回転角度だけ開かれるので、エンジンの回転速度がアクセルペダルの踏み込み量(アクセル操作量)に対応した速度に変更される。
逆に、ドライバーがアクセルペダルから足を離すと、リターンスプリング9の付勢力によりスロットルバルブ4、金属シャフト7、バルブギヤ8およびアクセルペダル等が元の位置(アイドリング位置、スロットルバルブ4の全閉位置)まで戻される。なお、ドライバーがアクセルペダルを戻すと、アクセル開度センサよりアクセル開度信号(0%)が出力されるので、ECUによってスロットルバルブ4が全閉時の弁開度(バルブ開度)となるように駆動モータを通電して、駆動モータのモータシャフトを逆回転させるようにしても良い。この場合には、駆動モータによってスロットルバルブ4を全閉方向に回転駆動できる。
このとき、バルブギヤ8に設けられる全閉ストッパ部が、スロットルボデー1のギヤボックス部に樹脂成形された全閉ストッパに当接するまで、リターンスプリング9の付勢力によりスロットルバルブ4が全開位置側より全閉位置側へ閉じる方向(全閉方向)に回転する。そして、全閉ストッパによって、スロットルバルブ4の全閉方向のそれ以上の回転動作が規制されるので、スロットルボデー1のボア壁部2内に形成された吸気通路3内においてスロットルバルブ4が所定の全閉位置に保持される。これにより、エンジンの各気筒に連通する吸気通路3が全閉されて、エンジンの回転速度がアイドル回転速度となる。
[実施例1の特徴]
本実施例では、樹脂材料(例えばPPSまたはPBTまたはPAまたはPEI等の熱可塑性樹脂)を、スロットルボデー成形用の樹脂成形金型内に射出してスロットルボデー1のボア壁部2を樹脂一体成形する。以上のようなボデー射出成形工程を実施した後に、スロットルボデー1のボア壁部2を、スロットルバルブ成形用の樹脂成形金型(1次成形型)の一部として使用して、第2樹脂材料(例えばPPSまたはPBTまたはPAまたはPEI等の熱可塑性樹脂)を樹脂成形金型(1次成形型)内に射出してスロットルバルブ4の樹脂ディスク5の中心側部26および樹脂シャフト6を樹脂一体成形する。このとき、樹脂成形金型(1次成形型)のシャフト保持部によって両端部が保持された金属シャフト7は、スロットルバルブ4の樹脂シャフト6内部にインサート成形される(1次成形工程)。
本実施例では、樹脂材料(例えばPPSまたはPBTまたはPAまたはPEI等の熱可塑性樹脂)を、スロットルボデー成形用の樹脂成形金型内に射出してスロットルボデー1のボア壁部2を樹脂一体成形する。以上のようなボデー射出成形工程を実施した後に、スロットルボデー1のボア壁部2を、スロットルバルブ成形用の樹脂成形金型(1次成形型)の一部として使用して、第2樹脂材料(例えばPPSまたはPBTまたはPAまたはPEI等の熱可塑性樹脂)を樹脂成形金型(1次成形型)内に射出してスロットルバルブ4の樹脂ディスク5の中心側部26および樹脂シャフト6を樹脂一体成形する。このとき、樹脂成形金型(1次成形型)のシャフト保持部によって両端部が保持された金属シャフト7は、スロットルバルブ4の樹脂シャフト6内部にインサート成形される(1次成形工程)。
次に、スロットルボデー1のボア壁部2およびスロットルバルブ4の樹脂ディスク5の中心側部26等を、スロットルバルブ成形用の樹脂成形金型(2次成形型)の一部として使用して、スロットルボデー1のボア壁部2、特にボア内壁面を成形する樹脂材料よりも熱変形性が良く、また、中心側部26および樹脂シャフト6を成形する第2樹脂材料よりも熱変形性の良い第1樹脂材料(例えばPPSまたはPBTまたはPAまたはPEI等の熱可塑性樹脂よりなる母材に、スロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料よりも熱伝導性の良い添加材または充填材(金属、カーボン等)を添加または混合した樹脂系の複合材料、もしくは熱変形を妨げる充填材を減少させた樹脂系の複合材料)を、スロットルバルブ成形用の樹脂成形金型(2次成形型)内に射出してスロットルバルブ4を樹脂一体成形する。このとき、中心側部26は、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25内部にインサート成形される(2次成形工程)。
以上のようなバルブ射出成形工程を実施した後に、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25を、スロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面(ボア内径面)に押し付けながら、高周波またはマイクロ波または電磁誘導加熱のうちのいずれか1つ以上のバルブ加熱手段を用いてスロットルバルブ4を加熱する。このとき、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の略円環形状の外周端部25は、スロットルボデー1のボア壁部2、特にボア内壁面を成形する樹脂材料よりも熱変形性が良く、また、略円板形状の中心側部26および略円筒形状の樹脂シャフト6を成形する第2樹脂材料よりも熱変形性の良い第1樹脂材料によって成形されている。
すなわち、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の略円環形状の外周端部25を、スロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料、およびスロットルバルブ4の外周端部25以外の残りの部分である略円板形状の中心側部26および略円筒形状の樹脂シャフト6を成形する第2樹脂材料と比較して、熱変形性の良い第1樹脂材料を用いて成形することで、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部形状を、スロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面(ボア内径面)形状に倣わせる際に、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25の外周面とスロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面(ボア内径面)との溶着を防止できると共に、スロットルバルブ4の外周端部25以外の残りの部分への熱の拡散を防止できる。これによって、スロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面(ボア内径面)に悪影響(溶着、変形)を及ぼさないように、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25のみが軟化し、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25のみを均一に熱変形させることが可能となるので、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部形状を、スロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面(ボア内径面)形状に倣わせることができる。
したがって、スロットルボデー1とスロットルバルブ4とを樹脂成形した後に、すなわち、バルブ射出成形工程を実施した後に、成形収縮に伴う変形(成形歪み)が生じ、スロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面(ボア内径面)とスロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25との間に設計寸法以上の隙間が形成された場合でも、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部形状をスロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面(ボア内径面)形状に倣わせることで、スロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面(ボア内径面)とスロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25との間の隙間が必要最小限の隙間、つまりスロットルボデー1のボア壁部2の吸気通路3内をスロットルバルブ4が回転可能な隙間となるので、スロットルバルブ4が全閉状態となるアイドル運転時の空気の漏れ量が減少できる。
また、スロットルバルブ4の全閉時の気密性能を向上できるので、スロットルバルブ4の全閉時に、スロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面(ボア内径面)とスロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25との間に形成される隙間が設計通りのサイズとなる。これにより、アイドル運転時にエンジンの各気筒内に吸入される吸入空気量が所定の空気量となり、アイドル回転速度が目標値と略一致し、吸入空気量に応じて燃料噴射量を制御するものにおいては、アイドル運転時の燃費を向上することができる。
なお、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25の内周と中心側部26の外周との間の食い付き性(結合性能)を向上する目的で、つまり中心側部26からの外周端部25の脱落を防止する目的で、中心側部26の外周面の一部または全部にローレット加工等を施しても良い。例えば中心側部26の外周面の一部または全部に刻み目または凹凸部を形成しても良い。
なお、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25の内周と中心側部26の外周との間の食い付き性(結合性能)を向上する目的で、つまり中心側部26からの外周端部25の脱落を防止する目的で、中心側部26の外周面の一部または全部にローレット加工等を施しても良い。例えば中心側部26の外周面の一部または全部に刻み目または凹凸部を形成しても良い。
なお、スロットルバルブ4の樹脂シャフト6の内周と金属シャフト7のバルブ保持部との外周との間の食い付き性(結合性能)を向上し、且つスロットルバルブ4の金属シャフト7に対する軸方向の相対運動を防止する目的で、つまり金属シャフト7のバルブ保持部からのスロットルバルブ4の抜けを防止する目的で、金属シャフト7のバルブ保持部の外周面の一部または全部にローレット加工等を施しても良い。例えば金属シャフト7のバルブ保持部の外周面の一部または全部に刻み目または凹凸部を形成しても良い。あるいは金属シャフト7のバルブ保持部の断面形状を2面幅を有する略円形状とし、また、スロットルバルブ4の樹脂シャフト6の断面形状を2面幅を有する略円筒形状としても良い。これにより、スロットルバルブ4と金属シャフト7との回転方向の相対回転運動を防止できる。
ここで、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25のみを熱変形させるバルブ加熱手段としては、熱板加熱、レーザ加熱、超音波振動等何でも良いが、特に第1樹脂材料の場合、高周波、マイクロ波、電磁誘導加熱等の、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5内部から、特に外周端部25内周部から加熱するバルブ加熱手段が使用できる。高周波、マイクロ波、電磁誘導加熱等のバルブ加熱手段では、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25の端面を、スロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面(ボア内径面)に圧接した状態であっても、スロットルボデー1のボア壁部2のボア内壁面(ボア内径面)に悪影響(溶着、変形)を与えず、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25のみを熱変形させることができる。
図6(b)は本発明の実施例2のスロットルバルブを示した図である。
スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25のみを、スロットルボデー1のボア壁部2、外周端部25以外の残りの部分である中心側部26および略円筒形状の樹脂シャフト6と比較して、熱変形性の良い第1樹脂材料で樹脂一体成形した場合に、図6(a)に示した実施例1では、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25が、略円板形状の中心側部26の周囲を取り囲むように、外径寸法と内径寸法とが略全周に渡って同一の円環形状となるように樹脂一体成形している。
スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25のみを、スロットルボデー1のボア壁部2、外周端部25以外の残りの部分である中心側部26および略円筒形状の樹脂シャフト6と比較して、熱変形性の良い第1樹脂材料で樹脂一体成形した場合に、図6(a)に示した実施例1では、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25が、略円板形状の中心側部26の周囲を取り囲むように、外径寸法と内径寸法とが略全周に渡って同一の円環形状となるように樹脂一体成形している。
本実施例では、上記の実施例1に対して、図6(b)に示したように、バルブ回転軸であるスロットルシャフト(樹脂シャフト6および金属シャフト7)から遠い部分、つまりスロットルシャフトの軸方向に対して略直交する半径方向の面積(変形可能部分)が大きくなるように、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25を樹脂一体成形しても良い。この場合には、スロットルバルブ4の一方側の樹脂ディスク5の外周端部25が略三日月形状となり、スロットルバルブ4の他方側の樹脂ディスク5の外周端部25が一方側と対称的な略三日月形状となる。
なお、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25のみを、スロットルボデー1のボア壁部2、外周端部25以外の残りの部分である中心側部26および略円筒形状の樹脂シャフト6と比較して、熱変形性の良い第1樹脂材料で樹脂一体成形した場合に、樹脂成形後の寸法誤差の大きい箇所の熱変形量を大きくする目的で、外周端部25のうちで寸法誤差の大きい箇所の板厚方向のサイズ(肉厚)を厚くしても良い。
図6(c)は本発明の実施例3のスロットルバルブを示した図である。
実施例1、2では、図6(a)、(b)に示したように、スロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料を、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25のみに用いているが、本実施例では、図6(c)に示したように、スロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料を、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5全体に用いている。この場合には、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の樹脂成形が非常に簡単なものとなる。
実施例1、2では、図6(a)、(b)に示したように、スロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料を、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25のみに用いているが、本実施例では、図6(c)に示したように、スロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料を、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5全体に用いている。この場合には、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の樹脂成形が非常に簡単なものとなる。
[変形例]
本実施例では、本発明を、駆動モータ(アクチュエータ)の回転動力を、歯車減速機構等の動力伝達機構を経てスロットルシャフト(本例では金属シャフト7)に伝達して、スロットルバルブ4の回転角度(弁開度、バルブ開度、スロットル開度)を運転者(ドライバー)のアクセル操作量に応じて制御する内燃機関用スロットル装置(電子制御式スロットル制御装置)に適用した例を説明したが、本発明を、駆動モータ等の動力ユニットを有しない内燃機関用スロットル装置に採用しても良い。この場合には、スロットルシャフト(本例では金属シャフト7)の他端部(または一端部)に一体的に設けたバルブギヤ8の代わりに、アクセルペダルまたはスロットルレバーにワイヤーケーブルを介して機械的に連結されるアクセルレバーを設ける。このようにしても、運転者(操作者、ドライバー)のアクセル操作量をスロットルバルブ4およびスロットルシャフトに伝えることができる。
本実施例では、本発明を、駆動モータ(アクチュエータ)の回転動力を、歯車減速機構等の動力伝達機構を経てスロットルシャフト(本例では金属シャフト7)に伝達して、スロットルバルブ4の回転角度(弁開度、バルブ開度、スロットル開度)を運転者(ドライバー)のアクセル操作量に応じて制御する内燃機関用スロットル装置(電子制御式スロットル制御装置)に適用した例を説明したが、本発明を、駆動モータ等の動力ユニットを有しない内燃機関用スロットル装置に採用しても良い。この場合には、スロットルシャフト(本例では金属シャフト7)の他端部(または一端部)に一体的に設けたバルブギヤ8の代わりに、アクセルペダルまたはスロットルレバーにワイヤーケーブルを介して機械的に連結されるアクセルレバーを設ける。このようにしても、運転者(操作者、ドライバー)のアクセル操作量をスロットルバルブ4およびスロットルシャフトに伝えることができる。
本実施例では、スロットルバルブ4を樹脂材料によって一体的に形成し、且つスロットルシャフトを金属材料によって一体的に形成した例を説明したが、スロットルバルブ4およびスロットルシャフトの両方を樹脂材料によって一体的に形成しても良い。また、金属シャフト7のバルブ保持部の外周に樹脂製シャフト部(円筒状部)を形成し、スロットルバルブ4の樹脂製シャフト部(樹脂シャフト6)と金属シャフト7の樹脂製シャフト部とを熱溶着して結合するようにしても良い。また、スロットルバルブ4をスロットルシャフト(本例では金属シャフト7)のバルブ保持部に締結により結合しても良い。
また、スロットルバルブ成形用の樹脂成形金型内で、スロットルバルブ4の樹脂シャフト6内部に金属シャフト7をインサート成形するバルブ射出成形工程の1次成形工程の前工程として、スロットルボデー1のボア壁部2の第1、第2バルブ軸受部21、22の第1、第2シャフト貫通孔23、24内に金属シャフト7の第1、第2軸受摺動部を回転自在に組み込む際に、第1、第2バルブ軸受部21、22の第1、第2シャフト貫通孔23、24の内周面と金属シャフト7の第1、第2軸受摺動部の外周面との間に、フッ素系樹脂等の潤滑性に優れる潤滑剤を塗布しても良い。また、スロットルバルブ成形用の樹脂成形金型内で、スロットルバルブ4の樹脂シャフト6内部に金属シャフト7をインサート成形するバルブ射出成形工程の1次成形工程の前工程として、金属シャフト7の両端部の第1、第2軸受摺動部の外周面に離型剤または潤滑剤(例えばフッ素系樹脂、二硫化モリブデン等)を塗布しても良い。これにより、スロットルバルブ4および金属シャフト7の制御応答性を更に向上できる。
また、スロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料として、加熱されて溶融状態の樹脂材料(例えば熱可塑性樹脂よりなる溶融樹脂)に充填材(例えば高強度で低コストなガラス繊維、または寸法精度に優れたミネラル(炭化カルシウム:CaCO3 等)等)または添加剤を混合または添加した樹脂系の複合材料(例えばガラス繊維30%入りのポリブチレンテレフタレート:PBTG30や、ガラス繊維50%入りのポリフェニレンサルファイド:PPSG50)を用いても良い。また、上記の樹脂系の複合材料を、樹脂注入口(ボデーゲート)から樹脂成形金型のボデーキャビティ内に射出することで、樹脂系の複合材料の射出成形によって樹脂スロットルボデー1を製造しても良い。このように樹脂系の複合材料の射出成形によって樹脂成形された樹脂成形品は、低コストで、且つ樹脂成形性に優れると共に、機械的性質をはじめ強度、剛性および耐熱性等の性能が向上する。
本実施例では、スロットルボデー1のボア壁部2を1次成形型の一部として使用して、第2樹脂材料を1次成形型内に射出してスロットルバルブ4の樹脂ディスク5の中心側部26を成形する1次成形工程と、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の中心側部26を2次成形型の一部として使用して、第1樹脂材料を2次成形型内に射出してスロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25を成形する2次成形工程とによってスロットルバルブ4の樹脂ディスク5を製造しているが、スロットルボデー1のボア壁部2を1次成形型の一部として使用して、第1樹脂材料を1次成形型内に射出してスロットルバルブ4の樹脂ディスク5の中心側部26を成形する1次成形工程と、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の中心側部26を2次成形型の一部として使用して、第2樹脂材料を2次成形型内に射出してスロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25を成形する2次成形工程とによってスロットルバルブ4の樹脂ディスク5を製造しても良い。この場合には、外周端部25は、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の中心側部26外周部にアウトサート成形される。
また、第1樹脂材料と第2樹脂材料とを、1つの樹脂成形金型内にほぼ同時に射出してスロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25および中心側部26を成形する同時成形工程によってスロットルバルブ4を製造しても良い。
また、スロットルボデー1のボア壁部2、特にボア内壁面を成形する樹脂材料よりも熱変形性が良く、また、中心側部26および樹脂シャフト6を成形する第2樹脂材料よりも熱変形性の良い第1樹脂材料として、加熱されて溶融状態の樹脂材料(例えばポリフェニレンサルファイド:PPS、またはポリブチレンテレフタレート:PBT、またはポリアミド:PA、またはポリエーテルイミド:PEI等の熱可塑性樹脂よりなる溶融樹脂)に充填材(例えば粉末状の金属(アルミニウム等)またはファイバー状の金属、あるいは粉末状のカーボンまたは炭素繊維等)または添加剤を混合または添加した樹脂系の複合材料を用いても良い。また、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25を成形する第1樹脂材料を構成する樹脂系の複合材料を、外周端部25以外の残りの部分を成形する第2樹脂材料やスロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料を構成する樹脂系の複合材料と比べて、ガラスやミネラル分を減らしても良い(例えばPPSG50→G10、またはPBTG50→G10、または他の樹脂系でも良い)。また、第1樹脂材料として、第2樹脂材料およびスロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料よりも融点の低い樹脂材料を用いても良い。
また、スロットルボデー1のボア壁部2、特にボア内壁面を成形する樹脂材料よりも熱変形性が良く、また、中心側部26および樹脂シャフト6を成形する第2樹脂材料よりも熱変形性の良い第1樹脂材料として、加熱されて溶融状態の樹脂材料(例えばポリフェニレンサルファイド:PPS、またはポリブチレンテレフタレート:PBT、またはポリアミド:PA、またはポリエーテルイミド:PEI等の熱可塑性樹脂よりなる溶融樹脂)に充填材(例えば粉末状の金属(アルミニウム等)またはファイバー状の金属、あるいは粉末状のカーボンまたは炭素繊維等)または添加剤を混合または添加した樹脂系の複合材料を用いても良い。また、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の外周端部25を成形する第1樹脂材料を構成する樹脂系の複合材料を、外周端部25以外の残りの部分を成形する第2樹脂材料やスロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料を構成する樹脂系の複合材料と比べて、ガラスやミネラル分を減らしても良い(例えばPPSG50→G10、またはPBTG50→G10、または他の樹脂系でも良い)。また、第1樹脂材料として、第2樹脂材料およびスロットルボデー1のボア壁部2を成形する樹脂材料よりも融点の低い樹脂材料を用いても良い。
また、スロットルバルブ4の樹脂ディスク5の中心側部26および樹脂シャフト6を成形する第2樹脂材料として、加熱されて溶融状態の樹脂材料(例えば熱可塑性樹脂よりなる溶融樹脂)に充填材(例えば高強度で低コストなガラス繊維、または寸法精度に優れたミネラル(炭化カルシウム:CaCO3 等)等)または添加剤を混合または添加した樹脂系の複合材料(例えばガラス繊維30%入りのポリブチレンテレフタレート:PBTG30や、ガラス繊維50%入りのポリフェニレンサルファイド:PPSG50)を用いても良い。また、上記の樹脂系の複合材料を、樹脂注入口(バルブゲート)から樹脂成形金型のバルブキャビティ内に射出することで、樹脂系の複合材料の射出成形によって樹脂スロットルバルブ4を製造しても良い。このとき、スロットルボデー1のボア壁部2の中心軸線方向に対してバルブキャビティの方向を、本実施例のように直交方向とするだけでなく、傾斜させても、略同一方向に向けさせても任意である。このように樹脂系の複合材料の射出成形によって樹脂成形された樹脂成形品は、低コストで、且つ樹脂成形性に優れると共に、機械的性質をはじめ強度、剛性および耐熱性等の性能が向上する。
1 スロットルボデー
2 ボア壁部
3 吸気通路
4 スロットルバルブ
5 樹脂ディスク
6 樹脂シャフト(スロットルシャフト)
7 金属シャフト(スロットルシャフト)
25 スロットルバルブの外周端部
26 スロットルバルブの中心側部
2 ボア壁部
3 吸気通路
4 スロットルバルブ
5 樹脂ディスク
6 樹脂シャフト(スロットルシャフト)
7 金属シャフト(スロットルシャフト)
25 スロットルバルブの外周端部
26 スロットルバルブの中心側部
Claims (10)
- 内燃機関の気筒に連通する略円管状のボアを有するスロットルボデーと、前記ボア内を流れる吸入空気量を調節する略円板状のスロットルバルブとを共に樹脂化した内燃機関用スロットル装置の製造方法であって、
(a)前記スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料を成形型内に射出して前記スロットルバルブを成形するバルブ射出成形工程と、
(b)前記スロットルバルブの外周端部を前記スロットルボデーのボア内壁面に押し付けながら、バルブ加熱手段を用いて前記スロットルバルブを加熱して、前記スロットルバルブの外周端部形状を前記ボア内壁面形状に倣わせるバルブ熱変形工程と
を備えたことを特徴とする内燃機関用スロットル装置の製造方法。 - 請求項1に記載の内燃機関用スロットル装置の製造方法において、
前記スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料とは、 樹脂材料よりなる母材に、前記スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱伝導性の良い添加材または充填材を添加または混合した樹脂系の複合材料、もしくは前記スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形を妨げる充填材を減少させた樹脂系の複合材料であることを特徴とする内燃機関用スロットル装置の製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載の内燃機関用スロットル装置の製造方法において、
前記スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料は、
前記スロットルバルブの外周端部のみに用いられていることを特徴とする内燃機関用スロットル装置の製造方法。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の内燃機関用スロットル装置の製造方法において、
前記スロットルバルブは、略円板状の樹脂ディスクを有し、
前記樹脂ディスクは、前記スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料である第1樹脂材料を用いて射出成形される略環状の前記外周端部、
およびこの外周端部の内周側に設けられて、前記第1樹脂材料よりも熱変形性の悪い樹脂材料である第2樹脂材料を用いて射出成形される中心側部
よりなることを特徴とする内燃機関用スロットル装置の製造方法。 - 請求項4に記載の内燃機関用スロットル装置の製造方法において、
前記成形型は、1次成形型および2次成形型を有し、
前記バルブ射出成形工程は、
前記第1樹脂材料を前記1次成形型内に射出して前記スロットルバルブの外周端部を成形する1次成形工程、
前記スロットルバルブの外周端部を前記2次成形型にセットし、前記第2樹脂材料を前記2次成形型内に射出して前記スロットルバルブの中心側部を成形する2次成形工程
を有していることを特徴とする内燃機関用スロットル装置の製造方法。 - 請求項4に記載の内燃機関用スロットル装置の製造方法において、
前記成形型は、1次成形型および2次成形型を有し、
前記バルブ射出成形工程は、
前記第2樹脂材料を前記1次成形型内に射出して前記スロットルバルブの中心側部を成形する1次成形工程、
前記スロットルバルブの中心側部を前記2次成形型にセットし、前記第1樹脂材料を前記2次成形型内に射出して前記スロットルバルブの外周端部を成形する2次成形工程
を有していることを特徴とする内燃機関用スロットル装置の製造方法。 - 請求項4に記載の内燃機関用スロットル装置の製造方法において、
前記バルブ射出成形工程は、
前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料とを、1つの前記成形型内にほぼ同時に射出して前記スロットルバルブの外周端部および中心側部を成形する同時成形工程を有していることを特徴とする内燃機関用スロットル装置の製造方法。 - 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の内燃機関用スロットル装置の製造方法において、
前記バルブ加熱手段は、高周波またはマイクロ波または電磁誘導加熱のうちのいずれか1つ以上であることを特徴とする内燃機関用スロットル装置の製造方法。 - 内燃機関の気筒に連通する略円管状のボアを有するスロットルボデーと、前記ボア内を流れる吸入空気量を調節するスロットルバルブとを共に樹脂化した内燃機関用スロットル装置であって、
(a)前記スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料を成形型内に射出して前記スロットルバルブを成形するバルブ射出成形工程と、
(b)前記スロットルバルブの外周端部を前記スロットルボデーのボア内壁面に押し付けながら、前記スロットルバルブの外周端部を軟化させることが可能なバルブ加熱手段を用いて、前記スロットルバルブを加熱して、前記スロットルバルブの外周端部形状を前記ボア内壁面形状に倣わせるバルブ熱変形工程と
により製造されたことを特徴とする内燃機関用スロットル装置。 - 請求項9に記載の内燃機関用スロットル装置において、
前記スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱変形性の良い樹脂材料とは、 樹脂材料よりなる母材に、前記スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも熱伝導性の良い添加材または充填材を添加または混合した樹脂系の複合材料、もしくは前記スロットルボデーのボアを成形する樹脂材料よりも充填材を減少させた樹脂系の複合材料であることを特徴とする内燃機関用スロットル装置。
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JP2004047874A JP2005240572A (ja) | 2004-02-24 | 2004-02-24 | 内燃機関用スロットル装置の製造方法 |
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JP2004047874A JP2005240572A (ja) | 2004-02-24 | 2004-02-24 | 内燃機関用スロットル装置の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014214611A (ja) * | 2013-04-22 | 2014-11-17 | 株式会社デンソー | 吸気装置 |
-
2004
- 2004-02-24 JP JP2004047874A patent/JP2005240572A/ja active Pending
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JP2014214611A (ja) * | 2013-04-22 | 2014-11-17 | 株式会社デンソー | 吸気装置 |
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