JP2005240165A - クロムめっき被膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブラスト処理を併用したクロムめっき被膜の形成において、より一層の耐食性の向上が可能で、しかも安定した品質の製品が得られるクロムめっき被膜の形成方法。
【解決手段】 構造用鋼母材の表面に数層のクロムめっき被膜を重ねて形成する方法において、該母材上に直接形成したクロムめっき被膜表面にブラスト処理を施して該表面にR 、Rmax 及びR で表した表面粗さがそれぞれR =0.3〜1.5μm、Rmax =3〜15μm及びR =3〜14μmの範囲の凹凸を形成した後、クロムを電気めっきする。耐磨耗性、耐食性の両特性を保持させ、十分な耐食性と共に品質を安定化できる。
【選択図】 図1

Description

本発明はクロムめっき被膜の形成方法に関し、特にフィルム形成機のロール、射出成形機や押出機のロール、パワーショベルの油圧アーム部、印刷機のロールなどの耐食性を要求される構造用鋼母材にクロムめっき被膜を形成する方法に関する。
工業用クロムめっき(以下、クロムめっきという)は高硬度であるため、耐摩耗性を要求される部品に多用される代表的表面処理である。しかし、部品によっては耐摩耗性と同時に耐食性も併せて要求されることも多い。しかし、クロムめっきは耐摩耗性を維持するためには、微小なクラック・ピットは避けられず、母材までの貫通クラックを少なくする手段としては、めっき厚を厚くすることや重ねめっきを施工する方法が採られている。両手段とも効果はあるものの、耐食性のバラツキが大きい。クロムめっき品の腐食ダメージはクロム自体の腐食ではなく、クロムめっきの欠陥部分を通じて腐食性物質が母材に到達して母材金属を腐食させ、その際生成した錆等でめっき層が持ち上がり、部品の機能を低下させることがほとんどである。従って、クロムめっき品の耐食性向上は、クロムめっき層の欠陥をいかに少なくし、被覆性を向上させるかにある。
クロムめっきの耐食性向上手段として、従来重ねめっきが行われているが、従来の重ねめっきは図2に示すように、I〜IIIの工程により行われている。工程Iでは母材11の研磨面13上に垂直に第1層クロムめっき12の結晶が成長する。この層には、宿命として、母材11まで貫通する欠陥14や未貫通欠陥15などが存在する。これを工程IIで最表面を研削し、研削面16を得るが、クロムめっきには内部応力が存在するため、研削によって未貫通欠陥15が母材11に貫通するようになることが十分考えられる。これに、工程IIIで重ねめっき17を行うと、第1層の欠陥を閉止する効果はあるものの、欠陥14、欠陥15のように閉止しきれない状態が存続する。なお、図において18は実用面(研磨面)を示す。
クロムめっきの特長は、安価な材料、すなわち構造用鋼母材上に高硬度の被膜を付けることにより高耐摩部材に変え得ることである。しかし、腐食環境ではクロムめっきに不可避なクラック・ピットを通して、元来腐食性のない素材が腐食を起こし、その腐食生成物の膨張のため、めっき面が持ち上がり(ふくれとなる)使用に耐えなくなる。本発明者らは、このような従来の構造用鋼母材へのクロムめっき被膜の形成方法の欠点を解消する方法として、構造用鋼母材の表面に数層のクロムめっき被膜を重ねて形成する方法において、上記母材上に直接形成したクロムめっき被膜表面にブラスト処理を施して該表面に凹凸を形成した後、クロムを電気めっきすることを特徴とするクロムめっき被膜の形成方法を開発し、先に提案した(例えば特許文献1参照)。
この方法は、クロムめっき被膜より硬度の低い構造用鋼の表面に一旦クロムめっき被膜を形成した後、該クロムめっき被膜表面に対してブラスト処理を施して該表面に凹凸を形成し、次いで、クロムを電気めっきすることを特徴とする。すなわち、ブラスト処理を施したクロムめっき被膜の凹凸面に対して電気めっきを行うと、電気めっきの特性から、上記凹凸の凸部の電流密度が高くなり、この凸部からクロムの結晶を優先的に成長し、放射状(断面では扇状に見える)結晶を形成する。この放射状の結晶は、成長が順次進行すると、隣合う結晶が相互に干渉することにより、クロムめっきにおいて不可避なピット・クラックの貫通欠陥を効果的に塞ぐことができる。
構造用鋼の表面に直接ブラスト処理を施すと、構造用鋼の硬度が比較的低いために、その表面に研磨材が埋め込まれ、研磨材を完全に除去することができない。このような研磨材を含む表面にクロムの電気めっきを施すと、研磨材が新たな結晶欠陥を発生し、ピット・クラックの貫通欠陥を生む原因となる。そのため、この方法では、構造用鋼の表面に一旦クロムめっき被膜を形成し、高硬度のクロムめっき被膜表面に対してブラスト処理を施すことにより、研磨材の埋め込みを防止することができ、研磨材による新たな結晶欠陥の発生を回避することができたのである。
この前記特許文献1の方法では、図1に示すように、工程Iで構造用鋼母材1の表面3に直接クロムめっき層2を形成し、工程IIでは上記のクロムめっき層2の表面にブラスト処理を施して凹凸面4を形成する。工程IIでは高硬度のクロムめっき被膜表面に対してブラスト処理を施すので、研磨材が該表面に埋め込まれることはない。次いで、工程IIIでは、研磨材を含まない上記の凹凸面にクロムの電気めっき処理を施すので、研磨材による新たな結晶欠陥を発生させず、凹凸面の凸部からクロム結晶を優先的に成長させ、扇状結晶を形成することができるので、隣合う結晶の干渉によりピット・クラックの貫通欠陥の極めて少ないクロムめっき層を得ることができる。そして、工程IIIに続いて表面を研磨することにより実用面6を得る。
なお、工程IIIで得たクロムめっき層に対して、工程IIのブラスト処理及び工程IIIのクロムの電気めっき処理を繰り返すことにより、ピット・クラックの貫通欠陥をより少なくすることも可能である。
特公平5−75838号公報
前記特許文献1の方法によれば、従来の重ねめっきに比較して耐食性は3〜5倍(湿潤酸化環境での暴露試験における腐食侵食深さの比較)に向上するが、製品としての品質にばらつきが生じやすいという問題があった。
本発明はこのような従来技術の実情に鑑み、ブラスト処理を併用したクロムめっき被膜の形成において、より一層の耐食性の向上が可能で、しかも安定した品質の製品が得られるクロムめっき被膜の形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らはクロムめっき被膜の形成方法について鋭意検討の結果、ブラスト処理面の表面粗さが特定の範囲内に入るようにブラスト条件を設定することによって、上記課題が解決できることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は構造用鋼母材の表面に数層のクロムめっき被膜を重ねて形成する方法において、上記母材上に直接形成したクロムめっき被膜表面にブラスト処理を施して該表面にR 、Rmax 及びR で表した表面粗さがそれぞれR =0.3〜1.5μm、Rmax =3〜15μm及びR =3〜14μmの範囲の凹凸を形成した後、クロムを電気めっきすることを特徴とするクロムめっき被膜の形成方法である。
本発明は上記構成を採用することにより、クロムめっきに不可避なピット・クラックの貫通欠陥を無くし、安価な構造用鋼材料に耐摩耗、耐食の両特性を保持させることができた。また、ブラスト処理後の表面粗さを適切な範囲内に調整しているので、品質のばらつきがなくなり、耐食性が向上し、オゾン環境下のような強酸化性雰囲気においても十分な耐食性が得られるとともに品質の安定化が達成された。
本発明の方法によるクロムめっきの施工工程は図1に示したものと同じであるが、ブラスト処理工程を処理後の表面粗さが所定の範囲内に入るように制御する点に特徴がある。
ブラスト処理後の表面粗さのパラメータとしてはJIS B0601に規定されているR (算術平均粗さ)、Rmax (R :最大高さ)及びR(十点平均粗さ)を使用する。
本発明の方法においては、表面粗さのパラメータであるR は0.3〜1.5μm、好ましくは0.7〜0.9μmの範囲とする。また、Rmax は3〜15μm、好ましくは6〜8μmの範囲とし、R は3〜14μm、好ましくは5〜7μmの範囲とする。
通常、材料の大きさや形状等に応じてこれらのパラメータのいずれか1種を採用すればよいが、これらのパラメータの全てが上記範囲内となるようにするのが望ましい。なお、通常の場合、処理条件が適切であれば一つのパラメータが上記範囲内となるように制御すれば、他のパラメータもほぼこれらの範囲内に納まることが多い。
表面粗さがこれらの範囲内に納まるように制御することにより、後述する実施例に示すように十分な耐食性を得ることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明の効果を実証する。
(耐食性評価試験)
後述する実施例及び比較例で作製したロール状試験品のロール部のみをチャンバに収納し、超音波加湿器及びオゾン発生器で水蒸気及びオゾンを発生してチャンバ内のオゾン濃度を60ppmに調整し、湿潤酸化環境を形成し、上記ロール部を60rpmで回転しながら500時間暴露した。
暴露終了後のロール中央部300mmを円周方向に6等分し、その長手方向6断面を研磨して顕微鏡により、めっき直下の母材の腐食侵食深さを測定して評価した。
(実施例1)
直径150mm、長さ500mm、厚さ5mmのSTKM11Aめっき基材を用い、その表面を0.1mm研削し、脱脂、酸洗した後、CrO を230g/リットル、Cr(III)を1〜5g/リットル、H SO を2.5g/リットルの割合で含有する液温53±2℃のめっき液に浸漬し、20A/dmの電流密度でクロムめっきを施し、厚さ50μmの第1層クロムめっき層を形成した。
次いで、60、120、150、及び220メッシュのアルミナ製ブラスト粒子を用い、ブラスト圧196、294、392及び490kPaで乾式法でブラスト処理を施し、処理時間を変えることにより表面粗さ(R )が0.2〜1.3μm、(Rmax )が2〜13μm、(R )が2〜10μmの範囲で7種類のブラスト処理試料を作製した。各ブラスト処理試料の表面に、第1層クロムめっき条件のうち、電流密度を22.5A/dm に変更した以外は同じ条件で厚さ50μmの第2層クロムめっき層を形成した。
その後、表面研削を施してめっき厚さの合計を85μmとし、バフ仕上げを施してロール状試験品1〜7を作製した。
得られたロール状試験品1〜7について、前記試験法により耐食性評価試験を行った。試験結果をR 、Rmax 及びR についてまとめた結果をそれぞれ図3、図4及び図5に示す。R に注目した場合、図3から腐食侵食深さはR が0.3〜1.5μmの範囲で約50μm以下、0.7〜0.9μmの範囲では約5μm以下となることがわかる。
また、Rmax についてまとめた結果は図4に示すとおりであり、腐食侵食深さはRmax が3〜15μmの範囲で約50μm以下、6〜8μmの範囲では約5μm以下となることがわかる。
さらに、R については図5に示すとおりであり、腐食侵食深さはR が3〜14μmの範囲で約70μm以下、5〜7μmの範囲では約5μm以下となることがわかる。
このロール状試験品1〜7について、目視あるいは拡大鏡で観察し、赤錆が発現した時間を測定することによって錆発生時間比を調べた。これをR についてまとめた結果は図6に示すとおりである。
ブラスト処理を併用したクロムめっきの施工工程を示した図。 従来の重ねめっきの施工工程を示した図。 実施例におけるR −腐食深さの関係を示す図。 実施例におけるRmax −腐食深さの関係を示す図。 実施例におけるR −腐食深さの関係を示す図。 実施例におけるR −錆発生時間比の関係を示す図。

Claims (1)

  1. 構造用鋼母材の表面に数層のクロムめっき被膜を重ねて形成する方法において、上記母材上に直接形成したクロムめっき被膜表面にブラスト処理を施して該表面にR 、Rmax 及びR で表した表面粗さがそれぞれR =0.3〜1.5μm、Rmax =3〜15μm及びR =3〜14μmの範囲の凹凸を形成した後、クロムを電気めっきすることを特徴とするクロムめっき被膜の形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008137057A (ja) * 2006-12-05 2008-06-19 Mishima Kosan Co Ltd 連続鋳造用鋳型

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